JP2604595B2 - 塗料用共重合体水性分散体の製造法 - Google Patents

塗料用共重合体水性分散体の製造法

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JP2604595B2 JP15759687A JP15759687A JP2604595B2 JP 2604595 B2 JP2604595 B2 JP 2604595B2 JP 15759687 A JP15759687 A JP 15759687A JP 15759687 A JP15759687 A JP 15759687A JP 2604595 B2 JP2604595 B2 JP 2604595B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (a) 発明の目的 (産業上の利用分野) 本発明は強靭で弾性があり、延伸性に優れ、かつ耐ブ
ロッキング性及び耐汚染性に優れた塗膜を与える塗料用
の共重合体水性分散体の製造法に関する。
(従来の技術) 近年、構築物等の外装用塗料、殊に下地の亀裂に追随
することのできる弾性塗料の消費量が急増しているが、
この種の塗料は、大別して下地の亀裂に対する追随性を
重視したタイプのものと、塗膜の耐汚染性を重視したタ
イプのものに分類できる。
前者の塗料は、塗膜の延伸性を高めるために最低造膜
温度(ガラス転移点)の低い樹脂が使用されるので、夏
期には塗膜の耐ブロッキング性、耐汚染性が低下する欠
点があるし、後者の塗料は、耐ブロッキング性及び耐汚
染性を高めるために、最低造膜温度の比較的に高い樹脂
が使用されるので、塗膜の延伸性、特に定温延伸性に乏
しい欠点がある。
たとえば、特公昭60−38424号公報には、「(a)炭
素数4〜8のアルキル基をもつアクリル酸アルキルエス
テル50〜80重量%、(b)スチレン及び炭素数1〜4の
アルキル基をもつメタクリル酸アルキルエステル中の少
なくとも1種12〜40重量%、(c)アクリロニトリル3
〜20重量%及び(d)アクリル酸及びメタクリル酸の中
の少なくとも1種1〜7重量%からなり、かつ(b)成
分と(c)成分の重量比が1:1ないし4:1の範囲にある単
量体混合物を乳化重合させて得られる共重合体エマルジ
ョンに、その中の樹脂分100重量部当り、粉粒状、繊維
状又はりん片状の無機質充てん材40〜200重量部配合し
た弾性塗料組成物」が記載されている。この塗料組成物
は、塗膜の延伸性及び追随性に優れているが、耐ブロッ
キング性及び耐汚染性が充分なものといえない。
(発明が解決しようとする問題点) 本発明は亀裂等に対する追随性、すなわち延伸性に優
れ、しかも耐ブロッキング性及び耐汚染性にも優れた塗
膜を与えることのできる塗料用、特に弾性塗料用の共重
合体水性分散体を製造する方法を提供しようとするもの
である。
(b) 発明の構成 (問題点を解決するための手段) 本発明者等は、前記の問題点を解決するために種々研
究を重ねた結果、それぞれ特定の種類及び組成割合のビ
ニル系モノマー混合物を多段の乳化重合させ、しかもそ
の際に形成される共重合体粒子における殻共重合体の最
低造膜温度を核共重合体の最低造膜温度よりも高く設定
することによって、その目的を達成することができたの
である。
すなわち、本発明の塗料用共重合体水性分散体の製造
法は、 (A) アクリロニトリル及びメタクリロニトリルより
選ばれた少なくとも1種のモノマー 7.5〜30重量% (B) メタクリル酸メチル、メタクリル第三ブチル、
ビニル芳香族化合物及びハロゲン化ビニルより選ばれた
モノマーであって、かつ単独重合でガラス転移点が60℃
以上のホモポリマーを与えるモノマーの1種又は2種以
上 20〜60重量% (C) 炭素数1〜12の脂肪族飽和アルコールのアクリ
ル酸エステル、炭素数2〜12の脂肪族飽和アルコールの
メタクリル酸エステル、ビニルエステル類、1,3−ジエ
ン化合物類及び塩化ビニリデンより選ばれたモノマーで
あって、かつ単独重合でガラス転移点が60℃未満のホモ
ポリマーを与えるモノマーの1種又は2種以上30〜70重
量% (D) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、
不飽和カルボン酸アミド、並びに不飽和カルボン酸アミ
ドのN−アルキル及び/又はN−アルキロール誘導体よ
り選ばれた少なくとも1種のモノマー 0.5〜10重量% (E) 前記のモノマー(A)〜(D)以外のビニル系
モノマー 0〜20重量% よりなる核共重合体形成用モノマー混合物を乳化重合さ
せて核共重合体水性分散体を形成せしめ、次いでその得
られた核共重合体水性分散体に、 前記のモノマー(A) 7.5〜30重量% 前記のモノマー(B) 22〜62重量% 前記のモノマー(C) 28〜68重量% 前記のモノマー(D) 0.5〜10重量% 前記のモノマー(E) 0〜20重量% よりなる殻共重合体形成用モノマー混合物を加えて乳化
混合させて、前記の核共重合体粒子の表面に殻共重合体
を形成せしめ、かつその際に該殻共重合体の最低造膜温
度を該核共重合体の最低造膜温度より5℃以上高く設定
する方法である。
本発明において使用するモノマーについて説明する
と、前記のモノマー(A)は、アクリロニトリル及びメ
タクリロニトリルより選ばれた少なくとも1種のモノマ
ーであり、このモノマーはモノマー(B)とともに、硬
い重合体を与えるモノマー(「ハードモノマー」とい
う。)である。そして、モノマー(A)及びモノマー
(B)はともに、塗膜の硬度及び強度を高め、非粘着性
(したがって耐汚染性及び耐ブロッキング性)を向上さ
せる働きをする。本発明においてモノマー(A)とモノ
マー(B)とを併用する理由は、ハードモノマーとして
モノマー(B)だけを用いた場合には、塗膜が塗料配合
時に用いた造膜助剤等の影響を受けやすく、たとえば造
膜助剤等によって軟化を起し、粘着性をおびるようにな
るが、モノマー(B)にモノマー(A)を併用すること
によって、造膜助剤等によるかかる塗膜の非粘着性の低
下を防止できるからである。一般に、モノマー(A)
は、その割合が少ないと前記の効果が得られなくなる
し、その割合が多すぎると塗膜の弾性及び耐水性が低下
するようになる。そのために、モノマー(A)は、核共
重合体形成用モノマー混合物及び殻共重合体形成用モノ
マー混合物の場合とも、全モノマー量に対して7.5〜30
重量%、好ましくは10〜25重量%とする。
モノマー(B)は、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸第三ブチル、ビニル芳香族化合物(たとえばスチレ
ン、α−メチルスチレン等)及びハロゲン化ビニル(た
とえば塩化ビニル)より選ばれたモノマーであって、か
つ単独重合でガラス転移点(Tg)が60℃以上のホモポリ
マーを与えたモノマーである。そして、モノマー(B)
は、前述のとおりハードモノマーであり、塗膜の硬度及
び強靭性を高め、非粘着性を向上させる役目をする。モ
ノマー(B)の割合が少なすぎると塗膜の強靭性及び非
粘着性が低下するし、多すぎると塗膜の弾性及び延伸性
が低下するので、全モノマー量に対して、核共重合体用
のモノマー混合物の場合には20〜60重量%、好ましくは
25〜45重量%、殻共重合体用のモノマー混合物の場合に
は22〜62重量%、好ましくは30〜50重量%とする。
そして、一般に、モノマー(A)の割合を多くすれ
ば、モノマー(B)の割合を少なくするし、逆にモノマ
ー(A)の割合を少なくすれば、モノマー(B)の割合
を多くするようにすることになる。
モノマー(C)は、炭素数1〜12の脂肪族飽和アルコ
ールのアクリル酸エステル、炭素数2〜12の脂肪族飽和
アルコールのメタクリル酸エステル、ビニルエステル
類、1,3−ジエン化合物類及び塩化ビニリデンより選ば
れたモノマーであり、かつ単独重合でガラス転移点(T
g)が60℃未満のホモポリマーを与えるモノマーであ
る。その具体例としては、たとえばアクリル酸メチル、
アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル
酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸エ
チル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ブタジエン、
エチレン及び塩化ビニリデンなどがあげられる。このモ
ノマー(C)は、軟らかい重合体を与えるモノマー
(「ソフトモノマー」という。)であり、特に塗膜に可
撓性を与える作用に優れている。モノマー(C)の割合
が少なすぎると塗膜の可撓性が悪くなるし、多すぎると
塗膜の硬度及び強靭性が低下するので、モノマー(C)
は、全モノマーに対して、核共重合体用のモノマー混合
物の場合には30〜70重量%、好ましくは40〜60重量%、
殻共重合体用のモノマー混合物の場合には28〜68重量
%、好ましくは35〜55重量%使用する。
モノマー(D)は、不飽和カルボン酸、不飽和カルボ
ン酸無水物、不飽和カルボン酸アミド、並びに不飽和カ
ルボン酸アミドのN−アルキル及び/又はN−アルキロ
ール誘導体より選ばれた少なくとも1種のモノマーであ
る。その具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸、これ
ら各酸の無水物、アクリルアミド、メタクリルアミド等
の不飽和カルボン酸アミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミドなどがあげられ
る。モノマー(D)は塗膜の接着力を向上される働をす
る。このモノマー(D)の割合は、核共重合体用のモノ
マー混合物及び殻共重合体用のモノマー混合物の場合と
も、全モノマー量に対して0.5〜10重量%、好ましくは
1〜5重量%である。その割合が少なすぎると塗膜の接
着力が不充分になるし、多すぎると塗膜の耐水性が低下
する等の欠点が生ずる。
そして、モノマー(D)のうち、不飽和カルボン酸ア
ミドのN−アルキル及び/又はN−アルキロール誘導体
は、塗膜の接着力向上効果が多少劣るが、架橋性能を有
するので、塗膜の非粘着性向上効果に寄与するととも
に、造膜助剤や溶剤等による塗膜の軟化や非粘着性の低
下を防止する作用がある。そのために、モノマー(D)
として、不飽和カルボン酸(不飽和カルボン酸無水物を
含む)と不飽和カルボン酸のN−アルキル及び/又はN
−アルキロール誘導体とを併用するのが特に望ましい。
モノマー(E)は、必要に応じて用いることのできる
前記のモノマー(A)〜(D)以外のビニル系モノマー
である。その具体例としては、たとえばエチレングリコ
ールジメタクリレート、ブタンジオールジアクリレー
ト、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピ
ルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基を有するモ
ノマー、アクロレイン、ジアセトンアクリルアミド等の
カルボニル基を有するモノマー等があげられる。そし
て、モノマー(E)としてアクロレインやジアセトンア
クリルアミドのような分子中に少なくとも1個のアルド
基又はケト基を有するモノマーを用いた場合には、得ら
れる共重合体水性分散体にセバシン酸ジヒドラジドのよ
うな2個のヒドラジン残基を有するヒドラジン誘導体を
添加することができる。モノマー(E)の割合は、核共
重合体用のモノマー混合物及び殻共重合体用モノマー混
合物とも、全モノマー量に対して20重量%以下にとどめ
るべきである。
以上詳述した本発明の共重合体水性分散体の製造法に
おいて用いる核共重合体形成用モノマー混合物、及び殻
共重合体形成用モノマー混合中の各モノマー(A)〜
(E)の組成割合及び好ましい組成割合は、まとめて示
せば第1表のとおりである。
本発明の製造法における核共重合体形成用モノマー混
合物と、殻共重合体形成用モノマー混合物との使用量比
率は、核共重合体形成用モノマー混合物100重量部に対
して、殻共重合体形成用モノマー混合物が2〜250重量
%である。殻共重合体形成用モノマー混合物の使用比率
が少なすぎると、耐ブロッキング性及び耐汚染性向上効
果が実質上得られなくなるし、同比率が多くなりすぎる
と、延伸性(亀裂追随性)等が低下する、からである。
また、本発明の製造法における重要な要件は、生成共
重合体粒子の殻共重合体の最低造膜温度を、核共重合体
の最低造膜温度より5℃以上、好ましくは10℃以上高く
設定することである。
殻共重合体の最低造膜温度を核共重合体の最低造膜温
度よりも高く設定するには、前記の第1表からもわかる
ように、核共重合体形成用モノマー混合物組成と較べ
て、殻共重合体形成用モノマー混合物組成におけるモノ
マー(B)量を或る程度多くするとともに、モノマー
(C)量を或る程度少なくすることによって容易に行な
わせることができる。そして、本発明においては、この
ように殻共重合体の最低造膜温度を核共重合体の最低造
膜温度よりも高く設定することによって、塗膜の可撓性
や延伸性を損なうことなしに耐ブロッキング性や耐汚染
性を効果的に向上させることができるようになる。
本発明の製造法によって得られる共重合体水性分散体
の共重合体粒子は、その製法にもとづき核共重合体粒子
の表面が殻共重合体によって被覆された2層構造(又は
製法の如何によってはそれ以上の多層構造)を有するも
のとなる。そして、その場合の核共重合体の最低造膜温
度及び殻共重合体の最低造膜温度は、得られる共重合体
分散体の用途等に応じて適宜に選定されることになる
が、核共重合体の最低造膜温度は、通常、5〜30℃、好
ましくは10〜25℃の範囲内となるように選定され、殻共
重合体の最低造膜温度は、通常、10〜50℃、好ましくは
25〜50℃の範囲内となるように選定され、さらに共重合
体粒子全体としての造膜温度は、通常、5〜40℃、好ま
しくは10〜30℃の範囲内となるように選定される。そし
て、いずれの場合であっても、殻共重合体の最低造膜温
度を核共重合体の最低造膜温度より5℃以上、好ましく
は10℃以上高く設定することによって、塗膜の延伸性
(特に定温延伸性)をあまり損なわずに、耐ブロッキン
グ性や耐汚染性を効果的に高めることができるようにな
る。
本発明の乳化重合条件は、前記の本発明の特徴点以外
の条件については、通常の乳化重合条件を用いることが
できる。
たとえば、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化水素、ベンゾ
イルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化
物、アゾビスイソブチロニトリルなどの公知の開始剤が
いずれも用いることができ、特に水溶性開始剤及び水溶
性のレドックス型開始剤が好ましい。
乳化剤としては、たとえば高級アルコール硫酸エステ
ル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ポリオキシエチ
レンアルキルサルフェート塩、ポリオキシエチレンアル
キルフェノールエーテルサルフェート塩などの陰イオン
界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルフェノールエーテル、エチレ
ンオキサイゾドプロピレンオキサイドブロックコポリマ
ー、ソルビタン誘導体などの非イオン界面活性剤が好適
に使用される。
重合調節剤としては、たとえばt−ドデシルメルカプ
タン、n−オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカ
プタン、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸など
を用いることができる。
本発明の製造法における乳化重合には、核共重合体粒
子を形成せしめるための第1段乳化重合と、その形成さ
れた核共重合体粒子の表面に殻共重合体の被覆を形成せ
しめるための第2段乳化重合の少なくとも2段の多段乳
化重合法が用いられる。すなわち、まず、核共重合体形
成用モノマー混合物、乳化剤、重合開始剤及び分散媒の
水を用い、さらに必要に応じて重合調節剤等を用いて第
1段乳化重合を行なわせ、その重合反応が実質的に終了
したのち、さらに殻共重合体形成用モノマー混合物を添
加して第2段乳化重合をさせる。その際に、生成する共
重合体粒子を2層構造にするために、第2段乳化重合に
おいては、新たに乳化剤を全く添加しないか、或いは乳
化剤を添加するとしても新しい共重合体粒子が形成され
ない程度の少量にとどめて、第1段乳化重合において形
成させた共重合体粒子の表面において重合が実質的に進
行するようにする。
なお、本発明の共重合体水性分散体の製造法における
乳化重合は、必ずしも2段重合だけに限られるものでは
ない。必要に応じて、上記した第2段乳化重合に引続い
て、さらに組成の異なるモノマー混合物を加えて第3段
乳化重合、さらにはそれ以上の多段乳化重合を行なわせ
ることも可能であり、その場合に得られる共重合体粒子
は3層又はそれ以上の多層構造のものとなる。
本発明の製造法で得られる共重合体水性分散体は、特
に弾性塗料用に適するが、その弾性塗料の調整に際して
は、ペイント配合技術分野において一般的に知られてい
るような造膜助剤、可塑剤、顔料、炭酸カルシウム、タ
ルク、クレー、マイカ粉、バライトなどの体質顔料、ヘ
キサメタリン酸のような縮合リン酸のカリウム、ナトリ
ウム又はアンモニウム塩、ポリアクリル酸のナトリウム
又はアンモニウム塩、通常の陰イオン性又は非イオン性
界面活性剤、メチルセルロース、エチルセルロース、プ
ロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリ
ビニルアルコールなどの分散剤、増粘剤等を適宜に配合
することができる。
さらに、本発明の製造法で得られる共重合体水性分散
体は、弾性塗料以外の他の塗料、たとえばグロスペイン
ト、マスチックトップコート材、ソフトマスチックトッ
プコート材、ストレート材等の被覆材(塗料)としても
有用であり、その場合には耐溶剤性、耐久性及び耐黄変
性等に優れた塗膜を与えることができる。
(実施例等) 以下に、実施例及び比較例をあげてさらに詳述する。
これらの例において記載した「部」及び「%」は、特に
記載しない限り重量基準による。
実施例1 温度調節器、いかり型撹拌機、還流冷却機、供給容
器、温度計及び窒素導入管を備えた反応容器内に、下記
の原料を装入した。
水 200部 エチレンオキサイド20モルと反応させたp−ノニルフェ
ノールの硫酸半エステルナトリウム塩(アニオン性乳化
剤)の35%水溶液 5部 エチレンオキシド25モルと反応させたp−ノニルフェノ
ール(非イオン性乳化剤)の20%溶液 20部 次いで、反応容器内を窒素ガスで置換したのち、次に
示す供給物Iの10%を加え、混合物を90℃に加熱した。
供給物I 配合物名 量(対全モノマー%) 水 200部 前記アニオン性乳化剤の35%水 溶液 25部 スチレン 124部(31%) アクリル酸2−エチルヘキシル 184部(46%) アクリロニトリル 80部(20%) アクリル酸 8部(2%) アクリルアミド 4部(1%) さらに、85部の水に2.5部の過硫酸カリウムを溶解し
たもの(「供給物II」という)の10%を容器内に装入
後、供給物Iの残りの全量及び供給物IIの80%を3.5時
間かけて容器内に徐々に供給し、その供給終了後、2時
間、同温度に保って供給物I中のモノマーを重合させて
核共重合体を得た。
次に、この反応器内に、下記の供給物IIIを1時間か
けて供給し、さらに供給物IIの残り(10%)をも1時間
かけて供給し、ついで90℃で1.5時間反応させて重合を
完了し、反応容器を室温まで冷却して共重合体水性分散
体を得た。
供給物III 配合物名 量(対全モノマー%) スチレン 38部(38%) アクリル酸2−エチルヘキシル 33部(33%) アクリロニトリル 25部(25%) アクリル酸 2部(2%) アクリルアミド 1部(1%) N−メチロールアクリルアミド 1部(1%) 得られた共重合体水性分散体のpHをアンモニア水で7
〜8に調整した。
この例の乳化重合条件は、第2表にまとめて示したと
おりである。
実施例2〜8 比較例1〜7 実施例1の乳化重合法に準じて、第2表に示す種々の
単量体混合物を用いて1段〜3段の乳化重合を行なわせ
た。
以上の実施例1〜8、及び比較例1〜7において得ら
れた各共重合体水性分散体中の共重合体粒子を構成する
核共重合体の最低造膜温度、殻共重合体の最低造膜温度
及び全共重合体の最低造膜温度、並びに各共重合体水性
分散体を用いて調製した弾性塗料の塗膜物性は、第2表
にそれぞれ示すとおりであった。
第1表の注: (A) 各モノマーに付記した温度(*)は、そのモノ
マーを単独重合させて得られるホモポリマーのガラス転
移点(Tg)を示す。
(B) 各試験は下記の方法によった。
最低造膜温度の試験 核共重合体及び殻共重合体の最低造膜温度は、それぞ
れ核のみの共重合体、殻のみの共重合体を予め別に重合
させたものについて測定した。
測定方法は、東洋精機社製の白化点温度試験器を使用
して下記のようにして測定した。
(イ) 測定する試料にとって適した温度勾配、すなわ
ち測定しようとする最低造膜温度が熱盤のほぼ中央部分
で測定できるように、また最低と最高の温度差が約20〜
40℃ぐらいの範囲になるよう、高温側及び低温側の温度
を設定し、熱的に平衡に達するまで待つ。
(ロ) 熱盤が熱的に平衡に達したら、試料をアプリケ
ーターを用いて2〜3milの膜厚になるように高測側から
低温側へ素早く塗布する。
(ハ) 温度勾配プレート上に透明フイルムが形成さ
れ、亀裂のない連続したフイルムができる最低温度をデ
ィスパージョンの最低造膜温度とする。
塗膜性能試験 まず、下記の配合に示す組成のミルベースを調製し
た。
ミルベース配合 純粋 42部 10%トリポリリン酸ソーダの水溶液 6部 エムランOC*1の10%水溶液 24部 ノプコスパース44−C*2 0.5部 コラクラールPu−85*3/水=1/2重量比の水 溶液 4部 酸化チタン 242部 消泡剤 4.5部HEC*4の2%水溶液 4部 合計 327部 次いで、各実施例及び各比較例において得らた共重合
体水性分散体と上記組成のミルベースを使用して、下記
弾性塗料配合を用いて、それぞれの弾性塗料を製造し
た。
弾性塗料配合 共重合体水性分散液(樹脂分50%) 640部 ミルベース 327部 テキサノール*5/ブチロセロソルブ=3/1の 溶液(造膜助剤) x部 HAWS*6 4部 消泡剤 3部 コラクラールPu−85*3/水=1/2の水溶液 4部 ラテコールD*7(アンモニア可溶)の7%水溶液 9部 合計 1000+x部 上記塗料配合における造膜助剤の配合量x部は、それ
ぞれの塗料(分酸液)の造膜温度を0℃にするに必要な
量とする。
なお、上記のミルベース配合及び弾性塗料配合におい
て用いた各市販商品の詳細は下記のとおりである。
*1……BASF社商品名 *2……サンノプコ社商品名 *3……BASF社商品名 *4……UCC社商品名 *5……コダック社商品名 *6……昭和シエル石油社商品名 *7……三菱油化バーディッシェ株式会社の商品名 以上のようにして調製した各実施例及び比較例で得ら
れた共重合体水性分散物を用いて得られた塗料について
下記の方法でその塗膜性能試験をした。
(イ) 塗膜の引張強度及び伸度 JIS A−6910に準じて測定した。
(ロ) 耐ブロッキング性 フレキ板(フレキシブルボード)に塗料を乾燥膜厚が
1mmになるように塗布した試験片(7cm×15cm)を、20
℃、65%RHの条件下で7日間乾燥したのち、0.5gのカー
ボン粉を塗膜面に広げ、60℃で2日間放置したのち水洗
した後の塗膜の汚れの状態を下記の判定基準で評価し
た。
○……殆んどカーボン粉の付着がない △……所々にカーボン粉の付着がある。
×……塗膜全面にカーボン粉の付着がある (ハ) 耐汚染性 モルタル板(70mm×70mm×20mm)にビニル系溶剤シー
ラー(BASF社商品名テロフレックスMP45)を100g/m2
割合で塗布したのち、その塗布面に塗料の乾燥膜厚が1m
mになるように塗布し、20℃、65%RHの条件下で7日間
乾燥した試験片を3ケ月間、45゜に傾斜して曝露試験を
し、下記の判定基準にしたがって判定をした。
○……保存板と比較して殆んど変りがない。
△……保存板と比較して多数の差異がある(汚染を感じ
る)。
×……保存板と比較して差異が著しい(全体に黒ずんで
いる)。
(c) 発明の効果 本発明の製造法によれば、強靭で弾性があり、可撓性
及び延伸性(亀裂追随性)に優れ、しかも耐ブロッキン
グ性、耐汚染性に優れた塗膜を与えることができ、した
がって塗料、特に弾性塗料用として優れた共重合体水性
分散体が得られる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A) アクリロニトリル及びメタクリロ
    ニトリルより選ばれた少なくとも1種のモノマー 7.5〜30重量% (B) メタクリル酸メチル、メタクリル酸第三ブチ
    ル、ビニル芳香族化合物及びハロゲン化ビニルより選ば
    れたモノマーであって、かつ単独重合でガラス転移点が
    60℃以上のホモポリマーを与えるモノマーの1種又は2
    種以上 20〜60重量% (C) 炭素数1〜12の脂肪族飽和アルコールのアクリ
    ル酸エステル、炭素数2〜12の脂肪族飽和アルコールの
    メタクリル酸エステル、ビニルエステル類、1,3−ジエ
    ン化合物類及び塩化ビニリデンより選ばれたモノマーで
    あって、かつ単独重合でガラス転移点が60℃未満のホモ
    ポリマーを与えるモノマーの1種又は2種以上30〜70重
    量% (D) 不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸無水物、
    不飽和カルボン酸アミド、並びに不飽和カルボン酸アミ
    ドのN−アルキル及び/又はN−アルキロール誘導体よ
    り選ばれた少なくとも1種のモノマー 0.5〜10重量% (E) 前記のモノマー(A)〜(D)以外のビニル系
    モノマー 0〜20重量% よりなる核共重合体形成用モノマー混合物を乳化重合さ
    せて核共重合体水性分散体を形成せしめ、次いでその得
    られた核共重合体水性分散体に、 前記のモノマー(A) 7.5〜30重量% 前記のモノマー(B) 22〜62重量% 前記のモノマー(C) 28〜68重量% 前記のモノマー(D) 0.5〜10重量% 前記のモノマー(E) 0〜20重量% よりなる殻共重合体形成用モノマー混合物を加えて乳化
    重合させて、前記の核共重合体分散粒子の表面に殻共重
    合体を形成せしめ、かつその際に該殻共重合体の最低造
    膜温度を該核共重合体の最低造膜温度より5℃以上高く
    設定することを特徴とする塗料用共重合体水性分散体の
    製造法。
  2. 【請求項2】モノマー混合物の使用量比率が、核共重合
    体形成用モノマー混合物100重量部に対して殻共重合体
    形成用モノマー混合物が2〜250重量部である特許請求
    の範囲第1項記載の製造法。
  3. 【請求項3】殻共重合体の最低造膜温度が、核共重合体
    の最低造膜温度より10℃以上高く設定された特許請求の
    範囲第1項又は第2項記載の製造法。
  4. 【請求項4】殻共重合体形成用モノマー混合物における
    モノマー(C)が、不飽和カルボン酸又は不飽和カルボ
    ン酸無水物と不飽和カルボン酸アミドのN−アルキル及
    び/又はN−アルキロール誘導体との混合物である特許
    請求の範囲第1項、第2項又は第3項記載の製造法。
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