JP2002053409A - 殺藻殺菌剤 - Google Patents

殺藻殺菌剤

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JP2002053409A JP2000245848A JP2000245848A JP2002053409A JP 2002053409 A JP2002053409 A JP 2002053409A JP 2000245848 A JP2000245848 A JP 2000245848A JP 2000245848 A JP2000245848 A JP 2000245848A JP 2002053409 A JP2002053409 A JP 2002053409A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壷
状菌、付着細菌等の病害菌を短時間で駆除することがで
きる殺藻殺菌剤の提供。 【解決手段】 本発明は、海苔養殖時に発生する雑藻、
病害の駆除予防を行う殺藻殺菌剤であって、プロピオン
酸とパラオキシ安息香酸エステルを主成分とすることを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、海苔養殖中に発生
する珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壷状菌、
付着細菌等の病害菌を駆除する殺藻殺菌剤に関する。
【0002】
【従来の技術】海苔養殖において、珪藻等の雑藻類が繁
殖し海苔葉体又は海苔網に付着すると海苔の成育を阻害
し、ひいては死滅させてしまうこともある。成育に問題
ない位の珪藻が葉体に付着していても、その原藻を製品
にした場合、黒い乾海苔の中に緑色の斑点が入ってしま
い商品価値が低下してしまう。食べても苦くておいしく
ない海苔になってしまう。珪藻の混入が多いときには、
売り物に成らなくなることがある。そのため、珪藻等の
雑藻類を駆除するために酸性処理や千出という作業が行
われている。又、海苔養殖中に赤腐れ菌、壷状菌、付着
細菌等の発生により海苔が腐敗してしまうことがある。
現在では、クエン酸、リンゴ酸等を主成分とする製品の
10〜20倍液(クエン酸の2〜5%濃度)にて3分以
内の潜り船による酸処理を行っており、経費増及び環境
への負荷が大きな問題となっている。
【0003】今までに、下記に示すような海苔養殖用の
処理剤が開示されている。特開昭50−121425号
公報には、「炭素数1ないし4の飽和脂肪族モノカルボ
ン酸、炭素数2ないし4の飽和または不飽和ジカルボン
酸、グリコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸
から成る群から選ばれた有機カルボン酸の一種又は二種
以上を有効成分として含有する殺藻剤」とある。プロピ
オン酸も例として挙げてはいるが積極的に実施した記載
はない。又、この公報の技術は、網に付着するアオノリ
等の海藻すべてを駆除するものであり、海苔を傷めるこ
となく他の藻類を選択的に駆除するものではない。
【0004】特開平8−157309号公報には、「プ
ロピオン酸の水溶液に、アジピン酸、コハク酸、モノク
ロル酢酸、ジクロル酢酸、トリクロル酢酸、クエン酸、
グルコン酸、フマル酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、
フイチン酸、リン酸、塩酸、酒石酸、硫酸、硝酸、マレ
イン酸、イタコン酸、グルタル酸、酪酸よりなる群より
選んだ少なくとも1種を配合してなる養殖海苔の赤腐れ
病駆除剤」とある。プロピオン酸と他の酸との組み合わ
せにより赤腐れ菌の駆除効果が高くなることが記載され
ている。殺藻効果及びパラオキシ安息香酸エステルの併
用についての記載や示唆はない。
【0005】特開昭48−36328号公報には、「ア
マノリ類に抗菌性薬剤、バラヒドロキシ安息香酸及び又
はそのエステル類を非イオン性界面活性剤と併用して処
理することを特徴とするアマノリ類の赤腐れ病防除法」
が記載されている。プロピオン酸とパラオキシ安息香酸
との併用についての記載や示唆はない。
【0006】特開平11−286407号公報には、
「乳酸及び/又は酢酸とパラオキシ安息香酸エステルと
を含有することを特徴とするケイソウ駆除用処理剤」が
記載されている。後述する比較例においては実際に効果
が十分にみられてないものである。
【0007】この他に、特公昭60−13647号公報
には、「クエン酸0.3〜5.0%を含み、PHが1.
0〜6.0の処理液に浸漬させる雑藻、病害の駆除、予
防による海苔養殖法」が記載されている。特公昭60−
13648号公報には、「塩酸、硝酸、硫酸、リン酸な
どの無機酸を添加してpHl.0〜4.0とする雑藻、
病害の駆除、予防による海苔養殖法」が記載されてい
る。特公昭60−21950号公報には、「フイチン酸
又はその塩を有効成分とする海苔養殖用肥料、赤腐れ菌
に対する予防効果、珪藻駆除効果」が開示されている。
【0008】これら公報に記載された技術では、5〜3
0分という長い浸漬時間が必要なため、より短時間での
処理を必要とされてきた今日には通用しない技術と成っ
てきた。又、タビュラリアという耐酸性の強い珪藻が多
量発生するようになり、有機酸、無機酸等を使用する酸
性処理では駆除することができない状況となっている。
最近では、一軒当たりの養殖枚数が増加したために、1
枚当たりの処理に要する時間を短くせざるを得なくな
り、潜り船という酸処理方法が普及している。接触時間
が10秒から120秒と非常に短くなっているため、よ
り短時間で効果のある雑藻(耐酸性の強いタビュラリア
等の珪藻)、病害駆除剤が必要となってきている。特
に、珪藻駆除効果の高い製剤の開発が切望されている。
従って、従来技術の殺藻剤では、珪藻、アオノリ等の雑
藻類及び赤腐れ菌、壷状菌、付着細菌等の病害菌を短時
間で駆除する効果が不十分となってきている。特に耐酸
性の強いタビュラリア等の珪藻類に対しては全く効果が
ない。また、従来のようにクエン酸、リンゴ酸等を主成
分としたのでは、経費増及び環境への負荷が大きな不具
合となっている。
【0009】
【本発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来
技術の課題及び要望に応えるためになされたものであ
り、海苔自体に害を与えることなく、珪藻、アオノリ等
の雑藻類及び赤腐れ菌、壷状菌、付着細菌等の病害菌を
短時間で且つ経済的に駆除する薬剤を提供することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記従来技
術の課題及び要望に鑑み、鋭意検討を重ねた結果、プロ
ピオン酸とパラオキシ安息香酸エステルを併用すること
によって珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壷状
菌、付着細菌等の病害菌を120秒以下の短時間で駆除
できることを見い出し、本発明を完成するに至った。即
ち、本発明は次の通りである。 (1)海苔養殖時に発生する雑藻、病害の駆除予防を行
う殺藻殺菌剤であって、プロピオン酸とパラオキシ安息
香酸エステルを主成分とすることを特徴とする殺藻殺菌
剤。 (2)パラオキシ安息香酸エステルが、パラオキシ安息
香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキ
シ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソプロピ
ル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸メ
チルの中の1種以上であることを特徴とする前記(1)
記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (3)殺藻殺菌の処理時におけるプロピオン酸濃度が
0.01〜0.5W/V%の範囲であり、パラオキシ安
息香酸エステル濃度が0.001〜0.5W/V%の範
囲の範囲であることを特徴とする前記(1)又は(2)
記載の殺藻殺菌剤。 (4)pH調整剤として、有機酸、及び無機酸の中の1
種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜(3)
のいずれかに記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (5)塩を添加することを特徴とする(1)〜(4)の
いずれかに記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。 (6) (1)〜(5)のいずれかに記載の殺藻殺菌剤
で、120秒以下で処理することを特徴とする海苔養殖
用の殺藻殺菌方法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を詳し
く説明する。本発明の殺藻殺菌剤は、殺藻殺菌の処理時
に海水又は水に希釈、添加、或いはそのまま使用され、
海苔養殖時に発生する雑藻、病害の駆除予防を行うもの
であり、プロピオン酸とパラオキシ安息香酸エステルを
主成分とする。
【0012】本発明の殺藻殺菌剤は殺藻殺菌の処理時或
いは使用時に海水又は水などで希釈して使用される。そ
の希釈倍率は、好ましくは50〜500倍であるが、こ
れに限るものではない、その製剤としての使用態様に応
じて倍率を決めることができる。また、殺藻殺菌剤は殺
藻殺菌の処理時に添加して使用される。殺藻殺菌剤を成
分ごとに小分け包装した製剤等として提供されるときな
どを一例として挙げることができ、船等の処理槽等に殺
藻殺菌剤の成分を直接添加する場合などである。更に、
施設が整っていれば、殺藻殺菌剤の貯留タンクから船等
の処理槽等にそのままの供給して使用しても良い。
【0013】従来は、雑藻及び病害を駆除するためにク
エン酸、リンゴ酸等を40〜80%の範囲で含有する製
品を100〜200倍希釈液にて10〜30分の処理を
行っていた。この場合、海苔網を取り外して処理を行う
ため時間と手間がかかりすぎるという問題がある。そこ
で、現在では、養殖規模の拡大により、海苔網を固定し
たまま、潜り船を潜らせる方法が採用されている。この
方法では120秒以下の処理を行う短時間処理が望まれ
ている。そのため、浸漬用のクエン酸、リンゴ酸等を主
成分とする製品を10〜20倍液(酸濃度の2〜8%濃
度)にて使用するようになってきている。従って、経費
増及び海洋環境への負荷が大きな問題となっている。本
発明では上述のように、プロピオン酸とパラオキシ安息
香酸エステルを併用した製剤を使用することによって、
珪藻等の雑藻類及び病害を低濃度、短時間で駆除するこ
とができる。プロピオン酸及びパラオキシ安息香酸エス
テルはいずれも食品漆加物に指定されており分解性も早
く海洋生物に対する安全性も高い。
【0014】実際に、後述する実施例より、クエン酸、
リン酸、乳酸、又は酢酸とパラオキシ安息香酸エステル
との併用では効果は高くならないが、プロピオン酸とパ
ラオキシ安息香酸エステルを併用することによって12
0秒以内の短時間で珪藻及び赤腐れ菌の駆除効果が高く
なることがわかった。10秒、30秒という短い接触時
間でも雑藻類や病害菌を駆除することができる。
【0015】本発明に用いられるパラオキシ安息香酸エ
ステルとしては、特に限定されるものではないが、パラ
オキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチ
ル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸
イソプロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ
安息香酸メチル等があげられる。2種以上のエステルを
一定の比率に混合して加熱溶融することにより得られる
共融混合物を用いることもできる。特に、パラオキシ安
息香酸イソプロピル、イソブチル、ブチルをそれぞれ順
番に30〜50:20〜40:20〜40の比率で総和
が100となる3元混合物を配合すると駆除効果が高く
なる。
【0016】本発明の殺藻殺菌剤は、その殺藻殺菌の処
理時におけるプロピオン酸濃度が0.01〜0.5W/
V%の範囲であり、パラオキシ安息香酸エステル濃度が
0.001〜0.5W/V%の範囲の範囲であることが
望ましい。パラオキシ安息香酸エステルの濃度は特に、
0.001〜0.1W/V%の範囲であることが好まし
い。上記濃度が0.001W/V%を下回ると効果がで
にくく、上記濃度が0.5W/V%を上回ると使用時に
パラオキシ安息香酸が沈殿し効果が減少してしまうから
である。プロピオン酸濃度は、特に、0.05〜0.5
W/V%の範囲であることが好ましい。上記濃度が0.
01W/V%を下回ると効果がでにくく、上記濃度が
0.5W/V%を上回ると海苔への障害が強くなってく
るためである。
【0017】本発明の殺藻殺菌剤は、pH調整剤として
有機酸及び無機酸の中の1種以上を含有することが好ま
しい。有機酸のpH調整剤としては、クエン酸、リンゴ
酸、酒石酸、乳酸、フマル酸、コハク酸、酢酸、グルコ
ン酸、アジピン酸、フイチン酸、ケトグルタル酸、イタ
コン酸等を挙げることができ、また無機酸のpH調整剤
としては、リン酸、塩酸、硫酸、硝酸等の酸を挙げるこ
とができる。これらの酸の少なくと1種類以上を添加す
ることにより、雑藻類、病害の駆除効果が高くなると共
に海苔への障害を抑制することができる。pH調整する
ときの好ましい殺藻殺菌剤のpHの範囲は、その使用時
においてpH0.5〜3.0の範囲であることが望まし
い。
【0018】本発明の海苔養殖用の殺藻殺菌剤は塩を添
加することが好ましい。殺藻殺菌剤に塩を添加使用する
と、雑藻類、病害の駆除効果が高くなると共に処理時の
海苔の障害を軽減することができる。又、効果を示す範
囲内で処理時の海苔が赤く変色するため処理の目安が立
てやすく、目視により処理確認が容易となる。特に、添
加する塩の量は0.5〜10%が好ましい。
【0019】また、本発明の殺藻殺菌剤には、必要によ
り肥料成分として、アミノ酸、塩化アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸ソーダ、硝酸カリウム、リン酸ナトリ
ウ、リン酸アンモニウム、リン酸カリウム、硝酸アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、糖類を添加することもでき
る。本発明を実施するときは、前もってプロピオン酸に
パラオキシ安息香酸エステルを溶解した製剤を海水又は
水で希釈して使用し、処理液に直接それぞれを添加して
使用しても良い。又、本製剤は中和した中性の製剤でも
酸性の製剤でも良い。
【0020】本発明の海苔養殖用の殺藻殺菌方法は、上
述した形態の殺藻殺菌剤で、海苔を120秒以下で処理
することを特徴とする。前記殺藻殺菌剤を使用して、潜
り船を潜らせて前記方法を採用すると、120秒以下の
処理、特に、5〜60秒間の処理で海苔から確実に雑藻
類や病原菌を駆除することができる。しかも、前記各成
分は食品添加物に指定されており、少量使用であり、分
解性も高いので海洋生物に対する安全性も高い。従っ
て、潜り船への適用が極めて容易となる。
【0021】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により更に
詳述する。 実施例1〜3及び比較例1〜6 プロピオン酸0.3W/V%及びパラオキシ安息香酸イ
ソプロピルを0.001、0.01、0.02W/V%
になるように実施例の殺藻殺菌剤を海水に溶解し調整し
た。珪藻(リクモフォラ)が付着した海苔葉体を10秒
及び30秒処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間
後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例とし
てプロピオン酸0.3W/V%のみ、パラオキシ安息香
酸イソプロピル0.02%のみ液、及び乳酸、リン酸、
クエン酸、又は酢酸とパラオキシ安息香酸イソプロピル
との混溶液を調整した。結果を表1に示す。尚、珪藻駆
除効果の評価基準を以下に示す。 (−:効果なし、+:20〜50%駆除、++:50〜
80%駆除、+++:80〜100%駆除、++++:
100%駆除。) 海苔の傷害度の評価基準を以下に示す。 (−:障害なし、+:20〜50%障害、++:50〜
100%障害。)
【0022】
【表1】
【0023】上記表1の結果から明らかなように、パラ
オキシ安息香酸イソプロピル又はプロピオン酸単独では
比較例1及び2に示すように効果が小さいが、併用する
ことによって珪藻(リクモフォラ)の駆除効果が高くな
ることがわかった。比較例3乃至6に示すようにプロオ
ン酸以外との併用では効果が高くならない。
【0024】実施例4、5及び比較例7〜9 表2に示す処理剤を混合した後、PH調整剤でpHを
1.8に調整した。これらの処理液に、赤腐れ菌の感染
した海苔葉体を浸漬処理した。滅菌海水で洗浄した後2
日間静置培養し、顕微鏡下で観察し赤腐れ菌の駆除効果
を調査した。結果を表2に示す。赤腐れ菌駆除効果の評
価基準を以下に示す。 (−:効果なし、+:20〜50%駆除、++:50〜
80%駆除、+++:80〜100%駆除、++++:
100%駆除。) 海苔の傷害度の評価基準を以下に示す。 (−:障害なし、+:20〜50%障害、++:50〜
100%障害。)
【0025】
【表2】
【0026】表2の実施例4,5の結果から明らかなよ
うに、プロピオン酸とパラオキシ安息香酸エステルの併
用により赤腐れ菌の駆除効果が高くなる。また、比較例
7乃至9の結果から分かるように、プロピオン酸の単
独、或いはパラオキシ安息香酸エステル類の単独では効
果が見られなかった。
【0027】実施例6〜9 プロピオン酸0.05W/V%及びパラオキシ安息香酸
イソプロピルを0.01、0.02、0.05、0.1
W/V%になるように海水に溶解した液を調整した。珪
藻(リクモフォラ)が付着した海苔葉体を10秒、30
秒、60秒、120秒間処理した後、滅菌海水にて洗浄
した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査し
た。結果を表3に示す。
【0028】
【表3】
【0029】実施例10〜13及び比較例10、11 プロピオン酸0.5、0.3W/V%及びパラオキシ安
息香酸ブチルを0.001、0.01W/V%になるよ
うに海水に溶解した液を調整した。珪藻(リクモフォ
ラ)が付着した海苔葉体を10秒、30秒処理した後、
滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果を顕
微鏡にて調査した。比較例としてプロピオン酸0.5W
/V%とパラオキシ安息香酸ブチル0.01%の液を調
整した。珪藻駆除及び海苔の傷害度の評価は、下記に示
す通りである。結果を表4に示す。
【0030】
【表4】
【0031】実施例14〜17及び比較例12 プロピオン酸0.5、0.3W/V%及びパラオキシ安
息香酸イソブチルを0.001、0.01W/V%にな
るように海水に溶解した液を調整した。珪藻(リクモフ
ォラ)が付着した海苔葉体を10秒、30秒処理した
後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効果
を顕微鏡にて調査した。比較例としてパラオキシ安息香
酸イソブチルの0.01%の液のみを調整した。結果を
表5に示す。
【0032】
【表5】
【0033】実施例18〜24及び比較例13 パラオキシ安息香酸ブチル、イソブチル、イソプロピル
の比率を3:3:4に配合したものとプロピオン酸を表
6に記載した割合になるように海水に溶解した液を調整
した。珪藻(リクモフォラ)が付着した海苔葉体を10
秒、30秒処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間
後に珪藻の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例とし
てパラオキシ安息香酸エステルの混合物0.01%の液
を調整した。結果を表6に示す。
【0034】
【表6】
【0035】上記表3乃至6の結果から明らかなよう
に、プロピオン酸と、パラオキシ安息香酸エステル、例
えば、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸
イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピルのそれぞ
れとの併用、又はこれらの3種を3:3:4の割合で混
合したものとの併用をすることによって、珪藻(リクモ
フォラ)の駆除効果が高くなることがわかった。
【0036】実施例25〜27及び比較例14、15 パラオキシ安息香酸ブチル、イソブチル、イソプロピル
の比率を3:3:4に配合したものとプロピオン酸を表
7に記載した割合になるように海水に溶解した液を調整
した。珪藻(タビュラリア)が付着した海苔葉体を30
秒処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻
の駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例としてパラオ
キシ安息香酸エステルの混合物0.02W/V%のみ及
びプロピオン酸0.5W/V%のみの液を調整した。結
果を表7に示す。
【0037】
【表7】
【0038】実施例28、29及び比較例16 パラオキシ安息香酸ブチルとプロピオン酸を表8に記載
した割合になるように海水に溶解した液を調整した。珪
藻(タビュラリア)が付着した海苔葉体を30秒処理し
た後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の駆除効
果を顕微鏡にて調査した。比較例としてパラオキシ安息
香酸ブチル0.01W/V%の液を調整した。結果を表
8に示す。
【0039】
【表8】
【0040】実施例30、31及び比較例17 パラオキシ安息香酸イソプロピルとプロピオン酸を表9
に記載した割合になるように海水に溶解した液を調整し
た。珪藻(タヒュラリア)が付着した海苔葉体を30秒
処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の
駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例としてパラオキ
シ安息香酸イソプロピル0.02W/V%の液を調整し
た。結果を表9に示す。
【0041】
【表9】
【0042】実施例32、33及び比較例18 パラオキシ安息香酸イソブチルとプロピオン酸を表10
に記載した割合になるように海水に溶解した液を調整し
た。珪藻(タビュラリア)が付着した海苔葉体を30秒
処理した後、滅菌海水にて洗浄した。数時間後に珪藻の
駆除効果を顕微鏡にて調査した。比較例としてパラオキ
シ安息香酸イソブチル0.01W/V%の液を調整し
た。結果を表10に示す。
【0043】
【表10】
【0044】上記表7乃至10の結果から明らかなよう
に、プロピオン酸と、パラオキシ安息香酸エステル、例
えば、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸
イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピルのそれぞ
れとの併用、又はこれらの3種を3:3:4の割合で混
合したものとの併用をすることによって、珪藻(タビュ
ラリア)の駆除効果が高くなることがわかった。比較例
14乃至18に示すようにプロオン酸単独、或いはパラ
オキシ安息香酸エステル単独では上記駆除効果は見られ
なかった。
【0045】実施例34〜37 プロピオン酸0.5、0.3W/V%及びパラオキシ安
息香酸イソプロピル0.01W/V%になるように調整
した溶液と、その液にpH調整剤としてリン酸を用いp
H1.8に調整した溶液を用い、珪藻(リクモフォラ)
の付着した海苔葉体を5秒、10秒、20秒・・・18
0秒処理した後滅菌海水にて洗浄した。数時間後に、1
00%珪藻を駆除する時間及び海苔の障害が発生する時
間を調査した。結果を表11に示す。
【0046】
【表11】
【0047】実施例38〜41 プロピオン酸0.5%及びパラオキシ安息香酸イソプロ
ピル0.01%になるように調整した溶液と、その液に
塩を3、5、10%添加した溶液を用い、珪藻(リクモ
フオラ)の付着した海苔葉体を5秒、10秒、20秒・
・・180秒処理した後滅菌海水にて洗浄した。数時間
後に、100%珪藻を駆除する時間及び海苔の障害が発
生する時間を調査した。結果を表12に示す。
【0048】
【表12】
【0049】上記表11の結果より明らかなように、処
理液のpHの値を3以下、特に、2以下と低くすれば、
更に短時間で珪藻を駆除処理することができ、また海苔
が障害を起こすまでの時間も長くなり好ましい。また上
記表12の結果より明らかなように、処理液に塩を添加
することにより、珪藻駆除処理が短縮するとともに、海
苔が障害を起こすまでの時間が長くなることが分かる。
【0050】
【発明の効果】本発明は、海苔養殖時に発生する雑藻・
病害の駆除予防を行う殺藻殺菌剤であって、プロピオン
酸とパラオキシ安息香酸エステルを主成分とすることに
より、珪藻、アオノリ等の雑藻類及び赤腐れ菌、壷状
菌、付着細菌等の病害菌を短時間で且つ経済的に駆除す
ることができる。本発明の殺藻殺菌方法では、前記殺藻
殺菌剤で、120秒以下処理するので、潜り船などへの
適用が極めて容易になる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 海苔養殖時に発生する雑藻、病害の駆除
    予防を行う殺藻殺菌剤であって、プロピオン酸とパラオ
    キシ安息香酸エステルを主成分とすることを特徴とする
    殺藻殺菌剤。
  2. 【請求項2】 パラオキシ安息香酸エステルが、パラオ
    キシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸イソブチル、
    パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸イソ
    フロピル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息
    香酸メチルの中の1種以上であることを特徴とする請求
    項1記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。
  3. 【請求項3】 殺藻殺菌の処理時におけるプロピオン酸
    濃度が0.01〜0.5W/V%の範囲であり、パラオ
    キシ安息香酸エステル濃度が0.001〜0.5W/V
    %の範囲の範囲であることを特徴とする請求項1又は2
    記載の殺藻殺菌剤。
  4. 【請求項4】 pH調整剤として有機酸及び無機酸の中
    の1種以上を含有することを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかに記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。
  5. 【請求項5】 塩を添加することを特徴とする請求項1
    〜4のいずれかに記載の海苔養殖用の殺藻殺菌剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の殺藻殺
    菌剤で、120秒以下で処理することを特徴とする海苔
    養殖用の殺藻殺菌方法。
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