JP2008206925A - 連結装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】連結装置としてのリクライニング装置4は内歯部材10と外歯部材20とを有する。押動部材50を軸回動操作することにより、クサビ部材30A,30Bが押動されて食い込み状態から外されると共に、クサビ部材30A,30Bの外周縁側に配設された三日月状のガイド部材80によって外歯部材20の外歯車21が押動されて公転運動する。ガイド部材80は、外歯車21に形成された貫通孔22の内周面と内歯車11に形成された筒部12の外周面との間に形成される隙間形状の実質的な広狭関係を逆転させる部材として設けられており、クサビ部材30A,30Bの食い込みの圧力角変化を小さく抑える作用をする。
【選択図】図1
Description
具体的には、リクライニング装置は、シートバックの骨格フレームとシートクッションの骨格フレームとを互いに連結するかたちで設けられている。このリクライニング装置は、内歯車を一体的に有した板形状の内歯部材と、この内歯車に噛合状態で設けられる外歯車を一体的に有した板形状の外歯部材と、を有する。これら内歯部材や外歯部材は、上記した各骨格フレームに対してそれぞれ剛結合されている。そして、これら内歯部材や外歯部材は、互いに板厚方向には離間移動しないように挟持された構成となっており、それらの噛合構造によって外歯車を内歯車の内周面に沿って公転運動させられるようになっている。ここで、外歯車は、内歯車よりも小径に形成されており、内歯車よりも少ない歯数で構成されている。したがって、外歯車を内歯車の内部で公転運動させることにより、その歯数差によって、シートバックをシートクッションに対して相対的に傾動させることができる。
この外歯車の公転運動は、その中心部に形成された貫通孔の内周面と内歯車の中心部から円筒状に突出形成された筒部の外周面との間の隙間に配設された一対のクサビ部材を円周方向に押動操作することによって行われる。これらクサビ部材は、常時はそれらの間に掛着されたばね部材によって、外歯車を内歯車の内周面に押し付けるように上記の隙間に食い込んだ姿勢状態として保持されている。そして、クサビ部材は、リクライニング装置の中心部に挿通された操作用の押動部材を軸回動させる動きに伴って、その一方が食い込み状態を外す方向に押し回されるようになっている。ここで、外歯車は、内歯車の内周面に沿って公転運動する構成であるため、その中心軸は、内歯車の中心軸から偏心した配置関係となっている。したがって、外歯車は、クサビ部材の一方が円周方向に押し回される動きに伴って、回転カムに内側から押出し力を受ける如く円周方向に順に内側からの押出し力を受けながら内歯車の内周面に沿って公転運動していく。このクサビ部材は、その円周方向に押し回される動きが止まることにより、ばね部材の附勢力によって、上記の隙間に食い込んだ姿勢状態に戻されて保持される。
先ず、第1の発明は、互いに相対回動可能に配設された2つの回動部材の間に位置してこれらを連結する連結装置であり、内歯部材と外歯部材とを有する。内歯部材は、2つの回動部材のうちの一方と連結され、円筒状に突出形成された内歯車を一体的に有する。外歯部材は、2つの回動部材のうちの他方と連結され、内歯部材に形成された内歯車に噛合状態で設けられる円筒状に突出形成された外歯車を一体的に有する。外歯部材に形成された外歯車は、内歯車に形成された内歯車よりも小径で、かつ、互いに異なる歯数に形成されており、外歯車を噛合状態の内歯車の内歯面に沿って相対的に公転運動させることにより、両歯車の歯数差によって2つの回動部材が相対的に回動運動する構成となっている。外歯車の中心部には、軸方向に貫通した貫通孔が形成されている。内歯車の中心部には、外歯車に形成された貫通孔内に挿通される円筒状の筒部が突出形成されている。外歯車に形成された貫通孔と内歯車に形成された筒部とは、両歯車の噛合構造によって互いが偏心した配置関係とされている。貫通孔の内周面と筒部の外周面との間の偏った隙間形状の内部には、その軸対称の位置に一対のクサビ部材が配設されている。一対のクサビ部材は、常時はこれらに掛着された附勢部材の附勢力によって、それぞれが偏った隙間形状に挟み込み状に食い込んで外歯車の外歯面を内歯車の内歯面に押し付けた状態として保持されている。そして、この附勢に抗してクサビ部材の一方を操作用の押動部材の軸回動操作によって隙間形状の内部を円周方向に押動操作することにより、この押動された一方のクサビ部材が食い込み状態から外される動きによって両クサビ部材が食い込み状態から外される。そして、これと共に、外歯車が貫通孔の内周面側から円周方向に順に押動されて内歯車の内歯面に沿って相対的に公転運動するようになっている。両歯車の間に形成された円周方向に偏った隙間形状の内部には、その広くなっている隙間形状の外周縁側に設置されて実質的な隙間形状の広狭関係を逆転させることのできるガイド部材が配設されている。一対のクサビ部材は、このガイド部材の設置によって形成された隙間形状の狭くなる部分に挟み込み状に食い込むことにより、ガイド部材を介して外歯車の外歯面を内歯車の内歯面に押し付ける構成となっている。そして、このガイド部材の設置により、この内周面に沿って円周方向に摺動する一対のクサビ部材の回動の中心位置と外歯車の中心位置との間に、内歯車の中心位置が配置されるようになっている。
この第1の発明によれば、外歯車に形成された貫通孔と内歯車に形成された筒部との間の隙間内に配設された一対のクサビ部材は、常時は、附勢部材の附勢力によってこの隙間形状に食い込んだ状態として保持される。詳しくは、一対のクサビ部材は、ガイド部材の設置によって広狭関係が逆転して形成された隙間形状のうち狭くなる部分に挟み込み状に食い込んだ状態となる。このとき、両クサビ部材は、ガイド部材の内周面に沿って円周方向に移動案内されているため、その回動の中心位置が外歯車の中心位置から離間して内歯車の中心位置を超えた位置に配置される。これにより、ガイド部材が設置されていない構成、すなわち両クサビ部材がその食い込み時に貫通孔の内周面に沿って円周方向に移動案内される構成と比べると、両クサビ部材の回動の中心位置は、両クサビ部材と内歯車との接点から遠ざかる方向に移される。したがって、内歯車と外歯車との中心間距離が変化するばらつきに対して、両クサビ部材の食い込みの圧力角の変化が小さく抑えられるようになる。
この第2の発明によれば、ガイド部材の内周面が両クサビ部材の外周面の曲面形状に沿った形状となっているため、両クサビ部材は、ガイド部材の内周面形状に沿って滑らかに摺動する。
この第3の発明によれば、連結装置は、車両用シートのシートバックの背凭れ角度を調整するためのリクライニング装置として機能する。
先ず、第1の発明によれば、ガイド部材の設置によってクサビ部材の回動の中心位置を外歯車の中心位置から離間させて内歯車の中心位置を超えた位置に配置したことにより、内歯車と外歯車との中心間距離が変化するばらつきに対してクサビ部材の圧力角変化を小さく抑えられるようにすることができる。
更に、第2の発明によれば、ガイド部材の内周面をクサビ部材の外周面に沿った形状に形成したことにより、クサビ部材をガイド部材の内周面に沿ってがたつかせることなく摺動させられるようになり、クサビ部材の食い込み状態をより安定させることができる。
更に、第3の発明によれば、上記構成の連結装置を車両用シートのリクライニング装置に適用したことにより、シートバックの背凭れ角度の調整を円滑に、かつ安定して行うことができる。
このリクライニング装置4,4の作動状態の切換えは、これらの内部に挿通された操作軸60,60を軸回動させる動きによって行われる。これら操作軸60,60は、車両用シート1の内部に配設された図示しない電動モータと連結されており、電動モータからの駆動力を受けることで左右で同期した軸回動操作が行われるようになっている。この電動モータは、例えば車両用シート1の側部位置に配設されたスイッチ(図示省略)の切換え操作を行うことにより、ON/OFFの切換えや正転・逆転の切換えが行われるようになっている。
ここで、各リクライニング装置4,4は、操作軸60,60が軸回動操作される前の常時は、シートバック2の傾き角度を維持した状態となっている。そして、リクライニング装置4,4は、電動モータによって操作軸60,60が軸回動操作されることにより、その動きに連動してシートバック2の背凭れ角度を変動させるように作動する。
このリクライニング装置4の構成部品は、図1において詳しく表されている。すなわち、リクライニング装置4は、内歯部材10と、外歯部材20と、一対のクサビ部材30A,30Bと、バネ部材40と、押動部材50と、操作軸60と、外周リング70と、ガイド部材80と、が1つに組み付けられて構成されている。これら各部品は、金属製の部材によって形成されている。そして、これら各部品は、内歯部材10に外歯部材20を組み付ける組み付け方向に従って、同図に示されている順に一方向にセットしていくことにより、組み付けられるようになっている。ここで、バネ部材40が本発明の附勢部材に相当する。
以下、上記各部品の構成について詳しく説明する。
この内歯部材10は、その円板形状の外周縁部位が板圧方向(軸方向)への半抜き加工によって円筒状に突出した形状に形成されている。そして、この円筒状に突出した部位の内周面には、内歯11aが形成されている。これにより、内歯部材10の外周縁部位が円筒状に突出した内歯車11として形成されている。
そして、内歯部材10の円板形状の中心部には、外歯車21と同じ板厚方向に突出した円筒形状の筒部12が形成されている。この筒部12の筒内は、円形状に貫通した挿通孔12aとして形成されている。この筒部12の軸芯は、内歯車11の中心11rと同芯となっている。
この内歯部材10は、図3に示されるように、その外板面をシートバック2の骨格を成すバックフレーム2fの板面と接合させることにより、シートバック2と一体的に連結されている。ここで、内歯部材10の外板面には、その円周方向の複数箇所にダボ13aやDダボ13bが突出形成されている。このDダボ13bは、その突出形状の一部が断面D字状に切り欠かれた形状に形成されており、円筒形状に突出したダボ13aとは形状が区別されるようになっている。一方、バックフレーム2fには、これらダボ13aやDダボ13bを嵌合させることのできるダボ孔2aやDダボ孔2bが貫通形成されている。したがって、これらダボ13aやDダボ13bを、バックフレーム2fに形成されたダボ孔2aやDダボ孔2bに嵌合させた状態で両板面を溶着して接合することにより、内歯部材10とバックフレーム2fとが強固に一体的に連結されている。
なお、バックフレーム2fには、内歯部材10に形成された挿通孔12aと同芯上の位置に挿通孔2cが貫通形成されている。ここで、バックフレーム2fが本発明の2つの回動部材のうちの一方に相当する。
この外歯部材20は、内歯部材10とは逆に、その円板形状の外周縁部位を残した中心側の部位が板厚方向(軸方向)への半抜き加工によって円筒状に突出した形状に形成されている。そして、この円筒状に突出した部位の外周面には、外歯21aが形成されている。これにより、外歯部材20の中心側の部位が円筒状に突出した外歯車21として形成されている。
そして、外歯部材20の円板形状の中心部には、円形状に貫通した貫通孔22が形成されている。この貫通孔22は、前述した内歯部材10に形成された筒部12の外径よりも大きく形成されている。この貫通孔22の軸芯は、外歯車21の中心21rと同芯となっている。
この外歯部材20は、図3に示されるように、その外板面をシートクッション3の骨格を成すクッションフレーム3fの板面と接合させることにより、シートクッション3と一体的に連結されている。ここで、図1に戻って、外歯部材20の外板面には、その円周方向の複数箇所にダボ23aやDダボ23bが突出形成されている。このDダボ23bは、その突出形状の一部が断面D字状に切り欠かれた形状に形成されており、円筒形状に突出したダボ23aとは形状が区別されるようになっている。一方、図3に示されるように、クッションフレーム3fには、これらダボ23aやDダボ23bを嵌合させることのできるダボ孔3aやDダボ孔3bが貫通形成されている。したがって、これらダボ23aやDダボ23bを、クッションフレーム3fに形成されたダボ孔3aやDダボ孔3bに嵌合させた状態で両板面を溶着して接合することにより、外歯部材20とクッションフレーム3fとが強固に一体的に連結されている。
なお、クッションフレーム3fには、前述した内歯部材10に形成された挿通孔12aと同芯上の位置に挿通孔3cが貫通形成されている。ここで、クッションフレーム3fが本発明の2つの回動部材のうちの他方に相当する。
詳しくは、外歯部材20は、図5に示されるように、外歯車21の外周面に形成された外歯21aを、内歯部材10の内歯車11の内周面に形成された内歯11aと噛合させた状態として組み付けられる。したがって、この組付け状態では、両歯車部材の噛合構造によって、外歯車21の中心21rと内歯車11の中心11rとが互いに偏心した配置関係とされている。
したがって、外歯車21を噛合状態の内歯車11の内周面(内歯面)に沿って相対的に公転運動させることにより、上述した歯数差によって、外歯部材20と内歯部材10との相対的な回動位置関係が変動していく。例えば、外歯車21が内歯車11の内周面に沿って反時計回り方向に回動(自転)しながら時計回り方向に公転する相対運動が行われることにより、外歯部材20の内歯部材10に対する相対的な回動位置関係は、図示反時計回り方向に変動していく。なお、実際には、外歯部材20がクッションフレーム3fに連結されて、内歯部材10がバックフレーム2fに連結されているため、内歯部材10が外歯部材20に対して相対的に図示時計回り方向に回動するかたちとなる。
したがって、上記のように外歯車21を内歯車11の内周面に沿って相対的に公転運動させることにより、図2に示されるように、シートバック2のシートクッション3に対する背凭れ角度の調整が行えるようになっている。
これらクサビ部材30A,30Bは、常時はこれらに掛着された開リング状のバネ部材40の附勢力によって、それぞれが上記の狭くなる隙間形状に挟み込み状に食い込んだ状態に保持されている。これにより、外歯部材20は、その貫通孔22の内周面から両クサビ部材30A,30Bの食い込みによる押圧力を受け、外歯車21が内歯車11の内周面(内歯面)に押し付けられた状態としてその公転運動が押し止められた状態に保持される。詳しくは、クサビ部材30A,30Bは、上記の隙間形状に食い込むことにより、筒部12における図示上方側の外周面部とガイド部材80の内周面部との間に食い込み力を作用させる。これにより、外歯車21がガイド部材80を介して筒部12(内歯車11)に対して図示上方側に押圧され、両歯(外歯21a及び内歯11a)がガタツキ(バックラッシ)のない状態に噛合された状態として保持される。
そして、クサビ部材30A,30Bは、押動部材50の軸回動操作が止まることにより、再びバネ部材40の附勢力によって狭くなる隙間形状に挟み込み状に食い込んだ状態となる。すなわち、外歯部材20は、押動部材50が軸回動操作される動きによって公転運動し、押動部材50の軸回動操作が止まることによって公転運動が押し止められてその状態に保持されるようになっている。
そして、押動部材50の図示下方側の外周縁部位には、筒部51と同じ板厚方向(軸方向)に突出した扇形状の押部52A,52Bが、互いに円周方向に間を空けた軸対称の位置に形成されている。
この押動部材50は、図1を参照して分かるように、筒部51を内歯部材10に形成された筒部12の挿通孔12a内に緩嵌合させるように挿し込むことにより、これに回動可能に軸支された状態として組み付けられる。なお、この押動部材50の組付け状態は、図4においてよく表されている。
したがって、図5に示されるように、クサビ部材30A,30Bが食い込み状態となっている状態で、例えば押動部材50が図示時計回り方向に回動操作されると、図示右側のクサビ部材30Bが、押動部材50に形成された押部52Bの端面に押動されて同方向に押動される。これにより、クサビ部材30B(及びクサビ部材30A)が食い込み状態から外される。そして、この状態で押動部材50の同方向への軸回動操作が続けて行われることにより、押部52Aが後述するガイド部材80を円周方向に押し回し、ガイド部材80を介して外歯車21を公転運動させる。
この外周リング70は、その内周縁側の部位面が、内歯部材10の外板面の外周縁側の部位面に当て交われる内歯側保持面71として形成されている。そして、外周リング70の外周縁側の部位面は、図4に示されるように、外歯部材20の外板面の外周縁側の部位面に当て交われるようにカシメられる外歯側保持面72として形成されている。
したがって、この外周リング70を、内歯部材10と外歯部材20とを組付けた状態で、これらを挟み込むようにしてカシメ固定することにより、これらが板圧方向に離間移動しないように挟持された状態として保持される。
このガイド部材80の外周面部は、貫通孔22の内周面の曲面形状に沿って円弧状に湾曲した形状に形成されている。そして、ガイド部材80の内周面部は、両クサビ部材30A,30Bの外周面の曲面形状に沿って円弧状に湾曲した形状に形成されている。詳しくは、ガイド部材80の内周面部の湾曲形状は、その外周面部の曲率、すなわち貫通孔22の内周面の曲率よりも緩やかに形成されている。これにより、図5に示されるように、ガイド部材80の内周面部に沿って円周方向に摺動するクサビ部材30A,30Bの回動の中心30rが、外歯車21の中心21rから離間して、内歯車11の中心11rを超えた図示下方側の位置に配置されるようになっている。
ここで、図7には、図5において前述した外歯車21の中心21rと、内歯車11(筒部12)の中心11rと、クサビ部材30A,30Bの回動の中心30rと、クサビ部材30A,30Bが筒部12(内歯車11)に食い込み力を作用させる接点P1と、の関係が模式的に示されている。同図に示されるように、クサビ部材30A,30Bがガイド部材80の内周面部に沿って摺動し筒部12の外周面部に対して接点P1で接触して食い込み状態となる際の圧力角R1は、中心11rと接点P1とを結ぶ線分と、中心30rと接点P1とを結ぶ線分と、の成す角として得られる。この圧力角は、その値が大きくなり過ぎるとクサビ部材30A,30Bが食い込み状態から抜け易くなってしまい、逆に小さくなり過ぎるとクサビ部材30A,30Bが食い付いて抜け難くなってしまう。本実施例では、この圧力角R1は7.6度に設定されている。そして、このときの外歯車21の中心21rと筒部12(内歯車11)の中心11rとの中心間距離D1は、1.3mmに設定されている。
すなわち、先ず、筒部12(内歯車11)の中心11rが外歯車21の中心21rから相対的に離間するばらつきが発生すると、前述したガイド部材80の設置されている側の狭くなる隙間形状が広げられる。このため、クサビ部材30A,30Bが筒部12(内歯車11)に食い込み力を作用させる接点P2は、同図に示される位置に移動する。これにより、外歯車21の中心21rと筒部12(内歯車11)の中心11rとの中心間距離D2が1.6mmとなる変化に対して、圧力角R2は8.3度に変化する。
次に、筒部12(内歯車11)の中心11rが外歯車21の中心21rに向けて相対的に接近するばらつきが発生すると、前述したガイド部材80の設置されている側の狭くなる隙間形状が更に狭められる。このため、クサビ部材30A,30Bが筒部12(内歯車11)に食い込み力を作用させる接点P3は、同図に示される位置に移動する。これにより、外歯車21の中心21rと筒部12(内歯車11)の中心11rとの中心間距離D3が1.2mmとなる変化に対して、圧力角R3は7.1度に変化する。
このように、本実施例の構成では、筒部12(内歯車11)の中心11rと外歯車21の中心21rとの中心間距離が変化するばらつきが発生しても、クサビ部材30A,30Bの圧力角の変化量が少なく済むようになっている。
そして、図6に示されるように、ガイド部材80は、押動部材50が図示時計回り方向に操作されることにより、両クサビ部材30A,30Bの食い込み状態が外された後に、押部52Aによって同方向に押圧される。これにより、ガイド部材80は、その円弧状に形成された外周面を外歯車21に形成された貫通孔22の内周面上を摺動させながら、この内周面を押圧して外歯車21を公転運動させる。
すなわち、図5に示されるように、リクライニング装置4は、操作軸60の軸回動操作が行われる前の常時は、各クサビ部材30A,30Bの食い込み力によって、外歯車21の公転運動が押し止められた状態に保持されている。したがって、この状態では、図2に示されるように、シートバック2の背凭れ角度が維持された状態として保持される。
そして、図6に示されるように、操作軸60が例えば図示時計回り方向に軸回動操作されることにより、図示右側のクサビ部材30Bが押動されて食い込み状態から外されると共に、この動きによって左側のクサビ部材30Aも食い込み状態から外される。そして、この動きと共に、外歯車21がその内側から押圧されることで内歯車11の内周面(内歯面)に沿って相対的に公転運動していくため、図2に示されるように、この動きによってシートバック2の背凭れ角度の調整が行われる。
そして、操作軸60の軸回動操作が止まることにより、各クサビ部材30A,30Bが再び狭い隙間形状に食い込んだ状態となるため、外歯車21の公転運動が再び押し止められた状態となって、シートバック2の背凭れ角度がその調整された位置に保持される。
更に、ガイド部材80の内周面をクサビ部材30A,30Bの外周面に沿った形状に形成したことにより、クサビ部材30A,30Bをガイド部材80の内周面に沿ってがたつかせることなく摺動させられるようになり、クサビ部材30A,30Bの食い込み状態をより安定させることができる。
例えば、上記実施例では、本発明の連結装置をリクライニング装置として採用した例を示したが、他の連結装置に採用することもできる。すなわち、互いに相対回動可能に配設された2つの回動部材の間に位置してこれらを連結するリクライニング装置以外の連結装置としても採用することができる。
また、外歯車が内歯車よりも歯数が多く形成されていても良い。この場合には、外歯車の相対的な公転に伴って外歯部材は内歯部材に対して上記実施例で示した方向とは逆方向に相対回動する。
また、クサビ部材を食い込み方向に附勢する附勢部材としてバネ部材を示したが、ゴム部材等の他の弾性附勢力を発揮する部材を適用することもできる。
また、上記実施例では、7.1〜8.3度の範囲内で圧力角度の設定をした例を示したが、ガイド部材やクサビ部材の形状を変更することにより、圧力角度を自由に設定することができる。しかし、圧力角度を大きくした場合には、連結装置に大荷重がかかった時に、クサビ部材が解除方向に移動し易くなり、圧力角度を小さくした場合には、クサビ部材の解除荷重が大きくなることに留意しなければならない。
2 シートバック
2f バックフレーム(2つの回動部材のうちの一方)
2a ダボ孔
2b Dダボ孔
2c 挿通孔
3 シートクッション
3f クッションフレーム(2つの回動部材のうちの他方)
3a ダボ孔
3b Dダボ孔
3c 挿通孔
4 リクライニング装置(連結装置)
10 内歯部材
11 内歯車
11a 内歯
11r 中心
12 筒部
12a 挿通孔
13a ダボ
13b Dダボ
20 外歯部材
21 外歯車
21a 外歯
21r 中心
22 貫通孔
23a ダボ
23b Dダボ
30A,30B クサビ部材
31a,31b バネ掛孔
32a,32b 凹部
30r 回動の中心
40 バネ部材(附勢部材)
41A,41B 掛部
50 押動部材
51 筒部
51a 嵌合孔
52A,52B 押部
60 操作軸
70 外周リング
71 内歯側保持面
72 外歯側保持面
80 ガイド部材
81 凹部
R1,R2,R3 圧力角
P1,P2,R3 接点
T1,T2,T3 中心間距離
Claims (3)
- 互いに相対回動可能に配設された2つの回動部材の間に位置してこれらを連結する連結装置であって、
前記2つの回動部材のうちの一方と連結され、円筒状に突出形成された内歯車を一体的に有する内歯部材と、
該内歯部材に形成された内歯車に噛合状態で設けられる円筒状に突出形成された外歯車を一体的に有し、前記2つの回動部材のうちの他方と連結される外歯部材と、を有し、
前記外歯部材に形成された外歯車は、前記内歯車に形成された内歯車よりも小径で、かつ、互いに異なる歯数に形成されており、該外歯車を噛合状態の内歯車の内歯面に沿って相対的に公転運動させることにより、両歯車の歯数差によって前記2つの回動部材が相対的に回動運動する構成となっており、
前記外歯車の中心部には軸方向に貫通した貫通孔が形成されており、前記内歯車の中心部には前記外歯車に形成された貫通孔内に挿通される円筒状の筒部が突出形成されており、該外歯車に形成された貫通孔と内歯車に形成された筒部とは両歯車の噛合構造によって互いが偏心した配置関係とされており、該貫通孔の内周面と筒部の外周面との間の偏った隙間形状の内部にはその軸対称の位置に一対のクサビ部材が配設されており、
該一対のクサビ部材は、常時はこれらに掛着された附勢部材の附勢力によってそれぞれが前記偏った隙間形状に挟み込み状に食い込んで前記外歯車の外歯面を内歯車の内歯面に押し付けた状態として保持されており、該附勢に抗してクサビ部材の一方を操作用の押動部材の軸回動操作によって隙間形状の内部を円周方向に押動操作することにより該押動された一方のクサビ部材が食い込み状態から外される動きによって両クサビ部材が食い込み状態から外されると共に前記外歯車が貫通孔の内周面側から円周方向に順に押動されて前記内歯車の内歯面に沿って相対的に公転運動するようになっており、
前記両歯車の間に形成された円周方向に偏った隙間形状の内部にはその広くなっている隙間形状の外周縁側に設置されて実質的な隙間形状の広狭関係を逆転させることのできるガイド部材が配設されており、前記一対のクサビ部材は該ガイド部材の設置によって形成された隙間形状の狭くなる部分に挟み込み状に食い込むことにより該ガイド部材を介して前記外歯車の外歯面を内歯車の内歯面に押し付ける構成となっており、該ガイド部材の設置によりこの内周面に沿って円周方向に摺動する一対のクサビ部材の回動の中心位置と前記外歯車の中心位置との間に前記内歯車の中心位置が配置されるようになっていることを特徴とする連結装置。 - 請求項1に記載の連結装置であって、
前記ガイド部材は、その内周面が両クサビ部材の外周面の曲面形状に沿って円弧状に湾曲した形状に形成されていることを特徴とする連結装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の連結装置であって、
該連結装置によって互いに相対回動可能に連結される2つの回動部材は、それぞれ前記車両用シートのシートバック或いはシートクッションの骨格フレームとなっており、
これら両骨格フレームを相対回動させたりその動きを止めたりする動きによって前記シートバックのシートクッションに対する背凭れ角度の調整を行える構成となっていることを特徴とする連結装置。
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