JP2000129594A - 紙塗工用防湿性組成物および防湿性紙 - Google Patents

紙塗工用防湿性組成物および防湿性紙

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JP2000129594A
JP2000129594A JP10296550A JP29655098A JP2000129594A JP 2000129594 A JP2000129594 A JP 2000129594A JP 10296550 A JP10296550 A JP 10296550A JP 29655098 A JP29655098 A JP 29655098A JP 2000129594 A JP2000129594 A JP 2000129594A
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JP10296550A
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Yuichiro Kajiwara
祐一郎 梶原
Masaaki Tsuji
正明 辻
Juichi Miyoshi
寿一 三好
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】紙に、優れた防湿性と耐ブロッキング性および
古紙として回収可能な離解性を有する防湿層を形成させ
る共重合体ラテックスを提供すること。 【解決手段】共重合体ラテックス(A)、ガラス質中空
微粒子(B)およびワックスエマルジョン(C)を含有
してなる紙塗工用防湿性組成物を原紙上に塗工すること
により、古紙回収に必要となる離解性が優れ、かつ防湿
性も良好で、ブロッキングを起こさない防湿性紙が得ら
れた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙類に防湿性層を
形成させるための組成物および防湿性紙に関するもので
ある。より詳しくは、本発明は支持体、例えば、上質
紙、再生紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙、段ボ
ール原紙、白板紙などに防湿性層を形成させることによ
り、防湿性に優れ、特に古紙回収に必要な離解性に優
れ、再利用が可能である防湿性紙を製造するための紙塗
工用防湿性組成物および防湿性紙に関するものである。
【0002】
【従来の技術】防湿性紙は包装紙をはじめとして種々の
用途に使用され、近年その需要が伸びてきている。従来
より、合成ゴム及びワックスを含有する防湿層を有する
防湿性紙は知られている(特公昭55ー22597、特
開平07―279093)。この防湿性紙は一般に、合
成ゴムラテックスにワックス系エマルジョンを配合した
ゴムラテックス組成物を原紙表面に塗工し乾燥して得ら
れる。しかしこのゴムラテックス組成物による防湿性紙
は保存時に防湿性紙同士がブロッキングを起こしたり、
包装時に内容物と防湿性紙がブロッキングを起こすなど
の問題があった。このブロッキングを回避するため、ラ
テックスのガラス転移温度(Tg)を高くするという方
法があるが、この方法では紙の防湿性が不充分となる。
また、耐ブロッキング性を向上させるため、シリカ変性
樹脂を併用する方法(特開平8―302592)が開示
されているが、この方法では耐ブロッキング性は向上す
るものの、防湿性は未だ不十分である。一方、最近で
は、省資源、環境汚染防止等の面から、資源再利用、即
ち、古紙回収可能な防湿性紙が強く要求されている。古
紙として回収可能なものとは、紙を形成するパルプが容
易に単繊維に離解するものである。
【0003】しかし、ポリエチレン、ポリプロピレン、
又はポリ塩化ビニリデンなどの高分子化合物を原紙上に
塗工して得た防湿性紙は充分な防湿性を有するものの、
パルプが単繊維に十分に離解せず束繊維状フロックのま
ま残ってくるので、古紙として回収することができな
い。これらの問題に対して、特定の組成のパラフィンワ
ックスを含むエマルジョンを塗布して防湿性紙を製造す
る方法(特開昭50−36711号)が開示されている
が、この技術ではまずまずの防湿性が得られるものの、
なお離解性は不十分であり、古紙として回収可能な防湿
性紙を提供するには至っていない。また、特定範囲のT
gを有するアクリルエマルジョンにワックス系エマルジ
ョンを配合して塗布する方法(特開平06−28789
0)、及び特定範囲のゲル分率を有するアクリルエマル
ジョンにワックス系エマルジョンを配合して塗布する方
法(特開平07−133600)などが開示されてい
る。
【0004】これらの技術ではいずれもワックス類が添
加されており、防湿性がワックスの有する撥水性に依存
しているため、防湿性紙で包装した紙束を棒積みする
際、防湿性紙の塗工層と塗工層または非塗工層との間で
滑りが発生しやすく、運搬などの際包装物が互いにずれ
て、包装の破損、包装物の荷崩れや落下などの事故が生
ずることがある。さらに、ワックスブリード現象(防湿
層内部に存在するワックスが時間経過或いは温度変化に
より防湿層表面に移行する現象)により、コピー用紙な
どを包装した際コピー用紙表面にワックスが移行して、
印刷が不鮮明となったり、コピー時の重送が発生したり
する。また、塗工裏面にラベルなど添付しても直ぐに剥
がれたりするなどの弊害もある。またワックス類を添加
せずに、平板状酸化ガラスを合成樹脂ラテックスに配合
した組成物を塗布する方法(特開平10−20479
4)、及び、フィロケイ酸塩化合物と合成樹脂ラテック
スに発泡性微粒子を含有させたものを塗布する方法(特
開平10−204797)などが開示されているが、こ
れらの技術では、防湿性及び離解性がなお不十分であ
り、そのため、古紙として回収可能な防湿性紙を提供す
るには至っていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、古紙回収に
必要な離解性が非常に優れ、防湿性が高く、折り曲げ時
の防湿性の低下もなく、ブロッキングを生じることな
く、さらに、ワックスエマルジョンを添加しても塗工層
と塗工層または非塗工層間のすべり性或いはワックスブ
リード現象による弊害を生じることのない防湿性紙を製
造するための紙塗工用防湿性組成物を提供しようとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
従来の防湿性紙における問題を解決するために鋭意研究
した結果、特定の共重合体ラテックス、ガラス質中空微
粒子およびワックスエマルジョンを含有する組成物が前
記課題を解決しうることを知見し、さらに研究を重ねて
本発明を完成した。すなわち、本発明は、(1)共重合
体ラテックス(A)、ガラス質中空微粒子(B)および
ワックスエマルジョン(C)を含有してなる紙塗工用防
湿性組成物、(2)(A)がガラス転移温度(Tg)4
0〜90℃のコア部及びTg−40〜20℃のシェル部
からなるコア・シェル構造粒子を含有するものである前
記(1)記載の組成物、(3)(A)対(B)の配合重
量比が、99.5 〜80:0.5 〜20であり、
(C)の配合重量が(A)と(B)の合計100重量部
に対して、0.1〜20重量部である前記(1)または
(2)記載の組成物、(4)(A)におけるコア部が脂
肪族共役ジエン系単量体(1)3〜15重量%、エチレン
系不飽和カルボン酸単量体(2)0.2〜7重量%および
(2)以外のエチレン系不飽和単量体(3)80〜96重量%
からなる単量体混合物(a)を乳化重合させて得られる
ものであり、シェル部が脂肪族共役ジエン系単量体(1)
3〜60重量%、エチレン系不飽和カルボン酸単量体
(2)0.2〜7重量%及び(2)以外のエチレン系不飽和単
量体(3)35〜69重量%からなる単量体混合物(b)
を乳化重合させて得られるものである前記(2)記載の
組成物、(5)(A)中のコア・シェル構造粒子が、5
〜50重量%のコア部および50〜95重量%のシェル
部から構成されている前記(2)記載の組成物、(6)
(A)の最低成膜温度が0〜60℃である前記(1)ま
たは(2)記載の組成物、(7)(A)がゲル含有量8
0〜100重量%のものである前記(1)または(2)
記載の組成物、(8)(A)のラテックス粒子が平均粒
子径0.05〜0.5μmのものである前記(1)また
は(2)記載の組成物、(9)(A)が43〜60mN
/mの表面張力を有するものである前記(1)または
(2)記載の組成物、(10)(B)が平均粒子径5〜
500μm、及びかさ密度が0.05〜1.0kg/m
3のものである前記(1)または(2)記載の組成物、
および(11)前記(1)記載の紙塗工用防湿性組成物
を紙支持体上に塗工して得られる防湿性紙、である。
【0007】
【発明の実施の形態】共重合体ラテックスには、ラテッ
クスの粒子内が均質なものおよび、たとえばコア・シェ
ル構造粒子のごとく粒子内が不均質なものとがあるが、
本発明においてはそのいずれも使用することができる。
粒子内が均質な共重合体ラテックスとしては、たとえ
ば、スチレン−ブタジエン−ラテックス(SBR)、ア
クリル−スチレンラテックス、メチルメタクリレート−
ブタジエンラテックス(MBR)、アクリロニトリル−
ブタジエンラテックス(NBR)、ビニルピリジン−ブ
タジエンラテックス、イソプレンラテックス(IR)な
どが挙げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく、折り
割れによる塗工層の亀裂が生じにくいスチレン−ブタジ
エンラテックスが好ましい。粒子が不均質な共重合体ラ
テックスとしては、コア・シェル構造粒子を有する共重
合体ラテックスが好ましい。このコア・シェル構造粒子
を有する共重合体ラテックスの製造方法を以下に説明す
る。本発明に用いられるコア・シェル構造粒子を含有し
てなる共重合体ラテックスは、単量体混合物(a)を乳
化重合させてコア部粒子を作り、これをシードとして単
量体混合物(b)を乳化重合させてコア部の外側にシェ
ル部を形成させることにより製造される。単量体混合物
(a)および(b)に用いられる共役ジエン系単量体
(1)としては、例えば、1,3−ブタジエン、イソプ
レン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、2−メチル−
1,3−ブタジエン等、従来ラテックスの製造に通常用
いられているものを挙げることができる。これらの共役
ジエン系単量体(1)は、単独で又は2種以上を組み合
わせて用いられる。本発明においては、特に1,3−ブ
タジエンが好ましく用いられる。
【0008】このような共役ジエン系単量体(1)は、
得られる共重合体に適当な弾性及び膜の硬さを付与する
ために用いられる。単量体混合物(a)中の共役ジエン
系単量体(1)の使用量は、通常3〜15重量%、好ま
しくは6〜12重量%の範囲であり、単量体混合物
(b)中の共役ジエン系単量体(1)の使用量は、通常
30〜60重量%、好ましくは32〜55重量%の範囲
である。単量体混合物(a)において、共役ジエン系単
量体(1)の使用量が3重量%よりも少ないときは柔軟
且つ均一な皮膜が得られないことがあり、その結果、防
湿性紙の防湿性は劣り、特に紙の折り曲げ等により防湿
性が著しく低下することがある。一方、15重量%より
も多いときは、古紙回収に必要となる離解性が劣ると同
時に、防湿性紙の耐ブロッキング性も低下する場合があ
る。また、単量体混合物(b)において、共役ジエン系
単量体(1)の使用量が30重量%よりも少ないときは
柔軟な皮膜が得られないことがあり、その結果、防湿性
紙の防湿性が劣り、特に、紙の折り曲げなどにより、防
湿性が著しく低下することがある。一方共役ジエン系単
量体(1)の使用量が60重量%よりも多いときは、古
紙回収に必要となる離解性が劣ると同時に、防湿性紙の
耐ブロッキング性も劣る場合がある。
【0009】エチレン系不飽和カルボン酸単量体(2)
としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸な
どのモノカルボン酸、例えば、マレイン酸、フマル酸、
イタコン酸などのジカルボン酸や、それらの無水物、例
えば、マレイン酸メチル、イタコン酸メチルなどのジカ
ルボン酸のモノエステル、すなわち半エステルなどを挙
げることができる。これらのエチレン系不飽和カルボン
酸単量体(1)は、エチレン系不飽和ジカルボン酸およ
び(メタ)アクリル酸を含んでいることが望ましい。エ
チレン性不飽和ジカルボン酸及び(メタ)アクリル酸以
外のエチレン系不飽和カルボン酸単量体も、エチレン系
不飽和ジカルボン酸や(メタ)アクリル酸と組み合わせ
て用いることができる。これらエチレン系不飽和カルボ
ン酸単量体(2)の使用量は、単量体混合物(a)及び
(b)において、0.2〜7重量%、好ましくは、0.
5〜4重量%の範囲である。それぞれの単量体混合物に
おけるエチレン系不飽和カルボン酸単量体(2)の使用
量が0.2重量%よりも少ないときは、得られる共重合
体ラテックス及び本発明による塗工組成物の機械的安定
性が十分でなく、また7重量%を越えるときは、防湿性
紙の防湿性が低下することがある。前記エチレン系不飽
和ジカルボン酸および(メタ)アクリル酸を併用する場
合のエチレン系不飽和ジカルボン酸と(メタ)アクリル
酸との使用割合は通常、エチレン系不飽和ジカルボン酸
/(メタ)アクリル酸=10/90〜90/10(重量
%)、好ましくは25/75〜75/25(重量%)程
度である。
【0010】エチレン系不飽和カルボン酸単量体(2)
以外のエチレン系不飽和単量体(3)としては、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル
化合物、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチ
ル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル、メタクリル酸グリシジルなどの不飽和カルボン
酸アルキルエステル化合物、例えば、アクリルアミド、
メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
N−メチロールアクリルアミドなどのエチレン系不飽和
カルボン酸アミド化合物、例えば、酢酸ビニルなどのカ
ルボン酸ビニルエステル類、例えば、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、
例えば、メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジ
メチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ビニル
ピリジンなどのエチレン系不飽和アミン化合物などを挙
げることができる。これらは単独であるいは2種以上を
組み合わせて用いられる。これらエチレン系不飽和単量
体(3)のうち、芳香族ビニル化合物としてはスチレン
が、不飽和カルボン酸アルキルエステル化合物としては
メタクリル酸メチルが、またシアン化ビニル化合物とし
てはアクリロニトリルがそれぞれ好ましく用いられる。
【0011】エチレン系不飽和単量体(3)の使用量
は、単量体混合物(a)においては、通常80〜96重
量%、好ましくは83〜93重量%の範囲であり、単量
体混合物(b )においては、通常35〜69重量%、
好ましくは41〜65重量%の範囲である。エチレン系
不飽和単量体(3)の使用量が単量体混合物(a)にお
いて、80重量%よりも少ないときは、古紙回収に必要
となる離解性が劣ることがあり、96重量%を越えると
きは、防湿性紙の防湿性に劣り、特に紙の折り曲げ時に
防湿性が低下することがある。また、エチレン系不飽和
単量体(3)の使用量が単量体混合物(b)において3
5重量%よりも少ないときは、古紙回収に必要となる離
解性が劣ると同時に防湿性紙の耐ブロッキング性が劣る
ことがあり、69重量%を越えるときは、防湿性紙の防
湿性に劣り、特に折り曲げ時の防湿性が低下することが
ある。本発明の共重合体ラテックスは、従来より知られ
ている乳化重合の方法、例えば、水のような水性媒体中
に単量体混合物、重合連鎖移動剤、重合開始剤、乳化剤
などを加えて乳化重合することにより製造することがで
きる。
【0012】重合連鎖移動剤は、一般に乳化重合におい
て知られている通常の連鎖移動剤を用いることができ
る。このような連鎖移動剤としては、例えば2−メルカ
プトプロピオン酸等のメルカプトカルボン酸またはその
塩(例えば、メルカプト酢酸アンモニウムなど)、例え
ばメルカプトこはく酸などのメルカプタンジカルボン酸
またはその塩(例えば、メルカプタンジカルボン酸塩な
ど)、例えば2−メルカプトエタノールなどの分子内に
水酸基を有するメルカプタン類、例えば2−メルカプト
エチルアミンなどの分子内にアミノ基を有するメルカプ
タン類、例えばチオグリコール酸、3,3’−チオジプ
ロピオン酸などの分子内にカルボキシル基を有するモノ
スルフィド類またはその塩、例えばβ−チオジグリコー
ルなどの分子内に水酸基を有するモノスルフィド類、例
えばチオジエチルアミンなどの分子内にアミノ基を有す
るモノスルフィド類、例えばジチオジグリコール酸、
2,2’−ジチオジプロピオン酸、などの分子内にカル
ボキシル基を有するジスルフィド類またはその塩、例え
ばチオジグリコール酸無水物などのようにモノスルフィ
ド類およびジスルフィド類の酸無水物、例えばD−,L
−またはDL−シスチンなどのように分子内にカルボキ
シル基とアミノ基を有するジスルフィド類、例えばクロ
ロメタノール、2−クロロエタノールなどの分子内に水
酸基を有するハロゲン化炭化水素類、例えばモノクロロ
酢酸、ジクロロ酢酸、クロロフマル酸、クロロマレイン
酸、クロロマロン酸などの分子内にカルボキシル基を有
するハロゲン化炭化水素類またはその塩、例えばクロロ
マレイン酸無水物などのようにハロゲン化炭化水素類の
酸無水物、例えばヘキシルメルカプタン、オクチルメル
カプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメ
ルカプタンなどのモノチオール類、例えば1,10−デ
カンジオール、トリグリコールジメルカプタンなどのジ
チオール、トリメチロールプロパントリスチオグリコレ
ートなどのトリチオール、例えばペンタエリスリトール
テトラキスチオグリコレートなどのテトラチオールな
ど、分子内に少なくとも2つのメルカプト基を有するポ
リチオール、例えばジメチルキサントゲンジスルフィ
ド、ジエチルキサントゲンジスルフィドなどのキサント
ゲンジスルフィド、例えばテトラメチルチウラムジスル
フィド、などのチウラムジスルフィド、例えば四塩化炭
素、四臭化炭素などのハロゲン化炭化水素、例えばメル
カプト酢酸2−エチルヘキシルエステル、メルカプトプ
ロピオン酸トリデシルエステルなどのメルカプトカルボ
ン酸アルキルエステル、例えばメルカプト酢酸メトキシ
ブチルエステル、メルカプトプロピオン酸メトキシブチ
ルエステルなどのメルカプトカルボン酸アルコキシアル
キルエステル、例えばオクタン酸2−メルカプトエチル
エステルなどのカルボン酸メルカプトアルキルエステル
およびα−メチルスチレンダイマー、ターピノーレン、
α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテン、アニソ
ール、アリルアルコール等を挙げることができる。
【0013】これらの連鎖移動剤は、単独で又は2種以
上を組み合わせて用いられる。これら連鎖移動剤のう
ち、モノチオール、ポリチオール、キサントゲンジスル
フィド、チウラムジスルフィド、メルカプト酢酸2−エ
チルヘキシルエステル、オクタン酸2−メルカプトエチ
ルエステル、メルカプト酢酸メトキシブチルエステル、
メルカプトプロピオン酸メトキシブチルエステル、α−
メチルスチレンダイマー、ターピノーレン等が好ましく
用いられる。これら連鎖移動剤の使用量は、使用される
全単量体100重量部に対して、通常、0.05〜20
重量部、好ましくは0.1〜15重量部の範囲であり、
最も好ましくは0.2〜10重量部である。重合開始剤
は、特に制限されるものではなく、例えば過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の無機過
硫酸塩、例えばクメンハイドロパーオキサイド、ベンゾ
イルパーオキサイド、などの有機過酸化物、例えばアゾ
イソブチロニトリルなどのアゾ系の開始剤等を用いるこ
とができる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用することができる。これらのうち、過硫酸カリウ
ム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸
塩などが重合安定性の面から好ましく用いられる。また
上記した重合開始剤は、重亜硫酸ナトリウム、硫酸第一
鉄などの還元剤と組み合わせてなるいわゆるレドックス
系重合開始剤としても用いることができる。重合開始剤
の使用量は、全単量体混合物100重量部当り、通常、
0.1〜5重量部程度であり、好ましくは0.2〜3重
量部程度である。
【0014】本発明において、乳化重合の際に用いられ
る乳化剤も特に制限されるものではなく、例えばドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリ
ウム、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム等のアニオン系界面活性剤、例えばポリオキシエチ
レンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルア
リールエーテル等のノニオン系界面活性剤、例えばラウ
リルベタイン、ステアリルベタインの塩などのアルキル
ベタイン型のもの、ラウリル−β−アラニン、ラウリル
ジ(アミノエチル)グリシン、オクチルジ(アミノエチ
ル)グリシンなどのアミノ酸型のものなどの両性界面活
性剤などを挙げることができる。これらは単独で又は2
種以上組み合わせて用いることができる。これらの乳化
剤のうち、特にドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム
またはドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリ
ウム等が好ましく用いられる。このような乳化剤の使用
量は、用いる全単量体混合物100重量部当りに、通
常、0.05〜2.5重量部程度であり、好ましくは
0.1〜1.5重量部程度である。また、本発明の重合
体ラテックスの製造においては、必要に応じて、乳化重
合をエチレンジアミン四酢酸ナトリウムなどのキレート
剤、ナトリウムホルムアルデヒドスルホキシレートなど
の分散剤や無機塩などの存在下に行ってもよい。
【0015】本発明のコア・シェル構造粒子を含む共重
合体ラテックスを製造するには、最初の仕込段におい
て、重合反応器内に単量体混合物(a)の全量を水系媒
体中で乳化重合してガラス転移温度が40℃〜90℃、
好ましくは50℃〜80℃で、ラテックス粒子の平均粒
子径が通常0.01〜0.3μm、好ましくは、0.0
5〜0.2μmのコア部としての共重合体ラテックスを
得、引き続き、最初の仕込段によって得られた共重合体
をシード粒子として、単量体混合物(b)を添加して乳
化重合させ、ガラス転移温度が−40℃〜20℃、好ま
しくは−30℃〜10℃でラテックス粒子の平均粒子径
が通常0.05〜0.5μm、好ましくは、0.1 〜
0.3μmのシェル部で構成される共重合体ラテックス
を得る。この乳化重合の方法としては、2段目から最終
段までを複数段に分割して添加する分割添加方式、2段
目から最終段までを連続して添加する連続添加方式、ま
たはこれらを組み合わせる方法があるがそのいずれでも
よい。本発明による共重合体ラテックスの製造におい
て、重合転化率は、好ましくは約90重量%程度以上、
さらに好ましくは約95重量%程度以上である。本発明
の共重合体ラテックス粒子のコア部とシェル部の重量比
は通常5〜50対95〜50、好ましくは10〜40対
90〜60である。コア部が全体の5重量%未満の場合
は古紙回収に必要な離解性が劣ることがあり、50重量
%を越える場合は防湿性紙の防湿性が劣ることがある。
また、本発明の共重合体ラテックスの製造にpH調整剤
が用いられるときは、例えばアンモニア、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウムなどのアルカリ性物質が用いら
れ、特にアンモニアの使用が好ましい。
【0016】共重合体ラテックスのpHは通常5〜1
0、好ましくは7〜9の範囲である。このpH値が5よ
り低いときは、得られる共重合体ラテックス及び、本発
明による塗工組成物の機械的安定性が十分でないことが
あり、10を越えると防湿性が劣ることがある。得られ
る共重合体ラテックスの表面張力は、通常43〜60m
N/m、好ましくは50〜60mN/mの範囲である。
表面張力が43mN/m未満であるときは、防湿性紙の
防湿性が劣り、特に折り曲げ時の防湿性が低下すること
がある。また、本発明において、共重合体ラテックスの
最低成膜温度(MFT)も重要であり、通常0〜60
℃、好ましくは10〜50℃の範囲である。最低成膜温
度が0℃より低い時は離解性に劣ることがあり、60℃
より高い場合はフィルムの形成能力が低下して均一なフ
ィルムが形成されず、そのため防湿性が劣ることがあ
る。本発明の共重合体ラテックスのゲル含有量(トルエ
ン不溶分)は通常80〜100%、好ましくは85〜9
9%の範囲である。ゲル含有量が80%未満であると防
湿性紙の離解性に劣ることがある。
【0017】本発明の防湿性紙に用いられるガラス質中
空微粒子(B)は、熱により変形しうる無機質非結晶性
固体からなる中空微粒子で、化学組成的には、SiO2
/Al23/K2O/Na2O/CaO/MgO/Fe2
3/TiO2/B23/ZnO/P26/SO3などか
ら構成されるものであるが、その殆どはアルミノケイ酸
塩を主成分とするものである。特に上記化学組成の内、
組成比率としてSiO2を55〜80%及びAl23
たはB23を10〜30%含むものが好ましい。これら
ガラス質中空微粒子は一般的に海洋浮力材、耐圧軽量部
材、パテ増量材、紙粘土、セメント系建築材料、白色顔
料代用などに使われているものである。本発明において
用いられるガラス質中空微粒子は、軽量のうえ等方性で
あるので、紙に塗工した際塗工層に異方性を与えず、し
たがって塗工層全体にあたり水蒸気の透過面積を小さく
し、紙の防湿性能を向上させると同時に、ワックスブリ
ード抑制性及び耐ブロッキング性にも著しい効果を発揮
することが見いだされた。ガラス質中空微粒子として
は、ガラス粉末を火炎中に噴霧して得られるガラスバル
ーン、およびガラス質火山砕屑物を焼成発泡させた微粒
シラスバルーン(中空体)が特に好ましく用いられる。
この微粒シラスバルーンを構成するガラス質砕屑物は各
産地により例えば、真珠岩と呼ばれる新城シラス、加久
藤シラス、例えば松脂岩と呼ばれる吉田シラス、中野白
土、美瑛白土などに分類される。
【0018】これらのガラス質火山砕屑物は化学組成に
おいてSiO2を高率で含有する酸性の流紋岩質に属す
るものである。このガラス質火山砕屑物を加熱して発泡
体を得る場合の発泡源はその中に含まれる水分であり、
中空微粒子は水熱反応を利用したガラス中の水分の増加
と風化表面層の生成により得られる。また、砂媒体流動
床炉を用いて急速加熱することによっても作られる。ガ
ラス質中空微粒子の平均粒子径は5〜500μm、好ま
しくは5〜100μm、さらに好ましくは5〜20μm
の範囲である。平均粒子径が500μmより大きい場合
は離解性が劣る場合がある。ガラス質中空微粒子のかさ
密度は、通常0.05〜1.0kg/m3、好ましくは
0.1〜0.5kg/m3の範囲である。かさ密度が
0.05kg/m3以下であると、例えば、紙器、紙箱
などの加工をする際、紙に罫線を入れ、この罫線に沿っ
て紙を折り曲げる工程で、防湿塗工層の破壊が起こり、
防湿性が損なわれる可能性がある。また、かさ密度が
1.0kg/m3より大きい場合は離解性が劣る場合が
ある。
【0019】本発明に用いられるワックスエマルジョン
(C)はワックスを乳化したものである。そのワックス
としては、例えばパラフィンワックス、キャンデリラワ
ックス、カルナバワックス、ライスワックス、モンタン
ワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワ
ックス、ペトロラクタム、フィッシャー・トリブッシュ
ワックス、ポリエチレンワックス、モンタンワックス及
びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びその
誘導体、硬化ひまし油、流動パラフィン、ステアリン酸
アミドなどが挙げられ、特にパラフィンワックスが好ま
しく用いられる。また、これらワックスエマルジョンを
調製する方法は公知の方法でよく、例えばワックス、樹
脂、及び流動化剤などを混合加熱するなどして溶融し、
これに乳化剤を加えて乳化すればよい。樹脂としては、
例えばロジン、ロジンエステル化合物、石油樹脂などが
用いられ、流動化剤としては、例えば多価アルコール、
多価アルコールのエステル化物などが用いられる。これ
らの混合物は溶融後、例えば、アニオン、カチオン、ノ
ニオンなどの界面活性剤、或いは、アンモニア、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウムなどの塩基性化合物、有機
アミン、スチレンーマレイン酸共重合体などを添加し乳
化することによりワックスエマルジョンとすることがで
きる。
【0020】本発明の防湿性組成物において、共重合体
ラテックス(A)、及びガラス質中空微粒子(B)の重
量配合比は、99.5 〜80:0.5 〜20の割合で
用いることが好ましく、99〜90:1 〜10の割合
で用いることがさらに好ましい。この重量配合比で共重
合体ラテックス(A)の配合比が99.5%を越える場
合、ワックスブリード現象による弊害を生じる可能性が
生じる場合がある。また、共重合体ラテックスの配合比
が80%より少ないときは、防湿性が劣ることがある。
ワックスエマルジョン(C)の配合量は、(A)と
(B)からなる配合液100重量部に対して、0.1〜
20重量部であることが好ましく、1〜10重量部であ
ることがさらに好ましい。この配合量が0.1重量部未
満であると防湿性が劣る場合があり、20重量部を越え
ると離解性が劣ると同時に防湿性紙が滑りやすくなった
り、或いはワックスブリード現象による弊害を生じる場
合がある。本発明の紙塗工用防湿性組成物中の固形分濃
度は、一般的に30〜70重量%、好ましくは35〜6
0重量%である。原紙に対する紙塗工用防湿性組成物の
塗工量は通常、3〜30g/m2で、好ましくは、5〜
20g/m2である。塗工量が3g/m2未満であると、
原紙表面の被覆が不十分となり、十分な防湿効果が得ら
れないことがあり、反対に30g/m2を越えると、離
解性に劣ることがある。塗工方法は、例えば、ロールコ
ーター、ブレードコーター、エアナイフコーターなどに
よる公知の方法で行うことができる。塗工後、乾燥工程
により、原紙上に防湿層が形成され、防湿性紙が得られ
る。この際、乾燥温度は通常80℃以上であることが好
ましい。
【0021】
【実施例】次に、本発明の紙塗工用防湿性組成物につい
て実施例及び比較例により、さらに詳しくに説明する
が、本発明は、これらに限定されるものではない。な
お、実施例において、「%」および「部」はすべて重量
基準である。 (i)共重合体ラテックス(1)の製造例 窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに、1,
3−ブタジエン36部、スチレン52部、メタクリル酸
メチル10部、イタコン酸1部、アクリル酸1部、過硫
酸カリウム0.5部、水100部、アルキルベンゼンス
ルホン酸ナトリウム0.5部およびt−ドデシルメルカ
プタン0.3部を仕込み、攪拌しながら、75℃にて反
応させた。15時間に亘って反応させた後、重合転化率
が95%以上に達した時点で、得られた反応混合物を3
0℃まで冷却し、アンモニア水を用いてpH8.0±
0.2に調整した。次いで反応混合物に水蒸気を吹き込
んで未反応単量体を除去し、さらにラテックスの固形分
濃度が48%になるまで濃縮して、目的とする共重合体
ラテックス(1)を得た。
【0022】(ii)共重合体ラテックス(2)の製造例 窒素置換した5リットル容量のオートクレーブに、第1
段の仕込みとして、1,3−ブタジエン3部、スチレン
26部、イタコン酸1部、過硫酸カリウム0.5部、水
100部、アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.
1部およびt−ドデシルメルカプタン0.1部を仕込
み、攪拌しながら、75℃にて反応させた。反応開始か
ら2時間後、第2段の仕込みとして、1,3−ブタジエ
ン32部、スチレン27部、メタクリル酸メチル10
部、アクリル酸1部をt−ドデシルメルカプタン0.2
部をアルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.5部と
共に5時間かけて連続的に添加した。15時間に亘って
反応させた後、上記共重合体ラテックス(1)の製造例
と同様の方法により共重合体ラテックス(2)を製造し
た。 (iii)共重合体ラテックス(3)〜(6)の製造例 単量体組成、乳化剤の量及び重合連鎖移動剤量を〔表
1〕に示した量に変えた以外は上記共重合体ラテックス
(2)の製造例と同様の方法により共重合体ラテックス
(3)〜(6)を製造した。得られた共重合体ラテック
ス(3)〜(6)の組成及び性状を、共重合体ラテック
ス(1)および(2)の組成及び性状とともに下記〔表
1〕に示した。なお、〔表1〕中における各成分の数値
は乾燥重量部である。
【0023】実施例1 水27重量部に化学組成SiO2/Al23/K2O/N
2O/CaO/MgO/Fe23/TiO2=69.7
/12.6/3.4/2.9/1.6/0.3/1.6
/0.3で表される吉田シラスバルーン5重量部を添加
し、さらに分散剤としてポリアクリル酸ナトリウム(ポ
イズ530 花王(株)製)を0.125部添加した後、
ホモミキサーにて十分に攪拌し、固形分濃度18%のガ
ラス質中空微粒子サスペンジョンを得た。引き続き、上
記共重合体ラテックス(1)とガラス質中空微粒子サス
ペンジョンを95:5重量部の割合で混合し、ワックス
エマルジョン(パラフィンワックス EW−1000
荒川化学社製)を3重量部添加し、十分に混合した後目
的とする紙塗工用防湿性組成物を得た。この水性エマル
ジョン組成物を米坪75gのクラフト紙の片面にメイヤ
ーバーを用いて、塗工量15g/m2になるように塗工
し、100℃で1分間乾燥して防湿性紙を作成した。
【0024】実施例2〜6 共重合体ラテックス(2)〜(6)のそれぞれを用い、
〔表2〕に示したとおりの成分を用いて実施例1と同様
にして紙塗工用防湿性組成物を調製した。これらの紙塗
工用防湿性組成物を用いて実施例1と同様にして防湿性
紙を作成した。 比較例1〜8 〔表2〕に示す成分を用いて実施例1と同様にして紙塗
工用防湿性組成物を調製し、これを用いて防湿性紙を作
成した。上記実施例1〜6、比較例1〜8で得られた組
成物の物性および組成物を塗布して得られた防湿性紙の
評価結果を〔表2〕および〔表3〕に示した。なお、組
成物の物性、防湿性紙の評価は、以下の方法にて測定し
た。
【0025】(1)ゲル分(トルエン不溶分) 得られた共重合体ラテックスをガラスモールドに流し、
厚さ0.3mmのフィルムを作成した。このフィルムを2
〜3mm角に切り、0.4gを精秤した。その試料をトル
エン100mlに浸漬し、30℃の振盪式恒温槽で6時間
振盪した。その後、100メッシュ金網でろ過し、ろ液
の固形分を求め、このゾル固形分よりゲル分を算出し
た。 (2)ガラス転移温度(Tg) 得られた共重合体ラテックスをガラスモールドに流し、
厚さ1.5mmのフィルムを作成した。このフィルムにつ
いて走査示差熱計を用いて測定した。 (3)最低成膜温度(MFT) ASTM D―2354―65Tに準じ東洋精機製作所
製、白化点温度試験装置を用いて測定した。 (4)平均粒子径 ラテックス:コールターカウンターMODEL N4+
(コールター(株)製)を用いて測定した。 ガラス質中空微粒子:レーザー回析式粒度分析装置(Sy
mpatec 社製)を用いて測定した。 (5)かさ密度:ホソカワミクロン社製パウダーテスタ
ーを用いて測定した。 (6)透湿度 JIS Z―0208(カップ法)B法に準じて、塗工面を外側
にして測定した。 (7)離解性 800mlの水に対して、1cm×1cmに裁断した防
湿性紙16gを投入し、家庭用ミキサーに入れ1分間攪
拌後、スラリーを取り出し、未離解物(フィルム片、紙
片)の有無を目視で次の基準により評価した。 未離解物を含まず、完全に離解するもの :○ 1mm以上の未離解物が存在するもの :△ 2mm以上の未離解物がフィルム状で存在するもの :×
【0026】(8)耐ブロッキング性 10cm角の大きさの防湿性紙の塗工面と非塗工面を合わ
せて接触させ、温度40℃、圧力15kg/cm2で20分
圧着した後取り出し、その2枚の紙片の接着状態を観察
し、次の基準で評価した。 塗工面と非塗工面が容易に剥がれた場合 :○ 塗工面および非塗工面の面積の20〜39%が紙層破壊した場合 :△ 塗工面および非塗工面の面積の40%以上が紙層破壊した場合 :× (9)摩耗係数とワックスブリード抑制性 防湿性紙の塗工面と非塗工面を重ね合わせ、40℃、線
圧10Kg/cm下において、スーパーカレンダーに1回通
し、非塗工面の摩擦係数をJIS P8147の方法に
準じて測定した。但し、測定速度は100mm/分の条件
にて測定した。標品となる原紙そのものの摩擦係数は
0.50であった。そこで次の基準に従ってワックスブ
リード抑制性を評価した。 摩擦係数0.40以上 :○ 摩擦係数0.3以上0.4未満 :△ 摩擦係数0.3未満 :×
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【表3】
【0030】防湿性紙の評価結果 〔表2〕から明らかなとおり、実施例1〜6で得られた
塗工用防湿性組成物を塗布した防湿性紙は、透湿度(透
湿度が50g/m2/24hr.以下でれば防湿性紙と
して実用性があるとされている。)、離解性、耐ブロッ
キング性およびワックスブリード抑制性のいずれの点で
も良好で、古紙回収可能な防湿性紙として十分な実用性
を有している。これに対し、比較例1はガラス質中空微
粒子を配合しなかった例であるが、得られた防湿性紙は
透湿度、離解性、耐ブロッキング性、ワックスブリード
抑制性のいずれも不十分であった。比較例2はワックス
エマルジョンを配合しなかった例であるが得られた防湿
性紙は透湿度が高く防湿性紙としての実用性に乏しい。
比較例3〜8は、ガラス質中空微粒子に代えて種々の無
機質微粒子フィラーを用いた例であるが〔表3〕に示さ
れているようにいずれの場合も古紙として回収可能な防
湿性紙を得ることができない。
【0031】
【発明の効果】本発明の紙塗工用防湿性組成物を塗布す
ることにより得られる防湿性紙は、防湿性が高く、紙を
折り曲げても防湿性の低下が少ないうえ、ブロッキング
を起こさず、ワックスブリードも少ない。しかも離解性
が優れるため古紙として回収可能である。
フロントページの続き (72)発明者 三好 寿一 大阪府大阪市淀川区十三本町二丁目17番85 号 武田薬品工業株式会社化学品カンパニ ー内 Fターム(参考) 4L055 AG30 AG51 AG64 AG70 AG71 AG76 AG89 AG94 AG97 AH02 AH37 AH48 AJ02 AJ08 BE08 EA16 EA20 EA25 EA29 EA32 EA33 FA30 GA47

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】共重合体ラテックス(A)、ガラス質中空
    微粒子(B)およびワックスエマルジョン(C)を含有
    してなる紙塗工用防湿性組成物。
  2. 【請求項2】(A)がガラス転移温度(Tg)40〜9
    0℃のコア部及びTg−40〜20℃のシェル部からな
    るコア・シェル構造粒子を含有するものである請求項1
    記載の組成物。
  3. 【請求項3】(A)対(B)の配合重量比が、99.5
    〜80:0.5 〜20であり、(C)の配合重量が
    (A)と(B)の合計100重量部に対して、0.1〜
    20重量部である請求項1または2記載の組成物。
  4. 【請求項4】(A)におけるコア部が脂肪族共役ジエン
    系単量体(1)3〜15重量%、エチレン系不飽和カルボ
    ン酸単量体(2)0.2〜7重量%および(2)以外のエチレ
    ン系不飽和単量体(3)80〜96重量%からなる単量体
    混合物(a)を乳化重合させて得られるものであり、シ
    ェル部が脂肪族共役ジエン系単量体(1)3〜60重量
    %、エチレン系不飽和カルボン酸単量体(2)0.2〜7
    重量%及び(2)以外のエチレン系不飽和単量体(3)35〜
    69重量%からなる単量体混合物(b)を乳化重合させ
    て得られるものである請求項2記載の組成物。
  5. 【請求項5】(A)中のコア・シェル構造粒子が、5〜
    50重量%のコア部および50〜95重量%のシェル部
    から構成されている請求項2記載の組成物。
  6. 【請求項6】(A)の最低成膜温度が0〜60℃である
    請求項1または2記載の組成物。
  7. 【請求項7】(A)がゲル含有量80〜100重量%の
    ものである請求項1または2記載の組成物。
  8. 【請求項8】(A)のラテックス粒子が平均粒子径0.
    05〜0.5μmのものである請求項1または2記載の
    組成物。
  9. 【請求項9】(A)が43〜60mN/mの表面張力を
    有するものである請求項1または2記載の組成物。
  10. 【請求項10】(B)が平均粒子径5〜500μm、及
    びかさ密度が0.05〜1.0kg/m3のものである
    請求項1または2記載の組成物。
  11. 【請求項11】請求項1記載の紙塗工用防湿性組成物を
    紙支持体上に塗工して得られる防湿性紙。
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