WO2015083577A1

WO2015083577A1 - 減速装置及びシート駆動装置

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Publication number: WO2015083577A1
Application number: PCT/JP2014/081038
Authority: WO
Inventors: 定夫伊東
Original assignee: アイシン精機株式会社
Priority date: 2013-12-03
Filing date: 2014-11-25
Publication date: 2015-06-11
Also published as: JP2015108381A; JP6232983B2; US10144313B2; CN205780617U; US20180154802A1

Abstract

　減速装置は歯数の異なる第１及び第２歯車を備える。カム機構は、第１歯車と同軸に配置され、第１歯車を第２歯車に偏心状態で噛合させるとともに、駆動トルクの入力により第１歯車と前記第２歯車との間の噛合位置を移動させる。連結軸は、第１歯車と同軸に配置され、カム機構に連結されている。回転体は、第２歯車と同軸に配置され、連結軸に連結されている。回転体の長孔内に連結軸が挿入されるとき、第１歯車と第２歯車との間の偏心量に相当する偏心位置において回転体は連結軸に連結される。長孔の長径は、長孔の長手方向に沿った回転体と連結軸との相対移動を許容するように設定される。

Description

減速装置及びシート駆動装置

　本発明は、減速装置及びシート駆動装置に関する。

　従来では、減速装置は、入力される駆動トルクに基づいて第１歯車と第２歯車との間の噛合位置を移動させることが可能なカム機構を備える場合がある。第１歯車の歯数は第２歯車の歯数と異なる。内歯歯車及び外歯歯車の一方が第１歯車であり、他方は第２歯車である。カム機構は、第１歯車と同軸に配置され、第１歯車に回転可能に支持される。カム機構は、当該第１歯車を第２歯車に偏心状態で噛合させるとともに、入力される駆動トルクに基づいて第１歯車と第２歯車との間の噛合位置を移動させることが可能である。

　このような減速装置は、その第１歯車と第２歯車との間の噛合位置が移動する際、これらの第１歯車及び第２歯車が相対回転することを利用して、そのカム機構に入力される駆動回転を高い減速比で減速することができる。例えば、特許文献１に記載のシート駆動装置は、このような減速装置をシートクッションとシートバックとの間に介在させることにより、そのシートバックの傾倒角度を調整可能なリクライニング装置として機能させる。

　具体的には、このシート駆動装置において、リクライニング装置を形成する減速装置は、例えば、その第１歯車である内歯歯車を備える第１部材がシートバック側に固定され、第２歯車である外歯歯車を備える第２部材がシートクッション側に固定される。また、このようなリクライニング装置は、多くの場合、そのシートバックの幅方向各側に設けられる。これら二つのリクライニング装置では、シート幅方向に延びる連結軸によって、その内歯歯車（第１歯車）と同軸に設けられたカム機構同士の間が連結される。

　また、この従来のシート駆動装置は、駆動源であるモータの回転を減速して出力するアクチュエータ装置を備えている。例えば、このアクチュエータ装置は、シートクッションの側方に固定されており、その減速ギヤは上記リクライニング装置を形成する減速装置の外歯歯車（第２歯車）と同軸に配置される。この減速ギヤには、その回転中心から離間した偏心位置に、上記連結軸に対する連結孔が設けられている。

　即ち、各リクライニング装置を形成する減速装置は、その第１歯車及び第２歯車のうちの一方を基準とした場合、他方は、見かけ上、両歯車の間に設定された所定の偏心量を有して揺動回転する。

　この点を踏まえ、上記従来のシート駆動装置では、予め、上記偏心量に相当する所定の偏心位置に連結孔が形成されており、上記連結軸は駆動トルクが入力される回転体としての減速ギヤに連結される。これにより、その回転体の回転軸周りに連結軸を周回させることで、簡素な構成にて、円滑に、その回転不能なシートクッション側に設けられたアクチュエータ装置の駆動トルクを、シートバックとともに揺動回転する各リクライニング装置のカム機構に伝達することが可能である。

米国特許出願公開第２０１２／０１１９５５４号明細書

　しかしながら、実際には、その第１歯車と第２歯車との間の偏心量は、必ずしも一定ではない。偏心量は、例えば、減速装置を形成する各部材の製造及び組付における誤差、或いは経年変化による摩耗等を要因として、その構成部材間の相対的な位置関係に応じて変動する。このため、上記従来のシート駆動装置では、その実際の偏心量と減速ギヤの連結孔に設定された偏心位置との間に差異が生ずる可能性がある。これが円滑な動作を妨げるおそれがあることから、この点において、なお改善の余地を残すものとなっていた。

　本発明の目的は、より円滑に動作する減速装置及びシート駆動装置を提供することにある。

　本開示における一態様では、減速装置を提供する。減速装置は、第１の歯数を有する内歯及び外歯のうちの一方を備える第１歯車と、第１の歯数と異なる第２の歯数を有する内歯及び外歯のうちの他方を備える第２歯車と、を備える。減速装置は、前記第１歯車と同軸に配置され、前記第１歯車に回転可能に支持されるカム機構をさらに備える。カム機構は、前記第１歯車を前記第２歯車に偏心状態で噛合させるとともに、駆動トルクの入力により前記第１歯車と前記第２歯車との間の噛合位置を移動させるように構成されている。減速装置は、前記第１歯車と同軸に配置され、前記カム機構に連結されている連結軸と、前記第２歯車と同軸に配置され、前記連結軸に連結された回転体とをさらに備える。該回転体は、前記連結軸を介して前記カム機構に前記駆動トルクを入力可能なように構成されている。前記回転体は、回転中心を通って径方向に延びる長孔を有し、該長孔内に前記連結軸が挿入可能なように構成されている。該長孔内に前記連結軸が挿入されるとき、前記第１歯車と前記第２歯車との間に設定された偏心量に相当する偏心位置において前記回転体は前記連結軸に連結される。前記長孔の長径は、該長孔の長手方向に沿った前記回転体と前記連結軸との相対移動を許容するように設定される。

　別の態様では、前記減速装置を備えるシート駆動装置を提供する。前記減速装置は、二つのシート部材間に介在している。

シート駆動装置の概略構成図。シート駆動装置の斜視図。第１の実施形態におけるシート駆動装置の側面図。第１の実施形態におけるホイールと連結軸との間の連結部分の拡大図。図３ＡにおけるIV－IV線に沿った断面図。リクライニング装置の分解斜視図。リクライニング装置の分解斜視図。リクライニング装置の概略構成を模式的に示す説明図。第１の実施形態におけるシート駆動装置の分解斜視図。第２の実施形態におけるシート駆動装置の分解斜視図。第２の実施形態におけるシート駆動装置の側面図。第２の実施形態におけるホイールと連結軸との間の連結部分の拡大図。第３の実施形態におけるシート駆動装置の分解斜視図。第３の実施形態におけるシート駆動装置の側面図。第３の実施形態におけるホイールと連結軸との間の連結部分の拡大図。

　［第１の実施形態］
　以下、車両用のシート駆動装置に適用される減速装置に関する第１の実施形態を図面に従って説明する。

　図１に示すように、車両用のシート１は、シートクッション２と、シートバック３とを備えている。シートクッション２及びシートバック３はシート部材である。シートバック３は、シートクッション２の後端部に設けられている。車両の床部Ｆには、左右一対のロアレール５が設けられている。各ロアレール５には、当該ロアレール５上を相対移動するアッパレール６が装着されている。シート１は、これらアッパレール６上に支持されている。

　相対移動可能に設けられたこれらのロアレール５及びアッパレール６によってシートスライド装置７が形成されている。車両の乗員は、このシートスライド装置７の機能を利用することにより、車両前後方向におけるシート位置を調整することが可能である。

　シートクッション２とシートバック３との間には、リクライニング装置１０が設けられている。リクライニング装置１０は、シートクッション２に対するシートバック３の相対回動を規制及び許容することが可能である。車両の乗員は、このリクライニング装置１０の機能を利用することにより、そのシートバック３の傾倒角度を調整することが可能である。

　詳述すると、図２及び図３Ａに示すように、シートクッション２の両側方に一対のロアアーム１１が位置しており、各ロアアーム１１の後端部１１ａから上方に支持プレート１２が延びている。シートバック３はシートクッション２の後端部に配置されており、これらの支持プレート１２間に挟まれている。シートバック３の幅方向各側にシートバックフレーム１３が配置されている。リクライニング装置１０は、該シートバックフレーム１３と上記各支持プレート１２との間に介在している。

　さらに詳述すると、図４～図７に示すように、リクライニング装置１０は、内歯歯車１５及び外歯歯車１６と、これらの内歯歯車１５及び外歯歯車１６を偏心状態で噛合させるカム機構１８と、を備えている。内歯歯車１５の歯数は外歯歯車１６の歯数と異なる。これらの構成部材が減速装置２０を形成する。リクライニング装置１０は、減速装置２０の機能を利用することによって、そのシートバック３の傾倒角度を調整可能な所謂タウメル式のリクライニング装置である。

　具体的には、リクライニング装置１０は、内歯側リクライナプレートとしての第１部材２１と、外歯側リクライナプレートとしての第２部材２２と、を備えている。第１部材２１には、第１歯車である上記内歯歯車１５が一体に形成されており、第２部材２２には、第２歯車である上記外歯歯車１６が一体に形成されている。

　これらの第１部材２１及び第２部材２２は、ともに略円板状の外形を有している。これらの第１部材２１及び第２部材２２には、その径方向外側に円環状の保持部材２３が取着されている。以下、第１部材２１及び第２部材２２の径方向を単に径方向と呼ぶ。第１部材２１の対向面２１ｓは、第２部材２２の対向面２２ｓに対向している。第１部材２１及び第２部材２２は相対回転可能に並置されている。第１部材２１の対向面２１ｓには円形凹部２５が設けられている。内歯歯車１５は、円形凹部２５の内周に刻設されている。第２部材２２の対向面２２ｓには円環突部２６が設けられている。外歯歯車１６は、円環突部２６の外周に刻設されている。

　第１部材２１の中心部には、当該第１部材２１を厚み方向（図４中、左右方向）に貫通する円孔２７が設けられている。この円孔２７の周縁部には、円孔２７に連続する円筒状の筒状部２８が設けられている。筒状部２８は、上記円形凹部２５の深さに相当する軸長を有する。更に、第２部材２２の中心部には、当該第２部材２２を厚み方向（同じく、図４中、左右方向）に貫通する円孔３０が設けられている。円孔３０は、上記円環突部２６の内周に連続する。カム機構１８は、その円孔３０内に設けられている。

　さらに詳述すると、第２部材２２の円孔３０内に、略円環状のブッシュ３１が嵌着される。カム機構１８は、略円筒状の筒状部３２ａを有するカム部材３２と、上記ブッシュ３１の内周面３１ｓと上記カム部材３２との間に配置される一対のウェッジ３５と、を備えている。カム部材３２は、上記第１部材２１の円孔２７内に挿入されており、第１部材２１によって支持されている。カム部材３２は、内歯歯車１５と同軸に配置されており、内歯歯車１５に対し回転可能である。

　具体的には、各ウェッジ３５は、湾曲した押圧面３５ｓを有する弧状部材である。上記ブッシュ３１の内周面３１ｓは、外歯歯車１６と同軸に配置され、外歯歯車１６と一体に設けられており、周壁部として機能する。各ウェッジ３５の押圧面３５ｓは、ブッシュ３１の内周面３１ｓに当接可能である。各ウェッジ３５は、互いに対向する周方向端部（近接端部３５ａ）同士が近接する状態において、上記筒状部３２ａの径方向外側、詳しくは当該筒状部３２ａが挿入される第１部材２１の円孔２７の周縁に設けられた筒状部２８の径方向外側に配置される。

　また、カム機構１８は、上記両ウェッジ３５を互いから離間する方向に付勢してブッシュ３１の内周面３１ｓに押し付けるスプリング３６を備えている。このバネ部材としてのスプリング３６は、上記カム部材３２の径方向外側を延びる、すなわち、カム部材３２を迂回する、略リング形状を有している。更に、スプリング３６の一対の端部は、上記のように互いに近接する位置に配置された一対のウェッジ３５の近接端部３５ａに連結されている。前記ブッシュ３１内にウェッジ３５が配置される際、スプリング３６のリング形状が撓められることによって、バネ力（弾性復元力）が生じる。このバネ力に基づいて、カム機構１８は、径方向外側に位置するブッシュ３１の内周面３１ｓに対して、各ウェッジ３５を押し付ける。

　カム部材３２は、上記筒状部３２ａの軸方向一端から筒状部３２ａの径方向外側に延びるフランジ部３２ｂを備えている。このフランジ部３２ｂは、略円板形状を有しており、切欠き部分３８において周縁部の一部が周方向に切り欠かれている。各ウェッジ３５に、規制突部３９を備える。規制突部３９は、切欠き部分３８内に配置されて当該切欠き部分３８の周方向端部に当接することによって、両ウェッジ３５が周方向に互いから離間する動きを制限可能である。カム機構１８では、これにより、そのスプリング３６のバネ力に基づいて、各ウェッジ３５が径方向移動する。

　即ち、押圧部材としての各ウェッジ３５は、上記のように、径方向においてカム部材３２とブッシュ３１の内周面３１ｓとの間に配置されている。カム部材３２は、内歯歯車１５（中心位置Ｎ１）と同軸に設けられており、内周面３１ｓは外歯歯車１６（中心位置Ｎ２）と同軸に設けられている。このため、これらの各ウェッジ３５がブッシュ３１の内周面３１ｓを押圧することによって、第１部材２１と第２部材２２との間には、当該第１部材２１及び第２部材２２を径方向に相対移動させる力が発生する。カム機構１８は、これにより、第１部材２１に設けられた内歯歯車１５と第２部材２２に設けられた外歯歯車１６とを偏心状態で噛合させることが可能である。

　本実施形態では、上記のようにカム部材３２は、その筒に略六角形状の断面を有した連結孔（六角孔）４０を有する。更に、この連結孔４０内には、シート幅方向に延びる連結軸４１が挿入される（図２参照）。尚、この連結軸４１もまた、上記連結孔４０の六角形状に対応する断面形状を有する六角軸である。上記のようにシートバック３の幅方向各側に設けられたリクライニング装置１０のカム機構１８同士は、この連結軸４１を介して連結されている。

　更に、本実施形態では、この連結軸４１を介して、各カム機構１８のカム部材３２に駆動トルクが入力される。カム機構１８では、その入力される駆動トルクに基づいて、第１部材２１に設けられた内歯歯車１５と第２部材２２に設けられた外歯歯車１６との間の噛合位置が移動する。

　即ち、本実施形態のカム機構１８では、上記連結軸４１を中心にカム部材３２を回転させるような駆動トルクがカム部材３２に入力されると、当該カム部材３２の切欠き部分３８内に挿入されたウェッジ３５のうちの第１のウェッジ３５の規制突部３９が上記カム部材３２のフランジ部３２ｂに設けられた切欠き部分３８の周方向端部に押圧される。また、この第１のウェッジ３５を周方向に押圧する力は、スプリング３６を介して第２のウェッジ３５に伝達される。これにより、その各ウェッジ３５及びスプリング３６は、連結軸４１周りに連れ回る態様で、カム部材３２と一体に回転する。

　また、このとき、その各ウェッジ３５を外歯歯車１６と同軸に設けられたブッシュ３１の内周面３１ｓに押し付ける押圧力の方向（押し付け方向）は、カム部材３２の回転中心となる連結軸４１周りに回転する。本実施形態のカム機構１８は、この押し付け方向の変化に基づいて、第１部材２１に設けられた内歯歯車１５と第２部材２２に設けられた外歯歯車１６との間の噛合位置を、そのカム部材３２の回転方向に応じた方向に移動させるように構成されている。

　更に、本実施形態のカム機構１８は、そのカム部材３２が連結軸４１と一体に外歯歯車１６の中心位置Ｎ２（図７参照）周りを周回させるような駆動トルクが入力されたとき、その内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置を移動させるように構成されている。

　即ち、この場合、そのカム部材３２の周回方向に位置する一対のウェッジ３５をブッシュ３１の内周面３１ｓに押し付ける押圧力は、第１のウェッジ３５では強まり、第２のウェッジ３５では弱まる。しかしながら、これら二つのウェッジ３５に生ずる押圧力の間の差異は、当該ウェッジ３５同士を連結するスプリング３６のバネ力に基づいてカム部材３２が連結軸４１を中心に回転することにより解消される。各ウェッジ３５の押し付け方向が変化することで、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置がカム部材３２の周回方向に移動する。

　本実施形態のリクライニング装置１０では、このような連結軸４１を介したカム機構１８に対する駆動トルクの入力と、該駆動トルクの入力により生ずる内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置の変化に基づいて、そのシートバック３の傾倒角度を調整することが可能である。

　即ち、カム機構１８に対する駆動トルクの入力がない場合には、スプリング３６のバネ力に基づき各ウェッジ３５がブッシュ３１の内周面３１ｓを押圧する。これによって、第２部材２２に設けられた外歯歯車１６と、第１部材２１に設けられた内歯歯車１５との間の噛合位置が保持される。本実施形態のリクライニング装置１０では、シートバック３側に固定された第１部材２１とシートクッション２側に固定された第２部材２２との相対回転が規制されることで、そのシートバック３の傾倒角度を保持することが可能である。

　一方、連結軸４１を介してカム機構１８に駆動トルクが入力された場合には、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置が移動する。これによって、内歯歯車１５が設けられた第１部材２１と外歯歯車１６が設けられた第２部材２２との間の相対的な回転位置が変化する。本実施形態のリクライニング装置１０では、これにより、そのシートバック３の傾倒角度を変更することが可能である。

　具体的には、本実施形態では、シートクッション２側に固定された外歯歯車１６は回転不能な固定要素である。このため、図７に参照されるように、シートバック３側に固定された第１部材２１は、その内歯歯車１５（中心位置Ｎ１）と第２部材２２に設けられた外歯歯車１６（中心位置Ｎ２）との間に設定された所定の偏心量δを有して揺動回転する。

　また、このとき、連結軸４１を介してカム機構１８に入力される駆動トルクによる駆動回転は、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の歯数の違い（歯数差）に基づいた減速比で減速される。即ち、これらの内歯歯車１５、外歯歯車１６及びカム機構１８を備えて形成される減速装置２０は、カム機構１８の一回転につき、その歯数差分（例えば、１又は２）に相当する角度ずつ外歯歯車１６に対して内歯歯車１５が相対回転するように構成されている。本実施形態のリクライニング装置１０では、これにより、その入力される駆動トルクが比較的小さな場合であっても、シートバック３の傾倒角度を円滑に変更することが可能である。

　さらに詳述すると、図１及び図２に示すように、本実施形態のシート１には、モータ４５を駆動源とするアクチュエータ装置４６が設けられている。シート駆動装置５０は、このアクチュエータ装置４６が出力する駆動トルクを上記連結軸４１を介してリクライニング装置１０のカム機構１８に伝達することによって、シートバック３の傾倒角度をモータ駆動により調整可能である。

　図４及び図８に示すように、本実施形態のアクチュエータ装置４６は、モータ軸４５ａに連結されており当該モータ軸４５ａと一体に回転するウォーム５１と、このウォーム５１に噛合されるホイール５２と、これらのウォーム５１及びホイール５２を回転自在に収容するケース５３と、を備えている。ケース５３はシートクッション２の側方に配置されており、上記支持プレート１２の外側面１２ａに締結されている。

　尚、本実施形態では、支持部材としてのケース５３は、ウォーム５１の軸線に沿って分割された第１及び第２の収容部材５３ａ，５３ｂを組み付けることにより形成される。また、これら第１及び第２の収容部材５３ａ，５３ｂには、それぞれ、ホイール５２の回転軸５２ａが挿入される円孔５４，５５が形成されている。本実施形態では、ホイール５２はケース５３に収容されており、ケース５３は、ホイール５２を回転自在に軸支することが可能である。

　本実施形態では、上記のようにアクチュエータ装置４６が固定される支持プレート１２には、当該支持プレート１２を厚み方向に貫通する貫通孔５６が形成されている。この貫通孔５６には、各リクライニング装置１０のカム機構１８間を連結する上記連結軸４１の第１の軸端が挿通される。アクチュエータ装置４６は、ホイール５２を接続部として、この貫通孔５６を介して支持プレート１２の外側面１２ａから突出する連結軸４１の第１の軸端に連結されるように構成されている。

　即ち、本実施形態では、アクチュエータ装置４６のホイール５２が、連結軸４１を介して各リクライニング装置１０のカム機構１８に駆動トルクを入力可能な回転体として機能する。本実施形態のシート駆動装置５０は、これにより、そのアクチュエータ装置４６が出力する駆動トルクに基づいて、シートバック３の幅方向各側に設けられたリクライニング装置１０を同期して動作させることが可能である。

　具体的には、本実施形態のアクチュエータ装置４６は、当該支持プレート１２の内側面１２ｂ側に配置されるリクライニング装置１０に対応した位置に配置されるように、支持プレート１２の外側面１２ａに固定されている。詳しくは、アクチュエータ装置４６のホイール５２が、支持プレート１２に固定された第２部材２２の外歯歯車１６と同軸に配置される。本実施形態では、これにより、内歯歯車１５（中心位置Ｎ１）と外歯歯車１６（中心位置Ｎ２）との間に設定された偏心量δに相当する偏心位置Ｐにおいて、そのホイール５２に連結軸４１が連結される。

　即ち、本実施形態では、上記のように連結軸４１に連結されたカム機構１８のカム部材３２は、回転体としてのホイール５２が回転することによって、そのホイール５２と同軸に位置する外歯歯車１６の中心位置Ｎ２周りに周回する。本実施形態のシート駆動装置５０は、これにより、そのホイール５２から連結軸４１を介して各リクライニング装置１０のカム機構１８に伝達される駆動トルクに基づいて、シートクッション２に対するシートバック３の傾倒角度を調整することが可能である。

　さらに詳述すると、図２～図４、及び図８に示すように、本実施形態では、ホイール５２には、当該ホイール５２を厚み方向（図４中、左右方向）に貫通する長孔５７が形成されている。長孔５７は、外歯歯車１６の中心位置Ｎ２と同軸上に配置される回転中心Ｎ３を通って径方向（同図中、上下方向）に延びている。ホイール５２は、この長孔５７内に連結軸４１が挿入されることにより、上記内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の偏心量δに相当する偏心位置Ｐにおいて連結軸４１に連結される。

　具体的には、本実施形態では、長孔５７内には、当該長孔５７内を長手方向移動可能な挿入体（ブッシュ）５８が設けられている。この挿入体５８は、断面略楕円形又はトラック形の軸形状を有している。この挿入体５８には、当該挿入体５８を軸方向に貫通する連結孔５９が形成されている。尚、この連結孔５９もまた、上記カム部材３２に設けられた連結孔４０と同様、連結軸４１の断面形状に対応する略六角形状の断面を有した六角孔である（図５及び図６参照）。本実施形態のホイール５２は、この連結孔５９内に連結軸４１が挿入されることにより、その長孔５７内に配置された挿入体５８を介して連結軸４１に連結される。

　図３Ｂに示すように、長孔５７の短径Ｄ１は、挿入体５８の断面形状、すなわち、略楕円形又はトラック形における短手方向長さＬ１と略等しい値である（Ｄ１≒Ｌ１）。長孔５７の長径Ｄ２は、同じく挿入体５８の断面形状における長手方向長さＬ２よりも長い値である（Ｄ２＞Ｌ２）。本実施形態では、これにより、ホイール５２は、長孔５７の長手方向における相対移動を許容しつつ、トルク伝達可能に連結軸４１に連結される。

　次に、上記のシート駆動装置５０の作用について説明する。
　本実施形態のアクチュエータ装置４６は、駆動源となるモータ４５の回転を、そのウォーム５１及びホイール５２により減速して出力する。連結軸４１は、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の偏心量δに相当する偏心位置Ｐにおいてホイール５２に連結されている。カム機構１８のカム部材３２は、内歯歯車１５と同軸に配置されている。外歯歯車１６はホイール５２と同軸に配置されている。連結軸４１は、上記ホイール５２が回転することによって、カム部材３２と一体に、外歯歯車１６の中心位置Ｎ２周りを周回する。更に、これにより内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置が移動する。外歯歯車１６を有する第２部材２２はシートクッション２に固定されており、一方、内歯歯車１５を有する第１部材２１はシートバック３に固定されている。第２部材２２に対し、第１部材２１が揺動回転する。本実施形態のシート駆動装置５０は、これにより、減速装置２０の減速比に基づいて、シートバック３の傾倒角度を調整することが可能である。

　以上、第１の実施形態によれば、以下のような利点を得ることができる。
　（１）減速装置２０は、シートクッション２とシートバック３との間に介在し、リクライニング装置１０として機能する。減速装置２０は、内歯歯車１５及び外歯歯車１６と、これらの内歯歯車１５（第１歯車）及び外歯歯車１６（第２歯車）を偏心状態で噛合させるカム機構１８と、を備える。内歯歯車１５の歯数は外歯歯車１６の歯数と異なる。この減速装置２０は、連結軸４１と、ホイール５２とを備える。連結軸４１は、カム機構１８に連結されており、内歯歯車１５と同軸に配置される。ホイール５２は、上記内歯歯車１５及び外歯歯車１６の間の噛合位置を移動させる駆動トルクを連結軸４１を介してカム機構１８に入力可能な回転体として機能する。ホイール５２の長孔５７は、外歯歯車１６の中心位置Ｎ２と同軸上に配置される回転中心Ｎ３を通って径方向に延びる。ホイール５２は、当該長孔５７内に連結軸４１が挿入されることにより、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の偏心量δに相当する偏心位置Ｐにおいて連結軸４１と連結される。この長孔５７の長径Ｄ２は、その長手方向に沿ったホイール５２と連結軸４１との相対移動を許容するように設定される。

　このような減速装置２０は、内歯歯車１５及び外歯歯車１６のうちの第１の歯車を基準とした場合、第２の歯車は、見かけ上、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間に設定された所定の偏心量δを有して揺動回転する。連結軸４１は、カム機構１８に連結されており、内歯歯車１５と同軸に配置される。このため、外歯歯車１６が固定要素であることによって、連結軸４１は、外歯歯車１６の中心位置Ｎ２周りを周回する態様で、出力要素となる内歯歯車１５と一体に揺動回転する。

　しかしながら、第１の実施形態では、ホイール５２に設けられた長孔５７内に連結軸４１を挿入することによって、容易に、その内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の偏心量δに相当する偏心位置Ｐにおいてホイール５２を連結軸４１に連結することができる。これにより、外歯歯車１６が固定された側（シートクッション２側）から、効率よく、カム機構１８に対して駆動トルクを伝達することができる。

　更に、長孔５７の長手方向に沿ったホイール５２と連結軸４１との間の相対移動が許容されることで、外歯歯車１６（中心位置Ｎ２）と同軸に設けられたホイール５２（回転中心Ｎ３）に対する連結軸４１の偏心位置Ｐは、その内歯歯車１５及び外歯歯車１６を噛合させるカム機構１８によって自動的に調整される。これにより、製造及び組付における誤差、或いは経年変化による摩耗等により生ずる上記偏心量δの変動を吸収することで、より円滑な動作を確保することができる。

　（２）長孔５７内には、当該長孔５７内を長手方向移動可能な挿入体（ブッシュ）５８が設けられている。ホイール５２は、この挿入体５８を介して連結軸４１に連結される。
　この場合、より円滑に、その長孔５７の長手方向に沿ってホイール５２と連結軸４１とを相対移動させることができる。その結果、より円滑な減速装置２０の動作を確保することができる。

　加えて、挿入体５８に代えて長孔５７内を移動不能な第２の挿入体（アダプタ）を挿入することにより、容易にホイール５２を連結軸４１に対し同軸に連結することが可能という利点がある。即ち、その長孔５７に対する挿入体を交換するだけで、大きな変更を加えることなく、内歯歯車１５が固定された側からカム機構１８に駆動トルクを伝達する構成、つまりは、シートバック３側にアクチュエータ装置が設けられた構成に適用することができる。尚、この場合、アダプタの断面形状における長手方向長さを長孔５７の長径Ｄ２と略等しく設定し、ホイール５２の回転中心Ｎ３に対応する位置にホイール５２を連結軸４１に連結するための連結孔５９を形成するとよい。これにより、駆動源の配置が異なる複数の製品について、部品の共用化を進めることができる。その結果、その製造コストの低減を図ることができる。

　（３）カム機構１８は、カム部材３２と、一対のウェッジ３５と、を備える。カム部材３２は、外歯歯車１６と同軸に配置されており、外歯歯車１６と一体に設けられたブッシュ３１の内周面３１ｓの内側に配置される。すなわち、カム部材３２は、内周面３１ｓに包囲される。一対のウェッジ３５は、このカム部材３２とブッシュ３１の内周面３１ｓとの間に配置される。カム機構１８は、更に、これらの両ウェッジ３５を互いから離間する方向に付勢してブッシュ３１の内周面３１ｓに押し付けるスプリング３６と、を備えている。

　この場合、そのスプリング３６のバネ力に基づいて、内歯歯車１５及び外歯歯車１６を偏心状態で噛合させることができる。そのカム部材３２に入力される駆動トルクに基づいて、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置を移動させることができる。更に、カム機構１８に対する駆動トルクの入力がない場合であっても、そのスプリング３６のバネ力に基づいて、内歯歯車１５と外歯歯車１６との相対的な回転位置を保持することができる。従って、このような構成をリクライニング装置１０に適用することで、エネルギー効率に優れたシート駆動装置５０を形成することができる。

　（４）リクライニング装置１０は、内歯歯車１５を有してシートバック３側に固定される第１部材２１と、外歯歯車１６を有してシートクッション２側に固定される第２部材２２と、を備える。また、シートクッション２の側方には、モータ４５の回転をウォーム５１及びホイール５２により減速して出力するアクチュエータ装置４６が設けられる。このアクチュエータ装置４６は、シートクッション２側の支持プレート１２に固定される外歯歯車１６と同軸に配置され、ホイール５２を回転自在に支持する支持部材としてのケース５３を備える。

　この場合、回転不能な固定要素となる外歯歯車１６が固定されたシートクッション２側から、その内歯歯車１５とともに揺動回転する入力要素としてのカム機構１８に対して、効率よく、駆動トルクを伝達することができる。モータ４５をシートクッション２側に配置することで、その配置自由度が向上する。

　［第２の実施形態］
　以下、車両用のシート駆動装置に適用される減速装置に関する第２の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第１の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

　図９及び図１０Ａ及び１０Ｂに示すように、第２の実施形態のシート駆動装置５０Ｂもまた、上記第１の実施形態におけるシート駆動装置５０と同様、シートクッション２の側方に固定されたアクチュエータ装置４６が出力する駆動トルクに基づいて、そのシートバック３の幅方向各側に設けられたリクライニング装置１０を同期して動作させる。

　ここで、第２の実施形態では、各リクライニング装置１０（のカム機構１８）間を連結する連結軸４１Ｂの第１の軸端には、平行する二平面６０ｓを有した二面幅部６０が形成されている。詳しくは、第１の軸端は、アクチュエータ装置４６が固定される支持プレート１２の貫通孔５６に挿通されることにより当該支持プレート１２の外側面１２ａから突出する軸端である。さらに、第２の実施形態のホイール５２Ｂもまた、上記第１の実施形態におけるホイール５２と同様、外歯歯車１６の中心位置Ｎ２と同軸上に配置される回転中心Ｎ３を通って径方向に延びる長孔５７Ｂを有している。第２の実施形態では、この長孔５７Ｂの短径Ｄ３は、その連結軸４１Ｂの第１の軸端に設けられた二面幅部６０の断面形状における短手方向長さＬ３と略等しい値である（Ｄ３≒Ｌ３）。

　即ち、減速装置２０Ｂでは、回転体としてのホイール５２Ｂの長孔５７Ｂに対して連結軸４１Ｂの第１の軸端に設けられた二面幅部６０が直接に挿入される。
　また、長孔５７Ｂの長径Ｄ４は、二面幅部６０の断面形状における長手方向長さＬ４よりも長い値に設定されている（Ｄ４＞Ｌ４）。これにより、第２の実施形態においてもまた、ホイール５２Ｂは、長孔５７Ｂの長手方向における相対移動を許容しつつ、トルク伝達可能に、連結軸４１Ｂに連結される。

　以上、第２の実施形態の減速装置２０Ｂによっても、上記第１の実施形態における減速装置２０と同様の利点を得ることができる。上記第１の実施形態との比較においては、挿入体５８（図３参照）を廃止することによって構成が簡素化されるので、その製造コストの低減を図ることができる。

　［第３の実施形態］
　以下、車両用のシート駆動装置に適用される減速装置に関する第３の実施形態を図面に従って説明する。尚、説明の便宜上、上記第１及び第２の実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して、その説明を省略する。

　図１１及び図１２Ａ及び１２Ｂに示すように、第３の実施形態のシート駆動装置５０Ｃにおいて、リクライニング装置１０として機能する減速装置２０Ｃは、上記第１の実施形態における減速装置２０と同様、挿入体（ブッシュ）５８Ｃを備える。挿入体５８Ｃは、ホイール５２に形成された長孔５７内に挿入され、当該長孔５７内を長手方向移動可能である。また、連結軸４１Ｃの第１の軸端には、上記第２の実施形態における連結軸４１Ｂと同様の二面幅部６０が形成されている。上記挿入体５８Ｃには、当該挿入体５８Ｃを軸方向に貫通し、二面幅部６０が挿入される第２の長孔６１が形成されている。

　詳述すると、上記第２の長孔６１は、当該第２の長孔６１を有する挿入体５８Ｃが挿入された長孔５７の長手方向に対して交差する方向、詳しくは略直交する方向に延びている。第２の長孔６１の短径Ｄ５は、当該第２の長孔６１内に挿入される二面幅部６０の断面形状における短手方向長さＬ５と略等しい値である（Ｄ５≒Ｌ５）。更に、第２の長孔６１の長径Ｄ６は、二面幅部６０の断面形状における長手方向長さＬ６よりも長い値である（Ｄ６＞Ｌ６）。これにより、その第２の長孔６１の長手方向に沿って、当該第２の長孔６１内に挿入された連結軸４１Ｃが相対移動することが可能である。

　即ち、第３の実施形態では、その長孔５７の長手方向に沿ったホイール５２と挿入体５８Ｃとの相対移動が許容され、及びその第２の長孔６１の長手方向に沿った挿入体５８Ｃと連結軸４１Ｃとの相対移動が許容される。これによって、簡易的なオルダム継手が形成される。減速装置２０Ｃは、これにより、より柔軟に、その外歯歯車１６（中心位置Ｎ２）と同軸に設けられたホイール５２（回転中心Ｎ３）に対する連結軸４１の偏心位置Ｐを調整することが可能である。

　以上、第３の実施形態の減速装置２０Ｃによっても、上記第１の実施形態における減速装置２０と同様の利点を得ることができる。その優れた偏心位置調整機能によって、より円滑な動作を確保することができる。また、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の相対的な回転位置にかかわらず、そのカム機構１８に連結軸４１Ｃを連結することができる。特に、シート駆動装置５０Ｃにおいては、組付け作業の際、シートバック３の傾倒角度を所定位置に合わせる工程を省くことができる。これにより、組付け作業が容易になることで、その作業効率の向上を図ることができる。

　なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
　・上記各実施形態では、カム機構１８は、カム部材３２と、押圧部材としての一対のウェッジ３５と、バネ部材としてのスプリング３６とを備える。しかし、これに限らず、カム機構１８は、内歯歯車１５と同軸に配置され、内歯歯車１５に回転可能に支持されており、当該内歯歯車１５を外歯歯車１６に偏心状態で噛合させるとともに、駆動トルクの入力により内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の噛合位置を移動させることが可能なものであればよい。

　・上記各実施形態では、押圧部材としての各ウェッジ３５が押し付けられる周壁部は、第２部材２２に設けられた円孔３０内に略円環状をなすブッシュ３１を嵌着することによって形成される。しかし、これに限らず、例えば、円孔３０の内周面に対して各ウェッジ３５が直接に押し付けられる等、周壁部は任意に変更されてよい。

　・上記各実施形態では、内歯歯車１５と外歯歯車１６との間の歯数の差は、１又は２に設定されている。しかしながら、この歯数の差は任意に変更されてよい。
　・上記各実施形態では、連結軸４１（４１Ｂ，４１Ｃ）を介してカム機構１８に駆動トルクを入力可能な回転体は、アクチュエータ装置４６のホイール５２（５２Ｂ）である。しかし、これに限らず、回転体は、その他の減速ギヤであってよい。その回転体がアクチュエータ装置４６とは別体に設けられてもよい。

　・上記各実施形態のシート駆動装置５０（５０Ｂ，５０Ｃ）は、シートクッション２の側方に設けられたアクチュエータ装置４６の出力する駆動トルクに基づいて、リクライニング装置１０として機能する減速装置２０（２０Ｂ，２０Ｃ）を動作させる。しかし、これに限らず、例えば、オットマン装置やシートチルト装置等、二つのシート部材間に介在する減速装置２０によって、そのアクチュエータ装置の出力する駆動トルクに基づいて両シート部材間の相対的な回転位置（回動位置）を変更してもよい。この場合、比較的小さな駆動トルクで、円滑に、二つのシート部材間を相対回転させることができる。一つのアクチュエータ装置によって複数の可動部位を動作させる構成であってもよい。その場合、構成の簡素化及びスペースの有効利用を図ることができる。

　・上記第１の実施形態では、連結軸４１の断面形状及びホイール５２に設けられた連結孔５９は、ともに六角形状である。しかし、これに限らず、トルク伝達可能に連結軸４１をホイール５２に連結可能であれば、断面形状は、例えば、四角や十二角等、六角以外形状であってもよい。また、セレーション嵌合等により連結軸４１がホイール５２に相対回転不能に連結されてもよい。同じく連結軸４１が挿入されるカム部材３２の連結孔４０の形状についてもまた、連結軸４１の断面形状に合わせて任意に変更してよい。

　・上記各実施形態では、外歯歯車１６が固定要素であり、内歯歯車１５が出力要素であるが、反対に、内歯歯車１５が固定要素であり、外歯歯車１６が出力要素であってもよい。即ち、内歯歯車１５を有する第１部材２１がシートクッション２側に固定され、外歯歯車１６を有する第２部材２２がシートバック３側に固定される。そのシートバック３側にアクチュエータ装置４６が設けられてよい。

　・上記各実施形態では、第１部材２１には、内歯を有する第１歯車（内歯歯車１５）が設けられ、第２部材２２には、外歯を有する第２歯車（外歯車１６）が設けられる。しかし、これに限らず、第１部材２１には、外歯を有する第１歯車が設けられ、第２部材２２には、内歯を有する第２歯車が設けられてもよい。

　即ち、カム機構１８（カム部材３２）及び連結軸４１（４１Ｂ，４１Ｃ）と同軸に位置する第１歯車が外歯歯車であり、周壁部としてのブッシュ３１及び回転体としてのホイール５２（５２Ｂ）と同軸に位置する第２歯車が内歯歯車であってもよい。

Claims

　第１の歯数を有する内歯及び外歯のうちの一方を備える第１歯車と、
　第１の歯数と異なる第２の歯数を有する内歯及び外歯のうちの他方を備える第２歯車と、
　前記第１歯車と同軸に配置され、前記第１歯車に回転可能に支持されるカム機構であって、該第１歯車を前記第２歯車に偏心状態で噛合させるとともに、駆動トルクの入力により前記第１歯車と前記第２歯車との間の噛合位置を移動させるように構成されたカム機構と、
　前記第１歯車と同軸に配置され、前記カム機構に連結されている連結軸と、
　前記第２歯車と同軸に配置され、前記連結軸に連結された回転体であって、該連結軸を介して前記カム機構に前記駆動トルクを入力可能なように構成された回転体と、を備え、
　前記回転体は、回転中心を通って径方向に延びる第１の長孔を有し、該第１の長孔内に前記連結軸が挿入可能なように構成されており、該第１の長孔内に前記連結軸が挿入されるとき、前記第１歯車と前記第２歯車との間に設定された偏心量に相当する偏心位置において前記回転体は前記連結軸に連結され、
　前記第１の長孔の長径は、該第１の長孔の長手方向に沿った前記回転体と前記連結軸との相対移動を許容するように設定される、減速装置。
　前記回転体は、前記第１の長孔内を長手方向移動可能な挿入体を備え、該挿入体を介して前記連結軸に連結されるように構成されている、請求項１に記載の減速装置。
　前記挿入体は、前記第１の長孔の長手方向に対して交差する方向に延びる第２の長孔を有し、
　前記連結軸は、前記第２の長孔の長手方向に沿って該第２の長孔に対し相対移動可能に該第２の長孔内に挿入されるように構成されている、請求項２に記載の減速装置。
　前記カム機構は、
　前記第２歯車と同軸に配置され、該第２歯車と一体に設けられた周壁部に包囲されるカム部材と、
　前記カム部材と周壁部との間に配置される一対の押圧部材と、
　前記両押圧部材を互いから離間する方向に付勢して前記周壁部に押し付けるバネ部材と、
　を備える、請求項１～請求項３の何れか一項に記載の減速装置。
　前記連結軸は、平行する二平面を有した二面幅部を有する、
　請求項１～請求項４の何れか一項に記載の減速装置。
　前記第１の長孔の長径は、前記二面幅部の断面形状における長手方向長さよりも長い、請求項５に記載の減速装置。
　二つのシート部材間に介在された請求項１～請求項５の何れか一項に記載の減速装置を備えるシート駆動装置。
　前記二つのシート部材のうちの第１のシート部材に前記第１歯車が固定されるとともに、第２のシート部材に前記第２歯車が回転不能に固定される、
　請求項７に記載のシート駆動装置。
　前記第２のシート部材に固定され、前記第２歯車と同軸に配置され、前記回転体を回転自在に支持する支持部材をさらに備える、請求項８に記載のシート駆動装置。