JP3700037B2 - 防湿加工用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、防湿加工用組成物に関するものであり、さらに詳しくは、紙または不織布に塗工または含浸することによって、防湿性の層を形成させる防湿加工用組成物に関するものであり、特に故紙や損紙の回収が容易な防湿、防水組成物であり、特に包装紙の分野に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から防湿紙としては、原紙に塩化ビニリデン樹脂を塗工した防湿コ−ト紙や、ポリエチレンラミネ−ト紙などがある。
【0003】
これらの防湿紙は、防湿性能の面で良好であるため包装紙分野に適用されている。
【0004】
近年、資源の有効利用および公害対策の面から故紙や損紙の回収に際して、紙に再生することが容易か否かという問題がある。
この観点からポリエチレンラミネート紙の場合は、樹脂層と紙との解離が困難であり、故紙や損紙を回収しても再生し難いという問題がある。
【0005】
また、塩化ビニリデン樹脂を塗工した場合は、塗工紙の焼却廃棄処理するときハロゲンの有毒ガス発生が、最近環境上問題となっている。
【0006】
このように、いずれの防湿紙も問題点があり、代替防湿紙の開発が強く要求されている。
【0007】
この代替技術として、ブタジエン系ラテックス100重量部にワックス5〜200重量部を配合し塗工することにより防湿紙を得る技術が、特公昭55−2259号公報の中に提案されている。
【0008】
しかし、この技術は、ワックスを使用しているため塗工面が滑りやすく、防滑剤などを用いても、耐スベリ性を満足するものではない。また、塗工面の磨耗によるワックスの脱落によってかえって防湿性能の低下がみられる。さらに塗工紙の巻取り時の圧力によって塗工紙のブロッキングなどの問題が発生する。
【0009】
また、代替技術として、アクリル系エマルジョンにワックスをブレンドしてダンボ−ルへ塗工し、防湿紙を製造する技術も提案されている(特公平2−1671号公報)。
【0010】
しかし、この技術で得られる防湿紙は、耐スベリ性は満足するものであるが、防湿性は、上記塩化ビニリデン樹脂塗工紙や、ポレエチレンラミネート紙に較べて劣っている。
【0011】
また、パラフィンワックスと特定のマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物とポリブテン等を含有するワックスエマルジョンを防湿組成物として使用した技術がある(特公平3−10759号公報)。
【0012】
しかし、この防湿組成物を基材に塗布して得られる防湿紙は、塗工面の摩耗によってワックスが脱落し防湿性が低下するという問題がある。
【0013】
そこで現在、紙業界、加工剤メ−カ−各社でポリエチレンラミネ−ト紙に匹敵する防湿性を付与できると共に、故紙と損紙の回収が可能なエマルジョン系の防湿加工用樹脂組成物の開発が望まれている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はポリエチレンラミネ−ト紙並みの高防湿性能(JIS Z−0208)を付与することができ、再生に際し樹脂層と紙との離解性がよく、耐スベリ性がよく、ワックスの脱落のない防湿加工用組成物を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を行なった結果、パラフィンワックスエマルジョンとロジン酸エステル化合物及びその水添化物、及び/又 はテルペンフェノール及びその水添化物とを特定割合でブレンドした組成物を使用した樹脂組成物を紙に塗工することにより、ポリエチレンラミネ−ト並みの高い防湿性能を発揮し、且つ故紙と損紙の回収が容易で、また耐ブロッキング性に優れるものが得られることを発見し、本発明を完成させるに到った。
【0016】
すなわち本発明は、パラフィンワックス(A)とマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物(a)及び/又はテルペンフェノール及び石油樹脂の水添化物(b)(B)とを含有してなる防湿加工用樹脂組成物であり、好ましくはパラフィンワックス(A)の融点が、50〜80℃であり、好ましくはマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物の軟化点が、100〜150℃で、かつ酸価が100以下であり、エステル化物の水添化物の軟化点が、70℃以上で、かつ酸価が100以下であることを特徴とする防湿加工用樹脂組成物を提供するものである。
【0017】
また好ましくはテルペンフェノールの軟化点が、100〜150℃で、かつ数平均分子量が550〜1100であり、パラフィンワックス(A)が、3〜95重量部%であり、好ましくはマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物及び該水添化物(a)及び/又はテルペンフェノ−ル及び石油樹脂水添化物(b)(B)が、5〜97重量%であることを特徴とする防湿加工用樹脂組成物を提供する。
【0018】
さらに好ましくは上記組成物と合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンとを、固形分換算で重量比100:10〜200の割合で配合してなる防湿加工用樹脂組成物を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のパラフィンワックスとしては、特に制限されないが、融点が50〜70℃であることが好ましい。その使用量を特に限定するものではないが、3〜100重量部%であることが好ましい。3重量%未満では所期の防湿性能を得るのに、100重量%を越えると対スベリ性の面で好ましくない。パラフィンワックスとしては、たとえば市販品として120、125、130、135、140、150、155、EMUSTER0135、0136、0384、マイクロクリスタリンワックスHi−MiC2045、1045、2065、1070[日本精蝋(株)製]が挙げられる。
【0020】
パラフィンワックスと併用する本発明の必須成分は、マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物(a)、及び/又はテルペンフェノール及び石油樹脂の水添化物(b)である。
【0021】
マレイン化もしくはフマール化ロジンに使用するロジンとしては、ガムロジン、ウッドロジンがある。本発明のマレイン化もしくはフマール化ロジンは、このロジンにマレイン酸またはフマール酸を付加したものである。
【0022】
本発明の多価アルコールとしては、エチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0023】
本発明のマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物の軟化点は、100〜150℃で、かつ酸価が100以下であることが好ましく、50以下がより好ましい。
【0024】
軟化点が100℃未満の場合には、耐ブロッキング性の点で、又150℃を越えると造膜性の点で好ましくない。また酸価が100以上では透湿性において好ましくない。
【0025】
上記エステル化物の水添化物の軟化点は、70℃以上で、かつ酸価が100以下であることが好ましく、50以下がより好ましい。軟化点が70℃未満では、塗工紙のブロッキングがあるので、好ましくない。また酸価が100以上であると透湿性の面で好ましくない。
【0026】
本発明は、上記のマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物とこの水添化物とを併用することを特徴とする。
【0027】
両者を併用することによって、これをシートに塗布し製造した防湿シートにおいて、エステル化物単独の場合より透湿性、造膜性及び耐すべり性を同時に満足するものが得られる。
【0028】
本発明のテルペンフェノ−ルとは、ピネン、及びテルペンとフェノ−ル樹脂の化合物をいう。
その構造としては、次の一般式で表される。
【0029】
【化1】
Figure 0003700037
【0030】
具体的化合物としては、α−ピネン、β−ピネン、テルペン、ジテルペンとフェノ−ル樹脂との化合物等が挙げられる。これらの化合物のうち、β−ピネンとフェノ−ル樹脂との化合物が、耐熱性という点で好ましい。
【0031】
本発明のテルペンフェノールの軟化点は、100〜150℃で、かつ数平均分子量が550〜1100であることが好ましい。
軟化点が100℃未満の場合には、耐ブロッキングの点で、150℃を越えると皮膜形成性が難しくなるので好ましくない。また数平均分子量が550未満では耐ブロッキング性の面が、又分子量が1100以上では皮膜形成において好ましくない。
【0032】
石油樹脂とは、石油ナフサなどの熱分解により副産物として生成する不飽和炭化水素を含む留分を重合させて樹脂化したものをいい、例えば脂肪族系石油樹脂(C5留分系)、芳香族留分系(C9留分系)、ジシクロペンタジエン系石油樹脂等が挙げられる。
【0033】
本発明の石油樹脂の水添化物は、上記石油樹脂に水素を添加したものであり、その軟化点は、70℃以上のものが好ましい。
【0034】
本発明の防湿加工用組成物は、パラフィンワックスとマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物、パラフィンワックスとテルペンフェノール及び石油樹脂の水添化物、またはパラフィンワックスとマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物及びテルペンフェノール及び石油樹脂の水添化物を含んでなるものである。
【0035】
上記組成物は、耐久性を上げるため、合成樹脂エマルジョンまたは合成ゴムラテックスを併用することが好ましい。合成樹脂エマルジョン又は合成ゴムラテックスの固形分100重量部に対しパラフィンワックスとマレイン化もしくはフマ−ル化ロジンと多価アルコ−ルとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物、及びテルペンフェノ−ル及び石油樹脂の水添化物を特定配合してなるものである。
【0036】
合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョンは、以下に示すエチレン性不飽和単量体をそれぞれ単量重合体又は複数組み合わせて共重合体として製造される。エチレン性不飽和単量体としては例えば、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、メタルクル酸プロピル、アクリル酸ブチル、メタルリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、メタアクリル酸ヘキシル、アクリル酸ヘプチル、メタクリル酸ヘプチル、アクリル酸オクチル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、などで例示されるアクリル酸アルキルエステルおよびメタクリル酸アルキルエステル;1,2ブタジェン、1,3ブタジェン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロルスチレン2、4―ジブロモスチレン等で示されるエチレン性不飽和芳香 族単量体;アクリロニトリル、メタクロニトリル等の不飽和ニトリル;アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸およびその無水物、フマル酸、イタコン酸並びに、不飽和ジカルボン酸モノアクキルエステル例えば、マレイン酸モノメチル、フマル酸モノエチル、イタコン酸モノノルマルブチル等のエチレン性不飽和カルボン酸;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等の如きビニルエステル;塩化ビニリデン臭化ビニリデン等の如き、ビニリデンハライド;アクリル酸−2−ヒドロキシエチレル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキルエチル等の如きエチレン性不飽和カルボン酸のヒドロキシアルキルエステル;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル等の如きエチレン性不飽和カルボン酸のグリシジルエステルおよび、アクリルアミド、メタクリルアミド、Nーメチロールアクリルアミド、N−メチロ−ルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルミド等のラジカル重合可能な単量体が挙げられる。
【0037】
本発明で用いる合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョンは、乳化重合によって得られる。この際使用する乳化剤としては、一般に市販されている陰イオン性界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、両イオン界面活性剤などを使用できる。これらのうち、防湿性をより高めるためには反応性乳化剤を用いることが好ましい。反応乳化剤としては、例えばスチレンスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソーダ、ビニルスルホン酸ソ−ダ、各種エチレン性不飽和基を有する乳化剤などを挙げることができる。この中でも、特開昭58−203960号公報で示される下記の構造式を有する化合物が最も好ましい。
【0038】
【化2】
Figure 0003700037
【0039】
(式中、Rは炭素数12のアルキル基、又は水素原子の1つがフッ素原子で置換された炭素数18のアルキル基を表し、MはNa、又はNH4表す。)
【0040】
乳化剤の使用量としては、合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョンの固形分換算で100重量部に対して、0.1〜3重量部用いるのが好ましい。乳化剤を3重量部以上含有した合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンを本発明のエステル化合物及び/又はテルペンフェノール等と組合せて用いても高い防湿性の発現は困難になる。
【0041】
本発明の合成ゴムラテックスは、SBR、MBR、NBR等ブタジエンを含有するすべての合成ゴム水分散体が挙げられる。この中でも高い防湿性能を得るためには、SBR、MBRが好ましい。
【0042】
また、本発明の合成樹脂エマルジョンは、2−エチルヘキシルアクリレ−ト、エチルアクリレ−ト、ブチルアクリレ−ト、メチルメタアクリレ−ト、スチレン等の単量体を構成成分とする合成樹脂エマルジョンである。この中でも高い防湿性能を得るためには、単量体として、2−エチルヘキシルアクリレ−トを使用することが好ましい。
【0043】
本発明の合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンを製造するに際しては、前記した単量体混合物を、フリ−ラジカル発生触媒の存在下で、40℃〜80℃で重合を行なえばよい。フリ−ラジカル発生触媒としては、例えば過硫酸カリウム(K2S2O8)、過硫酸アンモニウム[(NH4228]、過酸化水素等の水性触媒、tert−ブチルハイドパ−オキサイド、クメンハイドロパ−オキサイド等の油性触媒が挙げられる。
【0044】
またラジカル重合に通常用いられる添加剤、例えば連鎖移動剤、エチレンジアミン四酢酸、pH調整のためのアルカリ物質を必要に応じて使用することができる。
【0045】
乳化剤含有量が、0.1〜3重量部の合成ゴムラテッス又は合成樹脂エマルジョンは、例えばストリッピング等の方法によって必要とされる固形分含量に濃縮されて使用する。
【0046】
合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンの最低造膜温度(MFT)としては、皮膜形成性を考慮すれば50℃以下が好ましいが、これらの条件に制約されるものでない。
【0047】
本発明組成物の使用量としては、特に限定されるものではないが、合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョン100重量部に対して、10〜100重量部使用することが好ましい。本発明組成物が、10重量部以下あるいは200重量部以上使用すると所期の高防湿性能を得ることが困難である。
【0048】
本発明組成物と、合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンの組む合わせ方法としては、本発明組成物を該合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンに混合してもよいし、本発明組成物の存在下で合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョン用単量体混合物を乳化重合してもよい。
【0049】
上記本発明組成物の存在下で合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョン用単量体混合物を乳化重合して得られる合成ゴムラテックス、又は合成樹脂エマルジョンは、同一防湿性を得るのに本発明組成物の使用量を低減でき、更にブリ−ドが少ないので、印刷適性を落とすことがないメリットが得られる。
【0050】
本発明の防湿加工用組成物は、上記本発明組成物の成分の他に、界面活性剤、多価アルコ−ル、無機系物質、増粘剤等を添加することができる。
【0051】
界面活性剤としては、例えば市販品として、エマルゲン105、108、109P、120、123P、705、707、709、エマ−ル、エマ−ル2F、ネオペレックスF25[花王(株)製]、ノイゲンEA−80、120、140、142、160、170、190D、ネオコ−ルYSK、P[第一工業製薬(株)]等が挙げられる。
【0052】
多価アルコ−ルとしては、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、PEG200〜1500、PPG200〜3000等が挙げられる。
【0053】
無機系物質としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、クレ−、カオリン、酸化チタン、シリカ等が挙げられる。
【0054】
増粘剤としては、例えばポリビニ−ルアルコ−ル、ポリアクリル酸ソ−ダ塩、及びアンモニウム塩、ポリエチレン系増粘剤等が挙げられる。
【0055】
本発明の防湿加工用組成物を、基材に塗布又は含浸させることにより、防湿紙等の防湿シートが得られる。
【0056】
基材としては、紙、板紙、不織布、繊維基材、木材などが挙げられる。
基材に塗布又は含浸の方法としては、各種コ−タ−による塗工、含浸機による含浸加工、又はサイズプレスによる加工等多種多様な加工方法を用いることが できる。
【0057】
基材への塗工量としては、できるだけ低塗工量がコスト面や故紙や損紙の回収面から、30g/m2以下となるよう塗工するのが好ましい。また5g/m2以下では高防湿性発現が困難である。好ましい塗工量は10〜20g/m2である。
【0058】
【実施例】
以下に合成例及び実施例をあげて本発明を説明する。なお、例中の部および%はすべて重量基準とする。
【0059】
合成例1
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、反応性乳化剤S−180[不飽和アルキル硫酸塩、花王(株)製]を0.5部、エチレンジアミン四酢酸0.1部、スチレン30部、ブタジエン25部、メチルメタクリレ−ト40部、アクリル酸5.0、t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、攪拌を開始し、反応温度60℃に昇温した重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し、反応を開始させた。7時間後、重合率が98%に達したとき冷却を行なった。得られたラテックスは、重合率98.6%であった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留によって乳化剤の含有量が1%以下の固形分50.1%のSBRラテックス(以下LX−Aという)を得た。
【0060】
合成例2
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、乳化剤ネオペレックスF−25[アルキルベンゼンスルホン酸ソ−ダ塩、花王(株)製]を0.5部、エチレンジアミン四酢酸0.1部、スチレン30部、ブタジエン25部、メチルメタクリレ−ト40部、アクリル酸5.0、t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、攪拌を開始し、反応温度60℃に昇温した重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し、反応を開始させた。7時間後、重合率が98%に達したとき冷却を行なった。得られたラテックスは、重合率98.6%であった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留によって乳化剤の含有量が1%以下の固形分50.1%のSBRラテックス(以下LX−Bという)を得た。
【0061】
合成例3
攪拌装置を備えた重合容器に水120部、水酸化ナトリウム0.1部、反応性乳化剤S−180[不飽和アルキル硫酸塩、花王(株)製]を0.5部、エチレンジアミン四酢酸0.1部、スチレン30部、2エチルヘキシルアクリレート25部、メチルメタクリレート40部、アクリル酸5.0、t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み、攪拌を開始し、反応温度70℃に昇温した重合容器内温度が70℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し、反応を開始させた。7時間後、重合率が98%に達したとき、冷却を行なった。得られたエマルジョンは、重合率98.6%であった。次いで、25%アンモニア水でエマルジョンのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留によって乳化剤の含有量が1%以下の固形分50.5%の共重合体合成樹脂エマルジョン(以下EM−Aという)を得た。
【0062】
実施例1〜6
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、パラフィンワックス(軟化点60℃)とロジン酸エステル(軟化点120℃)及び該水添加ロジンエステル、(軟化点80℃)、及びテルペンフェノ−ル(軟化点145℃、数平均分子量900)及び水添化石油樹脂(軟化点115℃)と、LX−A、LX−B及びEM−Aをそれぞれ表1に示すとおり配合した。
【0063】
実施例7
攪拌装置を備えた耐圧重合容器に水120部、パラフィンワックス(軟化点60℃)とロジン酸エステル(軟化点120℃)及び該水添加ロジンエステル(軟化点80℃)、及びテルペンフェノ−ル(軟化点145℃)及び水添化石油樹脂(軟化点115℃)を表1示す量で、水酸化ナトリウムを0.1部、反応性乳化剤S−180[不飽和アルキル硫酸塩、花王(株)製]を0.5部、エチレンジアミン四酢酸を0.1部、スチレンを30部、ブタジエンを25部、メチルメタクリレートを40部、アクリル酸を5・0部、t−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込み攪拌を開始し、反応温度を60℃に昇温した重合容器内温度が60℃に達したとき、過硫酸アンモニウム0.1部を添加し、反応を開始させた。7時間後、重合率が98%に達したとき冷却を行なった。得られたラテックスは重合率98.6%であった。次いで、25%アンモニア水でラテックスのpHを9.0に調整し、その後水蒸気蒸留し、乳化剤の含有量が1%以下で、該エステル化合物の配合された固形物がそれぞれ49.9%と50.1%のSBRラテックス(以下LX−1という)を得た。
【0064】
実施例8〜9
パラフィンワックス、ロジン酸エステル化合物、水添化ロジン酸エステル、テルペンフェノ−ル、石油樹脂を表1のとおり、配合し、本発明の防湿加工用組成物を得た。
【0065】
応用例1〜9
合成例で得られたSBRラテックスと合成樹脂エマルジョンを用いて、表1に示す組成物を市販の上質紙(坪量70m2)に対して、マイヤ−ロットにより塗工量約12g/m2を塗工し、熱風乾燥機にて120℃、1分間乾燥し、防湿塗工紙を加工した。
【0066】
比較応用例1〜7
合成例で得られたラテクッスと及びパラフィンワックス/ロジン酸エステル(軟化点80℃)を表2に示す組成物を市販の上質紙(坪量70g/m2)に対してマイヤ−ロットにより塗工量約12g/m2を塗工して熱風乾燥機中120℃、1分間乾燥した。このようにして得られた加工紙について塗工量とJISZ0208に準じた透湿度(恒温恒湿条件下、40℃、90%湿度でのカップ法)を測定した。又比較用に市販ポリエチレンラミネ−ト紙を測定に入れた。表3と表4に結果を示す。
【0067】
この表4から該エステル化合物が配合されていないラテックスの防湿値は実施例1〜9で得られた値より高く、防湿性の点でポリエチレンラミネ−ト紙の代替防湿紙にはなり得ないことがわかる。又該エステル化合物の防湿性に及ぼす効果はラテックスの方が優れていることがわかる。
【0068】
防湿塗工紙の物性を測定した結果を表3、4に示す。なお表3、4の各物性は以下の試験方法により測定し評価した。
【0069】
1‐1;透湿度(g/m2、24hr)
JIS 0208に準じた恒温恒湿条件下、40℃、90%RHでのカップ法で測定した。
【0070】
1‐2;磨耗後の透湿度(g/m2、24h)
防湿塗工紙の塗工面と非塗工面を合わせ、荷重10Kgをかけ、振盪機を用いて2分間左右に振とうを行い、塗工面を磨耗した後、透湿度をJIS0208に準じて測定した。
【0071】
2 ;摩擦係数
摩擦係数試験法 JIS−P8147 ( 水平法)に準じて測定した。
【0072】
3 ;離解性
家庭用ミキサ−ポット中に535mlの温水40℃に25%水酸化ナトリウム0.8ml加え、3cm角にカットした塗工紙1gを入れ、3分間離解を行い、樹脂と紙の離解性を目視で判定する。
【0073】
○: 離解性あり、 △: 離解性一部なし、 ×: 理解性なし
4 ;ブロッキング性
小型プレス機のプレス温度40℃に塗工紙10×10cmの塗工面と黒画用紙を合わせ、プレス圧10kg/cm2にて15分間プレスを行い、黒画用紙塗工面に転写した状態を目視で判定する。
【0074】
○:ブロッキングなし、 △:ブロッキングややあり、×:ブロッキングあり
【0075】
【表1】
Figure 0003700037
Figure 0003700037
【0076】
【表2】
Figure 0003700037
【0077】
【表3】
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【0078】
【表4】
Figure 0003700037
【0079】
【発明の効果】
本発明の防湿加工用組成物を用いてなる塗工紙は、従来のポリマ−を用いた防湿塗工紙に比べて防湿性能に優れているとともに摩耗後ワックスの脱落が少なく、防湿性能の低下が極めて少ない。また塗工紙の再パルプ化が容易である。更に、摩擦係数と耐ブロキング性においても極めて優れており防湿加工紙として大変有用である。

Claims (8)

  1. パラフィンワックス(A)とマレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化合物及び該エステル化合物の水添化物(a)及び/又はテルペンフェノール及び石油樹脂の水添化物(b)(B)とを含有してなる防湿加工用組成物。
  2. パラフィンワックス(A)の融点が、50〜80℃であることを特徴とする請求項1記載の組成物。
  3. マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物の軟化点が、100〜150℃で、かつ酸価が100以下であることを特徴とする請求項1又は2記載の組成物。
  4. マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物の水添化物の軟化点が、70℃以上で、かつ酸価が100以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. テルペンフェノールの軟化点が、100〜150℃で、かつ数平均分子量が550〜1100であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の組成物。
  6. パラフィンワックス(A)が、3〜95重量部%であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載物の組成物。
  7. マレイン化もしくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエステル化物及び該エステル化合物の水添化物(a)及び/又はテルペンフェノ−ル及び石油樹脂の水添化物(b)(B)が、5〜97重量%であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の組成物。
  8. 請求項1記載の組成物と合成ゴムラテックス又は合成樹脂エマルジョンとを、固形分換算で重量比100:10〜200の割合で配合してなる防湿加工用樹脂組成物。
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