JP2002179926A - 防湿加工用樹脂組成物および防湿材 - Google Patents

防湿加工用樹脂組成物および防湿材

Info

Publication number
JP2002179926A
JP2002179926A JP2000380196A JP2000380196A JP2002179926A JP 2002179926 A JP2002179926 A JP 2002179926A JP 2000380196 A JP2000380196 A JP 2000380196A JP 2000380196 A JP2000380196 A JP 2000380196A JP 2002179926 A JP2002179926 A JP 2002179926A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moisture
resin
proof
resin composition
powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000380196A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4636296B2 (ja
Inventor
Chikao Kakinuma
親雄 柿沼
Tetsuo Kawasaki
哲夫 河崎
Keigo Yoshikawa
圭吾 吉川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd filed Critical Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
Priority to JP2000380196A priority Critical patent/JP4636296B2/ja
Publication of JP2002179926A publication Critical patent/JP2002179926A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4636296B2 publication Critical patent/JP4636296B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ポリエチレンラミネ−ト紙以上の高防湿
性能を付与することができ、再生に際し樹脂層と紙との
離解性がよく、耐スベリ性がよく、ワックスの脱落のな
い防湿加工用樹脂組成物と、防湿材を提供すること。 【解決手段】 合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラ
テックス(A)と平均粒子径が1〜50μmで軟化点が
70℃以上の疎水性有機樹脂粉末(B)とを含有する防
湿加工用樹脂組成物と、この組成物が基材上に塗布され
てなる防湿材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防湿加工用樹脂組
成物と、この防湿加工用樹脂組成物を用いた防湿材に関
するものであり、さらに詳しくは、紙または不織布に塗
工または含浸することによって、防湿性の層を形成させ
る防湿加工用樹脂組成物と、この防湿加工用樹脂組成物
を用いた防湿材に関するものである。この防湿加工用樹
脂組成物は、特に故紙や損紙の回収が容易な防湿、防水
組成物であり、特に包装紙の分野に適用されるものであ
り、防湿材としては、特に防湿紙が挙げられる。
【0002】
【従来の技術】従来から防湿紙としては、原紙に塩化ビ
ニリデン樹脂を塗工した防湿コ−ト紙や、ポリエチレン
ラミネ−ト紙などがある。これらの防湿紙は、防湿性能
の面で良好であるため包装紙分野に適用されている。
【0003】近年、資源の有効利用および公害対策の面
から故紙や損紙の回収に際して、紙に再生することが容
易か否かという問題がある。この観点からポリエチレン
ラミネート紙の場合は、樹脂層と紙との解離が困難であ
り、故紙や損紙を回収しても再生し難いという問題があ
る。
【0004】また、塩化ビニリデン樹脂を塗工した場合
は、塗工紙の焼却廃棄処理するときハロゲンの有毒ガス
発生が、最近環境上問題となっている。
【0005】このように、いずれの防湿紙も問題点があ
り、代替防湿紙の開発が強く要求されている。
【0006】この代替技術として、ブタジエン系ラテッ
クス100重量部にワックス5〜200重量部を配合し
塗工することにより防湿紙を得る技術が、特公昭55−
2259号公報の中に提案されている。しかし、この技
術は、ワックスを使用しているため塗工面が滑りやす
く、防滑剤などを用いても、耐スベリ性を満足するもの
ではない。また、塗工面の磨耗によるワックスの脱落に
よってかえって防湿性能の低下がみられる。さらに塗工
紙の巻取り時の圧力によって塗工紙のブロッキングなど
の問題が発生する。
【0007】また、アクリル系エマルジョンにワックス
をブレンドしてダンボ−ルへ塗工し、防湿紙を製造する
技術も提案されている(特公平2−1671号公報)。
しかし、この技術で得られる防湿紙は、耐スベリ性は満
足するものであるが、防湿性は、上記塩化ビニリデン樹
脂塗工紙や、ポレエチレンラミネート紙に較べて劣って
いる。
【0008】更に、パラフィンワックスと特定のマレイ
ン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエ
ステル化物とポリブテン等を含有するワックスエマルジ
ョンを防湿組成物として使用した技術がある(特公平3
−10759号公報)。しかし、この防湿組成物を基材
に塗布して得られる防湿紙は、塗工面の摩耗によってワ
ックスが脱落し防湿性が低下する。
【0009】また、紙支持体上の少なくとも片面にワッ
クスおよび合成樹脂ラテックスを含む防湿層を形成して
なる防湿性紙において、該防湿層がアスペクト比5以上
で粒子径が5〜50μmの平板状顔料を含有し、しかも
n−パラフイン成分率が防湿層全体に対し0.5〜5.
0重量%である防湿性紙に関する技術がある(特開平9
−111696号公報)。しかし、この技術は、組成物
を製造するときの顔料分散性、顔料配合での増粘により
低粘度化が難しく、低粘度を必要とする塗工機での塗工
適性に問題がある。また、塗工紙の光沢性(白色度)と
摩擦係数においても十分満足の行く性能が得られない。
【0010】更にまた、スチレン−ブタジエンラテック
ス等の合成樹脂ラテックスを主材とする防湿剤に水酸化
アルミニウム細粉、好ましくは更にワックスを添加した
塗工液を、水酸化アルミニウム細粉の粒子の一部が塗工
液の塗工により形成された防湿層の表面に突出するよう
に原紙に塗工した防湿加工紙に関する技術がある(特開
平11−335999号公報)。しかし、この技術は、
ポリエチレンラミネ−ト紙に匹敵する防湿性が得られる
ものの、それ以上の防湿性能を得るのは困難である。ま
た、ここで用いる塗工液は、水酸化アルミニウム細粉が
沈降し易く、保存安定性に劣るという欠点がある。
【0011】そこで、ポリエチレンラミネ−ト紙以上の
防湿性を付与できると共に、故紙と損紙の回収が可能な
エマルジョン系の防湿加工用樹脂組成物、好ましくは保
存安定性に優れる防湿加工用樹脂組成物の開発が望まれ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、ポリエチレンラミネ−ト紙以上の高防湿性
能(JIS Z−0208)を付与することができ、再
生に際し樹脂層と紙との離解性がよく、耐スベリ性がよ
く、ワックスの脱落のない防湿加工用樹脂組成物、好ま
しくは保存安定性に優れる防湿加工用樹脂組成物と、こ
の防湿加工用樹脂組成物を用いた防湿材を提供すること
にある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
解決するために鋭意研究を行なった結果、合成樹脂エマ
ルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)と、平均粒子
径が1〜50μmで軟化点が70℃以上の疎水性有機樹
脂粉末(B)、好ましくは、さらに特定割合の融点が4
5〜65℃のパラフィンワックス(C)とを、含有して
なる樹脂組成物は、保存安定性に優れ、これを紙等の基
材に塗工することにより、ポリエチレンラミネ−ト並み
の高い防湿性能を発揮し、かつ、故紙と損紙の回収が容
易で、しかも、耐ブロッキング性に優れるものが得られ
ること等を見い出し、本発明を完成させるに到った。
【0014】すなわち、本発明は、 1.合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス
(A)と平均粒子径が1〜50μmで軟化点が70℃以
上の疎水性有機樹脂粉末(B)とを含有していることを
特徴とする、防湿加工用樹脂組成物、 2.さらに、融点が45〜65℃のパラフィンワックス
(C)を、固形分換算で、合成樹脂エマルジョンまたは
合成ゴムラテツクス(A)100重量部に対して0.3
〜150重量部含有する、上記1記載の防湿加工用樹脂
組成物、 3.パラフインワックス(C)が、ノルマルパラフィン
ワックスを90重量%以上含むものである、上記2記載
の防湿加工用樹脂組成物、 4.合成樹脂エマルジョウンまたは合成ゴムラテックス
(A)中の樹脂分のガラス転移温度(Tg)が、5〜3
0℃である上記1,2または3記載の防湿加工用樹脂組
成物、 5.疎水性有機樹脂粉末(B)を、固形分換算で、合成
樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)10
0重量部に対して5〜250重量部含有する、上記1〜
4のいずれか1つに記載の防湿加工用樹脂組成物、 6.疎水性有機樹脂粉末(B)が、平均粒子径8〜30
μm、軟化点80〜300℃、比重1.0〜2.0の疎
水性有機樹脂粉末である、上記1〜5のいずれか1つに
記載の防湿加工用樹脂組成物、 7.疎水性有機樹脂粉末(B)が、ポリエステル系樹
脂、ロジン酸エステル系樹脂、テルペンフェノ−ル系樹
脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂およ
びエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる1種以上の樹
脂の粉末である、上記1〜6のいずれか1つに記載の防
湿加工用樹脂組成物、 8.さらに、平均粒子径が1〜50μmの無機物質粉末
(無機系顔料)(D)を含有する、上記1〜7のいずれ
か1つに記載の防湿加工用樹脂組成物、 9.疎水性有機樹脂粉末(B)と無機物質粉末(無機系
顔料)(D)の重量比(B)/(D)が、100/5〜
0/95である、上記8記載の防湿加工用樹脂組成物、 10.上記1〜9のいずれか1つに記載の防湿加工用樹
脂組成物が、固形分換算で、10〜50/m2 となる塗
布量で基材上に塗布されていることを特徴とする、防湿
材、 および、 11.基材が紙である、上記11記載の防湿材、 を提供するものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いる合成樹脂エマルジ
ョンまたは合成ゴムラテックス(A)は、その種類は特
に限定されるものではなく、樹脂分のガラス転移温度
(Tg)が−39〜40℃の合成樹脂エマルジョンまた
は合成ゴムラテツクスを通常用いるが、なかでも、耐ブ
ロッキング性、防湿性に優れる防湿材が得られることか
ら、樹脂分のガラス転移温度(Tg)が5〜30℃の合
成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテツクスが好まし
い。
【0016】上記合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴム
ラテックス(A)としては、例えば、以下に示すような
エチレン性不飽和単量体を単独もしくは複数組み合わせ
て(ただし、合成ゴムラテックスの場合は、脂肪族共役
ジエン単量体等を必須成分として用いて)乳化重合させ
ることにより製造されるものが挙げられる。エチレン性
不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル、メ
タクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エ
チル、アクリル酸プロピル、メタルクル酸プロピル、ア
クリル酸ブチル、メタルリル酸ブチル、アクリル酸ヘキ
シル、メタアクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、
メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリ
ル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸
オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル;1,2−ブタジェン、1,3−ブタジェン、イソプ
レン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン単量体;スチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルス
チレン、2,4−ジブロモスチレン等のエチレン性不飽
和芳香族単量体;アクリロニトリル、メタクロニトリル
等の不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタ
コン酸;マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、
イタコン酸モノノルマルブチル等の不飽和ジカルボン酸
モノアクキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル等のビニルエステル;塩化ビニリデン、臭化ビニリデ
ン等のビニリデンハライド;アクリル酸−2−ヒドロキ
シエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸−2−ヒドロキルエチル等のエチレン性不飽和
カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸
グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の如きエチレン
性不飽和カルボン酸のグリシジルエステル;アクリルア
ミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメ
チルアクリルアミド、ジアセトンアクリルミド等のラジ
カル重合可能な単量体が挙げられる。
【0017】本発明で用いる合成樹脂エマルジョンまた
は合成ゴムラテックス(A)は、上記のエチレン性不飽
和単量体を乳化重合することによって得られるが、この
際使用する乳化剤としては、一般に市販されている陰イ
オン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面
活性剤、両イオン界面活性剤などを使用することができ
る。これらのうち、防湿性をより高めるためには反応性
乳化剤を用いることが好ましい。この反応性乳化剤を用
いることによりソープフリー型のエマルジョンが得られ
る。
【0018】反応性乳化剤としては、例えば、スチレン
スルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、各種エチ
レン性不飽和基を有する乳化剤などを挙げることができ
る。この中でも、特開昭58−203960号公報で示
される下記の構造式を有する化合物が最も好ましい。
【化1】 (式中、Rは炭素原子数12のアルキル基または水素原
子の1つがフッ素原子で置換された炭素原子数18のア
ルキル基を表し、Mはナトリウム原子またはアンモニウ
ム基を表す。)
【0019】また、乳化剤を使用せず、合成樹脂エマル
ジョンまたは合成ゴムラテックス(A)中のの樹脂にカ
ルボキシル基等の陰イオン性基、第4級アンモニウム塩
基等の陽イオン性基、エチレンオキサイド鎖等の非イオ
ン性の官能基を含ませた自己乳化型のソープフリーのエ
マルジョンを使用することもできる。
【0020】なお、本発明の防湿加工用樹脂組成物が、
合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)
とワックスエマルジョンとを併用するものである場合に
は、ワックスエマルジョンとの相溶性の点から、乳化剤
のイオン性、非イオン性を一致させることが好ましい。
例えば、ワックスエマルジョンに陰イオン性界面活性剤
を使用すれば合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテ
ックス(A)も陰イオン性界面活性剤を使用したものが
好ましい。
【0021】乳化剤の使用量としては、合成樹脂エマル
ジョンまたは合成ゴムラテックス(A)の固形分100
重量部に対して、0.1〜3重量部用いるのが、防湿性
に優れる防湿材が得られることから、好ましい。
【0022】本発明で用いる合成ゴムラテックスとして
は、高い防湿性能が得られることから、スチレンブタジ
エンゴム(SBR)、メチルメタクリレートブタジエン
ゴム(MBR)の水分散体が好ましい。
【0023】また、本発明で用いる合成樹脂エマルジョ
ンとしては、上記エチレン性不飽和単量体を乳化重合し
たものであるが、防湿性に優れる防湿材が得られること
から、これらのエチレン性不飽和単量体の中でも2−エ
チルヘキシルアクリレ−トを必須成分として使用したも
のが好ましい。
【0024】本発明で用いる合成樹脂エマルジョンまた
は合成ゴムラテックス(A)を製造するに際しては、例
えば、前記したエチレン性不飽和単量体を必須成分とし
た単量体混合物を、フリ−ラジカル発生触媒の存在下
で、40〜80℃で乳化重合を行なえばよい。フリ−ラ
ジカル発生触媒としては、例えば、過硫酸カリウム(K
228)、過硫酸アンモニウム[(NH4228]、
過酸化水素等の水性触媒、tert−ブチルハイドパ−オキ
サイド、クメンハイドロパ−オキサイド等の油性触媒な
どが挙げられる。
【0025】上記乳化重合に際しては、ラジカル重合に
通常用いられる添加剤、例えば、連鎖移動剤、エチレン
ジアミン四酢酸、pH調整のためのアルカリ物質を必要
に応じて使用することができる。
【0026】また、本発明で用いる合成樹脂エマルジョ
ンまたは合成ゴムラテッス(A)は、未反応モノマーの
臭気を低減する等のため、例えば、ストリッピング等の
方法によって必要とされる固形分含量に濃縮されて使用
することが好ましい。
【0027】合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテ
ッス(A)の最低造膜温度(MFT)としては、特に制
限はないが、皮膜形成性に優れる防湿加工用樹脂組成物
が得られることから、50℃以下が好ましい。
【0028】本発明で用いる疎水性有機樹脂粉末(B)
としては、平均粒子径が1〜50μmで、軟化点が70
℃以上の疎水性有機樹脂からなる粉末であればよく、特
に限定されないが、疎水性有機樹脂粉末(B)を含有さ
せた本発明の防湿加工用樹脂組成物からなる塗工液を紙
等の基材に塗工した際に疎水性有機樹脂粉末(B)の粒
子の一部分が塗工液の塗工により形成された防湿層の表
面に突出するようになるものが望ましいことから、平均
粒子径が8〜30μmのものが好ましく、なかでも平均
粒子径が8〜30μm、軟化点が80〜300℃、比重
が1.0〜2.0のものが特に好ましい。平均粒子径が
1μm未満の場合には、耐ブロッキング性の劣る防湿材
となるし、50μmを越えると造膜性、防湿性および表
面状態に劣る防湿材となることから、それぞれ好ましく
ない。
【0029】上記疎水性有機樹脂粉末(B)としては、
例えば、ポリエステル系樹脂粉末、ロジン酸エステル系
樹脂粉末、テルペンフェノ−ル系樹脂粉末、石油系樹脂
粉末、スチレン系樹脂粉末、アクリル系樹脂粉末、エポ
キシ系樹脂粉末等が挙げられ、なかでも分散性が良好で
長期保存安定性に優れる防湿加工用樹脂組成物が得られ
ることから、ポリエステル系樹脂粉末、スチレン系樹脂
粉末が好ましい。
【0030】疎水性有機樹脂粉末(B)の使用量は、合
成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)の
固形分100重量部に対して、通常5〜250重量部で
あるが、なかでも耐すべり性、造膜性、防湿性に優れる
防湿材が得られることから、10〜150重量部が好ま
しい。
【0031】本発明の防湿加工用樹脂組成物には、合成
樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテッス(A)および
疎水性有機樹脂粉末(B)と共に、融点が45〜65℃
のパラフィンワックス(C)や脂肪酸エステルを併用す
ることが、透湿性、造膜性および耐すべり性を同時に満
足する防湿材が得られることから好ましく、なかでもパ
ラフィンワックス(C)を併用することが特に好まし
い。
【0032】パラフィンワックスは、石油から分離さ
れ、精製された結晶性パラフィンであり、主としてノル
マルパラフィン、イソパラフィン、シクロパラフィン等
の構造のものがある。パラフィンワックスの融点は、通
常40〜70℃の範囲で変化するが、本発明で用いるパ
ラフィンワックス(C)は、融点が45〜65℃である
ことが必須である。融点が45℃に満たないと、本発明
の防湿加工用樹脂組成物を基材に塗布後、乾燥工程にお
いて基材にしみ込んでしまうため防湿性を発揮せず、6
5℃を越えるとワックスが塗膜の表面に出ないため防湿
性を発揮しないことから、それぞれ好ましくない。さら
に、本発明で用いるパラフィンワックス(C)として
は、なかでも、ノルマルパラフィンを90重量%以上含
み、イソパラフィンとシクロパラフィンは10重量%以
下であるものが、防湿性に優れる防湿材が得られること
から、好ましい。また、分子量は、特に制限がないが、
数平均分子量で330〜480であることが、防湿性に
優れる防湿材を得られることから、好ましい。炭素原子
数は、特に制限はないが、20〜35のものが好まし
い。
【0033】パラフィンワックス(C)の使用量は、防
湿性と耐スベリ性に優れる防湿材が得られることから、
合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)
の固形分100重量部に対して、0.3〜150重量部
であることが好ましく、なかでも、2〜100重量部が
特に好ましい。
【0034】パラフィンワックス(C)の形態として
は、固形状またはこの固形状のものを乳化分散したエマ
ルジョン状のものが挙げられ、いずれの形態も使用する
ことができるが、合成樹脂エマルジョン等との相溶性の
点でエマルジョン状のものが好ましい。
【0035】パラフィンワックス(C)の乳化分散の
際、乳化剤を使用することができる。乳化剤としては、
一般に市販されている陰イオン性界面活性剤、非イオン
界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤
などを使用することができる。
【0036】パラフィンワックス(C)の市販品として
は、例えば、115、120、125、130、13
5、140、150〔以上、日本精蝋(株)製〕等の固形
状パラフィンワックス;EMUSTER 0135、0
136、0384〔以上、日本精蝋(株)製〕、ハリック
ス WE200〔ハリマ化成(株)製〕、セロゾール 4
28、B−460、B−608、B−982、686
〔以上、中京油脂(株)製〕等のエマルジョン状パラフィ
ンワックスなどが挙げられる。
【0037】本発明では、上記したように合成樹脂エマ
ルジョンまたは合成ゴムラテッス(A)および疎水性有
機樹脂粉末(B)と共に、好ましく併用することができ
る脂肪酸エステルとしては、特に限定されないが、例え
ば、炭素原子数が6〜36の高級脂肪酸と炭素原子数が
6〜36の高級アルコ−ルとから得られる脂肪酸エステ
ルが挙げられ、なかでも耐水性に優れる防湿加工用樹脂
組成物が得られることから、炭素原子数14〜26の高
級脂肪酸と炭素原子数14〜26の高級アルコ−ルとか
ら得られる脂肪酸エステルが好ましく、ステアリン酸ス
テアリルが特に好ましい。
【0038】上記脂肪酸エステルの形態としては、粉
末、水分散化されたタイプ等の形態のものが挙げられる
が、配合作業性を考えると水分散化されたタイプが好ま
しい。
【0039】脂肪酸エステルの使用量としては、特に制
限されないが、防湿性と塗工面の耐久性に優れる防湿加
工用樹脂組成物が得られることから、合成樹脂エマルジ
ョンまたは合成ゴムラテッス(A)の固形分100重量
部に対して、3〜200重量部であることが好ましく、
なかでも5〜100重量部であることが特に好ましい。
【0040】本発明の防湿加工用樹脂組成物は、必要に
応じて、上記した各成分の他に、無機物質粉末、界面活
性剤、多価アルコ−ル、増粘剤等を添加することができ
る。
【0041】上記無機物質粉末としては、例えば、水酸
化アルミニウム、炭酸カルシウム、タルク、カオリン、
酸化チタン、酸化亜鉛、シリカ等の粉末が挙げられる。
【0042】界面活性剤および多価アルコールは、塗工
紙を再生する場合の離解性を向上させるために使用する
ものである。この界面活性剤としては、例えば、市販品
として、エマルゲン105、108、109P、12
0、123P、705、707、709、エマ−ル、エ
マ−ル2F、ネオペレックスF25〔以上、花王(株)
製〕;ノイゲンEA−80、120、140、142、
160、170、190D、ネオコ−ルYSK、P〔以
上、第一工業製薬(株)製〕等が挙げられる。
【0043】また、多価アルコ−ルとしては、例えば、
エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレ
ングリコ−ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール等が挙げられる。
【0044】増粘剤としては、例えば、ポリビニ−ルア
ルコ−ル、ポリアクリル酸ソ−ダ塩、及びアンモニウム
塩、ポリエチレン系増粘剤等が挙げられる。
【0045】本発明の防湿加工用樹脂組成物の製造方法
としては、例えば、合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴ
ムラテックス(A)と、疎水性有機樹脂粉末(B)とを
混合する方法等が挙げられる。なお、パラフィンワック
ス(C)を添加する場合には、パラフィンワックス
(C)を、合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテッ
クス(A)と疎水性有機樹脂粉末(B)と共に混合する
方法や、パラフィンワックス(C)の存在下で合成樹脂
エマルジョンまたは合成ゴムラテックス(A)を乳化重
合した後、疎水性有機樹脂粉末(B)と混合する方法等
が挙げられる。また、無機物質粉末、界面活性剤、多価
アルコ−ル、増粘剤等は、疎水性有機樹脂粉末(B)と
共に用いて混合することが好ましい。
【0046】本発明の防湿材は、本発明の防湿加工用樹
脂組成物を基材に塗布または含浸させることにより得ら
れる。例えば、基材が紙であれば防湿紙が得られる。
【0047】本発明の防湿材で用いる基材としては、例
えば、紙、板紙、不織布、繊維基材、木材などが挙げら
れる。これら基材に、本発明の防湿加工用樹脂組成物を
塗布または含浸する方法としては、各種コ−タ−による
塗工、含浸機による含浸加工、サイズプレスによる加工
等多種多様な加工方法を用いることができる。
【0048】基材への塗工量としては、できるだけ低塗
工量であることが、乾燥性に優れ、コストが低く、故紙
や損紙の回収が容易であること、および、塗工液を紙等
の基材に塗工した際に疎水性有機樹脂粉末(B)の粒子
の一部分が塗工液の塗工により形成された防湿層の表面
に突出するようになり、防湿性と共に耐スベリ性に優れ
る防湿紙が得られることから望ましい。通常の場合、塗
工量が10〜50g/m2 となるよう塗工するのが好ま
しく、なかでも20〜30g/m2 となるよう塗工する
のが特に好ましい。
【0049】
【実施例】以下に合成例、実施例および比較例を挙げ
て、本発明を説明する。なお、例中の部および%はすべ
て重量基準とする。
【0050】合成例1 撹拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナ
トリウム0.1部、反応性乳化剤S−180〔不飽和ア
ルキル硫酸塩、花王(株)製〕0.5部、エチレンジアミ
ン四酢酸0.1部、スチレン30部、ブタジエン25
部、メチルメタクリレ−ト40部、アクリル酸5.0
部、および、t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込
み、撹拌下に反応温度を60℃に昇温し、重合容器内温
度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.1部
を添加して反応を開始させ、7時間後、重合率が98%
に達したとき冷却を行なって合成ゴムラテックスを得
た。得られたラテックスは、重合率98.6%であっ
た。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを
9.0に調整し、その後水蒸気蒸留によって乳化剤の含
有量が1%以下の固形分50.1%のSBR(スチレン
−ブタジエンゴム)ラテックス(以下、LX−Aとい
う)を得た。
【0051】合成例2 撹拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナ
トリウム0.1部、乳化剤ネオペレックスF−25〔ア
ルキルベンゼンスルホン酸ソ−ダ塩、花王(株)製〕
0.5部、エチレンジアミン四酢酸0.1部、スチレン
30部、ブタジエン25部、メチルメタクリレ−ト40
部、アクリル酸5.0、および、t−ドデシルメルカプ
タン0.1部を仕込み、撹拌下に反応温度を60℃に昇
温し、重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸ア
ンモニウム0.1部を添加して反応を開始させ、7時間
後、重合率が98%に達したとき冷却を行なって合成ゴ
ムラテックスを得た。得られたラテックスは、重合率9
8.6%であった。次いで、25%アンモニア水でラテ
ックスのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留によ
って乳化剤の含有量が1%以下の固形分50.1%のS
BRラテックス(以下、LX−Bという)を得た。
【0052】合成例3 撹拌装置を備えた重合容器に水120部、水酸化ナトリ
ウム0.1部、反応性乳化剤S−180〔不飽和アルキ
ル硫酸塩、花王(株)製〕0.5部、エチレンジアミン四
酢酸0.1部、スチレン30部、2−エチルヘキシルア
クリレート25部、メチルメタクリレート40部、アク
リル酸5.0、および、t−ドデシルメルカプタン0.
1部を仕込み、撹拌下に反応温度を70℃に昇温し、重
合容器内温度が70℃に達したとき、過硫酸アンモニウ
ム0.1部を添加して反応を開始させ、7時間後、重合
率が98%に達したとき、冷却を行なって合成樹脂エマ
ルジョンを得た。行なった。得られたエマルジョンは、
重合率98.6%であった。次いで、25%アンモニア
水でエマルジョンのpHを9.0に調整し、その後水蒸
気蒸留によって乳化剤の含有量が1%以下の固形分5
0.5%の合成樹脂エマルジョン(以下、EM−Aとい
う)を得た。
【0053】合成例4 撹拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、パラフィ
ンワックス〔日本精蝋(株)製パラフィンワックスエマル
ジョン、EMUSTAR−0136、融点60℃、固形
分40%)10部、水酸化ナトリウム0.1部、反応性
乳化剤S−180〔不飽和アルキル硫酸塩、花王(株)
製〕0.5部、エチレンジアミン四酢酸0.1部、スチ
レン30部、ブタジエン25部、メチルメタクリレート
40部、アクリル酸5・0部、および、t−ドデシルメ
ルカプタン0.1部を仕込み、撹拌下に反応温度を60
℃に昇温し、重合容器内温度が60℃に達したとき、過
硫酸アンモニウム0.1部を添加して反応を開始させ、
7時間後、重合率が98%に達したとき冷却を行なって
合成ゴムラテックスを得た。得られたラテックスは重合
率98.6%であった。次いで、25%アンモニア水で
ラテックスのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留
し、乳化剤の含有量が1%以下で、固形分が49.9%
の、パラフィンワックスを含有したSBRラテックス
(以下、LX−1という)を得た。
【0054】実施例1〜9および比較例1〜6 撹拌装置を備えた耐圧重合容器に、LX−A、LX−
B、EM−A、LX−1、パラフィンワックス(013
6、042X)、疎水性有機樹脂粉末(M−8630、
A−100、803L、M−135、GS−102、A
−125、SE−730)、さらに無機物質粉末(B3
03、NN#200、雲母 A21)を、それぞれ第1
表と第2表に示すとおり配合し、実施例1〜9の防湿加
工用組成物と比較例1〜5で用いる防湿加工用組成物を
得た。また、比較例6として、市販ポリエチレンラミネ
−ト紙を用意した。
【0055】得られた防湿加工用組成物を市販の上質紙
(坪量70m2 )に対して、マイヤ−ロットにより塗工
量が25g/m2 となるように塗工し、熱風乾燥機にて
120℃で1分間乾燥し、防湿塗工紙を得た。
【0056】得られた防湿加工用組成物と防湿加工紙に
ついて、下記のように各物性の評価試験を行った。第3
表と第4表に測定の結果を示す。
【0057】各物性のは評価試験は以下のように行っ
た。 <測定方法および評価基準> ・透湿度(g/m2 、24時間);防湿加工紙の塗工面
の透湿度をJIS Z−0208に準じた恒温恒湿条件
下、40℃、90%RHでのカップ法で測定した。 ・磨耗後の透湿度(g/m2 、24時間);防湿加工紙
の塗工面と非塗工面を合わせ、荷重10Kgをかけ、振
盪機を用いて2分間左右に振盪を行い、塗工面を磨耗し
た後、塗工面の透湿度をJIS Z−0208に準じた
恒温恒湿条件下、40℃、90%RHでのカップ法で測
定した。 ・摩擦係数;防湿加工紙の塗工面の摩擦係数をJIS
P−8147(水平法)に準じて測定した。
【0058】・離解性;家庭用ミキサ−ポット中に53
5mlの温水40℃に25%水酸化ナトリウム0.8m
l加え、3cm角にカットした塗工紙1gを入れ、3分
間離解を行い、樹脂と紙の離解状態を下記の評価基準で
目視評価した。 ○:離解性あり。 △:離解性一部なし。 ×:理解性なし。 ・ブロッキング性;10×10cmの防湿加工紙の塗工
面と黒画用紙を合わせ、プレス圧10kg/cm2 、プ
レス温度40℃の条件で15分間プレスを行い、防湿加
工紙と黒画用紙のブロッキンン状態を下記の評価基準で
目視評価した。 ○:ブロッキングなし。 △:ブロッキングややあり。 ×:ブロッキングあり。 ・分散性;防湿加工用樹脂組成物をアプリケーター(バ
ーコーター)にて膜厚が20μmとなるようにガラス板
上に塗工し、疎水性有機樹脂粉末や無機物質粉末顔料の
分散状態を下記の評価基準で目視評価した。 ○:均一に分散している。 △:均一だが、分散不十分である。 ×:塊があり、分散していない。 ・耐溶剤性;防湿加工紙の塗工面に着色したトルエンを
落とし、溶剤が塗工紙の裏面浸透していないか、下記の
評価基準で指触と目視により評価した。 ○:浸透していない。 △:少し滲みあり。 ×:完全に浸透している。 ・貯蔵安定性;防湿加工用樹脂組成物に水性染料を混合
して着色した後、100mlのメスシリンダーに100
mlとり、24時間放置した後、疎水性有機樹脂粉末や
無機物質粉末の沈降状態を下記の評価基準で目視評価し
すると共に、沈降のあるものについてはスパチュラで攪
拌し、再分散性の有無を評価した。 ○:粉末の沈降なし。 △:粉末の一部が沈降しているが、再分散が容易であ
る。 ×:粉末のほぼ全部が沈降しており、再分散不能であ
る。
【0059】
【表1】
【0060】(第1表の脚注) ・0136 :日本精蝋(株)製パラフィンワックス
エマルジョン(EMUSTAR−0136、融点60
℃、固形分40%) ・M−8630 :大日本インキ化学工業(株)製ポリエ
ステル系樹脂粉末(ディックファインM−8630、軟
化点116〜122℃)を、篩いにかけて平均粒子径3
0μmに調整したもの ・A−100 :荒川化学工業(株)製ロジン酸エステ
ル系樹脂(スーパーエステルA−100、軟化点95〜
105℃)を、粉砕後、篩いにかけて平均粒子径30μ
mに調整したもの ・803L :荒川化学工業(株)製テルペンフエノ
−ル系樹脂(タマノル803L、軟化点145〜160
℃)を、粉砕後、篩いにかけて平均粒子径20μmに調
整したもの ・M−135 :荒川化学工業(株)製石油系樹脂(ア
ルコンM−135、軟化点130〜140℃)を、粉砕
後、篩いにかけて平均粒子径50μmに調整したもの。 ・GS−102R:武田薬品(株)製スチレン系樹脂粉末
〔スタフィロイドGS−102R、軟化点なし(分解温
度200℃以上)、平均粒子径20μm〕 ・B303 :日本軽金属工業(株)製水酸化アルミ
ニウム粉末(B303、平均粒子径30μm) ・NN#200 :日東粉化工業(株)製炭酸カルシウム
粉末(NN#200、平均粒子径15μm)
【0061】
【表2】
【0062】(第2表の脚注) ・0136 :日本精蝋(株)製パラフィンワックス
エマルジョン(EMUSTAR−0136、融点60
℃、固形分40%) ・042X :日本精蝋(株)製パラフィンワックス
エマルジョン(EMUSTAR−042X、融点82
℃、固形分40%) ・A−125 :荒川化学工業(株)製ロジン酸エステ
ル樹脂(スーパーエステルA−125、軟化点120〜
130℃)を、粉砕後、篩いにかけて平均粒子径80μ
mに調整したもの ・SE−730 :荒川化学工業(株)製ロジン酸エステ
ル樹脂エマルジョン(スーパーエステルSE−730、
平均粒子径0.04〜0.07μm) ・B303 :日本軽金属工業(株)製水酸化アルミ
ニウム粉末(B303、平均粒子径30μm) ・A−21 :土屋カオリン工業(株)製雲母粉末
(A−21、平均粒子径8μm)
【0063】
【表3】
【0064】
【表4】
【0065】この第3表と第4表の結果と比較すると、
実施例1〜9で得られた防湿加工紙は、透湿度および摩
擦後の透湿度が比較例1〜6で得られた防湿加工紙の値
よりいずれも低く、防湿性の点でポリエチレンラミネ−
ト紙以上の高い防湿性能を示すことがわかる。また、実
施例1〜7で得られた防湿加工用樹脂組成物は、粉末と
して疎水性有機樹脂粉末のみを分散させているため、貯
蔵安定性に優れている。なお、実施例8〜9で得られた
防湿加工用樹脂組成物は、一部に粉末の沈降が認められ
たが、これは粉末として疎水性有機樹脂粉末と共に分散
させた無機物質粉末(水酸化アルミニウムや炭酸カルシ
ウム)が沈降するためである。
【0066】
【発明の効果】本発明の防湿加工用組成物を用いてなる
防湿材、特に防湿紙は、従来のポリマ−を用いた防湿塗
工紙に比べて防湿性能に優れているとともに摩耗後ワッ
クスの脱落が少なく、防湿性能の低下が極めて少ない。
また塗工紙の再パルプ化が容易である。更に、摩擦係数
と耐ブロキング性においても極めて優れており防湿加工
紙として大変有用である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA01A AC05 AJ11A AK01A AK02A AK08 AK12A AK25A AK33A AK41A AN02A BA02 BA07 CA13A DE01A DG10B EH462 GB15 JA04A JA13A JB06A JD05 JL16 JM01A YY00A 4J002 AC02W AC08W AE03Y BA01X BC02X BC05W BG00X BG04W CD00X CE00X CF00X DE106 DE136 DE146 DE236 DJ016 DJ036 DJ046 FA01X FD016 GK04 4L055 AG25 AG51 AG58 AG63 AG71 AG79 AG82 AG87 AG89 AG96 AG97 AH02 AH23 AJ02 AJ04 BE08 EA08 EA16 EA20 EA25 FA13 GA47

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラ
    テックス(A)と平均粒子径が1〜50μmで軟化点が
    70℃以上の疎水性有機樹脂粉末(B)とを含有してい
    ることを特徴とする、防湿加工用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに、融点が45〜65℃のパラフィ
    ンワックス(C)を、固形分換算で、合成樹脂エマルジ
    ョンまたは合成ゴムラテツクス(A)100重量部に対
    して0.3〜150重量部含有する、請求項1記載の防
    湿加工用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 パラフインワックス(C)が、ノルマル
    パラフィンワックスを90重量%以上含むものである、
    請求項2記載の防湿加工用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 合成樹脂エマルジョウンまたは合成ゴム
    ラテックス(A)中の樹脂分のガラス転移温度(Tg)
    が、5〜30℃である請求項1,2または3記載の防湿
    加工用樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 疎水性有機樹脂粉末(B)を、固形分換
    算で、合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックス
    (A)100重量部に対して5〜250重量部含有す
    る、請求項1〜4のいずれか1項記載の防湿加工用樹脂
    組成物。
  6. 【請求項6】 疎水性有機樹脂粉末(B)が、平均粒子
    径8〜30μm、軟化点80〜300℃、比重1.0〜
    2.0の疎水性有機樹脂粉末である、請求項1〜5のい
    ずれか1項記載の防湿加工用樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 疎水性有機樹脂粉末(B)が、ポリエス
    テル系樹脂、ロジン酸エステル系樹脂、テルペンフェノ
    −ル系樹脂、石油系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系
    樹脂およびエポキシ系樹脂からなる群から選ばれる1種
    以上の樹脂粉末である、請求項1〜6のいずれか1項記
    載の防湿加工用樹脂組成物。
  8. 【請求項8】 さらに、平均粒子径が1〜50μmの無
    機物質粉末(無機系顔料)(D)を含有する、請求項1
    〜7のいずれか1項記載の防湿加工用樹脂組成物。
  9. 【請求項9】 疎水性有機樹脂粉末(B)と無機物質粉
    末(無機系顔料)(D)の重量比(B)/(D)が、1
    00/5〜0/95である、請求項8記載の防湿加工用
    樹脂組成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項記載の防
    湿加工用樹脂組成物が、固形分換算で、10〜50/m
    2 となる塗布量で基材上に塗布されていることを特徴と
    する、防湿材。
  11. 【請求項11】 基材が紙である、請求項11記載の防
    湿材。
JP2000380196A 2000-12-14 2000-12-14 防湿加工用樹脂組成物および防湿材 Expired - Fee Related JP4636296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380196A JP4636296B2 (ja) 2000-12-14 2000-12-14 防湿加工用樹脂組成物および防湿材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000380196A JP4636296B2 (ja) 2000-12-14 2000-12-14 防湿加工用樹脂組成物および防湿材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002179926A true JP2002179926A (ja) 2002-06-26
JP4636296B2 JP4636296B2 (ja) 2011-02-23

Family

ID=18848429

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000380196A Expired - Fee Related JP4636296B2 (ja) 2000-12-14 2000-12-14 防湿加工用樹脂組成物および防湿材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4636296B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2004083521A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Toppan Printing Co., Ltd. 繊維構造物
JP2004308094A (ja) * 2003-03-25 2004-11-04 Nippon Paper Industries Co Ltd 樹脂含有紙及びそれを基材とする積層耐水紙
US7671122B2 (en) 2002-10-23 2010-03-02 Kao Corporation Wax composition and method for production thereof
JP2010168442A (ja) * 2009-01-21 2010-08-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エマルジョン組成物及び多孔質皮膜
JP2013096033A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Smi Inc 繊維材料又は皮革材料のペーパー捺染法及び捺染紙
WO2023243647A1 (ja) * 2022-06-13 2023-12-21 株式会社Ky7 紙系素材、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5658096A (en) * 1979-10-15 1981-05-20 Oji Paper Co Water resistant and repellent paper for heat seal molding
JPH10226964A (ja) * 1997-02-12 1998-08-25 Seikoh Chem Co Ltd コーティング布帛の製造方法
JPH10292290A (ja) * 1997-04-11 1998-11-04 Saiden Kagaku Kk 紙の防湿被覆用水性樹脂組成物
JPH11263849A (ja) * 1998-03-18 1999-09-28 Kuraray Co Ltd 合成樹脂エマルジョン粉末の製造方法
JP2000087012A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Dainippon Ink & Chem Inc 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2000220094A (ja) * 1999-01-26 2000-08-08 Sanyo Chem Ind Ltd 防湿紙の防湿層形成用組成物
JP2000313793A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Unitika Ltd ポリエステル樹脂水分散体及びそれから得られる被膜形成物
JP2000345494A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 防湿紙
JP2001026677A (ja) * 1999-05-11 2001-01-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 防湿加工用ラテックス組成物

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5658096A (en) * 1979-10-15 1981-05-20 Oji Paper Co Water resistant and repellent paper for heat seal molding
JPH10226964A (ja) * 1997-02-12 1998-08-25 Seikoh Chem Co Ltd コーティング布帛の製造方法
JPH10292290A (ja) * 1997-04-11 1998-11-04 Saiden Kagaku Kk 紙の防湿被覆用水性樹脂組成物
JPH11263849A (ja) * 1998-03-18 1999-09-28 Kuraray Co Ltd 合成樹脂エマルジョン粉末の製造方法
JP2000087012A (ja) * 1998-09-09 2000-03-28 Dainippon Ink & Chem Inc 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2000220094A (ja) * 1999-01-26 2000-08-08 Sanyo Chem Ind Ltd 防湿紙の防湿層形成用組成物
JP2000313793A (ja) * 1999-04-28 2000-11-14 Unitika Ltd ポリエステル樹脂水分散体及びそれから得られる被膜形成物
JP2001026677A (ja) * 1999-05-11 2001-01-30 Asahi Chem Ind Co Ltd 防湿加工用ラテックス組成物
JP2000345494A (ja) * 1999-06-09 2000-12-12 Nippon Paper Industries Co Ltd 防湿紙

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7671122B2 (en) 2002-10-23 2010-03-02 Kao Corporation Wax composition and method for production thereof
WO2004083521A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Toppan Printing Co., Ltd. 繊維構造物
JP2004308094A (ja) * 2003-03-25 2004-11-04 Nippon Paper Industries Co Ltd 樹脂含有紙及びそれを基材とする積層耐水紙
JP4492079B2 (ja) * 2003-03-25 2010-06-30 日本製紙株式会社 樹脂含有紙及びそれを基材とする積層耐水紙
JP2010168442A (ja) * 2009-01-21 2010-08-05 Nippon Synthetic Chem Ind Co Ltd:The エマルジョン組成物及び多孔質皮膜
JP2013096033A (ja) * 2011-11-02 2013-05-20 Smi Inc 繊維材料又は皮革材料のペーパー捺染法及び捺染紙
WO2023243647A1 (ja) * 2022-06-13 2023-12-21 株式会社Ky7 紙系素材、蓋体、蓋体付き容器、蓋体と容器の組み合わせ

Also Published As

Publication number Publication date
JP4636296B2 (ja) 2011-02-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5274924B2 (ja) カーテンコーター用共重合体ラテックスおよびカーテンコーター用紙塗工用組成物
JPH08218040A (ja) 粘着シート
JP2008127543A (ja) 共重合体ラテックスの製造方法、及び塗料組成物
JP2002179926A (ja) 防湿加工用樹脂組成物および防湿材
JP4100740B2 (ja) 共重合体ラテックス組成物および該共重合体ラテックス組成物を含有してなる紙塗工用組成物
JP2003049398A (ja) 防湿加工用合成樹脂エマルジョン、防湿加工用樹脂組成物および防湿材
JP3135151B2 (ja) 共重合体ラテックスの製造方法
JP5503205B2 (ja) 紙塗工用共重合体ラテックス及び紙塗工用組成物
JP2000087012A (ja) 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP3700037B2 (ja) 防湿加工用組成物
JP2777620B2 (ja) ジエン系重合体ラテックス
JP2002294561A (ja) 不織布壁紙防汚加工剤用合成樹脂エマルジョン、不織布壁紙用防汚加工剤および不織布壁紙
JP2001254296A (ja) 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2009091670A (ja) 紙塗工用共重合体ラテックス
JP4501184B2 (ja) 防湿加工用樹脂組成物及び防湿材
JP2009068129A (ja) 高炭酸カルシウム含有紙塗工用組成物
JP4222085B2 (ja) 防湿加工用合成樹脂エマルジョン、防湿加工用樹脂組成物および防湿材
JPH1053996A (ja) 防湿コート用塗工剤及びそれを用いた塗工紙
JP5457923B2 (ja) 共重合体ラテックス組成物、紙塗工用組成物及び塗工紙
JP4038707B2 (ja) 防汚加工剤
JP3803780B2 (ja) 防湿加工用樹脂組成物
JP4171971B2 (ja) 防湿加工用合成樹脂エマルジョン、防湿加工用樹脂組成物および防湿材
JP3144874B2 (ja) 共重合体ラテックス
JP3276693B2 (ja) 紙塗工用ラテックス
JP3029298B2 (ja) 紙塗工用共重合体ラテックスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050808

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070827

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20100426

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100511

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100601

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100922

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20101028

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20101110

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131203

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees