JP2003055900A - 防湿紙用塗工組成物。 - Google Patents

防湿紙用塗工組成物。

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた防湿性及び耐ブロッキング性を有する
とともに容易に水中で離解され易いリサイクル可能な防
湿塗工紙用ラテックス系塗工組成物の提供。 【解決手段】 シランカップリング剤とエチレン性カル
ボキシル基含有単量体を含み、ガラス転移温度(Tg)
が−70〜10℃を有する共重合体(A)ラテックスの
存在下で、0〜50℃の範囲にあり、共重合体(A)よ
りも高いTgの共重合体(B)を生成する単量体を乳化
共重合させてなることを特徴とする異相構造ラテックス
とワックスを含む防湿性ラテックス系塗工組成物。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は包装、容器などに用
いられるリサイクル可能な防湿紙を製造する際の原紙表
面に塗工するラテックス組成物に関し、特に常態防湿
性、折り曲げ防湿性及び耐ブロッキング性に優れる防湿
紙用ラテックス組成物に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来より、防湿性を必要とする包装紙の
分野においては、ターポリン紙やワックス紙などが知ら
れている。最近では加工の簡易性、安価性などからポリ
エチレン、ポリプロピレンなどの高分子化合物を塗工あ
るいは張り合わせなどを施し、防湿性を付与したポリオ
レフィンラミネート紙が一般的に使用されている。しか
しながら、これらのラミネート紙は防湿性に関しては十
分な機能を発揮し得るものであるが廃棄された場合のリ
サイクル性に乏しいという欠点を有している。つまり、
防湿紙の製造工程で発生する損紙、トリミング屑及び成
形加工時に発生する損紙、また製品になった後の回収品
などは、水中離解性が極端に悪いため、パルプの再利用
化が困難である。このため、これら廃棄物は古紙として
回収することができない。これはラミネートに用いられ
ている高分子フィルムが強固な連続皮膜を形成してい
て、かつ水不溶性であることに起因している。このた
め、省資源、環境問題の観点から再利用可能な新規な防
湿紙の開発が進められてきている。 【0003】これまでも、再利用可能な防湿加工による
防湿紙の技術がいくつか提案されている。例えば、ブタ
ジエン系ラテックスにワックスを配合したものを塗工
し、防湿紙を得る方法(特公昭55−22597号公
報)、アクリルエマルジョンにワックスを配合し塗工す
る方法(特公昭62−28826号公報)、及びこの系
で更にアクリルエマルジョンを架橋させたものを用いる
ことにより離解性、ヒートシール性を向上させた防湿紙
を得る方法(特開平7−133600号公報)などが提
案されている。さらに近年では、特開平2001−11
362号公報、特開平2001−26677号公報など
に開示されたように架橋性ビニル単量体や金属架橋剤を
用いることで離解性、耐ブロッキング性、折り曲げ性が
良好な防湿用樹脂組成物が提案されている。 【0004】この他、特開平10−226987号公報
には少量のシランカップリング剤を共重合成分として用
いたアクリルエマルジョンを塗布することで防湿、防水
性、ヒートシール性および離解性、折り曲げ成形罫線部
のシール性に優れる防湿性板紙の製法も開示されてい
る。一般にシランカップリング剤、特に分子中にニ重結
合を有するアルコキシラン単量体を共重合体ラテックス
に用いる技術は、フィルムの耐熱性、耐候性、密着性の
強化の方法として用いられている。例えば、特開平8−
27349号公報にはアルコキシラン単量体を用いた2
層構造微粒子による水性エマルジョン組成物とその製法
が開示されている。 【0005】この他防湿性紙にシランカップリング剤を
用いる技術としては特開平9−302598号公報に開
示されているオルガノアルコキシランまたはオルガノア
ルコキシシランで処理されたフィロケイ酸化合物と架橋
剤と反応した樹脂ラテックスによる防湿層を形成する技
術なども開示されている。このように、防湿加工に樹脂
エマルジョンが用いられた場合、その樹脂粒子の微細な
形態構造に対する技術開発は最終的な性能の向上の上で
非常に重要である。例えば、特開2000−73295
号公報では、高ガラス転移温度(40〜90℃)のコア
部及び低ガラス転移温度(−40〜20℃)のシェル部
からなるコア・シェル構造粒子を含有する共重合体ラテ
ックスと合成ゼオライト並びにワックスエマルジョンを
含有してなる防湿性組成物を原紙上に塗工することによ
り、離解性が非常に優れ、防湿性が高く、折り曲げ時の
防湿性の低下もなく、ブロッキングを生じることのない
防湿紙が得られることを開示している。 【0006】また、特開2000−336594号公報
では、低ガラス転移温度(0℃以下)の部分と高ガラス
転移温度(−10〜50℃)の部分共重合体ラテックス
と合成ゼオライト並びにワックスエマルジョンを含有し
てなる防湿性組成物を原紙上に塗工することにより、離
解性が非常に優れ、防湿性が高い防湿紙が得られること
を開示している。このような微細な形態構造ににまで踏
み込んだ、ラテックス系コート剤の技術進歩により、古
紙回収を容易とする水離解性の防湿紙が得られるように
なってきた。しかしながら、このような防湿紙は高温多
湿の条件下に放置されると防湿紙の塗工面と包装内容物
との間でブロッキングが生じる問題は充分に解決してい
ない。ラテックス共重合体のガラス転移温度を上げるこ
とにより高温多湿下のブロッキングを防ぐことができる
が,逆に重要な必要性能である折り曲げ防湿性(折り曲
げた部分の防湿性)が著しく低下する問題が発生するた
めである。 【0007】 【発明が解決しようとする課題】本願発明は従来のポリ
オレフィンラミネート紙に近似する常態防湿性を有する
とともに高温多湿下での耐ブロッキング性と折り曲げ防
湿性のバランスに特に優れる水離解性防湿紙のコート剤
用ラテックス系組成物を提供しようとするものである。 【0008】 【課題を解決するための手段】本出願人は、常態防湿性
に優れるとともに高温多湿下での耐ブロッキング性と折
り曲げ防湿性にも優れる水離解性防湿紙を与えるラテッ
クス系塗工組成物を得るべく、ラテックス共重合体組
成、ラテックス粒子層の構造などの面から検討を行っ
た。この結果、共重合組成分としてシランカップリング
剤とエチレン系不飽和カルボン酸単量体を含み、特定の
柔らかさを有する共重合体ラテックスの存在下で特定の
硬さを持つ共重合体を与える単量体を重合して得られる
異相構造ラテックスにワックスを配合したものが上記の
目的とする性能を与えることを見いだし、本願発明に到
達した。 【0009】すなわち、本発明は、[I](1)ガラス
転移温度(Tg)が−70〜10℃を有する共重合体
(A)ラテックスの存在下で、(2)Tgが0〜50℃
の範囲にあり、共重合体(A)よりも高いTgの共重合
体(B)を生成する単量体を乳化共重合させてなること
を特徴とし、(3)(A)と(B)からなる全共重合体
組成がシランカップリング剤0.01〜10重量%、エ
チレン系不飽和カルボン酸単量体0.5〜4重量%、お
よびその他の共重合体(合計100重量%)からなり、
(4)共重合体(A)と共重合体(B)との重量割合が
5〜95:95〜5の範囲にあることを特徴とする異相
構造ラテックス100重量部(固形分換算)と[II]
ワックス0.1〜20重量部(固形分換算)の割合で配
合してなる防湿紙用塗工組成物を提供する。 【0010】以下本発明について具体的に説明する。本
発明の異相構造ラテックスを構成する共重合体(A)及
び共重合体(B)の合成には共重合可能な単量体として
シランカップリング剤、エチレン系不飽和カルボン酸単
量体およびその他の共重合体を用いる。本発明ではシラ
ンカップリング剤とエチレン系不飽和カルボン酸単量体
を共重合成分として用いることが必須である。 【0011】シランカップリング剤としてはビニルトリ
クロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、トリス−2−メトキシエトキシビニル
シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメト キシシ
ラン等が挙げられる。この中で特に防湿性の観点からγ
−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン用いた場
合が特に好ましい。シランカップリング剤の使用は極少
量で防湿性能を格段に向上させるが、大量に添加しても
効果に影響が少ない。このため、シランカップリング剤
の組成量は防湿性の点から、全単量体の10重量%以下
が必須であり、特に好ましくは4重量%以下の使用が好
ましい。 【0012】これらシランカップリング剤を用いた場合
にはシランカップリング剤のシリル基と反応する官能基
を有する化合物を硬化剤として用いた場合より効果的で
ある。硬化剤の使用は重合中、重合後に用いられること
で効果的であるがシランカップリング剤と併用でシリル
基含有化合物を用いた場合重合中に使用することが最も
効果的である。シリル基含有化合物は例えばメチルトリ
メトシキシシラン、フェニルトリメトキ シシラン、メ
チルトリエトキシシラン、フェニルトリエ トキシシラ
ン、イソブチルトリメトキシシラン、ビニル エトキシ
シラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキ シシラ
ン、γ−アクリロキシプロピルトリエトキシシラ ン、
γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−
メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、テトラメ
トキシシラン、テトラエトキシシラン、トリエトキシメ
チルシラン、トリエトキシエチルシラン、ブチルトリメ
トキシシラン、プロピルトリメト キシシラン、ブチル
トリメトキシシラン、オクチルトリメトキシシランなど
多官能のアルコキシシラン化合物があげられる。これら
は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。 【0013】エチレン系不飽和カルボン酸単量体として
は、例えばアクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、
フマル酸、マレイン酸、クロトン酸、ブテントリカルボ
ン酸、マレイン酸モノエチル、マレイン酸モノメチル、
イタコン酸モノエチル、イタコン酸モノメチルなどを挙
げることができ、これらを単独で、又は2種以上組み合
わせて用いることができる。特に好ましい組み合わせは
アクリル酸とメタアクリル酸を併用した場合が防湿性能
の面から特に好ましい。また異相構造の上でも、共重合
体(A)にメタアクリル酸を用い、共重合体(B)にア
クリル酸を用いた場合に防湿性能、離解性能の面から特
に好ましい。エチレン系不飽和カルボン酸は防湿性の点
から、全単量体の4重量%以下の使用が必須であり、特
に好ましくは2.5重量%以下が好ましい。 【0014】これら、必須成分であるシランカップリン
グ剤とエチレン系不飽和カルボン酸単量体は防湿性能と
離解性能の面から共重合体Bの成分として使用するほう
がより好ましい。その他の共重合可能な単量体としては
共役ジエン系単量体、芳香族ビニル系単量体、(メタ)
アクリル酸アルキルエステル単量体、シアン化ビニル系
単量体、(メタ)アクリルアミド系単量体、カルボン酸
ビニルエステル系単量体、アミノ基含有エチレン性単量
体類、ハロゲン化ビニル、スルホン酸基やリン酸基含有
単量体、ラジカル重合性の二重結合を2個以上有してい
るビニル系単量体、重合後に架橋構造を与える官能基を
有しているビニル系単量体などを挙げることができる。
これらは単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用で
きる。 【0015】共役ジエン系単量体としては、例えば1,
3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3
−ブタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−
メチル−1,3−ブタジエン、1,3ペンタジエン、ク
ロロプレン、2−クロロ−1,3ブタジエン、シクロブ
タジエンなどを挙げることができ、これらを単独で、又
は2種以上組み合わせて使用できる。これらの中でも
1,3ブタジエンが好適に使用できる。芳香族ビニル系
単量体としては、例えばスチレン、α−メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、p−メチルスチレン,o−メチル
スチレン、m−メチルスチレン、エチルスチレン、ヒド
ロキシメチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレ
ン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレ
ン、クロロスチレン、アルキルスチレン、などを挙げる
ことができ、これらを単独で、又は2種以上組み合わせ
て使用できる。これらの中でもスチレンが好適に使用で
きる。 【0016】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量
体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジエ
チレングリコールエトキシアクリレート、、メトキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、ステアリ
ル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリ
コール(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メ
タ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート
などを挙げることができ、これらを単独に、又は2種以
上を組み合わせて用いることができる。 【0017】シアン化ビニル系単量体としては、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルア
クリロニトリルなどを挙げることができ、これらを単独
に、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
(メタ)アクリルアミド系単量体としては、例えば(メ
タ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリル
アミドやN−メチル(メタ)アクリルアミドなどのN−
モノアルキル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチ
ル(メタ)アクリルアミドなどのN,Nジアルキル(メ
タ)アクリルアミド、グリシジルメタアクリルアミド、
N−アルコキシ(メタ)アクリルアミド、2−アクリル
アミド−−2−メチルプロパンスルホン酸などをあげる
ことができ、これらを単独又に、は2種以上組み合わせ
て用いることができる。 【0018】他の単量体としては、例えばアミノエチル
(メタ)アクリレートやジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート及び2−ビニルピリジンなどのアミノ基含
有エチレン性単量体、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニ
ルエステル類、塩化ビニルや塩化ビニリデンなどのハロ
ゲン化ビニル、スチレンスルホン酸塩や2−(メタ)ア
クリロイルオキシエチルスルホン酸及び(メタ)アリル
スルホン酸塩などのスルホン酸基含有単量体、燐酸エチ
レン(メタ)アクリレートや燐酸プロピレン(メタ)ア
クリレート及び2−(メタ)アクリロイルオキシエチル
アシッドホスフェートなどの燐酸基含有単量体などを挙
げることができ、これらを単独に、又は2種以上を組み
合わせて用いることができる。 【0019】ラジカル重合性の二重結合を2個以上有し
ているビニル系単量体は例えば、ジビニルベンゼン、ト
リビニルベンゼン、ポリオキシエチレンジ(メタ)アク
リレート、ポリオキシプロピレンジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、 トリメチロ
ールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレー ト、エチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1−3−ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリ
コールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタジオー
ルジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ
(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレー
ト、アリル(メタ)アクリレート2,2−ビス[4−
((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパ
ン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロキシ・ジエ
トキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス[4−
((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニル]プ
ロパン、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン等が挙げられる。 【0020】重合中、重合後に架橋構造を与える官能基
を有しているビニル系単量体としては例えば、エポキシ
基含有モノマー、例えばグリシジル(メタ)アクリレー
ト、アリルグリシジルエーテル、メチルグリシジル(メ
タ)アクリレート、メチロール基含有モノマー、例えば
N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ジメチロール
(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチル基含有モノ
マー、例え ばN−メトキシメチルアクリルアミド 、N
−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキ
シメチルメタクリルアミド等、ヒドロ キシル基含有モ
ノマー等が挙げられる。 【0021】本願発明の異相構造ラテックスは水性媒体
中で単量体、連鎖移動剤などを乳化剤、ラジカル重合開
始剤、及び必要に応じてその他の添加剤成分を用いて重
合する従来公知の乳化重合方法によって得られる。連鎖
移動剤としては、例えばα−メチルスチレンダイマーな
どの核置換α−メチルスチレンの二量体、n−ブチルメ
ルカプタン、n−オクチルメルカプタン,n−ラウリル
メルカプタン、n−ドデシルメルカプタン及びt−ドデ
シルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラメチル
チウラムジスルフィド及びテトラエチルチウラムジスル
フィドなどのジスルフィド類、2−エチルヘキシルチオ
グリコレート、タ−ピノ−レンなどの公知の全てのもの
を単独、又は2種以上組み合わせて用いることができ
る。 【0022】乳化剤としては、例えば脂肪族石鹸、ロジ
ン酸石鹸、アルキルスルホン酸塩、ジアルキルアリール
スルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸塩及びポリオキシエチレンアルキ
ルアリール硫酸塩などのアニオン性乳化剤、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキ
ルアリールエーテル及びポリオキシエチレンオキシプロ
ピレンブロックコポリマーなどのノニオン性乳化剤など
公知のものを単独、あるいは2種以上組み合わせて用い
ることができる。又これらの他に親水基と親油基を有す
る界面活性剤の化学構造式の中にエチレン性二重結合を
導入した反応性乳化剤も好適に使用でき、更に、ベタイ
ン型などの両性乳化剤及びポリビニルアルコール、カル
ボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニ
ルピロリドンなどの水溶性高分子の保護コロイド乳化剤
なども必要に応じて用いることができる。 【0023】ラジカル重合開始剤は、熱又は還元性物質
の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開始させ
るものであり、無機系開始剤及び有機系開始剤のいずれ
も使用できる。このようなものとしては、例えば水溶性
及び油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、アゾビス
化合物などで、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウム、
ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシド、
過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリル、
クメンハイドロパーオキサイドを挙げることができ、又
他に、POLYMER HANDBOOK(3rd.e
dition)、J.Brandrup及びE.H.I
mmergut著、John Willy&Sons刊
(1989)に記載されている化合物も用いることがで
きる。 【0024】又、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン
酸やその塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットな
どの還元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆ
るレドックス重合法を採用することもできる。この重合
開始剤の使用量は全単量体の重量に基づき、通常0.1
〜5.0重量%、好ましくは0.2〜3.0重量%使用
する。本発明の異相構造ラテックスを重合する際、重合
中及び重合後に、必要に応じて各種調整剤を添加するこ
とができる。例えば、pH調整剤として水酸化カリウ
ム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、炭酸水素
ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム
などを添加することができる。又、エチレンジアミン四
酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤なども重合調整剤
として添加することができる。 【0025】本発明の異相構造ラテックスを多段乳化重
合で得る際の重合温度は通常5〜120℃であるが特に
制限されるものではなく、又各段での重合温度は同じで
も異なっていても良い。本発明の異相構造ラテックスを
構成する共重合体(A)ラテックスは一段重合以外に多
段重合でも製造することができ、単量体混合物の重合系
への添加は一括添加法、連続的にあるいは断続的に添加
する方法、これらの方法を組み合わせた方法(例えば、
単量体混合物の一部添加した後に重合の進行に従って連
続的もしくは断続的に添加する方法)などいずれでも良
い。 【0026】又、重合にあたってシード重合方法もとる
ことができる。シード用ラテックスの組成は特に限定さ
れず、共重合体ラテックスの組成と同じであっても異な
ってもよく、シード用ラテックスも同一反応容器で製造
したもの、異なる他の反応容器で製造したものを用いて
もよく、その粒子径や粒子径分布及びその使用量も特に
限定されない。共重合体(A)ラテックスの重合転化率
も特に制限されないが、通常60%以上、好ましくは8
0%以上である。 【0027】本発明における共重合体(A)ラテックス
のガラス転移温度Tgは−70〜10℃であり、好まし
くは−50〜0℃の範囲である。常態防湿性及び耐ブロ
ッキング性の点から−70℃以上が、10℃を越える場
合は折り曲げ防湿性の点からは10℃以下が好適であ
る。共重合体(A)ラテックスの重合に用いる単量体と
しては、ブタジエンに代表される共役ジエン系単量体、
及びスチレンに代表される芳香族ビニル系単量体を主体
とするものが好ましい。本発明の異相構造ラテックス
は、共重合体(A)ラテックスの存在下で共重合体
(B)を生成する単量体混合物を乳化共重合させる(最
終段階重合)ことによって得られる。共重合体(B)ラ
テックスを生成させるために用いる単量体混合物の添加
も一括添加方法、連続的あるいは断続的に添加する方法
及びこれらの方法を組み合わせた方法などで行うことが
できる。 【0028】生成する共重合体(B)ラテックスのTg
は0〜50℃の範囲であり、好ましくは10〜45℃で
ある。耐ブロッキング性の点からはTgが0℃であるこ
とが、また常態防湿性の点からは50℃以下が好まし
い。また、耐ブロッキング性と曲げ防湿性のバランスの
面から、生成する共重合体(B)のTgは共重合体
(A)のそれよりも高いことが必要である。共重合体の
Tgは、用いるそれぞれの単量体について一般に示され
ているその単独重合体のTgと単量体の配合割合から概
略推定することができる。例えば約100℃のTgの重
合体を与えるスチレン、メチルメタクリレート、及びア
クリルニトリルなどの単量体を高比率で配合した共重合
体は高いTgのものが得られ、例えば約−80℃のTg
の重合体を与えるブタジエンや約−50℃のTgの重合
体を与えるn−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキ
シルアクリレートなどの単量体を高い比率で配合した共
重合体は低いTgのものが得られる。 【0029】共重合体(B)ラテックスを合成するため
に用いる単量体としては芳香族ビニル系、(メタ)アク
リル酸アルキルエステル単量体、および必須成分である
エチレン系不飽和カルボン酸単量体とシランカップリン
グ剤を主体とするものが防湿性の点で好ましい。本発明
の異相構造ラテックスを構成する共重合体(A)と共重
合体(B)の重量割合(重量%)は5〜95:95〜5
(但し、(A)+(B)=100)の範囲が好ましく特
に好ましくは45〜95:55〜5(但し、(A)+
(B)=100)である。これは共重合体(A)の割合
が5%以上の場合は折り曲げ防湿性が優れ、共重合体
(A)の割合が95%以下の場合には、耐ブロッキング
性に優れるためである。 【0030】本願発明の異相構造ラテックスのみの皮膜
では防湿紙で要求される防湿性能を十分満たすことはで
きなく、ワックスの併用が必要である。ワックスとして
は特に限定されないが、例えばパラフィンワックス及び
これにジルコニウム化合物を加えたもの、カルナバワッ
クス、キャンデリアワックス、ライスワックス、セレシ
ンワックス、ペトロラタム、フィッシャー・トリブッシ
ュワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス
及びその誘導体、マイクロスタリンワックス及びその誘
導体、硬化ひまし油、流動パラフィン、ステアリン酸ア
ミドなどを挙げることができ、単独及び2種以上組み合
わせて用いることができる。 【0031】ワックスはエマルジョンの形態にして本発
明の異相構造ラテックスに配合されるが、ラテックス製
造中に添加することもできる。ワックスエマルジョン
は、例えばワックス、ロジンやロジンエステル及び石油
樹脂などの樹脂類、多価アルコール及びそのエステルな
どの流動化剤などを混合加熱して溶融し、これにアニオ
ン、カチオン、ノニオン系乳化剤を、あるいは水酸化ナ
トリウムなどの塩基性化合物、並びに有機アミンなどを
加えて乳化することにより得られる。ワックスは40〜
100℃の融点を有するものが好ましい。 【0032】本発明においてワックスはラテックス10
0重量部(固形分換算)に対して0.1〜20重量部、
好ましくは0.5〜10重量部配合する。ワックスが
0.1重量部以上で常態防湿性が、ワックスが2.0重
量部以下で水解離性が優れるためである。本発明の異相
構造ラテックスとワックスからなる塗工組成物に生成塗
膜の耐ブロッキング性の向上などを目的として顔料を必
要に応じて配合することができる。顔料としては特に制
約はなく、無機及び有機の顔料が使用できる。例えば、
マグネシウム、亜鉛、バリウム、チタン、アルミニウ
ム、アンチモン、鉛などの各種金属酸化物、水酸化物、
硫化物、炭酸塩、硫酸塩又は珪酸塩化合物やポリスチレ
ン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニルなどの個体高分子微
粉末などが挙げられる。具体的には、炭酸カルシウム、
カオリン(クレー)、タルク、雲母、二酸化チタン、水
酸化アルミニウム、シリカ、合成ゼオライト、バライト
粉、アルミナホワイト、サチンホワイトなどである。配
合する顔料の割合は常態防湿性が顕著に損なわれない程
度に配合することが好ましく、ラテックス100重量部
(固形分)に対して100重量部以下が一般的である。 【0033】これに加えて更に必要に応じて、メチルセ
ルロース、ヒドロキエチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロースなどのセルロース誘導体、デキストリン、
酸化処理澱粉、架橋澱粉、エステル澱粉、グラフトコポ
リマー澱粉などの澱粉誘導体、ポリビニルアルコール、
ポリ(メタ)アクリル酸塩、ポリビニルピロリドンなど
の各種水溶性高分子、並びに公知の消泡剤、濡れ剤、レ
ベリング剤、成膜助剤、可塑剤、顔料分散剤、着色剤、
耐水化剤、潤滑剤、防腐剤、防滑剤、撥水剤、離型剤、
ブロッキング防止剤、架橋剤(例えば水溶性エポキシ化
合物など)、水溶性金属及び各種溶剤なども加えること
ができる。 【0034】本発明の支持体として用いられる原紙は特
に制約はないが、例えば、広葉樹晒しクラフトパルプ、
針葉樹晒クラフトパルプなどの化学パルプ、GP(砕木
パルプ)、RGP(リファイナーグラウンドパルプ)、
などの機械パルプを原料として用い、長網多筒型抄紙
機、長網ヤンキー型抄紙機及び丸網抄紙機で抄紙されて
できる上質紙、中質紙、片艶紙及びクラフト紙などの酸
性紙、中性紙を包含するものである。原紙中には紙力増
強剤、サイズ剤、填料、歩留向上剤などの抄紙補助薬品
が含まれていてもよい。特に限定するものではないが、
原紙の米坪は50〜150g/m2程度のものが用いら
れる。 【0035】原紙に塗工液を塗布する設備としてはサイ
ズプレス、ゲートロールコーター、バーコーター、ロー
ルコーター、エアナイフコーター及びブレードコーター
などから任意に選定することができる。塗工量は絶乾重
量で2〜30g/m2塗工されるよう調整するのが好ま
しい。塗工液を塗布後の乾燥条件も特に限定されない
が、70〜200℃、5秒〜10分程度の加熱乾燥が適
している。本発明の塗工液の乾燥重量固形分も特に限定
されないが、35〜70%程度が好ましい。又、本発明
の防湿性ラテックス系組成物は、原紙に2回以上の塗布
操作により塗工することもできる。 【0036】 【発明の実施の形態】次に、本発明の防湿性ラテックス
系組成物について実施例及び比較例により、更に詳しく
説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、実施例及び比較例における塗布量、部数、混
合割合などは全て固形分基準で示した。また「%」及び
「部」は全て重量基準である。共重合体ラテックスのT
g、ラテックスとワックスを含む塗工紙及びその性能は
以下の方法で作成、測定した。 【0037】(1)Tg 共重合体ラテックスをガラス板上に流延し、加熱乾燥し
て皮膜を形成させる。次いで得られた皮膜をTg測定容
器に入れ、蓋をし、示差走査熱量計(セイコー電子社
製)にセットして昇温速度10℃/分で測定する。 (2)塗工紙の作成 共重合体ラテックス単独、ラテックスに所定量のワック
スエマルジョンを配合した組成物、及び更に顔料を加え
た組成物について、約45%の固形分濃度に調整した塗
工液を作成する。次いで坪量約80g/m2の未晒クラ
フト原紙に塗工液を約15g/m2(固形分)の塗工量
になるようワイヤーバーにて塗布し、熱風乾燥機で10
5℃、60秒の条件で乾燥して、塗工紙を作成した。 【0038】(3)常態透湿度 上記(2)で作成した塗工紙試料についてJIS Z0
208防湿包装材料の透湿度試験(高温高湿条件40
℃、90%RH)に準じて透湿度を測定した。 (4)折り曲げ透湿度 上記(2)で作製した試料を直径約7cmの円形状に切
断し、塗工面を内側にして25の交差点ができるように
10回(重複なし)十字に折り曲げる。その後広げて、
(3)と同様な方法で透湿度を測定する。 【0039】(5)耐ブロッキング性 上記(2)で作製した試料を用い、ラテックス塗布面と
未塗布面とを重ね合わせ、40g/cm2で加圧し、4
0℃、90%RHの雰囲気下に24時間放置する。次い
で重ね合わせた部分をゆっくりと引き離し、付着の程度
を観察する。 ○:抵抗なく引き離すことができる。 △:少し抵抗があるが、引き離すことができる。 ×:抵抗が大きく、紙が破れることがある。 【0040】(6)水離解性 上記(2)で作製した試料5gを小片に切断し、2Lの
水とともに家庭用ミキサーで10分攪拌し、塗工紙の離
解状態を観察した。 ○:単繊維状となる △:少し凝集物が見られる ×:凝集物が見られる 【0041】 【製造例1】攪拌装置と温度調節用ジャケットを備えた
耐圧反応容器に、イオン交換水72部、約20nmの平
均粒子径を有するシード粒子の水分散体(固形分)0.
45部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部を入れ、内温
を80℃に昇温し、スチレン11部、ブタジエン28.
5部、メタアクリル酸0.5部、t−ドデシルメルカプ
タン0.2部及びα−メチルスチレンダイマー0.1部
からなる単量体混合物を2時間かけて添加した(1段
目)。単量体混合物を添加し始めるとほぼ同時に、水2
1部、ラウリル硫酸ナトリウム0.3部、水酸化ナトリ
ウム0.1部、ペルオキソ二硫酸カリ0.7部を6時間
かけて添加した。又、スチレン35部、2−エチルヘキ
シルアクリレート22.5部、アクリル酸2部、γーメ
タクリロキシプロピルトリメトキシシラン0.3部から
なる単量体混合物(2段目:最終段)を1段目の単量体
混合物の添加が終了した時から30分〜1.5時間後に
2時間かけて追添し、重合した。重合終了後も反応系の
温度を80℃で約2時間維持した後、水酸化ナトリウム
を加えて反応系のpHを約8.0に調整した。次いで、
スチームストリッピングで残留単量体を除去し、冷却
し、80メッシュの濾布で濾過して、得られた異相構造
共重合体ラテックスの固形分(130℃、乾燥法)を4
8%に調整した。粒子径(光散乱法、体積平均)は13
0nmで、トルエン不溶分(ラテックス乾燥皮膜をトル
エンに入れ、3時間振とう後、325メッシュの濾布で
濾過した時の乾燥濾過残さ分)は97%であった。 【0042】 【実施例1〜13】表1に示す配合割合の単量体及び連
鎖移動剤を用いて製造例1と同様な重合方法でa〜mの
異相構造ラテックスを作成し、ポリマー相のTgを測定
した。得られた各異相構造共重合体ラテックスにワック
スエマルジョン(パラフィン系ワックス、融点約55
℃、固形分30%、荒川化学株式会社製SPW−116
H)をラテックス固形分100重量部に対し4重量部
(固形分)配合し、45%固形分濃度の塗工液を作成し
た。次いで坪量約80g/m2の未晒クラフト原紙に塗
工液を約20g/m2(固形分)の塗工量になるようワ
イヤーバーにて塗布し、熱風乾燥機で105℃、60秒
の条件で乾燥して、塗工紙を作成した。得られた各塗工
紙について前述の測定法に従って常態透湿度、折り曲げ
透湿度、耐ブロッキング性及び水離解性を測定した。測
定した結果を表3に示す。 【0043】 【比較例1〜5】表2の配合割合の単量体及び連鎖移動
剤を用いて製造例1の方法に従って重合及び後処理を行
いn〜rの異相構造ラテックスを得た。次いでこれらの
異相構造ラテックスに実施例1〜13と同様にワックス
エマルジョン(荒川化学株式会社製SPW−116H)
を同量配合して塗工液を作成し、未晒クラフト原紙に塗
工して塗工紙を得た。得られた塗工紙について実施例1
〜9と同様に各種物性を測定した。結果を表4示す。 【0044】 【比較例6〜8】表2に示される割合の単量体及び連鎖
移動剤(1段目)を用いて製造例1の方法に準じて(1
段目の重合において単量体及び連鎖移動剤の全てを5時
間かけて一定速度で反応機に加え、2段目の重合を省い
た以外は製造例1と同じ)重合、後処理を行い均一共重
合体ラテックスs、t、uを得た。次いで実施例1〜1
3と同様にこれらの均一共重合体ラテックスにワックス
エマルジョンを配合して塗工液を作成し、クラフト原紙
に塗工して塗工紙を得た。得られた塗工紙について実施
例1〜13と同様に各種物性を測定した。結果を表4に
示す。 【0045】 【比較例9〜12】表2の配合割合の単量体及び連鎖移
動剤を用いて製造例1の方法に従って重合及び後処理を
行いv〜yの異相構造ラテックスを得た。次いでこれら
の異相構造ラテックスに実施例1〜13と同様にワック
スエマルジョン(荒川化学株式会社製SPW−116
H)を同量配合して塗工液を作成し、未晒クラフト原紙
に塗工して塗工紙を得た。得られた塗工紙について実施
例1〜13と同様に各種物性を測定した。結果を表4に
示す。 【0046】 【比較例13及び14】本願発明の異相構造ラテックス
bに、ワックスエマルジョンを加えないでクラフト原紙
に塗工して得た塗工紙(比較例例13)、及び本願発明
の異相構造ラテックスbに本願発明の範囲を越えてワッ
クスエマルジョン(荒川化学株式会社製SPW−116
H )を22重量部加えて塗工液を作成し、クラフト原
紙に塗工して得た塗工紙(比較例14)について各種物
性を測定した結果を表4に示す。 【0047】 【表1】 【0048】 【表2】【0049】 【表3】【0050】 【表4】【0051】以上の実施例及び比較例で示される結果か
ら明らかなように、本願発明の特定の異相構造ラテック
スにワックスエマルジョンを配合した塗工液を塗工して
得られる防湿塗工紙が常態防湿性、折れ曲げ防湿性に優
れるとともに耐ブロッキング性にも優れ、又十分リサイ
クル可能な程度に容易に水中で離解され易い極めて有意
な性能を有する。 【0052】 【発明の効果】本発明の特定の異相構造ラテックスとワ
ックスからなる組成物を紙に塗工して得られる塗工紙は
優れた常態防湿性、折れ曲げ防湿性及び耐ブロッキング
性を有するとともに水中で容易に離解されるため、リサ
イクルできる機能をも有する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 [I](1)ガラス転移温度(Tg)が
    −70〜10℃を有する共重合体(A)ラテックスの存
    在下で、(2)Tgが0〜50℃の範囲にあり、共重合
    体(A)よりも高いTgの共重合体(B)を生成する単
    量体を乳化共重合させてなることを特徴とし、(3)
    (A)と(B)からなる全共重合体組成がシランカップ
    リング剤0.01〜10重量%、エチレン系不飽和カル
    ボン酸単量体0.5〜4重量%、およびその他の共重合
    体(合計100重量%)からなり、(4)共重合体
    (A)と共重合体(B)との重量割合が5〜95:95
    〜5の範囲にあることを特徴とする異相構造ラテックス
    100重量部(固形分換算)と[II]ワックス0.1
    〜20重量部(固形分換算)の割合で配合してなる防湿
    紙用塗工組成物。
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