JP2000273386A - 水性樹脂分散液組成物 - Google Patents

水性樹脂分散液組成物

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JP2000273386A
JP2000273386A JP8107399A JP8107399A JP2000273386A JP 2000273386 A JP2000273386 A JP 2000273386A JP 8107399 A JP8107399 A JP 8107399A JP 8107399 A JP8107399 A JP 8107399A JP 2000273386 A JP2000273386 A JP 2000273386A
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monomer
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JP8107399A
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Takeshi Awata
武志 粟田
Tsuyoshi Yamaguchi
強 山口
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BASF Dispersion Co Ltd
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BASF Dispersion Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性,表面粘着性及び基材密着性に優れた
塗膜を形成し得る水性樹脂分散液組成物を提供する。 【解決手段】 水製樹脂分散液組成物は,(A)シクロ
アルキル基含有単量体と,(B)シリル基含有単量体
と,(C)その他の不飽和単量体とを乳化重合してなる
共重合体からなり,該共重合体のガラス転移温度は25
℃以上70℃以下であり,且つ上記共重合体の粒子の平
均粒子径は0.1μm以下である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は水性塗料,特に瓦や外装材のトッ
プコート用バインダーとして有用な水性樹脂分散液組成
物に関する。
【0002】
【従来技術】屋外用塗料,特に建築分野でトップコート
として使用される塗料に要求される重要な性能の一つと
して耐候性がある。従来から,この耐候性を改良するた
めに多大の努力がなされてきた。
【0003】その工夫の一つとして,水性樹脂分散液の
製造に使用される単量体の種類をより耐候性の高いもの
に選択することが挙げられる。このうち,特にシクロア
ルキル基含有単量体を共重合主成分とすることが有効で
あることが知られており,一部で既に実用化されてい
る。しかし,現在においても,未だ,耐候性のレベルは
必ずしも満足できるものではない。
【0004】また,重合性の紫外線安定成分を,シクロ
アルキル基含有単量体を主成分とする単量体に共重合さ
せる(特開平3−128979号)等の試みがなされて
いる。しかし,紫外線安定成分は共重合性が必ずしも十
分でなく,結果的に耐候性の改良効果が不充分であっ
た。
【0005】更に近年,塗膜の美観を向上させることを
目的に,通常のエナメル塗料の上に顔料成分を殆ど含ま
ないカラークリアー塗料を塗装することにより塗膜を平
滑化することが行われている。しかし,このような塗装
仕様の場合,塗膜の耐水白化性を保持することが困難と
なってきている。
【0006】
【解決しようとする課題】本発明はかかる従来の問題点
に鑑み,耐候性,表面粘着性及び基材密着性に優れた塗
膜を形成し得る水性樹脂分散液組成物を提供しようとす
るものである。
【0007】
【課題の解決手段】本発明は,請求項1記載のように,
(A)シクロアルキル基含有単量体と,(B)シリル基
含有単量体と,(C)その他の不飽和単量体とを乳化重
合してなる共重合体であり,該共重合体のガラス転移温
度は25℃以上70℃以下であり,且つ上記共重合体の
粒子の平均粒子径は0.1μm以下であることを特徴と
する水性樹脂分散液組成物である。
【0008】本発明において最も注目すべきことは,本
発明の水性樹脂分散液組成物が,上記(A)と(B)と
(C)との三つの単量体成分からなる共重合体であるこ
と,及び共重合体のガラス転移温度及び共重合体粒子の
平均粒子径を上記のごとく特定したことにある。
【0009】本発明の作用について説明する。本発明に
よれば耐候性に優れた架橋性水性樹脂分散液組成物を得
ることができる。本発明において,耐候性が格段に向上
した理由は必ずしも明らかではないが,シクロアルキル
基含有単量体の導入による共重合体の疎水化とアルコキ
シシリル基の架橋及び樹脂粒子の平均粒子径を小さくす
ることにより塗膜の緻密性が向上し,得られる皮膜の耐
水性が飛躍的に向上したためであると推測する。
【0010】本発明の水性樹脂分散液組成物を用いた瓦
や外装材のトップコ−トは,従来これらの用途に使用さ
れていた水性トップコ−トと比較した場合,極めて高い
耐候性を有する。特に,通常のエナメル塗料の上に顔料
成分を殆ど含まないカラークリアー塗料を表面仕上げ材
として塗装するような塗装仕様の場合でも,耐温水白化
性のレベルが高く,長期間に渡り白化等の劣化が少ない
塗膜外観を保持する。
【0011】また,本発明の組成物によれば,表面粘着
性及び基材密着性に優れた塗料を作成できる。また,本
組成物を用いて作成した塗料から,耐温冷サイクル性,
耐エフロ性,耐沸水性に優れた塗膜を形成することがで
きる。
【0012】次に,本発明の詳細について説明する。本
発明において,上記(A)シクロアルキル基含有単量体
は,シクロアルキル基を含有する,共重合性の単量体を
いう。上記(A)シクロアルキル基含有単量体は,シク
ロアルキル環に置換基を有しないか,あるいは炭素数1
〜6のアルキル基を置換基として有したものが好まし
い。アルキル基が6を超える場合には,のおそれがあ
る。
【0013】かかる(A)シクロアルキル基含有単量体
としては,例えば,シクロペンチル,シクロヘキシル,
シクロドデシル等のアクリレート及びメタクリレートを
用いることができ,更に具体的には,シクロヘキシル
(メタ)アクリレート,ブチルシクロヘキシル(メタ)
アクリレート等が例示できる。この中,共重合性が優れ
ている点を考慮すると,特にシクロヘキシル(メタ)ア
クリレートが好ましい。
【0014】また,請求項2記載のように,上記共重合
体における(A)シクロアルキル基含有単量体の含有量
は3〜80重量%であることが好ましい。3重量%より
も少ない場合は充分な耐候性が得られないおそれがあ
る。また80重量%よりも多い場合には耐候性は充分な
ものが得られるが塗膜の柔軟性が低下し,その結果,塗
料として充分な造膜性が得られなくなり,塗膜がもろく
なる傾向が認められる。
【0015】さらに,上記共重合体における(A)シク
ロアルキル基含有単量体単位の含有量が20〜80重量
%であることが望ましい。これにより,形成した塗膜の
耐候性が向上する。そのため,本発明の組成物を,促進
耐候性試験(サンシャインウェザーメーター)での光沢
保持率が4000〜5000時間経時後で80%以上の
高いレベルを要求される高耐候性塗料に用いることがで
きる。
【0016】次に,(B)シリル基含有単量体とは,分
子中にシリル基を有し,かつ共重合性のある単量体をい
い,例えばγ−トリメトキシシリルプロピルメタクリレ
ート,γ−トリメトキシシリルプロピルアクリレート,
γ−メチルジメトキシシリルプロピルメタクリレート,
γ−メチルジメトキシシリルプロピルアクリレート,γ
−トリエトキシシリルプロピルメタクリレート,γ−ト
リエトキシシリルプロピルアクリレート,ビニルメチル
ジメトキシシラン,ビニルトリメトキシシラン等のアル
コキシシリル基含有単量体が挙げられる。
【0017】また,請求項3記載のように,上記共重合
体における(B)シリル基含有単量体の含有量は0.0
1〜0.05重量%であることが好ましい。0.01重
量%よりも少ない場合は充分な耐水性が得られないおそ
れがある。また0.05重量%よりも多い場合には耐水
性は充分なものが得られるが塗膜の柔軟性が低下し,そ
の結果,塗料として充分な造膜性が得られなくなり,塗
膜がもろくなる傾向が認められる。
【0018】また,上記共重合体における(C)不飽和
単量体の含有量は,20〜97重量%であることが好ま
しい。20重量%未満の場合には塗膜が脆くなるおそれ
がある。97重量%を超える場合には,十分な耐候性向
上の効果が現れないおそれがある。
【0019】次に,上記(C)不飽和単量体とは,不飽
和基を有する共重合可能な単量体をいい,上記(A)シ
クロアルキル基及び(B)シリル基含有単量体以外のも
のをいう。かかる(C)不飽和単量体としては,(C−
i)アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭素数1〜18
のアルキルエステル,(C−ii)アクリロニトリル,
メタクリロニトリル,酢酸ビニル,プロピオン酸ビニ
ル,ブタジエン,エチレン,(C−iii)炭素数1〜
5の不飽和カルボン酸及びそのアミド(アクリルアミ
ド,メタクリルアミド,ヒドロキシル基含有単量体等)
等が挙げられる。
【0020】上記(C−i)に挙げたものは必ずしも必
須の成分ではないが,要求される特性に応じて適宜選択
して用いられる。上記(C−i)として特に好ましいも
のはブチルアクリレート等のように3級水素を有しない
もの,例えば,メチルメタクリレート,エチルアクリレ
ート,t−ブチルメタクリレート等である。そして,上
記不飽和単量体(C−i)が上記共重合体中に占める共
重合比は,0〜80重量%であることが好ましい。80
重量%を超える場合には,十分な耐候性向上の効果が現
れないおそれがある。
【0021】上記(C−ii)に挙げたものは必ずしも
必須の成分ではないが,要求される特性に応じて適宜選
択使用される。そして,上記不飽和単量体(C−ii)
が上記共重合体中に占める共重合比は,0〜15重量%
であることが好ましい。15重量%を超える場合には,
十分な耐候性向上の効果が現れないおそれがある。
【0022】また,上記(C−iii)に挙げたものも
必ずしも必須ではないが,塗料としての安定性,及び塗
料の光沢発現の目的で使用される。そして,上記不飽和
単量体(C−iii)が共重合体樹脂中に占める共重合
比は,通常0.5〜6重量%であることが好ましい。
【0023】また,上記(C−iii)として芳香環を
有する単量体を用いることもできるが,この場合,芳香
環を有する単量体が共重合樹脂中に占める共重合比は,
通常5重量%以下であることが好ましい。5重量%を超
える場合には,塗料としての耐候性が低下するおそれが
ある。芳香環を有する単量体としては,例えば,スチレ
ン等を用いることができる。
【0024】また,上記(C−iii)として,分子中
に少なくとも2個以上の二重結合を有する単量体を使用
することもできる。この場合,当該単量体が共重合樹脂
中に占める共重合比は,通常1重量%以下であることが
好ましい。1重量%を超える場合には,皮膜がもろくな
り,その結果,塗料としての耐凍害性が低下するおそれ
がある。
【0025】上記(C−iii)分子中に少なくとも2
個以上の二重結合を有する単量体としては,例えば,ジ
ビニルベンゼン,ブタンジオールジアクリレート等を用
いることができる。
【0026】次に,請求項4記載のように,上記その他
の不飽和単量体(C)は,(D)アルド基もしくはケト
基を含有するカルボニル基含有単量体と,(E)分子中
に少なくとも2個のヒドラジノ基を有するヒドラジン誘
導体との混合物からなることが好ましい。
【0027】(D)アルド基もしくはケト基を含有する
カルボニル基含有単量体とは,アルド基もしくはケト基
を含有し,これらアルド基もしくはケト基に基づくカル
ボニル基を含有する不飽和単量体をいう。かかる単量体
(D)としては例えばアクロレイン,ジアセトンアクリ
ルアミド,4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキル
ケトン(たとえばビニルメチルケトン,ビニルエチルケ
トン,ビニルブチルケトンなど),および図1の一般式
(1)で表されるアクリル(又メタクリル)オキシアル
キルプロペナール,ジアセトンアクリレート,アセトニ
ルアクリレート,ジアセトンメタクリレートが挙げられ
る。
【0028】また,請求項5記載のように,上記共重合
体中における上記(D)アルド基もしくはケト基を含有
するカルボニル基含有単量体の含有量は,0.5〜10
重量%が好ましい。0.5重量%よりも少ない場合,耐
候性が低くなり充分な効果が得られず,逆に10重量%
より多くしてもある一定以上の効果が望めない。なお,
より好ましくは2〜7重量%である。
【0029】次に,(E)分子中に少なくとも2個のヒ
ドラジノ基を有するヒドラジン誘導体としては,例えば
2〜10個,特に4〜6個の炭素原子を有するジカルボ
ン酸ヒドラジド(たとえば蓚酸ジヒドラジド,マロン酸
ジヒドラジド,コハク酸ジヒドラジド,グルタル酸ジヒ
ドラジド,アジピン酸ジヒドラジド,セバシン酸ジヒド
ラジド,マレイン酸ジヒドラジド,フマル酸ジヒドラジ
ド,イタコン酸ジヒドラジド),2〜4個の炭素原子を
有する脂肪族水溶性ジヒドラジン(たとえばエチレン−
1,2−ジヒドラジン,プロピレン−1,3−ジヒドラ
ジン,ブチレン−1,4−ジヒドラジン等)が挙げられ
る。更に,ウレタンプレポリマ−をヒドラジンで鎖延長
して得られる末端ヒドラジノ基を有する水性ポリウレタ
ン(特願平8−136466号等)も使用できる。
【0030】上記共重合体における上記(E)ヒドラジ
ン誘導体の含有量は0.5〜5重量%であることが好ま
しい。0.5重量%未満の場合には,架橋の効果が現れ
ないおそれがある。5重量%を越えると耐凍害性が顕著
に低下する傾向が認められるため好ましくない。
【0031】また,(D)カルボニル基含有単量体に由
来するアルド基およびまたはケト基のモル数[CO]に
対する(E)ヒドラジン誘導体のヒドラジノ基のモル数
[CONHNH2]の比([CONHNH2]/[C
O])は,0.3〜3.0であることが好ましい。0.
3未満では,(E)ヒドラジン誘導体の割合が少なす
ぎ,樹脂相互間の架橋が十分に行われないおそれがあ
る。一方,3.0を越えるとそれに見合うだけの効果が
得られないばかりでなく,皮膜が不透明で,且つ脆くな
りやすいという問題がある。更には,0.5〜1.5と
なるようにすることが望ましい。
【0032】単量体(A),(B),(C)からなる共
重合体のガラス転移温度(Tg)は25℃以上で且つ7
0℃以下である。25℃より低い場合は,樹脂の耐温水
性が低くなり,その結果,十分な塗膜の耐候性向上が望
めない。更に,表面粘着性が高くなる結果,塗膜のブロ
ッキング現象が起こりやすくなる。また,共重合体のガ
ラス転移温度が70℃より高い場合は,樹脂の成膜性が
悪くなる結果,塗膜の耐エフロ性が低下し,更に,塗膜
の耐水性も低下するので充分な耐候性向上が望めない。
共重合体のガラス転移温度(Tg)は,好ましくは35
〜60℃である。これにより,耐温水性,耐候性,耐エ
フロ性及び耐水性が更に向上する。
【0033】尚,ここにいう共重合体のガラス転移温度
(Tg(°K))とは,その重合に使用されるそれぞれ
の単量体(A),(B),(C)のホモポリマ−のTg
(°K)とから,以下に示す関係式で求められる計算値
Tg(共重合体)をいう。
【0034】1/Tg(共重合体)=ΣΧi/Tgi ・Χi:単量体iの重量分率 ・Tgi:単量体iのガラス転移点(Tg)
【0035】次に,該当する単量体のホモポリマ−のT
gを例示すると,アクリル酸もしくはメタクリル酸の炭
素数1〜18のアルキルエステル(例えばアクリル酸メ
チル(22℃,Tgを示す。以下同様),アクリル酸エ
チル(−8℃),アクリル酸ブチル,(−43℃),ア
クリル酸2エチルヘキシル(−58℃),アクリル酸シ
クロヘキシル(19℃),メタクリル酸メチル(105
℃),メタクリル酸エチル(67℃),メタクリル酸ブ
チル(32℃),メタクリル酸シクロヘキシル(83
℃)),アクリロニトリル(105℃),メタクリロニ
トリル(120℃),スチレン(107℃),α−メチ
ルスチレン(168℃)等があげられる。
【0036】上記共重合体の粒子の平均粒子径は0.1
μm以下である。0.1μmを超える場合には樹脂の成
膜時の塗膜の緻密性が悪くなり,その結果,耐温水白化
性が低下するおそれがある。更に好ましくは上記共重合
体の粒子の平均粒子径は0.09μm以下である。な
お,上記共重合体の粒子の平均粒子径の下限は0.02
μmであることが好ましい。0.01μm未満の場合に
は,樹脂粒子の安定性が低下する傾向にある。
【0037】尚,ここにいう平均粒子径とは,動的光散
乱法にて測定された上記共重合体の重量平均粒子径をい
う。動的光散乱法は,電子顕微鏡写真のように測定時に
水を蒸発乾燥させる必要がないため,乾燥過程での粒子
変形の心配がなく,また操作も簡便であるため有用な方
法として近年一般化している。
【0038】上記単量体(A),(B),(C)の乳化
重合にあたっては,例えば,乳化剤を使用した通常の乳
化重合による方法や,いわゆるソープフリー重合により
行う。その際,単量体の供給方法として,シード重合法
又はパワーフィード重合法等も用いることができる。
【0039】また,上記単量体(A),(B),(C)
の重合は,乳化重合法を用い,これらの単量体の組成を
中途で変更するシード重合法,連続的に変化させるパワ
ーフィード法等の手段をとることもできる。
【0040】重合に使用される開始剤としては,例え
ば,過硫酸ナトリウム,過酸化水素等の無機過酸化物,
有機過酸化物を用いることができる。また,還元剤を併
用するレドックス開始剤系とすることもできる。また重
合の際はアルコール類,メルカプタン類等の連鎖移動剤
を用いることもできる。
【0041】また,本発明にかかる上記架橋性水性樹脂
分散液組成物は,例えばコート顔料を添加混合して塗料
とすること,或いはこれを着色してカラークリアー塗料
とすることができる。かかる塗料は表面仕上げ材に用い
ることができる。特に,水性グロスペイント,瓦,外壁
材,外装材などのトップコートとして最適である。
【0042】
【発明の実施の形態】実施形態例1 下記の各種製造例1〜14により架橋性水性樹脂分散液
組成物を製造し,これらを用いて実施例1〜7及び比較
例8〜14の塗料を作成し,その耐候性評価を行った。
なお,特に言及しない限り文中の%及び部は,それぞれ
重量%,重量部を意味する。
【0043】水性樹脂分散液製造例1 温度調節器,いかり型撹拌器,還流冷却器,供給容器,
温度計,および窒素導入管を備えた反応容器を用意し,
下記反応混合物1および2を用意した。
【0044】 <反応混合物1> 水 ・・・・80部 シクロヘキシルメタクリレート ・・・・72部 γ−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート ・・・0.2部 メチルメタクリレート ・・19.8部 ブチルアクリレート ・・・・29部 アクリル酸 ・・・・・2部 アクリルアミド ・・・・・1部 エチレンオキサイド20モル付加ノニルフェノールの 硫酸エステルナトリウム塩(35%水溶液) ・・・・・6部
【0045】 <反応混合物2> 水 ・・・・16部 過硫酸ナトリウム ・・・0.5部
【0046】反応容器中に上記反応混合物1および2の
20%を導入し,窒素置換後内温が90℃になるまで昇
温した。その後90分間かけて残りの反応混合物1およ
び2を連続的に添加し,添加終了後さらに同温度で60
分間保持して反応を終了した。
【0047】その後25%アンモニア水2.5部を添加
し,室温まで冷却して水性樹脂分散液を得た。この水性
樹脂分散液は,その不揮発分が約46%,pHが8.
2,ガラス転移点が50℃,平均粒子径が0.08μm
mであった。
【0048】水性樹脂分散液製造例2〜14 使用した原料を表1,表2のように変更した他は,実施
例1と同様の操作を行い,それぞれ水性樹脂分散液を得
た。尚,製造例5,7,8,10〜13については,反
応終了後にアジピン酸ジヒドラジド(ADH)の15%
水溶液を,製造例6については,マレイン酸ジヒドラジ
ド(MDH)の15%水溶液をそれぞれ所定量添加し
た。得られた水性樹脂分散液の物性測定結果を表1,表
2に示した。
【0049】表1,表2における略語の意味を説明す
る。 ・CHMA;シクロヘキシルメタクリレート, ・CHA;シクロヘキシルアクリレート, ・MMA;メチルメタクリレート, ・BA;ブチルアクリレート, ・EA;エチルアクリレート, ・2EHA;2−エチルヘキシルアクリレート, ・St;スチレン, ・AA;アクリル酸, ・AN;アクリロニトリル, ・MAA;メタクリル酸, ・A.Amide;アクリルアミド, ・HEMA;ヒドロキシエチルメタクリレート, ・DAAM;ジアセトンアクリルアミド, ・Acr;アクロレイン, ・ADH;アジピン酸ジヒドラジド, ・MDH;マレイン酸ジヒドラジド, ・[CONHNH2]/[CO];(D)カルボニル基
含有単量体に由来するアルド基およびまたはケト基のモ
ル数[CO]に対する(E)ヒドラジン誘導体のヒドラ
ジノ基のモル数[CONHNH2]の比。
【0050】用いた上記原料のうち,CHMAが単量体
(A)であり,γ−トリメトキシシリルプロピルメタク
リレート,γ−トリメトキシシリルプロピルアクリレー
トが単量体(B)であり,MMA,BA,EA,2EH
A,St,AA,MAA,A.Amide,HEMAは
単量体(C)であり,DAAM,Acrは単量体(D)
であり,ヒドラジン誘導体は(E)である。
【0051】実施例1〜7及び比較例1〜7 水性樹脂分散液製造例で得た水性樹脂分散液は,以下の
方法により評価し,その結果を表3,表4に示した。
【0052】a)塗料配合 以下のように評価用の塗料を配合した。 (配合A) ・水 ・・・・・14部 ・トリポリリン酸Naの10%水溶液 ・・・0.04部 ・HLB18のノニオン性乳化剤の20%水溶液・・・・1部 (商品名エムランOC,BASF社製) ・消泡剤(商品名SN371,サンノプコ社製)・・・0.3部 ・25%アンモニア水 ・・0.3部 ・鉄黒(商品名URB−20) ・・・・9部 ・鉄赤(商品名100−ED) ・・0.2部 ・鉄黄(商品名SY−500) ・・0.6部 ・酸化チタン(商品名タイペークR930) ・・2.7部
【0053】以上の混合物をディスパーで充分分散後,
下記を順次混合してPWC(重量顔料濃度を意味す
る。)約20%の白色塗料を得た。 ・水性樹脂分散液 ・・・100部 ・造膜助剤(テキサノ−ル/ブチルセロソロブ=7/3) (表3,表4記載 ) ・増粘剤(商品名SN612,サンノプコ社製)・・・・0.7部
【0054】ここで造膜助剤の量は,配合された塗料の
MFTが約15℃となるように設定した。ここで,塗料
のMFTとは,エマルジョン型塗料が連続膜になるのに
最低必要な雰囲気温度のことをいう。
【0055】 (配合B) ・水性樹脂分散液 ・・・・100部 ・造膜助剤(テキサノ−ル/ブチルセロソロブ=7/3) (表3,表4記載) ・着色材(商品名AFブラックE−2B,大日精化社製)・・・5部 ・増粘剤(商品名SN612,サンノプコ社製) ・・・0.7部 ここで造膜助剤の量は,配合された塗料のMFTが約1
5℃となるように設定した。
【0056】b)試験板の作成 a)で得られた塗料(配合A)を板温70℃以上のスレ
ート板に膜厚が20μmになるようにスプレー塗装し,
その後,(配合B)を20μmになるようにスプレ−塗
装し,100℃で10分間乾燥した。
【0057】c)耐候性評価 b)で作成した試験板を用いて,サンシャインウェザオ
メーターを使用して耐候性を評価した。耐候性は,所定
時間経過後の塗膜光沢値(60゜)を測定し評価開始時
カラーの保持率で表した。
【0058】d)塗膜の温冷サイクル b)で作成した試験板を,水中浸漬18時間,マイナス
20℃3時間,50℃3時間のサイクルを10回繰り返
して塗膜表面の変化を目視で評価した。 ◎・・・変化無し, ○・・・表面に若干の微細クラック有り, ×・・・表面にクラック有り。
【0059】e)耐エフロ性 b)で作成した試験板を,40℃の水に28日間浸漬し
た後,塗膜表面のエフロ発生状況を目視観察した。な
お,エフロ性とは,塗膜表面にアルカリ結晶が析出する
現象をいう。 ◎・・・変化せず, ○・・・エフロがわずかに見られる, △・・・エフロにより塗膜が若干白化。
【0060】f)耐エフロ性 b)で作成した試験板を,95℃の沸水に30分間浸漬
した後,塗膜表面を目視観察した。 ◎・・・変化せず, ○・・・わずかに白化, △・・・若干白化, ×・・・塗膜全体が白化。
【0061】g)表面粘着性 b)で作成した試験板を2枚用意し,塗装面同士を重ね
合わせて0.2Kg/cm2の加重をかけて室温24時
間放置した。その後2枚を手で剥がしたときの感触によ
り評価した。 ◎・・・粘着感無し, ○・・・わずかに粘着感有り, △・・・粘着感あり。
【0062】h)密着性 b)で作成した試験板を40℃の水に2日間浸漬した
後,カッターナイフで3mm間隔で5mm×5mmの碁
盤目を切り,ポリエステル性粘着テープを圧着後,引き
剥がして塗膜の残存状態を調べた。 ◎・・・塗膜が全く剥離しない, ○・・・塗膜が若干剥離した, △・・・塗膜が一部剥離した, ×・・・塗膜が全部剥離した。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【表4】
【0067】以上の測定結果より,本発明に係る実施例
1〜7の水製樹脂分散液を用いて形成した塗膜は,耐候
性,温冷サイクル,耐エフロ性,耐沸水性,表面粘着
性,基材密着性に優れていた。
【0068】以上より,水性樹脂分散液組成物が,
(A)シクロアルキル基含有単量体と,(B)アルコキ
シシリル基含有単量体と,(C)不飽和単量体とを乳化
重合してなる共重合体からなり,該共重合体のガラス転
移温度は25℃以上で70℃以下であり,且つ上記共重
合体の粒子の平均粒子径は0.1μm以下であることに
より,耐候性,温冷サイクル,耐エフロ性,耐沸水性,
表面粘着性及び基材密着性に優れた塗膜をできることが
わかる。
【0069】また,上記共重合体中における(A)シク
ロアルキル基含有単量体の含有量は3〜80重量%であ
ること,上記共重合体中における(B)アルコキシシリ
ル基含有単量体の含有量は0.01〜0.05重量%で
あること,上記不飽和単量体(C)は,(D)アルド基
もしくはケト基を含有するカルボニル基含有単量体と,
(E)分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する
ヒドラジン誘導体との混合物からなること,上記共重合
体における上記(D)カルボニル基含有単量体の含有量
は0.5〜10重量%であることにより,更に上記の塗
膜特性に優れた水堰樹脂分散液を得ることができること
がわかる。
【0070】
【発明の効果】以上より知られるように,本発明によれ
ば,耐候性,表面粘着性及び基材密着性に優れた塗膜を
形成し得る水性樹脂分散液組成物を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における,アクリル(又はメタクリル)
オキシアルキルプロペナールの一般式(1)を示す説明
図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) //(C08F 220/18 230:08) Fターム(参考) 4D075 AA01 CA13 CA32 DC01 EA06 EA10 EB24 EB53 EB57 4J038 CG141 CH071 CJ011 CJ101 CJ131 CJ141 GA02 GA15 JB17 LA02 MA08 MA10 MA13 MA14 NA03 PB05 PC04 4J100 AA02R AF06R AF10R AG02R AG04R AL03R AL04R AL05R AL08P AL08Q AL08R AL62R AM02R AM15R AM21R AP16Q AS28R BA05Q BA06Q BA12R BA77Q BC23P CA05 DA36 EA07 FA03 FA20 JA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)シクロアルキル基含有単量体と,
    (B)シリル基含有単量体と,(C)その他の不飽和単
    量体とを乳化重合してなる共重合体であり,該共重合体
    のガラス転移温度は25℃以上70℃以下であり,且つ
    上記共重合体の粒子の平均粒子径は0.1μm以下であ
    ることを特徴とする水性樹脂分散液組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記共重合体中にお
    ける(A)シクロアルキル基含有単量体の含有量は3〜
    80重量%であることを特徴とする水性樹脂分散液組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において,上記共重合
    体中における(B)アルコキシシリル基含有単量体の含
    有量は0.01〜0.05重量%であることを特徴とす
    る水性樹脂分散液組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか1項において,
    上記その他の不飽和単量体(C)は,(D)アルド基も
    しくはケト基を含有するカルボニル基含有単量体と,
    (E)分子中に少なくとも2個のヒドラジノ基を有する
    ヒドラジン誘導体との混合物からなることを特徴とする
    水性樹脂分散液組成物。
  5. 【請求項5】 請求項4において,上記共重合体におけ
    る上記(D)アルド基もしくはケト基を含有するカルボ
    ニル基含有単量体の含有量は0.5〜10重量%である
    ことを特徴とする水性樹脂分散液組成物。
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