JP2001026677A - 防湿加工用ラテックス組成物 - Google Patents

防湿加工用ラテックス組成物

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JP2001026677A
JP2001026677A JP2000132220A JP2000132220A JP2001026677A JP 2001026677 A JP2001026677 A JP 2001026677A JP 2000132220 A JP2000132220 A JP 2000132220A JP 2000132220 A JP2000132220 A JP 2000132220A JP 2001026677 A JP2001026677 A JP 2001026677A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のポリオレフィンラミネート紙と同
等以上の防湿性を有し、かつ離解性、耐ブロッキング
性、折り曲げ性が良好な防湿紙用のラテックス組成物を
提供する。 【解決手段】 ゲル分が60〜90%のカルボキシル基
変性ラテックス、亜鉛化合物、及びワックスエマルジョ
ンとを含み、該ラテックス100重量部(固形分換算)
に対し、該亜鉛分が0.05〜2重量部、ワックスエマ
ルジョン0.5〜50重量部(固形分換算)であること
を特徴とする防湿加工用ラテックス組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は包装、容器等に使用
される防湿紙作製時に使用されるラテックス組成物に関
し、特に防湿性、耐ブロッキング性、離解性に優れ、且
つ防湿紙の折り曲げ性にも優れる防湿加工用ラテックス
組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、防湿性を必要とされる包装紙
の分野においては、ターポリン紙やワックス紙などが知
られており、最近ではポリエチレン、ポリプロピレン、
塩化ビニル等の高分子化合物を紙に塗工あるいは貼合等
を施し防湿、防水性を付与したものが一般的に使用され
ている。しかしながら、これらは防湿性に関しては十分
に機能を発揮し得るものであるが、古紙として回収する
際にはその離解性が極端に悪い。例えば、防湿紙製造工
程で発生する損紙、トリミング屑および成形加工時に発
生する損紙、また製品となった後の回収品等において、
パルプの再利用化が困難であった。その為、省資源、環
境問題の観点から大きな問題が残されていた。
【0003】最近、上記の問題点を改良するため、古紙
として再利用可能な防湿加工による防湿紙が提案されて
いる。例えば、ブタジエン系ラテックスにワックスを配
合したものを塗工し防湿紙を得る方法(特公昭55−2
2597号公報)、アクリルエマルジョンにワックスを
配合し塗工する方法(特公昭62−28826号公
報)、更にこの系でアクリルエマルジョンを架橋させた
ものを用いることにより離解性、ヒートシール性を向上
させた防湿紙を得る方法(特開平7−133600号公
報)や耐ブロッキング性、防滑性を向上させる為にアク
リル系エマルジョン−ワックス系エマルジョン混合系に
更に無機系顔料を添加し、耐ブロッキング性、防滑性を
改善した防湿紙を得る方法(特開平8−226096号
公報)等が提案されている。
【0004】このような改良により、防湿紙の古紙回収
を容易とするための離解性が得られるようになり、防
湿、防水、ワンプ、耐水包装紙等の用途では使用可能な
レベルとなってきた。しかしながら、この防湿紙を高温
多湿の条件下に放置した際、例えば防湿紙の塗工面と包
装内容物との間でブロッキング性が発生する問題が出て
きた。これに対して、ラテックスのガラス転移温度を上
げることにより、ブロッキング性は良好となるものの、
今度は防湿紙を折り曲げたときに、その部分の防湿性が
低下するという問題が新たに発生している。
【0005】この耐ブロッキング性と防湿性とのバラン
スを図るために、特開平8−3895号公報、特開平1
0−53999号公報では、ラテックスに外部架橋を施
す技術が開示されている。しかしながら、近年求められ
ている要求に対しては、未だ不十分である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的
は、従来のポリオレフィンラミネート紙と同等以上の防
湿性を有し、且つ離解性、耐ブロッキング性、折り曲げ
性が良好な防湿紙用のラテックス組成物を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、内部架橋
度が特定範囲にあるラテックスと、亜鉛化合物による外
部架橋を併用し、かつワックスを配合することにより、
上記課題を解決することを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0008】即ち、ゲル分が60〜90%のカルボキシ
ル基変性ラテックス、亜鉛化合物、及びワックスエマル
ジョンとを含み、該ラテックス100重量部(固形分換
算)に対し、該亜鉛分が0.05〜2重量部、ワックス
エマルジョン0.5〜50重量部(固形分換算)である
ことを特徴とする防湿加工用ラテックス組成物である。
【0009】以下に、本発明を更に詳細に説明する。
【0010】本発明において、用いられるラテックスの
ゲル分は60〜90%である。ゲル分が60%以上で耐
ブロッキング性に問題がなく、90%以下で防湿性に問
題がない。好ましいゲル分は、65〜85%である。
【0011】本発明において用いられるカルボキシル基
変性ラテックスは、ポリマー中にカルボキシル基を有し
ているラテックスであれば特に限定はなく、アクリル系
ラテックス(例えばオールアクリル系ラテックス、スチ
レン−アクリル系ラテックス)、合成ゴム系ラテックス
(例えばスチレン−ブタジエン系ラテックス、アクリロ
ニトリル−ブタジエン系ラテックス、メチルメタクリレ
ート−ブタジエン系ラテックス、クロロプレン系ラテッ
クス)、ウレタン系ラテックス、酢酸ビニル系ラテック
ス、エチレン−酢酸ビニル系ラテックス等が挙げられ
る。防湿性、耐ブロッキング性から好ましくはアクリル
系ラテックス、合成ゴム系ラテックスから選ばれる一種
以上のラテックスであり、合成ゴム系ラテックスの中で
は好ましくはスチレン−ブタジエン系ラテックスであ
る。
【0012】本発明において用いられるラテックスはエ
チレン性不飽和カルボン酸単量体と、これらと共重合可
能なビニル系単量体を含む単量体を乳化重合して得られ
るものである。
【0013】本発明で用いられる、エチレン性不飽和カ
ルボン酸単量体としては例えば、イタコン酸、フマール
酸、マレイン酸、メタクリル酸、アクリル酸などが挙げ
られる。好ましくはイタコン酸、フマール酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸である。
【0014】スチレン−ブタジエン系ラテックスにおい
ては、エチレン性不飽和カルボン酸単量体と共に、芳香
族ビニル系単量体、共役ジエン系単量体が使用される。
芳香族ビニル系単量体としては例えば、スチレン、ビニ
ルトルエン等が挙げられ、共役ジエン系単量体としては
例えば、1,3−ブタジエン、1,3−イソプレン、2
−クロロ−1,3ブタジエン、クロロプレンなどが挙げ
られる。芳香族ビニル系単量体で好ましくはスチレンで
あり、共役ジエン系単量体で好ましくは1,3−ブタジ
エンである。
【0015】また、これら上記の二つの単量体に加え
て、本発明のラテックスとして要求される様々な品質・
物性を付与するためにこれら以外の単量体成分を使用す
ることができる。
【0016】それらの単量体としては例えば、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
類、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸
ブチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類がある。
【0017】さらに、水酸基、アミド基、アミノ基、メ
チロール基、グリシジル基、スルホン酸基、リン酸基な
どの官能基を有する各種のビニル系単量体も所望に応じ
て使用できる。
【0018】本発明において用いられるラテックスの単
量体成分の一般的構成は、エチレン性不飽和カルボン酸
単量体0.5〜10重量%、共役ジエン系単量体10〜
70重量%、芳香族ビニル系単量体10〜70重量%、
これらと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%で
ある。エチレン性不飽和カルボン酸単量体の好ましい割
合は0.5〜5重量%であり、共役ジエン系単量体の好
ましい割合は、15〜65重量%である。芳香族ビニル
系単量体の好ましい割合は15〜65重量%である。
【0019】アクリル系ラテックスは、上記エチレン性
不飽和カルボン酸単量体、及び(メタ)アクリル酸エス
テル類、芳香族ビニル系単量体及びこれら単量体と共重
合可能な単量体からなる。共重合可能な単量体として、
上記挙げたアクリロニトリル、メタクリロニトリルなど
のシアン化ビニル類、水酸基、アミド基、アミノ基、メ
チロール基、グリシジル基、スルホン酸基、リン酸基な
どの官能基を有する各種のビニル系単量体が挙げられ
る。
【0020】アクリル系ラテックスの場合、ゲル分を付
与するために、架橋性単量体を上記単量体中に配合して
も良い。
【0021】ここで言う架橋性単量体とは、ラジカル重
合性の二重結合を2個以上有しているか、または重合
中、重合後に自己架橋構造を与える官能基を有している
ビニル系単量体である。
【0022】ラジカル重合性の二重結合を2個以上有し
ているビニル系単量体は例えば、ジビニルベンゼン、ポ
リオキシエチレンジアクリレート、ポリオキシエチレン
ジメタクリレート、ポリオキシプロピレンジアクリレー
ト、ポリオキシプロピレンジメタクリレート、ネオペン
チルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコー
ルジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレート、
ブタンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート等が挙
げられる。
【0023】重合中、重合後に架橋構造を与える官能基
を有しているビニル系単量体としては例えば、エポキシ
基含有モノマー、例えばグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、メ
チルグリシジルアクリレート、メチルグリシジルメタク
リレート、メチロール基含有モノマー、例えばN−メチ
ロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミ
ド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロールメタク
リルアミド等、アルコキシメチル基含有モノマー、例え
ばN−メトキシメチルアクリルアミド、N−メトキシメ
チルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルア
ミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド等、ヒドロ
キシル基含有モノマー、シリル基含有モノマー例えばビ
ニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリエトキシシラン、トリス−2−メトキシエトキ
シビニルシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメト
キシシラン等が挙げられる。好ましい架橋性単量体は、
トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、シリル基含有単量体
である。
【0024】本発明において用いられるラテックスは、
公知の乳化重合法によって得られる。乳化重合の方法に
関しては特に制限はなく、従来公知の方法で、水性媒体
中で前記の単量体、連鎖移動剤と界面活性剤、ラジカル
重合開始剤と、必要に応じて用いられる他の添加剤成分
を基本構成成分とする分散系において、単量体を重合さ
せて合成樹脂の粒子の水性分散液、すなわちラテックス
を製造する方法である。そして、重合に際しては、単量
体組成を全重合過程で均一にする方法や重合過程で逐
次、あるいは連続的に変化させることによって生成する
ラテックス粒子の形態的な組成変化を与える方法など所
望に応じてさまざまな方法が利用できる。
【0025】このラテックス中の固形分濃度は40〜6
0重量%の範囲で選ばれ、また、その平均粒子径は40
〜400nmの範囲にあることが望ましく、50〜20
0nmの範囲にあるのがさらに好ましい。平均粒子径は
シードラテックスや界面活性剤の使用割合などによって
調整することができ、一般にその使用割合を高くするほ
ど生成共重合体ラテックスの平均粒子径は小さくなる傾
向がある。シードラテックスの重合は、本発明のラテッ
クスの重合に先だって同一反応容器で行っても、異なる
反応容器で重合したシードラテックスを用いても良い。
【0026】本発明に用いるカルボキシル基変性ラテッ
クス中の重合体のTgは−40〜40℃が好ましい。−
40℃以上で耐ブロッキング性に問題なく、40℃以下
で防湿性に問題ない。更に好ましくは−30〜30℃で
ある。
【0027】連鎖移動剤は合成樹脂の分子量やゲル生成
量を調整するために汎用的に用いられる。例えば、n−
ヘキシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、
チオグリコール酸などのメルカプタン類やα−メチルス
チレンダイマーなど通常の乳化重合で使用可能なものを
全て使用できる。
【0028】界面活性剤としては、例えば脂肪族セッケ
ン、ロジン酸セッケン、アルキルスルホン酸塩、ジアル
キルアリールスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸
塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、ポリオキシエ
チレンアルキルアリール硫酸塩などのアニオン性界面活
性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキ
シエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチ
レンオキシプロピレンブロックコポリマーなどのノニオ
ン性界面活性剤が挙げられる。これらのほかに親水基と
親油基を有する界面活性剤の化学構造式の中にエチレン
性2重結合を導入した、いわゆる反応性界面活性剤を用
いても良い。
【0029】ラジカル重合開始剤は、熱または還元性物
質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始さ
せるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤のい
ずれも使用できる。このようなものとしては、例えば水
溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾ
ビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、
ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、
クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他に、
POLYMERHANDBOOK (3rd. edi
tion)、J.BrandrupおよびE.H.Im
mergut著、John Willy & Sons
刊(1989)に記載されている化合物が挙げられる。
また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やその
塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還元
剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレドッ
クス重合法を採用することもできる。これらの中で特に
ペルオキソ二硫酸塩が重合開始剤として好適である。こ
の重合開始剤の使用量は、全単量体の重量に基づき、通
常0.1〜5.0重量%の範囲から、好ましくは0.2
〜3.0重量%の範囲から選ばれる。
【0030】この乳化重合における重合温度は、通常6
0〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重合
法等により、より低い温度で重合を行っても良い。ま
た、第1段での重合温度と第2段での重合温度は同じで
も異なっていても良い。
【0031】本発明で使用するラテックスにおいては、
必要に応じ各種重合調整剤を添加することができる。例
えば、pH調整剤として、水酸化ナトリウム、水酸化カ
リウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウムなどのpH調整
剤を添加することができる。
【0032】また、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム
などの各種キレート剤なども重合調整剤として添加する
こともできる。
【0033】本発明に使用されるワックスエマルジョン
は例えば、パラフィン系ワックスエマルジョン、ポリエ
チレン系ワックスエマルジョン、マイクロクリスタリン
系ワックスエマルジョン等公知のワックスエマルジョン
が使用できる。ワックスの融点は40〜100℃が好ま
しい。
【0034】ワックスエマルジョンはラテックス100
重量部(固形分換算)に対して、0.5〜50重量部
(固形分換算)である。0.5重量部以上で防湿性に問
題がなく、50重量部以下で耐ブロッキング性に問題が
ない。
【0035】本発明において使用される亜鉛化合物は、
分子中に亜鉛が含有されているものであり、例えば塩、
酸化物、水和物、錯体等いずれの形態で用いてもよい。
亜鉛化合物は重合の前、重合中、重合後のいずれでもよ
い。好ましくは、重合後である。
【0036】亜鉛化合物が塩の形態である場合、亜鉛イ
オンと対となるイオンは有機系のイオンでも、無機系の
イオンでも、また両者を含んでいる形態であってもよ
い。亜鉛イオンと対となるイオンが有機系イオンの場
合、亜鉛化合物は、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、シュウ酸
塩等の形態で利用される。亜鉛イオンと対となるイオン
が無機系のイオンである場合、多価金属イオンは、例え
ば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸塩、炭酸塩等の形
態で利用される。
【0037】亜鉛化合物が錯体の形態である場合、例え
ば先に挙げた塩との組み合わせが挙げられ、具体的には
アンモニウム錯体、アンミン錯体、多価カルボン酸錯体
等が挙げられる。例えば特開昭62−250078号公
報に記載されているような炭酸亜鉛アンモニア水溶液、
酢酸亜鉛アンモニア水溶液、アクリル酸亜鉛アンモニア
水溶液、グリシン亜鉛アンモニア水溶液、リンゴ酸亜鉛
アンモニア水溶液等が挙げられる。
【0038】亜鉛化合物を添加する際には、水溶液、有
機溶剤の溶液、乳化液、ペースト、粉体のスラリー等の
形態で添加することができる。
【0039】亜鉛化合物は、ラテックス(固形分換算)
100重量部に対して、亜鉛分として0.05〜2重量
部である。0.05重量部以上で耐ブロッキング性が問
題なく、2重量部以下で折り曲げ性に問題がない。好ま
しくはラテックス(固形分換算)100重量部に対し
て、0.05〜1.5重量部である。
【0040】本発明の組成物の作製方法は特に限定され
ない。ラテックスにワックスエマルジョン、亜鉛化合物
の順に投入してもよく、またラテックスに予め亜鉛化合
物を混合溶解した後、ワックスエマルジョンを添加して
もよい。好ましくはラテックスに予め亜鉛化合物を混合
溶解した後にワックスエマルジョンを添加するものであ
る。
【0041】本発明において必要に応じて顔料を配合し
ても良い。顔料としては、特に制約はなく、無機または
有機の顔料が適宜使用できる。例えばマグネシウム、カ
ルシウム、亜鉛、バリウム、チタン、アルミニウム、ア
ンチモン、鉛等の各種金属酸化物、水酸化物、硫化物、
炭酸塩、硫酸塩または珪酸塩化合物やポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル等の個体高分子微粉末等が
挙げられる。具体的には炭酸カルシウム、カオリン、タ
ルク、二酸化チタン、水酸化アルミニウムシリカ、石
膏、バライト粉、アルミナホワイト、サチンホワイト等
無機顔料が挙げられる。
【0042】更には必要に応じて、メチルセルロース、
エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カル
ボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体、デキス
トリン、酸化処理澱粉、架橋澱粉、澱粉エステル、グラ
フトコポリマー澱粉等の澱粉誘導体等の各種水溶性天然
高分子類、さらには増粘剤、消泡剤、濡れ剤、レベリン
グ剤、成膜助剤、可塑剤、分散剤、着色剤、耐水化剤、
潤滑剤、防腐剤、防滑剤、撥水剤、離型剤、ブロッキン
グ防止剤、架橋剤(例えば水溶性エポキシ化合物等)、
溶剤等が配合されていてもよい。
【0043】本発明の支持体に用いられる原紙は特に制
約はないが、例えば広葉樹晒クラフトパルプ、針葉樹晒
クラフトパルプ等の化学パルプ、GP、RGP、TMP
等の機械パルプを原料として用い、長網多筒型抄紙機、
長網ヤンキー型抄紙機あるいは丸網抄紙機で抄紙される
上質紙、中質紙、片艶紙及びクラフト紙等の酸性紙、中
性紙、を包含するものである。原紙中には紙力増強剤、
サイズ剤、填料、歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれ
ていてもよい。特に限定するものではないが、原紙の坪
量は50〜150g/m2程度のものが用いられる。
【0044】原紙に対する下塗り層の塗工設備としては
サイズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、
ロールコーター、エアナイフコーターおよびブレードコ
ーター等から任意に選定することができる。塗工量は絶
乾重量で2〜25g/m2塗工されるよう調製するのが
望ましい。
【0045】乾燥条件も特に限定されず、70〜200
℃、5秒〜10分の加熱条件が好ましい。
【0046】本発明のラテックスは、原紙に2回以上の
塗工操作により塗工してもよい。
【0047】
【実施例】本発明を下記実施例によって更に具体的に説
明するが、本発明の範囲は、これらによって限定される
ものではない。なお、例中の塗布量、部数、混合割合な
どは全て固形分で示した。また、「部」は特に断らない
限り「重量部」を示すものである。
【0048】各特性は次のようにして求めた。
【0049】(1)ガラス転移温度(Tg):DSCに
より測定を行った。10℃/minの昇温速度とし、変曲
点をTgとした。
【0050】(2)粒径:光散乱法により測定を行っ
た。体積平均粒径を採用した。
【0051】(3)ゲル分:ガラス板上にラテックスを
塗布し、23℃/65%RHの部屋で24時間放置させ
る。次に、90℃に設定したオーブンに15分放置す
る。その後ラテックスフィルムを剥がす。フィルムを
0.5g精秤し、トルエン30mlに入れ、3時間振と
うする。振とう後325メッシュでろ過し、ろ過残を1
40℃で1時間乾燥させ、不溶部分を測定する。トルエ
ンに入れる前のフィルム重量に対する不溶部分の割合を
ゲル分とする。
【0052】(4)透湿度 ラテックス、亜鉛化合物、ワックスエマルジョンを配合
した組成物を40%固形分に調整し、坪量70g/m2
の上質紙に、18g/m2となるよう塗布、乾燥を行っ
た。この試料を用いて、JIS Z0208 防湿包装材
料の透湿度試験(恒温恒湿条件40℃、90%RH)に
準じて透湿度を測定した。透湿度100以下を合格レベ
ルとした。
【0053】(5)折り曲げ透湿度 上記(4)で作製した試料を、塗工面を内側にして十字
に折り曲げる。その後広げて、(4)と同様に透湿度を
測定する。透湿度200以下を合格レベルとした。
【0054】(6)離解性 上記(4)で作製した試料5g小片に切り、2Lの水と
ともに家庭用ミキサーで10分攪拌し、離解状態を観察
した。△以上を合格とした。 ○:単繊維状となる △:僅かに凝集物が見られる ×:凝集物が見られる
【0055】(7)耐ブロッキング性 上記(4)で作製した試料を用い、ラテックス塗布面と
未塗布面とを合わせ、250g/cm2で加圧し、50
℃/90%RHの雰囲気下に24時間放置する。その後
ゆっくりと引き離す。△以上を合格とした。 ○:抵抗なく引き離すことができる。 △:僅かに抵抗はあるが引き離すことができる。 ×:抵抗があり紙が破れることがある。
【0056】
【製造例1】平均直径0.04μmのシード粒子の水性
分散体(スチレンを主成分とするモノマーから乳化重合
により得られ、シード固形分濃度34重量%)1.0重
量部を撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付けた耐
圧反応容器に入れ、さらに水70重量部、ラウリル硫酸
ナトリウム0.3重量部、イタコン酸3重量部を仕込み
(以上初期仕込み)、内温を80℃に昇温し、次いでス
チレン67部、ブタジエン30部、α−メチルスチレン
ダイマー0.8部、t−ドデシルメルカプタン0.3部
からなる混合モノマー溶液(以上モノマー系)と、水2
5部、水酸化ナトリウム0.15部、ラウリル硫酸ナト
リウム0.15部、ペルオキソ二硫酸ナトリウム1重量
部からなる開始剤系水溶液(以上水系)を、それぞれ6
時間および7時間かけて一定の流速で添加した。そして
80℃の温度をそのまま4時間保ったのち冷却した。次
いで生成したジエン系共重合ラテックスに水酸化ナトリ
ウム1.5部を添加することでpHを5.5とした。次
に、スチームストリッピング法により未反応単量体を除
去し、200メッシュの金網で濾過した。このジエン系
共重合体ラテックスは最終的には固形分濃度50重量%
になるように調整した。粒径は180nmであった。評
価結果を表3に示す。
【0057】
【製造例2〜4】表1に記載したラジカル重合性単量体
に基づいて、製造例1と同様に重合を行った。粒径は全
て170〜190nmの範囲にあった。
【0058】
【製造例5】スチレン58部、2−エチルヘキシルアク
リレート40部、メタクリル酸 2部、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン0.3部に、エマルゲ
ン950[花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル]の25%水溶液8部、レベノールWZ
[花王(株)製、ポリオキシエチレンノニルフェニルエ
ーテル硫酸ナトリウム]の25%水溶液4部、過硫酸ア
ンモニウム2部、蒸留水43部を添加し、ホモミキサー
で撹拌を行いプレ乳化物を作製した。別に、撹拌機付き
フラスコに蒸留水40部、エマルゲン950の25%水
溶液2部を仕込み、80℃に昇温し、過硫酸アンモニウ
ム0.1部を水5部に溶解したものを添加する。これ
に、前記プレ乳化物を4時間かけて連続滴下する。次い
で、過硫酸アンモニウム0.1部を水5部に溶解したも
のを添加し、同温度で1時間重合を続けた。その後、3
0℃以下まで冷却し、25%濃度のアンモニア水でpH
を7に調整して固型分50%のエマルジョンを得た。ラ
テックスのTgは19℃、ゲル分は73%であった。
【0059】
【実施例1〜6】表2に記載の組成物を作製した。配合
はラテックスに33%濃度に調整した酸化亜鉛の水性分
散液を所定量投入し、60℃で30分攪拌し、冷却す
る。その後ワックスエマルジョンを添加し、固形分40
%となるよう水で調整した。評価結果を表2に示す。
【0060】
【比較例1〜4】表3に記載したラテックス配合を用
い、実施例と同様に評価を行った。評価結果を表3に示
す。
【0061】
【表1】
【0062】
【表2】
【0063】
【表3】
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の防湿加工
用ラテックス組成物は、防湿性、耐ブロッキング性、離
解性に優れており、加えて折り曲げ透湿度に示されるよ
うに防湿紙の折り曲げ性も向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/10 D21H 21/16 D21H 19/38 C08J 3/03 CER 19/46 CEZ 19/58 21/16 //(C08L 13/02 91:06)

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲル分が60〜90%のカルボキシル基
    変性ラテックス、亜鉛化合物、及びワックスエマルジョ
    ンとを含み、該ラテックス100重量部(固形分換算)
    に対し、該亜鉛分が0.05〜2重量部、ワックスエマ
    ルジョン0.5〜50重量部(固形分換算)であること
    を特徴とする防湿加工用ラテックス組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002179926A (ja) * 2000-12-14 2002-06-26 Dainippon Ink & Chem Inc 防湿加工用樹脂組成物および防湿材
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JP2003055596A (ja) * 2001-08-17 2003-02-26 Asahi Kasei Corp 防湿性塗工用ラテックス系組成物
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JP2015074864A (ja) * 2013-10-11 2015-04-20 北越紀州製紙株式会社 キャスト塗工紙及びその製造方法

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