JP7405648B2 - ボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法 - Google Patents

ボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法に関し、特に、フェライトの粗粒と微粒を含むボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法に関する。
従来、AV機器、OA機器、自動車電装部品などに使用される小型モータや、複写機のマグネットロールなどに使用される磁石のような高磁力の磁石として、フェライト系焼結磁石が使用されている。しかし、フェライト系焼結磁石は、欠け割れが発生したり、研磨が必要なために生産性に劣るという問題があることに加えて、複雑な形状への加工が困難であるという問題がある。
そのため、近年では、AV機器、OA機器、自動車電装部品などに使用される小型モータなどの高磁力の磁石として、希土類磁石のボンド磁石が使用されている。しかし、希土類磁石は、フェライト系焼結磁石の約20倍のコストがかかり、また、錆び易いという問題があるため、フェライト系焼結磁石の代わりにフェライト系ボンド磁石を使用することが望まれている。
このようなボンド磁石用フェライト粉末として、組成が(Sr1-x)O・n[(Fe1-y-zCoZn](但し、AはLa、La-Nd、La-Pr又はLa-Nd-Pr、n=5.80~6.10、x=0.1~0.5、y=0.0083~0.042、0≦z<0.0168)であって、飽和磁化値σsが73Am/kg(73emu/g)以上である平均粒径が1.0~3.0μmのマグネトプランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末であり、且つマグネトプランバイト型ストロンチウムフェライト粒子粉末中に板状粒子を個数割合で60%以上含んでいる、ボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002-175907号公報(段落番号0025)
しかし、特許文献1のボンド磁石用ストロンチウムフェライト粒子粉末は、板状粒子を多く含有しているため、磁場配向により粒子粉末を磁場方向に揃えようとすると、板状粒子同士が互いに配向を阻害するため、高い配向性を有するボンド磁石を作製するのが困難であった。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、磁場配向により高い残留磁化Brを有するボンド磁石を得ることができる、ボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末と、酸化鉄とを混合して造粒した後、焼成し、粉砕してフェライトの粗粉を得る工程と、フェライトの粗粉とこのフェライトの粗粉より比表面積が大きいフェライトの微粉とを混合する工程と、フェライトの粗粉とフェライトの微粉の混合物を粉砕した後、アニールする工程とを備えたボンド磁石用フェライト粉末の製造方法により、磁場配向により高い残留磁化Brを有するボンド磁石を得ることができる、ボンド磁石用フェライト粉末を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明によるボンド磁石用フェライト粉末の製造方法は、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末と、酸化鉄とを混合して造粒した後、焼成し、粉砕してフェライトの粗粉を得る工程と、フェライトの粗粉とこのフェライトの粗粉より比表面積が大きいフェライトの微粉とを混合する工程と、フェライトの粗粉とフェライトの微粉の混合物を粉砕した後、アニールする工程とを備えたことを特徴とする。
このボンド磁石用フェライト粉末の製造方法において、複合酸化物の粉末は、炭酸ストロンチウムと酸化ランタンと酸化鉄と酸化コバルトとを混合して造粒した後、1000~1250℃で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより得られるのが好ましい。また、複合酸化物の粉末と酸化鉄とを混合して造粒した後の焼成が1280~1400℃で行われるのが好ましい。また、複合酸化物の粉末と酸化鉄を混合する際に、SrとLaの合計に対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/(Sr+La)が4.5~11.7になるように複合酸化物の粉末と酸化鉄を混合するのが好ましい。フェライトの粗粉の比表面積は、0.5~1.0m/gであるのが好ましい。フェライトの微粉は、炭酸ストロンチウム中のSrに対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/Srが10.0~12.5になるように炭酸ストロンチウムと酸化鉄を混合して造粒した後、900~1000℃で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより得られるのが好ましい。また、フェライトの粗粉とフェライトの微粉を混合する際に、フェライトの粗粉の割合を60~90質量%にするのが好ましい。
また、本発明によるボンド磁石用フェライト粉末は、(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-z(但し、0<x≦0.5、0<y≦0.04、10.0≦n≦12.5、-1.0≦z≦3.5)の組成を有し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布において、粒径1μm未満の粒子の割合が20~40体積%、1~5μmの粒子の割合が30~60体積%、5μmより大きい粒子の割合が18~30体積%であることことを特徴とする。
このボンド磁石用フェライト粉末10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1トン/cmの圧力で圧縮したときのボンド磁石用フェライト粉末の密度をボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度として測定したときに、ボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度が3.70g/cm以上であるのが好ましい。また、上記のボンド磁石用フェライト粉末8gとポリエステル樹脂0.4ccを乳鉢中で混練し、得られた混練物7gを内径15mmφの金型に充填し、2トン/cmの圧力で60秒間圧縮して得られた成形品を金型から抜き取り、150℃で30分間乾燥させて得られた圧粉体の保磁力iHcを測定磁場10kOeで測定したときに、保磁力iHcが1500Oe以上であるのが好ましい。また、上記のボンド磁石用フェライト粉末92.0質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂6.6質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Aを作製し、このボンド磁石Aの残留磁化Brを測定磁場10kOeで測定したときに、残留磁化Brが3270G以上であるのが好ましい。このボンド磁石Aは、最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定したときに、最大エネルギー積BHmaxが2.65MGOe以上であるのが好ましい、また、上記のボンド磁石用フェライト粉末93.5質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂5.1質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Bを作製し、このボンド磁石Bの残留磁化Brを測定磁場10kOeで測定したときに、残留磁化Brが3410G以上であるのが好ましい。このボンド磁石Bは、最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定したときに、最大エネルギー積BHmaxが2.80MGOe以上であるのが好ましい。
また、本発明によるボンド磁石は、上記のボンド磁石用フェライト粉末と、バインダとを備えたことを特徴とする。
本発明によれば、磁場配向により高い残留磁化Brを有するボンド磁石を得ることができる、ボンド磁石用フェライト粉末を製造することができる。
本発明によるボンド磁石用フェライト粉末の製造方法の実施の形態は、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末と、酸化鉄(好ましくはヘマタイト(α-Fe))とを混合して造粒した後、(好ましくは1280~1400℃で)焼成し、粉砕してフェライトの粗粉(好ましくは比表面積が0.5~1.0m/gの粗粉)を得る工程と、フェライトの粗粉とこのフェライトの粗粉より比表面積が大きいフェライトの微粉(比表面積が好ましくは5~10m/g、さらに好ましくは7~9m/gの微粉)とを混合する工程と、フェライトの粗粉とフェライトの微粉の混合物を粉砕した後、(好ましくは880~990℃で)アニールする工程とを備えている。鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末を使用し、フェライトの粗粉を得る際の焼成の温度を1280℃以上にすることにより、フェライトの粗粉の粒径を大きくすることができる。
鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末は、炭酸ストロンチウムと酸化ランタンと酸化鉄と酸化コバルトとを混合して造粒した後、1000~1250℃(好ましくは1050~1200℃、さらに好ましくは1050~1150℃)で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより得ることができる。
この複合酸化物の粉末と酸化鉄を混合する際に、SrとLaの合計に対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/(Sr+La)が好ましくは4.5~11.7(さらに好ましくは9.0~11.0)になるように複合酸化物の粉末と酸化鉄を混合する。
フェライトの微粉は、炭酸ストロンチウム中のSrに対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/Srが10.0~12.5になるように炭酸ストロンチウムと酸化鉄を混合して造粒した後、粗粉を得る際の焼成の温度より低い温度(好ましくは900~1000℃)で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより得られるのが好ましい。
フェライトの粗粉とフェライトの微粉を混合する際に、フェライトの粗粉の割合を60~90質量%にするのが好ましい。60~90質量%のフェライトの粗粉と10~40質量%のフェライトの微粉を混合することにより、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布において、粒径1μm未満の粒子の割合が20体積%以上で5μmより大きい粒子の割合が18体積%以上のボンド磁石用フェライト粉末を得ることができる。
フェライトの粗粉とフェライトの微粉の混合物は、湿式のアトライターなどにより、(好ましくは10~40分間、さらに好ましくは15~30分間)粉砕処理(湿式粉砕処理)し、得られたスラリーをろ過して得られた固形物を(好ましくは大気中において120~180℃で5~20時間)乾燥させ、得られた乾燥ケーキを振動ボールミルにより媒体として比較的大きい(好ましくは直径10~15mmの)ボールを使用して(好ましくは20~40分間、さらに好ましくは25~35分間)粉砕処理を行った後、振動ボールミルにより媒体として比較的小さい(好ましくは直径5~10mmの)ボールを使用して(好ましくは20~40分間、さらに好ましくは25~35分間)粉砕処理を行うことにより粉砕することができる。
このようにして、(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-z(但し、0<x≦0.5、0<y≦0.04、10.0≦n≦12.5、-1.0≦z≦3.5)で示される組成のボンド磁石用フェライト粉末を製造することができる。
また、本発明によるボンド磁石用フェライト粉末の実施の形態は、(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-z(但し、0<x≦0.5(好ましくは0.01≦x≦0.5、さらに好ましくは0.1≦x≦0.5)、0<y≦0.04(好ましくは0.01≦y≦0.04)、10.0≦n≦12.5(好ましくは10.0≦n≦12.0)、-1.0≦z≦3.5(好ましくは-0.5≦z≦3.5))の組成を有し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布において、粒径1μm未満の粒子の割合が20~40体積%(好ましくは20~30体積%)、1~5μmの粒子の割合が30~60体積%(好ましくは40~60体積%)、5μmより大きい粒子の割合が18~30体積%(好ましくは18~27体積%)である。ボンド磁石用フェライト粉末の粒径1μm未満の粒子と5μmより大きい粒子の割合を多く(粒径1μm未満の粒子の割合が20体積%以上で5μmより大きい粒子の割合が18体積%以上に)することにより、ボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度(CD)を3.70g/cm以上にすることができる。
このボンド磁石用フェライト粉末は、平均粒径が、好ましくは1.0~2.0μm、さらに好ましくは1.2~1.8μmであり、比表面積が、好ましくは1.0~2.5m/g、さらに好ましくは1.5~2.3m/gである。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1トン/cmの圧力で圧縮したときのボンド磁石用フェライト粉末の密度をボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度(CD)として測定すると、ボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度(CD)は、好ましくは3.70g/cm以上であり、さらに好ましくは3.70~4.00g/cmである。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末8gとポリエステル樹脂0.4ccを乳鉢中で混練し、得られた混練物7gを内径15mmφの金型に充填し、2トン/cmの圧力で60秒間圧縮して得られた成形品を金型から抜き取り、150℃で30分間乾燥させて圧粉体を作製し、この圧粉体の磁気特性として、BHトレーサーを使用して、測定磁場10kOeで圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定すると、保磁力iHcは、好ましくは1500Oe以上、さらに好ましくは2000~4000Oe、さらに好ましくは2300~3500Oeであり、残留磁化Brは、好ましくは1700~2200G、さらに好ましくは1800~2050Gである。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末92.0質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂6.6質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Aを作製し、このボンド磁石Aの保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定すると、保磁力iHcは、2000~2500Oe、さらに好ましくは2100~2350Oeであり、残留磁化Brは、好ましくは3270G以上であり、最大エネルギー積BHmaxは、好ましくは2.65MGOe以上、さらに好ましくは2.65~2.85MGOeであり、最も好ましくは2.65~2.75MGOeである。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末93.5質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂5.1質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Bを作製し、このボンド磁石Bの保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定すると、保磁力iHcは、1800~2200Oe、さらに好ましくは1900~2100Oeであり、残留磁化Brは、好ましくは3410G以上、さらに好ましくは3420G以上であり、最大エネルギー積BHmaxは、好ましくは2.80MGOe以上、さらに好ましくは2.80~3.00MGOeであり、最も好ましくは2.80~2.90MGOeである。
さらに、上記のボンド磁石Aを印加磁場方向に対して平行に切断し、電子顕微鏡により粒子の形状を2000倍で観察し、得られた電子顕微鏡写真を2値化することにより、粒子の形状指数として、長軸長(1粒子を平行な2本の直線で挟み込んだときの直線間距離(平行な2本の直線に対して垂直に引いた線分の長さ)の最大値)が1.0μm以上の粒子の短軸長(1粒子を平行な2本の直線で挟み込んだときの直線間距離の最小値)に対する長軸長の比(長軸長/短軸長)(アスペクト比)を求める(各粒子を板状の粒子と仮定し、体積を長軸長×長軸長×短軸長として、体積で重みづけした体積平均アスペクト比を算出する)と、アスペクト比は、1.5以下であるのが好ましい。アスペクト比が1.5以下であれば、磁場配向によりボンド磁石用フェライト粉末の粒子を磁場方向に揃え易くなって、粒子の配向性が高く残留磁化Brや最大エネルギー積BHmaxが高いボンド磁石を作製し易くなる。
また、本発明によるボンド磁石の実施の形態は、上記のボンド磁石用フェライト粉末と、(好ましくは、ポリアミド樹脂などの樹脂からなる)バインダとを備えている。なお、このボンド磁石を製造するためにボンド磁石用フェライト粉末を樹脂などと混合する際の流動度MFRは30g/10分以上であるのが好ましく、35g/10分以上であるのがさらに好ましい。
以下、本発明によるボンド磁石用フェライト粉末およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
(フェライトの粗粉の製造)
炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)と酸化ランタン(La、比表面積3.8m/g)と(酸化鉄としての)ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)と酸化コバルト(Co、比表面積3.3m/g)をモル比Sr:La:Fe:Co=0.70:0.30:0.70:0.30になるように秤量して混合し、この混合物にパンペレタイザー中で水を加えながら造粒し、得られた直径3~10mmの球状の造粒物を内燃式のロータリーキルンに投入し、大気雰囲気中において1100℃で20分間焼成(一次焼成)して焼成物を得た。この焼成物をローラーミルで粉砕して、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末を得た。
この複合酸化物の粉末と(酸化鉄としての)ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)を、SrとLaの合計に対する酸化鉄中のFeのモル比(Fe/(Sr+La))=10.0になるように秤量して混合し、この混合物に対して(添加剤として)0.17質量%のホウ酸と2.3質量%の塩化カリウムを加えて混合した後、水を加えて造粒し、得られた直径3~10mmの球状の造粒物を内燃式のロータリーキルンに投入し、大気中において1300℃(焼成温度)で20分間焼成(二次焼成)して得られた焼成物をローラーミルで粉砕して、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を比表面積測定装置(カンタクローム社製のモノソーブ)によりBET一点法で測定したところ、比表面積は0.64m/gであった。
(フェライトの微粉の製造)
炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)と(酸化鉄としての)ヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)をモル比Sr:Fe=1.0:11.0になるように秤量して混合し、この混合物にパンペレタイザー中で水を加えながら造粒し、得られた直径3~10mmの球状の造粒物を内燃式のロータリーキルンに投入し、大気雰囲気中において970℃で20分間焼成して焼成物を得た。この焼成物をローラーミルで粉砕して、微粉を得た。この微粉の比表面積を比表面積測定装置(カンタクローム社製のモノソーブ)によりBET一点法で測定したところ、比表面積は7.96m/gであった。
(ボンド磁石用フェライト粉末の製造)
得られた粗粉75質量部と微粉25質量部と水150質量部とを湿式のアトライターに投入し、20分間粉砕処理を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過して得られた固形物を大気中において150℃で10時間乾燥させて、乾燥ケーキを得た。この乾燥ケーキをミキサーで解砕して得られた解砕物を、振動ボールミル(株式会社村上精機工作所製のUras Vibrator KEC-8-YH)により、媒体として直径12mmのスチール製ボールを使用して、回転数1800rpm、振幅8mmで28分間粉砕処理を行った後、上記の振動ボールミルにより、媒体として直径8mmのスチール製ボールを使用して、回転数1800rpm、振幅8mmで28分間粉砕処理を行った。このようにして得られた粉砕物を電気炉により大気中において925℃で30分間アニール(焼鈍)して、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、蛍光X線分析装置(株式会社リガク製のZSX100e)を使用して、ファンダメンタル・パラメータ法(FP法)により、各元素の成分量を算出することにより、組成分析を行った。この組成分析では、ボンド磁石用フェライト粉末を測定用セルに詰め、10トン/cmの圧力を20秒間加えて成型し、測定モードをEZスキャンモード、測定径を30mm、試料形態を酸化物、測定時間を標準時間とし、真空雰囲気中において、定性分析を行った後に、検出された構成元素に対して定量分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.3質量%のMnOと、86.2質量%のFeと、1.7質量%のCoと、7.9質量%のSrOと、0.1質量%のBaOと、3.5質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.22、y=0.020、n=11.26、z=1.11であった。なお、zは、Srの価数を+2、Laの価数を+3、Feの価数を+3、Coの価数を+2、Oの価数を-2として、化学式の価数の合計が0(ゼロ)になるように算出した。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、乾式レーザー回折式粒度分布測定装置(株式会社日本レーザー製(HELOS&RODOS))を使用して、焦点距離20mm、分散圧5.0bar、吸引圧130mbarで体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は27.5体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は48.1体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は24.5体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、粉末X線回折装置(株式会社リガク製のMiniflex600)を使用して、管電圧を40kV、管電流を15mA、測定範囲を15°~60°、スキャン速度を1°/分、スキャン幅を0.02°として、粉末X線回折法(XRD)による測定を行った。その結果、すべてのピークがSrFe1219と同じ位置に観測され、本実施例のボンド磁石用フェライト粉末がM型フェライト構造を有することが確認された。この結果は、以下に説明する実施例2~4および比較例1~5でも同様であった。
また、ボンド磁石用フェライト粉末の平均粒径(APD)を比表面積測定装置(株式会社島津製作所製のSS-100)を用いて空気浸透法により測定したところ、平均粒径は1.47μmであった。また、このボンド磁石用フェライト粉末の比表面積を上記と同様の方法により測定したところ、比表面積は1.88m/gであった。
また、ボンド磁石用フェライト粉末10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1トン/cmの圧力で圧縮したときのボンド磁石用フェライト粉末の密度をボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度(CD)として測定したところ、3.73g/cmであった。
また、ボンド磁石用フェライト粉末8gとポリエステル樹脂(日本地科学社製のP-レジン)0.4ccを乳鉢中で混練し、得られた混練物7gを内径15mmφの金型に充填し、2トン/cmの圧力で60秒間圧縮して得られた成形品を金型から抜き取り、150℃で30分間乾燥させて圧粉体を得た。この圧粉体の磁気特性として、BHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して、測定磁場10kOeで圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定したところ、保磁力iHcは2520Oeであり、残留磁化Brは2010Gであった。
(ボンド磁石Aの製造)
得られたボンド磁石用フェライト粉末92.0質量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製のZ-6094N)0.6質量部と、滑剤(ヘンケル社製のVPN-212P)0.8質量部と、バインダとして粉末状のポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製のP-1011F)6.6質量部とを秤量し、ミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを得た。なお、メルトフローインデクサー(株式会社東洋精機製作所製のメルトフローインデクサーC-5059D2)を使用して、上記の混合物が270℃、荷重10kgで押し出された重量を測定し、この重量を10分当たりで押し出された量に換算することにより、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、145.1g/10分であった。この混練ペレットを射出成形機(住友重機械工業株式会社製)に装填して、9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石A(F.C.92.0質量%、9.7kOe)を得た。
このボンド磁石Aの磁気特性として、BHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して、測定磁場10kOeでボンド磁石Aの保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定したところ、保磁力iHcは2310Oe、残留磁化Brは3281G、最大エネルギー積BHmaxは2.68MGOeであった。
また、このボンド磁石Aを印加磁場方向に対して平行に切断し、走査型電子顕微鏡(SEM)により粒子の形状を2000倍で観察し、得られたSEM写真を2値化することにより、粒子の形状指数として、SEM写真中の200個以上の粒子(SEM写真の1以上の視野内に外縁部全体が観察される長軸長(1粒子を平行な2本の直線で挟み込んだときの直線間距離の最大値)が1.0μm以上の200個以上の粒子)について、短軸長(1粒子を平行な2本の直線で挟み込んだときの直線間距離の最小値)に対する長軸長の比(長軸長/短軸長)の平均値(アスペクト比)を求めたところ、1.48であった。なお、このアスペクト比として、各粒子を板状の粒子と仮定し、体積を長軸長×長軸長×短軸長として、体積で重みづけした体積平均アスペクト比を算出した。
(ボンド磁石Bの製造)
得られたボンド磁石用フェライト粉末93.5質量部と、シランカップリング剤(東レダウコーニング株式会社製のZ-6094N)0.6質量部と、滑剤(ヘンケル社製のVPN-212P)0.8質量部と、バインダとして粉末状のポリアミド樹脂(宇部興産株式会社製のP-1011F)5.1質量部とを秤量し、ミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを得た。なお、メルトフローインデクサー(株式会社東洋精機製作所製のメルトフローインデクサーC-5059D2)を使用して、上記の混合物が270℃、荷重10kgで押し出された重量を測定し、この重量を10分当たりで押し出された量に換算することにより、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、69.7g/10分であった。この混練ペレットを射出成形機(住友重機械工業株式会社製)に装填して、9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石B(F.C.93.5質量%、9.7kOe)を得た。
このボンド磁石Bの磁気特性として、BHトレーサー(東英工業株式会社製のTRF-5BH)を使用して、測定磁場10kOeでボンド磁石Bの保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定したところ、保磁力iHcは2050Oe、残留磁化Brは3443G、最大エネルギー積BHmaxは2.88MGOeであった。
[実施例2]
ボンド磁石用フェライト粉末を製造する際のアニール(焼鈍)の温度を900℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.4質量%のMnOと、85.5質量%のFeと、2.0質量%のCoと、7.7質量%のSrOと、0.1質量%のBaOと、4.0質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.25、y=0.020、n=11.08、z=1.38であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は24.8体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は55.9体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は19.3体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.39μm、比表面積は2.18m/g、圧縮密度(CD)は3.78g/cm、圧粉体の保磁力iHcは2520Oe、残留磁化Brは2010Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2310Oe、残留磁化Brは3274G、最大エネルギー積BHmaxは2.67MGOeであり、アスペクト比は1.47であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、121.2g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bを得た。このボンド磁石Bについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定したところ、保磁力iHcは2050Oe、残留磁化Brは3442G、最大エネルギー積BHmaxは2.88MGOeであった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、36.6g/10分であった。
[実施例3]
ボンド磁石用フェライト粉末を製造する際のアニール(焼鈍)の温度を950℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.4質量%のMnOと、85.7質量%のFeと、1.8質量%のCoと、7.9質量%のSrOと、0.2質量%のBaOと、3.7質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.23、y=0.020、n=11.07、z=1.40であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は26.7体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は47.8体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は25.5体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.47μm、比表面積は1.88m/g、圧縮密度(CD)は3.75g/cm、圧粉体の保磁力iHcは2590Oe、残留磁化Brは1990Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2284Oe、残留磁化Brは3284G、最大エネルギー積BHmaxは2.68MGOeであり、アスペクト比は1.48であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、148.2g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bを得た。このボンド磁石Bについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定したところ、保磁力iHcは2027Oe、残留磁化Brは3426G、最大エネルギー積BHmaxは2.85MGOeであった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、77.4g/10分であった。
[実施例4]
ボンド磁石用フェライト粉末を製造する際のアニール(焼鈍)の温度を975℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.4質量%のMnOと、85.5質量%のFeと、1.9質量%のCoと、8.0質量%のSrOと、0.2質量%のBaOと、3.7質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.23、y=0.020、n=10.95、z=1.58であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は23.9体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は50.6体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は25.6体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.58μm、比表面積は1.73m/g、圧縮密度(CD)は3.71g/cm、圧粉体の保磁力iHcは2530Oe、残留磁化Brは1970Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2176Oe、残留磁化Brは3291G、最大エネルギー積BHmaxは2.66MGOeであり、アスペクト比は1.45であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、143.6g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bを得た。このボンド磁石Bについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定したところ、保磁力iHcは1918Oe、残留磁化Brは3426G、最大エネルギー積BHmaxは2.81MGOeであった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、77.0g/10分であった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法により、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末を得た後、焼成温度を1250℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を実施例1と同様の方法により測定したところ、比表面積は0.74m/gであった。
得られた粗粉100質量部と水150質量部とを湿式のアトライターに投入し、20分間粉砕処理を行ってスラリーを得た。このスラリーをろ過して得られた固形物を大気中において150℃で10時間乾燥させて、乾燥ケーキを得た。この乾燥ケーキをミキサーで解砕して得られた解砕物を、振動ボールミル(株式会社村上精機工作所製のUras Vibrator KEC-8-YH)により、媒体として直径12mmのスチール製ボールを使用して、回転数1800rpm、振幅8mmで28分間粉砕処理を行った。このようにして得られた粉砕物を電気炉により大気中において975℃で30分間アニール(焼鈍)して、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.3質量%のMnOと、85.3質量%のFeと、2.4質量%のCoと、6.8質量%のSrOと、0.1質量%のBaOと、4.9質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.31、y=0.030、n=11.47、z=0.80であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は21.3体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は71.9体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は6.8体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.72μm、比表面積は1.47m/g、圧縮密度(CD)は3.45g/cm、圧粉体の保磁力iHcは3060Oe、残留磁化Brは1870Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2415Oe、残留磁化Brは3193G、最大エネルギー積BHmaxは2.52MGOeであり、アスペクト比は1.43であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、69.8g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bの製造を試みたが、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際に流動しなかったため、ボンド磁石Bを製造することはできなかった。
[比較例2]
焼成温度を1300℃とした以外は、比較例1と同様の方法により、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を実施例1と同様の方法により測定したところ、比表面積は0.68m/gであった。この粗粉を使用して、比較例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.4質量%のMnOと、84.7質量%のFeと、2.6質量%のCoと、6.8質量%のSrOと、0.1質量%のBaOと、5.1質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.32、y=0.030、n=11.27、z=1.10であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は17.0体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は62.4体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は20.6体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.84μm、比表面積は1.38m/g、圧縮密度(CD)は3.47g/cm、圧粉体の保磁力iHcは2590Oe、残留磁化Brは1920Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2250Oe、残留磁化Brは3204G、最大エネルギー積BHmaxは2.56MGOeであり、アスペクト比は1.49であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、89.5g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bの製造を試みたが、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際に流動しなかったため、ボンド磁石Bを製造することはできなかった。
[比較例3]
炭酸ストロンチウム(SrCO、比表面積5.8m/g)と酸化ランタン(La、比表面積3.8m/g)とヘマタイト(α-Fe、比表面積5.3m/g)と酸化コバルト(Co、比表面積3.3m/g)をモル比Sr:La:Fe:Co=0.70:0.30:11.70:0.30になるように秤量して混合し、一次焼成の温度を1100℃から1200℃に変更して、二次焼成を行わなかった以外は、実施例1と同様の方法により、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を実施例1と同様の方法により測定したところ、比表面積は0.51m/gであった。
得られた粗粉を使用して、アニール(焼鈍)を985℃とした以外は、比較例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.3質量%のMnOと、85.3質量%のFeと、2.4質量%のCoと、7.0質量%のSrOと、4.9質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.31、y=0.030、n=11.24、z=1.14であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は26.2体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は72.6体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は1.3体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.25μm、比表面積は2.21m/g、圧縮密度(CD)は3.26g/cm、圧粉体の保磁力iHcは3950Oe、残留磁化Brは1790Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは3248Oe、残留磁化Brは3012G、最大エネルギー積BHmaxは2.21MGOeであり、アスペクト比は1.62であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、42.8g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bの製造を試みたが、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際に流動しなかったため、ボンド磁石Bを製造することはできなかった。
[比較例4]
一次焼成の温度を1250℃とした以外は、比較例3と同様の方法により、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を実施例1と同様の方法により測定したところ、比表面積は0.71m/gであった。
得られた粗粉を使用して、比較例3と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.3質量%のMnOと、85.3質量%のFeと、2.4質量%のCoと、7.1質量%のSrOと、4.7質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.30、y=0.030、n=11.27、z=1.10であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は25.2体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は70.0体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は4.8体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.26μm、比表面積は2.19m/g、圧縮密度(CD)は3.34g/cm、圧粉体の保磁力iHcは3590Oe、残留磁化Brは1830Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2956Oe、残留磁化Brは3048G、最大エネルギー積BHmaxは2.33MGOeであり、アスペクト比は1.56であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、61.2g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bの製造を試みたが、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際に流動しなかったため、ボンド磁石Bを製造することはできなかった。
[比較例5]
一次焼成の温度を1300℃とした以外は、比較例3と同様の方法により、粗粉を得た。この粗粉の比表面積を実施例1と同様の方法により測定したところ、比表面積は0.98m/gであった。
得られた粗粉を使用して、比較例3と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を得た。
このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、組成分析を行った。その結果、ボンド磁石用フェライト粉末中には、0.1質量%のCrと、0.3質量%のMnOと、85.4質量%のFeと、2.4質量%のCoと、7.0質量%のSrOと、4.7質量%のLaが含まれており、ボンド磁石用フェライト粉末の主成分であるSr、La、Fe、Coが検出された。なお、原料中の不純物由来と考えられるCr、Mn、Zn、Baなどの元素も検出されたが、いずれも酸化物換算0.4質量%以下と微量であった。これらの微量(酸化物換算で1.0質量%以下)の元素を不純物とみなし、主成分であるSr、La、Fe、Coの分析値から、ボンド磁石用フェライト粉末の化学式を(Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-zと表記した場合のx、y、n、zを算出すると、x=0.30、y=0.030、n=11.39、z=0.91であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、体積基準の粒度分布を測定した。その結果、粒径1μm未満の粒子の頻度分布は27.5体積%、粒径1~5μmの粒子の頻度分布は64.3体積%、粒径5μmを超える粒子の頻度分布は8.2体積%であった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末について、実施例1と同様の方法により、平均粒径、比表面積、圧縮密度(CD)、圧粉体の保磁力iHcおよび残留磁化Brを測定した。その結果、平均粒径は1.22μm、比表面積は2.41m/g、圧縮密度(CD)は3.42g/cm、圧粉体の保磁力iHcは3140Oe、残留磁化Brは1800Gであった。
また、このボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Aを得た。このボンド磁石Aについて、実施例1と同様の方法により、保磁力iHc、残留磁化Brおよび最大エネルギー積BHmaxを測定し、アスペクト比を算出したところ、保磁力iHcは2315Oe、残留磁化Brは3108G、最大エネルギー積BHmaxは2.36MGOeであり、アスペクト比は1.58であった。なお、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際の流動度MFRを求めたところ、58.6g/10分であった。
また、上記のボンド磁石用フェライト粉末を使用して、実施例1と同様の方法により、ボンド磁石Bの製造を試みたが、ボンド磁石用フェライト粉末を混合する際に流動しなかったため、ボンド磁石Bを製造することはできなかった。
これらの実施例および比較例の結果を表1~表7に示す。
Figure 0007405648000001
Figure 0007405648000002
Figure 0007405648000003
Figure 0007405648000004
Figure 0007405648000005
Figure 0007405648000006
Figure 0007405648000007
実施例1~4および比較例1~5の結果から、実施例1~4では、磁場配向により高い残留磁化Brを有するボンド磁石を得ることができる、ボンド磁石用フェライト粉末を製造することができることがわかる。

Claims (10)

  1. 炭酸ストロンチウムと酸化ランタンと酸化鉄と酸化コバルトとを混合して造粒した後に1000~1250℃で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより、鉄とストロンチウムとランタンとコバルトの複合酸化物の粉末を得た後、この複合酸化物と酸化鉄とを、SrとLaの合計に対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/(Sr+La)が4.5~11.7になるように混合して造粒し、1280~1400℃で焼成し、粉砕してフェライトの粗粉を得る工程と、このフェライトの粗粉より比表面積が大きいフェライトの微粉を、炭酸ストロンチウム中のSrに対する酸化鉄中のFeのモル比Fe/Srが10.0~12.5になるように炭酸ストロンチウムと酸化鉄を混合して造粒した後に900~1000℃で焼成して得られた焼成物を粉砕することにより得た後、このフェライトの微粉とフェライトの粗粉とを、フェライトの粗粉の割合が60~90質量%になるように混合する工程と、フェライトの粗粉とフェライトの微粉の混合物を粉砕した後、880~990℃でアニールする工程とを備えたことを特徴とする、ボンド磁石用フェライト粉末の製造方法。
  2. 前記フェライトの粗粉の比表面積が0.5~1.0m/gであることを特徴とする、請求項に記載のボンド磁石用フェライト粉末の製造方法。
  3. (Sr1-xLa)・(Fe1-yCo19-z(但し、0<x≦0.5、0<y≦0.04、10.0≦n≦12.5、-1.0≦z≦3.5)の組成を有し、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定した体積基準の粒度分布において、粒径1μm未満の粒子の割合が20~40体積%、1~5μmの粒子の割合が30~60体積%、5μmより大きい粒子の割合が18~30体積%であることを特徴とする、ボンド磁石用フェライト粉末。
  4. 前記ボンド磁石用フェライト粉末10gを内径2.54cmφの円筒形の金型に充填した後に1トン/cmの圧力で圧縮したときのボンド磁石用フェライト粉末の密度をボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度として測定したときに、ボンド磁石用フェライト粉末の圧縮密度が3.70g/cm以上であることを特徴とする、請求項に記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  5. 前記ボンド磁石用フェライト粉末8gとポリエステル樹脂0.4ccを乳鉢中で混練し、得られた混練物7gを内径15mmφの金型に充填し、2トン/cmの圧力で60秒間圧縮して得られた成形品を金型から抜き取り、150℃で30分間乾燥させて得られた圧粉体の保磁力iHcを測定磁場10kOeで測定したときに、保磁力iHcが1500Oe以上であることを特徴とする、請求項またはに記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  6. 前記ボンド磁石用フェライト粉末92.0質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂6.6質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Aを作製し、このボンド磁石Aの残留磁化Brを測定磁場10kOeで測定したときに、残留磁化Brが3270G以上であることを特徴とする、請求項乃至のいずれかに記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  7. 前記ボンド磁石Aの最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定したときに、最大エネルギー積BHmaxが2.65MGOe以上であることを特徴とする、請求項に記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  8. 前記ボンド磁石用フェライト粉末93.5質量部と、シランカップリング剤0.6質量部と、滑剤0.8質量部と、粉末状のポリアミド樹脂5.1質量部とをミキサーに充填して混合して得られた混合物を230℃で混練して、平均径2mmの混練ペレットを作製し、この混練ペレットを9.7kOeの磁場中において温度300℃、成形圧力8.5N/mmで射出形成して、直径15mm×高さ8mmの円柱形(磁場の配向方向は円柱の中心軸に沿った方向)のボンド磁石Bを作製し、このボンド磁石Bの残留磁化Brを測定磁場10kOeで測定したときに、残留磁化Brが3410G以上であることを特徴とする、請求項乃至のいずれかに記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  9. 前記ボンド磁石Bの最大エネルギー積BHmaxを測定磁場10kOeで測定したときに、最大エネルギー積BHmaxが2.80MGOe以上であることを特徴とする、請求項に記載のボンド磁石用フェライト粉末。
  10. 請求項乃至のいずれかに記載のボンド磁石用フェライト粉末と、バインダとを備えたことを特徴とする、ボンド磁石。
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