JP3050463B2 - 海苔の赤腐れ菌駆除剤 - Google Patents

海苔の赤腐れ菌駆除剤

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海苔の赤腐れ菌駆除剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】海苔養殖において、雜藻すなわちアオノ
リ、アオサ、ケイ藻を駆除するために酸処理を行う方法
が採用されている。アオノリ等が製品中に混在すると海
苔の価格が下がってしまう。これらの酸としては、塩
酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、フィチン酸等種々の
ものが使用されている。食品添加物として認められ、価
格も安価であるために主としてクエン酸が使用されてい
る。
【0003】クエン酸の1〜2%(pH約2.0〜2.
2)で5〜10分の処理が行われている。又、赤腐れ病
に対する駆除効果も認められており、前記の濃度で処理
すると1〜2分の間で駆除することができるため、実際
には5〜6分の処理が行われている。
【0004】赤腐れ病といわれる病害は、海苔葉状体が
生長し、ようやく収穫が可能になった時点で急速に発生
し、数日にして全漁場に蔓延し、葉状体を枯死流出せし
めてしまうため、その被害は甚大である。この病害の元
凶はピチウム属乃至は類縁の水かび類の寄生であるとい
われ、これらの微生物は主として温度15℃前後で生育
し、生物もしくは生物の死滅分解によって生ずる有機物
によって繁殖するといわれ、おそらくはアマノリの葉状
体が多量に海面に存在することがその生育好適条件を満
足させるものと考えられる。
【0005】赤腐れ菌は寄生体内では菌糸状に増殖し、
その寄生細胞を食害生長するが、この際旺盛な菌糸は末
端に多数の遊走子嚢を形成し、嚢内に多数の遊走子を生
ずる。嚢は成熟すると割れて遊走子を放出するが、放出
された遊走子は水中を遊泳して新たな寄生体に付着し、
再び菌糸状になって直ちに寄生体細胞を食害する。食害
された葉状体は千切れて脱落流出するのが通常で、この
ため産業的には直接食害されるものの数百倍もの被害に
なるといわれている。
【0006】特公昭46−35873号公報では、P‐
オキシ安息香酸又はそのエステルを施用するアマノリの
赤くされ病の防除方法が提案されている。これは、それ
までの抗生物質、逆性石鹸などの使用では、有用細菌類
を含めて、全面的に死滅させるが、カビ、酵母に対する
阻止能は低いばかりでなく、人間に対しても決して無害
なものでない事による。
【0007】特開昭50−121425号公報には炭素
数1〜4の飽和脂肪族カルボン酸、炭素数2〜4の飽和
または不飽和カルボン酸、グリコール酸、乳酸、酒石
酸、リンゴ酸、クエン酸から選ばれた有機カルボン酸の
1種又は2種以上を含有する殺雜藻剤が開示されてい
る。これには殺雜藻作用について専ら記載されている
が、赤腐れ菌に関する記載はなく、又請求の範囲及び明
細書中の請求項に対応する個所に乳酸の記載はあるが、
実施例はなく、他の有機カルボン酸並の殺雜藻作用が記
載されているのみである。
【0008】特公昭60−13647号公報には、クエ
ン酸0.3〜5.0重量%を含み、pHが1.0〜6.
0の処理液に浸漬させる雜藻、病害の駆除、予防による
海苔養殖法が記載されている。
【0009】特公昭60−13648号公報には、塩
酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸を添加してpH1.
0〜4.0とする雜藻、病害の駆除、予防による海苔養
殖法が記載されている。
【0010】特公昭60−21950号公報には、フィ
チン酸又はその塩を有効成分とする海苔養殖用肥料、赤
腐れ病に対する予防効果、珪藻駆除効果が開示されてい
る。
【0011】特開昭57−8722号公報には、リン酸
又はその塩を含む処理液で海苔網を処理して、雜藻、赤
腐れ病などの病害の除去、予防を行う海苔養殖法が開示
されている。
【0012】特開昭60−87202号公報には、アジ
ピン酸を有効成分とする食用海藻類の海水性細菌の殺菌
剤が開示されている。
【0013】特開昭60−244245号公報には、飽
和量以上のフマール酸を存在させる殺藻方法が開示され
ており、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸の1種
以上を併用してもよい旨の記載もある。
【0014】特開昭60−248121号公報には、ハ
ロゲン化カルボン酸からなるクロル酢酸、ジクロル酢
酸、トリクロル酢酸などの一種又は二種以上を含む処理
液に浸漬することによる雜藻、ツボ状菌病、赤ぐされ病
等を駆除する海苔養殖法が開示されている。
【0015】特開昭62−21784号公報には希塩酸
を主成分とする酸性緩衝液と硝酸塩、アンモニウム塩及
び燐酸塩から構成されるノリ養殖用殺藻剤兼用液体肥料
が開示されている。
【0016】特開昭62−190103号公報には、グ
ルコン酸を有効成分とする赤ぐされ病及びツボ状菌病の
病原菌である Pythium 属及び Olpidiopsis 属の藻菌類
の駆除剤が開示されている。
【0017】特開平1−279805号公報には、フマ
ル酸モノナトリウム塩及び/又はフマル酸モノカリウム
塩を有効成分として含有する藻類および細菌類の駆除剤
が開示されている。
【0018】特開平2−25404号公報には、フマル
酸及び/又はフマル酸塩と炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素カリウムより
なる群から選んだ少なくとも1種を含む駆除剤を水又は
海水に溶解させ、フマル酸モノナトリウム及び/又はフ
マル酸モノカリウムとする藻類および細菌類の駆除剤が
開示されている。
【0019】特開平2−291218号公報(特公平3
−47810号公報)には、飽和量をこえる量のフマー
ル酸を通水性を有する被覆手段で被覆した状態で存在さ
せ、この処理液中に被処理物を浸漬する殺藻方法が開示
されている。
【0020】後記するように、アオノリ等の雜藻類の駆
除は、専ら、処理液のpHに依存しているので、前記し
た公知の塩酸、リン酸、フィチン酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸等の何れの酸を単
味で用いても、組合わせて用いても、pH2程度で9〜
10分で十分駆除できる。
【0021】しかし、赤腐れ菌は、発生すると感染能力
が高いため、早く処理をして完全に死滅させなくてはな
らない。しかし、海中からの感染が直ちに起こるために
2〜6日の間隔で、処理をしなければ海苔が壊滅状態に
なる。
【0022】海苔の生産者は平均して100〜200枚
の海苔網を採苗しており、現在の処理剤の効力では、最
低でも5分の処理時間がかかるため100枚を浸漬する
時間だけでも8時間以上かかるため、1日に処理できる
のは30〜40枚である。従って赤腐れの蔓延がひどく
なるにつれ、赤腐れ菌の駆除が間に合わなくなり、海苔
が腐れ生産皆無となって海苔の生産が終了するのが現状
である。又、最近では600〜2000枚という海苔網
を採苗する生産者が増大してきており、10〜30秒と
いう処理時間で処理を行う必要性が発生してきた。そこ
で、もぐり船という専用の船が開発され使用されてい
る。クエン酸・塩酸・フィチン酸を使用する時、5〜1
0分の処理では、0.5〜2%の濃度でよかったのが、
10〜30秒で効果を発揮させるためには、10〜20
%濃度にしなければならず、経費増、高濃度処理に
よる海苔の品質低下、環境への負荷の増大という問題
が発生している。高濃度処理による海苔の品質低下と
は、海苔が固くなり穴だらけの製品となることである。
(一般的にpH1.8以下で処理を行うと海苔が固くな
る傾向にある)従って、低濃度且つ10〜30秒という
短い接触時間で、赤腐れ菌を駆除できるような薬剤の開
発が切望されている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、海苔
自体に致命的な害を与えることなく、赤腐れ菌を高価な
薬剤である乳酸配合を出来るだけ少なくし、且つ20〜
30秒間、更には10〜30秒間の短時間処理で駆除で
きる薬剤を提供することである。
【0024】本発明者は、前記の課題を解決するため鋭
意研究を行った結果、有機酸、無機酸の中で、乳酸が赤
腐れ菌に対して効果的に作用することに着目したが、乳
酸は(90%)乳酸で850〜900円/kgと極めて高
価であることを考慮し、さらに研究をすすめた結果、
(90%)乳酸0.3〜0.4重量%に加えて、(75
%)リン酸0.2〜0.4重量%を加えるか又は(90
%)酢酸0.1〜0.4重量%を加える事により、20
〜30秒間の接触時間で、又は、乳酸0.15〜0.4
重量%に加えて、(75%)リン酸0.2〜0.4重量
%、及び酢酸0.01〜0.2重量%を併用することに
より、低濃度でかつ10〜30秒の短時間処理で赤腐れ
菌を駆除できることを見いだした。
【0025】
【0026】
【0027】すなわち本発明は次の通りである。 (1) (90%)乳酸0.3〜0.4重量%に加えて、p
Hを調整することなく(75%)リン酸0.2〜0.4
重量%を加えるか、又は(90%)酢酸0.1〜0.4
重量%を加えてなる、20〜30秒間の接触時間で赤腐
れ菌を駆除できる海苔の赤腐れ菌駆除剤。
【0028】(2) 通常の海水に対し(90%)乳酸0.
15〜0.4重量%に、pHを調整することなく(75
%)リン酸0.2〜0.4重量%及び(90%)酢酸
0.04〜0.2重量%を加えてなる10〜30秒間の
接触時間で赤腐れ菌を駆除できる海苔の赤腐れ菌駆除
剤。
【0029】本発明における、乳酸濃度は、後記の表に
示すように90重量%濃度の液の含有重量%で表わす。
従って0.4重量%とは、純乳酸に換算すると0.36
重量%となる。リン酸濃度も75重量%の液の含有重量
%で表わし、酢酸濃度も90重量%濃度の液の含有重量
%で表わすものとする。他の酸についても記載のあるも
のは同様とする。これは市販の商品濃度である。
【0030】乳酸、クエン酸等の有機酸及び塩酸、リン
酸の0.5重量(W/W)%海水溶液を調製した。赤腐れ
菌に感染した海苔葉体を1分間浸漬処理し、滅菌海水で
洗浄後、シャーレ中にて静置培養した。1晩後、顕微鏡
下で赤腐れ菌の駆除効果を調査した。又0.5重量%の
調製液にアオノリを浸漬し、黄緑色のアオノリが濃緑色
に変色する時間を調査した(濃緑色に変色したアオノリ
は次第に脱色し、海苔網から脱落していく)。
【0031】その結果を表1に示す。赤腐れ菌駆除効果
の判定は次の判定基準による。 ○ :完全に駆除 ○′:殆んど抑制し、微かに赤腐れ菌がみられる。従っ
て有効と考えてよい。 × :赤腐れ菌が、かなり拡がっている。
【0032】
【表1】 乳酸は、有機酸、無機酸の中で赤腐れ菌に対する駆除効
果が最も高いことを示している。アオノリに対する駆除
効果は、pHが低い程高く、pHに依存していることは
明らかである。0.5%液で比較すると、乳酸のみが1
分で赤腐れ菌を駆除する。リン酸、塩酸、フィチン酸の
ようにpHは2.2以下とかなり酸性が強いにもかかわ
らず1分で赤腐れ菌を殆んど抑制しているか、微かに赤
腐れ菌がみられる。他の有機酸は効果がない。
【0033】次に前記実験で使用した有機酸、無機酸を
用い、pHを2.2に調整し、前記と同様の実験を行っ
て、赤腐れ菌及びアオノリに対する駆除効果を調査し
た。赤腐れ菌の駆除効果の判定基準は前記と同一であ
る。
【0034】その結果を表2に示す。
【表2】
【0035】表1の場合と同様に、赤腐れ菌に対して乳
酸は、顕著な駆除効果を示す。即ち同濃度、同pHに調
製して比較し、乳酸の効果は高い。アオノリに対する駆
除効果は、酢酸以外は駆除時間が10分前後と一致して
いる。この結果は表1の結果と合わせて考えてもpHの
みに依存していることが明らかである。例外の酢酸はア
オノリの駆除には5分で駆除し、海苔は20秒でも死滅
してしまうため、この濃度(7V/V%)ではアオノリ
(雜藻)駆除剤としても、赤腐れ菌駆除剤としても使え
ないことを示している。
【0036】pH2.2に調製した場合、乳酸、コハク
酸が20秒で赤腐れ菌を駆除しているが、他の酸は1分
でも効果がない。アオノリの駆除は、pH(水素イオン
濃度)に左右されるが、赤腐れ菌に対してはpHとの関
連は小さいことを示している。コハク酸は、乳酸に較べ
て、濃度が高く、しかも溶解度が小さいために実際の使
用には適さない。表2の結果より、判明することは、ア
オノリなど雑藻の駆除は専らpHに依存している。本発
明の乳酸が赤腐れ菌駆除の効果が大きいため、特開昭5
0−121425号公報で、乳酸が殺雑藻剤として公知
であることから、本発明が特許化された後の将来におい
て乳酸を使用して、殺雑藻をしていると称して、実際に
は赤腐れ菌駆除に用い、侵害することが考えられるが、
殺雑藻目的であればpHにより駆除時間は決まるので、
より小濃度でpHを下げ得る酸は沢山あることから、乳
酸を殺雑藻用に混合使用することは経済的にあり得ない
ことになる。
【0037】乳酸は、液体であり海水との混溶も問題が
ない。乳酸を使用することにより、0.4重量%以上の
濃度であれば20秒で赤腐れ菌を駆除することができ、
1分以内での処理が可能であり、海苔網200枚でも1
日で処理することが可能となる。
【0038】
【0039】乳酸と他の酸との混酸で海苔網を処理する
場合、後記するように乳酸とリン酸、酢酸又はその両方
との混酸は相乗的効果があり、又乳酸とコハク酸の組合
わせ、及び乳酸と塩酸との組合わせも相乗効果がある
(表6、表7参照)。これによって、乳酸量を減らすこ
とができるが、他のリンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、
フィチン酸等との組み合わせでは、一般に考えられる加
成効果はなく、かえって他の酸を加える程、乳酸の作用
効果は下ってくるという興味ある結果を得ている。酒石
酸の場合のみ0.1〜0.4%の範囲では乳酸の作用妨
害は少い。しかし相乗効果も認められない。
【0040】
【実施例】以下に実施例によって、本発明を更に具体的
に説明するが、本発明は、この実施例によって何等限定
されるものではない。 (比較例1) 乳酸の濃度を変えて、前記の表1の場合と同様の実験を
行って、赤腐れ菌の駆除効果を調査した。その結果を表
3に示す。判定基準は表1と同様である。
【表3】 乳酸単味であれば、0.4重量%〜1.0重量%の濃度
で、20秒以上の処理時間があれば、完全に駆除できる
ことが判る。但し高価な乳酸を多量に使用することにな
る。
【0041】(実施例1) 乳酸の濃度を0.4重量%に固定し、酢酸とリン酸を夫
々個々に0.1〜0.4重量%の間に変化させて、表1
の場合と同様の実験を行った。その結果を表4に示す。
判定基準は表1と同様である。
【表4】 : 一部に死細胞がみられることを示しているが、こ
れは5%以内の障害であり、海苔が死滅するのではな
く、この状態でも健全に生育してゆくものである。エリ
スロシン染色率5%以内は海苔への傷害はないと判断さ
れている。一般的に30%以上染色した場合は海苔を健
全に生産することはできないといわれている。これによ
ると、乳酸0.4重量%に酢酸単味を添加した場合は酢
酸0.1重量%〜0.4重量%では10秒以上の処理時
間で、リン酸単味を添加した場合には、リン酸0.1〜
0.4重量%の配合で10秒以上の処理時間で赤腐れ菌
を駆除できる。酢酸を配合した場合、0.2重量%以上
の配合では20秒以下の短時間処理であれば、問題がな
いが、処理時間が30秒以上と長びくと海苔自体に障害
がでるおそれがある(但し染色率で5%以内の障害であ
る)。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】(実施例2) 乳酸の濃度を0.4重量%〜0.3重量%に夫々固定
し、リン酸を0.2重量%に固定して、酢酸を0.05
〜0.2重量%の間に変化させた3元系の場合につい
て、表1の場合と同様の実験を行った。その結果を表5
に示す。判定基準は表1と同様である。
【表5】 この結果によると、乳酸0.3重量%の場合、0.4重
量%の場合共に、リン酸を0.2重量%にすると、酢酸
が0.1重量%以下の場合に、10秒以上の処理時間で
赤腐れ菌を駆除できることが判る。酢酸濃度が0.15
重量%以上になると、60秒間の処理で海苔に微かな障
害が認められた。前記ので説明した通り、エリスロシ
ン染色率5%以内は傷害はないと判断されている。又こ
の処理では10〜30秒間の接触時間で十分であるた
め、事実上問題はない。
【0046】(実施例3) リン酸濃度を0.2重量%に固定し、酢酸を配合しない
場合と酢酸を0.1重量%配合した場合について、乳酸
濃度を0.1〜0.3重量%の間に変化させて、表1の
場合と同様の実験を行った。その結果を表6に示す。判
定基準は表1と同様である。
【表6】 この結果によると、酢酸の配合のない場合は、乳酸濃度
は0.3重量%以上ないと、20秒での赤腐れ菌の駆除
ができないのに対し、酢酸を0.1重量%配合した場合
には、乳酸濃度0.15〜0.3重量%のいずれについ
ても20秒での赤腐れ菌の駆除が可能であり、10秒で
も赤腐れ菌の駆除が可能であり、乳酸量を節減できるこ
とが判る。即ち、表5、表6の結果から、乳酸、リン
酸、酢酸の3種併用により赤腐れ菌に対する殺菌力は相
乗的に高められることが判明した。
【0047】酢酸を0.04重量%に固定し、リン酸を
0.2〜0.4重量%に変化させ、乳酸を0.05〜
0.3重量%に変化させた場合について、赤腐れ菌を駆
除し得る時間について実験を行った。その結果を表7に
示す。
【表7】 この結果によれば、酢酸を0.04重量%配合し、リン
酸を0.2重量%配合すれば、乳酸は0.15重量%以
上配合すれば、最小20秒での処理時間で赤腐れ菌を駆
除できることが判る。乳酸が0.1重量%で、20秒の
処理時間では、かなり抑制はしているが、微かに赤腐れ
菌が残る(乳酸節減の比較例)。乳酸0.05重量%で
は、60秒以上の処理時間でないと駆除できない。この
3例は比較例である。乳酸0.3重量%では、20秒の
処理でも、赤腐れ菌を完全に駆除し、10秒でも、殆ん
ど抑制しているという結果を得た。
【0048】
【発明の効果】海苔養殖における、赤腐れ菌は感染能力
が高いため、迅速な処理で完全に死滅させることが必要
であるが、海苔の生産者の平均採苗数100〜200枚
に対して赤腐れ菌の駆除を間に合わすためには、20秒
〜30秒での駆除が必要である。乳酸を使用することに
より、これが可能になり、更にリン酸、酢酸を配合する
ことにより、乳酸量を減しても、相乗的に短時間駆除が
可能となった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A01N 37/36 A01G 33/02 A01N 37/36 BIOSIS(DIALOG) CA(STN) WPI(DIALOG)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常の海水に対し(90%)乳酸0.3
    〜0.4重量%pHを調整することなく(75%)
    リン酸0.2〜0.4重量%を加えるか又は(90%)
    酢酸0.1〜0.4重量%を加えてなる、20〜30秒
    間の接触時間で赤腐れ菌を駆除できる海苔の赤腐れ菌駆
    除剤。
  2. 【請求項2】通常の海水に対し(90%)乳酸0.1
    5〜0.4重量%pHを調整することなく(75
    %)リン酸0.2〜0.4重量%、及び(90%)酢酸
    0.04〜0.2重量%を加えてなる10〜30秒間の
    接触時間で赤腐れ菌を駆除できる海苔の赤腐れ菌駆除
    剤。
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