JP2002127861A - エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法 - Google Patents
エアバッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方法Info
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Abstract
エアバッグ膨出時にバリの発生、飛散及びエアバッグド
アが割れることがないエアバッグドア一体型インストル
メントパネル及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開するエア
バッグドア2を一体に形成したエアバッグドア一体型イ
ンストルメントパネル1であって、前記エアバッグドア
2の内壁面には、その略中央部を横切るセンターティア
ライン23と、センターティアライン23の両端で交差
部が95°から115°の角度をなして交わるように継
続している第1側部ティアライン25と第2側部ティア
ライン27とを形成したエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネル1である。
Description
工法により成形され材質として熱可塑性エラストマー以
外の、例えば熱可塑性樹脂等を用いた、表皮・発泡層を
持たないインストルメントパネルにおいて外観上ティア
ラインの見えないエアバッグドア一体型インストルメン
トパネルに関し、特に、助手席前方に形成されるエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネル及びその製造方
法に関する。
置が設けられるようになった。このエアバッグ装置は、
エアバッグと当該エアバッグが収納されるエアバッグケ
ースとからなり、助手席の前方のインストルメントパネ
ルの裏側に取り付けられる。エアバッグ装置が設けられ
たインストルメントパネルのエアバッグは、エアバッグ
の為の展開開口部を有し、この開口部は平時には前記イ
ンストルメントパネルと同種の外観をもったエアバッグ
ドアによって覆われている。そして、一旦衝突などによ
って車両が大きな衝撃を受けた時には、前記エアバッグ
ケース内に収納されているエアバッグが作動して膨張
し、このエアバッグドアを内側から押し広げて開口させ
る。
て特開平10−81184号公報に記載のものが知られ
ている。前記公報に記載のものは、図7に示すようにカ
バー本体62の内壁面に、その略中央部を横切るセンタ
ーティアライン61と、センターティアライン61の両
端で交差部が略直交するように継続している第1側部テ
ィアライン63及び第2側部ティアライン65とを形成
してあり、カバー本体は、第1側部ティアライン63、
センターティアライン61、及び第2側部ティアライン
65で形成される一対のサイドパネル67,69とに区
画され、センターティアライン61と第1側部ティアラ
イン63及び第2側部ティアライン65との交差部の少
なくともその周縁において、サイドパネル67,69を
ドアパネル71,73に対して背面側に折曲して形成し
ている。
バーは、合成樹脂製であり、特に熱可塑性エラストマー
により作成すればよいとあり、インストルメントパネル
と異なる材質である為質感等が異なり、外観上問題があ
る。またエアバックカバーをインストルメントパネルと
別体で形成し、後で組み付けるので組み付け後の各部品
同士での段差・スキ等がある為やはり外観上問題があっ
た。
であって、その目的とするところは、エアバッグドア一
体インストルメントパネルにおいて、ティアラインに沿
って破断が正確に起こり、エアバッグ膨出時にバリの発
生、飛散及びエアバッグドアが割れることがなく、さら
に材質として熱可塑性樹脂を用い、エアバッグドアとイ
ンストルメントパネルを同時に成形することによりイン
ストルメントパネルとエアバッグドアの質感を同一に
し、かつティアラインが外観上見えないエアバッグドア
一体型インストルメントパネル及びその製造方法を提供
しようとするものである。
本発明では請求項1は、エアバッグが膨出する開口部を
閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開
するエアバッグドアを一体に形成したエアバッグドア一
体型インストルメントパネルであって、前記エアバッグ
ドアとインストルメントパネルとが同じ熱可塑性樹脂か
らなり、前記エアバッグドアの内壁面には、その略中央
部を横切るセンターティアラインと、センターティアラ
インの両端で交差部が略直角に交わるように継続してい
る第1側部ティアライン及び第2側部ティアラインとを
形成したエアバッグドア一体型インストルメントパネル
にある。
グが膨出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の
膨張圧力によって展開するエアバッグドアを一体に形成
したエアバッグドア一体型インストルメントパネルであ
って、前記エアバッグドアとインストルメントパネルと
が同じ熱可塑性樹脂からなり、前記エアバッグドアの内
壁面には、その略中央部を横切るセンターティアライン
と、センターティアラインの両端で交差部が略直角に交
わるように継続している第1側部ティアライン及び第2
側部ティアラインとを形成したエアバッグドア一体型イ
ンストルメントパネルとしたことから、剛性の高い熱可
塑性樹脂を使用した場合においても、エアバッグ膨出時
にエアバッグドアが割れず、さらにはエアバッグドアの
バリの飛散がなくなった。
ィアライン及び第2側部ティアラインの屈曲部のなす角
度が95°から115°である請求項1に記載のエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルにある。
側部ティアライン及び第2側部ティアラインの屈曲部の
なす角度が95°から115°である請求項1に記載の
エアバッグドア一体型インストルメントパネルであるこ
とから、エアバッグ展開時に応力の分散が行われ、ティ
アラインに沿った破断となる。
ドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッグケ
ースが取付けられる取付部と、前記エアバッグドアに接
合し、前記エアバッグドアを補強する補強部が一体に形
成されたエアバッグブラケットが接合しており、エアバ
ッグドア本体は、前記第1側部ティアライン、センター
ティアライン、及び第2側部ティアラインで形成される
一対のドアパネルと、第1側部ティアライン並びに第2
側部ティアラインで形成される一対のサイドパネルとに
区画され、前記補強部のサイドパネルがエアバッグドア
のサイドパネルよりも中央側に延出した請求項1又は2
に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネル
にある。
バッグドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバ
ッグケースが取付けられる取付部と、前記エアバッグド
アに接合し、前記エアバッグドアを補強する補強部が一
体に形成されたエアバッグブラケットが接合しており、
エアバッグドア本体は、前記第1側部ティアライン、セ
ンターティアライン、及び第2側部ティアラインで形成
される一対のドアパネルと、第1側部ティアライン並び
に第2側部ティアラインで形成される一対のサイドパネ
ルとに区画され、前記補強部のサイドパネルがエアバッ
グドアのサイドパネルよりも中央側に延出したエアバッ
グドア一体型インストルメントパネルとすることによっ
て、請求項1に記載の作用に加えてエアバッグ膨出時の
衝撃によるエアバッグドアの破損も発生せず、さらにエ
アバッグに傷もつかない。
イドパネルがエアバッグドアのサイドパネルよりも1m
mから4mm中央側に延出した請求項3に記載のエアバ
ッグドア一体型インストルメントパネルにある。
部のサイドパネルがエアバッグドアのサイドパネルより
も1mmから4mm中央側に延出した請求項3に記載の
エアバッグドア一体型インストルメントパネルとするこ
とによって、確実にティアラインのみで破断を起こし、
エアバッグドアの割れ及びバリの発生やエアバッグの破
損は全く生じない。
時の膨張圧力によって展開するエアバッグドアのヒンジ
部と開口予定部がそれぞれ形成されたインストルメント
パネルの芯材において、前記エアバッグドアのエアバッ
グ側の面に補強板が裏打ちされたエアバッグドア一体型
インストルメントパネルの製造方法であって、前記エア
バッグドアの内壁面には、その略中央部を横切るセンタ
ーティアラインと、センターティアラインの両端で交差
部が95°から115°の角度を成して交わるように継
続している第1側部ティアライン及び第2側部ティアラ
インとを形成し、前記補強板を、前記芯材と裏打ち材に
よって挟持して、前記芯材に前記裏打ち材を振動溶着す
ることによって固定するエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネルの製造方法にある。
パネルの芯材と裏打ち材とで挟持して、これら芯材と裏
打ち材とを振動溶着して補強板を固定する為強度を持た
せることができて展開時の衝撃によりエアバッグドアが
飛散せず、また、インストルメントパネル側に補強板を
固定する為に別途、固定用の部分等を形成する必要がな
くなる。
ドアとインストルメントパネルとを同じ熱可塑性樹脂で
同時に成形した請求項5に記載のエアバッグドア一体型
インストルメントパネルの製造方法にある。
バッグドアとインストルメントパネルとを同じ熱可塑性
樹脂で同時に成形したことから、質感がエアバッグドア
とインストルメントパネルとで統一され外観を損なわな
く、さらにエアバッグドアとインストルメントパネルと
の間に段差及び隙間がなくなり外観を損なうことがな
い。
の一実施形態例を説明する。図1は、本発明に係るエア
バッグドア一体型インストルメントパネル1の構造を裏
面から示した斜視図である。
プロピレン樹脂をタルク、マイカ又はガラス等で補強し
たフィラー入りポリプロピレン樹脂(以下、PPC樹脂
という。)、変性PPO樹脂、PC−ABSアロイ樹脂
等の樹脂を基材として、射出成形等で、所定の形状に形
成される。そして、その裏面側には、図示しないエアバ
ッグの膨張によって展開するエアバッグドア2が形成さ
れている。
チによって薄肉にされたセンターティアライン23を含
め、開口予定部となりセンターティアライン23の端で
継続して交差部が95°から115°の角度を成して交
わっている第1側部ティアライン25と、前記ティアラ
イン23の第1側部ティアライン25と反対側の端で継
続して交差部が95°から115°の角度を成して交わ
っている第2側部ティアライン27、このセンターティ
アライン23、第1側部ティアライン及び第2側部ティ
アラインが開裂してエアバッグドア2が展開した時に、
回転軸となるヒンジ部29、31、39及び41とで形
成されている。また、図示していないが、後述する裏打
ち材5、7、9及び11の凸部と接する部分には各凸部
に対応する凹部が形成されている。そして、このエアバ
ッグドア2の裏面側には、エアバッグの膨張力によっ
て、変形したり破損したりしないように、補強板13が
固定される。
ン23が先ず破断し、この破断に連続して第1側部ティ
アライン25及び第2側部ティアライン27が破断しや
すくするために、センターティアライン23の溝深さを
第1側部ティアライン25及び第2側部ティアライン2
7の溝深さよりも深く形成してもよい。
ターティアライン23と交差する交差部から95°から
115°の角度をなして屈曲して形成してあり、図1に
示すように、カバー背面側から見ると、扁平なくの字状
を呈している。また、第2側部ティアライン27の両端
は、センターティアライン23と交差する交差部から同
じく95°から115°の角度をなして屈曲して形成し
てあり、図1に示すように、カバー背面側から見ると、
扁平な逆くの字状を呈している。
角度が95°より小さくなると、補強部位が強度不足と
なり、エアバッグ展開時の衝撃によってエアバッグドア
2の割れが発生する。一方、前記第1側部ティアライン
25が屈曲する角度が115°より大きくなると、バリ
の発生や飛散が起こる。つまり、前記ティアライン25
の屈曲している箇所のなす角度が95°から115°の
間になっていると、エアバッグ展開時に応力の分散が行
なわれ、ティアラインに沿った破断となる。前記第2側
部ティアライン27も同様に屈曲した箇所のなす角度が
95°から115°の間になっていると、エアバッグ展
開時に応力の分散が行なわれ、ティアラインに沿った破
断となる。
記エアバッグを収納するエアバッグケースが取り付けら
れる取付部と、前記エアバッグドア2に接合し、前記エ
アバッグドア2を補強する補強部が一体に形成された図
示しないエアバッグブラケットが接合しており、エアバ
ッグドア2本体は、前記第1側部ティアライン25、セ
ンターティアライン23、及び第2側部ティアライン2
7で形成される一対のドアパネル15、17と、第1側
部ティアライン並びに第2側部ティアラインで形成され
る一対のサイドパネル19、21とに区画され、前記補
強部のサイドパネル45及び47がエアバッグドア2の
サイドパネル19及び21よりも中央側に延出してい
る。
区画に分かれ、それぞれの区画の境界がティアラインと
なり、さらに第1側部ティアライン25及び第2側部テ
ィアライン27の屈曲した箇所のなす角度が95°から
115°の間にあることから、エアバッグドア2が2つ
の区画に分割されていたときと比べてエアバッグ展開時
の応力が分散し、エアバッグドア2に無理な破断時の引
き裂き力も掛かることがないことから、エアバッグ展開
時にバリの発生や飛散が起こることなく、さらにエアバ
ッグドア2に割れも発生しない。
45及び47はエアバッグドア2のサイドパネル19及
び21よりも1mmから4mm中央側に延出させた方が
好ましい。前記補強部のサイドパネルがエアバッグドア
のサイドパネルより延出する量が1mmより少なければ
前記第1側部ティアライン25及び第2側部ティアライ
ン27で屈曲した箇所が補強板5で十分に包囲されずエ
アバッグ展開時に前記屈曲した箇所が鋭角となり、エア
バッグの破損及びエアバッグに傷を付けることとなる。
一方、前記補強部のサイドパネルがエアバッグドアのサ
イドパネルより延出する量が4mmより多ければ補強部
のサイドパネル45及び47がエアバッグドア2のサイ
ドパネル19及び21よりも大きくなりすぎ、ドアパネ
ル15及び17と干渉し、エアバッグ展開時にエアバッ
グドア2の第1側部ティアライン25及び第2側部ティ
アライン27近辺が破損を起こす。
属や、ポリカーボネイト−ABS等の複合材料、熱可塑
性エラストマー等の温度特性の良い樹脂等で形成するこ
とができる。また、この補強板の厚みは、0.5mm前
後とすることが好ましい。この、補強板13には、後述
する裏打ち材5、7、9及び11の凸部が貫通する穴3
3が複数形成され、前述のインストルメントパネル3の
エアバッグドア部2と一体となって展開する時に回転軸
となるヒンジ部35が形成されている。このヒンジ部3
5は、図示しないエアバッグ側に突出するように折り曲
げられていることが好ましい。これによって、展開時に
ヒンジ部で干渉部分が発生することがなくなり、スムー
ズに展開する。また、このヒンジ部35以外の部分、例
えば、補強板端部37のような部分は、剛性を付与する
ためにビード加工等で加工しておくことが好ましい。
5、7、9及び11は、インストルメントパネル3の芯
材と同質の材料であるPPC樹脂、変性PPO樹脂、P
C−ABSアロイ樹脂等の樹脂を用いることが好まし
い。同質材料を用いることで溶着強度が高くなる。ま
た、裏打ち材5、7、9及び11には、TPOを用いる
こともできる。TPOを用いることで、衝撃力やせん断
力を緩和することが可能になるとともに、低温特性に優
れるため、低温雰囲気下においても使用することができ
る。
ッグドア一体型インストルメントパネル3における補強
板13の固定方法について説明する。図3(a)は組付
け前の状態を示す図であり、(b)は振動溶着時の裏打
ち材の振動方向を説明するための図であり、(c)は溶
着後の状態を示す図である。
ルメントパネル3のエアバッグドア2を補強している補
強板13の上に、裏打ち材5,7,9及び11を設置す
る。この時、裏打ち材5,7,9及び11の開口予定部
分と、エアバッグドア2のティアライン29とを合わせ
るとともに、補強板に形成されている穴33と、エアバ
ッグドア2に形成されている凹部49とを合わせて設置
する。次に、裏打ち材5、7、9及び11の凸部51を
それぞれ補強板13の穴33に入れ、エアバッグドア2
に形成された凹部49に接するように設置する。この
時、凸部51の円筒内に形成されている樹脂板部59の
方向が、図4に示すように中心部より外側に向かって放
射状になるように設置するよう注意する。
料を設置すると、裏打ち材5、7、9及び11の先端
を、エアバッグドア2の凹部49に接触させながら、図
に示すように2次元的に振動を加える。この振動による
裏打ち材5、7、9及び11の凸部51の先端と対峙す
るエアバッグドア2の凹部49との摩擦熱により、裏打
ち材5、7、9及び11の凸部51の先端とエアバッグ
ドア2の凹部49とが溶け始め、図3(c)に示すよう
な状態となって溶着することができる。この時、溶着部
53から外側にバリ55がはみ出すようになる。このバ
リ55は、前述したように、凹部49の面積を凸部51
の先端面積よりも大きく形成することで、逃がすことが
可能となり、図3(c)に示すように、裏打ち材5、
7、9及び11と補強板13とエアバッグドア2との間
に隙間57を残した状態で溶着することが可能となる。
このため、補強板13が鉄やアルミニウム等の金属のよ
うに、インストルメントパネル3の芯材や裏打ち材5、
7、9及び11と熱膨張率が大きく異なる材質でも、熱
履歴を受けたときに伸縮することが可能となり、熱応力
による歪みや破壊を抑止することができる。
ッグドア一体型インストルメントパネルは、インストル
メントパネルの裏面側に形成されたエアバッグドアに、
補強板が裏打ち材とインストルメントパネルの芯材とで
挟持され、この裏打ち材と芯材とが振動溶着されること
で、固定されたものである。このため、補強板は裏打ち
材及び芯材それぞれの面によって挟持されているため、
溶着強度を高くすることができる。また、振動溶着によ
って、裏打ち材と芯材とを溶着するため、裏打ち材の材
質を適宜選択することが可能となる。また、補強板に金
属等の別物を使用することができ、芯材と裏打ち材との
振動溶着によって固定されるため、芯材に補強板を固定
するために別途、固定部分を形成する必要もなくなり、
このため、インストルメントパネルの成形時にインスト
ルメントパネル表面にひけが発生することも無くなる。
る。
形状のインストルメントパネルの金型に、PPCを投入
して、厚さ4mm、ティアライン部の残厚が0.2m
m、エアバッグドアの展開枠の大きさが縦110mm、
横230mmのものを用いた。インストルメントパネル
の裏面側に補強ドア部の長辺側の長さが205mmであ
る補強板を、PPCからなる裏打ち材をインストルメン
トパネルに振動溶着して固定した。補強板は、材質がS
PCC電気亜鉛メッキであり、厚さ0.5mmのものを
用いた。前記補強板を4分割して補強部のサイドパネル
と補強部のドアパネルとした。そして、それぞれ補強部
のサイドパネルとエアバッグドアのサイドパネルとを対
応させ、さらに補強部のドアパネルとエアバッグドアの
ドアパネルとをそれぞれ対応させて振動溶着を行った。
また、エアバッグドアの第1側部ティアラインと第2側
部ティアラインが屈曲する角度を何水準かに振ってエア
バッグドアとそれに対応させて裏打ち材及び補強板を作
製し、振動溶着を行った後、エアバッグの展開試験を行
った。その結果を表1に示す。このとき、補強部のサイ
ドパネルがエアバッグドアのサイドパネルからはみ出し
た量は0.5mmであった。
部ティアライン及び第2側部ティアラインのなす角度が
90°以下の場合は、エアバッグドアに割れやひびが発
生し、一方第1側部ティアライン及び第2側部ティアラ
インの屈曲した箇所のなす角度が120°以上になると
バリの発生や飛散が起こることがわかる。
ドアパネルの寸法を変化させて、前記補強部のサイドパ
ネルがエアバッグドアのサイドパネルよりはみ出す量を
振ったものを作製した。はみ出し量としては、図5に示
す量を採用した。この時の第1側部ティアラインと第2
側部ティアラインの屈曲した箇所のなす角度は110°
であった。そして、エアバッグの展開試験を行った。そ
の結果を表2に示す。なお、図6に実施例、比較例の前
記はみ出し量の形態を抜粋して示す。
パネルがエアバッグドアのサイドパネルよりはみ出す量
が1mmから4mmの間であれば特に問題無くエアバッ
グが展開できることがわかる。
膨出する開口部を閉成し、前記エアバッグ作動時の膨張
圧力によって展開するエアバッグドアを一体に形成した
エアバッグドア一体型インストルメントパネルであっ
て、前記エアバッグドアとインストルメントパネルとが
同じ熱可塑性樹脂からなり、前記エアバッグドアの内壁
面には、その略中央部を横切るセンターティアライン
と、センターティアラインの両端で交差部が略直角に交
わるように継続している第1側部ティアライン及び第2
側部ティアラインとを形成したエアバッグドア一体型イ
ンストルメントパネルとしたことから、剛性の高い熱可
塑性樹脂を使用した場合においても、エアバッグ膨出時
にエアバッグドアが割れず、さらにはエアバッグドアの
バリの飛散がなくなったという効果がある。
ティアライン及び第2側部ティアラインの屈曲部のなす
角度が95°から115°である請求項1に記載のエア
バッグドア一体型インストルメントパネルであることか
ら、エアバッグ展開時に応力の分散が行われ、ティアラ
インに沿った破断となる効果がある。
グドアの裏側に、前記エアバッグを収納するエアバッグ
ケースが取り付けられる取付部と、前記エアバッグドア
に接合し、前記エアバッグドアを補強する補強部が一体
に形成されたエアバッグブラケットが接合しており、エ
アバッグドア本体は、前記第1側部ティアライン、セン
ターティアライン、及び第2側部ティアラインで形成さ
れる一対のドアパネルと、第1側部ティアライン並びに
第2側部ティアラインで形成される一対のサイドパネル
とに区画され、前記補強部のサイドパネルがエアバッグ
ドアのサイドパネルよりも中央側に延出したエアバッグ
ドア一体型インストルメントパネルとすることによっ
て、エアバッグ膨出時の衝撃によるエアバッグドアの破
損も発生せず、さらにエアバッグに傷もつかないという
効果がある。
果に加えて、前記補強部のサイドパネルがエアバッグド
アのサイドパネルよりも1mmから4mm中央側に延出
したエアバッグドア一体型インストルメントパネルとす
ることによって、確実にティアラインのみで破断を起こ
し、エアバッグドアの割れ及びバリの発生やエアバッグ
の破損は全く生じないという効果がある。
補強板を、インストルメントパネルの芯材と裏打ち材と
で挟持して、これら芯材と裏打ち材とを振動溶着して補
強板を固定する為強度を持たせることができて展開時の
衝撃によりエアバッグドアが飛散せず、また、インスト
ルメントパネル側に補強板を固定する為に別途、固定用
の部分等を形成する必要がなくなるという効果がある。
バッグドアとインストルメントパネルとを同じ熱可塑性
樹脂で同時に成形したことから、質感がエアバッグドア
とインストルメントパネルとで統一され外観を損なわな
く、さらにエアバッグドアとインストルメントパネルと
の間に段差及び隙間がなくなり外観を損なうことがなく
なるという効果がある。
メントパネルの構造の裏面側からの斜視図を示す。
メントパネルで、エアバッグドアのティアララインと補
強材との位置関係を示す図である。
ための図である。(a)は組み付け前の状態を示す図で
あり、(b)は振動溶着時の裏打ち材の振動方向を説明
するための図であり、(c)は溶着後の状態を示す図で
ある。
ドパネルよりはみ出した状態を示した図であり、そのは
み出し量を図示したものである。
ドパネルよりはみ出した状態を示した図である。(a)
は比較例4の状態を示す図であり、(b)は実施例4の
状態を示した図であり、(c)は比較例6の状態を示し
た図である。
である。
Claims (6)
- 【請求項1】 エアバッグが膨出する開口部を閉成し、
前記エアバッグ作動時の膨張圧力によって展開するエア
バッグドアを一体に形成したエアバッグドア一体型イン
ストルメントパネルであって、 前記エアバッグドアとインストルメントパネルとが同じ
熱可塑性樹脂からなり、前記エアバッグドアの内壁面に
は、その略中央部を横切るセンターティアラインと、セ
ンターティアラインの両端で交差部が略直角に交わるよ
うに継続している第1側部ティアライン及び第2側部テ
ィアラインとを形成したことを特徴とするエアバッグド
ア一体型インストルメントパネル。 - 【請求項2】 前記第1側部ティアライン及び第2側部
ティアラインの屈曲部のなす角度が95°から115°
である請求項1に記載のエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネル。 - 【請求項3】 前記エアバッグドアの裏側に、前記エア
バッグを収納するエアバッグケースが取付けられる取付
部と、前記エアバッグドアに接合し、前記エアバッグド
アを補強する補強部が一体に形成されたエアバッグブラ
ケットが接合しており、エアバッグドア本体は、前記第
1側部ティアライン、センターティアライン、及び第2
側部ティアラインで形成される一対のドアパネルと、第
1側部ティアライン並びに第2側部ティアラインで形成
される一対のサイドパネルとに区画され、前記補強部の
サイドパネルがエアバッグドアのサイドパネルよりも中
央側に延出した請求項1又は2に記載のエアバッグドア
一体型インストルメントパネル。 - 【請求項4】 前記補強部のサイドパネルがエアバッグ
ドアのサイドパネルよりも1mmから4mm中央側に延
出した請求項3に記載のエアバッグドア一体型インスト
ルメントパネル。 - 【請求項5】 エアバッグ作動時の膨張圧力によって展
開するエアバッグドアのヒンジ部と開口予定部がそれぞ
れ形成されたインストルメントパネルの芯材において、
前記エアバッグドアのエアバッグ側の面に補強板が裏打
ちされたエアバッグドア一体型インストルメントパネル
の製造方法であって、 前記エアバッグドアの内壁面には、その略中央部を横切
るセンターティアラインと、センターティアラインの両
端で交差部が95°から115°の角度を成して交わる
ように継続している第1側部ティアライン及び第2側部
ティアラインとを形成し、前記補強板を、前記芯材と裏
打ち材によって挟持して、前記芯材に前記裏打ち材を振
動溶着することによって固定するエアバッグドア一体型
インストルメントパネルの製造方法。 - 【請求項6】 前記エアバッグドアとインストルメント
パネルとを同じ熱可塑性樹脂で同時に成形した請求項5
に記載のエアバッグドア一体型インストルメントパネル
の製造方法。
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