JP3172866B2 - エアバッグ装置のカバー体 - Google Patents
エアバッグ装置のカバー体Info
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Description
装置で、特に助手席用エアバッグ装置を被覆するインス
トルメントパネル等のエアバッグ装置のカバー体に関す
るものである。
したエアバッグによって乗員を拘束する装置であり、通
常はエアバッグを折り畳み状態でインストルメントパネ
ルの内側に収納しておき、緊急時にエアバッグを膨張さ
せてインストルメントパネルの一部を開き、乗員の前方
にエアバッグを展開させるものである。
おいてはエアバッグ装置の前方、即ち、エアバッグケー
スの開口部と対向する部分に、エアバッグの膨張によっ
て開裂するドア状の部分が形成されている。
置の前方を芯材が除かれたインストルメントパネルで覆
い、このインストルメントパネルの表皮に、エアバッグ
の膨張によって破断する凹溝を高周波ウェルダー等によ
り加工することによって形成されている。
ンストルメントパネルの表皮は、従来は塩化ビニル系樹
脂の中でも比較的硬いものが使用されており、このため
上記開裂も比較的容易であったが、近年使用される表皮
は軟らかいPVC(ポリ塩化ビニル)やTPO(スチレ
ン系またはオレフィン系熱可塑性エラストマー)で構成
されるものもあり、これらは伸長性や柔軟性が上記のも
のに比べ強いことから、破断部の開裂が従来よりも行な
われ難いという問題を有している。
は行われ易くなるが、PVCやTPOの特性から、この
薄肉部分の成形性と製品の耐久性が悪くなるという別の
問題を招来する。
破断部の形状に新規な構成を見出すことにより、PVC
やTPO製表皮を有するインストルメントパネルにおい
ても、エアバッグ展開時の開裂を容易に行なわせること
ができるエアバッグ装置のカバー体を提供することを目
的としている。
に、本発明に係るエアバッグ装置のカバー体は、表皮の
裏面に凹溝による薄肉部を形成し、該薄肉部によりエア
バッグの膨張に伴い破断される破断部が形成されてなる
エアバッグ装置のカバー体において、上記破断部が、略
直線状の横破断部と、該横破断部の長手方向の両端部か
らそれぞれ二股に分岐接続され、かつ上記横破断部の延
長方向に対して斜め前方に拡開して延出された一対のV
字状の縦破断部とから形成され、上記横破断部の長手方
向の略中央部に、上記凹溝を所要幅広く形成した初期開
裂部を形成しているとともに、上記破断部の各分岐部に
それぞれ、上記凹溝を所要幅広に形成してその底壁によ
り薄肉部を形成し、この薄肉部を、上記縦横各破断部か
ら分岐部の中心に向かい逆テーパ状に広がる略三角形状
に形成している一方、 上記カバー体が、上記表皮と該表
皮の裏面に配設された発泡樹脂層と該発泡樹脂層の裏面
に配置された開口を有する芯材と該芯材にそれぞれ一端
を固定して上記開口に配設された両開き扉状のエアバッ
グドアとを突き合わせて構成されており、このカバー体
における上記両開き扉状のエアバッグドアの上記破断部
に対向する部位の全域に、上記表皮側に向け突設されて
エアバッグの膨張に伴い破断部を形成する薄肉部を突き
破る突片が形成され、これら突片のうち、上記初期開裂
部または初期開裂部および略三角形状部の両方に対向す
る箇所の突片の高さが他の破断部に対向する箇所の突片
の高さよりも高く形成されていることを特徴とするもの
である。
線状の横破断部の長手方向の両端部に該横破断部の延長
方向に対して斜め前方に拡開して延出されたV字状の縦
破断部が分岐接続されているために、エアバッグの膨張
に伴い破断進行した横破断部の開裂がその長手方向の端
部から縦破断部側に円滑に分岐移行されることになり、
全体として開裂性能を大幅に改善することが可能であ
る。
に、上記凹溝を所要幅広く形成した初期開裂部を形成す
るとともに、上記破断部の各分岐部にそれぞれ、上記凹
溝を所要幅広に形成してその底壁により薄肉部を形成
し、この薄肉部を、上記縦横各破断部から分岐部の中心
に向かい逆テーパ状に広がる略三角形状に形成している
ので、破断部全体の初期開裂をよりスムームに行なわせ
るとともに、縦横各分岐部に略三角形状に形成している
薄肉部が所要の遊びを提供しうることから、開裂が方向
を異にして縦破断部に分岐する際の抵抗を減じ、横破断
部からさらに直進しようとする開裂の方向を上記縦破断
部にさらに円滑に分岐させることが可能である。
状のエアバッグドアの上記破断部に対向する部位の全域
に、エアバッグの膨張に伴い破断部を形成する薄肉部を
突き破るように上記表皮側に向け突設形成されている突
片のうち、上記初期開裂部または初期開裂部および略三
角形状部の両方に対向する箇所の突片の高さを他の破断
部に対向する箇所の突片の高さよりも大きく形成してい
るので、エアバッグの膨張に伴うエアバッグドアの押し
開かれによって先ず高さの高い突片部が初期開裂部また
は初期開裂部および略三角形状部の薄肉部を先行して突
き破ることになるため、表皮がPVCやTPOのような
伸長性、柔軟性に優れた材料から構成される場合でも、
この表皮に形成される破断部の肉厚をその成形性および
製品の耐久性を悪化しない程度のものとしながらも、破
断部に沿った開裂性能を改善することが可能である。
明の実施の形態を説明する。図1は本発明の実施形態に
係るインストルメントパネルの破断部を示す平面図、図
2は同実施形態のインストルメントパネルの断面図であ
る。
体として下部に助手席用エアバッグ装置2を内蔵するも
のであり、該インストルメントパネル1は、図2に示す
ように、PVCやTPOからなる表皮3の裏面に半硬質
ポリウレタンフォーム層4を重合すると共に、このポリ
ウレタンフォーム層4の裏面に、エアバッグケース2a
の開口部に合わせて開口5を有する芯材6と、この芯材
6にそれぞれ一端が固定された樹脂板あるいは金属板か
らなる両開き扉状の一対のエアバッグドア7,7とを重
合している。
上記エアバッグの膨張によって破断する破断部9を、表
皮3の裏面に設けた凹溝8により形成したものであり、
図1に示す如く上記破断部9を、略直線状に形成した横
破断部10と、この横破断部10の長手方向の両端部か
らそれぞれ二股に分岐接続し、かつ横破断部10の延長
仮想線Lに対してそれぞれ約30〜60°の範囲、好ま
しくはそれぞれ45°の角度A,Aで左右に拡開して延
出したV字状の一対の縦破断部11,11とにより形成
している。
12にそれぞれ、上記凹溝8を所要幅広に形成してその
底壁8aにより薄肉部13を形成し、この薄肉部13
を、上記縦横各破断部10,11から分岐部12の中心
に向かい逆テーパ状に広がる略三角形状に形成してい
る。
示す如く、半円状にそれぞれ円弧をなしてさらに二股に
分かれるように形成され、この部分にて開裂の進行を止
めるようになっている。なお、この半円状端部11aは
なくてもよい。
は、図3に示すように、薄肉部13に内接する円16の
直径が約10〜15mm程度が適当である。なお、同図
中、符号8bは凹溝8の側壁である。
の長手方向中央部には、底壁8aが通常1mm幅の凹溝
8を約3〜5mm幅に幅広に形成した初期開裂部14が
形成されており、上記両開き扉状のエアバッグドア7,
7は、図2に示す如く上記横破断部10の下方を突き合
わせると共に、この初期開裂部14を含む横破断部10
および縦破断部11と対向する部位の全域にそれぞれ突
片15,15を上方へ突設している。すなわち、図5に
示すように、横破断部10に対向する略直線状の横突片
15Aとこの横突片15Aの長手方向の両端からそれぞ
れ二股に分岐され、かつ横突片15Aの延長線Lに対し
てそれぞれ約30〜60°の範囲、好ましくは45°の
角度A,Aで左右に拡開してV字状に延出された一対の
縦突片15Bとにより、全ての破断部9に対向する突片
15を突設形成している。
れた突片15は次のように構成されている。すなわち、
図5に示すように、上記横破断部10に対向する略直線
状の横突片15Aのうち、初期開裂部14の突片部15
aおよび上記略三角形状箇所の突片部15bの高さH
[エアバッグドア7からの突出代で、図6の(A)で示
す]を他の破断部9に対向する箇所の突片15の高さh
[図6の(B)で示す]よりも高く形成してあり、これ
によって、エアバッグの膨張に伴って押し開かれるエア
バッグドア7,7に形成の突片15,15のうち、高さ
の高い突片部15a,15bによって初期開裂部14お
よび略三角形状の薄肉部13を先行して突き破るように
構成されている。
角度Bは、図4に示す如く90°〜60°の範囲が成形
性、初期開裂性を向上させる上で好適である。
においては、エアバッグの膨張によって先ずエアバッグ
ドア7,7が押し開かれ、これらドア7,7に形成の突
片15,15のうち、高さの高い突片部15a,15b
が初期開裂部14および略三角形状の薄肉部13を先行
して突き破る。
して横突片15Aおよび縦突片15Bが表皮の横破断部
10および縦破断部11の薄肉部13をそれぞれ突き破
って開裂が進行することになるため、表皮3がPVCや
TPOのような伸長性、柔軟性に優れた材料から構成さ
れる場合で、この表皮3に形成される破断部9の肉厚を
その成形性および製品の耐久性を悪化しない程度に比較
的大きくしながらも、破断部9に沿った適正な開裂性能
を発揮させて、開裂軌跡のずれや半硬質ポリウレタンフ
ォーム層4の破断に伴うウレタン小片の飛散などの発生
を極力抑制することが可能である。
1が横破断部10の延長方向に対して、それぞれ約30
〜60°の範囲、好ましくは45°の角度A,Aで左右
に拡開したV字状に形成されていることから、上記横破
断部10の開裂が円滑に分岐され、縦破断部11に伝達
される。
形状薄肉部13が形成されているため、横破断部10か
らの開裂が方向を異にして縦破断部11に分岐する際の
抵抗を減じ、横破断部10からさらに延長方向に直進し
ようとする開裂の方向を上記縦破断部11にさらに円滑
に分岐させることが可能である。
する。図7は、上記凹溝8の形状に関する他の実施形態
で、例えば略逆V字状の幅狭形状の凹溝8を形成したも
のである。このように上記凹溝8の開先角度Bを小さく
することによって、表皮3の表面に局部的な凹部が生じ
たり、光沢に斑を生じたりすることのない良好な外観品
質を確保しつつ、上記横破断部10とその両端に分岐接
続された略Y字状の縦破断部11との組み合わせによっ
て、エアバッグの膨張時の開裂性能は十分良好なものと
することが可能である。
裏面に凹溝による薄肉部により形成される略直線状の横
破断部の長手方向の両端部に該横破断部の延長方向に対
して斜め前方に拡開して延出されたV字状の縦破断部が
分岐接続されているために、エアバッグの膨張に伴い破
断進行した横破断部の開裂がその長手方向の端部から円
滑に分岐されて縦破断部に移行することになり、破断部
の肉厚を特別に薄くしなくとも、エアバッグ展開時の開
裂性能を大幅に改善することができる。
ムに行なわせるとともに、縦横各分岐部に略三角形状に
形成された薄肉部が所要の遊びを提供しうることから、
開裂が方向を異にして縦破断部に分岐する際の抵抗を減
じ、横破断部からさらに直進しようとする開裂の方向を
上破断部側に一層円滑に分岐させることが可能で、開裂
性能をより一層向上することができる。
の全域に、破断部を形成する薄肉部を突き破る突片を形
成し、これら突片のうち、高さの高い突片部が初期開裂
部または初期開裂部および略三角形状部の薄肉部を先行
して突き破るようにしているので、表皮がPVCやTP
Oのような伸長性、柔軟性に優れた材料から構成される
場合で、この表皮に形成される破断部の肉厚をその成形
性および製品の耐久性を悪化しない程度のものとしなが
らも、破断軌跡のずれや破断小片の飛散などをほとんど
招くことなく、破断部に沿って適正、容易に開裂させる
ことができ、開裂性能の大幅な改善を達成することがで
きるという効果を奏する。
の形態としてのインストルメントパネルの破断部を示す
平面図である。
図である。
平面図である。
る。
面図である。
要部の拡大断面図、(B)は図5のZ−Z線に沿った要
部の拡大断面図である。
である。
Claims (1)
- 【請求項1】 表皮の裏面に凹溝による薄肉部を形成
し、該薄肉部によりエアバッグの膨張に伴い破断される
破断部が形成されてなるエアバッグ装置のカバー体にお
いて、 上記破断部が、略直線状の横破断部と、該横破断部の長
手方向の両端部からそれぞれ二股に分岐接続され、かつ
上記横破断部の延長方向に対して斜め前方に拡開して延
出された一対のV字状の縦破断部とから形成され、上記
横破断部の長手方向の略中央部に、上記凹溝を所要幅広
く形成した初期開裂部を形成しているとともに、上記破
断部の各分岐部にそれぞれ、上記凹溝を所要幅広に形成
してその底壁により薄肉部を形成し、この薄肉部を、上
記縦横各破断部から分岐部の中心に向かい逆テーパ状に
広がる略三角形状に形成している一方、 上記カバー体が、上記表皮と該表皮の裏面に配設された
発泡樹脂層と該発泡樹脂層の裏面に配置された開口を有
する芯材と該芯材にそれぞれ一端を固定して上記開口に
配設された両開き扉状のエアバッグドアとを突き合わせ
て構成されており、このカバー体における上記両開き扉
状のエアバッグドアの上記破断部に対向する部位の全域
に、上記表皮側に向け突設されてエアバッグの膨張に伴
い破断部を形成する薄肉部を突き破る突片が形成され、
これら突片のうち、上記初期開裂部または初期開裂部お
よび略三角形状部の両方に対向する箇所の突片の高さが
他の破断部に対向する箇所の突片の高さよりも高く形成
され ていることを特徴とするエアバッグ装置のカバー
体。
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Publications (2)
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1997
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