JP3086429B2 - ソリッドゴルフボール - Google Patents
ソリッドゴルフボールInfo
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Description
飛行性能、コントロール性、打撃時の良好なフィーリン
グを有するソリッドゴルフボールに関する。
ゴルフボールがある。一方は、中実のツーピースボール
やスリーピースボール等のソリッドゴルフボールであ
り、一体成形されたゴム製部材から成るコアおよび該コ
ア上に被覆したアイオノマー樹脂等の熱可塑性樹脂カバ
ーから構成される。また、他方は糸巻きゴルフボールで
あり、中心の固体または液体の芯部を、ゴム糸で巻き付
け、次いで1〜2mm厚のアイオノマー樹脂やバラタ等に
よるカバーで被覆したものである。ソリッドゴルフボー
ルの中で、主として市販されているのは、製造の容易性
等の理由から、コアとカバーのみから成るツーピースソ
リッドゴルフボールである。ツーピースソリッドゴルフ
ボールは、糸巻きゴルフボールと比較すると、耐久性、
および打撃時のボール速度が大きいことから飛距離が大
きく、飛行特性に優れ、特にアマチュアゴルファーを中
心に多くのゴルファーに使用されている。その反面、ツ
ーピースソリッドゴルフボールは、打球感が硬く、ま
た、スピン量が少ないため、アプローチのコントロール
性に欠ける。
することが提案されてきた(特開平7-51406号公報)。
しかしながら、カバーの軟質化では著しく反撥性能が低
下し、ツーピースソリッドゴルフボール本来の特徴であ
る飛距離が低下してしまう。そこで、ツーピースソリッ
ドゴルフボールのコントロール性能と反撥性能を両立さ
せるためにコアの高反撥化が必要である(特開平2-2973
84号公報)。
ポリブタジエンゴム、共架橋剤としての不飽和カルボン
酸金属塩、加硫助剤としての酸化亜鉛、ジクミルパーオ
キサイド等の遊離基開始剤および重量調整剤としての硫
酸バリウム等から成るゴム組成物を加熱加圧成形するこ
とによって得られる。この組成物において、不飽和カル
ボン酸金属塩は遊離基開始剤によってポリブタジエン主
鎖にグラフトされ、共架橋剤として働く。
な従来のゴルフボールの有する問題点を解決し、反撥性
能、飛行性能に優れ、打撃時フィーリングの良好なゴル
フボールを提供することを目的とする。
達成すべく鋭意検討を行った結果、ポリブタジエン等の
基材ゴムに共架橋剤としての不飽和カルボン酸金属塩を
配合したゴム組成物に特定の有機ジスルフィド化合物を
用いることにより、優れた反撥性能、飛行性能、良好な
打撃時フィーリングを有するゴルフボールが得られるこ
とを見い出し、本発明を完成するに至った。
れたカバーから成るソリッドゴルフボールであって、該
コアが基材ゴム100重量部に対してアクリル酸亜鉛15〜4
5重量部、酸化亜鉛1〜30重量部、有機過酸化物0.2〜5
重量部、および以下の構造式: R−S−S−R (式中、Rは
部を含有するゴム組成物から加硫して得られることを特
徴とするソリッドゴルフボールに関する。
発明のゴルフボールはコアと該コア上に形成されたカバ
ーから成るソリッドゴルフボールであって、該コアが基
材ゴム100重量部に対してアクリル酸亜鉛15〜45重量
部、酸化亜鉛1〜30重量部、有機過酸化物0.2〜5重量
部、有機ジスルフィド化合物0.05〜3重量、必要に応じ
て充填材等を含有するゴム組成物を、通常のロール等の
適宜の混練機を用いて混練し、所定の金型にて130〜180
℃、30〜100kgf/cm2で15〜60分間加熱加圧成形すること
により得られる。
フボールに用いられている天然ゴムおよび/または合成
ゴムが用いられ、特にシス-1,4-結合少なくとも40%以
上、好ましくは80%以上を有するいわゆるハイシスポリ
ブタジエンゴムが好ましく、所望により、天然ゴム、ポ
リイソプレンゴム、スチレンポリブタジエンゴム、EP
DM等を配合してもよい。
し、配合量は基材ゴム100重量部に対して、15〜45重量
部、好ましくは20〜35重量部である。45重量部より多い
と硬くなり過ぎ、打撃時フィーリングが悪くなり、15重
量部未満では、適当な硬さにするために有機過酸化物の
量を増加しなければならず反撥が悪くなり飛距離が低下
する。
は基材ゴム100重量部に対して、1〜30重量部、好まし
くは10〜25重量部である。30重量部を越えると適切な硬
さにするためにアクリル酸亜鉛の量を減少しなければな
らず反撥が悪くなり飛距離が低下し、1重量部未満では
高反撥が得られない。
ジクミルパーオキサイドまたはt-ブチルパーオキサイド
が挙げられ、ジクミルパーオキサイドが好適である。配
合量は基材ゴム100重量部に対して0.2〜5重量部、好ま
しくは0.5〜4重量部である。0.2重量部未満では軟らか
くなり過ぎて反撥が悪くなり飛距離が低下する。5重量
部を越えると適切な硬さにするためにアクリル酸亜鉛の
量を減少しなければならず反撥が悪くなり飛距離が低下
する。
いられるゴム組成物には、上記のものに加えて以下の構
造式: R−S−S−R (式中、Rは
この有機ジスルフィド化合物は、例えばRが
Rが
る。配合量は、基材ゴム100重量部に対して0.05〜3重
量部、好ましくは0.1〜2重量部である。0.05重量部未
満では効果が発揮できずに高反撥が得られず、3重量部
より多く配合しても効果の向上はない。また、機構的に
は、ビス(4-クロロフェニル)ジスルフィドやビス(ペン
タクロロフェニル)ジスルフィドの有機ジスルフィド化
合物は、S−S間の結合が解離してラジカルが発生する
と考えられるが、ブタジエン主鎖などへ反応し高反撥と
なると推定される。
されるものであればよく、例えば無機塩(具体的には、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)、高比重金
属粉末(例えば、タングステン粉末、モリブデン粉末
等)およびそれらの混合物が挙げられる。配合量は、基
材ゴム100重量部に対して1〜30重量部であることが好
ましい。1重量部未満では高反撥が得られず、30重量部
を越えるとゴムの重量分率が低下し、高反撥が得られな
い。
化防止剤またはしゃく解剤、その他ソリッドゴルフボー
ルのコアの製造に通常使用し得る成分を適宜配合しても
よい。
mmである。37mmより小さいと反撥性能が低下して、飛距
離が低下すると共に打撃時フィーリングが悪くなり、42
mmより大きいと反撥性能が低下して、飛距離が低下する
と共に耐久性が低下する。本発明の場合、コアは初荷重
10kgをかけた状態から終荷重130kgをかけたときまでの
圧縮変形量(コンプレッション)が1.5〜5mm、好ましく
は2.5〜4.5mmである。1.5mmより小さいと硬過ぎて打撃
時フィーリングが悪くなり、5mmより大きいと軟らか過
ぎて高反撥が得られない。
し、該カバーは熱可塑性樹脂、特にα-オレフィンと炭
素数3〜8個のα,β-不飽和カルボン酸の共重合体中の
カルボン酸の一部を金属イオンで中和したアイオノマー
樹脂、またはその混合物が用いられる。上記熱可塑性樹
脂中のα-オレフィンとしては、エチレン、プロピレン
が好ましく、α,β-不飽和カルボン酸としては、アクリ
ル酸、メタクリル酸等が好ましい。更に、中和する金属
イオンとしては、アルカリ金属イオン、例えばNaイオ
ン、Kイオン、Liイオン等;2価金属イオン、例えば
Znイオン、Caイオン、Mgイオン等;3価金属イオ
ン、例えばAlイオン、Ndイオン等;およびそれらの混
合物が挙げられるが、Naイオン、Znイオン、Liイオ
ン等が反撥性、耐久性等からよく用いられる。アイオノ
マー樹脂の具体例としては、それだけに限定されない
が、サーリン1605、1706、1707(デュポン社製)、ハイ
ミラン1557、1605、1652、1705、1706、1707、1855、18
56(三井デュポンポリケミカル社製)、IOTEC 7010、8000
(エクソン(Exxon)社製)等を例示することができる。
1,000〜5,000kgf/cm2を有する樹脂が用いられる。曲げ
剛性率1,000kgf/cm2未満では軟らかくなり過ぎて飛距離
が低下し、5,000kgf/cm2を越えると硬くなり過ぎて打撃
時フィーリングが悪くなる。
物には、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、
硫酸バリウム等の充填材や二酸化チタン等の着色剤や、
その他の添加剤、例えば分散剤、老化防止剤、紫外線吸
収剤、光安定剤並びに蛍光材料または蛍光増白剤等を、
ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれない範
囲で含有していてもよいが、通常、着色剤の配合量は0.
1〜0.5重量部が好ましい。
ーの形成に使用されている一般に公知の方法を用いて行
うことができ、特に限定されるものではない。カバー用
組成物を予め半球殻状のハーフシェルに成形し、それを
2枚用いてソリッドコアを包み込み、130〜170℃で1〜
15分間加圧成形するか、または上記カバー用組成物を直
接コア上に射出成形してコアを包み込む方法を用いても
よい。カバーの厚さは1.0〜4.0mm、好ましくは1.5〜2.5
mmである。1.0mmより小さいとボール全体の硬度が小さ
くなって反撥係数が小さくなり、4.0mmより大きいとボ
ール全体の硬度が大きくなってコントロール性と打撃時
フィーリングが悪くなる。
と呼ばれるくぼみを多数表面上に形成する。本発明のゴ
ルフボールは美観を高め、商品価値を上げるために、通
常ペイント仕上げ、マーキングスタンプ等を施されて市
場に投入される。
打撃時フィーリングの良好なゴルフボールを提供し得
る。
るが、これら実施例に限定されるものではない。
配合のコア用ゴム組成物を混練し、金型内100kgf/cm2で
同表に示した加硫条件で、加熱加硫することにより直径
38.5mmの球状コアを得た。得られたコアのコンプレッシ
ョンおよび反撥係数を測定し、その結果を表5(実施
例)、表6および表7(比較例)に示した。試験方法は
後記の通り行った。
れたコア上に、以下の表4に示すカバー用組成物を射出
成形し、外径42.7mmを有するゴルフボールを得た。得ら
れたゴルフボールのボールキャリーおよび打撃時フィー
リングを評価し、その結果を以下の表5(実施例)、表
6および表7(比較例)に示した。試験方法は後記の通
り行った。
fの荷重を負荷した時の圧縮変形量を測定した。 コア反撥係数 コアに198.4gの金属円筒物を40m/秒の速度で衝突させ衝
突前後の円筒物およびボールの速度を測定し、それぞれ
の速度および重量から算出した。 飛行性能 ツルーテンパー社製スイングロボットにウッド1番クラ
ブ(ドライバー)を取付け、ゴルフボールをヘッドスピ
ード45m/sで打撃し、キャリー(落下点までの飛距離)
を測定した。 打撃時フィーリング ゴルファー10人によるウッド1番クラブでの実打テスト
で評価した。判定基準は以下の通りとし、10人中で最も
多い評価を採用した。判定基準 〇 … 良い △ … 普通 × … 悪い
化合物、即ちビス(4-クロロフェニル)ジスルフィド(実
施例1〜6)またはビス(ペンタクロロフェニル)ジスル
フィド(実施例7〜9)を用いた本発明の実施例1〜9
のゴルフボールは、それらを用いない比較例1、2、11
および12、置換基のないジフェニルジスルフィドを用い
た比較例9と比べて、打撃時フィーリングはほぼ同等で
あったが、反撥性能および飛距離は優れた結果となっ
た。更に、有機ジスルフィド化合物を用いていても、ア
クリル酸亜鉛の配合量が多い比較例3および13では、コ
ンプレッションが小さく、硬くなり過ぎて、打撃時フィ
ーリングが悪くなり、逆に配合量の少ない比較例4およ
び14では適当な硬さにするために有機過酸化物の量を増
加しなければならず、反撥が悪くなり飛距離が低下する
ことを示している。比較例5および15では、酸化亜鉛の
配合量が少ないと高反撥が得られないことを示し、配合
量の多い比較例6および16では適切な硬さにするために
アクリル酸亜鉛の量を減少しなければならず反撥係数が
小さくなり飛距離が低下することを示している。また、
有機ジスルフィド化合物の配合量が少ない比較例7およ
び17では効果が発揮できず、多い比較例8および18では
配合しても効果の向上はなく、打撃時フィーリングが劣
ることを示している。また、本発明の実施例1〜9のゴ
ルフボールは、特開平2-297384号公報の実施例で用いら
れているペンタクロロチオフェノールを用いた比較例10
より反撥性能および飛距離は優れた結果となった。
に共架橋剤としての不飽和カルボン酸金属塩を配合した
ゴム組成物に特定の有機ジスルフィド化合物を用いるこ
とにより、反撥性能、飛行性能、打撃時フィーリングを
向上させ得たものである。
Claims (3)
- 【請求項1】 コアと該コア上に形成されたカバーから
成るソリッドゴルフボールであって、該コアが基材ゴム
100重量部に対してアクリル酸亜鉛15〜45重量部、酸化
亜鉛1〜30重量部、有機過酸化物0.2〜5重量部、およ
び以下の構造式: R−S−S−R (式中、Rは 【化1】 および/または 【化2】 である)を有する有機ジスルフィド化合物0.05〜3重量
部を含有するゴム組成物から加硫して得られることを特
徴とするソリッドゴルフボール。 - 【請求項2】 該基材ゴムが、ハイシスポリブタジエン
ゴムである請求項1記載のソリッドゴルフボール。 - 【請求項3】 該コアが、初荷重10kgから、終荷重130k
gをかけたときの圧縮変形量1.5〜5mmを有する請求項1
記載のソリッドゴルフボール。
Priority Applications (1)
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JP4768137B2 (ja) * | 2001-02-07 | 2011-09-07 | Sriスポーツ株式会社 | ソリッドゴルフボール |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP09059374A patent/JP3086429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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