JP2002165899A - 塗装ワンピースゴルフボール - Google Patents
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Abstract
つ良好な外観を有する塗装ワンピースゴルフボールを提
供する。 【解決手段】 本発明は、ゴム組成物を加硫成形して成
るゴルフボール本体の表面に、1層のクリアペイントを
被覆形成して成る塗装ワンピースゴルフボールであっ
て、該ゴム組成物が基材ゴム100重量部に対して0.
5重量部以上2.0重量部未満の酸化チタンを含有し、
該クリアペイントが樹脂固形分100重量部に対して
0.1〜2.0重量部の蛍光増白剤を含有することを特
徴とする塗装ワンピースゴルフボールに関する。
Description
に優れ、かつ良好な外観を有する塗装ワンピースゴルフ
ボールに関する。
ルは、ボールの表面を鮮明な白色とするために白色塗料
が塗装された後、クリア塗料を塗装していた。しかしな
がら、白色塗料とゴルフボールの本体部の色が異なるた
め繰り返し打撃されると白色塗料が剥がれ外観が悪くな
るという問題があった。また、ワンピースゴルフボ−ル
は主として繰り返し打撃される練習場で使用されること
が多いため、白色塗料を使用した場合は打撃時に剥がれ
た塗料がクラブフェースに付着し、好ましくないという
問題もあった。
を塗装することが試みられたが、白色塗料を塗装する場
合に比較して外観の白さが劣るという問題が起きた。こ
の問題を解決するために、特開平7‐51403では、
ワンピースゴルフボールのゴム組成物中に酸化チタンに
加え青色系顔料および紫色系顔料を適量配合することに
よって、クリア塗料のみの塗装でも白色の外観を有する
ゴルフボールを提案している。
ゴルフボールの場合、酸化チタンを多量に添加している
ため、機構は明らかではないがクリアペイントとの密着
性が低下するという問題があった。更に酸化チタン自体
は非常に高価であり、それにより原料コストの上昇にも
つながる。
を有するゴルフボールにおいては、カバー組成物中の酸
化チタン配合量を少なくする技術が提案されている(特
開昭64‐70086号公報、特開平7‐59879号
公報等)。特開昭64‐70086号公報では、クリア
ペイント中に光安定剤、紫外線吸収剤および蛍光増白剤
を含有し、特開平7‐59879号公報では、クリアペ
イント中に蛍光増白剤および青色顔料を含有することに
より、白色の外観を損なうことなくカバー中の酸化チタ
ン配合量を減少させることを可能としている。
ボールに応用した例はなく、また、これらのゴルフボー
ルでは、酸化チタンはアイオノマーカバー中に配合され
ており、加硫ゴムだけから成るワンピースゴルフボール
については、加硫剤等の材料が起因して、きれいな白色
外観が得られないため、多量の酸化チタンを配合する必
要があった。そのことは前述の特開平7‐51403号
公報に記載のワンピースゴルフボールにおいて、多量の
酸化チタンを配合しており、その配合量が小さいと外観
が悪化することを確認していることからも裏付けられ
る。
な従来の塗装ワンピースゴルフボールの有する問題点を
解決し、ペイントの密着性に優れ、かつ良好な外観を有
する塗装ワンピースゴルフボールを提供することを目的
とする。
を達成すベく鋭意研究を重ねた結果、ゴルフボール本体
の表面にクリアペイントを被覆形成して成る塗装ワンピ
ースゴルフボールにおいて、ゴルフボール本体用のゴム
組成物中の酸化チタン量を特定範囲内に低減し、かつク
リアペイント中に特定量の蛍光増白剤を用いることによ
って、ペイントの密着性に優れ、かつ良好な外観を有す
る塗装ワンピースゴルフボールを提供し得ることを見出
し、本発明を完成するに至った。
て成るゴルフボール本体の表面に、1層のクリアペイン
トを被覆形成して成る塗装ワンピースゴルフボールであ
って、該ゴム組成物が基材ゴム100重量部に対して
0.5重量部以上2.0重量部未満の酸化チタンを含有
し、該クリアペイントが樹脂固形分100重量部に対し
て0.1〜2.0重量部の蛍光増白剤を含有することを
特徴とする塗装ワンピースゴルフボールに関する。
ール本体とクリアペイントのとの密着性に悪影響を及ぼ
していることを見出し、更に酸化チタン量を2重量部未
満と低減すれば密着性が向上することを見出した。しか
し、単に酸化チタンを減量しては、白色度が低下して外
観が悪くなる。そこで、上記従来技術のように蛍光増白
剤を併用することが考えられるが、ゴルフボール本体に
配合した場合には蛍光増白剤の効果が十分に発揮され
ず、良好な白色外観は得られない。蛍光増白剤をクリア
ペイントに配合した場合には、ゴルフボール本体の酸化
チタンを減量しても、良好な白色外観が得られることが
わかった。尚、光が通過するクリアペイント層に蛍光増
白剤を配合することにより、少量の蛍光増白剤でも効果
的に(コスト上昇を伴うことなく)良好な白色外観を得
ることができたものである。
体」とは、ペイント塗装が施されていないゴルフボール
自体をいい、その表面には多数のディンプルと呼ばれる
くぼみが存在する。「塗装ゴルフボール」とは、ゴルフ
ボール本体上にペイントが塗装されたペイント層を有す
るゴルフボールを意味する。
ゴム、共架橋剤、有機過酸化物、無機充填材、顔料とし
ての酸化チタン等を必須成分として含有するゴム組成物
の加硫一体成形物から成る。
リブタジエンゴム(BR)、エチレン‐プロピレン‐ジエ
ンゴム(EPDM)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム
(IIR)、天然ゴム(NR)、ニトリルゴム(NBR)、ス
チレンゴム(SBR)等から成る群から選択される1種ま
たは2種以上の組合せが用いられる。これらのうち、ブ
タジエンを主成分とするゴムが好ましく、具体的には用
いられる基材ゴムの50重量%以上がブタジエンゴムで
あることが好ましい。また、ブタジエンゴムとしては、
特にシス‐1,4‐結合少なくとも90%以上を有する
いわゆるハイシスポリブタジエンゴムが好ましい。
酸またはメタクリル酸等のような炭素数3〜8のα,β
‐不飽和カルボン酸、およびその亜鉛、マグネシウム等
の一価または二価の金属塩が好ましく、特に高い反発性
を付与するアクリル酸亜鉛が好適である。配合量は、基
材ゴム100重量部に対して、15〜40重量部、好ま
しくは18〜38重量部である。15重量部より少ない
と軟らかくなり過ぎて打撃時の変形量が大きくなるため
に、クリアペイントの密着性が低下し、40重量部より
多いと硬くなり過ぎて打球感が悪くなる。
作用し、例えばジクミルパーオキサイド、1,1‐ビス
(t‐ブチルパーオキシ)‐3,3,5‐トリメチルシクロ
ヘキサン、2,5‐ジメチル‐2,5‐ジ(t‐ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、ジ‐t‐ブチルパーオキサイドが
挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。配合
量は、基材ゴム100重量部に対して、0.3〜5.0
重量部、好ましくは0.5〜3.0重量部である。0.
3重量未満では軟らかくなり過ぎて反発性が悪くなり飛
距離が低下し、5.0重量部を越えると硬くなり過ぎ、
打撃時のフィーリングが悪くなる。
素、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、珪酸アルミニウム
およびそれらの混合物が挙げられる。これら無機充填材
は、硬度や強度を向上する補強剤、また比重(重量)調
整剤として用いられるが、特に好ましいのは、加硫助剤
としての機能も発揮する酸化亜鉛である。配合量は、1
5〜35重量部、好ましくは20〜30重量部であり、
35重量部を超えるとゴム成分の重量分率が小さくなり
反発性が低下し、15重量部未満ではボール重量の調整
が難しくなったり、耐久性が悪くなったりする。
いて、顔料としての酸化チタンを基材ゴム100重量部
に対して0.5重量部以上2.0重量部未満含有するこ
とを要件とするが、好ましくは0.5〜1.5、より好
ましくは0.5〜1.3重量部である。上記酸化チタン
の配合量が0.5重量部より小さいと十分な白色度が得
られなくなって外観が悪くなり、2.0重量部以上では
クリアペイント層との密着性が低下する。
要すれば、白さをより鮮明にするために、上記酸化チタ
ンに加えて、青色系顔料を配合してもよい。上記青色系
顔料の例として、それらに限定されないが、群青(ウル
トラマリンブルー)、インダンスロンブルー、コバルト
ブルー、ファストスカイブルー、フタロシアニンブル
ー、紺青(プルシアンブルー)等が挙げられる。
は、上記成分以外に、軟化剤、老化防止剤またはしゃく
解剤、その他ワンピースソリッドゴルフボールの製造に
通常使用し得る成分を適宜配合してもよい。
ゴム組成物を、混練ロール、ニーダー等の適宜の混練機
を用いて均一に混練し、金型内で加硫成形することによ
り得ることができる。この際の条件は特に限定されない
が、通常は130〜240℃、圧力2.9〜11.8M
Pa、15〜60分間で行われる。また、必要に応じて
二段階以上の温度を用いる多段階加硫を採用してもよ
い。
表面にディンプルと呼ばれるくぼみを形成し、マーキン
グスタンプ等も必要に応じて施し得る。ゴルフボール本
体表面にはクリアペイント層を塗装する前に、加熱プレ
ス時に表面に付着した離型剤を剥離させるため、ボール
表面を適度に研磨することが望ましい。これによリペイ
ントの密着性が向上する。
クリアペイント層を形成する。本発明のワンピースゴル
フボールにおいて、上記クリアペイントは樹脂固形分1
00重量部に対して0.1〜2.0重量部の蛍光増白剤
を含有することを要件とするが、好ましくは0.15〜
1.5、より好ましくは0.2〜1.0重量部である。
上記蛍光増白剤配合量が0.1重量部より小さいと十分
な白色度が得られなくなって外観が悪くなり、2.0重
量部より多く含有させても効果は更には向上せず、また
コストが高くなり好ましくない。
タン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂を用いることが
できるが、好ましくはウレタン樹脂系のペイントが好適
であり、下地との密着性を考慮して選択することが望ま
しい。上記ウレタン樹脂としては、ポリエステルポリオ
ール、ポリエーテルポリオールのような活性水素含有化
合物を主剤に、イソシアネート化合物を硬化剤に用い
て、これらを反応させたものが好ましい。前記イソシア
ネート化合物には、1,6‐ヘキサメチレンジイソシア
ネート変性体(ビューレット体、トリメチロールプロパ
ン変性、3量体化等)が好ましく、トリレンジイソシア
ネート変性体も好適である。
白剤は通常ゴルフボールに使用されている一般に公知の
ものが挙げられる。その具体的な例としては、2,5‐
ビス(5‐t‐ブチル‐2‐ベンズオキサゾリル)チオフ
ェン(日本チバガイギー社からユビテックス(Ubit
ex)OBとして市販)、7‐(2h‐ナフトール(1,2
‐d)‐トリアゾール‐2‐イル)‐3‐フェニル‐クマ
リン(サンゾス社から「ロイコピュア(Leucopu
re)EGM」として市販)等が好適であるが、ビアゾ
リン誘導体(モーベイケミカル社から「ホルホワイト
(Phorwhite)K‐2002」として市販)およ
びオキサゾール系(住友化学工業(株)から「ホワイトフ
ルアー(Whiteflour)HCS」、「ホワイトフ
ルアーPCS」、「ホワイトフルアーB」として市販)
の蛍光増白剤が挙げられる。
ペイントには、前記成分以外に更に種々の添加剤、希釈
剤等が含まれる。添加剤の例としては、紫外線吸収剤
(劣化防止)、酸化防止剤、光安定剤等が挙げられる。
これらの添加剤の配合量は樹脂固形分100重量部に対
して0.1〜10重量部である。
ロピルアルコール等のアルコール類、トルエン等の芳香
族類、ヘキサン等の炭化水素類、酢酸エチル等のエステ
ル類、メチルエチルケトン等のケトン類等が挙げられ
る。希釈剤の配合量は特に限定的ではないが、5〜50
重量%である。
として、これらに限定されないが、エアガン塗装または
静電塗装が適している。
の場合ルール上45.92g以下と定められているが、
下限についての規格はない。本発明のワンピースソリッ
ドゴルフボールは、重量44.0〜45.8g、好まし
くは44.2〜45.8gを有する。上記ボール重量が
44.0gより軽いと飛行中の慣性を失い、飛行後半で
失速して飛距離が低下し、45.8gより重いと打球感
が重く悪くなる。
直径は、41.0〜44.0mmとすることができる
が、ラージサイズボールの規格に適する42.67mm
以上とするのがよく、通常は約42.75mmとする。
つ良好な外観を有する塗装ワンピースゴルフボールを提
供する。
する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
し、ディンプル付きの、半球状キャビティーを有する上
下金型内で160℃で30分間加熱プレスして、直径4
2.6mmを有するワンピースゴルフボール本体を作製
した。
で市販のハイシスポリブタジエンゴム (注2)住化カラー(株)から市販の「BLUE LB 5
T015(商品名)」 (注3)吉富製薬(株)から市販の「ヨシノックスBHT(商
品名)」 (注5)チバガイギー社から商品名「ユビテックス(Ub
itex)OB」で市販の2,5‐ビス(5‐t‐ブチル
‐2‐ベンズオキサゾリル)チオフェンを主成分とする
蛍光増白剤
れたゴルフボール本体の表面を研磨することにより表面
処理を行ったゴルフボール本体に、表3(実施例)およ
び表4(比較例)に示した配合を有するクリアペイント
を準備し、エアガン塗装し、乾燥硬化して塗装ワンピー
スゴルフボールを得た。上記乾燥硬化条件は40℃×4
80分間であった。得られた塗装ワンピースソリッドゴ
ルフボールに関して、ペイントの密着性および外観を評
価し、その結果を表3(実施例)および表4(比較例)
に示した。試験方法は以下の通り行った。
撃した後、碁盤目剥離テストを行いペイントの密着性を
評価した。評価基準は以下の通りである。 評価基準 ◎:極めてよい 〇:良い △:普通 ×:悪い
だ感じがするとの判断をした人数により評価を行った。
評価基準は以下の通りである。 評価基準 ◎:0人 ○:1〜2人 △:3〜5人 ×:6人以上
H/gのポリエーテルポリオールと、硬化剤としてのヘ
キサメチレンジイソシアネートを、NCO:OHが当量
比で1.2:1.0となるように混合した2液型のウレ
タン塗料を用いた。 (注5)チバガイギー社から商品名「ユビテックス(Ub
itex)OB」で市販の2,5‐ビス(5‐t‐ブチル
‐2‐ベンズオキサゾリル)チオフェンを主成分とする
蛍光増白剤 (注6)旭電化工業(株)から商品名「アデカスタブ 26
0」で市販の酸化防止剤
ワンピースソリッドゴルフボールは、比較例1〜7のゴ
ルフボールに比較すると、ペイントの密着性に優れ、か
つ外観が良好であることがわかった。
は、クリアペイント中に蛍光増白剤が配合されていない
ため、密着性は優れるものの、外観が劣るものであっ
た。比較例2のゴルフボールは、酸化チタン配合量が多
いため、外観は良好であるが、密着性が悪くなってい
る。比較例3のゴルフボールは、比較例2のペイントに
更に酸化防止剤を添加することにより、密着性が若干向
上しているが満足できるレベルではない。
合量が少ないため、密着性は優れるものの、白色度が低
下して外観が悪くなっている。比較例5のゴルフボール
は、ゴルフボール本体に老化防止剤を用いているが酸化
チタン配合量が非常に多いため、外観は優れるものの密
着性が悪くなっている。比較例6のゴルフボールは、酸
化チタン配合量が若干多いため、外観は優れるものの密
着性が若干悪くなっている。比較例7のゴルフボール
は、酸化チタン配合量は本発明の範囲内であるため密着
性は優れるものの、蛍光増白剤がペイント中でなくゴル
フボール本体中に用いられているため外観が悪くなって
いる。
は、ゴルフボール本体用のゴム組成物中の酸化チタン量
を特定範囲内に低減し、かつクリアペイント中に特定量
の蛍光増白剤を用いることによって、ペイントの密着性
に優れ、かつ良好な外観を有する塗装ワンピースゴルフ
ボールを提供し得たものである。
Claims (2)
- 【請求項1】 ゴム組成物を加硫成形して成るゴルフボ
ール本体の表面に、1層のクリアペイントを被覆形成し
て成る塗装ワンピースゴルフボールであって、該ゴム組
成物が基材ゴム100重量部に対して0.5重量部以上
2.0重量部未満の酸化チタンを含有し、該クリアペイ
ントが樹脂固形分100重量部に対して0.1〜2.0
重量部の蛍光増白剤を含有することを特徴とする塗装ワ
ンピースゴルフボール。 - 【請求項2】 前記ゴム組成物が酸化チタン0.5〜
1.5重量部を含有する請求項1記載の塗装ワンピース
ゴルフボール。
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