JP3975433B2 - エアバッグドアの開裂構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エアバッグドアの開裂構造に関し、更に詳細には、車両内装部材を構成する基材および該基材の外面に被着される表皮材の夫々に、エアバッグ装置におけるエアバッグドアの開放を許容する開裂予定線が形成され、この開裂予定線は該エアバッグドアの中央を直線状に延在する第1開裂予定線と、該第1開裂予定線の両端からV字状に斜めに分岐して延在する2本の第2開裂予定線とからなり、エアバッグが膨張して前記第1開裂予定線および第2開裂予定線を対応的に破断することで前記エアバッグドアを開放させるようにしたエアバッグドアの開裂構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年に至り、殆どの乗用車では、衝突事故等による衝撃から乗員を保護するために、運転席用のエアバッグ装置と助手席用のエアバッグ装置とが標準的に装備されるようになっている。このため前記インストルメントパネル10では、図5に示すように、前記助手席用のエアバッグ装置24に整合した部位に、当該エアバッグ装置24の作動時に膨張を開始したエアバッグ26の押圧力を受けると乗員室側へ開放するエアバッグドア30が設けられている。
【0003】
前記インストルメントパネル10は、▲1▼所要形状に成形したパネル基材12と、このパネル基材12の外面に表皮材14を被着した2層タイプ、▲2▼前記パネル基材12と表皮材14および両部材12,14の間にクッション材16を介在した3層タイプ、等が広く実施に供されている(図5では3層タイプを例示している)。このようなインストルメントパネル10では、前記パネル基材12および前記表皮材14の夫々に基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34が延在形成されており、前記エアバッグ装置24の作動時に膨張したエアバッグ26の押圧力が加わった際に前記各開裂予定線32,34が夫々破断することで、前記パネル基材12の一部分、表皮材14の一部分およびクッション材16の一部分がエアバッグドア30として一体的に外方へ開放する。
【0004】
ここで、インストルメントパネル10の主体とされる前記パネル基材12は、例えばPP(ポリプロピレン)やASG等の比較的硬質の合成樹脂材料から形成された成形部材であるため、前記エアバッグドア30を該基材12に一体的に形成した場合には、殊に低温時においてエアバッグ26が許容下限レベルで膨張展開するようになるおそれがある。このため近年に至っては、図5に図示したように、前記パネル基材12における前記エアバッグ装置24に対応した部位に装着口18を設け、TPO(オレフィン系の熱可塑性エラストマー)等の比較的軟質かつ柔軟性のある合成樹脂材料から形成したドア成形部材20を該パネル基材12の一部分として装着口18に取付け、このドア成形部材20に前記エアバッグドア30を設けるようになりつつある。従って、前記ドア成形部材20における板状部22の裏面に前記基材開裂予定線32が延在形成してあり、この開裂予定線32が破断することで板状部22がエアバッグドア30として開放するようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ここでエアバッグドア30は、例えば図6に示すように、前記基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34を、エアバッグドア30の中央を直線状に延在する第1開裂予定線32a,34aと、該第1開裂予定線32a,34aの両端からI字状に分岐して延在する第2開裂予定線32b,34bとにより、全体として略H字型に形成することで、インストルメントパネル10の前後方向へ開放する横長矩形状の2枚のドアパネル30A,30Bからなる両開き式が主流とされている。しかしながら、基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34をH字型に延在形成した場合には、第1開裂予定線32a,24aと第2開裂予定線32b,34bとが略直角に分岐して延在しているため、次のような不都合が危惧される。すなわちパネル基材12(ドア成形部材20)では、基材開裂予定線32における第1開裂予定線32aで始まった開裂が、直角方向に延在する第2開裂予定線32bへスムーズに進行しないことがあり、ドアパネル30A,30Bの開放遅れに伴ってエアバッグ26の許容下限レベルの膨張展開になるおそれがあった。一方、表皮材14では、表皮開裂予定線34における第1開裂予定線34aで始まった開裂が、直角方向へ延在する第2開裂予定線34bへスムーズに進行し難い可能性もあった。
【0006】
そこで、前述した両開き式のエアバッグドア30の不都合を改善するために、図7に示すように、前記基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34を、エアバッグドア30の中央を直線状に延在する第1開裂予定線32a,34aと、該第1開裂予定線32a,34aの両端(左端および右端)32d,34dからV字状に斜めに分岐して延在する第2開裂予定線32c,34cとにより、全体として略両Y字型に形成することで、インストルメントパネル10の前後方向へ開放する2枚の横長台形状のドアパネル30A,30Bおよび左右方向へ開放する2枚の三角形状のドアパネル30C,30Dからなる4方開き式のエアバッグドア30が提案されている。このように、基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34を両Y字型に延在形成した場合には、第1開裂予定線32a,34aと第2開裂予定線32c,34cとの接合分岐角度が鈍角となっているので、第1開裂予定線32a,34aで始まった開裂が第2開裂予定線32c,34cへスムーズに進行するようになる。従って、各ドアパネル30A,30B,30C,30Dの開放遅れが発生し難くなると共に、表皮材14の開裂がスムーズに進行し易くなるので、前述した夫々の不都合は回避できる。
【0007】
しかしながら図8から明らかなように、ドア成形部材20に形成した前記基材開裂予定線では、前記第1開裂予定線32からV字状に分岐する2本の第2開裂予定線32c,32cが直線状に接合しているため、左右のドアパネル30C,30Dは、開放側端縁が尖形状を呈する三角形状となってしまう。従って、エアバッグ装置24が作動して左右のドアパネル30C,30Dが略垂直状態で開放停止した場合には、該ドアパネル30C,30Dの尖形状の開放側端縁がエアバッグ26に干渉して該エアバッグ26に対する応力集中が大きくなり、当該エアバッグ26の膨張方向および膨張形状がねらい通りにならないおそれがある(許容下限レベル)。
【0008】
【発明の目的】
本発明は、前述した課題を好適に解決するべく提案されたもので、エアバッグドアの開裂の進行をスムーズにし、またエアバッグへの応力集中を防止して該エアバッグの膨張方向および膨張形状がねらい通りとなるようにしたエアバッグドアの開裂構造を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し、所期の目的を達成するため本発明は、車両内装部材を構成する基材および該基材の外面に被着される表皮材の夫々に、エアバッグ装置におけるエアバッグドアの開放を許容する開裂予定線が形成され、この開裂予定線は該エアバッグドアの中央を直線状に延在する第1開裂予定線と、該第1開裂予定線の両端からV字状に斜めに分岐して延在する2本の第2開裂予定線とからなり、エアバッグが膨張して前記第1開裂予定線および第2開裂予定線を対応的に破断することで前記エアバッグドアを開放させるようにしたエアバッグドアの開裂構造において、
前記表皮材に設けた前記開裂予定線における2本の第2開裂予定線が、第1開裂予定線の両端から夫々直線状に分岐し、
前記基材に設けた前記開裂予定線における2本の第2開裂予定線が、第1開裂予定線の両端から夫々分岐した近傍の部位だけを緩やかな曲線としたことを特徴とする。
【0010】
同じく前記課題を解決し、所期の目的を達成するため別の発明は、車両内装部材を構成する基材に取付けたドア成形部材と、これら基材およびドア成形部材の外面に被着される表皮材との夫々に、エアバッグ装置におけるエアバッグドアの開放を許容する開裂予定線が形成され、この開裂予定線は該エアバッグドアの中央を直線状に延在する第1開裂予定線と、該第1開裂予定線の両端からV字状に斜めに分岐して延在する2本の第2開裂予定線とからなり、エアバッグが膨張して前記第1開裂予定線および第2開裂予定線を対応的に破断することで前記エアバッグドアを開放させるようにしたエアバッグドアの開裂構造において、
前記表皮材に設けた前記開裂予定線における2本の第2開裂予定線が、第1開裂予定線の両端から夫々直線状に分岐し、
前記ドア成形部材に設けた前記開裂予定線における2本の第2開裂予定線が、第1開裂予定線の両端から夫々分岐した近傍の部位だけを緩やかな曲線としたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明に係るエアバッグドアの開裂構造につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお本実施例では、図5に示したインストルメントパネル10、すなわちパネル基材12、クッション材16および表皮材14からなる3層タイプで、かつ前記パネル基材12におけるエアバッグ装置24に対応した部位に、別途成形したドア成形部材20を該パネル基材12の一部として取付けた形態のインストルメントパネルを例示する。従って、図5〜図8において既出の部材や部位と同一の部材、部位は、同一の符号を付して指示する。
【0012】
図1は、本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの開裂構造を、一部破断した状態で示すインストルメントパネルの部分平面図である。本実施例の開裂構造が実施されるエアバッグドア30は、図7および図8と同様に4枚のドアパネル30A,30B,30C,30Dから構成されるもので、パネル基材12(ドア成形部材20)および表皮材14には、両Y字型の基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34が夫々延在形成されている。なお基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34は、裏面に設けた凹溝により薄肉に形成されたもので、基材開裂予定線32はドア成形部材20の成形時に同時に形成され、表皮開裂予定線34は表皮材14の成形後に熱刃等で形成する。
【0013】
(基材開裂予定線)
パネル基材12の一部分をなす前記ドア成形部材20の板状部22に形成された基材開裂予定線32は、図1および図2に示すように平面形状が略両Y字型に延在形成されており、該板状部22の略中央部分で左右に直線状に延在する所要長の第1開裂予定線32aと、該第1開裂予定線32aの両側端部からV字状に斜めに分岐して板状部22の各隅角部に向かって延在する所要長の第2開裂予定線32cとから構成されている。そして図1において、第1開裂予定線32aの左端32dからV字状に分岐する2本の第2開裂予定線32c,32cは、該第1開裂予定線32aの左端32dから夫々分岐した近傍の部位が緩やかな曲線状に延在している。これにより、前記第2開裂予定線32c,32cでの破断により形成される図示左側の略三角形状のドアパネル30Cは、その開放側端縁が曲線状となって尖形状にならないようになっている(図3)。一方図1において、第1開裂予定線32aの右端32dからV字状に分岐する2本の第2開裂予定線32c,32cも、同様に該第1開裂予定線32aの左端32dから夫々分岐した近傍の部位が緩やかな曲線状に延在している。これにより、前記第2開裂予定線32c,32cでの破断により形成される図示右側の略三角形状のドアパネル30Dも、その開放側端縁が曲線状となって尖形状にならないようになっている(図3)。
【0014】
(表皮開裂予定線)
表皮材14の裏面に形成された表皮開裂予定線34は、図1および図2に示すように平面形状が両Y字型に延在形成されており、所要長の直線状に延在する第1開裂予定線34aと、該第1開裂予定線34aの両側端部からV字状に斜めに分岐して直線状に延在する所要長の4本の第2開裂予定線34cとから構成されている。この表皮開裂予定線34は、図7および図8に示した従来のものと同一形状に形成されており、第1開裂予定線34aと第2開裂予定線34cとの接合分岐角度が鈍角(140〜150度程度)となっている。このような表皮開裂予定線34では、第1開裂予定線34aの中間部位で始まった開裂が該開裂部分34aの両端へ進行した後、夫々の第2開裂予定線34cへスムーズに進行するようになっている。
【0015】
このように本実施例のエアバッグドアの開裂構造では、前記パネル基材12の一部分をなすドア成形部材20に延在形成した基材開裂予定線32における分岐形状と、前記表皮材14に延在形成した表皮開裂予定線34における分岐形状とを、夫々異なった開裂ライン形状となるようにしてある。具体的には、パネル基材12の一部をなすドア成形部材20に延在形成した基材開裂予定線32では、第1開裂予定線32aからV字状に分岐する第2開裂予定線32cが、該第1開裂予定線32dの左端32dおよび右端32dから夫々分岐した近傍の部位を緩やかな曲線とし、表皮材14に延在形成した表皮開裂予定線34では、第1開裂予定線34からV字状に分岐する第2開裂予定線34cが、該第1開裂予定線34の左端34dおよび右端34dを頂点とするV字直線とされている。なお、基材開裂予定線32における第2開裂予定線32cの曲線部分の半径は、▲1▼第1開裂予定線32aから第2開裂予定線32cへの開裂がスムーズに進行する、▲2▼エアバッグ26への応力集中を適切に防止する、という夫々の条件を充足し得るよう設定され、開裂をスムーズに進行させることが重要な場合は可能な限り小さく設定するのが望ましい。
【0016】
【実施例の作用】
パネル基材12の一部分をなすドア成形部材20では、エアバッグ装置24が作動して膨張を開始したエアバッグ26の押圧力が当該ドア成形部材20における板状部22の裏面に加わった際に、先ず基材開裂予定線32における第1開裂予定線32aの略中間部位で開裂が惹起され、この部位で始まった開裂は当該第1開裂予定線32aの両側端部へ向けて瞬時に進行する。次いで、第1開裂予定線32aでの開裂が完了すると、これと同時にV字状に分岐した夫々の第2開裂予定線32cへ開裂が進行し、各第2開裂予定線32cでの開裂も瞬時に進行するようになる。
【0017】
一方、表皮材14では、前記第1開裂予定線32と略同時に開裂が進行し、エアバッグ装置24が作動して膨張を開始したエアバッグ26の押圧力がドア成形部材20における板状部22の裏面に加わった際に、先ず表皮開裂予定線34における第1開裂予定線34aの略中間部位で開裂が惹起され、この部位で始まった開裂は当該第1開裂予定線34aの両側端部へ向けて瞬時に進行する。次いで、第1開裂予定線34aでの開裂が完了すると、これと同時にV字状に分岐した夫々の第2開裂予定線34cへ開裂がスムーズに進行し、各第2開裂予定線34cでの開裂も瞬時に進行するようになる。
【0018】
ここで表皮開裂予定線34では、第1開裂予定線34aと第2開裂予定線34cとの接合分岐角度が鈍角となっているので、第1開裂予定線34aから第2開裂予定線34cへの開裂がスムーズに進行する。従って、エアバッグ26の膨張時間がねらい通りになる。
【0019】
そして、基材開裂予定線32および表皮開裂予定線34での開裂が完了すると、エアバッグ26の押圧力を受けている各ドアパネル30A,30B,30C,30Dは、図3および図4に示すように、夫々のヒンジライン36で屈曲してインストルメントパネル10の外方へ一気に開放するようになる。ここで、前記基材開裂予定線32の左端から略V字状に分岐した第2開裂予定線32c,32cの開裂により形成された左側のドアパネル30Cと、該基材開裂予定線32の右端から略V字状に分岐した第2開裂予定線32c,32cの開裂により形成された右側のドアパネル30Dは、第1開裂予定線34aからV字状に分岐する夫々の第2開裂予定線32c,32cが、該第1開裂予定線34aの左端34dおよび右端34dから夫々分岐した近傍の部位を緩やかな曲線とされているから、開放側端縁に尖形状が形成されていない。従って、例えば各ドアパネル30C,30Dが略垂直状態で開放停止した場合には、該ドアパネル30C,30Dの開放側端縁がインストルメントパネル10の外方へ尖状に突出しない。一方、図示しないが、前記各ドアパネル30C,30Dが垂直状態まで開放せずに傾斜状態で開放停止した場合には、該ドアパネル30C,30Dの開放側端縁がエアバッグ通過口へ尖状に延出しないので、膨張展開するエアバッグ26への応力集中が最小限に抑えられて該エアバッグ26の膨張方向および膨張形状がねらい通りになる。
【0020】
このように本実施例に係るエアバッグドアの開裂構造では、パネル基材12の一部分をなすドア成形部材20に設けた基材開裂予定線32での開裂により開放するドアパネル30A,30B,30C,30D(殊にドアパネル30C,30D)が尖形状とならないため、エアバッグ26への応力集中が最小限に抑えられて該エアバッグ26の膨張方向および膨張形状がねらい通りになる。また表皮材14では、表皮開裂予定線34で該表皮材14がスムーズに開裂するので、表皮破片の飛散防止を図り得る。
【0022】
なお前記実施例では、3層タイプのインストルメントパネル10で、かつパネル基材12に取付けたドア成形部材20に設けたエアバッグドア30における開裂構造を例示したが、本願が対象とするエアバッグドアの開裂構造はこの形態に限定されるものではない。すなわち、パネル基材12の外面に表皮材14を被着した2層タイプインストルメントパネル10に設けたエアバッグドアも対象とされると共に、またパネル基材12自体に設けたエアバッグドアも対象とされる。
【0023】
【発明の効果】
以上説明した如く、本発明に係るエアバッグドアの開裂構造によれば、基材に設けたエアバッグドアの開放側端縁が尖形状にならないので、エアバッグへの応力集中が最小限に抑えられて該エアバッグの膨張方向および膨張形状がねらい通りになる有益な効果を奏する。
【0024】
同じく、別の本発明に係るエアバッグドアの開裂構造によれば、基材に取付けたドア成形部材に設けたエアバッグドアの開放側端縁が尖形状にならないので、エアバッグへの応力集中が最小限に抑えられて該エアバッグの膨張方向および膨張形状がねらい通りになる有益な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適実施例に係るエアバッグドアの開裂構造を、一部破断した状態で示すインストルメントパネルの部分平面図である。
【図2】パネル基材の一部分として構成されて該パネル基材に取付けられ、第1の開裂予定部およびエアバッグドアを設けたドア成形部材の概略斜視図である。
【図3】エアバッグの押圧力が加わった際に、パネル基材(ドア成形部材)が基材開裂予定線で開裂すると共に表皮材が表皮開裂予定線で開裂することで各ドアパネルが開放した状態を示す概略斜視図であって、略三角形状をなす左右の各ドアパネルの開放側端縁が尖形状となっていないことを示している。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】パネル基材、クッション材および表皮材からなる3層タイプで、該パネル基材の一部分を構成するドア成形部材にエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの部分断面図である。
【図6】パネル基材の一部分を構成するドア成形部材および表皮材にH字型の開裂予定線を夫々延在形成することで、2枚のドアパネルからなる両開き式のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの一部破断斜視図である。
【図7】パネル基材の一部分を構成するドア成形部材および表皮材に両Y字型の開裂予定線を延在形成することで、4枚のドアパネルからなる4方開き式のエアバッグドアを設けたインストルメントパネルの一部破断斜視図である。
【図8】図7に示したエアバッグドアにおいて、エアバッグの押圧力が加わった際に各ドアパネルが開放した状態を示す概略斜視図であって、略三角形状をなす左右の各ドアパネルの開放側端縁が尖形状となっていることを示している。
【符号の説明】
10 インストルメントパネル(車両内装部材)
12 パネル基材(基材)
14 表皮材
20 ドア成形部材
26 エアバッグ
30 エアバッグドア
32 基材開裂予定線
32a 第1開裂予定線
32c 第2開裂予定線
32d 左端、右端(両端)
34 表皮開裂予定線
34a 第1開裂予定線
34c 第2開裂予定線
34d 左端、右端(両端)
Claims (2)
- 車両内装部材(10)を構成する基材(12)および該基材(12)の外面に被着される表皮材(14)の夫々に、エアバッグ装置におけるエアバッグドア(30)の開放を許容する開裂予定線(32,34)が形成され、この開裂予定線(32,34)は該エアバッグドア(30)の中央を直線状に延在する第1開裂予定線(32a,34a)と、該第1開裂予定線(32a,34a)の両端(32d,34d)からV字状に斜めに分岐して延在する2本の第2開裂予定線(32c,34c)とからなり、エアバッグ(26)が膨張して前記第1開裂予定線(32a,34a)および第2開裂予定線(32c,34c)を対応的に破断することで前記エアバッグドア(30)を開放させるようにしたエアバッグドアの開裂構造において、
前記表皮材 (14) に設けた前記開裂予定線 (34) における2本の第2開裂予定線 (34c,34c) が、第1開裂予定線 (34a) の両端 (34d) から夫々直線状に分岐し、
前記基材(12)に設けた前記開裂予定線(32)における2本の第2開裂予定線(32c,32c)が、第1開裂予定線(32a)の両端(32d)から夫々分岐した近傍の部位だけを緩やかな曲線とした
ことを特徴とするエアバッグドアの開裂構造。 - 車両内装部材(10)を構成する基材(12)に取付けたドア成形部材(20)と、これら基材(12)およびドア成形部材(20)の外面に被着される表皮材(14)との夫々に、エアバッグ装置におけるエアバッグドア(30)の開放を許容する開裂予定線(32,34)が形成され、この開裂予定線(32,34)は該エアバッグドア(30)の中央を直線状に延在する第1開裂予定線(32a,34a)と、該第1開裂予定線(32a,34a)の両端(32d,34d)からV字状に斜めに分岐して延在する2本の第2開裂予定線(32c,34c)とからなり、エアバッグ(26)が膨張して前記第1開裂予定線(32a,34a)および第2開裂予定線(32c,34c)を対応的に破断することで前記エアバッグドア(30)を開放させるようにしたエアバッグドアの開裂構造において、
前記表皮材 (14) に設けた前記開裂予定線 (34) における2本の第2開裂予定線 (34c,34c) が、第1開裂予定線 (34a) の両端 (34d) から夫々直線状に分岐し、
前記ドア成形部材(20)に設けた前記開裂予定線(32)における2本の第2開裂予定線(32c,32c)が、第1開裂予定線(32a)の両端(32d)から夫々分岐した近傍の部位だけを緩やかな曲線とした
ことを特徴とするエアバッグドアの開裂構造。
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