JP2002089008A - 外壁施工構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な追加的施工でもって、外壁板の上下の
接合部を覆うように化粧幕板を取り付け、高い外観意匠
性を持つ外壁構造を構築する。 【解決手段】 横胴縁１０に固定した横長の水切り材２
０を挟んで上下に外壁板１，１が接合された構造におい
て、水切り材２０に複数個の留め付け金具４０を取り付
け、該留め付け金具４０を介して横長の化粧幕板６０を
外壁板１，１の上下接合部を覆う状態で装着する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は外壁施工構造、特
に、縦継ぎ用外壁板の上下の接合部における外壁施工構
造に関する。

【０００２】

【従来の技術】縦継ぎ用外壁板を左右方向及び上下方向
に接合して建物の外壁を構築することが行われる。各外
壁板の左右方向の接合は、例えば、外壁板の両側縁によ
る合決り接合により行われ、上下方向の接合は横長の水
切り材を挟んで行われる。図５はその一例であり、建物
側の横胴縁１０に釘５などにより固定した横長の水切り
材２０を介して上下の外壁板１、１が接合されている。
この例において、水切り材２０は、図６にその斜視図を
示すように、横長の基板２１と、該基板２１に立設され
上下に嵌合挟持部２２、２３を有する板受け部２４、２
５とからなり、該上下の嵌合挟持部２２、２３に上下の
外壁板１、１の上下端部３、３が夫々嵌合挟持される。
水切り材２０の上側の板受け部２４には長穴状の水抜き
孔２６が設けてあり、外壁板１を伝って流下する雨水は
該水抜き孔２６から板受け部２４の外側に排出される。
なお、この水切り材２０では、基板２１の裏面には複数
個のスペーサー突起２７が所定間隔を置いて設けられて
おり、水切り材２０を横胴縁１０に固定したときに、裏
面には通気のための隙間が形成されるようにされている
（例えば、特開２０００−１６０８０４公報参照）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】図５に例示するよう
な、建物側に固定された横長の水切り材を挟んで上下に
外壁板を接合した外壁施工構造では、水切り材の一部
（この例では、板受け部２４、２５）が表面側に露出す
る。そのままでも、外壁施工構造としては格別の不都合
はないが、外壁の意匠性を高めるために、水切り材の表
面に露出している部分を適宜の化粧幕板で覆うことが望
まれる場合がある。

【０００４】本発明の目的はそのような要請に応えるこ
とにあり、より具体的には、外壁施工時に、あるいは、
既に施工された外壁において、簡単な追加的施工でもっ
て、水切り材の表面に露出している部分を適宜の化粧幕
板で覆うことを可能とした外壁施工構造を提供すること
を目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明による外壁施工構造は、建物側に固定された
横長の水切り材を挟んで上下に外壁板が接合されてお
り、該外壁板の上下接合部には、前記水切り材に取り付
けた留め付け金具を介して横長の化粧幕板が前記上下接
合部を覆う状態で装着されていることを特徴とする。

【０００６】本発明において、水切り材の形状は、上下
に位置する外壁板の間に配置され水切りの機能を果たす
ことのできるものであれば任意であり、前記図５、図６
に示したような、上下の外壁板の上下端部を嵌合挟持す
るための嵌合挟持部を有する形状に限らず、下方の外壁
板の上端部を覆うひさしのような形状をなす斜板部と垂
直な水切り板とからなる形状のものなどであってもよ
い。

【０００７】施工に際して、建物側の例えば横胴縁に対
して横長の水切り材を釘などの固定具で打ち付け固定し
ながら、上下方向及び左右方向に外壁板を接合してい
く。その過程で、あるいはその後に、該水切り材に対し
て所定の間隔で所要数の留め付け金具を適宜の手段によ
り取り付ける。その後、該取り付けた留め付け金具を利
用して、横長の化粧幕板を上下の化粧板の上下接合部
（すなわち、水切り材の表面に露出している部分）を覆
うようにして装着する。好ましくは、留め付け金具は上
下端に水平方向に走る係止縁部を有し、かつ、化粧幕板
は前記留め付け金具の係止縁部に係合する折曲部を有す
るようにし、化粧幕板を前方から押し付けることによ
り、係止縁部に折曲部が係着して両者は容易に一体化
し、係合後は、分離できないような装着構造とされる。

【０００８】本発明による外壁施工構造では、必要な場
合に、かつ、簡単な追加的施工でもって、化粧板の上下
接合部である水切り材の表面に露出している部分が適宜
の化粧幕板で覆われることとなり、外壁面の高い外観意
匠性が容易に確保される。

【０００９】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら、本発
明の好ましい実施の形態を説明する。図１は本発明によ
る外壁施工構造の一実施の形態を示す縦断面図、図２は
留め付け金具の一実施の形態を示す斜視図、図３は図１
に示す外壁施工構造の要部を分解して示す斜視図であ
る。

【００１０】本発明による外壁施工構造において、縦継
ぎ用外壁板を上下方向に接合する水切り材は、後記する
留め付け金具が該水切り材に取り付け可能であることを
条件に、従来知られている任意の水切り材であってよ
い。従って、以下の説明では、図５及び図６に基づき説
明した水切り材２０を用いることとし、図１及び図３に
おいて同じ部材には同じ符号を付し、水切り材２０それ
自体及び該水切り材２０と外壁板１，１の接合態様につ
いての説明は省略する。本発明による外壁施工構造にお
いて、留め付け金具４０及び横長の化粧幕板６０が新た
な構成として追加される。

【００１１】図２に示す留め付け金具４０は鋼板の打ち
抜き及び折り曲げ加工により作られている。図１も参照
すればわかるように、留め付け金具４０は、水切り材２
０の板受け部２４、２５における表面に露出している部
分に当接する基板部４１を持つ。該基板部４１の上端側
中央部は裏側に折り返されてフック４２を形成するとと
もに、その両側は前方に突き出た上方係止片４３，４３
とされている。図示のように、上方係止片４３，４３は
上向きの斜面４３ａを有し、該斜面４３ａに外力が作用
すると下向きに変位し、負荷が解消すると元位置に復帰
する。基板部４１の下端側は前方に傾斜した斜板部４４
となり、該斜板部４４の下端部は下方係止片４５とされ
ている。

【００１２】基板部４１の下方中央部から斜板部４４に
かけて、両側と下辺が切り込まれた切り込み舌片４６が
形成されている。該切り込み舌片４６は、裏側への傾斜
部４７とそれに続く垂直片４８とからなり、垂直片４８
には釘打ち込み用の孔４９が形成されている。基板部４
１の中央近辺にも孔５０が形成されている。基板部４１
の左右の側縁は前方への立ち上がり片５１，５１とさ
れ、この例において、立ち上がり片５１，５１の上方位
置にはさらに前方へ突き出た突片５２，５２が形成され
ている。

【００１３】なお、留め付け金具４０において、前記フ
ック４２及び切り込み舌片４６の傾斜部４７の位置と形
状は、該留め付け金具４０を取り付ける水切り材２０に
おける板受け部２４、２５の形状と寸法との関係により
決定され、前記上方係止片４３，４３、下方係止片４
５、立ち上がり片５１，５１及び突片５２，５２の位置
と形状は、該留め付け金具４０に装着する横長の化粧幕
板６０の裏面側の形状と寸法の関係で決定される。

【００１４】本発明による外壁施工構造の構築に当たっ
ては、先ず、図５に示したようにして、建物側に固定し
た横長の水切り材２０を挟んで上下に外壁板１，１が接
合される。その状態で、前記留め付け金具４０を水切り
材２０に所定の間隔を置いて複数取り付ける。図１に示
すように、取り付けに際しては、最初に、フック４２を
水切り材２０の上方の板受け部２４の上縁に係合させ、
その状態で留め付け金具４０を板受け部２４、２５に向
けて押し付ける。

【００１５】それにより、切り込み舌片４６の傾斜部４
７が下方の板受け部２５の下縁に当接するとともに、切
り込み舌片４６の垂直片４８は下位に位置する外壁板１
の表面に衝接する。その状態で孔４９から釘５を打ち込
むことにより、留め付け金具４０の水切り材２０への取
り付けは終了する。以下、同じ作業を必要とされる個数
の留め付け金具４０に対して横方向に繰り返して行う。

【００１６】その後で、図３に示すような横長の化粧幕
板６０を水切り材２０に取り付けた留め付け金具４０を
介して装着する。それにより、外壁板１，１の上下接合
部は該化粧幕板６０により覆われることとなり、高い外
観意匠性が確保される。この例において、化粧幕板６０
は下縁に沿うＵ字溝６１と、上方膨出部６２と、上縁に
沿う下向き凸条６３を備えた形状であり、最初に、前記
Ｕ字溝６１を留め付け金具４０の下方係止片４５に下方
から押し上げるようにして引っ掛けた姿勢とし、その姿
勢から化粧幕板６０全体を留め付け金具４０に向けて押
し付ける。それにより、化粧幕板６０の前記下向き凸条
６３は、留め付け金具４０の上方係止片４３，４３にお
ける上向きの斜面４３ａに衝接し、該斜面４３ａを下方
に変位させながらさらに移動して、最後には斜面４３ａ
の先端を乗り越えて、図１に示される姿勢となり、安定
した装着状態となる。また、その状態では、留め付け金
具４０の立ち上がり片５１，５１に一体形成された突片
５２，５２が、化粧幕板６０の膨出部６２に裏面から衝
接して、前方に押し出す力を化粧幕板６０に与えるよう
になっており、化粧幕板６０の装着状態は一層安定す
る。

【００１７】図４は、本発明による外壁施工構造の他の
実施の形態を示している。この例では、水切り材の形状
が上記のものと異なっている。水切り材２０Ａは、横長
の基板２１Ａと、その下端から斜め下方前方に延出する
斜板部２２Ａと、その下端から下方に延びる水切り部２
３Ａとから構成されている。外壁板１，１は、前記水切
り材２０Ａを挟んで、図示しない留め付け手段により建
物側に留め付けられている。

【００１８】留め付け金具４０は、図１〜図３に示した
ものと同じものであり、その切り込み舌片４６の傾斜部
４７を、横胴縁１０に固定されている水切り材２０Ａの
水切り部２３Ａの下縁に衝接させることによって位置決
めを行い、基板部４１の中央に形成した孔５０を利用し
て釘５を水切り材２０Ａを通過して外壁板１まで打ち付
ける。それにより、留め付け金具４０は水切り材２０Ａ
へ固定的に取り付けられる。さらに、切り込み舌片４６
に形成した孔４９を利用して釘５を外壁板１に打ち付け
るようにしてもよい。そのようにして取り付けた留め付
け金具４０に対する化粧幕板６０の装着は、前記図１〜
図３に示したものと同じようにして行うことができる。

【００１９】上記の説明は、本発明による外壁施工構造
の好ましい実施の形態についての説明であって、本発明
はこれに限られない。要は、建物側に固定した水切り材
に対して適宜の留め付け金具を取り付け、その留め付け
金具を利用して、化粧幕板を外壁板の上下接合部を覆う
状態で装着できる構造であれば、本発明の所期の目的は
達成されるのであり、水切り材、留め付け金具、及び化
粧幕板の具体的な形状が図示のものに限らないことは、
既に述べたとおりである。

【００２０】

【発明の効果】本発明によれば、外壁施工時に、あるい
は、既に施工された外壁において、留め付け金具を水切
り材に取り付けるという簡単な追加的施工でもって、水
切り材の表面に露出している部分を適宜の化粧幕板で覆
うことが可能となり、高い外観意匠性を持つ外壁構造を
得ることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による外壁施工構造の一実施の形態を示
す縦断面図。

【図２】留め付け金具の一実施の形態を示す斜視図。

【図３】図１に示す外壁施工構造の要部を分解して示す
斜視図。

【図４】本発明による外壁施工構造の他の実施の形態を
示す縦断面図。

【図５】従来の水切り材を用いた外壁施工構造を示す縦
断面図。

【図６】水切り材の一例を示す斜視図。

【符号の説明】

１…外壁板、５…釘、１０…横胴縁、２０…水切り材、
４０…留め付け金具、６０…化粧幕板

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 建物側に固定された横長の水切り材を挟
   んで上下に外壁板が接合されており、該外壁板の上下接
   合部には、前記水切り材に取り付けた留め付け金具を介
   して横長の化粧幕板が前記上下接合部を覆う状態で装着
   されていることを特徴とする外壁施工構造。