JP2000248494A - 防湿積層体 - Google Patents

防湿積層体

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JP2000248494A JP11051950A JP5195099A JP2000248494A JP 2000248494 A JP2000248494 A JP 2000248494A JP 11051950 A JP11051950 A JP 11051950A JP 5195099 A JP5195099 A JP 5195099A JP 2000248494 A JP2000248494 A JP 2000248494A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は紙支持体上に防湿層を形成せしめた古
紙としてリサイクル可能な防湿紙であり、防湿層と反対
面どうしの滑りが発生せず、折曲げ時の防湿層の破損に
よる防湿性の低下がなく、紙表面へのラベルの添付が容
易で、包装時に再離解性のあるホットメルト接着剤の使
用を可能にし、ブレード塗工などの高速で生産性の高い
塗工方式に好適な防湿積層体を提供する。 【解決手段】紙支持体上の少なくとも片面に平板状顔料
と合成樹脂からなる防湿層を形成した防湿紙において、
該防湿層が5〜25g/m2であり、該防湿層上に、合成樹
脂乳化物から得られる被膜成分を含む被覆層を設けるこ
とを特徴とする防湿積層体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は紙支持体上に防湿層
を形成せしめた古紙としてリサイクル可能な防湿紙であ
り、防湿層と反対面どうしの滑りが発生せず、折曲げ時
の防湿層の破損による防湿性の低下がなく、紙表面への
ラベルの添付が容易で、包装時に再離解性のあるホット
メルト接着剤の使用を可能にし、ブレード塗工などの高
速で生産性の高い塗工方式に好適な防湿積層体を提供す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、紙の支持体上にポリエチレンやポ
リプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどの被膜形成性を
有する高分子化合物をラミネートあるいは張り合わせて
水蒸気の透過を防止することにより紙に防湿性を付与す
ることは公知の技術である。しかし、この種の紙は被膜
層が強固であるため防湿性の機能は十分発揮できるが、
再離解する際にはパルプ繊維がフロック状に残存したり
被膜そのものが大きなシート状に残存するなどの問題が
あり、古紙原料として使用できず、使用後に焼却処分あ
るいは埋め立て処分するしかなく、環境保護や資源の再
利用の面から問題がある。
【0003】これに対し古紙として再利用可能な防湿紙
として、特定の組成のパラフィンワックスを含むエマル
ジョンをクラフト紙の片面または両面に塗布して防湿紙
を製造する方法(特開昭50−36711号)、合成炭
化水素系樹脂及びワックスをスチレン−マレイン酸系共
重合体及び界面活性剤を用いて水に分散させて得たエマ
ルジョンとの混合物よりなる紙の防湿加工用組成物(特
開昭56−148997号)が開示されている。さら
に、特定の融点を有するパラフィンワックス、マレイン
化、若しくはフマール化ロジンと多価アルコールとのエ
ステル化物、液状ポリブテン、及びロジンなどを主成分
とするワックスエマルジョン、あるいは前記ワックスエ
マルジョンと合成ゴム系ラテックスとの混合物を上質
紙、クラフト紙などの繊維質基材表面に塗布し、加温下
に乾燥する防湿紙の製造方法が開示されている(特開昭
61−47896号)。その他に、古紙として回収、再
利用可能な防湿紙に関しては、原紙に対してある種の合
成ゴム系ラテックスとワックス系エマルジョンを混合し
た塗工液を塗工することを基本とする製造方法が開示さ
れている(包装技術、昭和57年9月号、42〜46
頁)。
【0004】これらパラフィンワックスを使用する防湿
紙は、いずれも再離解性を有する防湿紙であるが、かか
る防湿紙をロール状に巻き取った場合、防湿層表面に含
まれるワックスが反対裏面に転移し、その結果防湿層の
反対面は非常に滑り易くなり、最も極端な場合、この面
を相互に接するように包装すると、包装物を並び揃える
ときに不揃いになったり、滑り落ちたり、さらに重量物
を包装した場合は運搬時に互いにずれて運搬中に落下す
るなどの重大な問題が発生する。そのために裏面に防滑
層を設けたり、特定の巻圧でロール状に巻き取るなどの
技術があるが、滑りに対する根本的な解決には至ってな
い。
【0005】また、これらワックスを含む防湿紙は、そ
の防湿性がワックスの形成する極薄い撥水性層に依存し
ているためか、包装時の折曲げ部分の防湿性が極端に低
下する傾向がある。さらにワックスの防湿層表面へのブ
リードが避けられず、その表面にラベルを添付しようと
してもすぐ剥がれる等の問題があり、さらに常温で液状
の強い接着力を持つホットメルト接着剤以外はワックス
を含んだ防湿面との接着は不良で、接着できる場合もオ
ープンタイムが非常に短くなってしまうため、使用でき
るホットメルト接着剤が非常に限定されるという問題も
ある。また、再離解性を有する粘着テープを使用する方
法もあるが、ホットメルト接着に比べ粘着テープを使用
する場合は包装時の作業性が大幅に劣るという重大な欠
点があり、特定の用途にしか用いられていないのが現状
である。
【0006】このようにワックスを含有する防湿積層体
の欠点を解決すべく、本発明者等は過去に紙支持体上に
平板状顔料と合成樹脂ラテックスとからなる防湿層を設
けた防湿積層体(特開平9−21096号公報)を提案
した。この発明は、それ自体は水蒸気を通さないと思わ
れる顔料、例えばフィロケイ酸塩化合物粒子に見られる
ような平板状の顔料を合成樹脂ラテックスと混合して防
湿層を形成させたところ、平面的には水蒸気の透過面積
が小さくなること、また厚み方向では平板状顔料が防湿
層表面に対して平行に配列して積層するため、防湿層中
の水蒸気はこの平板状顔料を迂回しながら透過すること
から、水蒸気の所要透過距離が長くなり、結果として大
幅に防湿性能が向上することから見出された。このタイ
プの防湿紙は厚み方向で水蒸気の透過距離をかせぐた
め、ブレード塗工方式などの高速で防湿層を形成する場
合、紙支持体の凹凸が防湿層の膜厚を左右し、部分的に
は非常に薄い防湿層膜厚を取らねばならないためブレー
ド塗工品は同一塗工量では防湿性能が劣る。また、ブレ
ード塗工で防湿層を形成するには合成樹脂の配合量の多
い塗料を高濃度、高速乾燥する必要がありブリースター
などの面欠陥を生成し易い傾向にある。このため、所望
する防湿性を得るためには、平板状顔料の最適な粒子径
などを経験的に設定するだけでなく、塗工厚さを過剰に
厚く設定することによって、常に安定した防湿性能を得
ることも可能ではあるが、この場合は単に経済的に不利
となるばかりでなく、古紙回収、再利用時の離解性が大
きく劣化してしまう恐れがある。これらの欠点を改善す
るために、本発明者らは平板状顔料を用いた防湿層上に
水溶性樹脂架橋体を塗工して防湿性を大幅に向上させる
方法を出願した(特開平9−268494)。この方法
は、防湿層形成時に生成した顔料と樹脂の界面を埋める
ために該水溶性架橋体の被覆層を設けるものである。し
かし、この方法でもなお、条件や用途によっては十分な
防湿性を得ることができない場合もあるため、本発明者
らは鋭意研究の結果、更に良好な防湿性を得るための方
法を見いだした。
【0007】
【本発明が解決しようとする課題】本発明はワックスを
全く含まない防湿積層体であって、ブレード塗工などの
高速塗工方式でも高い防湿性を有し、かつ古紙として回
収、再利用可能な防湿積層体である。
【0008】
【課題を解決するための手段】1.紙支持体上の少なく
とも片面に平板状顔料と合成樹脂からなる防湿層を形成
した防湿紙において、該防湿層が5〜25g/m2であり、
該防湿上に、合成樹脂乳化物から得られる被膜成分を含
む被覆層を設けることを特徴とする防湿積層体。 2.該被覆層に用いる合成樹脂乳化物がスチレンブタジ
エン共重合体、スチレンアクリル共重合体、アクリル酸
エステル共重合体、メタアクリル酸エステル共重合体、
酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、ス
チレンメタクリル酸共重合体、メタクリレートブタジエ
ン共重合体、アクリルニトリルブタジエン共重合体、ポ
リエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ばれるも
のを少なくともひとつ含むことを特徴とする防湿積層
体。 3.防湿層がブレード塗工されていることを特徴とする
請求項1〜2記載の防湿積層体。 4.被覆層に顔料を含むことを特徴とする1〜3記載の
防湿積層体。 5.顔料が平板状顔料であることを特徴とする4記載の
防湿積層体。 6.紙支持体と該防湿層の間にアンダーコート層を形成
したことを特徴とする1〜5記載の防湿積層体。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明者らは、平板状顔料による防湿層形成の機
構について検討したところ、このような防湿層における
防湿性は、平板状顔料を迂回して水分が透過する曲路理
論で説明できることが判明した。曲路理論とは、水蒸気
が透過できない顔料の表面を迂回して透過するため、透
過距離が長くなり、結果として防湿層の膜厚が増大した
と同様の効果があるとするものである。この曲路効果に
ついてさらに検討したところ、平板状顔料の枚数の少な
い低塗工量の場合でも、非常にゆっくりと丁寧に成膜す
ると驚くべき防湿性が発揮することを見出した。この原
因について詳細に検討したところ、防湿層に含まれる平
板状顔料が重なり合い、あたかも一枚の板の如く働く場
合のあることが判明した。この効果を発明者らは蓋効果
と呼ぶが、この状態は平板状顔料を用いた防湿層として
は最も少ない塗工量で大きな防湿性が発現するため好ま
しいものである。しかし、実際に実用塗工機で塗工する
と、塗工により形成された平板顔料の重なり合う集合体
に、支持体である紙のパルプ繊維の集合状態(地合い)
に追従した欠損部分やピンホールが多発するため、良好
な防湿性が得られなかった。これは特にブレード塗工な
どの生産性の高い方式で製造する場合に顕著であった。
しかし、これらの低塗工量の防湿層であっても、該防湿
層上に被覆層を設けると、欠損部分やピンホールの発生
が重複する確率が下がったり、さらに防湿層の欠損が被
覆層の樹脂で埋められるため、所望の低塗工量での防湿
性を発現することが可能となる。この考えは、本発明者
らが既に特開平9−268494で述べた水溶性樹脂と
架橋体からなる被覆層を設けるものと同一ではあるが、
防湿層が本発明のような低塗工量の場合には、本発明の
ような、合成樹脂乳化物から成膜する樹脂成分を含む被
覆層を形成することにより、更に良好な防湿性を得るこ
とができた。
【0010】本発明では、かかる防湿層の塗工量は5〜
25g/m2が好ましく、10〜20g/m2がさらに好まし
い。また、被覆層の塗工量は1〜15g/m2が好ましく、
1〜8g/m2がさらに好ましい。また、被覆層には、防湿
性積層体表面の滑り性の改良や、摩耗性の防止、また、
耐溶剤性の付与などの機能を併せ持ったものとする目的
で、各種顔料や滑り改良材、耐摩耗剤などの添加剤を添
加することもできる。また、本発明では、防湿層塗工量
が少ない場合には被覆層の塗工量を多くするほうがよ
く、防湿層塗工量が多い場合は被覆層を少なくすること
ができる。また、被覆層は、樹脂単独で塗工してもよい
が、必要に応じて顔料を混入することもできる。なかで
も、平板状顔料を混入することにより、防湿層と被覆層
の隠蔽力、ひいては蓋効果が発現しやすくなるため好ま
しい。
【0011】本発明において、被覆層に顔料を添加する
場合は、その配合割合を特に規定するものでないが、顔
料体積分率で0.25以下であることが好ましい。0.
25以上である被覆層は、被覆層と顔料の間の空隙が少
なく、それ自体で防湿性を有する。このように0.25
以上であるとそれ自体で防湿性はないが、防湿層塗工量
が相対的に多い場合、その上に形成した被覆層と防湿層
界面にバインダーが集合するように乾燥されるため、実
質的に防湿層に形成された面欠陥を埋める働きがある。
防滑性など別の機能を被覆層に形成する場合には好まし
い構成である。
【0012】被覆層に使用する合成樹脂ラテックスは、
スチレンブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、メタアクリル酸エス
テル共重合体、酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニ
ル共重合体、スチレンメタクリル酸共重合体、メタクリ
レートブタジエン共重合体、アクリルニトリルブタジエ
ン共重合体、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、
などが挙げられるが、耐水性が良好で、伸びがよく折割
れによる塗工層の亀裂が生じにくいためにスチレン−ブ
タジエンラテックスが好適である。またスチレン−ブタ
ジエンラテックスは(メタ)アクリル酸、(メタ)アク
リル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)
アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸アミド、
(メタ)アクリルグリシジルエーテルなどで変性された
スチレン−ブタジエンラテックス(変性SBR)を使用
しても構わない。これら樹脂のガラス転移点は、−20
℃〜+50℃であってもよく、成膜性が保持されるもの
であればよい。また、成膜性が保持しにくいロジンエマ
ルジョンやポリスチレンボールなどでは本発明の効果を
期待することはできない。
【0013】被覆層に使用される顔料としては、カオリ
ン、タルク、クレー、デッカイト、ナクライト、水酸化
アルミニウム、焼成カオリン、炭酸カルシウム、硫酸バ
リウム、無定型シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、など一
般塗工紙用の顔料、また、ポリスチレン、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、メタクリル酸エステル、ベンゾグ
ウナミン、シリコン、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂などからなるプラスチックピグメントなど
を使用することができるが、以下に述べる防湿層に使用
する平板状顔料を用いることもできる。その場合、白雲
母や金雲母、絹雲母など雲母族鉱物が特に好ましい。
【0014】本発明の防湿層に用いる平板状顔料とはそ
の平均粒子径が数μm以上の概略平板な結晶性の物質で
あり、レーザー回析法で測定した平均粒子径が1μm〜
200μmの範囲のものである。その中でも3μm〜1
00μmが好適であり、さらに好ましくは5μm〜50μ
mである。特に防湿層を形成するのに有効な粒子径は1
0〜40μmと考えられる。粒子径が5μm以下のもの
は塗工層中での該平板状顔料の配向が支持体に対して平
行になりにくいため効果がなく、50μm以上になると
平板状顔料の一部が塗工層から突き出たり、平板状顔料
の厚みが数μm程度となるに伴い、配向した平板状顔料
の塗工層中における層数が少なくなってしまうために防
湿性能向上効果が減少すると推察される。
【0015】平板状物質の粒子径の測定方法にはマイク
ロトラックレーザー回折法やマイクロシーブ網篩法によ
り平均粒子径を求める方法や、電子顕微鏡の観察によっ
て求める方法などがある。測定方法によって粒子径の数
値に差があるが、マイクロシーブ網篩法と電子顕微鏡が
実際の粒径に近く、マイクロトラックレーザー回折法で
は実際よりやや大きい値となる。しかし本発明の平均粒
子径は測定のし易さ及び再現性の高さなどからマイクロ
トラックレーザー回折法により測定した。
【0016】平板状顔料のアスペクト比は、平板状顔料
の平均粒子径を厚さで除したものであるが、本発明の効
果を発揮するためにはアスペクト比が5以上であること
が必要である。特に好ましいものはアスペクト比が10
以上である。アスペクト比が5以下のものは塗工面に対
して平行に配向できなくなるために防湿性能が劣り、ア
スペクト比は大きいほど平板状顔料の塗工層中における
層数が大きくなるため高い防湿性能を発揮する。
【0017】アスペクト比を計算するための平板状顔料
の厚さは電子顕微鏡観察により測定した。平板状顔料の
厚みは顔料の種類、粉砕方法、平均粒子径によって異な
る。顔料の種類と粉砕方法が同じであれば、顔料の平均
粒子径が大きくなると厚さも大きくなり、結果としてア
スペクト比の大きさはほとんど変化しない。粉砕によっ
て厚さを小さくできるが、どのような粉砕方法であって
も粒子径が同時に小さくなるのは避けられない。例えば
湿式粉砕された白雲母で平均粒子径が40μmのものは
厚さの平均は約2μmとなり、アスペクト比は20とな
る。また平均粒子径20μmまで湿式粉砕すると、厚さ
が約1μmとなりアスペクト比が20であった。もちろ
ん平均粒子径が20μmといっても2〜60μm程度の
粒度分布を有しており、厚さも0.1μm〜数μmの範
囲を有するが、平均として1μmであった。
【0018】これらの形状を有する平板状顔料を本発明
の防湿層に用いた場合、その塗工層厚みに対し小さすぎ
る粒子径のものを使用すると塗工層中の顔料のうち支持
体に対して平行に配向するものが少なくなり、結果とし
て塗工量を増大する必要が生じる。従って本発明者らの
検討によると、塗工層厚みに対し20%以上の平均粒子
径を有する平板状顔料を用いるのが好ましい。一方塗工
層厚み以上の平均粒子径を有する平板状顔料は塗工時そ
の一部が塗工層から突出したり、折曲げ時に塗工層に空
隙を形成するような場合があり好ましくなく、使用する
としても少量の使用にとどめる必要がある。
【0019】本発明で使用する平板状顔料は、塗布加工
後も平板性(平板状)が保持されており、かつその平板
状顔料が持つアスペクト比(平均粒子径を厚さで除した
数値)が5以上であれば特に限定されるものではない
が、この条件を満たす平板状顔料の中でも、特にフィロ
ケイ酸化合物(層状構造を有する層状ケイ酸塩化合物)
であることが好ましい。フィロケイ酸塩化合物に属する
ものは板状または薄片状であって明瞭な劈開を有し、カ
オリナイト(カオリン鉱物)、雲母族、脆雲母族、パイ
ロフィライト、タルク、スメクタイト、バーミキュライ
ト、緑泥石、セプテ緑泥石、蛇紋石、スチルプノメレー
ン、モンモリロナイトなどがある。これらの中でも特に
雲母族、タルクが好ましい。雲母族には、白雲母(マス
コバイト)、絹雲母(セリサイト)、金雲母(フロコパ
イト)、黒雲母(バイオタイト)、フッ素金雲母(人造
雲母)、紅マイカ、ソーダマイカ、バナジンマイカ、イ
ライト、チンマイカ、パラゴナイト、ブリトル雲母など
が挙げられる。
【0020】これらのうち最も好適な平板状顔料として
は白雲母、金雲母、絹雲母、が粒子径の大きさ、アスペ
クト比、コストなどの点から好適である。これら顔料に
ついてさらに詳述すれば、雲母粉末の原石をハンマーミ
ル等で乾式粉砕後分級して望みの粒子径分布の部分を使
用したり、さらにガラスビーズを水中で粉砕媒として用
いたサンドミル等の湿式粉砕を行い望みの粒子径分布の
雲母を得る。この際アスペクト比を維持するために過大
な力がかからないように粉砕したり、超音波をかけなが
ら湿式粉砕(USP3240203)するなどの配慮を
施すことにより、アスペクト比の高い雲母粉末を手にい
れることができる。通常これらの方法で得られたアスペ
クト比は電子顕微鏡の観察などによると20〜30であ
る。一部アスペクト比が100程度のものも得られる
が、工業的生産が困難であるうえコスト高になってしま
う。
【0021】雲母に対し絹雲母と称せられるセリサイト
は化学組成としては類似しており、SiO2/Al23
の比率が僅かに大きくK2Oの含有率が小さい。しか
し、セリサイトは白雲母に比べ原石が細かいため、一般
に粉砕分級して得られた絹雲母の平均粒子径は0.5〜
2μm程度であり、市販されているものはこれらの範囲
のものがほとんどである。このため本発明を実施するに
は絹雲母として特異的に大きい粒子径分布のものを使用
する必要があるため、粉砕条件を大幅に緩和したり、汎
用製品の分級残査粗粒子部分などの中からさらに分級
し、必要な大きさのメッシュをパスした粒度分布のもの
を使用する必要がある。かかるセリサイトは白雲母とほ
ぼ同じアスペクト比を得ることができ、アスペクト比1
0〜30のものが一般的である。
【0022】このように、雲母は原石の大きさが絹雲
母、タルクと比較して非常に大きく、粉砕分級して粒度
分布を自由に選ぶことが可能である。一方絹雲母の原石
は小さいがへき開性が大きく、白雲母と同様粉砕物は平
板状を呈し好ましい。
【0023】これら平板状顔料を支持体上に層形成する
ために用いる合成樹脂は水蒸気の透過を基本的に防止す
る必要がある。種々の合成樹脂をクラフト紙に20g/m2
塗工したときの透湿度を測定してみると、透湿度が30
0g/m2・24hr前後の値を示すもの、800g/m2・24hr前後
の値を示すもの、さらには2000g/m2・24hr以上の値
を示すものに大別できる。ここで、本発明に用いる合成
樹脂の透湿度は同様の測定法で透湿度が500g/m2・24h
r以下、さらに望ましくは250g/m2・24hr以下である必
要がある。もちろん本発明の効果を阻害しない範囲で、
透湿度500g/m2・24hr以上のラテックスを混合使用し
てもよい。
【0024】本発明の防湿層に用いる合成樹脂として
は、 スチレンブタジエン(SBR)、アクリルスチレ
ン、メタクリレートブタジエン、アクリルニトリルブタ
ジエン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる
が、耐水性の面が良好で伸びがよく折割れによる塗工層
の亀裂が生じにくいためにSBRが好適である。ここで
重合性単量体はスチレン及び1,3-ブタジエンを主体
とするが、その他のスチレン及び1,3-ブタジエンと
共重合可能な単量体を本発明の目的を損なわない範囲で
使用することができる。その他のスチレン及び1,3-
ブタジエンと共重合可能な単量体としては、芳香族ビニ
ル単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体、シアノ
基含有エチレン性不飽和単量体、エチレン性不飽和酸の
グリシジルエステル、不飽和アルコールのグリシジルエ
ーテル、(メタ)アクリルアミド系単量体等が挙げら
れ、これらの重合性単量体を単独でまたは二種以上を組
み合わせて用いることができる。
【0025】また、合成樹脂のガラス転移温度(Tg)
及びゲル量(テトラヒドロフランなどの有機溶媒による
抽出残量をいう。分子量数十万のポリマー成分が主体)
は塗工層のブロッキング(塗工面と被包装物表面の接
着)のしやすさと成膜性に影響を与える。低Tgかつ低
ゲル量の樹脂を使用するとブロッキングしやすくなるが
成膜性は向上する。逆に高Tgかつ高ゲル量の樹脂を使
用するとブロッキングはしにくくなるが成膜性は低下す
る。通常Tgの範囲は−30℃〜50℃、好ましくは−
15℃〜30℃であり、ゲル量の範囲は30%〜95
%、好ましくは60%〜90%の範囲で、製膜性とブロ
ッキングのバランスでTgとゲル量が決定される。但
し、本発明においては被覆層でブロツキングを発生しに
くくすることができるため、防湿層に使用する樹脂は成
膜性を重視したものでよい。
【0026】これら平板状物質と合成樹脂の配合比率
は、30/70〜70/30の範囲が好適である。平板
状物質が30%以下になると平板状顔料の形成する層数
が少なくなったり顔料と顔料の距離が大きすぎるために
防湿性が不十分となり、塗工量を増やす必要が生じて非
経済的であるうえ、ブロッキングを生じやすくなる。7
0%以上になると塗工層中に平板状顔料とラテックスの
間に空隙が非常に多くなるため防湿性が劣化する。
【0027】本発明では防湿層にカップリング剤を使用
すると一段と防湿性が向上する。使用するカップリング
剤としては、親水基部分にSiを含むシランカップリン
グ剤、親水基部分にTiを含むチタネートカップリング
剤、親水基部分にAlを含むアルミニウムカップリング
剤等が挙げられる。カップリング剤の構造は、フィロケ
イ酸塩化合物のような無機化合物と相互作用する親水基
と、樹脂のような有機化合物と相互作用する疎水基に大
別され、特にその親水基部分はTi、Al等の金属元素
やSiに結合したアルコキシ基を加水分解して得られ
る。
【0028】一方、カップリング剤の疎水基部分につい
ては、疎水基部分が有機オリゴマーである場合、無機化
合物表面に高分子有機質の被膜を形成し、表面を完全に
疎水化して樹脂マトリックスとの接着性を高める効果が
ある。また、疎水基部分がエポキシ基、ビニル基、アミ
ノ基等の反応性有機官能基を有する場合、その官能基と
樹脂マトリックスの反応性官能基とが架橋し、より樹脂
マトリックスとの接着性が高まる。該カップリング剤に
は、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシ
ラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチル
ジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、メチルトリエトキシシラン、γメルカプ
トプロピルトリメトキシシラン、ビニルアセトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アニ
リノプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリ
(N−アミノエチルアミノエチル)チタネートなどが挙
げられる。
【0029】本発明においては、こうしたカップリング
剤により、フィロケイ酸塩化合物をインテグラルブレン
ド法や前処理法などで表面処理して使用することがさら
に望ましい。インテグラルブレンド法はフィロケイ酸塩
化合物と合成樹脂を含む塗工液にカップリング剤を直接
添加する方法である。また、前処理法はあらかじめフィ
ロケイ酸塩化合物表面をカップリング剤で処理する方法
である。カップリング剤の添加量はフィロケイ酸塩化合
物100重量部に対して0.1〜5重量部、好ましくは
0.5〜2重量部である。添加量が0.1重量部未満の
場合、カップリング剤によるフィロケイ酸塩化合物表面
の被覆が不十分となるため好ましくなく、5重量部を越
える場合、カップリング剤の効果が頭打ちとなるため不
経済である。
【0030】また、本発明では、防湿層に活性水素反応
化合物を添加して防湿性を向上させることもできる。本
発明で使用する活性水素反応性化合物は、合成樹脂に含
まれるカルボキシル基、アミド基、水酸基等の活性水素
官能基と反応して合成樹脂ラテックスを架橋、高分子化
(三次元網目構造)するものである。
【0031】こうした活性水素反応性化合物としては
(1)メチロール基を有し、上記親水性官能基と脱水縮
合反応を起こすもの(メラミン−ホルムアルデヒド樹
脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂など);(2)アルデ
ヒド基を有し、上記親水性官能基と付加反応を起こすも
の(グリオキザールなど);(3)エポキシ基を有し、
上記親水性官能基と開環付加反応を起こすもの(ポリグ
リシジルエーテルなど);(4)多価金属を有し上記親
水性官能基と配位結合及び共有結合を形成するもの(炭
酸ジルコニウムなど);(5)水溶液中でカチオン性を
示しアニオン性官能基とイオン結合を形成するもの(ポ
リアミン化合物、ポリアミドアミン樹脂やポリアミドエ
ピクロロ樹脂などのカチオン性樹脂)などがある。
【0032】活性水素反応性化合物の配合量は合成樹脂
ラテックス100重量部に対して0.01〜10重量
部、好ましくは0.1〜5重量部が望ましい。活性水素
反応性化合物の配合量が0.01重量部未満の場合、活
性水素反応性化合物と活性水素官能基との反応性が著し
く低下するため好ましくなく、また10重量部を越える
と透湿度向上や耐ブロッキングに対する効果が頭打ちと
なったり、未反応の活性水素反応性化合物が析出するな
どの問題が発生するため好ましくない。
【0033】さらに、本発明では紙支持体と該防湿層の
間にアンダーコート層を形成して防湿層塗工量をさらに
少なくした防湿積層体を得ることもできる。該アンダー
コート層は、上記顔料や樹脂を任意に選択して形成す
る。アンダーコートに必要な塗工量は5〜20g/m2、好
ましくは7〜15g/m2程度である。アンダーコート層自
体の防湿性については特に制約を設ける必要はなく、顔
料比率として70%を越える物であってもよい。
【0034】防湿塗料は平板状顔料を水中で分散し合成
樹脂エマルジョンあるいはアルカリ水や溶剤で可溶化さ
れた合成樹脂と混合するか、合成樹脂エマルジョン中ま
たはアルカリ水や溶剤で可溶化された合成樹脂中で顔料
を分散し、所定の固形分に調整し塗料とする。また、被
覆層は水溶性樹脂と、必要とあらば顔料を所定の固形分
に調整し塗料とする。このとき必要とあらば、増粘剤、
分散剤、消泡剤、界面活性剤、色合い調整剤、無機顔
料、有機顔料を添加したりすることができる。
【0035】また、片面にのみ防湿層を形成する場合
は、塗工面の反対側にはカール防止のために水塗りをす
る方が好ましい。
【0036】防湿層及び被覆層を形成するための塗工設
備としては、エアナイフコーター、バーコーター、ロー
ルコーター、ブレードコーター、ゲートロールコーター
グラビアコーター、カーテンコーター、スライドコータ
ー、コンマコーター、ダイコーター等公知の設備から任
意に選択することができる。特に防湿層形成の場合、ブ
レードコーター、バーコーター、エアナイフコーターな
どの塗工表面をスクレイプする塗工方式が、平板状顔料
の配向を促す傾向があるので好ましい。なかでもブレー
ドコーターは高速塗工が可能なため特に好ましい。
【0037】支持体としては、機械的離解作用によって
水中で分散しやすいものとして、例えば広葉樹クラフト
パルプや針葉樹クラフトパルプのような化学パルプ、機
械パルプ等から選ばれたパルプを原料とした上質紙、中
質紙、片艶クラフト紙、両更クラフト紙、クラフト伸長
紙等が挙げられる。これらの原紙の坪量に格別の限定は
なく、30〜300g/m2のものが適宜目的に応じて用い
られる。
【0038】本発明の塗工層はワックス類を含んでない
ため、塗工面はもちろん塗工面の反対面もワックス類が
転移することがなく滑りやすくなることはない。防湿紙
を折曲げたときも層全体の厚みで抵抗するため折曲げ時
の透湿度の低下は少ない。また、ワックス類のような離
型性を有する表面ではないため、汎用の糊を用いたラベ
ルを張り付けても脱落するようなことはない。さらに、
ポリビニルアルコール樹脂を主体とするホットメルト接
着剤は水で再離解可能であるためかかる接着剤の使用が
好ましいが、本防湿紙はワックス類を使用していないた
め通常のオープンタイムで使用することができる。もち
ろん合成ゴム系やエチレンビニル酢酸系などの一般に使
用されているホットメルト接着剤も問題なく使用でき
る。
【0039】本発明の防湿積層体は被膜形成性のよい合
成樹脂を用いるため再離解性に懸念が残ると推察するの
が当然である。しかし驚くべきことに、本発明のように
粒子径の大きな平板状顔料を有すると、古紙回収ののち
再離解工程で水スラリーを撹伴すると、機械力により平
板状顔料が破断の起点となって、容易に崩壊し、合成樹
脂被膜もろとも塗工層が破断して極小細片へ分解し、ほ
ぼ再離解と考えてよい状態にすることができる。即ち、
ポリエチレンをラミネートしたポリラミ紙を離解すると
粗大な薄片が残存するのに対し、本防湿積層体を再離解
すると粗大薄片を認めない状態にまで離解することが可
能である。
【0040】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、下記の実施例は本発明を限定するものではな
い。なお実施例中の重量部はすべて固形分換算である。
【0041】
【実施例】<実施例1>平板状顔料として金雲母(平均
粒子径40μm、アスペクト比20〜30)100重量
部と水100重量部とをカウレス分散機を用い、回転数
2000rpmで2時間分散した。得られた前記顔料スラ
リ−50重量部とSBRラテックス(Tg20℃、ゲル
分率84%、固形分濃度50%)25重量部とを混合し
て防湿塗料を調整し、これを未晒両更クラフト紙にブレ
ードを用いて塗工量が15g/m2(固形分)となるように
手塗りした後、熱風循環乾燥機を用いて110℃、1分
間乾燥させて防湿層を形成した。次いで、防湿層に用い
たのと同様のSBRラテックス単独からなる被覆層塗料
を、該防湿層上にメイヤーバーを用いて塗工量が2g/m2
(固形分)となるように手塗りした後、熱風循環乾燥機
を用いて110℃、1分間乾燥させて被覆層を形成し、
防湿積層体を得た。
【0042】<実施例2>炭酸カルシウム100重量部
と水100重量部とを、実施例1と同様の方法にて分散
し、前記顔料スラリ−50重量部とスチレンアクリル共
重合体としてアクリルスチレンエマルジョン(Tg20
℃、ゲル量70%、固形分47%)25重量部とを混合
したものを被覆層塗料とし、これを実施例1にて得られ
る防湿層上にメイヤーバーを用いて塗工量が7g/m2とな
るように手塗りしたこと以外はすべて実施例1と同様に
して防湿積層体を得た。 <実施例3>カオリン100重量部と水100重量部と
を、実施例1と同様の方法にて分散し、前記顔料スラリ
−50重量部とアクリロニトリルブタジエン共重合体と
してアクリルニトリルブタジエンラテックス(Tg−2
2℃、ゲル量80%、固形分50%)25重量部とを混
合したものを被覆層塗料とし、これを実施例1にて得ら
れる防湿層上にメイヤーバーを用いて塗工量が13g/m2
となるように手塗りしたこと以外はすべて実施例1と同
様にして防湿積層体を得た。 <実施例4>ポリエステル樹脂としてポリエステルエマ
ルジョン(Tg23℃、固形分濃度45%)単独を被覆
層塗料とし、これを実施例1にて得られる防湿層上にメ
イヤーバーを用いて塗工量が2g/m2となるように手塗り
したこと以外はすべて実施例1と同様にして防湿積層体
を得た。
【0043】<実施例5>実施例1における防湿層の塗
工量を12g/m2とし、かつ金雲母100重量部と水10
0重量部とを、実施例1と同様の方法にて分散し、前記
顔料スラリ−50重量部とSBRラテックス(Tg20
℃、ゲル量84%、固形分50%)25重量部とを混合
したものを被覆層塗料とし、これを前記防湿層上にメイ
ヤーバーを用いて塗工量が3g/m2となるように手塗りし
たこと以外はすべて実施例1と同様にして防湿積層体を
得た。
【0044】<実施例6>防湿層に用いる平板状顔料と
して、金雲母の代わりに白雲母(粒子径20μm、アス
ペクト比20〜30)とし、かつ防湿層の塗工量が18
g/m2、および被覆層の塗工量が5g/m2となるようにそれ
ぞれ手塗りしたこと以外はすべて実施例1と同様にして
防湿積層体を得た。 <実施例7>防湿層に用いる平板状顔料として、金雲母
の代わりに絹雲母(粒子径8μm、アスペクト比20〜
30)とし、かつ防湿層の塗工量が22g/m2、および被
覆層の塗工量が8g/m2となるようにそれぞれ手塗りした
こと以外はすべて実施例1と同様にして防湿積層体を得
た。
【0045】<実施例8>平板状顔料として金雲母(平
均粒子径40μm、アスペクト比20〜30)100重
量部と水100重量部とを、実施例1と同様の方法にて
分散し、前記顔料スラリ−50重量部と実施例1とは性
状の異なるSBRラテックス(Tg−1℃、ゲル分率4
0%、固形分濃度50%)25重量部とを混合して防湿
塗料を調整し、これを未晒両更クラフト紙にブレードを
用いて塗工量が17g/m2となるように手塗りした後、実
施例1で使用したのと同様のSBRラテックス単独から
なる被覆層塗料を、該防湿層上にメイヤーバーを用いて
塗工量が5g/m2となるように手塗りしたこと以外はすべ
て実施例1と同様にして防湿積層体を得た。
【0046】<実施例9>実施例5における防湿層中
に、カップリング剤としてエポキシシランカップリング
剤(商品名:KBM403、信越化学工業(株)製、有
効成分99%以上)を、対固形分比(防湿層)で1重量
部配合したこと以外はすべて実施例5と同様にして防湿
積層体を得た。 <実施例10>実施例5における防湿層中に、カップリ
ング剤としてアミノチタネ−トカップリング剤(商品
名:KR44、味の素(株)製、有効成分99%以上)
を、対固形分比(防湿層)で1重量部配合したこと以外
はすべて実施例5と同様にして防湿積層体を得た。
【0047】<実施例11>水50重量部に、25%ア
ンモニア水を2重量部、アミノシランカップリング剤
(商品名:KBM603、信越化学工業(株)製、有効
成分99%以上)0.5重量部、および活性水素反応性
化合物としてポリアミドポリ尿素樹脂(商品名:SR3
02、住友化学(株)製、固形分60%)1重量部をそ
れぞれ加えて攪拌した後、、実施例1および実施例8と
は性状の異なるSBRラテックス(Tg20℃、ゲル分
率94%、固形分濃度50%)25重量部、および金雲
母(平均粒子径40μm、アスペクト比20〜30)2
5重量部を順次攪拌しながら加えて防湿塗料を調整し、
これを未晒両更クラフト紙に塗工量が12g/m2(固形
分)となるように手塗りしたこと以外はすべて実施例5
と同様にして防湿積層体を得た。 <実施例12>実施例11にて得られる防湿塗料をその
まま被覆層塗料とし、これを実施例11にて得られる防
湿層上にメイヤーバーを用いて塗工量が2g/m2となるよ
うに手塗りしたこと以外はすべて実施例1と同様にして
防湿積層体を得た。
【0048】<比較例1>被覆層を設けなかったこと以
外はすべて実施例1と同様にして防湿積層体を得た。 <比較例2>被覆層を設けなかったこと以外はすべて実
施例6と同様にして防湿積層体を得た。 <比較例3>被覆層を設けなかったこと以外はすべて実
施例7と同様にして防湿積層体を得た。 <比較例4>被覆層を設けなかったこと以外はすべて実
施例9と同様にして防湿積層体を得た。 <比較例5>被覆層を設けなかったこと以外はすべて実
施例10と同様にして防湿積層体を得た。 <比較例6>被覆層を設けなかったこと以外はすべて実
施例11と同様にして防湿積層体を得た。
【0049】実施例1〜12、比較例1〜6で得られた
防湿積層体について透湿度を評価するための試験に供し
た。
【0050】<試験方法> 1)透湿度 JIS Z0208(カップ法)B法で塗工面を外側に
して測定した。透湿度の基準として50g/m2・24hr以下
であれば十分実用性があるが、35g/m2・24hr以下であ
れば用途拡大が望める。
【0051】
【表1】
【0052】<評価結果>表1より被覆層を設けると透
湿度が大幅に小さくなる(実施例1,6,7,9,1
0,12,比較例1,2,3,4,5,6)。被覆層樹
脂の種類で透湿度の差はほとんどない(実施例1,2,
3,4)。また、顔料を添加しても被覆層がない場合と
比較して透湿度は小さくなる(実施例2,3,5,9,
10,11)。被覆層に雲母族鉱物を使用するし透湿度
は低下している(実施例5,9,10,11,12)。
また、防湿層にカップリング剤や活性水素化物を添加す
ると透湿度は小さくなる(実施例9,10,11,1
2)。
【0053】
【発明の効果】防湿層上に合成樹脂乳化物から成膜され
る成分を含む被覆層を設けることで防湿性が向上する。
フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AA08H AC05H AC10H AH06H AK01B AK12C AK12E AK22C AK22E AK25C AK25E AK27C AK27E AK29C AK29E AK36 AK41C AK41E AK46 AK51C AK51E AK68C AK68E AK73 AK73C AK73E AL01 AL01C AL01E BA02 BA03 BA05 BA06 BA07 BA10C CA13 DG10A EH46 EH462 EJ65D GB90 JD04 JD04B JD04E JL16 JM01C JM01E YY00B 4L055 AG11 AG12 AG25 AG27 AG59 AG63 AG64 AG71 AG74 AG76 AG82 AG85 AG89 AG94 AG97 AH02 AH37 AJ04 BE09 EA14 FA11 FA30 GA47

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】紙支持体上の少なくとも片面に平板状顔料
    と合成樹脂からなる防湿層を形成した防湿紙において、
    該防湿層が5〜25g/m2であり、該防湿層上に、合成樹
    脂乳化物から得られる被膜成分を含む被覆層を設けるこ
    とを特徴とする防湿積層体。
  2. 【請求項2】被覆層に用いる合成樹脂乳化物がスチレン
    ブタジエン共重合体、スチレンアクリル共重合体、アク
    リル酸エステル共重合体、メタアクリル酸エステル共重
    合体、酢酸ビニル共重合体、エチレン酢酸ビニル共重合
    体、スチレンメタクリル酸共重合体、メタクリレートブ
    タジエン共重合体、アクリルニトリルブタジエン共重合
    体、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂、から選ば
    れるものを少なくともひとつ含む請求項1記載の防湿積
    層体。
  3. 【請求項3】防湿層がブレード塗工されていることを特
    徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の防湿積層体。
  4. 【請求項4】被覆層が顔料を含むことを特徴とする請求
    項1〜3のいずれかに記載の防湿積層体。
  5. 【請求項5】顔料が平板状顔料であることを特徴とする
    請求項4記載の防湿積層体。
  6. 【請求項6】紙支持体と防湿層の間にアンダーコート層
    を形成したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに
    記載の防湿積層体。
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