JP2002058562A - 自動車座席用の調節金具、特に自動車座席の背当部用の傾斜調節金具 - Google Patents

自動車座席用の調節金具、特に自動車座席の背当部用の傾斜調節金具

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、自動車座席用の調節金具、特に自
動車座席の背当部用の傾斜調節金具に関し、この調節金
具を可能な限り摩損しにくく形成し、且つ非常に静かに
作動するように形成することを課題とする。この調節金
具において、固定した座部領域に所属する固定した金具
部1、および可動の背当部に所属する回転位置調節可能
な金具部2が回転軸線3を中心として回転可能に駆動可
能な偏心輪4を介して結合されている。 【解決手段】 くさびセグメント4b;4cが、半径方
向に重なり合って形成されており、且つそのくさびセグ
メントの厚さが逆方向に増大し、その際、それぞれのく
さびセグメント4b;4cのそれぞれ一方の比較的に細
い端面4g;4hが、偏心輪セグメント4aの当接面4
e;4fに向けて相対しているそれぞれ他方のくさびセ
グメントの端面を越えて突出しており、且つ、この内側
のくさびセグメント4bが内側の環状リング軸受面上
で、およびこの外側のくさびセグメント4cが外側の偏
心的な回転軸受5aの軸受面上で回転可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、請求項1の上位概
念による自動車座席用の調節金具に関する。
【0002】
【従来の技術】公知の(ドイツ連邦共和国特許第30
13 304号明細書の)様式の調節金具の場合、偏心
輪の部分を形成する異なる回転方向で先細りのくさびセ
グメントが、回転軸線に対して同心に指向する軸受面上
に存在する。両方のくさびセグメントの幅の広い端面の
間に緊張された圧縮ばねが、これらくさびセグメントを
異なる方向へ押し込み、その結果、偏心性がばねの作用
のもとで増大することとなる。この公知の解決策の場
合、くさびセグメントの長さ、即ち−有効な載置面がそ
の角度を互いに収納する−角度が、制限されていること
は不利である。この制限は、方式上必然的である。あま
りにも大きすぎる有効の長さは、その結果、回転方向に
前方のくさびが、駆動の場合、有歯部を所望の方法にお
いて十分に弛緩せず、むしろ再び互いに中へ押圧するこ
ととなる。従って実際上は、両方のくさびセグメントの
場合、両方のくさびセグメントの内側載置面は、比較的
に短い。比較的に短い当接面は、比較的に迅速な損耗を
導く。何故ならば、このくさびセグメントは、このくさ
びセグメントの軸受面上で傾倒するからである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】この公知技術を出発点
として、本発明の根底をなす課題は、調節金具を、公知
の前提とされた様式に対して可能な限り摩損しにくく形
成され、且つ非常に静かに作動するように形成すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】この課題の解決策は、請
求項1の特徴によって実現する。
【0005】本発明による、半径方向に重なり合い且つ
逆方向に整向状態のくさびセグメントの配置は、くさび
セグメントの有効な長さを公知技術の場合より大きく選
択すること、且つ従って比較的に僅かな磨耗しやすさを
提供するという可能性を達成する。比較的に大きく可能
なくさび長さのために、しかもその上、全てのくさび長
さを利用せず、むしろ載置面をそれぞれただ両方の端部
だけに配置し、他方では中間領域が利用されないという
ことは可能である。このことは、スムーズな動きを高
め、且つ製造費用を低下させる。
【0006】
【発明の実施の形態】次に、本発明の有利な実施の形態
を、図を参照して詳しく説明する。図示された調節金具
は、自動車座席背当部用の典型的な傾斜調節金具であ
る。この傾斜調節金具は、図示されていない座席領域に
所属する固定した金具部1を、および、同様に図示され
ていない背当部と結合されている回転位置調節可能な金
具部2を有している。
【0007】固定した金具部1は、有歯部1aを有して
いる。この有歯部1aは、可動の金具部2の有歯部2a
内への周囲に延在する係合のために形成されている。こ
の有歯部1aと2aは、揺動伝動機構の部分を形成して
いる。
【0008】金具部2は、段差を付けられた収容開口部
2bを有し、この収容開口部内に、軸受スリーブ6の後
方の端部が固着されている。この軸受スリーブ6は、こ
の軸受スリーブの内側の穿孔によって、内側の回転軸受
部6aを形成している。全体として符号4で示された偏
心輪は、回転軸線3を中心として回転可能である。この
偏心輪4は、一体的に形成されている、互いに結合され
た異なる領域、即ち、非円形の中央の連行開口部8aを
備えているピボット領域8、更にディスク領域9、並び
に偏心輪セグメント4aを有している。ピボット領域8
は、半径方向に内側へ整向された弾性的なアームを有す
るディスク固定部として形成されている固定部材10を
用いて、ピボット領域8によって貫通された軸受スリー
ブ6に向かって回転軸線3の方向へと固着されている。
【0009】偏心輪セグメント4aは、外側の回転軸受
5aの内部に延在し、この回転軸受5aは、金具部1内
に押し嵌めされている軸受リング5によって形成されて
いる。この偏心輪セグメントの内部側面によって、この
偏心輪セグメント4aは、図3に示すように、軸受スリ
ーブ6の右側領域の外側周囲を囲繞している。内側およ
び外側に向かって指向する湾曲された偏心輪セグメント
4aの面が、それぞれに相対している面から間隔を保持
する場合、有利である。
【0010】偏心輪セグメント4aは、この偏心輪セグ
メントの外周において、完全な偏心輪とするために、2
つのくさびセグメント4bおよび4cによって補完され
ている。
【0011】湾曲されたくさびセグメント4bおよび4
cは、逆方向に整向されている。これらくさびセグメン
トの比較的に幅の狭い端面4gまたは4hによって、こ
れらくさびセグメントは、くさびセグメント4bまたは
4cの、隣接した比較的に幅の広い端面と並んで位置し
ている。これら比較的に幅の狭い端面4gまたは4h
は、外周方向において、それぞれ他方のくさびセグメン
トの幅を広げられた端面に対して、突出している。
【0012】湾曲されたばね7は、回転軸線3を囲繞す
る円形に湾曲された領域7aを有している。この円形に
湾曲された領域7aは、偏心輪4の回転面に対して平行
に指向する面内において延在している。この円形に湾曲
された領域と先ず第1に内側へ湾曲された領域7bが連
結し、この内側へ湾曲された領域と直角に折り曲がった
端部領域7cが連結している。この端部領域7cの一方
の領域は、くさびセグメント4bの一方の収容穿孔4i
内に係合し、他方の直角に折り曲がった端部領域が他方
のくさびセグメント4cの収容穿孔4k内に係合してい
る。
【0013】ばね7は、このばねが両方の収容穿孔4i
および4kの間隔を減少させることを努めるように予負
荷されている。このことによって、およびくさびセグメ
ント4bおよび4cのくさび形状のために、これらくさ
びセグメントは、外側の回転軸受5aの軸受面と、図3
に示すように軸受スリーブ6の右側領域の、環円筒形の
外側面6bとの間に拡開する。
【0014】偏心輪セグメント4aは、2つの端面4e
または4fを備えている。図4による時計方向におけ
る、偏心輪4の、従って偏心輪セグメント4aの旋回の
場合、端面4eは、くさびセグメント4cの突出した端
面4gに達し、このくさびセグメントは、ばね7の力に
抗して時計方向に連行される。このことによって、有歯
部1aおよび2aの偏心輪頂点の側で存在する領域の係
合は、弛緩する。従って、静止状態における金具のカタ
カタ音を防止する付勢は、回転によって消失される。
【0015】類似した方法で、図4による反時計方向に
おける偏心輪4の、従って偏心輪セグメント4aの回転
方向は、端面4hに対して当接面4fの当接を、および
同一の回転方向において行われるくさびセグメント4b
の摺動を導く。同様にこの回転方向において、有歯部1
aおよび2aの予負荷は、偏心輪頂点において弛緩さ
れ、且つその場合に、調節金具の付勢されない回転が時
計方向において可能である。
【0016】回転工程が終結され、且つ部材が停止する
やいなや、ばね7は、このばねの直角に折れ曲がった端
部によって、くさびセグメント4bおよび4cを再び離
れ離れに引張り、且つこのことによって再び偏心性が拡
大する結果、偏心輪頂点によって半径方向に置かれた平
面内で噛み合う有歯部1aおよび2aが、再び互いに中
へ押圧される。
【0017】図示された実施の形態において、くさびセ
グメント4bの内径は、このくさびセグメントの全長さ
でもって、軸受スリーブ6の外径6b上に載っている。
このくさびセグメント4bの外側周囲6b上での載置領
域を、端面に隣接する両方の載置面の間に図示されてい
ない切欠き(Freisparung)を設けることによって減少
させることは、簡単に可能である。このくさびセグメン
ト4bのそのくさびセグメントの端部領域における支持
は、いかなる場合にも、このくさびセグメントの有害な
傾倒を防止する。
【0018】揺動伝動機構の原理により作動する調節金
具は、公知である。これら伝動機の場合、本発明による
調節金具もこれら伝動機に必要であり、偏心輪または偏
心的に周囲に延在する領域が、回転軸線3に対して回転
する。この回転可能に駆動できる偏心輪4は、一方の金
具部1内における外側の回転軸受5aを介して支承され
ており、および他方の金具部2内において外側の回転軸
受5aに対して偏心的な内側の回転軸受部6aを介して
支承されている。有歯部1aまたは2aは、金具部1ま
たは2と共に一体的に形成されて構成されており、通
常、精密切断方法(Feinschneidverfahren)において、
それぞれ金属薄板部材から打出し加工(herausgearbeit
en)される。これら両方の有歯部1aおよび2aは、異
なる歯数、および異なる直径を有している。有歯部1a
は、有歯部2aよりも小さい直径および少ない歯数を有
している。偏心輪の旋回は、金具部2の旋回のために、
回転軸線3を中心として金具部1に対しておこなう。こ
の偏心輪4は、両方の有歯部1aおよび2aが、偏心輪
頂点の状態に対して半径方向にあるその領域において互
いに係合の状態にあることを保証する。その他の領域に
おいて、両方の噛み合う有歯部の歯は、多少とも遠く離
れ離れに移動される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の側からの回転0軸線方向における調節
金具の正面図である。
【図2】 反対の位置にある側から見た、回転軸線方向
における、図1による調節金具の正面図である。
【図3】 図2による、面III−IIIに沿った断面
図である。
【図4】 図3による、面IV−IVに沿った断面図で
ある。
【符号の説明】
1、2 金具部 1a、2a 有歯部 2b 収容開口部 3 回転軸線 4 偏心輪 4a 偏心輪セグメント 4b、4c くさびセグメント 4d 内径 4e、4f 当接面(端面) 4g、4h 端面 4i、4k 収容穿孔 5 軸受リング 5a 回転軸受 6 軸受スリーブ 6a 回転軸受部 6b 環円筒形の外側面 7 ばね 7a 円形に湾曲された領域 7b 内側へ湾曲された領域 7c 直角に折り曲げられた端部領域 8 ピボット領域 8a 連行開口部 9 ディスク領域 10 固定部材
フロントページの続き Fターム(参考) 3B087 BD03 3B099 AA05 BA04 CA05 CA20 CA31 CB06

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車座席用の調節金具、特に自動車座
    席の背当部用の傾斜調節金具であって、この調節金具に
    おいて、固定した座部領域に所属する固定した金具部
    (1)、および、可動の背当部に所属する回転位置調節
    可能な金具部(2)が回転軸線(3)を中心として回転
    可能に駆動可能な偏心輪(4)を介して結合されてお
    り、この偏心輪が一方の金具部(1)内における外側の
    回転軸受(5a)を介して、および他方の金具部(2)
    内において外側の回転軸受(5a)に対して偏心的な内
    側の回転軸受部(6a)を介して支承されており、且つ
    両方の金具部(1;2)が揺動伝動機構の部分を形成す
    る有歯部(1a;2a)を有し、これら有歯部が偏心輪
    頂点の状態に対して半径方向に互いに係合の状態にあ
    り、その際、外側の回転軸受(5a)において支承する
    偏心領域が駆動される偏心領域と一体的な偏心輪セグメ
    ント(4a)および外周において補完するくさびセグメ
    ント(4b;4c)によって形成されており、これらく
    さびセグメントがばね(7)の予負荷の状態にあり且つ
    このばね(7)によって偏心輪(4)が駆動されない場
    合、拡大された偏心領域を形成するために半径方向に外
    側へ予負荷されており、並びに偏心輪(4)が駆動され
    る場合、縮小された偏心領域が形成し、その際、この内
    径(4d)から外側へ指向する当接面(4e;4f)を
    有する偏心輪セグメント(4a)が、この偏心輪(4)
    の回転においてくさびセグメントの幅の狭い端面(4
    g;4h)に当接するために形成されている様式の上記
    調節金具において、このくさびセグメント(4b;4
    c)が、半径方向に重なり合って形成されており、且つ
    そのくさびセグメントの厚さが逆方向に増大し、その
    際、それぞれのくさびセグメント(4b;4c)のそれ
    ぞれ一方の比較的に細い端面(4g;4h)が、偏心輪
    セグメント(4a)の当接面(4e;4f)に向けて相
    対しているそれぞれ他方のくさびセグメントの端面を越
    えて突出しており、且つ、この内側のくさびセグメント
    (4b)が内側の環状リング軸受面上で、およびこの外
    側のくさびセグメント(4c)が外側の偏心的な回転軸
    受(5a)の軸受面上で回転可能であることを特徴とす
    る調節金具。
  2. 【請求項2】 ばね(7)は、回転軸線を囲繞する脚形
    状(Schenkelfeder)ばねであり、この脚形ばねが円形
    に湾曲された領域(7a)を有し、この円形に湾曲され
    た領域が偏心輪(4)の回転面に対して平行に指向する
    面内において延在しており、且つこの円形に湾曲された
    領域と連結する先ず第1に内側へ湾曲された領域(7
    b)、および引続いて回転軸線に対して平行に、直角に
    折り曲がった端部領域を有し、これら直角に折り曲がっ
    た端部領域(7c)がくさびセグメント(4b;4c)
    のそれぞれの収容穿孔(4i;4k)内に係合すること
    を特徴とする請求項1に記載の調節金具。
  3. 【請求項3】 偏心輪セグメント(4a)は、ピボット
    領域(8)と一体的に形成されており、このピボット領
    域が内側の回転軸受部(6a)内において回転可能に支
    承されていることを特徴とする請求項1または2に記載
    の調節金具。
  4. 【請求項4】 ピボット領域(8)が、非円形の中央の
    連行開口部(8a)によって貫通されていることを特徴
    とする請求項1から3のいずれか一つまたは複数に記載
    の調節金具。
  5. 【請求項5】 内側の回転軸受部(6a)は、軸受スリ
    ーブ(6)の内側穿孔によって形成されており、この軸
    受スリーブがこの軸受スリーブの長手の部分によって金
    具部(2)の収容開口部(2b)内に固着されており、
    且つこの軸受スリーブの長手の他の部分によって、内側
    のくさびセグメント(4b)のための環円筒形の軸受領
    域を外側で形成していることを特徴とする請求項1から
    4のいずれか一つまたは複数に記載の調節金具。
  6. 【請求項6】 偏心輪セグメント(4a)、ピボット領
    域(8)、および偏心輪セグメント(4a)に対して隣
    接して設けられピボット領域(8)に対して垂直方向に
    延在しているディスク領域(9)が、一体的に形成され
    ていることを特徴とする請求項1から5のいずれか一つ
    または複数に記載の調節金具。
  7. 【請求項7】 内側の回転軸受部(6a)を貫通係合す
    るピボット領域(8)が、固定部材(10)によって、
    ピボット領域(8)から貫通する軸受スリーブ(6)に
    対して回転軸線(3)の方向で固着されていることを特
    徴とする請求項1から6のいずれか一つまたは複数に記
    載の調節金具。
  8. 【請求項8】 外側の回転軸受(5a)が、金具部と強
    固に結合された外側の軸受リング(5)によって形成さ
    れることを特徴とする請求項1から7のいずれか一つま
    たは複数に記載の調節金具。
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