JP2002175907A - ボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末及び該ストロンチウムフェライト粒子粉末を用いたボンド磁石 - Google Patents
ボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末及び該ストロンチウムフェライト粒子粉末を用いたボンド磁石Info
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Abstract
状及び粒子サイズを有し、しかも飽和磁化値σsが高い
ボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末に関す
るものである。 【解決手段】 組成が(Sr1−xAx)O・n[(F
e1−y−zCoyZn z)2O3](但し、AはL
a、La−Nd、La−Pr又はLa−Nd−Pr、n
=5.80〜6.10、x=0.1〜0.5、y=0.
0083〜0.042、0≦z<0.0168)であっ
て、飽和磁化値σsが73Am2/kg(73emu/
g)以上である平均粒径が1.0〜3.0μmのマグネ
トプランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末で
あり、且つ、前記マグネトプランバイト型ストロンチウ
ムフェライト粒子粉末中に板状粒子を個数割合で60%
以上含んでいるボンド磁石用ストロンチウムフェライト
粒子粉末である。
Description
て好適な粒子形状及び粒子サイズを有し、しかも飽和磁
化値σsが高いボンド磁石用ストロンチウムフェライト
粒子粉末に関するものである。
比べ、軽量で、寸法精度が良く、複雑な形状も容易に量
産化できる等の利点があるため、玩具用、事務用具用、
音響機器用等の各種用途に広く使用されている。
Nd−Fe−B系に代表される希土類磁石粉末やフェラ
イト粒子粉末が知られている。希土類磁石粉末は高い磁
気特性を有する反面、価格も高価であって、使用できる
用途が制限されている。一方、フェライト粒子粉末は希
土類磁石粉末に比べて磁気特性の面では劣っているが、
安価であり化学的に安定であるため幅広い用途に用いら
れている。
ックス材料と磁性粉末とを混練した後、磁場中で成形す
るか、或いは機械的手段により成形することにより製造
されている。
に形状の複雑な部品に用いられ、しかも高い残留磁束密
度Br、最大エネルギー積BHmaxが要求されている
分野で用いられている。
向成形品は、複雑な形状をした部品には適してはいない
が、加工が容易であるという理由で、特にマイクロモー
タの分野において汎用されている。
・軽量化に伴って、使用されるボンド磁石の高性能化に
よる磁石自体の小型化が強く要望されており、残留磁束
密度Br、最大エネルギー積BHmaxの更なる向上が
必要である。
ルギー積BHmaxの向上は、磁性粉末の配向度、充填
率及び飽和磁化値によって大きく左右され、配向度、充
填率及び飽和磁化値が共に高いことが要求される。
のためには、磁性粉末としてボンド磁石用に好適な粒子
形状及び粒子サイズを有することが重要である。この事
実は、特公昭58−27212号公報の「一般にプラス
チック磁石に適したフェライト粒子粉末として要求され
る条件は、その粒子形状が6方晶フェライトの形がい粒
子たる6角平板状で且つ、出来るかぎり薄板状で、各々
の結晶の大きさが揃っており、粒度も平均粒子径で1.
0〜1.5μの範囲で粒度分布巾のより狭いことが理想
である。」なる記載からも明らかである。
はプラスチック材料への、磁性粉末の充填率を高めた場
合には、ゴム又はプラスチック材料との混練物の溶融粘
度が高くなって磁性粉末の配向度が低下する傾向にあ
り、一方、配向度を高めるために磁性粉末の充填率を低
くした場合には、磁性粉末の配向度は向上しても磁性粉
末含有量の絶対量が少ないので磁気特性、特に残留磁束
密度Br値を高めるには限度がある。
束密度Brに密接に関係しているが、磁性粉末の飽和磁
化値の向上に関しては極限状態にあるのが現状である。
この事実は、特開平9−106904号公報の「残留磁
束密度Brについては飽和磁化σsが決め手となる。マ
グネトプランバイト型(以下M型と略称することがあ
る)フェライトにおける飽和磁化σsの理論値として
は、ストロンチウムフェライトが72emu/g、バリ
ウムフェライトが71emu/gであるのに対し、一般
市販品は70emu/g程度とかなり理論値に近いとこ
ろまで向上しているので、これ以上のσsの大幅な向上
は難しい。」なる記載からも明らかである。
粒子粉末に対してLa、Co及びZn等の各種元素を添
加して飽和磁化値を向上させる方法が、特開平7−10
6113号公報、特開平9−115715号公報、特開
平10−149910号公報、特開平11−97227
号公報、特開平11−154604号公報、特開平11
−246223号公報、特開2000−138114号
公報、特開2000−138116号公報、特開200
0−156310号公報、特開2000−195715
号公報、特開2000−323317号公報、特開20
00−331813号公報、WO99/38174号公
報等において試みられている。
適な粒子形状及び粒子サイズを有し、しかも飽和磁化値
σsが高いフェライト粒子粉末は現在、最も要求されて
いるところであるが、前記諸特性を十分に満たすものは
未だ得られていない。
記載の技術は、La及びBiで置換する方法であるが、
実施例中に見られる飽和磁化値の最大値は72.7em
u/gであり、未だ飽和磁化値が十分とは言い難いもの
である。
技術は、焼結磁石に関するものであって該公報に記載さ
れている不定形の粒子径が1μm以下であるフェライト
粒子粉末は、焼結磁石用の原料粉末として用いられてい
る。従って、このフェライト粒子粉末をボンド磁石用と
して使用した場合、高配向、高充填することが困難であ
る。更に、該公報では飽和磁化値を高める為に異種元素
で置換しているが、実施例中に見られるとおり、異種金
属で置換しないときの飽和磁化値が70.5emu/g
程度であるのに対して、置換したときに最大値72.4
emu/gを示すに過ぎず、未だ飽和磁化値が十分とは
言い難いものである。
開平11−97227号公報、特開2000−3233
17号公報及び特開2000−331813号公報記載
の技術は、焼結磁石に関するものであって該公報に記載
されている不定形の粒子径が1μm以下であるフェライ
ト粒子粉末は、焼結磁石用の原料粉末として用いられて
いる。従って、このフェライト粒子粉末をボンド磁石用
として使用した場合、高配向、高充填することが困難で
ある。更に、該公報の実施例中に見られる飽和磁化値の
最大値は71.4emu/gを示すに過ぎず、未だ飽和
磁化値が十分とは言い難いものである。
報、特開平11−246223号公報、特開2000−
195715号公報記載の技術は、二種類の融剤を使用
することは記載されておらず、フェライト化反応が十分
に進行するとは言い難く、飽和磁化値が低いものと推定
でき、ボンド磁石用フェライト粒子粉末としては十分な
磁気特性を有するとは言い難いものである。
にはCo及びZnで置換したフェライト粒子粉末が記載
されているが、融剤を用いることは記載されておらず、
得られるフェライト粒子粉末の飽和磁化値は72Am2
/kg(72emu/g)であり、未だ十分とは言い難
いものである。
び特開2000−156310号公報には、フェライト
粒子中及び結晶粒界近傍の置換元素の存在割合を特定し
ているが、各置換元素が置換サイトに存在しないため、
磁気特性、殊に、飽和磁化値が高いとは言い難いもので
ある。
は、酸化ビスマスを用いることが記載されているが、本
発明に用いる融剤については記載されておらず、また、
得られるフェライト粒子粉末の飽和磁化値は68.9A
m2/kg(68.9emu/g)であり、未だ十分と
は言い難いものである。
は、粒子の機械的及び磁気的配向を可能にすることを目
的として、フェライト粒子粉末の原料混合粉に、アルカ
リ又はアルカリ土類ハライドとアルカリ又はアルカリ土
類硼酸塩とを混合することが記載されているが、異種元
素を置換することによって飽和磁化値を向上させること
は考慮されておらず、得られるボンド磁石は残留磁束密
度及び最大エネルギー積が低く十分とは言い難いもので
ある。
は、La及びCoで置換した六方晶系フェライト粒子粉
末を用いた磁気記録媒体が記載されているが、平均粒径
が0.01〜0.3μmと小さく、また、置換量が多
く、ボンド磁石用として磁気特性に優れるとは言い難い
ものである。
ギー積を有するボンド磁石を提供する為、高配向と高充
填を可能にする最適な粒子形状及び粒子サイズを有し、
しかも飽和磁化値σsが高いボンド磁石用フェライト粒
子粉末を得ることを技術的課題とする。
通りの本発明によって達成できる。
1−xAx)O・n[(Fe1−y−zCoyZnz)
2O3](但し、AはLa、La−Nd、La−Pr又
はLa−Nd−Pr、n=5.80〜6.10、x=
0.1〜0.5、y=0.0083〜0.042、0≦
z<0.0168)であって、飽和磁化値σsが73A
m2/kg(73emu/g)以上である平均粒径が
1.0〜3.0μmのマグネトプランバイト型ストロン
チウムフェライト粒子粉末であり、且つ、前記マグネト
プランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末中に
板状粒子を個数割合で60%以上含んでいることを特徴
とするボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末
である。
ライト粒子粉末を用いたボンド磁石である。
ついて説明する。
は、(Sr1−xAx)O・n[(Fe1−y―zCo
yZnz)2O3](但し、AはLa、La−Nd、L
a−Pr、La−Nd−Pr、n=5.80〜6.1
0、x=0.1〜0.5、y=0.0083〜0.04
2、0≦z<0.0168)である。
Laを含有しない場合には、本発明の目的とする高い飽
和磁化値を有するフェライト粒子粉末が得られない。ま
た、AとしてLaに加えて、更にNd、Pr、Nd−P
rを置換してもよい。
は、本発明の目的とする高い飽和磁化値を有するフェラ
イト粒子粉末が得られない。また、CoとZnを同時に
置換することによって、温度特性に優れたフェライト粒
子粉末を得ることができる。Co及びZnを同時に用い
る場合、Zn量はCoに対してモル比で0.65以下で
あることが好ましく、より好ましくは0.45以下であ
る。
6.10であり、xの範囲は0.1〜0.5であり、y
の範囲は0.0083〜0.042、zの範囲は0以上
0.0168未満である。n、x、y及びzが上記範囲
以外の場合には、飽和磁化値が低くなり本発明の目的と
するフェライト粒子粉末が得られない。好ましくはnが
5.90〜6.05であり、xが0.2〜0.4であ
り、yが0.017〜0.033、zが0〜0.012
である。
子粉末中に板状粒子を個数割合で60%以上含んでい
る。また、平均粒径が1.0〜3.0μmであり、飽和
磁化値が73kAm2/kg(73emu/g)以上で
ある。
/厚み)が1.5以上であることをいう。本発明に係る
フェライト粒子粉末中において板状粒子の個数割合が6
0%未満の場合には、ボンド磁石にする際の配向性が悪
くなるため、高い磁気特性を有するボンド磁石が得られ
ない。より好ましくは70%以上である。
板状粒子は各稜線部が丸みを帯びていることが好まし
く、より好ましくは、各稜線部が丸みを帯びている六角
板状である。これにより、配向時に粒子が滑らかに動く
ため配向性が向上する。
径が1.0〜3.0μmの範囲以外の場合には、ボンド
磁石にする際に高充填ができなくなる為、高い磁気特性
を有するボンド磁石が得られない。好ましくは1.0〜
2.5μm、より好ましくは1.0〜2.0μmであ
る。
平均値は、0.5〜1.0μmが好ましい。
度CDは、3250kg/m3(3.25g/cm3)
以上が好ましい。圧縮密度が3250kg/m3(3.
25g/cm3)未満の場合には、充填性が低下する
為、高い磁気特性を有するボンド磁石が得られない。よ
り好ましくは3300kg/m3(3.30g/c
m3)以上である。
化値が73Am2/kg(73emu/g)未満の場合
には、高い磁気特性を有するボンド磁石が得られない。
好ましくは73.5Am2/kg(73.5emu/
g)以上である。
Hcは、135〜279kA/m(1700〜3500
Oe)が好ましい。保磁力が135kA/m(1700
Oe)未満の場合には、高い磁気特性を有するボンド磁
石が得られない。より好ましくは151〜263kA/
m(1900〜3300Oe)である。
用いたボンド磁石について述べる。
における前記フェライト粒子粉末の割合が70〜95w
t%となるように、結合樹脂と混合したものである。
されているものであれば特に制限はなく、ゴム、塩化ビ
ニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリア
ミド(ナイロン)樹脂等から用途に応じて選択できる。
また、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム等の公知の離型剤を添加することができる。
Brは290mT(2900G)以上が好ましく、より
好ましくは295mT(2950G)以上である。保磁
力iHcは119〜279kA/m(1500〜350
0Oe)が好ましく、より好ましくは127〜259k
A/m(1600〜3250Oe)である。最大エネル
ギー積BHmaxは15.9kJ/m3(2.00MG
Oe)以上が好ましく、より好ましくは16.3kJ/
m3(2.05MGOe)以上である。
製造法について述べる。
のマグネトプランバイト型フェライト粒子粉末の製造法
によって得ることができる。例えば、所定の配合割合で
原料粉末を配合・混合し、得られた原料混合粉末を大気
中、1000〜1250℃の温度範囲で焼成した後、粉
砕、水洗処理し、次いで、大気中、700〜950℃の
温度範囲で熱処理することによって得ることができる。
酸化物、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物等の中から適
宜選択すればよい。なお、焼成時における反応性の向上
を考慮すれば、粒子径は2μm以下が好ましい。
に融剤を添加して焼成することが好ましい。融剤として
は、BaCl2・2H2O及びNa2B4O7を同時に
添加することが好ましい。また、粒子形状や平均粒径を
制御するためにBaCl2・2H2O及びNa2B4O
7の添加比率は重量換算で5:1〜1:5であることが
好ましい。BaCl2・2H2O及びNa2B4O7の
添加量は、原料混合粉末100重量部に対してそれぞれ
1〜5重量部であることが好ましい。1重量部未満の場
合には平均粒径が1.0μmより小さくなり、5重量部
を越える場合には効果が飽和するため必要以上に添加す
る意味がない。より好ましくは1〜4.5重量部であ
る。
混合粉末、又は焼成後の粉砕粉に混合してもよい。
用いたボンド磁石の製造法について述べる。
磁石の製造法によって得ることができ、例えば、本発明
に係るフェライト粒子粉末と前記結合樹脂とを混合した
後、磁場中で成型することによって得られる。
の通りである。
放射形走査電子顕微鏡S−800」((株)日立製作所
製)により観察した。
比表面積測定装置SS−100」(島津製作所(株)
製)を用いて測定した。
直に切断した面を撮影した電子顕微鏡写真(×6,00
0)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写真
に示される粒子約350個について、板面径及び厚さを
それぞれ測定し、(板面径/厚さ)によって求めた。
写真に示される粒子約350個中に存在する板状比1.
5以上の粒子の割合を百分率によって示した。
粉末を1t/cm2の圧力で圧縮したときの密度を採用
した。
磁力Hcは、「試料振動型磁束計SSM−5−15」
(東英工業(株)製)を用いて最大磁場1430kA/
m(18kOe)の条件で測定した。飽和磁化値σsに
は、得られた各磁場における測定値を1/H2プロット
により磁場無限大に外挿した値を採用した。
磁石の磁気特性(残留磁束密度Br、飽和磁束密度B
s、保磁力iHc、最大エネルギー積BHmax)は、
「直流磁化特性自動記録装置3257」(横川北辰電気
(株)製)を用いて測定した。
−Fe2O3、SrCO3、La2O3、CoOを、組
成が(Sr 0.80La0.20)O・5.92[(F
e0.983Co0.017)2O 3](n=5.9
2、x=0.20、y=0.017、z=0)となるよ
うに秤量して、湿式アトライターで30分混合した後、
濾過、乾燥した。得られた原料混合粉末にBaCl2・
2H2O及びNa2B4O7の混合水溶液を添加してよ
く混合した後、造粒した。この時、BaCl2・2H2
O及びNa2B4O7の添加量は、上記原料混合粉末1
00重量部に対してそれぞれ3重量部、1重量部とし
た。得られた造粒物を大気中1200℃で2時間焼成し
た。得られた焼成物を粗粉砕した後に、湿式アトライタ
ーで30分粉砕し、水洗、濾過、乾燥した。その後、更
に振動ミルで30分粉砕した。次いで、得られた粉砕物
を大気中950℃で1.5時間熱処理した。
σsは73.1Am2/kg(73.1emu/g)で
あり、保磁力Hcは230kA/m(2890Oe)で
あった。粒子形状は、きれいな六角板状であって、各稜
線部は丸みを帯びていた。平均粒径は1.30μmであ
り、板状粒子の割合は70%であり、圧縮密度は330
0kg/m3(3.30g/cm3)であった。
粉末とエチレンビニル共重合体樹脂を、フェライト粒子
粉末含有量が92wt%になるように80℃で混合した
後、該混合物を2軸のロールでシート状に成型した。得
られたシート状混合物を円柱状に打ち抜いた後、積層し
て磁場中で成型することによって、円柱状のボンド磁石
を得た。このボンド磁石の残留磁束密度Brは300m
T(3000G)であり、飽和磁束密度Bsは315m
T(3150G)であり、保磁力iHcは220kA/
m(2760Oe)であり、最大エネルギー積BHma
xは17.5kJ/m3(2.21MGOe)であっ
た。
として好適な粒子形状及び粒子サイズを有し、しかも飽
和磁化値σsが高いフェライト粒子粉末であるという点
である。
粒子形状及び粒子サイズが得られる理由について本発明
者は、本発明においては、ボンド磁石用として最適な組
成を選択し、且つ、選択した組成に好適な融剤としてB
aCl2・2H2O及びNa 2B4O7を選択したこと
によって、融剤を用いない場合と比較して粒子が成長し
やすくなり、フェライトの結晶構造を反映した板状を呈
しやすくなること及び前記融剤の添加比率、添加量を最
適化したことにより粒子の成長を制御することができ、
ボンド磁石用として好適な粒子形状及び粒子サイズが得
られたものと推定している。
いて本発明者は、組成(置換元素及び置換量)を最適化
したこと及び組成に適する融剤を用いて焼成したことに
よりフェライト化反応が促進され、各置換元素(La、
Co及びZn)が本来の置換サイトに存在することが容
易に可能となり、より完全に近い結晶構造を有するフェ
ライト粒子粉末が得られたことによるものと推定してい
る。
とによって、飽和磁化値を高くするとともに、保磁力も
高く維持できるので、本発明に係るフェライト粒子粉末
を用いたボンド磁石は、最大エネルギー積BHmaxが
高くボンド磁石として優れている。
明する。
O及びNa2B4O7の添加量、焼成温度、熱処理温度
を種々変化させた以外は、前記発明の実施の形態と同様
にしてフェライト粒子粉末を作成した。更に、このフェ
ライト粒子粉末とエチレンビニル共重合体樹脂からなる
ボンド磁石を前記発明の実施の形態と同様にして作成し
た。製造条件を表1に、諸特性を表2及び表3に示す。
CO3、La2O3、CoOを、組成が(Sr 0.75
La0.25)O・5.95[(Fe0.981Co
0.019)2O 3]となるように秤量して、湿式アト
ライターで30分混合した後、濾過、造粒、乾燥した。
得られた造粒物を大気中1200℃で3時間焼成した。
得られた焼成物を粗粉砕した後に、湿式アトライターで
30分粉砕し、濾過、乾燥した。その後、更に振動ミル
で30分粉砕した。得られたフェライト粒子粉末の飽和
磁化値σsは72.0Am2/kg(72.0emu/
g)、保磁力Hcは264kA/m(3320Oe)で
あった。平均粒径は0.95μmであり、圧縮密度は3
320kg/m3(3.32g/cm3)であった。板
状粒子の割合は20%であり、角張った形状の粒子が数
多く存在した。
共重合体樹脂を、フェライト粒子粉末含有量が92wt
%になるように80℃で混合したが、両者を均一に混合
することができず、ボンド磁石を得ることができなかっ
た。
O及びNa2B4O7の添加量、焼成温度、熱処理温度
を種々変化させた以外は実施例1と同様にしてフェライ
ト粒子粉末を作成した。更に、このフェライト粒子粉末
とエチレンビニル共重合体樹脂からなるボンド磁石を実
施例1と同様にして作成した。製造条件を表1に、諸特
性を表2及び表3に示す。
粒子粉末は、ボンド磁石用として適度な粒子形状及び粒
子サイズを有し、しかも飽和磁化値σsが高いのでボン
ド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末として好適
である。
イト粒子粉末を用いたボンド磁石は、配向度及び充填性
に優れ、しかも残留磁束密度と最大エネルギー積が高い
のでボンド磁石として好適である。
Claims (2)
- 【請求項1】 組成が(Sr1−xAx)O・n[(F
e1−y−zCoyZnz)2O3](但し、AはL
a、La−Nd、La−Pr又はLa−Nd−Pr、n
=5.80〜6.10、x=0.1〜0.5、y=0.
0083〜0.042、0≦z<0.0168)であっ
て、飽和磁化値σsが73Am2/kg(73emu/
g)以上である平均粒径が1.0〜3.0μmのマグネ
トプランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末で
あり、且つ、前記マグネトプランバイト型ストロンチウ
ムフェライト粒子粉末中に板状粒子を個数割合で60%
以上含んでいることを特徴とするボンド磁石用ストロン
チウムフェライト粒子粉末。 - 【請求項2】 請求項1記載のストロンチウムフェライ
ト粒子粉末を用いたボンド磁石。
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