JP2002083824A - 化合物半導体薄膜ならびにその製造方法および製造装置 - Google Patents

化合物半導体薄膜ならびにその製造方法および製造装置

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浩伸 井上
Masatoshi Kitagawa
雅俊 北川
Takayuki Negami
卓之 根上
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  • Physical Vapour Deposition (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 IB族元素、IIIB族元素、およびVIB族元
素を含む化合物半導体薄膜の新規な製造方法を提供す
る。 【解決手段】 IB族元素、IIIB族元素およびVIB族
元素を含む化合物半導体薄膜の製造方法が:(a)少な
くともスパッタリング法を用いて原料元素を基板上に供
給して、IB族元素およびIIIB族元素を含む前駆体薄
膜、またはIB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素
を含む前駆体薄膜を基板上に形成する工程と;(b)ス
パッタリング法以外の方法を用いてVIB族元素を該前駆
体薄膜上に供給しながら、前駆体薄膜が形成された基板
を工程(a)における温度よりも高い温度で熱処理し
て、該前駆体薄膜から、IB族元素、IIIB族元素およ
びVIB族元素を含む化合物半導体薄膜を基板上に形成す
る工程とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体薄膜
の製造方法および装置ならびにこれから得られる化合物
半導体薄膜に関する。より詳細には、本発明は、薄膜太
陽電池の分野において利用されるIB族元素、IIIB族
元素およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜の製造方
法および装置ならびにこれから得られる化合物半導体薄
膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、薄膜太陽電池を構成する光吸収層
として、IB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素か
らなるカルコパイライト構造を有する化合物半導体薄膜
が使用されている。このような化合物半導体薄膜として
は、例えば、CuInSe2膜(いわゆる「CIS」
膜)、CuInGaSe2膜(詳細にはCu(In、G
a)Se2膜、いわゆる「CIGS」膜)などが挙げら
れる。
【0003】このような化合物半導体薄膜の従来の製造
方法は、一般的に、蒸着法を用いる方法とスパッタリン
グ法を用いる方法とに大別される。以下、これらの方法
の例として、CuInSe2膜を形成する場合の代表的
な方法についていくつか説明する。
【0004】蒸着法を用いる従来の方法としては、目的
の化合物半導体薄膜の構成元素を蒸着法により高温の基
板上に多段階で供給する方法が挙げられる。この方法に
おいては、Cu蒸発原料、In蒸発原料、Se蒸発原料
がそれぞれ設置された蒸着源を備え、所定の圧力に保持
された真空チャンバ内で、例えば上面にMo膜を備える
ガラス基板を室温よりも高い約325℃の温度に加熱し
た状態で、まず第1段階として、In蒸発原料およびS
e蒸発原料を加熱して蒸発させ、基板上にInおよびS
eを供給して、比較的低温の基板上にIn−Se層を形
成する。次に第2段階として、基板を更に加熱して約5
00〜600℃の高温とし、この状態で、Cu蒸発原料
およびSe蒸発原料を加熱して蒸発させ、CuおよびS
eをそれぞれ蒸着法により供給する。このとき、基板が
高温状態にあるので、In−Se層表面に供給されたC
uおよびSeは、In−Se層の上に積層されずにIn
−Se層中に取り込まれて化合物を形成し、これによ
り、Cu−In−Se化合物層が成長する。最後に第3
段階として、基板を高温に保った状態で、In蒸発原料
およびSe蒸発原料を加熱して蒸発させ、InおよびS
eをそれぞれ蒸着法により供給する。この段階において
も、Cu−In−Se層表面に供給されたCuおよびS
eは、この層の中に取り込まれて化合物を形成して、C
u−In−Se化合物層が成長し、最終的にCuInS
2膜を形成する。
【0005】他方、スパッタリング法を用いる従来の方
法としては、目的の化合物半導体薄膜の構成元素をスパ
ッタリング法により基板上に一段階で供給する方法が挙
げられる。この方法においては、例えばCuターゲッ
ト、Inターゲット、およびSeターゲットがそれぞれ
設置されたスパッタ源を備え、所定の圧力に保持された
真空チャンバ内で、各ターゲットをスパッタリングし
て、上述のような基板上にCu、In、およびSeを同
時に供給し、これによりCuInSe2膜が成長して形
成される。ターゲットとしては、Cu、In、およびS
eからなる群から選択される任意の組み合わせの材料か
らなるターゲットを用いることもできる。
【0006】また、スパッタリング法を用いるもう1つ
の従来の方法として、目的の化合物半導体薄膜のSe以
外の構成元素をスパッタリング法により基板上に多段階
で供給して積層膜を形成し、その後、セレン化水素(H
2Se)雰囲気で基板を熱処理する方法がある。この方
法においては、まず、所定の圧力に保持された真空チャ
ンバ内で、上述のような基板上に例えばCuターゲット
をスパッタリングしてCuを供給し、次いでInターゲ
ットをスパッタリングしてInを供給し、これによりC
u膜およびIn膜を順次形成して積層膜とする。次い
で、得られた基板をセレン化水素雰囲気で約500℃に
加熱して熱処理(またはSe化処理とも言う)する。こ
のときCu膜およびIn膜からなる積層膜はSeを取り
込んで、化合物形成しながら成長して、最終的にCuI
nSe2膜を形成する。
【0007】上述のような方法に加えて、目的の化合物
半導体薄膜のSe以外の構成元素をスパッタリング法に
より、同時にSeを蒸着法により一段階で基板上に供給
する方法がある。この方法においては、所定の圧力に保
持された真空チャンバ内で、例えばCuターゲットおよ
びInターゲットをスパッタリングして、上述のような
基板上にそれぞれCuおよびInを一段階で供給し、こ
れと同時にSe蒸発原料を加熱して蒸発させ、Seを蒸
着法により供給する。これによりCu、In、およびS
eが同時に供給され、CuInSe2膜が成長する。
【0008】以上、CuInSe2膜の形成方法につい
て詳述したが、CuInGaSe2膜およびこれに類す
る薄膜についてもほぼ同様にして形成することができ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】近年、薄膜太陽電池の
更なる大容量化(大面積化)、高効率化、および低コス
ト化が望まれている。これに伴って、薄膜太陽電池の光
吸収層として用いられるIB族元素、IIIB族元素、お
よびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜についても、大
面積に亘って膜厚が均一で良質で安価な薄膜形成技術の
確立が望まれている。
【0010】しかしながら、上述のような従来の化合物
半導体薄膜の製造方法は、いずれもこのような要望を十
分に満たすものではない。
【0011】蒸着法を単独で用いる従来の製造方法で
は、一般的に蒸着源として、例えば金属ワイヤーなどの
ヒーターを巻いたるつぼなどを用い、このるつぼに蒸発
原料を入れて、真空下で抵抗加熱を用いて蒸発原料を加
熱して蒸発させているが、このような方法では、るつぼ
内の蒸発原料の量に依存して蒸発原料の蒸発速度(また
は蒸着速度もしくは供給速度)が変化するという問題が
ある。このため、一定の蒸発速度を得るために、蒸発原
料の蒸発・消費に従ってヒーターに流す電流を適切に変
化させて制御することが好ましいが、このような制御は
実際には困難である。また、このような蒸着源を用いる
蒸着法では、大面積基板上に薄膜を均一な厚さで形成す
ることは難しい。これに加えて、蒸着法では、基板を高
温状態(例えば約500〜600℃)で長時間(例えば
約10〜90分)に亘って加熱する必要があるため消費
電力量が大きく、製造コストが高い。
【0012】他方、スパッタリング法を単独で用いる従
来の製造方法では、一般的に、原料元素のターゲットを
スパッタ源に設置し、真空下でターゲットをArイオン
などでスパッタリングしてスパッタ蒸発させているが、
このような方法によれば、蒸発速度の変動が小さいため
に、上記のような蒸着法を用いる方法に比べて、大面積
基板上に薄膜を均一な厚さで形成することが容易であ
り、膜厚の制御性が高い。しかしながら、VIB族元素を
スパッタリング法により供給する場合、VIB族元素(ま
たはこれを含む)ターゲットからスパッタ蒸発により放
出されるVIB族元素の一部が負イオン化され、この負イ
オン化したVIB族元素が膜表面に衝撃を与えて、膜に欠
陥を生じさせるという問題がある。
【0013】また、スパッタリングによって積層膜を形
成し、次いでセレン化水素雰囲気で熱処理(またはSe
化処理)する上述の従来の製造方法によれば、上記のよ
うな欠陥はスパッタリング後の熱処理により緩和される
ため、膜質を向上させることができる。しかしながら、
この方法において使用するセレン化水素は有毒ガスであ
り、危険性が高い作業環境で製造を実施することにな
る。更に、Se化処理に使用されたセレン化水素および
副生成物である水素などを大気中に廃棄するために除害
装置などの特別な付帯設備を設置する必要があり、その
ような設備の設置および維持のための追加の費用を要す
る。
【0014】これに対して、Se以外の構成元素をスパ
ッタリング法により、同時にSeを蒸着法により一段階
で基板上に供給する上述の従来の製造方法によれば、VI
B族元素をスパッタリング法でなく蒸着法により供給す
ることができるので、欠陥形成の問題を回避でき、その
上、有毒なセレン化水素を使用しないので、より安全な
作業環境で製造を実施できる。しかしながら、この方法
では、VIB族元素以外のIB族元素およびIIIB族元素
をスパッタリング法により供給すると同時に、VIB族元
素を蒸着法により供給するため、例えばIB族元素とし
てCu、IIIB族元素としてInおよび/またはGa、V
IB族元素としてSおよび/またはSeを用いる場合な
どに、低融点のIIIB族およびVIB族元素が再蒸発して
不足して、相対的に高融点のIB族元素が過剰となり、
これにより、他の方法に比べて組成ずれ(即ち、目的の
化合物の組成からずれた組成を有する化合物が形成され
ること)が大きく生じやすいという新たな問題が起こ
る。
【0015】このような組成ずれが起こる現象は、例え
ば上述のようにIB族元素としてCu、IIIB族元素と
してIn、VIB族元素としてSeを用いてこれら全ての
元素をスパッタリング法により供給する場合には、In
とSeとが基板の供給表面において高融点のIn2Se3
化合物相を初期に形成するので、低融点元素(この場合
InおよびSe)の再蒸発が防止されるために見られな
かった。しかし、Seを蒸着法により供給し、これと同
時にCuおよびInをスパッタリング法により供給する
場合には、蒸着法により供給されるSe粒子のエネルギ
ーが、スパッタリング法により供給されるIn粒子のエ
ネルギーに比べてはるかに小さく、In 2Se3化合物相
を形成するのが困難になるので、全ての元素をスパッタ
リング法により供給する場合より多くのInおよびSe
の再蒸発が生じ、他方、InおよびSeと同時に供給さ
れる高融点のCuは再蒸発がほとんど起こらないので、
InおよびSeに対して相対的に過剰となる。その結
果、スパッタリング法と蒸着法とを同時に用いて一段階
のみで基板上に供給する方法では、場合によっては大き
な組成ずれが生じ易くなると考えられる。
【0016】この組成ずれの問題は、IIIB族元素とし
てGa、VIB族元素としてSを用いる場合にも同様に起
こる。GaおよびSも融点が低く、再蒸発しやすいから
である。
【0017】本発明は、上記のような従来の課題を解決
すべくなされたものであり、本発明の目的は、IB族元
素、IIIB族元素およびVIB族元素を含む化合物半導体
薄膜の製造方法であって、大面積に亘る不均一な膜厚、
大きい組成ずれの発生、結晶欠陥の発生、作業環境の危
険性の高さ、高い製造コストなどの従来の問題点を少な
くとも部分的に改善する新規な製造方法およびそのよう
な方法を実施し得る装置、ならびにこれによって得られ
る化合物半導体薄膜を提供することにある。
【0018】尚、本明細書を通じて、「スパッタリング
法」とは、イオン化されたガス原子(例えばArイオ
ン)を加速し、これを用いてスパッタ源に備えられる原
料元素のターゲットからスパッタリング現象により原料
粒子を放出(またはスパッタ蒸発)させる方法を言うも
のである。また、「蒸着法」とは、いわゆる真空下で、
蒸着源に備えられる蒸発原料を加熱して、原料粒子を蒸
発させる方法を言うものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明の方法は、IB族
元素、IIIB族元素およびVIB族元素を含む化合物半導
体薄膜の製造方法であって:(a)少なくともスパッタ
リング法を用いて所定の原料元素を基板上に供給して、
IB族元素およびIIIB族元素を含む前駆体薄膜、また
はIB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素を含む前
駆体薄膜を基板上に形成する工程と;(b)スパッタリ
ング法以外の方法を用いてVIB族元素を該前駆体薄膜上
に供給しながら、前駆体薄膜が形成された基板を工程
(a)における温度よりも高い温度で熱処理して、該前
駆体薄膜から、IB族元素、IIIB族元素およびVIB族
元素を含む化合物半導体薄膜を基板上に形成する工程と
を含む。
【0020】上述のような本発明の方法によれば、工程
(a)において、スパッタリング法を用いて前駆体薄膜
を形成しているので、これから得られる化合物半導体薄
膜の膜厚を大面積に亘って均一とすることができ、大面
積基板上に化合物半導体薄膜を形成するのに適してい
る。
【0021】更に、本発明の方法によれば、VIB族元素
をスパッタリング法を用いて供給する必要がないので、
化合物半導体薄膜にVIB族元素のイオン化に由来する結
晶欠陥の導入が低減される。しかしながら、本発明の方
法は、場合によっては工程(a)でVIB族元素をスパッ
タリング法を用いて供給することを含み、この場合には
前駆体薄膜に結晶欠陥が導入され得るが、続く工程
(b)において、VIB族元素をスパッタリング以外の方
法を用いて前駆体薄膜上に供給すると共に基板を高温で
熱処理しているので、導入された結晶欠陥を緩和し、低
減することができる。よって、本発明の方法により結晶
欠陥の発生が低減される。
【0022】また、本発明の方法によれば、基板を高温
に維持する時間が、蒸着法を単独で用いる従来の方法に
比べて短縮される。これにより、消費電力が比較的小さ
い、安価な化合物半導体薄膜の製造方法が提供される。
この方法は、セレン化水素のような有毒ガスを使用しな
い安全な製造方法であり、付帯設備を設ける必要がな
い。
【0023】本発明において、IB族元素、IIIB族元
素およびVIB族元素は、周期表に基づいて任意に選択す
ることができるが、例えば、IB族元素はAgおよびC
uのいずれかまたは双方であり、IIIB族元素はInお
よびGaのいずれかまたは双方であり、VIB族元素はS
eおよびSのいずれかまたは双方とすることができる。
より好ましくは、IB族元素はCuであり、IIIB族元
素はIn、またはInおよびGaであり、VIB族元素は
Seであり、これら元素を含むCuInSe2膜または
Cu(In、Ga)Se2膜が化合物半導体薄膜として
本発明の方法に従って製造される。しかしながら、本発
明はこれに限定されず、他の化合物半導体薄膜(例えば
CuInS2、CuGaSe2、CuGaS2、Cu(I
n、Ga)S2、Cu(In、Ga)(S、Se)2、C
uIn3Se5、CuIn35、CuGa3Se5、CuG
35、Cu(In、Ga)3Se5、Cu(In、G
a) 35、およびCu(In、Ga)3(S、Se)5
どからなる膜)や、あるいは、IB族元素、IIIB族元
素およびVIB族元素に加えて少量の他の元素を固溶化さ
せた化合物半導体薄膜を形成することもできる。
【0024】本発明において、「前駆体薄膜」は、目的
の化合物半導体薄膜が形成される前の半導体層を言い、
前駆体薄膜の形成様式およびこのときの基板温度などに
よって多層または単層であり得る。この前駆体薄膜は、
IB族元素およびIIIB族元素を含み、VIB族元素を含
んでいても、いなくてもよい。
【0025】また、「スパッタリング法以外の方法」
は、スパッタリング法以外で、目的の原料元素を所定の
場所に供給する方法を言う。このような方法には、例え
ば蒸着法、レーザアブレーション、近接昇華法など、な
らびにこれらを任意の組み合わせで併用する方法が挙げ
られ、好ましくは蒸着法である。
【0026】本発明に利用可能な基板には、例えばガラ
ス基板、金属基板、金属フィルム、樹脂基板、樹脂フィ
ルムなどを用いることができる。また、このような基板
を基板本体としてその上に、例えばMo、MoSe2
Pt、Au、Cr、Ni、AgPdCu、WSiなどか
らなる導電膜を備えていてもよく、特にガラス基板、透
明な金属フィルムまたは樹脂フィルムを用いる場合に
は、このような材料からなる導電膜の代わりにITO、
ZnO:Al、SnO2などの透明導電膜およびZnO
などの窓層を備えていてもよい。
【0027】以下、本発明の方法について詳述する。
【0028】上記工程(a)において、このような基板
上に、少なくともスパッタリング法を用いて所定の原料
元素を基板上に供給して、IB族元素およびIIIB族元
素を含む前駆体薄膜、またはIB族元素、IIIB族元素
およびVIB族元素を含む前駆体薄膜が基板上に形成され
る。
【0029】好ましい態様においては、工程(a)にお
ける基板の温度は、20〜450℃の範囲、より好まし
くは300〜400℃の範囲にある。
【0030】ここで、IB族元素およびIIIB族元素を
スパッタリング法を用いて供給する方法には、IB族元
素からなるターゲット(例えばCuターゲット)、III
B族元素からなるターゲット(例えばInターゲッ
ト)、IB族元素とIIIB族元素とからなるターゲット
(例えばCu−Gaターゲット)、IB族元素および/
またはIIIB族元素とこれら元素以外の元素(例えばVI
B族元素など)とからなるターゲット(例えばCu−S
eターゲット、In−Seターゲット、Cu−In−S
eターゲット、Cu−Ga−Seターゲット)をスパッ
タリングすることが挙げられる。
【0031】このとき、前駆体薄膜を形成するために、
IB族元素およびIIIB族元素(および、場合よっては
他の元素)をスパッタリング法を用いて供給するだけで
なく、スパッタリング法以外の方法を組み合わせて用い
てもよい。例えば、IB族元素および/またはIIIB族
元素をスパッタリング法により供給すると同時に、VIB
族元素を蒸着法などのスパッタリング法以外の方法によ
り供給してもよい。また、例えば、IB族元素および/
またはIIIB族元素をスパッタリング法により供給する
と同時に、同種の元素を蒸着法などのスパッタリング法
以外の方法により供給してもよい。
【0032】好ましい態様においては、上記工程(a)
は、IIIB族元素を供給する、あるいはIIIB族元素およ
びVIB族元素を供給する第1工程と、IB族元素を供給
する、IB族元素およびVIB族元素を供給する、IB族
元素およびIIIB族元素を供給する、あるいはIB族元
素、IIIB族元素およびVIB族元素を供給する第2工程
とを含む。
【0033】この態様において、第1工程および第2工
程を実施する順序は、第1工程を実施した後に第2工程
を実施しても、その逆としてもよい。
【0034】この態様によれば、基板の温度にもよる
が、第1工程により形成された層および第2工程により
形成された層からなる2層以上の構造(但し、第1工程
および第2工程をそれぞれ1段階で実施する場合には2
層構造)の前駆体薄膜を基板上に形成することができ
る。
【0035】更に、この態様によれば、IB族元素およ
びIIIB族元素をスパッタリング法により供給すると同
時に、VIB族元素を蒸着法を用いて供給して一段階で形
成されないので、特にIB族元素としてCu、IIIB族
元素としてInおよび/またはGa、VIB族元素として
Seおよび/またはSを用いる場合であっても、大きな
組成ずれが生じることなく、所望の組成の化合物半導体
薄膜を形成することができる。
【0036】上記第1工程は、例えば、以下のようにし
て実施することができる。 (1-1)IIIB族元素ターゲット(例えばInターゲッ
ト)を用いてIIIB族元素をスパッタリング法により供
給する、(1-2)IIIB族元素およびVIB族元素を含む少
なくとも1種のターゲット(例えばIn−Seターゲッ
ト、および必要に応じてInターゲット)を用いてIII
B族元素およびVIB族元素をスパッタリング法により供
給する、あるいは、(1-3)IIIB族元素ターゲット(例
えばInターゲット)を用いてIIIB族元素をスパッタ
リング法により供給し、同時に、VIB族元素蒸発原料
(例えばSe蒸発原料)を用いてVIB族元素を蒸着法に
より供給する。
【0037】また、上記第2工程は、例えば、以下のよ
うにして実施することができる。 (2-1)IB族元素ターゲット(例えばCuターゲッ
ト)を用いてIB族元素をスパッタリング法により供給
する、(2-2)IB族元素およびVIB族元素を含む少な
くとも1種のターゲット(例えばCu−Seターゲッ
ト、および必要に応じてCuターゲット)を用いてIB
族元素およびVIB族元素をスパッタリング法により供給
する、(2-3)IB族元素ターゲット(例えばCuター
ゲット)を用いてIB族元素をスパッタリング法により
供給し、同時に、VIB族元素蒸発原料(例えばSe蒸発
原料)を用いてVIB族元素を蒸着法により供給する、
(2-4)IB族元素およびIIIB族元素を含む少なくとも
1種のターゲット(例えばCu−Gaターゲット、およ
び必要に応じてCuターゲット)を用いてIB族元素お
よびIIIB族元素をスパッタリング法により供給する、
(2-5)IB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素を含
む少なくとも1種のターゲット(例えばCu−In−S
eターゲットまたはCu−Ga−Seターゲット)を用
いてIB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素をスパ
ッタリング法により供給する、あるいは、(2-6)IB
族元素およびIIIB族元素を含む少なくとも1種のター
ゲット(例えばCu−Gaターゲット、および必要に応
じてCuターゲット)を用いてIB族元素およびIIIB
族元素をスパッタリング法により供給し、同時に、VIB
族元素蒸発原料(例えばSe蒸発原料)を用いてVIB族
元素を蒸着法により供給する。
【0038】第1工程および第2工程は、上記の第1工
程の例(1-1)〜(1-3)および第2工程の例(2-1)〜
(2-6)からそれぞれ互いに独立して1つまたはそれ以
上を選択することができ、形成する化合物半導体薄膜の
構成元素に応じて任意の適切な組み合わせで実施するこ
とができる。第1工程として上記の例(1-1)または(1
-2)とし、第2工程として上記の例(2-2)および/ま
たは(2-4)とする組み合わせ、あるいは第1工程とし
て上記の例(1-3)とし、第2工程として上記の例(2-
3)および/または(2-4)とする組み合わせが好まし
い。
【0039】好ましい態様においては、上記第2工程
は、IB族元素を供給する、あるいはIB族元素および
VIB族元素を供給する第2A工程と、IB族元素および
IIIB族元素を供給する、あるいはIB族元素、IIIB族
元素およびVIB族元素を供給する第2B工程とを含む。
【0040】この態様において、第1工程、第2A工
程、および第2B工程は、任意の適切な組み合わせの順
序で実施することができる。具体的には、(第1工程、
第2A工程、第2B工程)、(第1工程、第2B工程、
第2A工程)、(第2A工程、第2B工程、第1工
程)、(第2B工程、第2A工程、第1工程)、(第2
A工程、第1工程、第2B工程)、(第2B工程、第1
工程、第2A工程)のいずれの順序で実施してもよい。
【0041】この態様は、上述の態様における第2工程
を2段階に分けて実施するものである。この態様によれ
ば、基板の温度にもよるが、第1工程により形成された
層、第2A工程により形成された層、および第2B工程
により形成された層からなる3層以上の構造(但し、第
1工程、第2A工程および第2B工程をそれぞれ1段階
で実施する場合には3層構造)の前駆体薄膜を基板上に
形成することができる。
【0042】上記第2A工程は、例えば上記の(2-1)
〜(2-3)のいずれかにより実施することができる。ま
た、第2B工程は、例えば上記の(2-4)〜(2-6)のい
ずれかにより実施することができる。
【0043】この態様においても、第1工程、第2A工
程および第2B工程は、上記の第1工程の例(1-1)〜
(1-3)、第2A工程の例(2-1)〜(2-3)および第2
B工程の例(2-4)〜(2-6)からそれぞれ互いに独立し
て選択することができ、任意の適切な組み合わせで実施
することができる。第1工程として上記の例(1-1)ま
たは(1-2)とし、第2A工程として上記の例(2-2)と
し、第2B工程として上記の例(2-4)とする組み合わ
せ、あるいは第1工程として上記の例(1-3)とし、第
2A工程として上記の例(2-3)とし、第2B工程とし
て上記の例(2-4)とする組み合わせが好ましい。
【0044】次に、上記工程(b)において、以上のよ
うにして形成された前駆体薄膜上にスパッタリング法以
外の方法を用いてVIB族元素を供給しながら、基板を工
程(a)における温度よりも高い温度で熱処理する。
【0045】具体的には、例えば、VIB族元素を供給し
ながら、基板を所定の温度まで加熱し、必要に応じて所
定の温度で所定時間維持し、次いで冷却し、工程(a)
の基板温度付近にまで達したときにVI族元素の供給を停
止するようにして熱処理できる。あるいは、VIB族元素
を供給しながら、基板を加熱して所定の温度に達したと
き、または必要に応じて所定の温度を所定時間維持した
後にVI族元素の供給を停止し、次いで工程(a)におけ
る基板温度付近にまで基板を冷却するようにして熱処理
できる。
【0046】好ましい態様においては、工程(b)にお
ける基板の温度は、300〜600℃の範囲の温度で、
かつ工程(a)における基板の温度よりも高い温度にま
で上昇され、より好ましくは450〜550℃の範囲の
温度にまで上昇される。この工程(b)の熱処理は、好
ましくは約1秒〜10分間に亘って実施される。
【0047】工程(b)においては、基板は上記のよう
な高温で熱処理されているので、前駆体薄膜はVIB族元
素を取り込んで、化合物形成しながら成長し、前駆体薄
膜からIB族元素、IIIB族元素、およびVIB族元素を
含む化合物半導体薄膜が基板上に形成される。
【0048】本発明の別の要旨においては、前駆体薄膜
を基板上に形成する1個またはそれ以上のスパッタ源
と、スパッタ源に各々備えられるスパッタ源シャッター
と、基板の温度を制御する温度制御手段と、スパッタリ
ング法以外の方法を用いてVIB族元素を該前駆体薄膜上
に供給する供給源とを備える、化合物半導体薄膜の製造
装置が提供される。ここで、スパッタ源シャッターは、
スパッタ源に備えられるターゲットが他の物質、例えば
供給源より放出されるVIB族元素で汚染されることを防
止する効果を奏するが、ターゲットの汚染が問題になら
ない程度である場合には省略することも可能である。
【0049】1つの好ましい態様においては、上記供給
源は、上記スパッタ源が収容されるチャンバとは異なる
チャンバに収容されており、スパッタ源を複数備える場
合には、複数のスパッタ源同士についても、各々別のチ
ャンバ内に配置されていることがより好ましい。この態
様においては、スパッタ源に備えられるターゲットが、
供給源から供給されるVIB族元素によって汚染されず、
ターゲットの汚染は無視できる程度であるので、各スパ
ッタ源にスパッタ源シャッターを必ずしも設けなくてよ
い。
【0050】もう1つの好ましい態様においては、上記
供給源および上記スパッタ源は、同一のチャンバ内に収
容され、これらの間に設けられた仕切り板によって互い
に仕切られている。スパッタ源を複数備える場合には、
複数のスパッタ源同士についても、仕切り板によって互
いに仕切られていることがより好ましい。この態様にお
いても、スパッタ源に備えられるターゲットは、供給源
から供給されるVIB族元素によって汚染されないので、
各スパッタ源にスパッタ源シャッターを必ずしも設けな
くてよい。
【0051】本発明の装置は、上述したような本発明の
化合物半導体の製造方法を実施するのに好適に用いられ
得る。本発明の装置に利用可能なスパッタ源は、当該技
術分野において既知のスパッタ源を用いることができ、
前駆体薄膜を形成するために用いるターゲットの数に応
じて1またはそれ以上の数のスパッタ源が備えられる。
また、本発明の装置においても、本発明の上記方法と同
様に、スパッタリング法以外の方法には、蒸着法、レー
ザアブレーションおよび近接昇華法からなる群から選択
されるいずれかの方法あるいはこれらを任意の組み合わ
せで併用する方法、好ましくは蒸着法が用いられ、上記
供給源は、これら方法を用いる供給源、好ましくは蒸着
源である。蒸着源には、当該技術分野において既知の蒸
着源を用いることができ、例えば抵抗加熱ヒーターを間
接的または直接的に接触させたるつぼを用いることがで
きる。
【0052】本発明の更に別の要旨においては、上述の
ような本発明の方法に従って形成された化合物半導体薄
膜を光吸収層として含む薄膜太陽電が提供される。ある
いは、IB族元素、IIIB族元素およびVIB族元素を含
む化合物半導体薄膜を光吸収層として含む薄膜太陽電池
において、化合物半導体薄膜が、3cm×3cm(3c
m□)以上、更には10cm×10cm以上、より更に
30cm×30cm以上の大きい面積に亘って、0.0
1〜0.5μmの範囲、更には0.01〜0.3μmの
範囲の表面ラフネスの値を有する薄膜太陽電池が提供さ
れる。尚、「表面ラフネス」とは、基板上に形成された
化合物半導体薄膜の露出表面における凹凸の中心線平均
粗さを言うものとする。
【0053】本発明の化合物半導体薄膜は、例えば上述
したような本発明の装置を用いて上述の本発明の化合物
半導体の製造方法を実施することによって得られる。こ
の化合物半導体薄膜は、膜厚が大面積に亘って均一で、
組成ずれが起きにくく、結晶欠陥の発生が低減され、表
面ラフネスが比較的小さく、結晶粒が大きいという良好
な膜質を有する。従って、本発明の化合物半導体薄膜
は、大面積で高効率の薄膜太陽電池の光吸収層として有
利に利用され得る。
【0054】
【発明の実施の形態】(実施形態1)IB族元素、III
B族元素およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜とし
て、Cu(In、Ga)Se2膜を形成する本発明の1
つの実施形態について、図1および図2を参照しながら
説明する。図1(a)は、本実施形態の化合物半導体薄
膜の製造装置の概略図であり、図1(b)は、図1
(a)の装置のX−X’線に沿って切り取った上面図で
ある。図2(a)および(b)は、本実施形態の化合物
半導体薄膜の製造方法を説明する概略工程図であり、そ
れぞれ、前駆体薄膜および化合物半導体薄膜が形成され
た基板の概略断面図を示す。本実施形態は、第1工程と
して上記の例(1-3)を実施し、第2工程として上記の
例(2-3)および(2-4)を実施するものに関する。
【0055】図1(a)および(b)に示すように、本
実施形態の化合物半導体薄膜の製造装置20は、チャン
バ1の内部に、VIB族元素の供給源としての蒸着源2
と、IB族元素およびIIIB族元素をスパッタリング法
を用いて基板上に供給して、IB族元素およびIIIB族
元素を含む前駆体薄膜を基板上に形成するための3個の
スパッタ源3a、3bおよび3cと、基板5を加熱する
ためのランプ式ヒーター6とを備える。本実施形態にお
いては、蒸着源2はSe蒸発原料を配置するためのもの
である。また、スパッタ源3a、3bおよび3cは、II
IB族元素ターゲットであるInターゲット、IB族元
素ターゲットであるCuターゲット、ならびにIB族元
素とIIIB族元素とからなるターゲットであるCu−G
aターゲットを各々配置するためのものであるが、これ
ら3つのターゲットは、3つのスパッタ源3a、3bお
よび3cにどのような組合せで配置されてもよい。
【0056】本実施形態においては、3つのターゲット
をスパッタリングして前駆体薄膜を形成するために3つ
のスパッタ源を備える装置を示したが、本発明はこれに
限定されない。前駆体薄膜の形成様式によっては1個、
2個、または4個以上のターゲットを用いてよく、その
場合には、ターゲットの数に応じた数のスパッタ源を備
える装置を用いることは、当業者には容易に理解されよ
う。
【0057】この装置20においては、カーボン材料か
らなる均熱板4に取り付けられた基板5が、均熱板4を
ヒーター6の側にして、サセプタ(またはホルダー)7
を用いて支持される。ヒーター6は、均熱板4を介して
基板5を均一に加熱し、基板5の膜を形成する側の表面
(即ち均熱板4と反対側の露出表面であり、図2を参照
して後述する導電膜5aの露出表面)の温度を所望の値
に制御することができる。サセプタ7は回転駆動軸8に
連結されており、回転駆動軸8を回転させることによっ
て、サセプタ7が回転し、基板5および均熱板4を自転
させる。更に、チャンバ1内には、基板5の表面への各
原料粒子(Cu、In、Ga、およびSe)の供給を制
御するように、蒸着源2、スパッタ源3a、スパッタ源
3bおよびスパッタ源3cと、基板5との間に配置され
たシャッター9が備えられる。スパッタ源3a、3bお
よび3cには、スパッタ源に電圧が印加されていないと
きに、蒸着源2から蒸発するSeが各スパッタ源3a〜
3cに備えられるターゲットに付着することを防ぐた
め、例えばスライド開閉式のシャッターなどのスパッタ
源シャッター3A、3Bおよび3C(図1(a)および
(b)に点線にて示す)がそれぞれ備えられる。均熱板
4、回転駆動軸8、およびシャッター9は、本発明の実
施に必ずしも必要ではないが、これらを備えていること
が好ましい。
【0058】スパッタ源3a、3bおよび3cの各々
は、接地されたDC電源(図示せず)にスイッチング可
能に接続され、これにより電圧印加が制御される。尚、
DC(直流)電源に代えてRF(高周波)電源を用いて
もよく、この場合には、RF電源は整合器およびコンデ
ンサなどと共に用いられ得る。チャンバ1には、チャン
バ1内を真空排気するための排気ライン10と、チャン
バ1内にArガスを供給するためのArガスライン11
とが連結されている。
【0059】次に、このような装置20を用いる本実施
形態の化合物半導体薄膜の製造方法について説明する。
【0060】1.準備 まず、図2を参照して示すようなMoなどからなる導電
膜5aが、ガラスからなる基板本体5b上に形成された
基板5を、図1に示す均熱板4に、基板本体5b側が均
熱板4に接触するようにして取り付ける。他方、チャン
バ1を排気ライン10からポンプ(図示せず)などを用
いて真空排気する。このチャンバ1において、均熱板4
に取り付けた基板5をサセプタ7に、図1に示すように
設置し、Se蒸発原料、Inターゲット、Cuターゲッ
トおよびCu―Gaターゲットをそれぞれ蒸着源2、ス
パッタ源3a、スパッタ源3bおよびスパッタ源3cに
設置する。このとき、各スパッタ源には電圧が印加され
ておらず、スパッタ源シャッター3A〜3Cおよびシャ
ッター9は閉じておく。
【0061】次に、ヒーター6を用いて均熱板4を介し
て基板5を均一に加熱し、基板5のMo膜5aの表面が
例えば約20〜450℃、好ましくは約300〜400
℃となるように加熱を制御し、他方、Arガス供給ライ
ン11よりチャンバ1内にArガスを供給し始める。基
板5が所定の温度に達してほぼ一定温度になると、回転
駆動軸8を回転させてサセプタ7を回転させ、これによ
り基板5および均熱板4を自転させる。このとき、Ar
ガスの供給を維持したまま、チャンバ1内の圧力を所定
の圧力に保つように、Arガスの供給および排気を制御
する。
【0062】2.工程(a) 2−1.第1工程 その後、Inターゲットが設置されたスパッタ源3aの
スパッタ源シャッター3Aを開き、スパッタ源3aを電
源に接続して電圧を印加し、ならびに、Se蒸発原料が
設置された蒸着源2を加熱する。このとき、必要に応じ
てプリスパッタを行ってInターゲット表面をクリーニ
ングするようにしてもよい。InおよびSeが安定に放
出されるようになるとシャッター9を開いて、第1工程
としてInをスパッタリング法により、ならびにSeを
蒸着法により基板5の表面に供給する。所定時間経過
後、例えば3〜60分後にシャッター9およびスパッタ
源シャッター3Aを閉じ、スパッタ源3aの電圧印加を
停止してInの放出を終了する。この第1工程によっ
て、基板5のMo膜5a上にIn−Seからなる第1層
12(図2(a)を参照のこと)が形成される。
【0063】2−2.第2工程 次に、第1工程に引き続いてSe蒸着源2の加熱を維持
したまま、CuターゲットおよびCu−Gaターゲット
がそれぞれ設置されたスパッタ源3bおよび3cのスパ
ッタ源シャッター3Bおよび3Cを開き、スパッタ源3
bおよび3cを各々電源に接続して電圧を印加する。こ
のとき、必要に応じてプリスパッタを行ってCuターゲ
ットおよびCu−Gaターゲット表面をクリーニングす
るようにしてもよい。CuおよびGaが安定に放出され
るようになるとシャッター9を開いて、第2工程として
Seを蒸着法により、CuおよびGaをスパッタリング
法により基板5の表面、より詳細には第1層12の上に
供給する。所定時間経過後、例えば1〜30分後にシャ
ッター9ならびにスパッタ源シャッター3Bおよび3C
を閉じ、スパッタ源3bおよび3cの電圧印加を停止し
てCuおよびGaの放出を終了する。この第2工程によ
って、第1層12の上にCu−Ga−Seからなる第2
層13(図2(a)を参照のこと)が形成される。
【0064】以上のようにして、第1工程および第2工
程を経て、図2(a)に示すような第1層12および第
2層13が順次積層された前駆体薄膜14が形成され
る。
【0065】3.工程(b) 上記の工程(a)により前駆体薄膜14を形成した後、
第1および第2工程に引き続いてSe蒸着原2の加熱を
維持したままで、好ましくはArガスの供給を停止し、
再びシャッター9を開いてSeを蒸着法により前駆体薄
膜14の表面に供給する。このようにしてSeを供給し
ながら、基板5のMo膜5aの表面の温度が前駆体薄膜
形成時よりも高い温度、例えば約300〜600℃で、
かつ工程(a)におけるよりも高い温度、好ましくは約
450〜550℃となるようにヒーター6からの加熱を
制御する。所定時間経過後、好ましくは約1秒〜10分
後、ヒーター6の加熱を停止する。その後、基板温度が
工程(a)付近の温度まで低下すると、シャッター9を
閉じ、蒸着源2の加熱を停止してSeの放出を終了す
る。この工程によって、Seが前駆体薄膜14中に取り
込まれると共に化合物が形成され、前駆体薄膜14から
Cu(In、Ga)Se2薄膜15(図2(b)を参照
のこと)が形成される。
【0066】以上のような工程(a)および(b)によ
り、図2(b)に示すようなCu(In、Ga)Se2
からなる化合物半導体薄膜15が形成される。
【0067】得られた化合物半導体薄膜15は、3cm
×3cm以上、更には10cm×10cm、より更に3
0cm×30cm以上の大きい面積に亘って、約0.0
1〜0.5μmの範囲、更には0.01〜0.3μmの
範囲の表面ラフネスを有する。この値は比較的小さい値
であり、化合物半導体薄膜が滑らかな表面を有すること
がわかる。
【0068】本実施形態によれば、工程(a)において
スパッタリング法を用いて前駆体薄膜を形成し、次い
で、工程(b)でSeを供給しながら熱処理している。
このような方法においては、従来の蒸着法のみを用いて
化合物半導体薄膜を形成する方法よりも化合物半導体薄
膜の膜厚を大面積に亘って均一とすることができる。
【0069】また、本実施形態によれば、VIB族元素で
あるSeをスパッタリング法を用いて供給せず、蒸着法
を用いて供給し、更に工程(a)において形成された前
駆体薄膜に熱処理を施しているので、従来のスパッタリ
ング法のみを用いて一段階で化合物半導体薄膜を形成す
る方法に比べて化合物半導体薄膜に導入される結晶欠陥
が減少する。尚、本実施形態に代えて、工程(a)にお
いてSeをCu−Seターゲットなどを用いてスパッタ
リングにより供給することも可能であるが、その場合に
は、続く工程(b)での熱処理により前駆体薄膜中に導
入され得る結晶欠陥が緩和されるので、該従来の方法に
比べて化合物半導体薄膜に導入される結晶欠陥が減少す
る。
【0070】また、本実施形態によれば、IB族元素
(Cu)およびIIIB族元素(In)をスパッタリング
法により供給すると同時に、VIB族元素(Se)を蒸着
法を用いて供給せず、InおよびSeをCuの供給とは
別に供給しているので、再蒸発しやすいInおよびSe
を、Cuが相対的に過剰となることなく、十分に反応さ
せて化合物を形成させることができる。これにより、組
成ずれが減少した化合物半導体薄膜を形成することがで
きる。
【0071】更に、本実施形態によれば、基板を高温に
維持する時間が、蒸着法を単独で用いる従来の方法に比
べて短縮され、消費電力がより小さい、安価な化合物半
導体薄膜の製造方法が提供される。この方法は、セレン
化水素のような有毒ガスを使用しない安全な製造方法で
ある。
【0072】加えて、本実施形態によれば、スパッタ源
シャッターがスパッタ源に備えられており、スパッタ源
を使用しないときにはスパッタ源シャッターで該スパッ
タ源に備えられるターゲットを覆うことができるので、
このときに蒸着源から放出されるVIB族元素(Se)に
よってスパッタ源が汚染されることが防止できる。
【0073】本実施形態に従って得られた化合物半導体
薄膜は、上述のように、膜厚が大面積に亘って均一で、
結晶欠陥の発生が低減され、組成ずれが減少し、表面ラ
フネスが小さいので、良好な膜質を有し、大面積で高効
率の薄膜太陽電池の光吸収層として有利に利用され得
る。
【0074】尚、本実施形態において、第1層として、
Inをスパッタリング法により供給すると同時にSeを
蒸着法により供給してIn−Se層を形成したが、これ
に代えて、Seの供給を省略してIn層を形成してもよ
い。また、本実施形態において、第2層として、Cuお
よびGaをスパッタリング法により供給すると同時にS
eを蒸着法により供給してCu−Ga−Se層を形成し
たが、これに代えて、Seの供給を省略してCu−Ga
層を形成してもよい。
【0075】更に、本実施形態においてはCu−ターゲ
ットおよびCu−Gaターゲットを用いたが、これに代
えて、Cuターゲットを単独で用いるか、Cu−Seタ
ーゲットを用いることもできる。Cuターゲットを用い
る場合には、第2工程にてCuをスパッタリング法によ
り供給して、第2層としてCu層を形成するか、あるい
はCuをスパッタリング法により供給すると同時にSe
を蒸着法により供給して、第2層としてCu−Se層を
形成してもよい。また、Cu−Seターゲットを用いる
場合には、第2工程にてCuおよびSeをスパッタリン
グ法により供給して、第2層としてCu−Se層を形成
してもよい。このような方法によっても、本実施形態と
同様に、CuInSe2膜を形成することが可能であ
る。
【0076】また、本実施形態においは、第1工程およ
び第2工程の順に実施して、第1層としてIn−Se層
(またはIn層)を、第2層としてCu−Ga−Se層
(またはCu−Ga層、Cu層、もしくはCu−Se
層)を形成したが、第1工程および第2工程を実施する
順序を逆にすることも可能である。即ち、先に第2工程
を実施して第1層としてCu−Ga層(またはCu−G
a−Se層、Cu層、もしくはCu−Se層)を形成
し、次いで第2工程を実施して第2層としてIn−Se
層(またはIn層)を形成してもよい。
【0077】上述のような改変の他にも、本実施形態
は、当業者により種々の改変がなされ得る。例えば、VI
B族元素(Se)を供給するために蒸着法を用いたが、
その他のスパッタリング法以外の方法を用いることも可
能である。また、スパッタリング法を実施するためにA
rガス以外の適切なガスを用いること、シャッターの開
閉タイミングを変更することもできる。
【0078】(実施形態2)IB族元素、IIIB族元
素、およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜として、
Cu(In、Ga)Se2膜を形成する本発明のもう1
つの実施形態について、図3を参照しながら説明する。
図3(a)および(b)は、本実施形態の化合物半導体
薄膜の製造方法を説明する概略工程図であり、それぞ
れ、前駆体薄膜および化合物半導体薄膜が形成された基
板の概略断面図を示す。
【0079】本実施形態は、第1工程として上記の例
(1-3)を実施し、第2A工程として上記の例(2-4)を
実施し、第2B工程として上記の例(2-3)を実施する
ものに関し、実施形態1にて詳述した化合物半導体薄膜
の製造装置(図1(a)および(b))と同様の装置を
用いて実施することができる。以下、本実施形態の化合
物半導体薄膜の製造方法について、実施形態1と異なる
点を中心に説明する。
【0080】1.準備 まず、実施形態1と同様にして準備を行う。本実施形態
においても、基板5のMo膜5aの表面が例えば約20
〜450℃、好ましくは約300〜400℃となるよう
に加熱を制御し、チャンバ内の圧力を所定の圧力に保つ
ように、Arガスの供給および排気を制御する。
【0081】2.工程(a) 2−1.第1工程 その後、実施形態1の第1工程と同様にして、Inおよ
びSeを、それぞれスパッタリング法および蒸着法によ
り基板5の表面に供給する。この第1工程によって、基
板5のMo膜5a上にIn−Seからなる第1層12
(図3(a)を参照のこと)が形成される。
【0082】2−2.第2A工程 次に、Se蒸着源の加熱を停止して、Seの供給を停止
したこと以外は、実施形態1の第2工程と同様にして、
CuターゲットおよびCu−Gaターゲットがそれぞれ
設置されたスパッタ源を用いて、CuおよびGaをスパ
ッタリング法により基板の表面、より詳細には第1層1
2の上に所定時間、例えば1〜30分間供給する。この
第2A工程によって、第1層12の上にCu−Gaから
なる第2層16(図3(a)を参照のこと)が形成され
る。
【0083】2−3.第2B工程 続いて、Cuスパッタ源からのCuの放出を維持したま
まで、Se蒸着源を再び加熱し、第2B工程として、C
uおよびSeを、それぞれスパッタリング法および蒸着
法により基板5の表面、より詳細には第2層16の上に
所定時間、例えば1〜30分間供給する。この第2B工
程によって、第2層16の上にCu−Seからなる第3
層17(図3(a)を参照のこと)が形成される。
【0084】以上のようにして、第1工程、第2A工
程、および第2B工程を経て、図3(a)に示すような
第1層12、第2層16、および第3層17が順次積層
された前駆体薄膜18が形成される。
【0085】3.工程(b) 上記の工程(a)により前駆体薄膜18を形成した後、
実施形態1の工程(b)と同様にして、基板5のMo膜
5aの表面の温度が、前駆体薄膜形成時よりも高い温度
に、例えば約300〜600℃で、かつ工程(a)にお
けるよりも高い温度、好ましくは約450〜550℃と
なるように加熱を制御し、その後、Seを蒸着法により
前駆体薄膜18の表面に供給する。この工程によって、
Seが前駆体薄膜18中に取り込まれると共に共に化合
物が形成され、前駆体薄膜18からCu(In、Ga)
Se2薄膜19(図3(b)を参照のこと)が形成され
る。
【0086】以上のような工程(a)および(b)によ
り、図3(b)に示すようなCu(In、Ga)Se2
からなる化合物半導体薄膜19が形成される。
【0087】本実施形態によっても、実施形態1と同様
の効果を奏することができる。
【0088】尚、本実施形態においては、第1層とし
て、In−Se層に代えてIn層を形成してもよく、第
2層として、Cu−Ga層に代えてCu−Ga−Se層
を形成してもよい。更に、第3層として、Cuをスパッ
タリング法により供給すると同時にSeを蒸着法により
供給してCu−Se層を形成したが、これに代えて、S
eの供給を省略してCu層を形成してもよい。
【0089】また、本実施形態においては、第1工程、
第2A工程、および第2B工程の順に実施して、第1層
としてIn−Se層(またはIn層)を、第2層として
Cu−Ga層(またはCu−Ga−Se層)を、次いで
第3層としてCu−Se層(またはCu層)を形成した
が、第1工程、第2A工程、および第2B工程を実施す
る順序を変更することも可能である。例えば、第1工程
を実施して第1層としてIn−Se層(またはIn層)
を形成した後、先に第2B工程を実施してCu−Se層
(またはCu層)を形成し、次いで第2A工程を実施し
て第3層としてCu−Ga層(またはCu−Ga−Se
層)を形成してもよい。あるいは、先に第2A工程を実
施して第1層としてCu−Ga層(またはCu−Ga−
Se層)を形成し、次いで第2B工程を実施してCu−
Se層(またはCu層)を形成した後、第1工程を実施
して第1層としてIn−Se層(またはIn層)を形成
してもよい。
【0090】尚、上述の実施形態1および本実施形態2
においては、3つのスパッタ源を備える装置を用いてそ
れぞれ2層および3層からなる前駆体薄膜を形成した
が、1つのスパッタ源を備える装置を用いて単層の前駆
体薄膜を形成すること、あるいは、2つまたは4つ以上
のスパッタ源を備える装置を用いて任意の適切な数の層
からなる前駆体薄膜を形成することも当業者には容易に
想到され得る。
【0091】(実施形態3)IB族元素、IIIB族元
素、およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜の製造に
利用可能な、もう1つの化合物半導体薄膜の製造装置に
ついて、図4を参照しながら説明する。図4は、本実施
形態の化合物半導体薄膜の製造装置の概略模式図であ
る。図4中、実施形態1にて説明した装置の部材と同様
のものには同様の番号を付し、説明を省略する。
【0092】図4に示すように、本実施形態の化合物半
導体薄膜の製造装置30は、2つのチャンバ1aおよび
1bを有する。チャンバ1aの内部には、3つのスパッ
タ源3a、3bおよび3c(但し、図4においてスパッ
タ源3cは図示していない)が備えられ、他方、チャン
バ1bの内部には、VIB族元素の供給源としての蒸着源
2が備えられる。チャンバ1aおよび1bには、それぞ
れ排気ライン10aおよび10bが連結され、チャンバ
1aには、更にArガスライン11が連結されている。
チャンバ1aおよび1bの内部には、それぞれランプ式
ヒーター6と、サセプタ7と、回転駆動軸8と、シャッ
ター9とが共通して備えられる。
【0093】本実施形態の製造装置30においては、VI
B族元素の供給源である蒸着源2が、スパッタ源3a、
3bおよび3cが配置されているチャンバ1aとは別の
チャンバ1b内に配置されている。従って、本実施形態
においては、スパッタ源と蒸着源とが別々のチャンバに
配置されているため、スパッタ源に備えられるターゲッ
トに蒸着源から蒸発して放出されるSeが付着してター
ゲットを汚染することがないので、各スパッタ源にスパ
ッタ源シャッターを必ずしも設けなくてよい。
【0094】本実施形態の装置30においては、実施形
態1および実施形態2を、チャンバ1aにてスパッタリ
ング法のみを用いて工程(a)を実施し、次いで、基板
をチャンバ1aからチャンバ1bに移して、チャンバ1
bにて工程(b)を実施するように改変することによっ
て、本発明の化合物半導体薄膜の製造方法を実施するこ
とができる。
【0095】本実施形態の装置によれば、VIB族元素の
供給源として蒸着源を用いる場合に、蒸着源とスパッタ
源とが隔離されているので、蒸着源を用いて蒸発させた
VIB族元素によって、スパッタ源に備えられるターゲッ
ト表面が汚染されることを防止することができる。
【0096】尚、本実施形態においては、工程(a)を
実施するためのチャンバは、3つのスパッタ源を備える
が、必要に応じて1つ、2つまたは4つ以上のスパッタ
源を備えていてもよい。
【0097】また、本実施形態においては、スパッタ源
を収容するチャンバと蒸着源を収容するチャンバとから
成る2つのチャンバを備える装置を示したが、1つのチ
ャンバ内に仕切り板を設けて、スパッタ源と蒸着源とを
仕切るように改変することも可能である。
【0098】(実施形態4)IB族元素、IIIB族元
素、およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜の製造に
利用可能な、もう1つの化合物半導体薄膜の製造装置に
ついて、図5を参照しながら説明する。図5は、本実施
形態の化合物半導体薄膜の製造装置の模式的な上面図で
ある。
【0099】図5に示すように、本実施形態の化合物半
導体薄膜の製造装置40は、中央のチャンバ41と、こ
のチャンバ41の周りに隣接し、互いに隔離されたチャ
ンバ42〜47を備える。チャンバ42は基板を入れる
ロード室であり、チャンバ47は基板を取り出すアンロ
ード室である。チャンバ43〜45は、それぞれ1つの
スパッタ源(図示せず)を備えること以外は、図4に示
す装置30のチャンバ1aと同様の構成を有するものと
し、また、チャンバ46は、図4に示す装置30のチャ
ンバ1bと同様の構成を有するものとする。従って、本
実施形態においては、スパッタ源と蒸着源とが別々のチ
ャンバに個々に配置されているため、スパッタ源に備え
られるターゲットに蒸着源から蒸発して放出されるSe
が付着してターゲットを汚染することがないので、各ス
パッタ源にスパッタ源シャッターを必ずしも設けなくて
よい。
【0100】このような装置40においては、実施形態
2にて詳述した第1〜3層から成る前駆体薄膜の各層を
別々のチャンバ内で形成するように改変することによっ
て、本発明の化合物半導体薄膜の製造方法を実施するこ
とができる。具体的には、まず、チャンバ42に設置さ
れた基板をチャンバ41を経由してチャンバ43に移し
て第1層を形成し、次いでチャンバ41を経由してチャ
ンバ44に移して第2層を形成し、次いでチャンバ41
を経由してチャンバ45に移して第3層を形成して前駆
体薄膜を形成し、次いでチャンバ41を経由してチャン
バ44に移して工程(b)を実施して所望の化合物半導
体薄膜を形成し、最後に、化合物半導体薄膜が形成され
た基板をチャンバ41を経由してチャンバ47に移し、
ここから取り出される。このように、本実施形態の装置
を用いても本発明の化合物半導体薄膜の製造方法を基板
を中央のチャンバを介して移動させながら実施すること
ができる。
【0101】本実施形態の装置によれば、実施形態3の
装置によって得られる効果に加えて、スパッタ源同士が
隔離されているので、他のスパッタ源から放出される粒
子によってスパッタ源に備えられるターゲット表面が汚
染されることを防止することができる。
【0102】更に、本実施形態の装置によれば、複数枚
の基板を別々のチャンバ内で同時に処理することができ
るので、成膜タクトを短縮すること(または単位時間あ
たりの処理枚数をより多くすること)ができる。
【0103】(実施形態5)IB族元素、IIIB族元
素、およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜の製造に
利用可能な、もう1つの化合物半導体薄膜の製造装置に
ついて、図6を参照しながら説明する。図6は、本実施
形態の化合物半導体薄膜の製造装置の模式的な上面図で
ある。
【0104】図6に示すように、本実施形態の化合物半
導体薄膜の製造装置50は、チャンバ51と、このチャ
ンバ51の内部にて仕切り板52を介して隣接して配置
された内部チャンバ53〜58を備える。内部チャンバ
53は基板を入れるロード室であり、内部チャンバ58
は基板を取り出すアンロード室である。チャンバ54〜
56は、図5に示す装置40のチャンバ43〜45と同
様の構成を有するものとし、また、チャンバ57は、図
5に示す装置40のチャンバ46と同様の構成を有する
ものとする。ここで、本実施形態においては、スパッタ
源と蒸着源とが個々に仕切られて配置されているので、
実施形態4と同様に、各スパッタ源にスパッタ源シャッ
ターを必ずしも設けなくてよい。
【0105】このような装置50においては、実施形態
2にて詳述した第1〜3層から成る前駆体薄膜の各層を
別々のチャンバ内で形成するように改変することによっ
て、本発明の化合物半導体薄膜の製造方法を実施するこ
とができる。具体的には、まず、内部チャンバ53に設
置された基板をチャンバ54に移して第1層を形成し、
次いで内部チャンバ55に移して第2層を形成し、次い
で内部チャンバ56に移して第3層を形成して前駆体薄
膜を形成し、次いで内部チャンバ57に移して工程
(b)を実施して所望の化合物半導体薄膜を形成し、最
後に、化合物半導体薄膜が形成された基板を内部チャン
バ58に移し、ここから取り出される。このように、本
実施形態の装置を用いても本発明の化合物半導体薄膜の
製造方法を基板を公転して移動させながら実施すること
ができる。
【0106】本実施形態の装置によれば、実施形態4の
装置によって得られる効果と同様に、成膜タクトを短縮
することができる。
【0107】尚、上述の実施形態4および本実施形態5
においては、それぞれ1つのスパッタ源を備える3つの
チャンバを示したが、必要に応じてチャンバの数および
各チャンバに備えられるスパッタ源の数を選択すること
も可能である。
【0108】
【実施例】上述の実施形態1の装置を用いて、Cu−G
aターゲットを用いない点を除いて実施形態1と同様の
製造方法を実施して、化合物半導体薄膜としてCuIn
Se2膜を形成した。即ち、本実施例においては、IIIB
族元素ターゲットであるInターゲットと、IB族元素
ターゲットであるCuターゲットのみをスパッタ源にそ
れぞれ設置して用いるものとした。
【0109】本実施例では、厚さ約0.55mmのソー
ダライムガラス基板本体と、その上面に形成された厚さ
約0.8μmのMo導電膜とからなる基板を用いた。
【0110】まず、実施形態1の工程(a)において、
上記の基板上に、第1工程としてInをスパッタリング
により供給すると同時にSeを蒸着法により供給してI
n−Se層を形成した。次いで第2工程としてCuをス
パッタリングにより供給すると同時にSeを蒸着法によ
り供給してCu−Se層を形成した。これにより、In
−Se層およびCu−Se層が、基板上に順次積層形成
された前駆体薄膜を得た。これら第1工程および第2工
程を含む工程(a)は、基板温度(より詳細にはMo導
電膜温度)を約200〜350℃に維持して実施した
(図7を参照のこと)。
【0111】次いで、実施形態1の工程(b)におい
て、図7に示すように、Seを蒸着法により前駆体薄膜
上に供給しながら、まず、基板を加熱して上記基板温度
を約1秒〜5分間で約400〜500℃にまで上昇させ
て熱処理し、次いで、加熱を停止して基板を放冷した。
基板温度が先の工程(a)における温度に達するまで、
即ち約200〜350℃に達するまでSeの供給を続
け、その後、供給を停止した。これにより、Cu−In
−Se化合物半導体薄膜が基板上に形成された。
【0112】得られた化合物半導体薄膜は、エネルギー
分散型X線測定により、Cu 22.7原子%、In
26.25原子%、Se 51.4原子%の組成割合を
有することが解った。この分析値は、CuInSe2
の化学量論比に対してややInおよびSeが過剰な組成
比(具体的にはCu:Inが約0.8〜1.0)であっ
て、太陽電池の光吸収層として用いるのに適した目的の
組成比にほぼ等しかった。
【0113】この化合物半導体薄膜を光吸収層として、
当該技術分野において既知の常套の方法により、CdS
層(バッファ層)、ZnO層およびITO膜(いずれも
透明導電膜)を得られた化合物半導体薄膜上に順次積層
し、基板のMo導電膜およびITO膜からそれぞれリー
ドを引き出して薄膜太陽電池を作製した。この薄膜太陽
電池は、変換効率9.06%、電流密度36.16mA
/cm2、開放電圧0.40V、曲性因子0.62を示
し、従来の製造方法に従って得られたCu、In、およ
びSeからなる化合物半導体薄膜を備える薄膜太陽電池
の特性と比較して高いレベルにあった。
【0114】
【発明の効果】本発明によれば、IB族元素、IIIB族
元素、およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜の製造
方法であって、膜厚が大面積に亘って均一で、組成ずれ
が減少し、結晶欠陥の発生が低減された、安価で安全な
製造方法が提供される。更に、本発明によれば、このよ
うな製造方法を実施するのに好適に用いられる装置が提
供される。本発明の方法に従って、本発明の装置を用い
て得られた化合物半導体薄膜は、良好な膜質を有し、大
面積で高効率の薄膜太陽電池の光吸収層として利用され
得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1(a)は、本発明の1つの実施形態にお
ける化合物半導体薄膜の製造装置の概略図であり、図1
(b)は、図1(a)の装置のX−X’線に沿って切り
取った上面図である。
【図2】 図2(a)および(b)は、本発明の1つの
実施形態における化合物半導体薄膜の製造方法であっ
て、図1の装置を用いて実施される方法を説明する概略
工程図であり、それぞれ、前駆体薄膜および化合物半導
体薄膜が形成された基板の概略断面図を示す。
【図3】本発明のもう1つの実施形態における化合物半
導体薄膜の製造方法を説明する概略工程図であり、図3
(a)および(b)は、前駆体薄膜および化合物半導体
薄膜が形成された基板の概略断面図をそれぞれ示す。
【図4】 本発明の別の実施形態における化合物半導体
薄膜の製造装置の概略図である。
【図5】 本発明の別の実施形態における化合物半導体
薄膜の製造装置の概略図である。
【図6】 本発明の別の実施形態における化合物半導体
薄膜の製造装置の概略図である。
【図7】 本発明の1つの実施例における基板温度のプ
ロファイルを示すグラフである。
【符号の説明】
1 チャンバ 2 蒸着源 3a、3b、3c スパッタ源 3A、3B、3C スパッタ源シャッター 4 均熱板 5 基板 6 ヒーター 7 サセプタ 8 駆動回転軸 9 シャッター 10 排気ライン 11 Arガス供給ライン 20 化合物半導体薄膜製造装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 根上 卓之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA09 AA24 BA41 BB02 BD00 CA01 CA05 CA09 GA01 5F051 AA10 BA12 CB15 CB24 FA02 FA04 GA03 5F103 AA01 AA08 AA10 BB57 DD30 HH01 HH04 HH05 LL04 NN01 PP03 RR06

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 IB族元素、IIIB族元素およびVIB族
    元素を含む化合物半導体薄膜の製造方法であって、 (a)少なくともスパッタリング法を用いて原料元素を
    基板上に供給して、IB族元素およびIIIB族元素を含
    む前駆体薄膜、またはIB族元素、IIIB族元素およびV
    IB族元素を含む前駆体薄膜を基板上に形成する工程
    と、 (b)スパッタリング法以外の方法を用いてVIB族元素
    を該前駆体薄膜上に供給しながら、前駆体薄膜が形成さ
    れた基板を工程(a)における温度よりも高い温度で熱
    処理して、該前駆体薄膜から、IB族元素、IIIB族元
    素およびVIB族元素を含む化合物半導体薄膜を基板上に
    形成する工程とを含む方法。
  2. 【請求項2】 工程(a)が、IIIB族元素を、またはI
    IIB族元素およびVIB族元素を供給する第1工程と、I
    B族元素を、IB族元素およびVIB族元素を、IB族元
    素およびIIIB族元素を、またはIB族元素、IIIB族元
    素およびVIB族元素を供給する第2工程とを含む、請求
    項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 第1工程を実施した後に第2工程を実施
    する、請求項2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 第2工程を実施した後に第1工程を実施
    する、請求項2に記載の方法。
  5. 【請求項5】 第2工程が、IB族元素を、またはIB
    族元素およびVIB族元素を供給する第2A工程と、IB
    族元素およびIIIB族元素を、またはIB族元素、IIIB
    族元素およびVIB族元素を供給する第2B工程とを含
    む、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 第2A工程を実施した後に第2B工程を
    実施する、請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】 第2B工程を実施した後に第2A工程を
    実施する、請求項5に記載の方法。
  8. 【請求項8】 スパッタリング法以外の方法が、蒸着法
    である、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
  9. 【請求項9】 工程(a)における基板の温度が、20
    〜450℃の範囲にある、請求項1〜8のいずれかに記
    載の方法。
  10. 【請求項10】 工程(b)における基板の温度が、3
    00〜600℃の範囲にあり、かつ工程(a)における
    基板の温度よりも高い、請求項1〜9のいずれかに記載
    の方法。
  11. 【請求項11】 IB族元素がAgおよびCuのいずれ
    かまたは双方であり、IIIB族元素がInおよびGaの
    いずれかまたは双方であり、VIB族元素がSeおよびS
    のいずれかまたは双方である、請求項1〜10のいずれ
    かに記載の方法。
  12. 【請求項12】 IB族元素がCuであり、IIIB族元
    素がIn、またはInおよびGaであり、VIB族元素が
    Seである、請求項11に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前駆体薄膜を基板上に形成する1また
    はそれ以上のスパッタ源と、スパッタ源に各々備えられ
    るスパッタ源シャッターと、基板の温度を制御する温度
    制御手段と、スパッタリング法以外の方法を用いてVIB
    族元素を該前駆体薄膜上に供給する供給源とを備える、
    化合物半導体薄膜の製造装置。
  14. 【請求項14】 スパッタリング法以外の方法が、蒸着
    法、レーザアブレーションおよび近接昇華法からなる群
    から選択されるいずれかの方法である、請求項13に記
    載の装置。
  15. 【請求項15】 前記供給源が、前記スパッタ源が収容
    されるチャンバとは異なるチャンバに収容されている、
    請求項13または14に記載の装置。
  16. 【請求項16】 複数の前記スパッタ源が、各々別のチ
    ャンバ内に配置されている、請求項15に記載の装置。
  17. 【請求項17】 前記供給源および前記スパッタ源が、
    同一のチャンバ内に収容され、これらの間に設けられた
    仕切り板によって互いに仕切られている、請求項13ま
    たは14に記載の装置。
  18. 【請求項18】 請求項1〜12のいずれかの製造方法
    に従って形成された化合物半導体薄膜を光吸収層として
    含む薄膜太陽電池。
  19. 【請求項19】 IB族元素、IIIB族元素およびVIB
    族元素を含む化合物半導体薄膜を光吸収層として含む薄
    膜太陽電池において、化合物半導体薄膜が、3cm×3
    cm以上に亘って0.01〜0.5μmの表面ラフネス
    を有することを特徴とする薄膜太陽電池。
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