JP2003268018A - 共重合体ラテックスおよびその紙塗工用組成物 - Google Patents

共重合体ラテックスおよびその紙塗工用組成物

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗工紙におけるピック強度、湿潤ピック強
度、耐ブリスター性等の塗工紙物性をバランスよく向上
することを目的とする。 【解決手段】 共役ジエン系単量体、およびこれと重合
可能なその他の単量体からなる混合物を乳化重合して共
重合体ラテックスを製造するにあたり、第一工程には共
役ジエン系単量体以外の単量体混合物(A)を、全単量
体混合物の5〜50重量%添加して、重合転化率が20
〜65%に達するまで重合し、次いで第2段目以降に残
りの単量体混合物(B)50〜95重量%を添加し乳化
重合して得られる共重合体ラテックス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジエン系共重合体
ラテックス、およびそれを用いる紙塗工用組成物に関
し、さらに詳しくは、オフセット印刷、グラビア印刷に
供される塗工紙あるいは塗工板紙その他に使用する紙塗
工用のバインダーとして好適な、高性能のジエン系共重
合体ラテックス、およびそれを用いる紙塗工用組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成共重合体ラテックスは、例え
ば、紙塗工用バインダー、カーペットバックサイジング
用バインダー、不織布や人工皮革などの繊維結合用バイ
ンダー、あるいは各種材料の粘接着剤などとして広く用
いられている。共重合体ラテックスがこのような用途に
用いられる場合、共重合体ラテックスには、接着強度が
強く、耐水性、乾燥加熱による耐ブリスター性などに優
れていることが要求される。塗工紙は、紙の印刷適性の
向上および光沢などの光学特性の向上を目的として、抄
造された原紙表面に、カオリンクレー、炭酸カルシウ
ム、サチンホワイト、タルク、酸化チタンなどの顔料、
それらのバインダーとしての共重合体ラテックスおよび
粘度調整剤あるいは補助バインダーとしてのスターチ、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースな
どの水溶性高分子を主構成成分とする紙塗工用組成物が
塗工されているものである。
【0003】ここで、バインダーとしての共重合体ラテ
ックスとしては従来からスチレンとブタジエンを主要モ
ノマー成分として乳化重合されたスチレン−ブタジエン
系共重合体ラテックス、いわゆるSB系ラテックスが汎
用的に用いられている。近年、カラー印刷された雑誌類
やパンフレット、広告類の需要の拡大に伴って印刷速度
の高速化が進められており、塗工紙および顔料バインダ
ーに対する要求水準はますます高度化している。その中
でも、特にインクピック抵抗性、いわゆるピック強度
と、湿し水が塗布された後のインクピック抵抗性、いわ
ゆる湿潤ピック強度の向上が強く求められている。これ
らのピック強度性能自体が負の相関関係にあるだけでな
く、他の印刷物性、すなわち耐ブリスター性、網点再現
性などとも負の相関関係にあるため、これらの諸物性を
高水準にバランス化させる改良が一段と要求されてい
る。これらの相反する物性は、顔料バインダーとして用
いられているジエン系共重合体ラテックスの性能に強く
依存することから、これまでジエン系共重合体ラテック
スについて種々の検討がなされてきた。
【0004】例えば、これらの諸物性の高バランス化を
目指し、2段もしくは多段重合法において特定のモノマ
ー組成で重合する方法を用いたラテックスの改良が提案
されている。(第1427990号公報,特開昭62−
117897号公報,特開平6−240559号公報,
特開平7−258308号公報,特開平7−32411
2号公報,特開平7−324113号公報,特開平9−
31141号公報,特開平9−31895号公報)しか
しながら近年における本技術分野においては、より高度
な物性バランスの達成が要求されており、いずれの方法
も塗工紙におけるピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリ
スター性等の塗工紙物性や紙塗工における耐バッキング
ロール汚れ特性を向上させる方法として十分とは言い難
かった。
【0005】一方、塗工紙の生産能力を向上するために
近年高速塗工化が進んでおり、塗工液においては塗工の
高速化に伴う乾燥能力の低下への対応および生産効率を
高める目的で塗工液の高固形分化が進められている。塗
工液を高固形分化するには、重質炭酸カルシウムの配合
率を高める等の顔料面からの流動性の改良とスターチ等
の増粘性の大きい水溶性バインダーを減らしラテックス
を増量することによるバインダー面からの改良が採られ
ている。しかし、炭酸カルシウム比率を高める顔料面か
らの流動性の改良では、白紙光沢が低下し好ましくな
い。
【0006】また、ラテックス量を増量するバインダー
面からの流動性の改良では、塗工紙表面のベタツキ性を
増大させるため、バッキングロール汚れやスーパーカレ
ンダー汚れなどの問題を発生させ好ましくない。これら
の問題を解決するために共重合体ラテックスを重合する
にあたり、2段重合で第2段目にシアン化ビニル単量
体、アミド基含有エチレン性不飽和単量体を重合するこ
とが提案されている(特開平4−240297号公報,
特開平5−239113号公報)が、これらの方法では
塗工紙の印刷適性と共重合体ラテックスの耐ベタツキ性
は改善されるものの十分とは言い難く高速塗工のための
高固形分条件下での塗工液の流動性は満足し得るもので
はなかった。
【0007】さらに、共重合ラテックスを重合するにあ
たり、2段重合を行い第2段目にメタクリロニトリルを
ある添加速度で連続的に添加重合することにより、塗工
紙の印刷適性と高速塗工のための高固形分の塗工液の流
動性に優れることが提案されている(特開平10−18
2709)が、この方法でも塗工紙の印刷適性と紙塗工
における耐バッキングロール汚れ特性が満足し得るもの
ではなかった。このように、従来の技術では印刷と塗工
紙の製造の一層の高速化に対応することができず、生産
性を高め高品質の塗工紙の製造を可能にするバインダー
としての共重合体ラテックスの出現が強く求められてい
るのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記の通り、従来の紙
塗工用バインダーは、これを用いた塗工紙のピック強
度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性等の塗工紙物性お
よび操業性における要求を同時に満足させることはでき
なかった。本発明はこのような事情のもとで、塗工紙に
おけるピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性等
の塗工紙物性に優れ、かつ紙塗工における耐バッキング
ロール汚れ特性に優れる高性能の共重合体ラテックスを
提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記のよ
うな従来技術の持つ問題点に鑑み、鋭意研究を重ねた結
果、単量体組成、乳化重合条件を特定することにより得
られる特定のジエン系共重合体ラテックスが目的を達成
することを見出し、本発明を完成するに至った。すなわ
ち本発明の第1は、共役ジエン系単量体、およびこれと
重合可能なその他の単量体からなる混合物を乳化重合し
て共重合体ラテックスを製造するにあたり、第1段目に
は共役ジエン系単量体以外の単量体混合物(A)を、全
単量体混合物の5〜50重量%添加し、重合転化率が2
0〜65%に達するまで重合する。次いで、第2段目と
して残りの単量体混合物(B)50〜95重量%を添加
し乳化重合することを特徴とする共重合体ラテックスで
ある。
【0010】発明の第2は、単量体混合物(A)がシア
ン化ビニル系単量体20〜80重量%およびこれらと共
重合可能な単量体20〜80重量%で構成される前記発
明第1に記載の共役ジエン系共重合体ラテックスであ
る。発明の第3は、単量体混合物(A)が(メタ)アク
リル酸アルキルエステル系単量体5〜40重量%を含む
前記発明第1および2に記載の共役ジエン系共重合体ラ
テックスである。
【0011】発明の第4は、単量体混合物(B)を分割
多段化して乳化重合するにあたり、全単量体量を100
重量部としたときの、(B)部分を分割した前段部分
(第二工程)に添加される共役ジエン系単量体の重量部
数(a)と、後段部分(第三工程)に添加される共役ジ
エン系単量体の重量部数(b)の関係が、(b)/
(a)<15.0となる製造方法により得られる前記発
明第1から3に記載の共役ジエン系共重合体ラテックス
である。
【0012】発明の第5は、発明の共役ジエン系単量
体、およびこれと重合可能なその他の単量体からなる混
合物を乳化重合して共重合体ラテックスを製造するにあ
たり、第1段目には共役ジエン系単量体以外の単量体混
合物(A)を、全単量体混合物の5〜50重量%添加
し、重合転化率が20〜65%に達するまで重合する。
次いで、第2段目として残りの単量体混合物(B)50
〜95重量%を添加し乳化重合することを特徴とする共
重合体ラテックスを含む紙塗工用組成物である。
【0013】発明の第6は、単量体混合物(B)が、単
量体混合物(B)を分割多段化して乳化重合するにあた
り、全単量体混合物を100重量部とした時の、(B)
部分を分割した前段部分(第二工程)に添加される共役
ジエン系単量体の重量部数(a)と、後段部分(第三工
程)に添加される共役ジエン系単量体の重量部数(b)
の関係が、(b)/(a)<15.0となる製造方法に
より得られる共役ジエン系共重合体ラテックスを顔料1
00重量部に対して3〜30重量部組成であることを特
徴とする前記発明第5記載の紙塗工用組成物である。
【0014】本発明について以下にさらに詳しく説明す
る。本発明のジエン系共重合体ラテックスは、2段階以
上の多段階重合法を用いて乳化重合することによって製
造される。本発明の第一工程で添加される単量体混合物
(A)は、共役ジエン系単量体以外のその他の単量体か
ら成るが、特に単量体としてはシアン化ビニル系単量体
を単量体混合物(A)の、20〜80重量%含有するこ
とが好ましく、さらに好ましくは20〜70重量%であ
る。
【0015】第一工程で使用される単量体としては、シ
アン化ビニル系単量体、芳香族ビニル系単量体、エチレ
ン性不飽和カルボン酸単量体、(メタ)アクリル酸アル
キルエステル単量体、(メタ)アクリルアミド系単量
体、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニルエステル類、塩
化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、アミノエチルアク
リレート、ジメチルアミノエチルアクリレートなどのア
ミノ基含有エチレン性単量体類、スチレンスルホン酸ナ
トリウムなどを挙げることができる。これらの共重合可
能な単量体は1種あるいは2種以上を組み合わせて使用
される。
【0016】シアン化ビニル系単量体としては、例えば
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルア
クリルニトリルなどを挙げることができるが、特にアク
リロニトリルが好ましい。これらのシアン化ビニル系単
量体は1種あるいは2種以上組み合わせてもよく、ま
た、その好ましい使用量は単量体混合物(A)の20〜
80重量%、さらに好ましくは20〜70重量%であ
る。その使用量が20重量%未満では、紙塗工における
耐バッキングロール汚れ特性の指標となる共重合体ラテ
ックスの耐ベタツキ性改良効果、および塗工紙の湿潤ピ
ック強度の改良効果が十分に出現されない。また、80
重量%を越えるとラテックスの重合安定性に劣り好まし
くない。
【0017】芳香族ビニル系単量体としては、例えばス
チレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、p−メ
チルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレ
ン、エチルスチレン、ビニルキシレン、ブロモスチレ
ン、ビニルベンジルクロリド、p−t−ブチルスチレ
ン、クロロスチレン、アルキルスチレン、ジビニルベン
ゼン、トリビニルベンゼンなどが挙げられるが、特にス
チレンが好ましい。エチレン性不飽和カルボン酸単量体
としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン
酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などが挙げら
れる。これらのエチレン性不飽和カルボン酸単量体は1
種あるいは2種以上組み合わせてもよく、その好ましい
使用量は、全単量体の重量に基づき0.5〜10重量
部、さらに好ましくは1〜7重量部の範囲で選ばれる。
この量が0.5重量部未満では、ラテックスの分散安定
性が十分でなく、塗工液調整や塗工時において種々の問
題が生じ、かつピック強度も低い。10重量部を超える
とラテックスや塗工液の粘度が高くなり過ぎると共に、
湿潤ピック強度が低下する傾向が見られ好ましくない。
【0018】(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量
体としては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチ
ル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレー
ト、n−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メ
タ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、
n−アミル(メタ)アクリレート、イソアミルヘキシル
(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレー
ト、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アク
リレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシ
ル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アク
リレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、2−エチル−ヘキシル(メタ)
アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、グリシジル(メタ)アクリレート、
【0019】エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、
1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6
−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ジエチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールエトキシアクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)ア
クリレート、アリル(メタ)アクリレート、
【0020】ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェ
ニル)プロパン、メトキシポリエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、
フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポ
リエチレングリコール(メタ)アクリレート、2,2−
ビス[4−((メタ)アクリロキシエトキシ)フェニ
ル]プロパン、2,2−ビス[4−((メタ)アクリロ
キシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス
[4−((メタ)アクリロキシ・ポリエトキシ)フェニ
ル]プロパン、イソボルニル(メタ)アクリレートなど
が挙げられるが、特にメチルメタアクリレートが好まし
い。
【0021】これらの(メタ)アクリル酸アルキルエス
テル系単量体は1種あるいは2種以上組み合わせてもよ
く、また、その好ましい使用量は単量体混合物(A)の
5〜40重量%、さらに好ましくは10〜35重量%で
ある。その使用量が5重量%未満では、重合安定性に劣
り好ましくない。また、40重量%を越えると耐バッキ
ングロール汚れ特性の指標となる共重合体ラテックスの
耐ベタツキ性改良効果、および塗工紙の湿潤ピック強度
の改良効果が十分に出現されない。
【0022】(メタ)アクリルアミド系単量体として
は、例えば(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミドなどのN−モノアルキル(メタ)アクリルアミ
ド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミドなどの
N、N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、グリシジ
ルメタアクリルアミド、N−アルコキシ(メタ)アクリ
ルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸などが挙げられ、その好ましい使用量は全単量
体の重量に基づき10重量部以下、さらに好ましくは7
重量部以下である。10重量部を超えて使用するとラテ
ックスおよび紙塗工組成物の低せん断粘度を上げてしま
い作業性を悪化させてしまうので好ましくない。
【0023】本発明の第二工程で添加される単量体混合
物(B)は、共役ジエン系単量体、およびこのものと共
重合可能なその他の単量体から成る。第二工程に用いら
れる共役ジエン系単量体は、例えば1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル1,3−ブタジエ
ン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、クロロプ
レン、2−クロル−1,3−ブタジエン、シクロペンタ
ジエン等を挙げることができるが、好ましくは1,3−
ブタジエンである。これらの共役ジエン系単量体は、1
種あるいは2種以上を組み合わせて使用される。
【0024】これらの共役ジエン系単量体の好ましい使
用量は、単量体混合物(B)の20〜90重量%、さら
に好ましくは30〜80重量%である。この使用量が2
0重量%未満では得られる重合体が脆くなりすぎ、十分
に高いピック強度が得られ難い。また、90重量%を超
えると、要求される耐ベタツキ性を達成することが難し
く、本発明の目的が十分に達せられない。また、単量体
混合物(B)を乳化重合するにあたり、単量体混合物
(B)を分割多段化して乳化重合するにあたり、全単量
体混合物を100とした時の、(B)部分を分割した前
段部分(第二工程)に添加される共役ジエン系単量体の
重量部数(a)と、後段部分(第三工程)に添加される
共役ジエン系単量体の重量部数(b)との関係が、
(b)/(a)<15.0となる製造方法により得られ
るとなることが好ましい。この値が15.0以上では粒
子構造上相分離を起こしやすく、耐べたつき性の悪化を
引き起こし、接着強度と耐べたつき性のバランスにおい
て好ましくない。
【0025】第二工程で使用される共役ジエン系単量体
と共重合可能なその他の単量体は、第一工程で用いられ
る共役ジエン系単量体と共重合可能なその他の単量体例
と同様であり、シアン化ビニル系単量体、芳香族ビニル
系単量体、エチレン性不飽和カルボン酸単量体、(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル単量体、(メタ)アク
リルアミド系単量体、酢酸ビニルなどのカルボン酸ビニ
ルエステル類、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル類、
アミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルアク
リレートなどのアミノ基含有エチレン性単量体類、スチ
レンスルホン酸ナトリウムなどを挙げることができる。
これらの共重合可能な単量体は1種あるいは2種以上を
組み合わせて使用される。
【0026】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
2段階以上の、多段階重合法を用いて乳化重合するにあ
たり、第一工程に全単量体混合物の5〜50重量%にあ
たる量の共役ジエン系単量体以外の単量体混合物を添加
して乳化重合を進めることを特徴としている。本発明で
は、第一工程に添加された単量体混合物(A)の第二工
程の重合を開始する時点での重合転化率は20〜65重
量%であることが好ましく、さらには25〜55重量%
であることが好ましい。さらに好ましくは30〜50重
量%である。重合転化率が20重量%未満では特に湿潤
ピック強度と紙塗工における耐バッキングロール汚れ特
性の向上が十分に認められず、65重量%を超えるとピ
ック強度の向上が十分に認められない。
【0027】本発明の第一工程で添加される単量体混合
物(A)と第二工程で添加される単量体混合物(B)の
重量比(A)/(B)は、(A)、(B)の組成内容、
重合転化率、および各々の混合物由来の共重合体間の相
溶性により一概に決定できないが、通常5/95〜50
/50までが選択され、好ましくは10/90〜50/
50の範囲である。重量比(A)/(B)のうち、
(A)の値が5未満では湿潤ピック強度、耐ベタツキ性
の改良効果が十分でなく、また、50を超えると特にピ
ック強度の改良効果が十分でなく、いずれも本発明の効
果であるピック強度、湿潤ピック強度、耐ブリスター性
等の塗工紙物性バランスの向上が十分に認められず好ま
しくない。
【0028】本発明の第二工程以降の部分を分割し多段
重合を行うことも可能で、その際の単量体組成物の添加
方法としては、各重合工程とも、単量体組成物の一括添
加法、単量体組成物の一部を添加した後に重合の進行に
従って断続的もしくは連続的に添加する法、また、単量
体組成物を連続的に添加する法等、特に制限はない。ま
た、単量体組成物を連続的に添加する場合の添加速度に
も、特に制限はない。特に、本発明の第二工程部分を分
割し、重合全体として3段重合法の製造法とする際、第
二工程前半までに添加された単量体混合物の、第三工程
の重合を開始する時点での重合転化率は40〜85重量
%であることが好ましく、さらには45〜75重量%で
あることが好ましい。さらに好ましくは50〜70重量
%である。重合転化率が40重量%未満では特に湿潤ピ
ック強度と紙塗工における耐バッキングロール汚れ特性
の向上が十分に認められず、85重量%を超えるとピッ
ク強度の向上が十分に認められない。
【0029】本発明で使用される単量体を乳化重合する
に際しては、特に制限はなく、従来公知の方法で、水性
媒体中で前記の単量体、連鎖移動剤と界面活性剤、ラジ
カル重合開始剤と必要に応じて用いられる他の添加剤成
分を基本構成成分とする分散系において単量体を重合さ
せて、共重合体粒子の水性分散液、すなわちジエン系共
重合体ラテックスを製造する方法などが用いられる。こ
のジエン系共重合体ラテックス中の共重合体の濃度は4
0〜60重量%の範囲で選ばれ、また、その平均粒子径
は0.04〜0.4μmの範囲にあることが望ましく、
さらに0.05〜0.2μmの範囲にあることが好まし
い。平均粒子径はシードラテックスや界面活性剤の使用
割合などによって調整することができ、一般にその使用
割合を高くするほど生成共重合体ラテックスの平均粒子
径は小さくなる傾向がある。シードラテックスの重合
は、本発明のラテックスの重合に先だって同一反応容器
で行っても、異なる反応容器で重合したシードラテック
スを用いても良い。
【0030】本発明のジエン系共重合体ラテックスは、
一般の乳化重合に使用されている公知の連鎖移動剤を使
用することができる。例えば、α−メチルスチレンダイ
マーなどの核置換α−メチルスチレンの二量体類、n−
ブチルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、n−
ラウリルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t
−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類、テトラ
メチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジ
スルフィドなどのジスルフィド類、四塩化炭素、四臭化
炭素などのハロゲン化誘導体、2−エチルヘキシルチオ
グリコレート、ターピノーレンなどを挙げられ、これら
の1種または2種以上が使用される。連鎖移動剤として
は特にα−メチルスチレンダイマ−およびt−ドデシル
メルカプタンが好ましい。
【0031】連鎖移動剤は単量体100重量部あたり
0.2〜10重量部の範囲内で使用することが好まし
い。この範囲を外れるとピック強度、湿潤ピック強度、
耐ブリスター性のバランスが低下し本発明の効果を出現
させることが難しくなる。α−メチルスチレンダイマー
には、異性体として2,4−ジフェニル−4−メチル−
1−ペンテン、2,4−ジフェニル−4−メチル−2−
ペンテンおよび1,1,3−トリメチル−3−フェニル
インダンがあるが、本発明で使用されるα−メチルスチ
レンダイマーとしては、2,4−ジフェニル−4−メチ
ル−1−ペンテンの比率が60重量%以上であることが
好ましく、特に好ましくは、2,4−ジフェニル−4−
メチル−1−ペンテンの比率が80重量%以上である。
【0032】界面活性剤としては、一般の乳化重合に使
用されている公知の界面活性剤を使用することができ
る。例えば、脂肪族セッケン、ロジン酸セッケン、アル
キルスルホン酸塩、ジアルキルアリールスルホン酸塩、
アルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリール硫酸塩
などのアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロック
コポリマーなどのノニオン性界面活性剤、スチレンスル
ホン酸ナトリウムの様な単量体との反応性を有する官能
基を持った反応性界面活性剤、さらに必要に応じてベタ
イン型などの両性界面活性剤などが挙げられ、これらの
1種または2種以上が使用される。この界面活性剤は通
常、アニオン性界面活性剤単独、反応性界面活性剤単
独、アニオン性/反応性またはアニオン性/ノニオン性
の混合系で用いられ、その使用量は全単量体の重量に基
づき、通常0.05〜2重量%の範囲で選ばれる。
【0033】前記ラジカル重合開始剤は、熱または還元
性物質の存在下ラジカル分解して単量体の付加重合を開
始させるものであり、無機系開始剤および有機系開始剤
のいずれも使用できる。このようなものとしては、例え
ば水溶性又は油溶性のペルオキソ二硫酸塩、過酸化物、
アゾビス化合物等、具体的にはペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム、ペルオキソ二硫酸ア
ンモニウム、過酸化水素、t−ブチルヒドロペルオキシ
ド、過酸化ベンゾイル、2,2−アゾビスブチロニトリ
ル、クメンハイドロパーオキサイドなどがあり、また他
に、POLYMER HANDBOOK(3rd ed
ition)、J.BrandrupおよびE.H.I
mmergut著、John Willy & Son
s刊(1989)に記載されている化合物が挙げられ
る。また、酸性亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸やそ
の塩、エリソルビン酸やその塩、ロンガリットなどの還
元剤を重合開始剤に組み合わせて用いる、いわゆるレド
ックス重合法を採用することもできる。第一工程では特
に無機系のラジカル重合開始剤を使用することが好まし
く、さらには重合の全工程において無機系のラジカル重
合開始剤を使用することが好ましい。
【0034】これらの中で特にペルオキソ二硫酸塩が重
合開始剤として好適である。この重合開始剤の使用量
は、全単量体の重量に基づき、通常0.1〜5.0重量
%の範囲から、好ましくは0.2〜3.0重量%の範囲
から選ばれる。この乳化重合における重合温度は、通常
45〜100℃の範囲で選ばれるが、前記レドックス重
合法等により、より低い温度で重合を行っても良い。ま
た、各重合工程での重合温度は同じでも異なっていても
良い。重合時間は、通常5〜30時間である。また、本
発明の第二工程終了後にさらに単量体を添加し、重合工
程を重ねても良い。
【0035】本発明においては、必要に応じ各種重合調
整剤を添加することができる。例えば、pH調整剤とし
て、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモ
ニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、リン酸
水素二ナトリウム、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン等のアミン類などのpH調整剤を添加することが
でき、この中でも水酸化カリウムがピック強度と湿潤ピ
ック強度のバランスを高める点で特に好ましく、重合後
のpH調整剤としては好適である。また、エチレンジア
ミン四酢酸ナトリウムなどの各種キレート剤なども重合
調整剤として添加することもできる。また、必要に応じ
本発明の共重合体ラテックスにアルカリ感応ラテックス
の添加や、耐水性の付与を目的に耐水化剤の添加を行っ
てもさしつかえない。
【0036】本発明のジエン系共重合体ラテックスを紙
塗工用塗料のバインダーとして用いる場合には、通常行
われている実施態様で行うことができる。すなわち、分
散剤を溶解させた水中に、カオリンクレー、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、サチンホワ
イト、タルク等の無機顔料、プラスチックピグメントや
バインダーピグメントとして知られる有機顔料、澱粉、
カゼイン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセ
ルロース等の水溶性高分子、増粘剤、染料、消泡剤、防
腐剤、耐水化剤、滑剤、印刷適性向上剤、保水剤等の各
種添加剤とともにジエン系共重合体ラテックスを添加し
て混合し、均一な分散液とする態様である。顔料と本発
明のジエン系共重合体ラテックスの使用割合は組成物の
使用目的によって適宜決定することが出来るが、好まし
くは顔料100重量部に対してラテックス3〜30重量
部である。そして、この紙塗工液は、各種ブレードコー
ター、ロールコーター、エアーナイフコーター、バーコ
ーターなどを用いる通常の方法によって原紙に塗工する
ことができる。
【0037】
【発明の実施の形態】以下に、実施例により本発明をさ
らに詳細に説明する。なお、各特性は次のようにして求
めた。 (1)共重合体ラテックスの性状 (い)粒径 光散乱法粒度分析計(シーエヌウッド社製モデル600
0)により共重合体ラテックス粒子の平均直径を測定し
た。
【0038】(ろ)ゲル含量(トルエン不溶分) 共重合体ラテックス試料をpH8に調整し、100℃で
30分間乾燥してフィルムを作製した。トルエン(30
ml)中にこの乾燥フィルム(0.5g)を加え、3時
間振とうした後、325メッシュの金網で濾過し、金網
上に残った固形分を乾燥し、全固形分に対する重量%を
求めた。 (は)耐ベタツキ性 マイラーフィルムにラテックスをNo13ワイヤーバー
にて塗布した後、130℃で60秒乾燥する。黒ラシャ
紙と重ね合わせ、温度70℃、線圧20kg/cmのス
ーパーカレンダーを通す。黒ラシャ紙をマイラーフィル
ムより剥離し、ラシャ紙繊維のラテックスフィルム上へ
の転移を肉眼で観察した。評価は10点評価法で行い、
転移の少ないものほど高得点とした。
【0039】(2)紙塗工性能評価 (い)ピック強度 RI印刷試験機(明製作所)を用いて、中央部に塗工紙
(1.5cm×20cm)をならべて貼った台紙(30
cm×25.5cm)に、印刷インク(東華色素社製、
商品名:SDスーパーデラックス50紅B(タック18
のもの)0.4ccを25cm×21cmの印刷面積で
台紙ごと印刷し塗工紙に重ね刷りした。ゴムロールに現
れたピッキング状態を別の台紙に裏取りし、その状態を
観察した。評価は10点評価法で行い、ピッキング現象
の少ないものほど高得点とした。
【0040】(ろ)湿潤ピック強度 RI印刷試験機(明製作所)を用いて、中央部に塗工紙
(1.5cm×20cm)ならべて貼った台紙(30c
m×25.5cm)にモルトンロールで塗工紙表面に給
水を行い、その直後に印刷インク(東華色素社製、商品
名:SDスーパーデラックス50紅B(タック15のも
の)0.4ccを25cm×21cmの印刷面積で1回
刷りを行い、ゴムロールに現れたピッキング状態を別の
台紙に裏取りし、その状態を観察した。評価は10点評
価法で行い、ピッキング現象の少ないものほど高得点と
した。
【0041】(は)耐ブリスター性 RI印刷試験機(明製作所)を用いて、台紙(30cm
×25.5cm)の中央部に塗工紙(20cm×20c
m)を貼り、印刷インク(大日本インキ社製、商品名:
Webb Zett 黄)0.3ccを25cm×21
cmの印刷面積で台紙ごとべた刷りした。この条件で両
面印刷された塗工紙を適当な大きさに裁断し、その試験
片を所定の温度に調整したシリコンオイル恒温槽に浸し
てブリスターが発生するか否かを観察した。恒温槽の温
度を変化させてこの試験を行った。ブリスター発生温度
が高いものほど耐ブリスター性に優れる。
【0042】
【実施例1】撹拌装置と温度調節用ジャケットを取り付
けた耐圧反応容器に、水70重量部、ドデシルベンゼン
スルホン酸ナトリウム0.4重量部、表1に示す第一工
程用単量体の内のイタコン酸とフマール酸に関しては記
載してある数値の部数を仕込み、内温を75℃に昇温し
た。次いで表1に示す第一工程重合用単量体の内のイタ
コン酸とフマール酸を除く単量体と連鎖移動剤の組成
(重量部)に第一工程の添加比率(重量%)を乗じた部
数を混合した単量体組成物と、水20重量部、ペルオキ
ソ二硫酸ナトリウム1重量部、ラウリル硫酸ナトリウム
0.1重量部、水酸化ナトリウム0.2重量部からなる
開始剤系水溶液を、それぞれ2時間および8時間かけて
一定の流速で添加した。第一工程重合用単量体混合物の
添加終了から1時間後より表1に示す第二工程重合用単
量体の組成(重量部)に第二工程の添加比率(重量%)
を乗じた部数を混合した単量体組成物を5時間かけて連
続的に添加した。添加終了後、90℃に昇温し、その温
度をそのまま1時間保ったのち冷却した。次いで生成し
たジエン系共重合体ラテックスに水酸化ナトリウムを添
加してpHを8とした。次に、スチームストリッピング
法により未反応単量体を除去し、200メッシュの金網
で濾過した。このジエン系共重合体ラテックスは最終的
には固形分濃度50重量%になるように調整した。この
ようにして得られたジエン系共重合体ラテックスをラテ
ックス(イ)とする。
【0043】
【実施例2〜9】表1に示した単量体成分、連鎖移動剤
を用い、単量体組成物の添加時間を各工程の添加比率に
応じて増減した以外は実施例1と同様の方法でラテック
ス(ロ)〜(リ)を得た。
【0044】
【表1】
【0045】
【比較例1〜2】表2に示した単量体成分、連鎖移動剤
を用い、単量体組成物の添加時間を各工程の添加比率に
応じて増減した以外は、実施例1と同様の方法でラテッ
クス(ヌ)〜(ル)を得た。結果を表2に示す。
【0046】
【表2】
【0047】
【実施例10〜18】ラテックス(イ)〜(リ)を用い
て下記の配合で紙塗工用組成物を調整した。(配合処
方) カオリンクレー 60重量部 炭酸カルシウム 40重量部 ポリアクリル酸ソーダ 0.2重量部 水酸化ナトリウム 0.1重量部 リン酸エステル化デンプン 2.5重量部 共重合体ラテックス 12重量部 水(全固形分が64%になるように添加) 得られた紙塗工用組成物を坪量75g/m2の塗工原紙
に塗工量が片面14g/m2になるように両面ブレード
塗工して、塗工紙を得た。この塗工紙を用いて行った評
価結果を表3に示す。
【0048】
【表3】
【0049】
【比較例3〜4】ラテックスとして(ヌ)〜(ル)を用
いた以外は実施例10〜18と同様にして塗工紙を得
た。この塗工紙を用いて行った評価結果を表4に示す。
表2から明らかなように、本発明の共重合体ラテックス
(イ)〜(リ)をバインダーとして用いた塗工紙(実施
例10〜18)は、いずれも塗工紙におけるピック強度
と湿潤ピック強度のバランスおよび、紙塗工における耐
バッキングロール汚れ特性の指標となる耐べたつき性と
ピック強度のバランスが優れていることがわかる。第一
工程での単量体混合物(A)に対する重合添加率が好適
な範囲を外れるラテックス(ヌ)では、ピック強度が劣
る(比較例3)。第一工程の、全単量体混合物に対する
添加比率が好適な範囲を外れるラテックス(ル)では、
湿潤ピック強度が劣る(比較例4)。結果を表4に示
す。
【0050】
【表4】
【0051】
【発明の効果】塗工紙におけるピック強度、湿潤ピック
強度、耐ブリスター性等の塗工紙物性をバランスよく向
上することができる。また、塗工紙における耐バッキン
グロール汚れ特性を向上することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 157/00 C09D 157/00 D21H 19/58 D21H 19/58 Fターム(参考) 4J011 AA05 KA01 KB07 KB09 KB13 KB19 4J038 CA021 CA022 CA061 CA062 CA071 CA072 CC041 CC042 CC091 CC092 CD041 CD042 CF021 CF022 CG031 CG032 CG141 CG142 CG161 CG162 CG171 CG172 CH201 CH202 LA02 MA10 NA05 NA11 PC10 4L055 AG11 AG12 AG27 AG48 AG57 AG63 AG70 AG71 AG74 AG75 AG76 AH02 AH37 AJ04 BE08 EA29 EA32 FA11 FA13 FA15 FA19 FA30 GA05 GA19

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 共役ジエン系単量体、およびこれと重合
    可能なその他の単量体からなる混合物を乳化重合して共
    重合体ラテックスを製造するにあたり、第一工程には共
    役ジエン系単量体以外の単量体混合物(A)を、全単量
    体混合物の5〜50重量%添加して、重合転化率が20
    〜65%に達するまで重合し、次いで第2段目以降に残
    りの単量体混合物(B)50〜95重量%を添加し乳化
    重合して得られる共重合体ラテックス。
  2. 【請求項2】 単量体混合物(A)がシアン化ビニル系
    単量体20〜80重量%およびこれらと共重合可能な単
    量体20〜80重量%を含む請求項1に記載の共役ジエ
    ン系共重合体ラテックス。
  3. 【請求項3】 単量体混合物(A)が(メタ)アクリル
    酸アルキルエステル系単量体5〜40重量%を含む請求
    項1および2に記載の共役ジエン系共重合体ラテック
    ス。
  4. 【請求項4】 単量体混合物(B)を分割多段化して乳
    化重合するにあたり、全単量体混合物を100重量部と
    した時の、(B)部分を分割した前段部分(第二工程)
    に添加される共役ジエン系単量体の重量部数(a)と、
    後段部分(第三工程)に添加される共役ジエン系単量体
    の重量部数(b)の関係が、(b)/(a)<15.0
    となる製造方法により得られる請求項1から3に記載の
    共役ジエン系共重合体ラテックス。
  5. 【請求項5】 共役ジエン系単量体、およびこれと重合
    可能なその他の単量体からなる混合物を乳化重合して共
    重合体ラテックスを製造するにあたり、第一工程には共
    役ジエン系単量体以外の単量体混合物(A)を、全単量
    体混合物の5〜50重量%添加して、重合転化率が20
    〜65%に達するまで重合し、次いで第2段目以降に残
    りの単量体混合物(B)50〜95重量%を添加し乳化
    重合して得られる共重合体ラテックスを含む紙塗工用組
    成物。
  6. 【請求項6】 単量体混合物(B)が、単量体混合物
    (B)を分割多段化して乳化重合するにあたり、全単量
    体混合物を100重量部とした時の、(B)部分を分割
    した前段部分(第二工程)に添加される共役ジエン系単
    量体の重量部数(a)と、後段部分(第三工程)に添加
    される共役ジエン系単量体の重量部数(b)の関係が、
    (b)/(a)<15.0となる製造方法により得られ
    る共役ジエン系共重合体ラテックスを顔料100重量部
    に対して3〜30重量部組成であることを特徴とする請
    求項5記載の紙塗工用組成物。
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