繊維構造物
技 分野
本発明は、 紙又はセルロース らなる繊維構造物に係 り 、 特に 、 フ ッ素系耐油剤を用いず 、 耐水性及び耐油性を向上 し得る繊維構造物に関する明。
背 技術
田
従来、 紙などの繊維構造物に耐油性 - 耐水性を付与する方 法と しては、 長年にわた り 、 フ ッ ¾系耐油剤が用いられてい る フ ッ素系耐油剤は、 紙表面に塗布される と 紙の表層繊 維の表面張力を、 一般的な油脂や水な どの液体の表面張力よ り低く 改質する。 すなわち、 フ ッ ¾系耐油剤は 液体をは じ かせて濡れにく く する こ とで、 紙の繊維中に液体が浸透する - と を抑えている。
しかしなながが らら、、 最最近近のの研研究究にによ り 、 一部のフ ッ素系耐油剤 は 生物にに蓄蓄積積性性ののああるる化化学学物物質である こ と が懸念されてい る このたためめ、、 フフ ッッ素素系系耐耐油油剤剤は、 製造を見直す動きが大手 メ カーのの数数社社にに出出ててききてていいるる c。
一方、 フ ッ素系耐油剤を用いずに耐油性 ■ 耐水性を付与す る技術と し て は、 ポ リ エ チ レ ン ( P E ) 、 ポ リ プ ロ ピ レ ン
( P P ) 等のプラスチック フ ィ ルムを紙に貼 り 合わせてなる 耐油紙がある (例えば、 実開平 6 — 3 2 0 2 7 号公報を参 照。 ) 。
し.かしなが ら、 以上のよ う なポ リ エチレン等を貼り 合わせ た耐油紙は、 コス トが安いものの、 紙と して リ サイ クルする
こ とが困難となっている。
本発明の 目的は、 フ ッ素系耐油剤を用いずに 、 耐油性 . 耐 水性を有し、 繊維構造基材を容易に リ サィ クルし得る繊維構 造物を提供する こ とである。
発明の開示
目的を達成するために、 本発明の繊維構造物は下記の 如く構成されている。
本発明の第 1 の局面 ( a s p e c t )は、 平面状の繊維構造基材 を有する繊維構造物であって、 塗料固形分が 1 0 %〜 6 0 % の範囲内でポリ エス テル系樹脂を含んだ 料が目 U記繊維構造 基材の片面又は'両面に塗工されて形成されたポリ エステノレ系 樹脂層を備えた繊維構造物である。
このよ う に本発明の第 1 の局面は、 従来と は異な り 、 リ サ イ タ ル時に繊維構造基材から容易に分離可能なポリ エステル 系樹脂層を繊維構造基材の片面又は両面に形成した構成によ り 、 フ ッ素系耐油剤を用いずに、 耐油性 • 耐水牲を有し、 繊 維構造基材を容易に リ サイ クルでき る繊維構造物を提供する こ とができ る。
本発明の第 2 の局面は、 第 1 の局面にねいて 、 刖記ポ リ ェ ス テノレ系樹脂層と しては、 鎖式炭化水素の珠水基によ り 修飾 されている繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 2 の局面は、 1 の局面の作用に カロえ、 ポ リ エステル系樹脂層が疎水基 ( 油基 ) をもつので 耐水性を向上させる こ とができ る。
本発明の第 3 の局面は、 第 2 の局面に いて 、 刖記疎水基
の炭素数が 8 ~ 2 4の範囲内にある繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 3 の局面は、 第 2 の局面の作用に カロえヽ 粘性の高い油などの侵入を抑制するこ とができる。
ュ 本発明の第 4 の局面は、 第 1 〜第 3 の各局面において 、 刖
IDポ V ェステル系樹脂層 と しては、 ガラ ス転移点 ( J I S
K 7 1 2 1 ) が 2 5 °C〜 1 5 °Cの範囲内にある繊維構造物で める
これによ り 、 本発明の第 4 の局面は、 第 1 〜第 3 の各局面 の作用に加え、 耐油性 · 耐水性をよ り 向上させる こ と ができ る。
本発明の 5 の局面は、 第 1 〜第 4 の谷局面において、 前 記ポ リ ェステル系樹脂層 と しては、 ガラ ス転移点 ( J I s
K 7 1 2 1 ) が 1 0 °C〜 一 4 0 °Cの範囲內にある ラ テ ッ ク ス 系樹脂がグラフ ト又は混合されている繊維構造物である。
これに り 、 本発明の第 5 の局面は、 第 1 〜第 4 の各局面 の作用に加ぇ -, ラテ ツ ス系樹脂によ り 柔軟性を付与する こ とができ る。
本発明の第 6 の局面は、 第 1 〜第 5 の各局面において、 前 記ポ リ エス テル系樹脂層 と しては、 無機剤が混合されている 繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 6 の局面は、 第 1 〜第 5 の各局面 の作用に加え、 無機剤の作用によ り 、 接着剤の接着性の向上 及び油の吸着性の向上を図る こ とができる。
本発明の第 7 の局面は、 第 6 の局面において、 前記無機剤 が 0 . 1 重量%〜 1 0重量%の範囲内で混合されている繊維
構造物である。
これによ り、 本発明の第 7 の局面は、 第 6 の局面の作用に 加え、 無機剤によ り 形成される ピンホールを問題の無い範囲 に抑制する こ とができる。
本発明の第 8 の局面は、 第 1 〜第 7 の局面のいずれかにお いて、 前記繊維構造基材の コ ッ プ吸水度 ( J I S 8 1 4 0 ) が当該繊維構造基材の秤量 ( g / m 2 ) 未満の値であ り 、 且つ前記ポ リ エステル系樹脂層の塗布量が 1 g / m 2 〜 3 0 g Z m 2の範囲内にある繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 8 の局面は、 第 1 〜第 7 の各局面 の作用に加え、 秤量未満のコ ップ吸水度をもつ繊維構造基材 に関し、 塗布量の最適化を図る こ とができる。
本発明の第 9 の局面は、 第 1 〜第 7 の各局面において、 前 記繊維構造基材のコ ップ吸水度 ( J I S P 8 1 4 0 ) が当 該繊維構造基材の秤量 ( g / m 2 ) 以上の値であ り 、 且つ前 記ポ リ-エス テル系樹脂層の塗布量が 3 g Z m 2 〜 3 0 g /
2の範囲内にある繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 9 の局面は、 第 1 〜第 7 の各局面 の作用に加え、 秤量以上のコ ップ吸水度をもつ繊維構造基材 に関 し、 塗布量の最適化を図る こ とができ る。
本発明の第 1 0 の局面は、 第 1 〜第 9 の各局面において、 コ ッブ吸水度 ( J I S P 8 1 4 0 ) が l O g Z m 2以下で ある繊維構造物である。 .
こ.れによ り 、 本発明の第 1 0 の局面は、 第 1 〜第 9 の各局 面の作用に加え、 コ ップ吸水度を規定したので、 優れた耐水
性を保証する こ とができる。
本発明の第 1 1 の局面は、 第 1 〜第 1 0 の各局面において、 撥水度 ( J I S P 8 1 3 7 ) が R 8 以上である繊維構造物 5め 。
これによ り 、 本発明の第 1 0 の局面は、 第 丄 9 の各局 面の作用に加え、 撥水度を規定したので、 れた撥水性を保 証する こ とができる。
本発明の第 1 2 の局面は、 平面状の繊維構造基材と 、 m記 繊維構造基 上に形成された S B R系ラテ ク タ ス系樹脂層と、 前記 S B R系ラテックス系樹脂層上に形成されたポ ェステ ル系樹脂層と、 を備えた繊維構造物である。
こ のよ つ に本発明の第 1 2 の局面は、 従来と は異な り ヽ リ サイ クル時に繊維構造基材から容易に分離可能な s B R系ラ テ ッ ク ス系樹脂層及びポ リ エステル系樹脂層を繊維構造基材 上に形成 した構成によ り 、 フ ッ素系耐油剤を用いずにヽ 耐油 性 ' 耐水性 -を-有し、 繊維構造基材を容易に サイ クルでき る 繊維構造物を提供する こ と ができ る。 また 、 本発明の第 1 2 の局面はヽ S B R系ラテ ッ ク ス系樹脂層を備えた構成によ り 、 柔軟性を向上させるこ とができる。
本発明の第 1 3 の局面は、 第 1 2 の局面におレヽて 、 IDポ リ エステル系樹脂層 と しては、 鎖式炭化水素の練水基によ り 修飾されている繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 1 3 の局面は、 第 1 2 の局面の作 用に加えヽ ポリ エス テル系樹脂層が疎水基 (親油基 ) をもつ ので耐水性を向上させる こ とができる。
本発明の第 1 4 の局面は、 第 1 3 の局面において、 前記疎 水基の炭素数が 8 〜 2 4の範囲内にある繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 1 4 の局面は、 第 1 3 の局面の作 用に加え、 粘性の高い油などの侵入を抑制する こ とができ る。
本発明の第 1 5 の局面は 、 第 1 2〜第 1 4 の各局面におい て、 前記ポ リ エス テノレ系樹脂層 と しては、 ガラス転移点 ( J
I S K 7 1 2 1 ) 力 S 2 5 °C〜 1 5 °Cの範囲内 ある繊維構 造物である。
これによ り 、 本発明の第 1 5 の局面は、 第 1 2 〜第 1 4 の 各局面の作用に加え、 耐油性 · 耐水性をよ り 向上させる こ と ができる。
本発明の第 1 6 の局面は 、 第 1 2〜第 1 5 の各局面におい て、 前記 S B R系ラテ ックス系樹脂層 と しては 、 ガラス転移 点 ( J I S K 7 1 2 1 ) が 1 0 °C 4 0 。cの範囲内にあ る繊維構造物である。
これによ り 、 本発明の第 1 6 の局面は、 第 1 2 〜第 1 -5 の 各局面の作用に加え、 ラテ ック ス系樹脂によ り 柔軟性を付与 する こ とができ る。
本発明の第 1 7 の局面は 、 平面状の下記 A繊維構造基材と、 予めポ リ エステル系樹脂と ラテ ックス系樹脂と を混合した 塗工液を前記 A繊維構造基材の片面又は両面に塗工し乾燥さ せて形成した混合樹脂層と、 > を備えた繊維構造物である。
A : 前記塗工液が塗工される面の表面粗さ ( J I S B 0
1 0 0 1 ) が最大高 さ ( R m a ) で 3 0 〜 5 μ m の範囲内にあ り 、 且つ前記塗工液が塗工される面をコ ップ吸水度 ( J I s
P 8 1 4 0 ( 1 9 7 6 ) ) の試験方法における蒸留水と の接触時 間を 1 0秒間と して試験した場合、 得られる吸水度が 1 0 0 〜 1 0 [ g / m 2 · i 0秒] の範囲内にある繊維構造基材。
このよ う に本発明の第 1 7 の局面は、 従来と は異な り 、 ポ リ エステル系樹脂と ラテ ックス系樹脂との混合樹脂層を繊維 構造基材上に形成した構成によ り 、 前述した第 5 の局面と同 様の作用効果を得る こ と ができ る。 また、 本発明の第 1 7 の 局面は、 繊維構造基材の塗工面の表面粗さ と コ ップ吸水度と を規定した構成によ り 、 必要最小限の塗工量で済むので、 プ ラスチックの使用量の低減を図る こ とができる。
図面の簡単な説明
図 1 は本発明の第 1 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図である。
図 2〜図 4 は同実施形態の包装体の一例を説明するための 模式図である。
図 5 は同実施形態の-繊維構造物の変形構成を示す模式図で..… ある。
図 6 は本発明の第 2 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図である。
図 7 は本発明の第 3 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図である。
図 8 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図で ある。
図 9 は本発明の第 4 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図である。
図 1 0 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図 である。
図 1 1 は本発明の第 5 の実施形態に係る繊維構造物の断面 構成を示す模式図である。
図 1 2 は本発明の第 6 の実施形態に係る繊維構造物の断面 構成を示す模式図である。
図 1 3 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図 である。
図 1 4 は本発明の第 7 の実施形態に係る繊維構造物の断面 構成を示す模式図である。
図 1 5 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図 である。
図 1 6 は本発明の第 9 の実施形態に係る繊維構造物を説明 するための模式図である。
図 1 7 は本発明の第 1 0 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。
図 1 8 〜図 2 8 は、 同実施形態の繊維構造物の変形構成を 示す模式図である。
図 2 9 は本発明の第 1 7 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。
図 3 0 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図 である。
図 3 1 は本発明の第 1 8 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構,成を示す模式図である。
図 3 2 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図
である。
図 3 3 は本発明の第 1 9 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。
図 3 4 は同実施形態の繊維構造物の変形構成を示す模式図 である ο
図 3 5 は本発明の第 2 1 の実施形態に係る繊維構造物を説 明するための模式図である。
発明を実施するための最良の形態
以下 、 本発明の各実施形態について図面を参照 しなが ら説 明する 。 なお、 第 1 〜第 1 6 , 第 2 3 の実施形態は 、 繊維構 造基材 Τ上にポ リ エス テル系樹脂層 R 1 を備えた構成に関す
Ό o 第 1 7 〜第 2 2 の実施形態は、 さ らに、 繊維構造基材 τ と ポ リ エステル系樹脂層 R 1 と の間に S B Rラテ ック ス樹脂 層 R 0 を備えた構成に関する。
( , 1 の実施形態)
図 1 は本発明の第 1 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成 示す模式図である。 こ の繊維構 物 T s 1 は、 平面状の 繊維構造基材 Τ と、 こ の繊維構造基材 Τ の片面に涂ェによ り 形成されたポ リ エステル系樹脂層 R 1 と を備えている。
こ こ で、 繊維構造基材 Τは、 紙又はセルロ ース構造物であ り 、 例えば、 広葉樹晒ク ラ フ トパルプ、 針葉樹晒ク ラ フ トパ ルプ等の化学パルプ、 G P (ground pulp: 砕木パルプ)、 R G P (refiner ground pulp: リ フ ァ イ ナー碎木パノレプ)、 T M P (thermomechanical pulp: サーモメ カ -力ノレノヽ0 ノレプ)等の機;!戒 パルプ、 又はこれらを原料と した原紙が使用可能となってい
る。 この原紙の定義は、 公知の長網多筒型抄紙機、 長網ヤン キー型抄紙機、 円網抄紙機等で抄造される上質紙、 中質紙、 片艷紙及ぴク ラ フ ト紙等の酸性紙、 中性紙、 アルカ リ 性紙を 包含 している。 これらの原紙は、 紙力増強剤、 サイズ剤、 填 料、 歩留向上剤等の抄紙補助薬品が含まれていてもよい。
具体的には、 繊維構造基材 Tが紙の場合、 例と して、 上質 紙、 模造紙、 ク ラフ ト紙な どの薄紙や、 板紙、 段ボール、 不 織布などが挙げられる。 また、 繊維構造基材 Tがセルロース 構造物の場合、 例と して、 パルプモール ド等、 セルロース繊 維を主体と した構造物が挙げられる。
ポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 繊維構造基材 Tに耐水性及 ぴ耐油性を付与するための樹脂層であ り 、 塗料固形分 1 0 % 〜 6 0 %の範囲内でポ リ エステル樹脂が水分散された塗料が 塗工されて形成されている。
こ こで、 耐水性について述べる。 一般的に水酸基 ( O H ) をもつセノレロー スを主体と した紙や、 パノレプモーノレ ド体のよ う な繊維構造基材 Tは、 セルロ ース繊維同士が強固な水素結 合で結ばれて形状を保っている。 このため、 水蒸気や液体の 水が浸透 した際には、 水酸基が緩み、 繊維構造基材 Tに形態 の変化や千切れ等の破損を生じさせる。 従って、 耐水性は、 こ の よ う な破損の防止に加え、 水の浸透に よ る外観の変化 (しみ) の防止をも含んでいる。
耐油性は、 一般的には次の 2つの意味を持つ。 ( 1 ) 外観 の変化 ( しみ) を防ぐ (包装製品の衛生、 安全性、 商品ィ メ ージの保護) 。 ( 2 ) 油が繊維表面に しみ込んで裏面に突き
抜けて服や手な どに付着する可能性を少な < するために、 油 が繊維に浸透する速度を遅 < する 匕
曰 (フ ク素系耐油紙) 、 '又 は油の繊維への ϊ ^ を 兀全に防止する ( P E ラ ミネー ト) をい う
なお では耐油性はヽ 油が浸透した 合に、 繊維構造 基材 Tに強度の劣化や形態の変化など 生じさせない旨をい い、 逆に、 繊維構造基材 T の 1 隙 高分子が埋めて剛直にす る場合を含む
耐油性に優れる樹脂は 、 ポ V ェステル樹脂の他に、 アタ リ ル/ス チ レ ン系樹脂、 ラテ クク ス ( S B R ) 、 又はそれらに 油の吸着剤 と して無機剤 (灰酸力ルシクムヽ 水酸化アル ミ 二 ゥム、 アルミ ナ 、 力オリ ンヽ 又はタルク等 ) を添加した樹脂 がある 。 伹しヽ 本実施形態ではヽ ポ V ェステル系樹脂を主剤 とする材料を固形分 1 0 % 〜 6 0 %で分散させた塗料を繊維 構造基材 Tに 布し乾燥させる · - と によ り 、 耐油性をもつポ リ エステル樹脂層 R 1 を繊維構造基材 T の表面に形成した-。
ヽ 固形分 1 0 %未満の場合、 溶媒を ヽ 揮散させ るための乾燥ヱネルギ一が過剰にな り 生産の観点から好ま し
< ない。 一方、 固形分 7 0 %以上の場合 、 溶媒が揮発 、 揮散 させるための必要乾燥エネルギ一が低く な り 、 逆に塗ェ時に 版上で早乾し、 版詰ま り 等を生じ易いので、 生産の観点から 好ま しく なレヽ。 また、 固形分 6 1 % 〜 6 9 %の範囲は 、 使用 可能であるカ 、 本実施形態では 、 固形分 7 0 %以上の 合か ら離.す趣 で使用 しなかった。
また、 塗ェ方法と しては、 繊維構造基材 τ の表面を樹脂で
塗ら し、 繊維の空隙を埋めて樹脂層 (樹脂皮膜) を作成する 方法であれば、 いずれの方法を選択しても よ く 、 また異なる 方法と適宜組み合わせても良い。 具体的な塗工方法は、 ロー ルコー ト 、 グラ ビア コー ト、 カーテンコー ト 、 スプレーコー ト - ブレー ド、コー ト 、 口 、ソ ド、バーコー ト、 コ ンマ コー ト 、 ェ アブレ一 ドコー ト、 ダイ コー ト、 キャ ス ト コー ト な ど、 ほ と んど全ての塗工方法が使用可能と なっている。 また、 最近、 改良開発が進んでいるスプレーコー ト法にも良好に使用でき る。
以上のよ う な繊維構造物 T. s 1 は、 例えば、 印刷 ■ 情報用 紙、 包装用紙、 衛生用紙、 工業用紙な どの用途に使用可能と なっている。 伹し、 これらの用紙に限らず、 繊維構造物 T s 1 は、 紙容器、 袋、 合成樹脂フ ィ ルム と組合せた複合容器な どといった包装体と しても使用可能と なっている。
図 2〜図 4 は繊維構造物を用いた包装体 Pの一例を説明す るための模式図である。 この包装体 Pは、 ポ リ エステル系樹 脂層 R 1 が内側にあ り 、 繊維構造基材 Tが外側にある よ う に 製造される。
詳しく は、 図 2 に示す如き、 展開 した状態から繊維構造物 T s 1 の側部の a 〜 e 面に接する藓線部 (折り 曲げ部) f 1 を折り 曲げた後、 側部の b 面と e 面を接着する。 また、 底部 の a 1 面と b 1 ■ c 1 面を接着し、 側部の d 面と a 2面を互 いに接着する。 しかる後、 破線の薺線部 f 1 を外部から谷折 り する こ と によ り 、 図 3 に示すよ う に、 折 り 畳み状態に製造 される。
この折 り 畳み状態は、 例えば食品販売店への輸送時や保管 時に対応 してお り 、 使用時には、 図 4 に示す如き、 箱型の状 態に容易に組み立て可能と なっている。
なお、 繊維構造物 T s 1 は、 包装体 Pに用い られる場合、 図 5 に示すよ う に、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を繊維構造基 材 T に選択的に塗工 し、 露出 させた繊維構造基材 T に糊層 (接着剤層) A d hを形成してもよい。
また、 いずれに しても、 以上のよ う な包装体 P は、 後述す る繊維構造物 T s 2 〜 T s 7 , T s 1 x〜 T s 7 x でも同様 に適用可能となっている。 さ らに、 包装体 P は、 図 4 に示す 構成に限らず、 例えば他の箱型形状又は袋型形状をもつ構成 といった任意の構成が適用可能である こ と は言 う までもない。 例えば包装体 Pは、 図 3 に例示 したよ う な折り 畳み状態を もつ必要はなく 、 例えば底部が蓋部よ り も小さい形状に設計 して積み重ね可能に実現しても よい。 但し、 この種の積み重 ね可能な構成も一例であ り 、 包装体 P に必須ではない。 すな わち、 包装体 P と しては、 例示 した折り 畳み状態や積み重ね 可能といった省スペース化を図る構成は必須ではない。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物及び包装体の作 用について説明する。
(製造時)
始めに、 ポリ エステル系樹脂を主剤とする材料を固形分 1 0 %〜 6 0 %の範囲内で分散させた塗料を準備する。 また、 この塗料を塗工する繊維構造基材 τを準備する。
続いて、 図 1 に示すよ う に、 繊維構造基材 Tの片面に塗料
を塗工し、 乾燥させる こ と によ り 、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を繊維構造基材 Tの表層に形成する。 これによ り 、 繊維構 造物 T s 1 の製造が完了する。
次に、 この繊維構造物 T s 1 は、 図 2 に示す如き、 藓線部 f 1 が形成された展開状態に裁断される。 しかる後、 S線部 f 1 が折 り 曲げられ、 側部及ぴ底部の重なる面が接着される こ と によ り 、 図 3 に示す如き、 折 り 畳み状態の包装体 P に加 ェされる。
(使用時)
包装体 Pは、 通常、 この折り 畳み状態で食品販売店に輸送 されて保管される。 しかる後、 販売した食品の包装時に、 図
4 に示す如き、 箱型の状態に組み立てられる。
そ して、 包装体 P は、 例えば、 から揚げ等の油物の食品を 収容した状態で、 利用者に渡される。
こ の と き、 包装体 P の内側では、 例えば繊維構造物 T s 1 のポ リ エステル系樹脂層 R 1 の表層に接触した水も し く は油 が浸透し難いため、 表層に塗れ広がる。 但し、 利用者は、 油 が包装体 Pの外側に浸み出すまでには、 包装体 P から食品を 取出 して食べるので、 手を汚すこ とが無い。
( リ サイ クル時)
使用後の包装体 P は、 ゴミ と して廃棄される。 廃棄された 包装体 P は、 リ サイ クル時に、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 と 、 繊維構造基材 Tの素材とが容易に分離される。 得られた繊維 構造基材 T の素材は、 例えば紙と してリ サイ クルされる。
上述したよ う に本実施形態によれば、 従来と は異な り 、 リ
サイ クル時に繊維構造基材 Tから容易に分離可能なポ リ エス テル系樹脂層 R 1 を繊維構造基材の片面又は両面に形成 した 構成によ り 、 フ ッ素系耐油剤を用いずに、 耐油性 · 耐水性を 有し、 繊維構造基材を容易に リ サイ ク ルでき る繊維構造物を 提供する こ と ができ る。
特に、 優れた耐油性を平面部、 鄞線部 (折り 曲げ部) にも 付与した紙又はセルロース構造物を提供する こ とができる。
次に、 以上のよ う な第 1 の実施形態の変形例と して第 2 〜 第 7 の実施形態を説明する。 第 2 〜第 7 の実施形態は、 ポリ エステル系樹脂層 R 1 を備えた構成をもつ点で共通 し、 ポリ エステル系樹脂層 R 1 の備え方 (片面 · 両面 . 全域) や、 平 滑性を向上させるク レー層の備え方 (有り ; 片面 · 両面 · 全 域、 無し) といった付加的な構成が異なる点が相違している。 以下、 順に説明する。
(第 2 の実施形態)
図 6 は-本発明の第 2 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図であ り 、 図 1 と 同一部分には同一符号を付し てその詳 しい説明を省略し、 こ こでは異なる部分について主 に述べる。 なお、 以下の各実施形態も同様に して重複した説 明を省略する。
本実施形態は、 第 1 の実施形態の変形例であ り 、 図 6 に示 すよ う に、 繊維構造物 T s 2が繊維構造基材 Τの両面にポ リ エステル系樹脂層 R 1 を備えている。
こ.こで、 両面のポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 抄紙時にサ ィズプレスによ り 、 1 回の工程で繊維構造基材 Τの両面に微
塗工されて形成されている。 伹し、 これに限らず、 2 回のェ 程で両面に形成してもよい。
繊維構造基材 T と しては、 薄紙又は厚紙 (カ ップ) と、 一 般紙との 2通 り の原紙種類を個別に用いた。 なお、 薄紙又は 厚紙 (カ ップ) は、 コ ップ吸水度 ( J I S P 8 1 4 0 ) 力 S
4 0 [ g / m 2 · 2分] 以下のもの (撥水性の高いもの) を 用いた。 また、 一般紙は、 コ ップ吸水度が紙秤量と 同 じもの
(撥水性の低いもの) を用いた。 また、 ベック平滑度 ( J I
5 P 8 1 1 9 ) は、 薄紙又は厚紙 (カ ップ) と一般紙との 両者と もに、 3 〜 1 0秒程度と低いも の (粗いもの) を用い た。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について 述べる。
繊維構造物 T s 2 は、 各繊維構造基材 Tに関し、 抄紙時に サイ ズプレスに よ り 、 図 6 に示すよ う に、 ポ リ エステル系樹 脂層 R 1-が繊維構造基材 Tの両面に微塗工されて形成される。 これによ り 、 繊維構造物 T s 2 の製造が完了する。
このよ う に得られた繊維構造物 T s 2 は、 次のよ う な特性 を有していた。
繊維構造基材 Tが薄紙又は厚紙 (カ ップ) の場合、 ポ リ エ ステル系樹脂層 R 1 を塗布量 4 g Z m 2 で形成した場合と 6 g / m 2 で形成 した場合とでは、 平面部の耐油性は共に低い ものの、 塗布量を多く した方が若干、 耐油性が向上した。 ま た、 .朞線部の耐油性は若干低く 、 平面部の撥水性も R 3 〜 R 4 と低かった。
一方、 繊維構造基材 Tが一般紙の場合、 ポ リ エス テル系樹 脂層 R 1 を塗布量 4 g Z m 2で塗布 した場合と 6 g / m 2 で 塗布 した場合と では、 平面部の耐油性は共に低かつた。 また、 穽線部の耐油性は低く 、 平面部の撥水性も R 3〜 R 4 と低か つ 7こ 0
また、 リ サイ クルの容易性は、 繊維構造基材 Tの原紙種類 とは無関係に得る こ とができたこ とは言う までもない。
上述したよ う に本実施形態によれば、 繊維構造基材 τが薄 紙又は厚紙 (カ ップ) の場合、 第 1 の実施形態の効果の う ち、 平面部の耐油性と リ サイ クルの容易性とが得られる ものの、 微塗工のためか、 鄞線部の耐油性が見られなかった。
また 、 繊維構造基材 τが一般紙の場合 、 第 1 の実施形態の 効果の う ち、 リ サイ クルの容易性が得られる のの、 平面部 及び暴線部の耐油性が見られなかった。
従つて、 本実施形態のよ う に微塗ェの場 Πヽ 繊維構 1H 材
T の う.ち.の コ ッブ吸水度が高いも のは不向きである こ と が分 かる。 また、 本実施形態のよ う に微塗ェの士 ¾县7 A口 、 折り 曲げ部 を有する包装体 P には不向きであるので 、 業務用紙や中敷き 紙等といった折り 曲げ部の無い用途に用いる こ と が好ま しい と考えられる。
(第 3の実施形態)
図 7 は本発明の第 3 の実施形態に係る繊維構 物の断面構 成を示す模式図である。 こ の繊維構造物 T s 3 は 、 片面にク レー層 Cを有する平面状の繊維構造基材 T と 、 ク レ一層 c と は反対側の繊維構造基材 Tの片面 (ノ一 一 ト面 ) に塗工に
よ り 形成されたポ リ エステル系樹脂層 R l と を備えている。 伹し、 これに限らず、 前述同様に図 8 に示すよ う に、 繊維構 造基材 T上に部分的に糊層 A d hを形成してもよい。
こ こで、 繊維構造基材 T と しては、 厚紙 (カ ップ) 、 厚紙 (アイボ リ ー) 、 厚紙 (カー ド、 コー トボール) の 3 通 り の 紙を個別に用いた。 なお、 各厚紙は、 コ ップ吸水度が紙の秤 量以下のものを用いてお り 、 具 1 体的には、 コ ップ吸水度が 1
8
0 0 [ g / m 2 · 2分 ] 以下のもの (撥水性の高いもの) を 用いた。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について ベる。
繊維構造物 T S 3 は、 ク レー層 Cを有する繊維構造基材 T に対し、 前述したポ リ エステル系樹脂からなる塗料が繊維構 造基材 Tのノーコー ト面に塗工され乾燥されて、 図 6 に示す よ う に、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が形成される。 これによ り 、 繊維構造-物 T s 3 の製造が完了する。 - - - このよ う に得られた繊維構造物 T s 3 は、 次のよ う な特性 を有していた。
繊維構造物 T s 3 は、 ポリ エステル系樹脂層 R 1 を塗布量
4 g / m 2 で形成した場合と 6 g Z m 2 で形成した場合とで は、 両者共に平面部の耐油性が良好なものの、 藓線部の耐油 性が若干低かった。 また、 平面部及び鄞線部の撥水性は R 1 0 と高かった。 また、 リ サイ クルの容易性は前述同様に得る こ と.ができた。
上述したよ う に本実施形態によれば、 ク レー層 Cを片面に
有する繊維構造基材 Tにポ リ エステル系樹脂層 R 1 を形成し た構成と しても、 第 1 の実施形態と 同様の作用効果を得る こ とができる。
(第 4の実施形態)
図 9 は本発明の第 4 の実施形態に係る繊維構造物の断面構 成を示す模式図である。 こ の繊維構造物 T s 4 は、 両面にク レー層 C を有する平面状の繊維構造基材 T と、 こ の繊維構造 基材 Tの片面 (片方のク レー層 C表面) に塗工によ り 形成さ れたポリ エステル系樹脂層 R 1 と を備えている。 但し、 これ に限らず、 前述同様に図 1 0 に示すよ う に、 繊維構造基材 T の片面のク レー層 C上に部分的に糊層 A d h を形成しても よ い。
こ こ で、 繊維構造基材 T と しては、 厚紙 (カ ップ) 、 厚紙 (アイボ リ ー) 、 厚紙 (カー ド、 コー トポール) の 3通 り の 紙を個別に用いた。 なお、 各厚紙は、 コ ッブ吸水度が 7 0 [ g / m 2 . 2 -分] 以下のもの (撥水性の高いもの)' を用い た。 また、 各厚紙は、 ベ ッ ク 平滑度が 2 0 0 秒以下の も の (平滑性の高いもの) を用いた。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について 述べる。
繊維構造物 T s 4 は、 ク レー層 Cを両面に有する繊維構造 基材 Tに対し、 前述したポ リ エス テル系樹脂からなる塗料が 繊維構造基材 τ の一方のク レー面に塗工され乾燥されて、 図 9 に示すよ う に、 ポ リ エス テル系樹脂層 R 1 が形成される。 これによ り 、 繊維構造物 T s 4の製造が完了する。
こ のよ う に得られた繊維構造物 T s 4は、 次の よ う な特性 を有していた。
繊維構造物 T s 4 は、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を塗布量 4 g m 2 で形成した場合と 6 g ノ m 2で形成した場合とで は、 両者共に平面部の耐油性が優れていたものの、 暴線部の 耐油性が若干低かった。 また、 平面部及ぴ穽線部の撥水性は R 1 0 と高かった。 また、 リ サイ クルの容易性は前述同様に 得る こ とができた。
上述したよ う に本実施形態によれば、 ク レー層 Cを ί¾ί面に 有する繊維構造基材 Tにポ リ エステル系樹脂層 R 1 を形成し た構成と しても、 第 1 の実施形態と 同様の作用効果を得る こ とができる。
また、 本実施形態は、 ク レ一層 Cを両面に有する構成のた め、 第 3 の実施形態に比ベ 、 平面部の耐油性を向上させる こ とができ る。
(第 5 ·の実施形態) - - 図 1 1 は本発明の第 5 の実施形態に係る繊維構造物の断面
- 構成を示す模式図である ο の繊維構造物 T s 5 は 、 平面状 の繊維構造基材 T と、 この繊維構造基材 τの片面に印刷され たイ ンキ層 I k と、 このィ ンキ層 I k上に塗工によ り 形成さ れたポ リ エステル系樹脂層 R 1 と を備えている。
以上のよ う な構成と しても、 第 1 の実施形態と 同様の作用 効果を得る こ と ができ、 さ らに、 イ ンキ層 I k によ り 美観を 向上させる こ とができ る。
(第 6 の実施形態)
図 1 2 は本発明の第 6 の実施形態に係る繊維構造物の断面 構成を示す模式図である。 この繊維構造物 T s 6 は、 ク レー 層 C を片面に有する平面状の繊維構造基材 T と、 この繊維構 造基材 T のノ ーコー ト面に印刷されたイ ンキ層 I k と、 この イ ンキ層 I k上に塗工によ り形成されたポ リ エステル系樹脂 層 R 1 と を備えている。 但し、 これに限らず、 前述同様に図 1 3 に示すよ う に、 繊維構造基材 Tのノ ーコー ト面上に部分 的に糊層 A d h を形成してもよい。
こ こで、 繊維構造基材 T と しては、 厚紙 (カ ップ) 、 厚紙
(アイボ リ ー) 、 厚紙 (カー ド、 コー トポール) の 3 通 り の 紙を個別に用いた。 なお、 各厚紙は、 コ ッブ吸水度が 2 0
[ g / m 2 ■ 2 分] 以下のもの (撥水性の高いもの) を用い た。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について べる。
繊維構造物 τ s 6 は、 ク レー層 Cを片面に有する繊維構造 基材 τに対し、 繊維構造基材 T のノーコー ト にィ ンキ層 I kが印刷された後、 前述したポ リ エステル系樹脂からなる塗 料がイ ンキ層 I k上に塗工され乾燥されて、 図 1 2 に示すよ う に、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が形成される。 、 れによ り 、 繊維構造物 T s 6 の製造が完了する。
このよ う に得られた繊維構造物 T s 6 は、 次のよ う な特性 を有していた。
繊.維構造物 T s 6 は、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を塗布量 4 g Z m 2 で形成した場合と 6 g / m 2 で形成した場合とで
は、 両者共に平面部の耐油性が優れていたも のの、 昇線部の 耐油性が若干低かった。 また、 平面部及び朞線部の撥水性は R 1 0 と高かった。 また、 リ サイ クルの容易性は前述同様に 得るこ とができた。
上述したよ う に本実施形態によれば、 ク レー層 Cを片面に 有する繊維構造基材 Tにイ ンキ層 I k を介 してポ リ エステル 系樹脂層 R 1 を形成 した構成と しても、 第 1 及び第 3 の実施 形態と同様の作用効果を得るこ とができ る。
(第 7の実施形態)
図 1 4 は本発明の第 7 の実施形態に係る繊維構造物の断面 構成を示す模式図である。 この繊維構造物 T s 7 は、 両面に ク レー層 C を有する平面状の繊維構造基材丁 と、 この繊維構 造基材 Tの片方のク レー面上にイ ンキ層 I k が印刷形成され、 このイ ンキ層 I k 上に塗工によ り 形成されたポリ エステル系 樹脂層 R 1 と を備えている。 伹し、 これに限らず、 前述同様 に図 1 5 に示すよ う に、 繊維構造基材 Tの片方のク レー層 C 上に部分的に糊層 A d h を形成しても よい。
こ こで、 繊維構造基材 T と しては、 第 6 の実施形態と 同一 仕様の 3通 り の厚紙を用いた。 すなわち、 各厚紙のコ ップ吸 水度などの特性は第 6 の実施形態と同 じである。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について 述べる。
繊維構造物 T s 7 は、 ク レー層 Cを両面に有する繊維構造 基材. Tに対 し、 イ ンキ層 I kが印刷によ り 形成され、 こ のィ ンキ層 I k 上に前述 したポ リ エステル系樹脂からなる塗料が
塗工され乾燥され、 図 1 4 に示すよ う に、 ポ リ エステル系樹 脂層 R 1 が形成される。 これによ り 、 繊維構造物 T s 7 の製 造が完了する。
こ のよ う に得られた繊維構造物 T S 7 は、 第 6 の実施形態 と同様の耐油性 (平面部、 薺線部) 、 撥水性、 及びリ サイ ク ルの容易性を有していた。
上述したよ う に本実施形態によれば、 ク レー層 Cを両面に 有する繊維構造基材 T の片面上にイ ンキ層 I k を介してポ リ エステル系樹脂層 R 1 を形成した構成と しても、 第 1 及び第 6 の実施形態と同様の作用効果を得るこ とができる。
(第 8 の実施形態)
次に、 本発明の第 8 の実施形態に係る繊維構造物について 説明する。 本実施形態は、 第 1 〜第 7 の実施形態の変形例で あ り 、 ポリ エステル系樹脂層 R 1 の耐水性の向上を図る もの である。
具体的には、-ポリ エステル系樹脂層 R 1 は.、 鎖式炭化水素 の疎水基によ り 修飾されて構成されている。 詳しく は、 ポリ エステル系樹脂層 R 1 は、 疎水基 (親油基) を有する こ と に よ り 耐水性が向上される。 また、 塗料の際には水を溶媒に し て分散されるために親水基が樹脂を修飾し、 溶液 (水分散) の時には安定した分散体となっている。
また、 疎水基と しての鎖式炭化水素の構造が油の炭化水素 基と形態が似てお り こ の構造から水と油の関係で互いに濡れ ない.こ とから耐水性を付与でき る。 また炭素、 水素からなる 構造であるので、 高い安全性を有している。
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 1 〜第 7 の各実施 形態の作用効果に加え、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が疎水基
(親油基) をもつので耐水性を向上させるこ とができる。
(第 9 の実施形態)
次に 、 本発明の第 9 の実施形態に係る繊維構造物について 説明する。 本実施形態は、 第 8 の実施形態の変形例であ り 、 疎水基の炭素数が 8 〜 2 4 の範囲内にある構成である。
これによ り 、 水をは じかせ、 油を紙に浸透させないために 図 1 6 に示す如き、 炭化水素基を疎水基にもつポ リ エステル 系樹脂層 R 1 で繊維構造基材 Tを被膜化する構成によ り ヽ 電 気化学的及び構造的に耐水性と耐油性を発現させている。
図示する よ う に、 疎水基は、 繊維表面に規則正 しく 縦に配 列させた方が、 疎水性を向上させるこ とができ る。
また 、 配列した疎水基は、 油な どの粘性の高い油が繊維表 面に侵入しにく く する観点から、 炭化水素の炭素数を 8 2
4 の範囲内と し、 よ り 望ま しく は炭素数を 1 2 〜 1 8 の.範囲 内と した構成が好ま しい。
伹し 、 樹脂製造の際に、 疎水基の炭素数を揃える こ と は製 造収率の観点から限界がある。 炭化水素は飽和、 不飽和共に 構わないが飽和である方が安定である。
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 8 の実施形態の作 用効果に加え、 疎水基の炭素数を規定したこ と によ り 、 粘性 の高い油などの侵入を抑制するこ とができる。
(-第 1 0 の実施形態)
1 7 は本発明の第 1 0 の実施形態に係る繊維構造物の断
面構成を示す模式図である。 本実施形態は、 第 1 の実施形態 の変形例であ り 、 図 1 に示したポ リ エステル系樹脂層 R 1 に 代えて、 図 1 7 に示すよ う に、 ガ ラ ス転移点 ( T g ) が 2 5 。C〜 1 5 °Cの範囲内にあるポリ エステル系樹脂と、 ガラス 転移点 ( T g ) 力 S 1 0 °C〜一 4 0 °Cの範囲內にある ラテ ック ス系樹脂とがグラ フ ト又は混合されてなる混合樹脂層 R 1 X を備えている。 但し、 これに限らず、 前述同様に図 1 8 に示 すよ う に、 繊維構造基材 Tの片面上に部分的に糊層 A d h を 形成してもよい。
こ こで、 2つのガラス転移点 ( T g ) は、 各々次の特性を 混合樹脂層 R 1 に付与 している。 第 1 のガラ ス転移点 ( T g ; 2 5 °C ~ 1 5 °C ) は、 ポ リ エステル系樹脂に耐油性 · 耐 水性を向上させている。
第 2のガラス転移点 ( T g ; 1 0 〜一 4 0 °C ) は、 ラテ ツ タ ス系樹脂に柔軟性を付与 し、 ひいては混合樹脂層 R 1 X に 柔軟性を付与して、 繊維の変形に対応可能と している o な 、 ガラス転移点は、 J I S K 7 1 2 1 における D S C (示差 走査熱分析) 法によ り 測定されている。
こ こで、 ラテ ック ス系樹脂が 1 0 °C以下のガラス転移点 T g を持つこ とで、 耐油性 · 耐水性が悪く なる傾向にあるが、 ポリ エステル系樹脂と ラテ ック ス系樹脂との配合量によ り 耐 油性 · 耐水性を問題無いものに している。 なお、 配合量は、 ポ リ エステル系樹脂をラテ ック ス系樹脂よ り も多く する こ と が必.要であ り 、 こ こでは、 ポ リ エステル系樹脂を 9 0 固形重 量部と し、 ラテックス系樹脂を 1 0 固形重量部と している。
なお、 柔軟性が不要な用途 (折り 曲げ部の無い用途、 例、 下敷き紙な ど) の場合、 柔軟性を付与する必要がない。 この ため、 ラテ ッ ク ス系樹脂は省略しても良い。 また、 必要な柔 軟性にち幅があ る。 本実施形態では、 箱などの包装体 P の折 り 曲げ部 (朞線部) への柔軟性付与 (膜の欠損をおこ さ な い) を想定するが、 包装体 P の箱によ っても必要な柔軟性に 幅がめる o
例えば 、 段ボールライナ等の使用 されたピザ配送箱が包装 体 P の場合、 麥線の幅が広く 、 薺線の高さ も紙の厚みに対し て高 < ないので、 柔軟性が低く ても よい。
一方 例えば、 一般的なチョ コ菓子に使用 されるカー ト ン が包装体 P の場合、 薪線の幅が 0 . 7 m m〜 : L . O m mと狭
< 、 線の高さ ( 1 0 0 〜 2 0 0 /·ί πι ) も紙の厚み ( 3 3 0 μ m ) に対して高いので、 高い柔軟性が要求される。 の場 合にはヽ 要求される柔軟性に比例 してラテ ッ ク ス系樹脂の配 合量を増加させればよ 、。
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 1 の実施形態の効 果に加 X. 、 ポ リ エステル系樹脂のガラス転移点を 2 5 °C 〜 1
5 °Cの車 B囲内に したので、 耐油性 · 耐水性をよ り 向上させる こ と ができ る。 また、 ガラス転移点が 1 0 °C〜一 4 0 °Cの範 囲内にめる ラテ ック ス系樹脂をグラ フ ト又は混合したので、 ラテックス系樹脂によ り柔軟性を付与する こ とができる。
なお、 本実施形態の混合樹脂層 R 1 X は、 第 1 の実施形態 の変形例に限らず、 図 1 9 〜図 2 8 に示すよ う に、 第 2 〜第 7 の各実施形態にも組合せる こ と ができ、 組合せた実施形態
と本実施形態と の効果を得る こ と ができ る。 また、 本実施形 態は、 図示しないが、 第 8 〜第 9 の実施形態に 組合せる - とができ 、 組合せた実施形態と本実施形態と の効果を得る とができる o
(第 1 1 の実施形態)
次に、 本発明の第 1 1 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する o
本実施形態は、 第 1 〜第 1 0 の各実施形態の変形例であ り 刖述したポ リ エス テル系樹脂層 R 1 又は混合樹脂層 R 1 X と しては、 無機剤が混合されたものとなっている。
無機剤は、 次の観点 は)〜 ( i i )か ら 、 例えば力 ォリ ン、 炭酸カ ルシ ウ ム、 水酸化アル ミ ニ ウ ム アル ミ ナ カオリ ン、 又はタルク等が使用可能と なっている。
( i ) 樹脂層 R l R l x と、 無機剤 と の乾燥時の収縮の 差を利用 し、 樹脂層 R 1 R 1 X への微細な空隙を形成する。
( i i ) 無機剤によ り 、 油の吸着性を向上させる-。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用を説明す る。
1 の観点 ( i )によ り 、 繊維構造基材 τは、 接 剤の接着 性を向上でき、 箱な どの包装体 P に加工する際の糊を選疋 し 易 < する こ と ができ る。 理由は、 無機剤の混合によ り 繊維に 生じた空隙に接着剤が入り 込むので、 接着力を向上でき るか ら め o
第 2 の観点 ( i i )によ り 、 無機剤の もつ多孔性によ り 油を 吸着して保持する ので、 微細なピ ンホールに油が進入した際
にも多大な性能劣化を引き起こす心配を解消する こ とができ る。
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 1 〜第 1 0 の各実 施形態の効果に加え、 無機剤の作用によ り 、 接着剤の接着性 の向上及び油の吸着性の向上を図る こ とができ る。
(第 1 2の実施形態)
次に、 本発明の第 1 2 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する。
_、ム 本実施形態は、 第 1 1 の実施形態の変形例であ り 、 述し た無機剤と しては、 0 . 1重量%〜 1 0重量 %の範囲内で混 合されている構成である。
こ こで、 無機剤の配合量を規定した趣旨は 、 ハ、ヽ機剤にてピ ンホールを形成させる際に、 無機剤の量が過剰な 口 、 樹脂 層 R 1 , R 1 X に多数のピンホールを生じさせ、 耐油性 · 耐 水性の劣化を引き起こ してしま う からである。
しかしなが ら、 こ こでは、 無機剤の配合量を 0 1 %
〜 1 0重量。/。の範囲内に規定するので、 無機剤によ り 形成さ れる ピンホールを問題の無い範囲に抑制する 二 とができ る。
上述したよ う に本実施形態によれば、 無機剤によ り 形成さ れる ピンホールを問題の無い範囲に抑制 し、 耐油性 ■ 耐水性 の劣化を阻止する こ とができる。
(第 1 3 の実施形態)
次に、 本発明の第 1 3 の実施形態に係る繊維構造物につレ、 て説明する。
本実施形態は、 第 1 〜第 1 2 の各実施形態の変形例であ り
繊維構造基材 Tのコ ッブ吸水度が当該繊維構造基材 Τの秤量 ( g /m 2 ) 未満の値であ り 、 且つ樹脂層 R l , R l x と な る塗料の塗布量が 1 g Z m 2 〜 3 0 g Zm 2 の範囲内にある 構成となっている。
補足する と、 樹脂層 R l , R l x と なる塗料の塗布量と、 樹脂層 R 1 , R 1 X の厚さ と は相関関係があ り 、 また、 樹脂 層 R 1 , R 1 X の厚さ 、 耐水性 · 耐油性を保証する安定性 (膜の欠損箇所の多い、 少ない) に関係してく る。
概して塗布量の多い方が安定性が高いが、 紙 (例 、 坪量
2 0 g /m 2 〜 2 0 0 g Zm 2 ※明確な規疋は ^ハHゝ、 1ゝヽ ) は塗布 量が多いと、 湿潤強度がそれほど強く ないため 、 加ェの際に 基材にかかる引 っ張り テ ンショ ンによ り 千切れ等を引き起こ し易い。 また、 塗布量を増やすと 、 材料コス 卜の増加と、 乾 燥性の低下に伴 う生産ス ピー ドの低下による加ェコス トの増 加と を招 く 。 但し、 パルプモール ド体のよ う に空隙の大きい 繊維構造基材 Tに樹脂層 R 1 , R 1 X を形成する場合 、 スプ レーコ ー ト等でかな り の量の塗料を載せな く てはピンホーノレ フ リ ーにならない場合もある。
こ のため、 本実施形態は、 コ Vブ吸水度と繊維構造基材 Τ との関係から、 樹脂層 R 1 , R 1 X と なる塗料の塗 量を規 定したこ と によ り 、 耐油性 · 耐水性と加ェコス 卜 と をノ ラ ン ス良く 設計した繊維構造物 T s 1 〜 Γ s 7 , T s 1 X 〜 Γ s
7 X を実現している。
上述したよ う に本実施形態にぶ 第 1 第 1 2 の各実 施形態の効果に加え、 秤量未満のコ ッブ吸水度をもつ繊維構
造基材 Tに関し、 塗布量の最適化を図るこ とができる。
(第 1 4の実施形態)
次に、 本発明の第 1 4 の実施形態に係る繊維構造物につレ、 て説明する。
本実施形態は、 第 1 3 の実施形態 (又は第 1 〜第 1 2 の各 実施形態) の変形例であ り 、 繊維構造基材 Τの コ ッブ吸水度 が当該繊維構造基材 Τの秤量 ( g Z m 2 ) 以上の値であ り 、 且つ樹脂層 R 1 , R 1 X と なる塗料の塗布量が 3 g Zm 2〜 3 0 g /m 2 の範囲内にある構成と なっている。
以上のよ う な構成によれば、 第 1 〜第 1 2 の各実施形態の 効果に加え、 秤量以上のコ ップ吸水度をもつ繊維構造基材 T に関 し、 塗布量の最適化を図る こ とができる。
(第 1 5の実施形態)
次に、 本発明の第 1 5 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する。
本実施形態は、 第 1 〜第 1 4 の各実施形態の変形例であ り 、 コ ップ吸水度 ( J I S P 8 1 4 0 ) が l O g Zm 2 以下で ある繊維構造物 T s 1 〜 T s 7 , T s 1 x 〜 T s 7 x である。
補足する と、 コ ップ法によ り 、 各実施形態の繊維構造物 T s l 〜 T s 7 , T s l x〜 T s 7 x を測定した所、 1 0 g Z m 2 以下の良好な耐水性を得る こ とができた。 逆にい う と、 コ ップ吸水度が 1 0 g / m 2以下である と、 優れた耐水性を 保証でき る と考えられる。
なお、 コ ップ法を改案した形でも朞線部の破損を観察 して みた。
1 2 - 5 c m X 1 2 . 5 c mの繊維構 物 T s 1 〜 T s 7
T s 1 X 〜 T S ,· X の評価サンプルに対しヽ それぞれ鄞線巾
0 . 7 m mヽ 朞線高さ 2 0 0 μ m.なる鄞線を中央に 1 本入れ 十
に
しかる後ヽ コ ッブ法によ り 吸水 験を行つた 仮に樹脂 層 R 1 R 1 X が破壊されている場合にはヽ 破壊された箇所 から水が しみこみ重量変化を起こすはずでめ り ヽ その平米換 算した値では百 g / m Λォーダーでの増加が確認されるはず であ り ヽ また しみ込みが目視で黒点と して確認されるはずで め "3 。
しかしなが ら、 3 ップ法による吸水度 5式験の ロ果 、 コ ッブ 吸水度に 化 (増加 ) が見受け られず、 また 目視での黒点も 発生が皆無であつ 7こ '
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 1 第 1 4 の各実 施形態の効果に加え 、 クブ吸水度を規定したのでヽ 優れた 耐水性を保証する こ とができ る。
(第 1 6 の実施形態)
次に、 本発明の第 1 6 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する。
本実施形態は、 第 1 〜第 1 5 の各実施形態の変形例であ り 、 撥水度 ( J I S P 8 1 3 7 ) が R 8 以上である繊維構造物 T s l 〜 T s 7 , T s l x 〜 T s 7 xである。
補足する と、 J I S P 8 1 3 7 の試験法によ り 、 各実施 形態の繊維構造物 T s 1 〜 T s 7 , T s 1 X 〜 T s 7 X を測 定した所、 R 8 以上の良好な撥水度を得る こ とができた。 逆
にい う と、 撥水度が R 8 以上でめる と 、 優れた撥水性を ί禾 正 でき る と考えられる。
なお 繊維構造基材 Tは、 炭化水素基を疎水基にもつ フ ッ素系 、 シ リ コ ン系のものと水に対する性質が似通つてい
Ό Ό 、 こ の性質は、 ポリ エステル系樹脂、 ラテ ツ ク ス系 樹脂、 機剤の割合によつて変化するが、 撥水度が R 8 以上 であれば問題ないと考えられる。
上述 したよ う に本実施形態によれば、 第 1 〜第 1 5 の各実 施形態の効果に加え、 撥水度を規定したので、 優れた撥水性 を保証する こ とができる。
(第 1 7 の実施形態)
図 2 9 は本発明の第 1 7 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。 この繊維構造物 T s 1 1 は 平 面状の繊維構造基材 T と、 この繊維構造基材 τ上に形成され た S B R ラ テ ッ ク ス樹脂層 R O と 、 この S B R ラテ ツ ク ス樹 脂層 R 0 上に形成されたポリ エステル系樹脂層 R 1 と .を備え てレヽる
で 、 繊維構造基材 τは、 紙又はセルロ ース構造物でめ り 、 例 X.ば、 第 1 の実施形態で述べた原紙が使用可能と なつ てレヽる
S B R系ラテ ッ ク ス系樹脂 R 0 は 、 優れた耐油性と柔軟性 と を有してお り 、 繊維構造物 T s 1 1 を折 り 曲げた際にも 折り 曲げ部の耐油性を維持させるためのものである。
ポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 繊維構造基材 Tに耐水性及 ぴ耐油性を付与するための樹脂層であ り 、 例えば第 1 の実施
形態と同様の塗料を用いて同様に形成されている。 但し、 図 2 9 中のポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 前述 したポリ エステ ル系樹脂と ラテ ックス系樹脂との混合樹脂層 R X 1 に置換可 能である。 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が混合樹脂層 R x 1 に 置換可能な旨は、 後述する図 3 0〜図 3 5 でも同様である。
また、 耐油性の意味は前述した通 り である。 耐水性は、 水 を吸水しない旨を意味 している。 また、 塗工方法は、 第 1 の 実施形態と同様の方法が使用可能と なっている。
以上のよ う な繊維構造物 T s 1 1 は、 第 1 の実施形態と 同 様の用途に使用可能と なってお り 、 例えば図 2〜図 4 に示し た包装体 P と しても よい。 ·
なお、 繊維構造物 T s 1 1 は、 包装体 P に用い られる場合、 図 3 0 に示すよ う に、 各樹脂層 R O , R 1 を繊維構造基材 T に選択的に塗工し、 露出させた繊維構造基材 Tに糊層 (接着 剤層) A d h を形成してもよい。
また、 いずれに しても、 以上のよ う な包装体 P は、 後述す る繊維構造物 T s 1 2 〜 T s 1 3 でも同様に適用可能と なつ ている。 さ らに、 包装体 Pは、 図 4 に示す構成に限らず、 任 意の構成が適用可能であるこ とは言う までもない。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物及び包装体の作 用について説明する。
(製造時)
始めに、 S B Rラテ ックス樹脂を主剤とする材料を例えば 固形分 5 0 %で水分散させた第 1 塗料を準備する。 同様に、 ポ リ エステル系樹脂を主剤とする材料を例えば固形分 1 0 %
〜 6 0 %の範囲内で分散させた第 2塗料を準備する。 また、 これら塗料を塗工する繊維構造基材 Tを準備する。
続いて、 繊維構造基材 Tの片面に第 1 塗料を塗工し、 乾燥 させる こ と によ り 、 S B Rラテ ックス樹脂層 R 0 を繊維構造 基材 Tの表層に形成する。 続いて、 こ の S B R ラテ ッ ク ス樹 脂層 R 0上に第 2塗料を塗工し、 乾燥させる こ と によ り 、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R 0 の表 面に形成する。
これによ り 、 図 2 9 に示すよ う に、 繊維構造基材 T上に S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R 0及ぴポ リ エステル系樹脂層 R 1 を 順次積層させた繊維構造物 T S 1 1 の製造が完了する。
次に、 こ の繊維構造物 T s 1 1 は、 第 1 の実施形態と 同様 に、 図 3 に示す如き、 折り 畳み状態の包装体 P に加工される。
(使用時)
包装体 P は、 第 1 の実施形態と 同様に、 例えば油物の食品 を収容した状態で利用者に渡される。
この と き、 包装体 P の內側では、 例えば繊維構造物 T s 1 1 のポリ エステル系樹脂層 R 1 の表層に接触 した水も しく は 油が浸透し難いため、 表層に塗れ広がる。 但し、 利用者は、 第 1 の実施形態と 同様に、 手を汚すこ とが無い。
(リ サイクル時)
使用後の包装体 P は、 第 1 の実施形態と 同様に、 リ サイ ク ル時に、 各樹脂層 R 0 〜 R 1 と、 繊維構造基材 Tの素材とが 容易に分離される。 得られた繊維構造基材 τの素材は、 例え ば紙と して リ サイ クルされる。
上述したよ う に本実施形態によれば、 従来と は異な り 、 リ サイ ク ル時に繊維構造基材 Tから容易に分離可能な S B R ラ テ ッ ク ス樹脂層 R 0及ぴポ リ エス テル系樹脂層 R 1 を繊維構 造基材 T上に形成した構成によ り 、 フ ッ素系耐油剤を用いず に、 耐油性 · 耐水性を有し、 繊維構造基材を容易に リ サイ ク ルでき る繊維構造物を提供する こ と ができ る。
また、 S B Rラテ ックス樹脂層 R O を備えた構成によ り 、 柔軟性を向上させる こ とができ る。 すなわち、 優れた耐油性 を平面部、 藓線部 (折り 曲げ部) にも付与した紙又はセル口 ース構造物を提供する こ とができる。
次に、 以上のよ う な第 1 7 の実施形態の変形例 と して第 1 8 〜第 1 9 の実施形態を説明する。 第 1 8 〜第 1 9 の実施形 態は、 各樹脂層 R 0, R 1 を備えた構成をもつ点で共通 し、 平滑性を向上させる ク レー層の備え方 (片面 ' 両面 ' 全域) といった付加的な構成が異なる点が相違している。 以下、 順 に説明する。 ■
(第 1 8 の実施形態)
図 3 1 は本発明の第 1 8 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。 こ の繊維構造物 T s 1 2 は、 片 面にク レー層 Cを有する平面状の繊維構造基材 T と、 ク レー 層 C と は反対側の繊維構造基材 Tの片面 (ノ ーコー ト面) に 塗工によ り 形成された S B Rラテ ック ス樹脂層 R 0及びポリ エス テル系樹脂層 R 1 の積層構造と を備えている。 伹し、 こ れに.限らず、 前述同様に図 3 2 に示すよ う に、 繊維構造基材 T上に部分的に糊層 A d h を形成してもよい。
こ こで、 繊維構造基材 T と しては、 厚紙 (カ ップ) 、 厚紙 (アイ ボ リ ー) 、 厚紙 (カー ド、 コー トボール) の 3 通 り の 紙を個別に用いた。 なお、 各厚紙は、 コ ッブ吸水度が紙の秤 量以下のものを用いてお り 、 具体的には、 コ ップ吸水度が 5 0 [ g / m 2 ■ 2分 ] 以下のもの (撥水性の高いもの) を用 いた。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について 述べる。
繊維構造物 T s 1 2 は 、 ク レー層 c を有する繊維構 la 材
、
Tのノ ーコー ト面に 、 m述 した S B R ラテ ックス樹脂からな る第 1 塗料が塗工され乾燥されて、 S B R ラテッ クス樹脂層
R 0 が形成される。 続いて 、 S B Rラテ ックス樹脂層 R 0上 に、 ポ リ エステノレ系樹脂からなる第 2塗料が塗ェされ乾燥さ れて、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が形成される。
これによ り 、 図 3 1 に示すよ う に、 繊維構造物 T s 1 2 の 製造が完了する。
このよ う に得られた繊維構造物 T s 1 2 は、 次のよ う な特 性を有していた。
繊維構造物 τ s 1 2 は、 ポ リ エス テル系樹脂層 R 1 塗 ΪΪ 量 4 gノ m 2で形成した場合と 6 g Z m 2 で形成 した場合と では、 両者共に平面部の耐油性が優れてお り 、 線部の耐油 性が良好であつた。 また、 平面部及ぴ朞線部の撥水性は R 1
0 と高力 つに また、 リ サイ ク ルの容易性は前述 様に得る こ と.ができた。
上述 したよ う に本実施形態によれば、 ク レー μ Cを片面に
有する繊維構造基材 Tに S B R ラ テ ッ ク ス樹脂層 R 0及びポ リ エステル系樹脂層 R 1 を形成した構成と しても、 第 1 7 の 実施形態と同様の作用効果を得る こ とができ る。
(第 1 9 の実施形態)
図 3 3 は本発明の第 1 9 の実施形態に係る繊維構造物の断 面構成を示す模式図である。 この繊維構造物 T s 1 3 は、 両 面にク レー層 C を有する平面状の繊維構造基材 T と、 この繊 維構造基材 Tの片面 (片方のク レー層 C表面) に塗工によ り 形成された S B R ラテ ック ス樹脂層 R O 及びポ リ エステル系 樹脂層 R 1 の積層構造と を備えている。 但し、 これに限らず、 前述同様に図 3 4 に示すよ う に、 繊維構造基材 T の片面のク レー層 C上に部分的に糊層 A d h を形成してもよい。
こ こで、 繊維構造基材 T と しては、 厚紙 (カ ップ) 、 厚紙 (アイボ リ ー) 、 厚紙 (カー ド、 コー トポール) の 3 通 り の 紙を個別に用いた。 なお、 各厚紙は、 コ ッブ吸水度が 2 0
[ g / m 2 。 2分] 以下のもの (撥水性の高いもの) を用い た。
次に、 以上のよ う に構成された繊維構造物の作用について
¾iiベる。
繊維構造物 T s 1 3 は、 ク レー層 Cを両面に有する繊維構 造基材 T の片面上に、 前述 した S B R ラテ ッ ク ス樹脂からな る第 1 塗料が塗工され乾燥されて、 S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R O が形成される。 続いて、 S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R 0上 に、 .ポリ エステル系樹脂からなる第 2 塗料が塗工され乾燥さ れて、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が形成される。
これによ り 、 図 3 3 に示すよ う に、 繊維構造物 T s 1 3 の 製造が完了する。
このよ う に得られた繊維構造物 T s 1 3 は、 次のよ う な特 性を有していた。
繊維構造物 T s 1 3 は、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 を塗布 量 4 g / m 2 で形成 した場合と 6 g m 2 で形成 した場合と では、 両者共に平面部の耐油性と鄞線部の耐油性とが優れて いた。 また、 平面部及び鄞線部の撥水性は R 1 0 と高かった。 また、 リ サイ クルの容易性は前述同様に得る こ とができた。
上述したよ う に本実施形態によれば、 ク レー層 Cを両面に 有する繊維構造基材 Tに S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R O及びポ リ エステル系樹脂層 R 1 を形成した構成と しても、 第 1 7 の 実施形態と同様の作用効果を得る こ とができる。
また、 本実施形態は、 ク レー層 Cを両面に有する構成のた め、 第 1 8 の実施形態に比べ、 藓線部の耐油性を向上させる こ とがでぎる。
(第 2 0の実施形態)
次に、 本発明の第 2 0 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する。 本実施形態は、 第 1 7〜第 1 9 の実施形態の変 形例であ り 、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 の耐水性の向上を図 る ものである。
具体的には、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 鎖式炭化水素 の疎水基によ り 修飾されて構成されている。 詳しく は、 ポ リ エス.テル系樹脂層 R 1 は、 疎水基 (親油基) を有する こ と に よ り 耐水性が向上される。 また、 塗料の際には水を溶媒に し
て分散されるために親水基が樹脂を修飾し、 溶液 (水分散 ) の時には安定した分散体となっている。
また 、 疎水基と しての鎖式炭化水素の構造が油の炭化水 基と形態が似てお り この構造から水と 油の関係で互いに濡れ ないこ とから耐水性を付与でき る。 また灰素、 水素からなる 構造であ.るので、 高い安全性を有している。
上述したよ う に本実施形態によれば、 第 1 7 ~第 1 9 の各 実施形態の作用効果に加え、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 が 水基 (親油基) をもつので耐水性を向上させる こ とができ る。
(第 2 1 の実施形態)
次に 、 本発明の第 2 1 の実施形態に係る繊維構造物につい て説明する。 本実施形態は、 第 2 0 の実施形態の変形例であ り 、 疎水基の炭素数が 8 〜 2 4の範囲内にある構成である。
れによ り 、 水をはじかせ、 油を紙に浸透させないために 図 3 5 に示す如き、 炭化水素基を疎水基にもつポ リ エステル 系樹脂層 R 1 で繊維構造基材 Tを被膜化する構成によ り 、 気化学的及び構造的に耐水性と耐油性を発現させている。
図示する よ う に、 疎水基は、 繊維表面に規則正 しく 縦に配 列させた方が、 疎水性を向上させるこ とができ る。
また、 配列した疎水基は、 油な どの粘性の高い油が繊維表 面に侵入しにく く する観点から、 炭化水素の炭素数を 8 〜 2
4 の範囲内 と し 、 よ り 望ま しく は炭素数を 1 2 〜 1 8 の範囲 内と した構成が好ま しい。
伹し、 樹脂製造の際に、 疎水基の炭素数を揃える こ と は製 造収率の観点から限界がある。 炭化水素は飽和、 不飽和 ヽに
構わないが飽和である方が安定である。
上述 した よ う に本実施形態に よれば、 第 2 0 の実施形態の 作用効果に加え、 疎水基の炭素数を規定した こ と によ り 、 粘 性の高い油な どの侵入を抑制する こ と ができ る。
(第 2 2 の実施形態)
次に、 本発明の第 2 2 の実施形態に係る繊維構造物にっレ、 て説明する。
本実施形態は、 第 1 7 〜第 2 1 の各実施形態の変形例であ り 、 S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R O 及びポ リ エステル系樹脂層 R 1 の各々 のガラス転移点を規定した構成と なっている。
こ こで、 S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R O は、 柔軟性を よ り 向 上 さ せる観点力ゝ ら 、 ガラ ス転移点 ( T g ) 力 S 1 0 °C 4
0 °Cの範囲内にある ものを用いる。
ポ リ エステル系樹脂層 R 1 は、 耐油性 ■ 耐水性をよ り 向上 させる観点から、 ガラ ス転移点 ( T g ) が 2 5 °C〜 1 5 °Cの 範囲内にあるもの.を用いる。 .
なお、 柔軟性が不要な用途 (折 り 曲げ部の無い用途、 例、 下敷き紙な ど) の場合、 柔軟性を向上する必要がない。 この 場合、 S B R ラ テ ッ ク ス樹脂層 R 0 のガラ ス転移点を 1 0 °C 4 0 °Cの範囲内に調整しな く ても良い。
上述 した よ う に本実施形態に よれば、 第 1 7 〜第 2 1 の各 実施形態の効果に加え、 S B R ラテ ッ ク ス樹脂層 R 0 のガラ ス転移点を 1 0 °C〜一 4 0 °Cの範囲内に したので、 柔軟性を よ り.向上させる こ と ができ る。 また、 ポ リ エステル系樹脂層 R 1 のガラ ス転移点を 2 5 ° ( 〜 1 5 °Cの範囲内に したので、
耐油性 · 耐水性をよ り 向上させるこ とができる。
(第 2 3 の実施形態 )
次に、 本発明の第 2 2 の実施形態に係る繊維構造物につい て図 1 7 〜図 2 1 の う ち、 図 1 7 を代表例に挙げて説明する。
本実施形態は、 混合樹脂層と なる塗工液を繊維構造基材 T に均一に塗布するため、 繊維構造基材 Tの塗工面の表面粗さ 及びコ ップ吸水度を規定した構成となっている。 以下、 具体 的に述べる。
本実施形態に係る繊維構造物 T s 1 X は、 平面状の繊維構 造基材 T と、 予めポ リ エステル系樹脂と ラテ ッ ク ス系樹脂と を混合した塗工液を繊維構造基材 Tの片面又は両面に塗工し 乾燥させて形成した混合樹脂層 R l x と、 を備えている。
こ こで、 繊維構造基材 Tは、 塗工液が塗工される面が次の 特性 (cl) (c2) を有する よ う に調整されている。
( cl) 表面粗さ ( J I S B 0 100 1 ) が最大高 さ ( R max) で 3 0 ~ 5 / mの範囲内にある。
( c2) コ ップ吸水度 ( J I S P 8 1 4 0 (1976) ) の試 験方法における蒸留水との接触時間を 1 0秒間 と して試験し た場合、 得られる吸水度力 S 1 0 0 〜 1 0 [ g / m 2 · 1 0 秒] の範囲内にある。
このよ う な繊維構造基材 Tは、 製紙用天然繊維を主体と し て周知の方法によ り作成可能と なっている。 例えば、 繊維構 造基材 Tの表面粗さの調整には、 原料叩解度 ( C S F ) ゃゥ ェ ッ.トプレス圧の制御、 ヤンキー ドライヤの使用、 顔料のプ レコー ト、 カ レンダー処理などが適用可能である。 また、 繊
維構造基材 Tのコ ップ吸水度の調整には、 酸性サイズ剤又は 中性サイ ズ剤の内添、 サイ ズプ レス による表面サイ ズコーテ ィ ング等が適用可能となっている。
表面粗さ と コ ッ プ吸水度の範囲について述べる 繊維構造基材 Τ の表面粗さ ( R m a x ) が 3 0 μ mを越 る と、 表面の凹凸の大き さが塗工膜の厚さ よ り 大き < なるため 凸部での塗ェ膜が極端に薄く なって機能低下が大き < なる。 従ってヽ 繊維構造基材 Tの表面粗さは、 3 0 [ μ m ] 以下が 望ま しレ、 o
またヽ 繊維構造基材 T の表面粗さ ( R m a x ) を 5 β m未滴 にするには、 過度のプ レス 、 カ レンダー処理の強化な どを必 要とする こ とから、 繊維構造基材 τが潰されて繊密にな り 、 薄く なつて剛度が低下してい る ので、 ト レーゃ容 に不適と なる。 従つ て、 繊維構造基材 T の表面粗さは、 5 [ β m ] 以 上が望ま しい。
一方 、 繊維構造基材 Tの吸水度が 1 0 0 [ g / m 2 ■ 1 0 秒] よ り 高い場合、 塗工液が多量に浸透して表面の塗ェ膜が 不均一と なるため、 ピンホールができ易く 、 不十分なロロ ¾と なる。
これを補 う には、 過剰の塗布量を用いるか、 又は乾燥炉ま での到 時間を短縮する (生産速度を上げる) こ と が必要と な 。 伹し、 乾燥炉が固定長である こ とから、 生産 度を上 げる と 乾燥不足が生じて混合樹脂層 R 1 X の品質を低下さ せる心配がある。 従って、 繊維構造基材 T の吸水度は 、 1 0
0 [ g / m 2 · 1 0秒] 以下が望ま しい。
また、 繊維構造基材 T の吸水度が 1 0 [ g , z m 2 • 1 0 秒] 未満の場合、 繊維構造基材 τへのエマノレジヨ ンの浸透が 少な く ヽ 混合樹脂層 R 1 X と繊維構造基材 T と の結合 、 いわ ゆるァンカー効果が弱く な 、 折り 曲げ加ェ時に混合榭脂層
R 1 が繊維構造基材 τから剥離し易 く なる o 従って 、 繊維 構造基材 T の吸水度は、 1 0 [ g / m 2 · 1 0秒] 以上が望 ま しい
以上のよ う な構成によれば、 ポリ エステル系樹脂と ラテ ツ タ ス系樹脂と の混合樹脂層 R 1 X を繊維構 基材 T上に形成 した構成によ り 、 前述 した第 1 0 の実施形態と同様の作用効 果を得る こ とができる。
またヽ 本実施形態によれば、 繊維構造基材 T の塗工面の表 面粗さ R m a x と コ ップ吸水度と を規定した 成によ り 、 塗工 液を極端に薄く せずに略均一に塗布しつつ 、 ァンカー効果を 発現でさ る。 このため、 塗ェ液が必要最小限の塗て量で済む ので、 プラスチックの.使用量の低減を図る こ とができる。
なお、 本 発明は 、 上記各実施形態に限定される ちのでな く 、 実施段階ではその要旨を 脱しない範囲で種々 に変形す る こ とが可能である o また、 各実施形 は可能な限り 適宜組 み合わせて実施 しても よ < 、 その逼 ¾八口 、 組み合わされた効果 が得られる o さ らに 、 上記各実施形態には種々 の段階の発明 が含まれて り 、 開示さ る複数の構成要件における適宜な 組み合わせによ り種々 の発明が抽出され得る。 例えば実施形 態に不 ^れる全構成要件 ら つ の構成要件が 略される こ と で発明が抽出された 口 には 、 その抽出された発明を実
施する場合には省略部分が周知慣用技術で適宜捕われる もの である。
その他、 本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形し て実施でき る。
[実施例]
以下、 各実施例によ り 説明する。 なお、 以下の各実施例に 記載のガラス転移点 T g [ °C ] は、 J I S K 7 1 2 1 にお け る D S C ( differential scanning calorimetry : 示差走査熱分析) 法によ り 測定された値である。 また、 各実 施例でい う T g は、 T g mを意味している。
<実施例 1 >
実施例 1 は、 第 1 の実施形態に対応 している。 実施例 1 は、 以下の条件によ り 、 塗料の塗布量と 固形分、 耐油耐水性の結 果を調べた。 その結果を表 1 に示す。
(実施例 1 の条件)
樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂 .
T g ; 2 0 °C
固形分 ; 表 1 の通り
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g /m 2 コー トカー ド紙
ポ リ エス テル系樹脂を含む塗料はノ ーコー ト面に塗布 し、 オープンにて 1 0 0 °C 1 分の乾燥条件で乾燥させた。
表 1
実施例 1 によれば、 固形分 1 0 %以上の塗料から一般的な 塗工加工を行え、 且つ十分な耐油性 · 耐水性を得る こ と がで きた。
<実施例 2 >
実施例 2 は、 第 9 の実施形態に対応 している。 実施例 2 は、 以下の条件によ り 、 疎水基の性能を調べた。 その結果を表 2 に示す。
(実施例 2 の条件)
樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 n は表 2 の通 り
固形分 ; 5 0 %
分散溶媒 ; 水
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g / m 2 コー トカー ド紙
塗布量 ; 4 g Zm 2 · d r y
実施例 2 によれば、 ポ リ エステル系樹脂に修飾した疎水基 は炭素数が 8以上であれば、 良好な撥水性を発現させる こ と ができた。
<実施例 3 >
実施例 3 は、 第 1 0 の実施形態に対応している。 実施例 3 は、 以下の条件によ り 、 混合樹脂層 R l x の柔軟性と タ ック の有無を調べた。 その結果を表 3 に示す。
(実施例 3 の条件)
第 1樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
第 2樹脂 ; S B R ラテ ッ ク ス
T g ; — 3 0。C
分散溶媒 ; 水
第 1樹脂及び第 2樹脂を固形分 5 0 % Z水になる よ う 分散。 割合は第 1樹脂/第 2樹脂 = 9 0 固形重量部 / 1 0 固形重 量部
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g /m 2 コー トカー ド紙
塗'布量 ; 1 0 g / m 2 ■ d r y
評価法…混合樹脂層 R 1 X の塗工面を内側に折 り 曲げた後、
ひま し油を滴下して 目視 里、、点の有無を見る こ と によ り 、 ピ ノホ一ノレの有無を見る。 なお、 折り 曲げ線上に沿って全て黒 点になつた場合を Xと し 、 数点の黒点が見られた場合を△と し、 全 < 黒点が見られなかつた場合を〇 とする。 なお、 試験 長さは 2 0 c mである。
タ クク …指の表面を塗工面に付け、 張り ついた場合を X と し、 抵 を感じた場合を Δと し、 抵抗を感じない場合を〇 と する
表 3
評価結果は、 柔軟性/タ ック =〇 Z〇で表した。
なお、 藓線な どを入れない用途、 又は部分的に耐油性が必 要な場合は、 柔軟性は不要である。
実施例 3 によれば、 折り 曲げ用途の場合、 ポ リ エス テル系 樹脂のガラス転移点が 2 5 °C〜 1 5 °Cの範囲内で、 且つ、 ラ
テックス系樹脂のガラス転移点が 1 0 °C 4 0 °Cの範囲内 であれば良いこ とが分かる。
なお、 非折り 曲げ用途の場合、 ポ リ エステル系樹脂のガラ ス転移点が 4 0。C〜 1 5 °Cの範囲内であれば良いこ とが分か るが、 折り 曲げ用途で良好だった範囲のガラス転移点 2 5 °C 〜 1 5 °Cを用いてもよい。
<実施例 4 >
実施例 4 は、 第 1 2 の実施形態に対応している。 実施例 4 は、 以下の条件によ り 、 無機剤を添加 した場合のタ ック性の 改善を調べた。 その結果を表 4 に示す。
(実施例 4 の条件)
第 1樹脂 ; ポリ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C , 1 5 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素 C数 1 0以上
第 2樹脂 ; S B Rラテ ック ス
T g ; - 3 0 °C
分散溶媒 ; 水
無機材 ; 粒径 1 0 μ mの炭酸カルシウム
第 1 樹脂、 第 2樹脂及び無機剤を固形分 5 0 % Z水になる よ う分散
割合は、 第 1 樹脂 /第 2 樹脂 ( 1 0 ) /無機剤 ( X ) = ( 9 0 - X ) 固形重量部ノ 1 0固形重量部 ZX固形重量部 無機剤の量 ; 表 4の通り
繊維構造基材 τ ; s e o g /m 2 コー トカー ド紙
塗布量 ; 1 0 g /m 2 · d r y
表 4
実施例 4 によれば、 無機剤を 0 . 1 重量%〜 1 0重量%の 範囲内とする と ピンホールを発生させずに、 タ ック を防止で き る こ と を確認できた。
<実施例 5 > .
実施例 5 は、 第 1 3及び第 1 4 の実施形態に対応している。 実施例 5 は、 以下の条件によ り 、 塗布量を変えた場合の耐油 性を調べた。 その結果を表 5 に示す。
(実施例 5 の条件)
第 1樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
第 2樹脂 ; S B R ラ テ ッ ク ス
T g ; - 3 0 °C
分散溶媒 ; 水
第 1 樹脂、 第 2樹脂、 無機剤を固形分 5 0 % Z水になる よ う分散。
無機材 ; 粒径 1 0 z mの炭酸カルシウム
第 1樹脂/第 2樹脂 Z無機剤 = 9 0 / 9 . 5 / 0 . 5 塗布量 ; 表 5 の通り
基材 ; 表 5 の原紙 2種類
樹脂塗工面 ; ノーコー ト面
表 5
評価結果は、 平面部耐油性 Z折曲部耐油性 == O / Δな どで記述した。
〇…塗工面にひま し油滴下で 6 0 °C X 3 ヶ月 で浸透の有無を 確認し変化 (しみ込みによる黒点) がない場合。
△… ピンホール程度の欠損 (黒点) がある場合。
X…大きな欠損 (黒点) がある場合。
実施例 5 によれば、 コ ップ吸水度が紙の秤量以上の場合に は^布量が 3 〜 3 0 g / m 2 の範囲内にあればよ く 、 コ ップ
吸水度が紙の秤量未満の場合には塗布量が 1 〜 3 0 g / m 2 の範囲内にあればよいこ とが分かった。
<実施例 6 >
実施例 6 は、 実施例 5 にて、 コ ップ吸水 °Cと撥水度を調べ たものである。 その結果を表 6 に示す。
¾ 6
実施例 6 によれば、 コ ップ吸水度が 1 0 g / m 2以下の場 合に耐水性が保証され、 撥水度が R 8 以上の場合に撥水度が 保証される よ う に、 混合樹脂層 R l x が形成されている こ と が分かる。
ぐ実施例 7 >
実施例 7 は、 次の条件によ り 、 実施例 6 の混合樹脂層 R 1 Xの耐油性を確認した。 その結果を表 7 に示す。
(実施例 7の条件)
実施例 6 のコ ッブ吸水試験ジグを用い、 水の代わ り にひま し油を使用 して、 6 0 °C X 3 ヶ月放置して表面の状態を観察 した。
試'験サ ンプルには、 実施例 6 のコ ップ吸水度 1 0 g / m 2
なるサンプルを使用 した。
表 7
実施例 7 によれば、 実施例 6 で耐水性及び撥水性が良好な ものが耐油性も良好なこ と を確認できた。
ぐ実施例 8 >
実施例 8 は、 第 1 3 の実施形態に対応してレ、る 。 芙施例 8 は、 以下の条件によ り 、 パルプモ一ル ド、体のよ う に空隙の大 きい繊維構造基材 Tに樹脂層 R 1 を形成でさ る ·>- と を確 s す る ものである。
(実施例 8の条件)
樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
ポ リ エステル系樹脂を容量 2 0 0 c c になる よ う なパルプ モーノレ ド ト レーにスプレー コー ト によ り ドラ イ で 3 0 g / m
2塗布して 1 0 0 °C 1 分で乾燥した。
実施例 8 によれば、 繊維構造基材 Tの表面が十分埋め られ、 液体.の浸透を完全にブロ ック したピンホールフ リ ーのバ リ ァ 容器を形成するこ とができた。
ぐ実施例 9 〉
実施例 9 は、 第 1 7 の実施形態に対応している。 実施例 9 は、 以下の条件によ り 、 塗料の塗布量と 固形分、 耐油耐水性 の結果を調べた。 その結果を表 8 に示す。
(実施例 9 の条件)
第 1 塗料 ; S B R ラテ ック ス樹脂を主剤
T g ; - 2 0 °C
固形分 ; 5 0 %
分散溶媒 ; 水
第 2塗料 ; ポ リ エステル系樹脂を主剤
T g ; 2 0 °C
固形分 ; 4 0 %
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g / m 2 コー トカー ド紙
第 1 塗料をノ ーコー ト面に塗布 し、 オーブンにて 1 0 0 °C 1 分の乾燥条件で乾燥させた。 続いて同様に、 第 2塗料を S B R ラ テ ッ ク ス樹脂層 R 0 上に塗布 し、 オーブンにて 1 0 0 °C 1 分の乾燥条件で乾燥させた。
表 8
実施例 9 によれば、 塗布量 2 g 以上のものから実用に耐え う る耐油性を示すものが得られた。 また、 実施例 9 によれば、 フ ァ ース ト フ一 ドのポテ ト用カー ト ン等のよ う に短時間の耐 油性が必要なも のか ら 、 バターやチヨ コ菓子用カー ト ンな ど 長期の耐油性が必要なも の ま で、 要求される耐油性に応 じて 塗布量を増やせれば良い旨が確認できた。
<実施例 1 0 >
実施例 1 0 は、 第 2 1 の実施形態に対応している。 実施例 1 0 は、 以-下の条件によ り 、 疎水基の性能を調べた。 その結 果を表 9 に示す。
(実施例 1 0 の条件)
第 1 塗料 ; S B Rラテックス樹脂を主剤
T g ; — 2 0。C
固形分 ; 5 0 %
分散溶媒 ; 水
第 2塗料 ; ポ リ エステル系樹脂を主剤
T ' g ; 2 0。C
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 n は表 9 の通 り
固形分 ; 5 0 %
分散溶媒 ; 水
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g /m 2 コー トカー ド紙
塗布量 ; 4 g Zm ■ d r y
実施例 1 0 に よれば、 ポ リ エス テル系樹脂に修飾した疎水 基は炭素数が 8 以上であれば、 良好な撥水性を発現させる こ と ができ た。 例えば、 冷蔵庫にて保管されるパターカー ト ン を室温の部屋に戻 した際、 結露水がカー ト ン表面で玉になる こ と で、 軽く 払 う だけで水玉を表面か ら落 とすこ と ができ る。 また、 結露水の影響でカー ト ンを湿らせる こ とがない。
く実施例 1 1 >
<実施例 1 1 >
実施例 1 1 は、 第 2 2 の実施形態に対応 している。 実施例 1 1 は、 以下の条件に よ り 、 箱組みする際の折 り 曲げ部の柔 軟性と タ ック の有無を調べた。 その結果を表 1 0 に示す。
(実施例 1 1 の条件)
O C (over coating)樹脂 ; ポ リ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
固形分 4 0 %
塗布量 1 6 g / m 2
A C ( anchor coating)樹月旨 ; S B R ラ テ ッ ク ス
T g ; - 3 0 °C
分散溶媒 ; 水
固形分 5 0 %
塗布量 4 g /m 2
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g / m 2 コー トカー ド紙
柔軟性…各樹脂層 R 0 , R 1 の塗工面を内側に折り 曲げた 後、 ひま し油を滴下して目視で黒点の有無を見る こ と によ り 、 ピンホールの有無を見る。 なお、 折り 曲げ線上に沿って全て 黒点になった場合を Xと し、 数点の黒点が見られた場合を△ と し、 全く 黒点が見られなかった場合を〇 とする。 なお、 試 験長さは 2 0 c mである。
タ ック …指の表面を塗工面に付けて張り ついた場合や抵抗 を感じた場合には、 柔軟性の評価結果 (〇, △又は X ) の右 側に "/タ ック " と併記する。
表 1 0
実施例 1 1 によれば、 折 り 曲げ用途の場合、 ポリ エステル
系樹脂のガラス転移点が 2 5 °C〜 1 5 °Cの範囲内で、 且つ、 ラ テ ッ ク ス系樹脂のガラス転移点が 1 0 °C〜 一 4 0 °Cの範囲 内であれば良いこ とが分かる。
<実施例 1 2 >
実施例 1 2 は、 第 2 1 及び第 2 2 の実施形態に対応 してい る。 実施例 1 2 は、 以下の条件によ り 、 パルプモール ド体の よ う に空隙の大きい繊維構造基材 Tに樹脂層 R 0 , R 1 を形 成できる こ と を確認する ものである。
(実施例 1 2 の条件)
O C樹脂 ; ポリ エステル系樹脂
T g ; 2 0 °C
分散溶媒 ; 水
疎水基 ; 炭化水素の炭素数 1 0以上
A C樹脂 S B Rラテ ック ス
T g ; — 3 0 °c
分散溶媒 , 水
固形分 5 0 %
S B R ラテ シ ク ス樹脂を容量 2 0 0 c c になる よ う なパル プモーノレ ド 卜 レ一にスプレーコー ト に よ り ドライ で 3 0 g / m 塗布して 1 0 0 °C 1 分で乾燥した。 その後、 ポリ エステ ル系樹脂を S B R ラテ ッ ク ス樹脂層にスプレーコ ー ト によ り ドライで 3 0 g / m 2塗布して 1 0 0 °C 1 分で乾燥した。 実施例 1 2 によれば、 繊維構造基材 Tの表面が十分埋め ら れ、 .液体の浸透を完全にブロ ッ ク したピンホールフ リ 一のバ リ ア容器を形成する こ とができた。
<実施例 1 3 >
実施例 1 3 は、 第 2 3 の実施形態に対応している。 実施例 1 3 では、 以下の条件下で、 繊維構造基材 Tの表面粗さ ( J I S B 0 1001 ) 及びコ ップ吸水度 ( J I S P 8 1 4 9 (1976)、 但し接触時間は 1 0秒間) を変えた場合に耐油性の 有無を調べた。 結果を表 1 1 に示す。
(実施例 1 3の条件)
第 1樹脂 ; ポリ エステル系樹脂
分散溶媒 ; 水
第 2樹脂 ; S B R ラテ ック ス . 分散溶媒 ; 水
第 1 樹脂及び第 2樹脂を固形分 4 0 % /水になる よ う 分散 して塗工液を作成。 樹脂の割合は第 1 樹脂/第 2樹脂 = 2 0 固形重量部 / 2 0 固形重量部
繊維構造基材 T ; 2 6 0 g Z m 2 のカー ド紙
塗工面の表面粗さ Rmax ; 5 〜 2 8 μ πι 塗工面のコ ップ吸水度 ; 1 0 〜 1 0 0 g Zm 2 · 1 0秒、 塗布方法 ; 塗工液を繊維構造基材 Tの塗工面に塗布し、 熱 風乾燥した。
塗布量の測定 ; 塗工前の繊維構造基材 T と、 塗工後の繊維 構造物 T s 1 X と を 1 2 0 °C X 6時間乾燥オーブンに入れ、 乾燥状態に した。 その後、 デシケータの中で 3 0分かけて温 度を室温に戻し、 両者の重量差を測定した。 得られた重量差 ( g-) から塗布量 ( g / m 2 ) を算出した。
表 1
「〇一M 面に変化 (しみ込みによる黒点) がない^
△…ピンホー/^ tの欠損 (黒点) がある:!^。
X···大きな欠損があるナ 。 ひ-剥 ϋ¾τΤ
スクラッチ耐个生 厶…少し剥離ぎみだが実用上、 問題無し
L χ···ひっかくと容易に剥離した
耐油性 ; キッ ト法、 サラダ油、 ひま し油の 3通り の試験方 法の油で評価した。
キッ ト法 ; J A P A N T A P P I N o . 4 1 (キッ ト法) による。 処理紙表面に各種キッ ト番号の試験液を 1滴 落と し、 1 5秒後、 試験液をティ ッシュペーパーで拭き取り 、 しみ込みの有無を評価した。
サラダ油 (高温) ; 1 8 0 °Cに加熱したサラダ油 (市販 品) を 2 0 c c だけ試料に滴下し、 2 4時間放置した後、 裏 面への突き抜けの有無を評価した。
ひま し油 (低粘度、 常温) ; 常温のひま し油 (関東化学 製、 鹿一級) を 2 0 c c だけ試料に滴下し、 室温下で 1 ヶ月 放置した後、 裏面への突き抜けの有無を評価した。
評価結果は、 表 1 1 に〇、 △、 Xで記述した。
スク ラ ッチ耐性 ; 樹脂層表面を爪で 1 0 回往復 しなが ら引 っ搔いた後、 密着性 (剥離の有無) を評価した。 評価結果は、 表 1 1 に〇、 △、 Xで記述した。 - 実施例 1 3 によれば、 塗工前に、 塗工面の表面粗さ R max が 5 〜 2 8 [ μ ] の範囲内にあ り 、 且つ塗工面のコ ップ吸 水度力 1 0 〜 1 0 0 [ g / m 2 · 1 0秒] の範囲内にあれば、 塗工後の耐油性に問題ないこ とが分かった。
産業上の利用可能性
本発明によれば、 フ ッ素系耐油剤を用いずに、 耐油性 · 耐 水性を有し、 繊維構造基材を容易に リ サイ クルし得る繊維構 造物を提供できる。