JPH11293119A - 水性の樹脂分散体組成物 - Google Patents
水性の樹脂分散体組成物Info
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- JPH11293119A JPH11293119A JP9784398A JP9784398A JPH11293119A JP H11293119 A JPH11293119 A JP H11293119A JP 9784398 A JP9784398 A JP 9784398A JP 9784398 A JP9784398 A JP 9784398A JP H11293119 A JPH11293119 A JP H11293119A
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- JP
- Japan
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- emulsion
- parts
- composition
- glass transition
- resin dispersion
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- Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)
- Paper (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 PVC素材に匹敵する優れた難燃性と、耐久
性、意匠性、経済性を兼ね備え、焼却時に有害なガスの
発生が無く、0〜5℃でも柔軟性に富み、かつベタツキ
感の極めて少ない壁装材が得られる水性樹脂分散体組成
物を提供する。 【解決手段】 平均ガラス転移温度が−40〜30℃で
あるエマルション100重量部に対し多価金属イオン
0.1〜10ミリモルを配合した配合物100重量部
と、無機充填材100〜500重量部とを含有する水性
樹脂分散体組成物。
性、意匠性、経済性を兼ね備え、焼却時に有害なガスの
発生が無く、0〜5℃でも柔軟性に富み、かつベタツキ
感の極めて少ない壁装材が得られる水性樹脂分散体組成
物を提供する。 【解決手段】 平均ガラス転移温度が−40〜30℃で
あるエマルション100重量部に対し多価金属イオン
0.1〜10ミリモルを配合した配合物100重量部
と、無機充填材100〜500重量部とを含有する水性
樹脂分散体組成物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、壁装材、具体的に
は襖紙、カーペット、壁紙、床材等の内装材や、テーブ
ルクロス等を作製する材料として使用できる水性の樹脂
分散体組成物に関し、特に、従来塩化ビニル樹脂(以下
PVCという。)を用いて作製されている壁装材を代替
できる水性の樹脂分散体組成物に関する。
は襖紙、カーペット、壁紙、床材等の内装材や、テーブ
ルクロス等を作製する材料として使用できる水性の樹脂
分散体組成物に関し、特に、従来塩化ビニル樹脂(以下
PVCという。)を用いて作製されている壁装材を代替
できる水性の樹脂分散体組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】PVCは、可塑剤等により柔軟性を自由
にコントロールでき、物性的にも比較的優れた性質を有
するため、軟質材料としてチューブ、シートの他、装飾
材分野にも広く用いられている。例えばPVC系装飾材
の例として、基材にPVCペーストを塗付し、乾燥後プ
リントもしくはパターン印刷を施した後、加熱エンボス
工程を経て表面に凹凸模様をつけた壁紙、化粧シート等
の壁装材がある。これらの加工面に加えPVCの持つ柔
軟性とあいまってさまざまな外観および質感をもたせて
市場の要求に応えている。
にコントロールでき、物性的にも比較的優れた性質を有
するため、軟質材料としてチューブ、シートの他、装飾
材分野にも広く用いられている。例えばPVC系装飾材
の例として、基材にPVCペーストを塗付し、乾燥後プ
リントもしくはパターン印刷を施した後、加熱エンボス
工程を経て表面に凹凸模様をつけた壁紙、化粧シート等
の壁装材がある。これらの加工面に加えPVCの持つ柔
軟性とあいまってさまざまな外観および質感をもたせて
市場の要求に応えている。
【0003】しかし、PVCを含有する重合体を用いた
装飾材は、火災時や焼却処理時に条件によっては有害な
PVCに起因する塩化水素やダイオキシン等の有害物が
発生することがあるため、焼却処分することが好ましく
ないことがあり、ゴミ処理および環境上極めて大きな問
題となっている。こうした種々の問題を根本的に解決す
るためには、PVCに代りうるより高性能な樹脂の開発
が必要となっている。
装飾材は、火災時や焼却処理時に条件によっては有害な
PVCに起因する塩化水素やダイオキシン等の有害物が
発生することがあるため、焼却処分することが好ましく
ないことがあり、ゴミ処理および環境上極めて大きな問
題となっている。こうした種々の問題を根本的に解決す
るためには、PVCに代りうるより高性能な樹脂の開発
が必要となっている。
【0004】これに対して、アクリル系樹脂、エチレン
−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂をバインダーとする被覆組成物、およびこ
れら樹脂をバインダーとする組成物が開示されている。
例えば特開平7−179788号公報にはTgが−20
℃から60℃の分子量20,000〜500,000の
重量平均分子量を有するコポリマーを含むポリマーバイ
ンダーを含む発泡性被覆組成物が開示され、特開平7−
188502号公報にはTgが−25℃以上15℃以下
であり、トルエン不溶分が30重量%以上である発泡シ
ート用エチレン−ビニルエステル系共重合体エマルジョ
ン組成物が開示され、特開平7−242789号公報に
はTgが−20℃以下の内層と、Tgが10℃以上80
℃以下である外層よりなるアクリル樹脂体と無機微粒子
からなるアクリル系無機有機複合体が開示され、特開平
7−238126には低Tg架橋弾性体ラテックスに高
Tg成分を重合させたアクリル樹脂複合体が開示され、
また、特開平9−104798号公報には、Tgが−4
5℃から−15℃であり、70重量%のゲル分率のアク
リル系共重合体水性エマルションを含む壁装飾用熱膨張
性被覆組成物等が開示されている。
−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル−アクリル系樹脂、ウ
レタン系樹脂をバインダーとする被覆組成物、およびこ
れら樹脂をバインダーとする組成物が開示されている。
例えば特開平7−179788号公報にはTgが−20
℃から60℃の分子量20,000〜500,000の
重量平均分子量を有するコポリマーを含むポリマーバイ
ンダーを含む発泡性被覆組成物が開示され、特開平7−
188502号公報にはTgが−25℃以上15℃以下
であり、トルエン不溶分が30重量%以上である発泡シ
ート用エチレン−ビニルエステル系共重合体エマルジョ
ン組成物が開示され、特開平7−242789号公報に
はTgが−20℃以下の内層と、Tgが10℃以上80
℃以下である外層よりなるアクリル樹脂体と無機微粒子
からなるアクリル系無機有機複合体が開示され、特開平
7−238126には低Tg架橋弾性体ラテックスに高
Tg成分を重合させたアクリル樹脂複合体が開示され、
また、特開平9−104798号公報には、Tgが−4
5℃から−15℃であり、70重量%のゲル分率のアク
リル系共重合体水性エマルションを含む壁装飾用熱膨張
性被覆組成物等が開示されている。
【0005】しかし、これらの組成物は、従来のPVC
系素材に比較し、室温における柔軟性・屈曲性に乏しく
後加工も困難なものである。その主たる原因は、表面性
等に優れる硬質な性質と柔軟性に優れる軟質な性質とを
合せ持たせることが極めて困難なことが挙げられる。す
なわち柔軟性を向上させようとすると粘・接着性に起因
するベタツキ感が増し、このベタツキ感を低減させよう
とすると結果的に硬質なものとなってしまうのである。
特に室温ばかりではなく0〜5℃での低温においても柔
軟性に富みしかもベタツキ感の極めて少ない軟質材を得
ることは困難であった。
系素材に比較し、室温における柔軟性・屈曲性に乏しく
後加工も困難なものである。その主たる原因は、表面性
等に優れる硬質な性質と柔軟性に優れる軟質な性質とを
合せ持たせることが極めて困難なことが挙げられる。す
なわち柔軟性を向上させようとすると粘・接着性に起因
するベタツキ感が増し、このベタツキ感を低減させよう
とすると結果的に硬質なものとなってしまうのである。
特に室温ばかりではなく0〜5℃での低温においても柔
軟性に富みしかもベタツキ感の極めて少ない軟質材を得
ることは困難であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のPV
C素材に匹敵する優れた難燃性と、耐久性、意匠性、経
済性を兼ね備えた水性樹脂分散体組成物であって、焼却
時に有害なガスの発生が無く、しかも室温ばかりではな
く0〜5℃での低温においても柔軟性に富み、かつベタ
ツキ感の極めて少ない軟質材を得ることができる水性の
樹脂分散体組成物を提供することを課題とする。
C素材に匹敵する優れた難燃性と、耐久性、意匠性、経
済性を兼ね備えた水性樹脂分散体組成物であって、焼却
時に有害なガスの発生が無く、しかも室温ばかりではな
く0〜5℃での低温においても柔軟性に富み、かつベタ
ツキ感の極めて少ない軟質材を得ることができる水性の
樹脂分散体組成物を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を有す
る組成物を使用することにより上記課題を解決できるこ
とを見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明は、
平均ガラス転移温度が−40〜30℃であるエマルショ
ン100重量部(固形分換算)に対し、多価金属イオン
0.1〜10ミリモルを混合した配合物(固形分換算)
と、無機充填剤100〜500重量部を含有する水性の
樹脂分散体組成物であり、また、該エマルションが、−
50〜10℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg
1 )を有し、また−20〜40℃に少なくとも一つのガ
ラス転移温度(Tg2 )を有し、かつTg1 <Tg2 で
あるニ層構造エマルションである前記の水性の樹脂分散
体組成物である。または、壁装材作製用材料である上記
のいずれかの水性樹脂分散体組成物である。
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、特定の構成を有す
る組成物を使用することにより上記課題を解決できるこ
とを見いだし本発明に到達した。すなわち、本発明は、
平均ガラス転移温度が−40〜30℃であるエマルショ
ン100重量部(固形分換算)に対し、多価金属イオン
0.1〜10ミリモルを混合した配合物(固形分換算)
と、無機充填剤100〜500重量部を含有する水性の
樹脂分散体組成物であり、また、該エマルションが、−
50〜10℃に少なくとも一つのガラス転移温度(Tg
1 )を有し、また−20〜40℃に少なくとも一つのガ
ラス転移温度(Tg2 )を有し、かつTg1 <Tg2 で
あるニ層構造エマルションである前記の水性の樹脂分散
体組成物である。または、壁装材作製用材料である上記
のいずれかの水性樹脂分散体組成物である。
【0008】以下に本発明を詳細に説明する。本発明の
組成物では、特定のエマルション、多価金属イオンおよ
び無機充填材を各特定量使用する。本発明の組成物で使
用するエマルションは水性の樹脂分散体であって、その
樹脂の平均ガラス転移温度は−40〜30℃である。平
均ガラス転移温度が−40℃以上で組成物乾燥後のベタ
ツキ、耐ブロッキング性、表面強度に優れ、一方、30
℃以下で柔軟性や無機充填剤に対する接着力に優れる。
好ましくは−30℃〜20℃の範囲である。ここにいう
平均ガラス転移温度とは、共重合体組成より下記式
(1)で計算されるものをいい、エマルション粒子の組
成が粒子内で均一であるとないとにかかわらず、エマル
ション粒子全体のモノマー組成を平均化して計算したも
のである。
組成物では、特定のエマルション、多価金属イオンおよ
び無機充填材を各特定量使用する。本発明の組成物で使
用するエマルションは水性の樹脂分散体であって、その
樹脂の平均ガラス転移温度は−40〜30℃である。平
均ガラス転移温度が−40℃以上で組成物乾燥後のベタ
ツキ、耐ブロッキング性、表面強度に優れ、一方、30
℃以下で柔軟性や無機充填剤に対する接着力に優れる。
好ましくは−30℃〜20℃の範囲である。ここにいう
平均ガラス転移温度とは、共重合体組成より下記式
(1)で計算されるものをいい、エマルション粒子の組
成が粒子内で均一であるとないとにかかわらず、エマル
ション粒子全体のモノマー組成を平均化して計算したも
のである。
【0009】
【化1】
【0010】(ここで、Tgは共重合体のガラス転移温
度を意味し(単位:K(ケルビン)で表す。以下同
じ。)、Mi はi番目のラジカル重合性モノマーの重量
分率を意味する。また、Tgi はi番目のラジカル重合
性モノマーから誘導されるホモポリマーのガラス転移温
度を意味する。nは使用するラジカル重合性モノマーの
種類の数を意味する。) なお、平均ガラス転移温度は、エマルションの重合後
は、成分分析により上記(1)式から計算しても良い
し、示差走査熱量測定法により測定しても良い。示差走
査熱量測定法を用いる場合は、共重合体ラテックスを1
05℃で2時間で乾燥を行ってフィルムを作製し、示差
走査熱量計を用いて10℃/分の昇温速度で測定すれば
よい。
度を意味し(単位:K(ケルビン)で表す。以下同
じ。)、Mi はi番目のラジカル重合性モノマーの重量
分率を意味する。また、Tgi はi番目のラジカル重合
性モノマーから誘導されるホモポリマーのガラス転移温
度を意味する。nは使用するラジカル重合性モノマーの
種類の数を意味する。) なお、平均ガラス転移温度は、エマルションの重合後
は、成分分析により上記(1)式から計算しても良い
し、示差走査熱量測定法により測定しても良い。示差走
査熱量測定法を用いる場合は、共重合体ラテックスを1
05℃で2時間で乾燥を行ってフィルムを作製し、示差
走査熱量計を用いて10℃/分の昇温速度で測定すれば
よい。
【0011】本発明の組成物で使用するエマルションと
しては、アクリル系、SB系、酢ビ系、EVA系などが
挙げられる。好ましくは耐候性からアクリル系である。
また、本発明の組成物に使用できるエマルションとして
は、上記の条件の他、ガラス転移温度の異なる少なくと
も二層の複層構造を有するコアシェル型エマルションで
あって、そのガラス転移温度(Tg1 )の一つが−50
〜20℃の範囲内にあり、他のガラス転移温度(T
g2 )が−20〜40℃の範囲内にあり、かつTg1 <
Tg2 である複層構造を有するエマルションを使用する
ことが好ましい。さらには、Tg1 をコア部のガラス転
移温度とし、Tg2 をシェル層のガラス転移温度とする
ことにより、さらに良好な結果が得られる。Tg1 が−
50〜20℃で柔軟性が発揮され、Tg2 が−20〜4
0℃で耐ブロッキング性が優れる結果が得られる。
しては、アクリル系、SB系、酢ビ系、EVA系などが
挙げられる。好ましくは耐候性からアクリル系である。
また、本発明の組成物に使用できるエマルションとして
は、上記の条件の他、ガラス転移温度の異なる少なくと
も二層の複層構造を有するコアシェル型エマルションで
あって、そのガラス転移温度(Tg1 )の一つが−50
〜20℃の範囲内にあり、他のガラス転移温度(T
g2 )が−20〜40℃の範囲内にあり、かつTg1 <
Tg2 である複層構造を有するエマルションを使用する
ことが好ましい。さらには、Tg1 をコア部のガラス転
移温度とし、Tg2 をシェル層のガラス転移温度とする
ことにより、さらに良好な結果が得られる。Tg1 が−
50〜20℃で柔軟性が発揮され、Tg2 が−20〜4
0℃で耐ブロッキング性が優れる結果が得られる。
【0012】なお、ここにいうガラス転移温度は、エマ
ルション粒子のうち、組成が異なる部分ごとに上記式
(1)を用いて計算したものをいう。エマルションの重
合後は、成分分析により上記(1)式から計算しても良
いし、示差走査熱量測定法により測定しても良い。な
お、Tg2 とTg1 の差は、10℃以上あることが好ま
しい。
ルション粒子のうち、組成が異なる部分ごとに上記式
(1)を用いて計算したものをいう。エマルションの重
合後は、成分分析により上記(1)式から計算しても良
いし、示差走査熱量測定法により測定しても良い。な
お、Tg2 とTg1 の差は、10℃以上あることが好ま
しい。
【0013】また、コア層とシェル層の重量比は1/9
〜9/1であることが好ましく、特に、5/5〜9/1
であることが好ましい。本発明で用いるエマルションの
固形分は、約30〜65重量%、好ましくは40〜60
%である。本発明で用いるエマルションの粒子径は特に
制限はないが50〜500nmが好ましい。更に好まし
くは80〜300nmである。
〜9/1であることが好ましく、特に、5/5〜9/1
であることが好ましい。本発明で用いるエマルションの
固形分は、約30〜65重量%、好ましくは40〜60
%である。本発明で用いるエマルションの粒子径は特に
制限はないが50〜500nmが好ましい。更に好まし
くは80〜300nmである。
【0014】本発明で用いるエマルションは水性媒体中
における乳化重合法によって得られるものであることが
好ましい。乳化重合は、ラジカル重合性モノマーの混合
物を少なくとも水、界面活性剤、重合開始剤の存在下で
重合する通常の方法で行えばよい。エマルションがコア
−シェル構造を有する場合は、例えば次のようにして得
ることができる。まず、コア層のモノマー混合物を乳化
重合し、引き続きシェル層のモノマー混合物を乳化重合
する。逆に初期にシェル層を重合し、次いでコア層の重
合を行う相転換法を用いても良い。
における乳化重合法によって得られるものであることが
好ましい。乳化重合は、ラジカル重合性モノマーの混合
物を少なくとも水、界面活性剤、重合開始剤の存在下で
重合する通常の方法で行えばよい。エマルションがコア
−シェル構造を有する場合は、例えば次のようにして得
ることができる。まず、コア層のモノマー混合物を乳化
重合し、引き続きシェル層のモノマー混合物を乳化重合
する。逆に初期にシェル層を重合し、次いでコア層の重
合を行う相転換法を用いても良い。
【0015】重合では、コア層のTgが−50〜20℃
になるように組成を設定し、同様にシェル層のTgが−
20℃〜40℃で、かつTg1 <Tg2 になるように設
定する。本発明で用いる上記エマルションは、好ましく
はカルボキシル基を含有するラジカル重合性モノマー、
およびその他ラジカル重合性モノマーを重合してなる。
その場合用いられるカルボキシル基含有ラジカル重合性
モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸及
びフマル酸から選ばれた一種又は二種以上を用いること
ができる。カルボキシル基含有重合性モノマーの量とし
ては全ラジカル重合性モノマーに対し0.1〜20重量
%が好ましい。なお、コア−シェル構造を有する場合
は、シェル部にカルボキシル基が比較的多く配位するこ
とが好ましい。
になるように組成を設定し、同様にシェル層のTgが−
20℃〜40℃で、かつTg1 <Tg2 になるように設
定する。本発明で用いる上記エマルションは、好ましく
はカルボキシル基を含有するラジカル重合性モノマー、
およびその他ラジカル重合性モノマーを重合してなる。
その場合用いられるカルボキシル基含有ラジカル重合性
モノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸及
びフマル酸から選ばれた一種又は二種以上を用いること
ができる。カルボキシル基含有重合性モノマーの量とし
ては全ラジカル重合性モノマーに対し0.1〜20重量
%が好ましい。なお、コア−シェル構造を有する場合
は、シェル部にカルボキシル基が比較的多く配位するこ
とが好ましい。
【0016】エマルションの重合に用いることができる
その他ラジカル重合性モノマーとしては、例えばα,β
−不飽和モノカルボン酸アルキルエステル、芳香族不飽
和化合物等を挙げることができる。α,β−不飽和モノ
カルボン酸のアルキルエステルとしては、例えばアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられ
る。アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル
としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリ
レートなどが挙げられる。
その他ラジカル重合性モノマーとしては、例えばα,β
−不飽和モノカルボン酸アルキルエステル、芳香族不飽
和化合物等を挙げることができる。α,β−不飽和モノ
カルボン酸のアルキルエステルとしては、例えばアクリ
ル酸またはメタクリル酸のアルキルエステルが挙げられ
る。アクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル
としては、例えばメチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレー
ト、ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、ヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2
−エチルヘキシルアクリレート、ラウリルアクリレー
ト、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プ
ロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、ブ
チルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヘキ
シルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリ
レートなどが挙げられる。
【0017】芳香族不飽和化合物としては、例えばスチ
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げ
られる。その他のラジカル重合性モノマーとしては、さ
らに以下に例示するものを必要に応じて組み合わせても
よい。例えば、アミド基含有モノマー、例えばアクリル
アミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアク
リルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸
アミド、マレイミド、メチロール基含有モノマー、例え
ばN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタ
クリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロ
ールメタクリルアミド、アルコキシメチル基含有モノマ
ー、例えばN−メトキシメチルアクリルアミド、N−メ
トキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、
エポキシ基含有モノマー、例えばグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジ
ルメタクリレート、多官能性モノマー、例えばジビニル
ベンゼン、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオ
キシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレン
ジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレー
ト、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、α,β−エチレン性不
飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルモノマー、例
えばマレイン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノまた
はジオクチル、ビニルエステルモノマー例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、オレフィン類、例えばブタジ
エン、イソプレン、塩素含有ビニルモノマー、例えば塩
化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなどを挙げる
ことができる。
レン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどが挙げ
られる。その他のラジカル重合性モノマーとしては、さ
らに以下に例示するものを必要に応じて組み合わせても
よい。例えば、アミド基含有モノマー、例えばアクリル
アミド、メタクリルアミド、N,N−メチレンビスアク
リルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、マレイン酸
アミド、マレイミド、メチロール基含有モノマー、例え
ばN−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタ
クリルアミド、ジメチロールアクリルアミド、ジメチロ
ールメタクリルアミド、アルコキシメチル基含有モノマ
ー、例えばN−メトキシメチルアクリルアミド、N−メ
トキシメチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルア
クリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミド、
エポキシ基含有モノマー、例えばグリシジルアクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエー
テル、メチルグリシジルアクリレート、メチルグリシジ
ルメタクリレート、多官能性モノマー、例えばジビニル
ベンゼン、ポリオキシエチレンジアクリレート、ポリオ
キシエチレンジメタクリレート、ポリオキシプロピレン
ジアクリレート、ポリオキシプロピレンジメタクリレー
ト、ブタンジオールジアクリレート、ブタンジオールジ
メタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリス
リトールテトラメタクリレート、α,β−エチレン性不
飽和ジカルボン酸のモノまたはジエステルモノマー、例
えばマレイン酸モノまたはジブチル、フマル酸モノまた
はジオクチル、ビニルエステルモノマー例えば酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、オレフィン類、例えばブタジ
エン、イソプレン、塩素含有ビニルモノマー、例えば塩
化ビニル、塩化ビニリデン、クロロプレンなどを挙げる
ことができる。
【0018】上記のその他のラジカル重合性モノマーは
1種でも2種以上の混合物であってもよい。その他のラ
ジカル重合性モノマーとしては、α,β−不飽和モノカ
ルボン酸のアルキルエステルが好ましく、さらに好まし
くは、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートが
挙げられる。
1種でも2種以上の混合物であってもよい。その他のラ
ジカル重合性モノマーとしては、α,β−不飽和モノカ
ルボン酸のアルキルエステルが好ましく、さらに好まし
くは、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−
エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレートが
挙げられる。
【0019】その他のラジカル重合性モノマーの使用量
としては、全ラジカル重合性モノマーに対し、80〜9
9.9重量%が好ましい。エマルションの乳化重合で使
用する界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、
両性、非イオン性の界面活性剤が特に制限なく使用で
き、また反応性でも非反応性であっても良い。
としては、全ラジカル重合性モノマーに対し、80〜9
9.9重量%が好ましい。エマルションの乳化重合で使
用する界面活性剤としては、アニオン性、カチオン性、
両性、非イオン性の界面活性剤が特に制限なく使用で
き、また反応性でも非反応性であっても良い。
【0020】アニオン性界面活性剤としては、例えば脂
肪酸、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の
硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの
硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性
脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホ
ン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合
ナフタリンスルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面
活性剤としては、例えば第一アミン塩、第二アミン塩、
第三アミン塩、第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等
が挙げられ、両性界面活性剤としては例えばカルボン酸
塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エス
テル塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等
が挙げられる。また、反応性界面活性剤として一分子中
にラジカル重合性の官能基を有しかつスルホン酸基、ス
ルホン酸エステル基、スルホン酸塩基、スルホン酸エス
テル塩基から選ばれる一個以上の官能基を有するもの、
または一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつポ
リオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレン複合タイプのアルキルエ
ーテルまたはアルコールを有するものである。これらの
界面活性剤は1種でも、また2種以上と組み合わせて使
用してもよい。
肪酸、高級アルコールの硫酸エステル塩、液体脂肪油の
硫酸エステル塩、脂肪族アミンおよび脂肪族アマイドの
硫酸塩、脂肪族アルコールのリン酸エステル、二塩基性
脂肪酸エステルのスルホン酸塩、脂肪族アミドのスルホ
ン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、ホルマリン縮合
ナフタリンスルホン酸塩等が挙げられ、カチオン性界面
活性剤としては、例えば第一アミン塩、第二アミン塩、
第三アミン塩、第四アンモニウム塩、ピリジニウム塩等
が挙げられ、両性界面活性剤としては例えばカルボン酸
塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エス
テル塩等が挙げられる。非イオン性界面活性剤として
は、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルエステル、ソルビタンアルキルエステ
ル、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル等
が挙げられる。また、反応性界面活性剤として一分子中
にラジカル重合性の官能基を有しかつスルホン酸基、ス
ルホン酸エステル基、スルホン酸塩基、スルホン酸エス
テル塩基から選ばれる一個以上の官能基を有するもの、
または一分子中にラジカル重合性の官能基を有しかつポ
リオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシ
エチレンポリオキシプロピレン複合タイプのアルキルエ
ーテルまたはアルコールを有するものである。これらの
界面活性剤は1種でも、また2種以上と組み合わせて使
用してもよい。
【0021】エマルションの乳化重合で使用する分散
剤、保護コロイド、水溶性高分子としては、例えばポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、スチレン−マレイン酸共
重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン
−メタクリル酸共重合体塩、水溶性アクリル酸エステル
共重合体塩、水溶性メタクリル酸エステル共重合体塩、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタ
クリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタ
クリルアミド共重合体等が挙げられる。
剤、保護コロイド、水溶性高分子としては、例えばポリ
リン酸塩、ポリアクリル酸塩、スチレン−マレイン酸共
重合体塩、スチレン−アクリル酸共重合体塩、スチレン
−メタクリル酸共重合体塩、水溶性アクリル酸エステル
共重合体塩、水溶性メタクリル酸エステル共重合体塩、
ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリメタ
クリルアミド、ポリアクリルアミド共重合体、ポリメタ
クリルアミド共重合体等が挙げられる。
【0022】重合開始剤としては、水溶性、油溶性の重
合開始剤が特に制限なく使用できる。水溶性の重合開始
剤としては、例えば過硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾ
ビス化合物、過酸化物−還元剤のレドックス系等が挙げ
られ、過硫酸塩としては例えば過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリム、等が挙げられ、過酸化
物としては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク
酸パーオキシドが挙げられ、水溶性アゾビス化合物とし
ては、例えば2,2’−アゾビス(N−ヒドロキシエチ
ルイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)2塩化水素、4,4’−アゾビス(4−
シアノペンタン酸)等が挙げられ、過酸化物−還元剤の
レドックス系としては、例えば先の過酸化物にナトリウ
ムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナ
トリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスル
フィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその
塩、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤の添加が挙げられ
る。また、油溶性の重合開始剤としては例えば過酸化
物、油溶性のアゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物と
しては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等が挙げら
れ、油溶性のアゾビス化合物としては、例えば2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
合開始剤が特に制限なく使用できる。水溶性の重合開始
剤としては、例えば過硫酸塩、過酸化物、水溶性のアゾ
ビス化合物、過酸化物−還元剤のレドックス系等が挙げ
られ、過硫酸塩としては例えば過硫酸アンモニウム、過
硫酸カリウム、過硫酸ナトリム、等が挙げられ、過酸化
物としては例えば過酸化水素、t−ブチルハイドロパー
オキサイド、t−ブチルパーオキシマレイン酸、コハク
酸パーオキシドが挙げられ、水溶性アゾビス化合物とし
ては、例えば2,2’−アゾビス(N−ヒドロキシエチ
ルイソブチルアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミ
ジノプロパン)2塩化水素、4,4’−アゾビス(4−
シアノペンタン酸)等が挙げられ、過酸化物−還元剤の
レドックス系としては、例えば先の過酸化物にナトリウ
ムスルホオキシレートホルムアルデヒド、亜硫酸水素ナ
トリウム、チオ硫酸ナトリウム、ヒドロキシメタンスル
フィン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸、およびその
塩、第一銅塩、第一鉄塩等の還元剤の添加が挙げられ
る。また、油溶性の重合開始剤としては例えば過酸化
物、油溶性のアゾビス化合物等が挙げられ、過酸化物と
しては、例えば過酸化ジブチル、過酸化ベンゾイル、過
酸化ラウロイル、クメンハイドロ過酸化物等が挙げら
れ、油溶性のアゾビス化合物としては、例えば2,2’
−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−
2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,
4−ジメチルバレロニトリル等が挙げられる。
【0023】本発明で用いるエマルションの重合では、
必要に応じてリン酸水素ナトリウムや炭酸水素ナトリウ
ム等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ド
デシルメルカプタンや低分子ハロゲン化合物等の分子量
調整剤、キレート化剤、可塑剤、有機溶剤等を乳化重合
の前・中・後に添加することができる。重合温度は例え
ば50〜100℃で特に30〜90℃の範囲が好まし
く、不活性雰囲気中、常圧下または必要に応じて加圧下
で行えばよい。
必要に応じてリン酸水素ナトリウムや炭酸水素ナトリウ
ム等のpH調整剤、t−ドデシルメルカプタン、n−ド
デシルメルカプタンや低分子ハロゲン化合物等の分子量
調整剤、キレート化剤、可塑剤、有機溶剤等を乳化重合
の前・中・後に添加することができる。重合温度は例え
ば50〜100℃で特に30〜90℃の範囲が好まし
く、不活性雰囲気中、常圧下または必要に応じて加圧下
で行えばよい。
【0024】エマルションには、必要に応じて、本発明
の効果を損ねない範囲で他のエマルションを添加しても
良く、例えばアクリル系エマルションを使用した場合
に、その他のエマルションとしてスチレン−ブタジエン
エマルション、ウレタンエマルション、クロロプレンエ
マルション、アクリロニトリル−ブタジエンエマルショ
ン等を混合使用しても良い。また、エマルションに殺菌
剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、p
H調整剤、界面活性剤、染料、着色顔料、各種カップリ
ング剤、ワックスエマルション等を添加しても良い。更
に必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ
樹脂、またはイソシアネート樹脂を添加しても良い。ま
た、必要に応じてアルキルフェノールホルマリン縮合物
のアルキレンオキシド付加物を添加し感熱ゲル化性を持
たせても良い。その場合、アルキルフェノールホルマリ
ン縮合物のアルキレンオキシド付加物の添加量は、エマ
ルションの固形分100重量部に対して0.1〜10重
量部であることが好ましい。
の効果を損ねない範囲で他のエマルションを添加しても
良く、例えばアクリル系エマルションを使用した場合
に、その他のエマルションとしてスチレン−ブタジエン
エマルション、ウレタンエマルション、クロロプレンエ
マルション、アクリロニトリル−ブタジエンエマルショ
ン等を混合使用しても良い。また、エマルションに殺菌
剤、防腐剤、消泡剤、可塑剤、流動調整剤、増粘剤、p
H調整剤、界面活性剤、染料、着色顔料、各種カップリ
ング剤、ワックスエマルション等を添加しても良い。更
に必要に応じて、本発明の効果を損ねない範囲で、メラ
ミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等のアミノ
樹脂、またはイソシアネート樹脂を添加しても良い。ま
た、必要に応じてアルキルフェノールホルマリン縮合物
のアルキレンオキシド付加物を添加し感熱ゲル化性を持
たせても良い。その場合、アルキルフェノールホルマリ
ン縮合物のアルキレンオキシド付加物の添加量は、エマ
ルションの固形分100重量部に対して0.1〜10重
量部であることが好ましい。
【0025】本発明の組成物では、エマルションに多価
金属イオンを添加混合することを要する。多価金属イオ
ンを使用することにより、壁装材の柔軟性を保持しつ
つ、ベタツキ感を減少せしめることができる。これはエ
マルション表面のカルボン酸が多価金属イオンにより架
橋することによる効果ではないかと考えられる。多価金
属イオンとしては、2〜5価の金属イオンであればよ
く、特に限定されないが、例えば亜鉛、鉄、ニッケル、
銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ア
ルミニウム、ジルコニウム、カドミウム、ニッケル、鉛
等が挙げられる。好ましくは、亜鉛、ジルコニウム、カ
ルシウムである。これらは、一種でも二種以上の混合物
で使用してもよい。
金属イオンを添加混合することを要する。多価金属イオ
ンを使用することにより、壁装材の柔軟性を保持しつ
つ、ベタツキ感を減少せしめることができる。これはエ
マルション表面のカルボン酸が多価金属イオンにより架
橋することによる効果ではないかと考えられる。多価金
属イオンとしては、2〜5価の金属イオンであればよ
く、特に限定されないが、例えば亜鉛、鉄、ニッケル、
銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ア
ルミニウム、ジルコニウム、カドミウム、ニッケル、鉛
等が挙げられる。好ましくは、亜鉛、ジルコニウム、カ
ルシウムである。これらは、一種でも二種以上の混合物
で使用してもよい。
【0026】多価金属イオンは、酸化物、水和物、塩、
錯体等いずれの形態で用いてもよいが、少なくとも水中
である程度乖離し、エマルション表面のカルボン酸とイ
オン結合することが必要であると考えられる。多価金属
イオンが塩の形態である場合、多価金属イオンと対とな
るイオンは有機系のイオンでも、無機系のイオンでも、
また両者を含んでいる形態であってもよいが、水にある
程度溶解して多価金属イオンを生成する物であることを
要する。多価金属イオンと対となるイオンが有機系イオ
ンの場合、多価金属イオンは、例えば、ギ酸塩、酢酸
塩、シュウ酸塩等の形態で利用される。多価金属イオン
と対となるイオンが無機系のイオンである場合、多価金
属イオンは、例えば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸
塩、炭酸塩等の形態で利用される。
錯体等いずれの形態で用いてもよいが、少なくとも水中
である程度乖離し、エマルション表面のカルボン酸とイ
オン結合することが必要であると考えられる。多価金属
イオンが塩の形態である場合、多価金属イオンと対とな
るイオンは有機系のイオンでも、無機系のイオンでも、
また両者を含んでいる形態であってもよいが、水にある
程度溶解して多価金属イオンを生成する物であることを
要する。多価金属イオンと対となるイオンが有機系イオ
ンの場合、多価金属イオンは、例えば、ギ酸塩、酢酸
塩、シュウ酸塩等の形態で利用される。多価金属イオン
と対となるイオンが無機系のイオンである場合、多価金
属イオンは、例えば、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、亜硝酸
塩、炭酸塩等の形態で利用される。
【0027】多価金属イオンが錯体の形態である場合、
例えば先に挙げた塩との組み合わせが挙げられ、具体的
にはアンモニウム錯体、アンミン錯体、多価カルボン酸
錯体等が挙げられる。例えば特開昭62−250078
号公報に記載されているような炭酸亜鉛アンモニア水溶
液、炭酸ジルコニウムアンモニア水溶液、酢酸亜鉛アン
モニア水溶液、アクリル酸亜鉛アンモニア水溶液、グリ
シン亜鉛アンモニア水溶液、リンゴ酸亜鉛アンモニア水
溶液等が挙げられる。
例えば先に挙げた塩との組み合わせが挙げられ、具体的
にはアンモニウム錯体、アンミン錯体、多価カルボン酸
錯体等が挙げられる。例えば特開昭62−250078
号公報に記載されているような炭酸亜鉛アンモニア水溶
液、炭酸ジルコニウムアンモニア水溶液、酢酸亜鉛アン
モニア水溶液、アクリル酸亜鉛アンモニア水溶液、グリ
シン亜鉛アンモニア水溶液、リンゴ酸亜鉛アンモニア水
溶液等が挙げられる。
【0028】多価金属イオンの使用量は、多価金属イオ
ンとエマルションとの配合比で規定することができる。
具体的には固形分で換算したエマルション100重量部
に対して、多価金属イオンが0.1〜10ミリモルであ
り、好ましくは0.5〜8ミリモルである。多価金属イ
オンが0.1ミリモル以上で耐ブロッキング性が発現
し、10ミリモル以下で柔軟性に富む結果が得られる。
ンとエマルションとの配合比で規定することができる。
具体的には固形分で換算したエマルション100重量部
に対して、多価金属イオンが0.1〜10ミリモルであ
り、好ましくは0.5〜8ミリモルである。多価金属イ
オンが0.1ミリモル以上で耐ブロッキング性が発現
し、10ミリモル以下で柔軟性に富む結果が得られる。
【0029】多価金属イオンを添加する際には、水溶
液、有機溶剤の溶液、乳化液、ペースト、粉体のスラリ
ー等の形態で添加することができる。多価金属イオンの
エマルションへの添加時期は、重合の前、重合中、重合
後のいずれでもよいが、好ましくは重合後である。多価
金属イオンを添加する際の系のpHは、エマルションが
安定なpHであれば良く特に限定されないが、pHがア
ルカリ側に偏りすぎると多価金属イオンが沈殿して、本
発明の効果を得られないことがある。また、酸性側に偏
りすぎるとエマルションの安定性を損なったり、エマル
ション表面のカルボン酸の乖離も弱くなる。そのため、
多価金属イオンの添加はpH3〜12で行うことが望ま
しい。
液、有機溶剤の溶液、乳化液、ペースト、粉体のスラリ
ー等の形態で添加することができる。多価金属イオンの
エマルションへの添加時期は、重合の前、重合中、重合
後のいずれでもよいが、好ましくは重合後である。多価
金属イオンを添加する際の系のpHは、エマルションが
安定なpHであれば良く特に限定されないが、pHがア
ルカリ側に偏りすぎると多価金属イオンが沈殿して、本
発明の効果を得られないことがある。また、酸性側に偏
りすぎるとエマルションの安定性を損なったり、エマル
ション表面のカルボン酸の乖離も弱くなる。そのため、
多価金属イオンの添加はpH3〜12で行うことが望ま
しい。
【0030】本発明の組成物に使用される無機充填材と
しては、水にほとんど溶解せずに分散する公知の無機充
填材の一種または二種以上を使用することができる。具
体的には、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜
鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ化合
物、二酸化チタン、三酸化アンチモン等が挙げられる。
無機充填材の使用量としては、エマルション100重量
部(固形分換算)に対し、100〜500重量部であ
る。100重量部以上で表面強度に優れ、500重量部
以下で柔軟性に優れる。好ましくはエマルション100
重量部(固形分換算)に対し、200〜400重量部で
ある。
しては、水にほとんど溶解せずに分散する公知の無機充
填材の一種または二種以上を使用することができる。具
体的には、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸
化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化チタン、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、塩基性炭酸亜
鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ化合
物、二酸化チタン、三酸化アンチモン等が挙げられる。
無機充填材の使用量としては、エマルション100重量
部(固形分換算)に対し、100〜500重量部であ
る。100重量部以上で表面強度に優れ、500重量部
以下で柔軟性に優れる。好ましくはエマルション100
重量部(固形分換算)に対し、200〜400重量部で
ある。
【0031】無機充填材を添加する際には、系のpHは
3〜12の範囲であることが好ましい。本発明の組成物
では、無機充填剤の分散安定性、基材への塗工性を良く
するために、増粘剤等を用いて組成物の粘度を調整する
ことが望ましい。本発明の組成物には、さらに発泡剤を
添加しても良い。発泡剤としては、ポリアクリロニトリ
ル系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、尿素系、ピ
ッチ系等のマイクロカプセル型の有機発泡剤系が好まし
く、特に定沸点炭化水素を内包したポリアクリロニトリ
ル系の膨張型マイクロカプセルが好ましい。発泡剤の配
合量は、エマルションの固形分100重量部に対して3
〜15重量部である。3重量部以上での場合は発泡倍
率、装飾材の意匠性に優れ、15重量部以下で、表面に
鮮明な柄模様が得られる。好ましくは5〜10重量部で
ある。
3〜12の範囲であることが好ましい。本発明の組成物
では、無機充填剤の分散安定性、基材への塗工性を良く
するために、増粘剤等を用いて組成物の粘度を調整する
ことが望ましい。本発明の組成物には、さらに発泡剤を
添加しても良い。発泡剤としては、ポリアクリロニトリ
ル系、フェノール樹脂系、エポキシ樹脂系、尿素系、ピ
ッチ系等のマイクロカプセル型の有機発泡剤系が好まし
く、特に定沸点炭化水素を内包したポリアクリロニトリ
ル系の膨張型マイクロカプセルが好ましい。発泡剤の配
合量は、エマルションの固形分100重量部に対して3
〜15重量部である。3重量部以上での場合は発泡倍
率、装飾材の意匠性に優れ、15重量部以下で、表面に
鮮明な柄模様が得られる。好ましくは5〜10重量部で
ある。
【0032】本発明の組成物を塗工する基材としては、
特に制限されず任意であるが、例えば紙、木質、フィル
ム等などが用いられる。本発明の組成物の塗布方法とし
ては、、ロールコーター、リバースロールコーター等の
コーティング方式、グラビア印刷、フレキソ印刷、スク
リーン印刷等が使用できる。必要に応じてエンボスロー
ルを通過させて模様を施すことも可能である。
特に制限されず任意であるが、例えば紙、木質、フィル
ム等などが用いられる。本発明の組成物の塗布方法とし
ては、、ロールコーター、リバースロールコーター等の
コーティング方式、グラビア印刷、フレキソ印刷、スク
リーン印刷等が使用できる。必要に応じてエンボスロー
ルを通過させて模様を施すことも可能である。
【0033】塗工層は一層でも良いし、発泡層、非発泡
層を重ねて意匠性をもたせる構成としても良い。組成物
を塗布した後の乾燥・発泡の条件としては、本発明の効
果を損ねない範囲で任意に選ぶことができる。例えば5
0〜100℃で1〜5分間乾燥させ、さらに120〜1
60℃で1〜3分加熱して発泡させるなどの条件を採用
すればよい。
層を重ねて意匠性をもたせる構成としても良い。組成物
を塗布した後の乾燥・発泡の条件としては、本発明の効
果を損ねない範囲で任意に選ぶことができる。例えば5
0〜100℃で1〜5分間乾燥させ、さらに120〜1
60℃で1〜3分加熱して発泡させるなどの条件を採用
すればよい。
【0034】本発明の組成物は壁装材を作製する材料と
して好適であり、具体的には、襖紙、カーペット、吹き
付け塗装用コンパウンド、化粧合板、化粧シート、壁
紙、床材、天井材等の室内装飾用の部材である内装材
や、テーブルクロス、デスクマット等を作製する材料と
して使用できる。特に壁紙作製用の材料として好適であ
る。
して好適であり、具体的には、襖紙、カーペット、吹き
付け塗装用コンパウンド、化粧合板、化粧シート、壁
紙、床材、天井材等の室内装飾用の部材である内装材
や、テーブルクロス、デスクマット等を作製する材料と
して使用できる。特に壁紙作製用の材料として好適であ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に、実施例及び比較例を用い
て本発明を説明する。なお、特に指定のないかぎり物質
量を表示する数値は重量基準である。本発明における各
種物性の評価方法は以下の通りである。 (a)耐ブロッキング性:試験片の塗布面を重ね合わせ
て、40℃、90%RH(相対湿度)の条件下、5kg
/cm2 の加重をかけて24時間放置した。その後、重
ね合わせた面を手で引き剥がし、以下の基準で判定し
た。
て本発明を説明する。なお、特に指定のないかぎり物質
量を表示する数値は重量基準である。本発明における各
種物性の評価方法は以下の通りである。 (a)耐ブロッキング性:試験片の塗布面を重ね合わせ
て、40℃、90%RH(相対湿度)の条件下、5kg
/cm2 の加重をかけて24時間放置した。その後、重
ね合わせた面を手で引き剥がし、以下の基準で判定し
た。
【0036】 ◎(引き剥がす際に抵抗が無い。) ○(引き剥がす際に若干の抵抗が有る。) ×(樹脂層が紙から剥がれまたは紙表面が破壊した。) (b)ベタツキ感:得られた試験片の触感により以下の
基準で評価した。
基準で評価した。
【0037】 ◎全くタックがない ○指で押してごくわずかタックがある ×指でふれてタックがある (c)耐引っかき性:試験片の塗布表面を親指の爪で引
っかいてのち外観を観察し、以下の基準で判定した。
っかいてのち外観を観察し、以下の基準で判定した。
【0038】 ◎(塗工面に傷が生じない。) ○(塗工面に傷が生じる。) ×(塗工層の一部が剥がれた。) (d)柔軟性:0℃の条件下で試験片を180度に折り
曲げたのち広げる操作を、繰り返して連続5回行い、
皺、亀裂などの欠陥が発生しないか否かを観察した。
曲げたのち広げる操作を、繰り返して連続5回行い、
皺、亀裂などの欠陥が発生しないか否かを観察した。
【0039】 ◎(欠陥が発生しなかった。) ×(いずれかの欠陥が発生した。) (e)発泡倍率:試験片の発砲前後の厚さを測定し、以
下の式から求めた。 発泡倍率=(発泡後の厚さ−基材の厚さ)/(発泡前の
厚さ−基材の厚さ)
下の式から求めた。 発泡倍率=(発泡後の厚さ−基材の厚さ)/(発泡前の
厚さ−基材の厚さ)
【0040】
【実施例1】攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を
取り付けた反応容器に、水350部を投入し、反応容器
中の温度を80℃に上げてから、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム[花王(株)社製、ペレックスOT−
P]の50%水溶液1.5部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル[花王(株)社製、エマルゲン9
50]の25%水溶液1部を投入し、反応容器中の温度
を80℃に上げてから、次にメタクリル酸メチル490
部、ブチルアクリレート255部、2−エチルヘキシル
アクリレート240部、メタクリル酸15部、水250
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル[花王
(株)社製、エマルゲン950]の25%水溶液10
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ソ
ーダ[花王(株)社製、レベノールWZ]の25%水溶
液10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液50部か
らなる混合液を、反応容器へ5時間かけて添加した。混
合液の添加中は反応容器内の温度を80℃に保ち、添加
が終了してから反応容器内の温度を85℃にして更に2
時間保つ。冷却後25%のアンモニアを加えてpHを8
に調整した後水を加え、固形分濃度が50%のエマルシ
ョンを得た。
取り付けた反応容器に、水350部を投入し、反応容器
中の温度を80℃に上げてから、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム[花王(株)社製、ペレックスOT−
P]の50%水溶液1.5部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル[花王(株)社製、エマルゲン9
50]の25%水溶液1部を投入し、反応容器中の温度
を80℃に上げてから、次にメタクリル酸メチル490
部、ブチルアクリレート255部、2−エチルヘキシル
アクリレート240部、メタクリル酸15部、水250
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル[花王
(株)社製、エマルゲン950]の25%水溶液10
部、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ソ
ーダ[花王(株)社製、レベノールWZ]の25%水溶
液10部、過硫酸アンモニウムの2%の水溶液50部か
らなる混合液を、反応容器へ5時間かけて添加した。混
合液の添加中は反応容器内の温度を80℃に保ち、添加
が終了してから反応容器内の温度を85℃にして更に2
時間保つ。冷却後25%のアンモニアを加えてpHを8
に調整した後水を加え、固形分濃度が50%のエマルシ
ョンを得た。
【0041】次に亜鉛換算で8%の炭酸亜鉛アンモニウ
ム水溶液16.7部を攪拌しながら添加して配合物を得
た。得られた配合物を用いて、表1に示す配合組成で水
性の樹脂分散体組成物を調整した。次に、バーコーター
を用いて紙基材にこの組成物を50g/m2 の厚みで塗
工し、90℃下で2分間乾燥後、得られた塗工紙の試験
片についてブロッキング性の評価を行い、その結果を表
2に示した。次に130℃で1分間加熱・発泡させ、得
られた塗工紙の試験片について各種物性の評価を行い、
それらの結果を表2に示した。
ム水溶液16.7部を攪拌しながら添加して配合物を得
た。得られた配合物を用いて、表1に示す配合組成で水
性の樹脂分散体組成物を調整した。次に、バーコーター
を用いて紙基材にこの組成物を50g/m2 の厚みで塗
工し、90℃下で2分間乾燥後、得られた塗工紙の試験
片についてブロッキング性の評価を行い、その結果を表
2に示した。次に130℃で1分間加熱・発泡させ、得
られた塗工紙の試験片について各種物性の評価を行い、
それらの結果を表2に示した。
【0042】
【実施例2〜3】エマルションの組成を表2に記載され
た組成にした以外は実施例1と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表2
に示す。
た組成にした以外は実施例1と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表2
に示す。
【0043】
【実施例4】攪拌機、還流冷却器、滴下槽及び温度計を
取り付けた反応容器に、水350部を投入し、反応容器
内の温度を80℃に上げてから、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム[花王(株)社製、ペレックスOT−
P]の50%水溶液1.5部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル[花王(株)社製、エマルゲン9
50]の25%水溶液1部を投入し、反応容器中の温度
を80℃に上げてから、メタクリル酸メチル100部、
ブチルアクリレート490部2−エチルヘキシルアクリ
レート100部、メタクリル酸10部、水175部、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル[花王(株)
社製、エマルゲン950]の25%水溶液7部、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ソーダ[花王
(株)社製、レベノールWZ]の25%水溶液7部、過
硫酸アンモニウムの2%の水溶液35部からなる混合液
(A)を、反応容器へ4時間かけて添加する。添加後3
0分間養生を行った後にメタクリル酸メチル180部、
ブチルアクリレート75部2−エチルヘキシルアクリレ
ート40部、メタクリル酸5部、水75部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル[花王(株)社製、エ
マルゲン950]の25%水溶液3部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸ソーダ[花王(株)社
製、レベノールWZ]の25%水溶液3部、過硫酸アン
モニウムの2%の水溶液15部からなる混合液(B)
を、反応容器へ1時間かけて添加する。各混合液中の添
加中及び養生中は反応容器中の温度を80℃に保ち、添
加が終了してから反応容器中の温度を85℃にして更に
2時間保つ。冷却後25%のアンモニアを加えてpHを
8に調整した後水を加え、固形分濃度が50%のエマル
ションを得た。
取り付けた反応容器に、水350部を投入し、反応容器
内の温度を80℃に上げてから、ジオクチルスルホコハ
ク酸ナトリウム[花王(株)社製、ペレックスOT−
P]の50%水溶液1.5部、ポリオキシエチレンノニ
ルフェノールエーテル[花王(株)社製、エマルゲン9
50]の25%水溶液1部を投入し、反応容器中の温度
を80℃に上げてから、メタクリル酸メチル100部、
ブチルアクリレート490部2−エチルヘキシルアクリ
レート100部、メタクリル酸10部、水175部、ポ
リオキシエチレンノニルフェニルエーテル[花王(株)
社製、エマルゲン950]の25%水溶液7部、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ソーダ[花王
(株)社製、レベノールWZ]の25%水溶液7部、過
硫酸アンモニウムの2%の水溶液35部からなる混合液
(A)を、反応容器へ4時間かけて添加する。添加後3
0分間養生を行った後にメタクリル酸メチル180部、
ブチルアクリレート75部2−エチルヘキシルアクリレ
ート40部、メタクリル酸5部、水75部、ポリオキシ
エチレンノニルフェニルエーテル[花王(株)社製、エ
マルゲン950]の25%水溶液3部、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル硫酸ソーダ[花王(株)社
製、レベノールWZ]の25%水溶液3部、過硫酸アン
モニウムの2%の水溶液15部からなる混合液(B)
を、反応容器へ1時間かけて添加する。各混合液中の添
加中及び養生中は反応容器中の温度を80℃に保ち、添
加が終了してから反応容器中の温度を85℃にして更に
2時間保つ。冷却後25%のアンモニアを加えてpHを
8に調整した後水を加え、固形分濃度が50%のエマル
ションを得た。
【0044】次に酸化亜鉛換算で8%の炭酸亜鉛アンモ
ニウム水溶液16.7部を攪拌しながら順次添加して、
配合物を得た。次に、実施例1と同様にして塗工紙の試
験片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表
2に示す。
ニウム水溶液16.7部を攪拌しながら順次添加して、
配合物を得た。次に、実施例1と同様にして塗工紙の試
験片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表
2に示す。
【0045】
【実施例5〜8】エマルションの組成を表2または表3
に記載された組成にした以外は実施例4と同様にして塗
工紙の試験片を得、各種物性の評価を行った。それらの
結果を表2および表3に示す。なお、エマルションの重
合において、ラジカル重合性モノマー以外の添加物はそ
れぞれコアシェル比に対応した量比で添加した。
に記載された組成にした以外は実施例4と同様にして塗
工紙の試験片を得、各種物性の評価を行った。それらの
結果を表2および表3に示す。なお、エマルションの重
合において、ラジカル重合性モノマー以外の添加物はそ
れぞれコアシェル比に対応した量比で添加した。
【0046】
【実施例9〜11】エマルションの組成を表3に記載さ
れた組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を
各4.2部、8.8部、66.8部に変更した以外は実
施例1と同様にして塗工紙の試験片を得、各種物性の評
価を行った。それらの結果を表3に示す。
れた組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を
各4.2部、8.8部、66.8部に変更した以外は実
施例1と同様にして塗工紙の試験片を得、各種物性の評
価を行った。それらの結果を表3に示す。
【0047】
【比較例1〜2】エマルションの組成を表4に記載され
た組成にした以外は実施例1と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表4
に示す。
た組成にした以外は実施例1と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表4
に示す。
【0048】
【比較例3〜4】エマルションの組成を表4に記載され
た組成にした以外は実施例4と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表4
に示す。なお、エマルションの重合において、ラジカル
重合性モノマー以外の添加物はそれぞれコアシェル比に
対応した量比で添加した。
た組成にした以外は実施例4と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表4
に示す。なお、エマルションの重合において、ラジカル
重合性モノマー以外の添加物はそれぞれコアシェル比に
対応した量比で添加した。
【0049】
【比較例5〜6】エマルションの組成を表4に記載され
た組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を各
0部、125部に変更した以外は実施例1と同様にして
塗工紙の試験片を得、各種物性の評価を行った。それら
の結果を表4に示す。
た組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を各
0部、125部に変更した以外は実施例1と同様にして
塗工紙の試験片を得、各種物性の評価を行った。それら
の結果を表4に示す。
【0050】
【実施例12】実施例1の亜鉛量と亜鉛換算で同量の酸
化亜鉛の50%水分散液を、実施例1で得たエマルショ
ンに配合して、実施例1と同様にして塗工紙の試験片を
得、ベタツキ性の評価を行った。その結果、ベタツキ性
は◎で良好であった。
化亜鉛の50%水分散液を、実施例1で得たエマルショ
ンに配合して、実施例1と同様にして塗工紙の試験片を
得、ベタツキ性の評価を行った。その結果、ベタツキ性
は◎で良好であった。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【発明の効果】本発明の水性の樹脂分散体組成物を使用
することにより、焼却時にも有害なガスの発生が無く、
従来のPVC素材に匹敵する優れた難燃性と耐候性、表
面光沢、柔軟性、フィルム成膜性、意匠性、経済性を兼
ね備え、しかも柔軟性に富んで、粘着性が低くベタツキ
感の極めて少ない壁装材を得ることができる。
することにより、焼却時にも有害なガスの発生が無く、
従来のPVC素材に匹敵する優れた難燃性と耐候性、表
面光沢、柔軟性、フィルム成膜性、意匠性、経済性を兼
ね備え、しかも柔軟性に富んで、粘着性が低くベタツキ
感の極めて少ない壁装材を得ることができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年4月27日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正内容】
【0045】
【実施例5〜6】エマルションの組成を表2に記載され
た組成にした以外は実施例4と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表2
に示す。なお、エマルションの重合において、ラジカル
重合性モノマー以外の添加物はそれぞれコアシェル比に
対応した量比で添加した。
た組成にした以外は実施例4と同様にして塗工紙の試験
片を得、各種物性の評価を行った。それらの結果を表2
に示す。なお、エマルションの重合において、ラジカル
重合性モノマー以外の添加物はそれぞれコアシェル比に
対応した量比で添加した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】
【実施例7〜9】エマルションの組成を表3に記載され
た組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を各
4.2部、8.8部、66.8部に変更した以外は実施
例1と同様にして塗工紙の試験片を得、各種物性の評価
を行った。それらの結果を表3に示す。
た組成にし、炭酸亜鉛アンモニウム水溶液の添加量を各
4.2部、8.8部、66.8部に変更した以外は実施
例1と同様にして塗工紙の試験片を得、各種物性の評価
を行った。それらの結果を表3に示す。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正内容】
【0050】
【実施例10】実施例1の亜鉛量と亜鉛換算で同量の酸
化亜鉛の50%水分散液を、実施例1で得たエマルショ
ンに配合して、実施例1と同様にして塗工紙の試験片を
得、ベタツキ性の評価を行った。その結果、ベタツキ性
は◎で良好であった。
化亜鉛の50%水分散液を、実施例1で得たエマルショ
ンに配合して、実施例1と同様にして塗工紙の試験片を
得、ベタツキ性の評価を行った。その結果、ベタツキ性
は◎で良好であった。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0052
【補正方法】変更
【補正内容】
【0052】
【表2】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0053
【補正方法】変更
【補正内容】
【0053】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 151/00 C09D 151/00 201/00 201/00 D06M 15/263 D06M 15/263 D21H 19/20 C08L 33/02 27/20 35/00 // C08L 33/02 D21H 1/34 E 35/00 5/00 A (C08K 13/02 3:00 5:09)
Claims (3)
- 【請求項1】 平均ガラス転移温度が−40〜30℃で
あるエマルション100重量部(固形分換算)に対し多
価金属イオン0.1〜10ミリモルを配合した配合物1
00重量部(固形分換算)と、無機充填材100〜50
0重量部とを含有する水性の樹脂分散体組成物。 - 【請求項2】 エマルションが−50〜10℃に少なく
とも一つのガラス転移温度(Tg1 )を有し、また−2
0〜40℃に少なくとも一つのガラス転移温度(T
g2 )を有し、かつTg1 <Tg2 である二重構造エマ
ルションである請求項1に記載の水性の樹脂分散体組成
物。 - 【請求項3】 組成物が壁装材用に用いられる請求項1
または2に記載の樹脂分散体組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9784398A JPH11293119A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 水性の樹脂分散体組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9784398A JPH11293119A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 水性の樹脂分散体組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11293119A true JPH11293119A (ja) | 1999-10-26 |
Family
ID=14203011
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9784398A Pending JPH11293119A (ja) | 1998-04-09 | 1998-04-09 | 水性の樹脂分散体組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11293119A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001139870A (ja) * | 1999-08-27 | 2001-05-22 | Shinto Fine Co Ltd | 被覆用組成物 |
JP2001277710A (ja) * | 2000-04-03 | 2001-10-10 | Asahi Kasei Corp | インクジェット記録用ラテックス及びバインダー組成物 |
JP2003166174A (ja) * | 2001-11-29 | 2003-06-13 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 強化繊維束、その繊維織物、同プリプレグ及び繊維強化プラスチック |
JP2010222746A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Konishi Co Ltd | 人工イグサ及び畳表の製造方法 |
JP2011038192A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Nippon A&L Inc | 繊維加工用組成物及び該組成物を用いてなる繊維加工製品 |
-
1998
- 1998-04-09 JP JP9784398A patent/JPH11293119A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001139870A (ja) * | 1999-08-27 | 2001-05-22 | Shinto Fine Co Ltd | 被覆用組成物 |
JP2001277710A (ja) * | 2000-04-03 | 2001-10-10 | Asahi Kasei Corp | インクジェット記録用ラテックス及びバインダー組成物 |
JP2003166174A (ja) * | 2001-11-29 | 2003-06-13 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 強化繊維束、その繊維織物、同プリプレグ及び繊維強化プラスチック |
JP2010222746A (ja) * | 2009-03-24 | 2010-10-07 | Konishi Co Ltd | 人工イグサ及び畳表の製造方法 |
JP2011038192A (ja) * | 2009-08-07 | 2011-02-24 | Nippon A&L Inc | 繊維加工用組成物及び該組成物を用いてなる繊維加工製品 |
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