JP2003282600A - 光吸収層の作製方法および装置 - Google Patents

光吸収層の作製方法および装置

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JP2003282600A JP2002127612A JP2002127612A JP2003282600A JP 2003282600 A JP2003282600 A JP 2003282600A JP 2002127612 A JP2002127612 A JP 2002127612A JP 2002127612 A JP2002127612 A JP 2002127612A JP 2003282600 A JP2003282600 A JP 2003282600A
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sputtering
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alloy layer
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Shinsuke Takeuchi
伸介 武内
Tomoyuki Kume
智之 久米
Takashi Komaru
貴史 小丸
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Honda Motor Co Ltd
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  • Physical Deposition Of Substances That Are Components Of Semiconductor Devices (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 化合物半導体による薄膜太陽電池における裏
面電極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層
プリカーサを形成し、Se雰囲気中で熱処理することに
よってCIGS系の光吸収層を作製するに際して、光吸
収層における結晶化の不良による密着性の低下や導電性
をもった異層が生成されて太陽電池特性が劣化するのを
防止して、品質の良い光吸収層を作製する。 【構成】 裏面電極上にIn層を形成し、その上にCu
−Ga合金層を形成し、さらにその上にIn層を形成す
ることにより積層プリカーサを形成して、その積層プリ
カーサをSe雰囲気中で熱処理したときに、裏面電極側
にCu−Ga−Seの異層が、また表面にCu2Seの
異層が形成されることがなく、Cu−In−Ga−Se
化合物として組成の安定した光吸収層を作製するように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、化合物半導体による薄
膜太陽電池における光吸収層の作製方法および装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】図1は、一般的な化合物半導体による薄
膜太陽電池の基本構造を示している。それは、SLG
(ソーダライムガラス)基板1上に裏面電極(プラス電
極)となるMo電極層2が成膜され、そのMo電極層2
上に光吸収層5が成膜され、その光吸収層5上にZn
S,CdSなどからなるバッファ層6を介して、マイナ
ス電極となるZnO:Alなどからなる透明電極層7が
成膜されている。
【0003】その化合物半導体による薄膜太陽電池にお
ける光吸収層4としては、現在18%を超す高いエネル
ギー変換効率が得られるものとして、Cu,(In,G
a),SeをベースとしたI−III−VI2族系のC
u(In+Ga)Se2によるCIGS薄膜が用いられ
ている。
【0004】そのCIGS薄膜は、それを蒸着法によっ
て形成すれば成膜の品質が良くなって高いエネルギー変
換効率が得られるが、成膜に時間を要して製品のスルー
プットが悪くなってしまう。
【0005】また、スパッタ法によってCIGS薄膜を
形成するようにすれば、高速での成膜が可能であり、タ
ーゲットの寿命が長いことにより原料供給回数が少な
く、ターゲット自体が安定なために成膜の品質に再現性
があるが、蒸着法に匹敵するエネルギー変換効率が得ら
れていないのが実状である。
【0006】その理由として、例えば、Cu,In,S
eの各単体ターゲットを用いてCIGS薄膜を形成する
に際して、主にSeターゲットから放出されるSeの負
イオンが成膜に衝撃によるダメージを与え、形成される
CIGS薄膜中に多くの欠陥を生じさせる原因となると
考えられている(T.Nakada et al.“C
uInSe2 Films for Solar Ce
lls by multi−Source Sputt
ering of Cu,In and Se−Cu
Binary Aloy”Proc.4th Phot
ovoltaic Science and Engi
neering Conf.1989.371−375
の文献参照)。
【0007】そのために、スパッタ法によりSeを供給
する方法でCIGS薄膜を形成した太陽電池の光電変換
効率は6−8%程度にとどまっている。
【0008】また、このSeの負イオンによるダメージ
を回避するために、CIGS薄膜を形成する際に、Se
供給のみをスパッタ法ではなく蒸着法で行う試みがなさ
れ、光電変換効率が10%を超す太陽電池が得られたと
いう報告がある(T.Nakada etal.“Mi
crostructure Characteriza
tion for Sputter−Deposite
dCuInSezトIjcrostru(比ιlreC
I1aracterizaLionfol’Sl)lJ
Lter−DePosited CuInSe2 Fi
lms andPhotovoltaic Devic
es”Jpn.Appl.Phys.34 1995.
4715−4721の文献参照)。
【0009】しかしながら、この方法では、CuやIn
の単体ターゲットの表面が蒸着によるSe蒸気によって
汚染されて、その表面にCuSeやInSeといった化
合物が生成されてしまい、スパッタリングが不安定にな
っている。
【0010】また、従来、CIGS薄膜による光吸収層
を形成する他の方法として、金属プリカーサ(前駆体)
薄膜を用いて、H2Seガス等のSeソースを用いた熱
化学反応でSe化合物を生成するセレン化法がある。
【0011】米国特許第4798660号明細書には、
DCマグネトロンスパッタリング法により、金属裏面電
極層→純Cu単独層→純In単独層の順に積層する構造
で形成した金属薄膜層をSe雰囲気、望ましくはH2S
eガス中でセレン化することで均一な組成のCIS単相
からなる光吸収層を形成することが開示されている。
【0012】特開平10−135495号明細書には、
金属プリカーサとして、Cu−Gaの合金ターゲットを
用いてスパッタ成膜された金属薄膜と、Inターゲット
を用いてスパッタ成膜された金属薄膜との積層構造によ
るものが示されている。
【0013】それは、図2に示すように、SLG(ソー
ダライムガラス)基板1に成膜されているMo電極層2
上にCIGS薄膜による光吸収層5を形成するに際、先
にCu−Gaの合金ターゲットT2を用いた第1のスパ
ッタ工程SPT−1′によってCu−Ga合金層31を
成膜し、次いで、InターゲットT1を用いた第2のス
パッタ工程SPT−2′によってIn層32を成膜し
て、Cu−Ga合金層31、In層32による積層プリ
カーサ3′を形成するようにしている。そして、熱処理
工程HEATにおいて、その積層プリカーサ3′をSe
雰囲気中で熱処理することにより、CIGS薄膜による
光吸収層5を作製するようにしている。
【0014】しかし、Cu−Ga合金層31とIn層3
2との積層構造によるプリカーサ3′を形成するので
は、成膜時やそのストック時に、その積層の界面で固層
拡散(固体間の拡散)による合金化反応が進行して、C
u−In−Gaの3元合金が形成されてしまう。また、
後で行われるSe化工程においても合金化反応は進行す
る。このプリカーサ3′の積層の界面における合金化反
応の進行をサンプル間で一様に管理することは難しく
(温度や時間等の合金化反応に関与するパラメータの管
理が必要となる)、得られる光吸収層5の品質がばらつ
いてしまう。そして、In層32が凝集し、面内での組
成不均一が生じやすいものになってしまう。
【0015】そのため、Ga濃度をMo電極層2との界
面から表面に向かって低くなるようにGa濃度勾配をも
たせるようにすることが提案されている。
【0016】しかし、このような従来の光吸収層の形成
方法では、GaがMo電極層2とCu−In−Ga層と
の界面に偏析するために、Mo電極層2とCIGS薄膜
による光吸収層5との密着不良の問題をきたして、電池
特性の劣化の要因となっている。
【0017】また、特開平10−135495号に記載
されているような光吸収層の作製方法を含めて、セレン
化法では金属は薄膜中にSeが取り込まれたカルコパイ
ライト結晶が成長する際に、図3に示すように、当初の
Cu−Ga合金層31およびIn層32からなる積層プ
リカーサ膜3′の約2倍の体積膨張をともなう。図中、
aは熱処理によるセレン化前の状態を、bはセレン化に
よって体積が膨張した状態を示している。
【0018】体積膨張が起きる際にはCu,Ga,In
の各構成元素が固相において拡散する現象をともなうた
め、個々の元素がもつ薄膜中における拡散係数の差によ
り薄膜の厚さ方向における組成の分布が生ずる。
【0019】図4はCu−Ga合金層31の上にIn層
32を設けた従来の積層プリカーサ膜3′を熱処理した
ときのCIGS薄膜の厚さ方向におけるCu,Ga,I
nの各組成の分布状態を示している。
【0020】図4の特性からして、構成元素のなかでG
aの拡散係数はCuやInに比べて小さいため、Cu−
Ga合金層31の上にIn層32を設けた従来の積層プ
リカーサ膜3′では、体積膨張をともなう結晶成長過程
の際に薄膜表面付近ではGa濃度が低くなり、裏面電極
となるMo電極層2側では拡散しにくいGaが局在して
しまう傾向にある。また、上部にあるIn層32におけ
るIn成分がCu−Ga合金層31内に均等に拡散せ
ず、Mo電極層2側のIn成分の分布が少なくなってし
まう。
【0021】その結果、Mo電極層2側にはIn成分の
割合が低いCu−Ga−Seに近い化合物の層5′が形
成される。このCu−Ga−Se化合物の層5′は結晶
性が悪く構造的に脆いものとなり、それが原因となって
CIGS薄膜による光吸収層5とMo電極層2との界面
での密着性が悪くなり、直列抵抗の増大や剥離の要因と
なってしまう。また、その形成されたCu−Ga−Se
化合物の層5′はその電気的特性が金属に近いものとな
って、図5に示すように、複数のセルを直列接続した太
陽電池ユニットとしたときに各セルのMo電極層2間に
リーク(矢印で示す)が生ずる要因となってしまう。
【0022】また、セレン化に際して、作製される光吸
収層の表面において、Cu成分とSe成分とが結合して
低抵抗のCu2Seが形成される場合には、透明電極側
でのリークの原因となってしまう。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】解決しようとする問題
点は、化合物半導体による薄膜太陽電池における裏面電
極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる積層プリ
カーサ膜を形成して、Se雰囲気中で熱処理することに
よってCIGS系の光吸収層を作製するに際して、Ga
が裏面電極との界面に偏析するために、裏面電極とCI
GS薄膜による光吸収層との密着不良および複数のセル
を直列接続したときの各セル間のリークの問題をきたし
て、電池特性の劣化の要因となっていることである。
【0024】また、セレン化に際して、作製される光吸
収層の表面において、Cu成分とSe成分とが結合して
低抵杭のCu2Seが形成される場合には、透明電極側
でのリークの原因となってしまうことである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、化合物半導体
による薄膜太陽電池における裏面電極上にCu−Ga合
金層およびIn層からなる積層プリカーサ膜を形成し、
Se雰囲気中で熱処理することによってCIGS系の光
吸収層を作製するに際して、Gaが裏面電極との界面に
偏析して、裏面電極とCIGS薄膜による光吸収層との
密着不良および複数のセルを直列接続したときの各セル
間のリークの問題をきたして電池特性が劣化することが
ないようにしている。そして、セレン化に際して、作製
される光吸収層の表面において、Cu成分とSe成分と
が結合して低抵抗のCu2Seが形成されることがない
ようにしている。
【0026】具体的には、裏面電極上にIn層を形成
し、その上にCu−Ga合金層を形成し、さらにその上
にIn層を形成することにより、Cu−Ga合金層をI
n層で挟んだ構造の積層プリカーサ膜を形成するように
している。それにより、その積層プリカーサ膜をSe雰
囲気中で熱処理したときに裏面電極との界面におけるG
a濃度を下げるとともに、作製される光吸収層の表面で
Cu成分とSeとが結合しないようにして、裏面電極側
と表面とに電池特性を劣化させる異層が形成されること
のない、Cu−In−Ga−Se化合物として組成の安
定した光吸収層を作製できるようにしている。
【0027】また、本発明は、このような電池特性に優
れた太陽電池における光吸収層を効率良く量産できるよ
うにするべく、ヒータによって内部が一定温度に保持さ
れ、内部に予め多数用意されている基板上に裏面電極が
形成されている基材を順次供給する基材供給室と、連続
して供給される基材を搬送しながら、第1のスパッタリ
ング部において基材の裏面電極上にIn層を形成し、続
けて第2のスパッタリング部においてその基材のIn層
上にCu−Ga合金層を形成し、続けて第3のスパッタ
リング部においてその基材のCu−Ga合金層上にIn
層を形成するスパッタリング室と、そのスパッタリング
室から次々と送り出されてくる積層プリカーサ膜が形成
された基材を一時貯えて冷却する基材冷却室とからなる
インライン成膜装置と、基材冷却室において冷却した基
材を複数一括してSe雰囲気中で熱処理するアニール装
置とによって光吸収層の作製装置を構成するようにして
いる。
【0028】
【実施例】本発明による光吸収層の作製方法にあって
は、図6に示すように、SLG(ソーダライムガラス)
基板1に成膜されているMo電極層2上にCIGS薄膜
による光吸収層5を作製するに際して、In単体ターゲ
ットT1を用いた第1のスパッタリング工程SPT−1
によってMo電極層2上にIn層41を成膜し、その上
にCu−Gaの合金ターゲットT2を用いた第2のスパ
ッタリング工程SPT−2によってCu−Ga合金層4
2を成膜し、さらにその上にIn単体ターゲットT1を
用いた第3のスパッタリング工程SPT−3によってI
n層43を成膜して、Cu−Ga合金層42をIn層4
1,43によって挟んだ構造の積層プリカーサ4を形成
するようにしている。そして、熱処理工程HEATにお
いて、その積層プリカーサ4をSe雰囲気中で熱処理す
ることにより、CIGS薄膜による光吸収層5を作製す
るようにしている。
【0029】このように、本発明によれば、Mo電極層
2上にIn層41を設けたうえで、その上にCu−Ga
合金層42を設けるようにしているので、Mo電極層2
との界面における元素の固層拡散による合金化を抑制す
ることができる。そして、積層プリカーサ4をSe雰囲
気中で熱処理してセレン化する際に、Mo電極層2側に
In成分を充分に拡散させることができるとともに、拡
散速度の遅いGaがMo電極層2との界面に偏析して結
晶性の悪いCu−Ga−Se層が形成されることがなく
なる。また、表面がIn層43によって被覆されている
ので、セレン化によって作製される光吸収層5の表面に
Cu2Seが生成されることがなくなる。
【0030】したがって、Mo電極層2と光吸収層5と
の間に、結晶性が悪くて構造的に脆く、かつ導電性を有
する異層(Cu−Ga−Se)が介在するようなことが
なく、また光吸収層5の表面に導電性を有する異層(C
u2Se)が生成されることのない、均一な結晶による
高品質なP型半導体のCu(In+Ga)Se2による
CIGSの光吸収層5を作製することができ、Mo電極
層2との密着性が高くて構造的に強固な、しかもリーク
のない電池特性の良好な太陽電池を得ることができるよ
うになる。
【0031】また、本発明は、図7に示すように、Mo
電極層2上に、Cu−Ga合金層をIn層によって挟ん
だ構造を多段に複数設けて、積層プリカーサ4′を形成
するようにしている。
【0032】ここでは、Mo電極層2上に、In層4
1、Cu−Ga合金層42、In層43、Cu−Ga合
金層44、In層45、Cu−Ga合金層46およびI
n層47を順次積層することによって、Cu−Ga合金
層をIn層によって挟んだ構造を3段に設けるようにし
ている。
【0033】このように、Mo電極層2側にIn層41
が、表面にIn層47が配され、その間にCu−Ga合
金層42、In層43、Cu−Ga合金層44、In層
45およびCu−Ga合金層46が均等に配分されてい
るので、より均一な結晶による高品質なP型半導体のC
u(In+Ga)Se2によるCIGSの光吸収層5を
作製することができるようになる。
【0034】図8は、本発明による方法を適用して光吸
収層を実際に作製するための量産用の装置の一構成例を
示している。
【0035】それは、ヒータ8によって内部が一定温度
に保持され、内部に予め多数用意されている基材(SL
G基板にMo電極層が成膜されているもの)9を順次供
給する基材供給室P1と、連続して供給される基材9を
搬送しながら、Inの単体ターゲットT1を用いたスパ
ッタリング部SPT1において基材9のMo電極層上に
In層41を形成し、続けてCu−Ga合金ターゲット
T2を用いたスパッタリング部SPT2においてIn層
41上にCu−Ga合金層42を形成し、続けてInの
単体ターゲットT1を用いたスパッタリング部SPT3
においてCu−Ga合金層42上にIn層43を形成す
るスパッタリング室P2と、そのスパッタリング室P2
から次々と送り出されてくるIn層41、Cu−Ga合
金層42およびIn層43からなる積層プリカーサ4が
形成された基材9′を一時貯えて冷却する基材冷却室P
3とからなるインライン成膜装置Aと、基材冷却室P3
において冷却した基材9′を複数一括してSe雰囲気中
で熱処理するアニール装置Bとによって構成されてい
る。基材9,9′の搬送は、図示しないコントローラの
制御下において、スパッタリング部SPT1、SPT
2、SPT3の動作状態に同期して行われるようになっ
ている。
【0036】なお、インライン成膜装置Aにおいて、G
a組成比の違うCu−Gaターゲットを複数用いること
で、傾斜プロファイルを実現できるようになる。
【0037】図9は、H2Seガス(濃度5%のArガ
ス希釈)を用いた熱処理によって、熱化学反応(気相S
e化)を生じさせて積層プリカーサ4から光吸収層5を
作製する際のコントローラによる炉内温度の制御特性の
一例を示している。
【0038】ここでは、加熱を開始してから炉内温度が
100℃に達したら炉内安定のために10分間予熱する
ようにしている。そして、安定したランプアップ可能な
時間として30分かけて、炉内温度をSLG基板の反り
が発生しないように、かつ高熱処理で高品質結晶にする
ことができる500〜520℃にまで上げる。その際、
炉内温度が230〜250℃になった時点t1からH2
Seガスの熱分解によるSeの供給が開始される。そし
て、高熱処理によって高品質結晶とするために炉内温度
を500〜520℃に保った状態で、40分間熱処理す
るようにしている。
【0039】その際、加熱を開始してから炉内温度が1
00℃に達した時点から、低温でH2Seガスをチャー
ジして、炉内一定圧力に保った状態で熱処理する。そし
て、熱処理が終了したt2時点で、不要なSeの析出を
防ぐため、炉内を100Pa程度の低圧でArガスに置
換するようにしている。
【0040】本発明は、積層プリカーサ4を形成するに
際して、Cu−Ga合金とInの組み合せに限らず、そ
の他Cu−Ga合金またはCu−Al合金とIn−Cu
合金の組合せ、CuとInまたはAlの組合せ、Cuと
In−Cu合金の組合せが可能である。基本的には、I
b族金属−IIIb族金属の合金、Ib族金属、III
b族金属のうちの2種類を組み合せて用いるようにすれ
ばよい。
【0041】
【効果】以上、本発明にあっては、化合物半導体による
薄膜太陽電池における裏面電極上にCu−Ga合金層お
よびIn層からなる積層プリカーサ膜を形成し、Se雰
囲気中で熱処理することによってCIGS系の光吸収層
を作製するに際して、裏面電極上にIn層を形成し、そ
の上にCu−Ga合金層を形成し、さらにその上にIn
層を形成することにより積層プリカーサ膜を形成して、
その積層プリカーサ膜をSe雰囲気中で熱処理したとき
に、裏面電極側および表面に結晶性が悪く、また金属に
近い導電性をもった異層が生成されることがないように
して、Cu−In−Ga−Se化合物として組成の安定
した光吸収層を作製するようにしたもので、結晶化不良
による密着性の低下に起因する剥離や導電性を有するた
めのリークに起因する電池特性の劣化を防止して、品質
の良い光吸収層を得ることができるという利点を有して
いる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的な化合物半導体による薄膜太陽電池の基
本的な構造を示す正断面図である。
【図2】従来の裏面電極上に光吸収層を作製するプロセ
スを示す図である。
【図3】従来の積層プリカーサがセレン化される前後の
状態を示す正断面図である。
【図4】従来の積層プリカーサを熱処理したときのCI
GS薄膜の厚さ方向における各組成の分布状態を示す特
性図である。
【図5】従来の積層プリカーサをセレン化したときのM
o電極側に形成される異層によるリーク状態を示すセル
を直列接続した太陽電池ユニットを示す正断面図であ
る。
【図6】本発明によって裏面電極上に光吸収層を作製す
るプロセスを示す図である。
【図7】本発明による裏面電極上にCu−Ga合金層を
In層で挟んだ構造を多段に設けたときの積層プリカー
サの一例を示す正断面図である。
【図8】本発明によって光吸収層を実際に形成するため
の量産用の光吸収層形成装置の一例を示す簡略構成図で
ある。
【図9】本発明により積層プリカーサをSe雰囲気中で
熱処理してCIGS薄膜を形成する際の炉内温度の制御
特性の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 SLG基板 2 Mo電極層 4 積層プリカーサ 41 In層 42 Cu−Ga合金層 43 In層 5 光吸収層 6 バッファ層 7 透明電極層 T1 In単体ターゲット T2 Cu−Ga合金ターゲット SPT1 第1のスパッタリング工程 SPT2 第2のスパッタリング工程 SPT3 第3のスパッタリング工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小丸 貴史 埼玉県狭山市新狭山1丁目10番地1 ホン ダエンジニアリング株式会社内 Fターム(参考) 4K029 AA09 BA10 BA21 BB02 CA05 DC03 DC04 GA01 KA09 5F051 AA09 BA14 BA17 CA32 CA36 FA02 FA06 FA13 FA15 GA03 HA20 5F103 AA08 DD28 LL04 PP03 PP20 RR05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化合物半導体による薄膜太陽電池におけ
    る裏面電極上にCu−Ga合金層およびIn層からなる
    積層プリカーサ膜を形成して、Se雰囲気中で熱処理す
    ることによってCIGS系の光吸収層を作製する方法に
    あって、裏面電極上にIn層を形成し、その上にCu−
    Ga合金層を形成し、さらにその上にIn層を形成し
    て、Cu−Ga合金層をIn層で挟んだ構造の積層プリ
    カーサ膜を形成するようにしたことを特徴とする光吸収
    層の作製方法。
  2. 【請求項2】 裏面電極上にCu−Ga合金層をIn層
    で挟んだ構造の積層プリカーサ膜を多段に複数形成した
    ことを特徴とする請求項1の記載による光吸収層の作製
    方法。
  3. 【請求項3】 In単体ターゲットを用いたスパッタリ
    ング工程によってIn層を形成し、Cu−Ga合金ター
    ゲットを用いたスパッタリング工程によってCu−Ga
    合金層を形成するようにしたことを特徴とする請求項1
    または請求項2の記載による光吸収層の作製方法。
  4. 【請求項4】 ヒータによって内部が一定温度に保持さ
    れ、内部に予め多数用意されている基板上に裏面電極が
    形成されている基材を順次供給する基材供給室と、連続
    して供給される基材を搬送しながら、第1のスパッタリ
    ング部において基材の裏面電極上にIn層を形成し、続
    けて第2のスパッタリング部においてその基材のIn層
    上にCu−Ga合金層を形成し、続けて第3のスパッタ
    リング部においてその基材のCu−Ga合金層上にIn
    層を形成するスパッタリング室と、そのスパッタリング
    室から次々と送り出されてくる積層プリカーサ膜が形成
    された基材を一時貯えて冷却する基材冷却室とからなる
    インライン成膜装置と、基材冷却室において冷却した基
    材を複数一括してSe雰囲気中で熱処理するアニール装
    置とによって構成された光吸収層作製装置。
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