JP2000256106A - 養殖海苔用殺藻殺菌剤およびそれを用いた養殖海苔の処理方法 - Google Patents

養殖海苔用殺藻殺菌剤およびそれを用いた養殖海苔の処理方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラオキシ安息香酸エステルと酸処理剤とを
併用することで優れた殺藻殺菌効果を発揮でき、冬期の
低温下での作業でも処理液の粘度の上昇による取り扱い
性の悪化や相分離がなく、酸によるパラオキシ安息香酸
エステルの加水分解のおそれもない養殖海苔用の殺藻殺
菌剤とこの殺藻殺菌剤を用いた養殖海苔の処理方法を提
供する。 【解決手段】 海苔の処理に際して、酸処理剤と、パラ
オキシ安息香酸エステル、アルコール類、ポリビニルア
ルコールおよび水を含有するパラオキシ安息香酸製剤と
を適宜の比率で混合し、必要に応じて海水などで希釈し
て処理液とし、海苔または海苔が付着した海苔網などの
養殖具をこの処理液に浸漬するか処理液を通過させて海
苔を処理液に接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、養殖海苔用の殺藻
殺菌剤に関し、さらに詳しくはケイソウ等の雑藻類や、
赤腐れ病菌、白腐れ病菌等による病害駆除用の殺藻殺菌
剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、養殖海苔の処理方法や海苔用処理
液としては、例えば特公昭56−12601号公報、特
公昭60−31451号公報、特公昭60−31647
号公報などに開示されたものがある。これらの従来技術
は、いずれも海苔に付着する雑藻類や病害の防除、駆除
を目的として各種有機酸や無機酸による酸処理を行うも
のである。また、特開平9−201180号公報に開示
された発明は、本出願人の先願であるが、これは、塩化
ナトリウムや塩化マグネシウムなどの無機塩と酸とを用
いて海水の比重を調整した処理液を用いて処理するとい
うものである。上記のような酸を用いた従来の海苔の処
理方法は、海苔に付着する雑藻類や病害の防除または駆
除といった目的はある程度達成している。しかしなが
ら、これらの酸処理技術のみでは必ずしも充分とはいえ
ない場合がある。特に、ケイソウや壺状菌に対しては、
酸処理のみでは必ずしも充分な効果は期待できない場合
がある。
【0003】一方、上記のような酸処理剤以外に、パラ
オキシ安息香酸エステルが海苔養殖における雑藻類や病
害の駆除に効果があることも知られている。例えば、特
開昭63−230608号公報には、パラオキシ安息香
酸のn−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n
−ブチルエステル、イソブチルエステルもしくはエチル
エステル、乳化剤としてポリオキシソルビタンエステル
もしくはポリグリセリン脂肪酸エステル、乳化安定剤と
して部分ケン化型ポリビニルアルコール、並びに有機酸
および無機酸から選ばれた1種または2種以上を含有す
るアマノリ用殺菌剤が開示されている。上記のパラオキ
シ安息香酸エステルを用いた公知の殺菌剤は乳化状態の
ものであるが、これは、パラオキシ安息香酸エステルが
水に溶け難いことによるものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のパ
ラオキシ安息香酸エステルを用いた養殖海苔用の処理剤
は、パラオキシ安息香酸エステルが水に溶け難いことか
ら乳化状態とされていた。しかし、この乳化状態の処理
剤では、粘度が高くポンプでの移送が困難になるなど取
り扱い性に問題があるだけでなく、相分離を生じやす
く、雑藻や病害の駆除を効果的に行うには使用時に頻繁
に処理液の混合を行う必要があるが、粘度が高いことか
ら、混合により全体を均質化することが困難であり、特
に養殖海苔の処理が行われる冬期の低温環境下では前記
のような処理液の粘度の上昇による取り扱い性の悪化や
相分離の問題は顕著であった。そこで、パラオキシ安息
香酸エステルを溶解状態として使用することも考慮され
るが、この場合にはパラオキシ安息香酸エステルを酸処
理剤を併用すると、酸成分によりパラオキシ安息香酸エ
ステルが加水分解されてしまうという問題がある。さら
に、処理に際しては、上記のような処理剤を海水などで
希釈して使用されるが、処理液中のパラオキシ安息香酸
エステルと酸成分とを一液に混合溶解した処理剤では、
処理液中のパラオキシ安息香酸エステルの濃度を海苔の
状態に応じて調整しようとする場合、例えば、処理液中
のパラオキシ安息香酸エステルの濃度を下げようとする
場合には、処理剤全体を水などで希釈する必要がある
が、この場合には処理液中の酸成分の濃度も同時に下が
ることで処理液のPHが上昇してしまい、酸成分による
殺藻、殺菌効果が損なわれてしまう、といった問題があ
る。
【0005】そこで本発明は、パラオキシ安息香酸エス
テルと酸処理剤とを併用することで優れた殺藻殺菌効果
を発揮できるとともに、冬期の低温下での作業において
も処理液の粘度の上昇による取り扱い性の悪化や相分離
といった問題がなく、さらには酸によりパラオキシ安息
香酸エステルが加水分解されてしまうといったおそれも
ない、養殖海苔用の殺藻殺菌剤、およびこの殺藻殺菌剤
を用いた養殖海苔の処理方法を提供せんとするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意検討した結果、パラオキシ安息香酸エ
ステルを溶解状態で含み、しかも酸成分との混合が容易
な製剤とし、このパラオキシ安息香酸エステル製剤と酸
処理剤との2液からなる処理剤とし、養殖海苔の処理に
際して酸処理剤と前記パラオキシ安息香酸エステル製剤
とを混合して使用することで、酸によるパラオキシ安息
香酸エステルの分解、処理液の粘度の上昇に伴う取り扱
い性の悪化や相分離の問題のない処理剤とすることがで
きること、さらに、前記パラオキシ安息香酸エステル製
剤として、パラオキシ安息香酸エステルにプロピレング
リコール等のアルコール類およびポリビニルアルコール
を併用することで、パラオキシ安息香酸エステルを安定
な溶解状態とし、しかも酸成分と容易に混合可能なのも
とすることが出来ることを知見し、本発明を完成するに
至った。
【0007】即ち、本発明に係る養殖海苔用の殺藻殺菌
剤は、酸処理剤と、少なくとも1種のパラオキシ安息香
酸エステル、プロピレングリコール、エチレングリコー
ル、ブタンジオール、ポリエチレングコール、ポリプロ
ピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチルア
ルコール、メチルアルコールおよびイソプロピルアルコ
ールからなる群から選択される少なくとも1種のアルコ
ール類、ポリビニルアルコールおよび水を含有するパラ
オキシ安息香酸製剤と、の2液からなること特徴とする
ものである。
【0008】上記のような本発明に係る養殖海苔用殺藻
殺菌剤は、使用時、即ち、海苔の処理に際して、前記酸
処理剤とパラオキシ安息香酸エステル製剤とを適宜の比
率で混合し、必要に応じて海水などで希釈して処理液と
し、この処理液に海苔または海苔が付着した海苔網など
の養殖具を浸漬するか、モグリ船などを利用して前記海
苔網などを処理液を通過させるなどの公知の方法で海苔
を処理液に接触させることで処理を行う。
【0009】上記のような本発明に係る殺藻殺菌剤によ
れば、酸処理剤とパラオキシ安息香酸エステルとを併用
することで雑藻類や病害に対する高い駆除効果を発揮す
る。また、酸処理剤とパラオキシ安息香酸エステル製剤
との2液にしておき、使用時に両者を混合することで、
酸によるパラオキシ安息香酸エステルの加水分解を防止
することができる。このとき、前記パラオキシ安息香酸
エステル製剤中のプロピレングリコール、エチレングリ
コール、ブタンジオール、ポリエチレングコール、ポリ
プロピレングリコール、ポリブチレングリコール、エチ
ルアルコール、メチルアルコール、またはイソプロピル
アルコールなどのアルコール類は、該製剤中のパラオキ
シ安息香酸エステルの溶解性を向上させ、且つ、酸処理
剤との混合状態における処理剤中のパラオキシ安息香酸
エステルの溶解状態を安定したものとする。また、ポリ
ビニルアルコールは、前記パラオキシ安息香酸エステル
製剤と酸処理剤との混合を容易にして均一性の高い処理
剤とする。これにより、処理液の粘度の上昇による相分
離や取り扱い性の悪化を防止することができる。
【0010】前記パラオキシ安息香酸エステル製剤は、
パラオキシ安息香酸エステルが5〜30%(重量%、以
下同じ)、好ましくは10〜20%、前記アルコール類
が45〜60%、ポリビニルアルコールが0.5〜2.
0%を含むようにすることが好ましい。また、水の配合
量が30%を超えるとパラオキシ安息香酸エステル製剤
の安定性が悪くなるので、特に低温下で使用する場合に
は、水はパラオキシ安息香酸エステル製剤中で30%以
下とすることが好ましいが、他の成分の配合割合が少な
く水の量が多くなる場合には、水の一部をソルビトー
ル、マルチトールなどの糖アルコール、乳酸ナトリウ
ム、オリゴ糖等に置き代えることで該製剤の安定性を向
上させることができる。
【0011】また、前記パラオキシ安息香酸エステルと
しては、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ
安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸n−ブチル等
を用いることができ、特に、パラオキシ安息香酸イソプ
ロピル、パラオキシ安息香酸イソブチルおよびパラオキ
シ安息香酸n−ブチルをほぼ4:3:3の比率で併用す
ると溶解性の点で好ましい。
【0012】前記アルコール類としては、プロピレング
リコールを用いることがパラオキシ安息香酸エステルの
溶解性の点で好ましい。
【0013】また、前記ポリビニルアルコールとして
は、部分ケン化型ポリビニルアルコールを用いることが
パラオキシ安息香酸エステル製剤と酸処理剤との混合性
の点で好ましい。
【0014】前記酸処理剤としては、例えば特公昭56
−12601号公報、特公昭60−31451号公報、
特公昭60−31647号公報などに開示された公知の
ものを使用することができるが、これらの酸処理剤の中
でも、乳酸および酢酸の少なくとも1種を多く含むもの
は、モグリ船などを利用した短時間処理に適している。
また、酸処理剤には、PH調整剤として各種有機酸およ
び/または無機酸を含有してもよく、前記PH調整剤と
しては塩酸やリン酸が適している。
【0015】さらに、この処理剤には、栄養成分として
塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウ
ム、リン酸アンモニウム、アミノ酸などを添加してもよ
い。
【0016】
【発明の実施の形態】上記のような本発明に係る養殖海
苔用の殺藻殺菌剤は、処理剤中で、前記エステル類が
0.1〜5%、酸成分の合計が20〜70%となるよう
に、酸処理剤とパラオキシ安息香酸エステル製剤とを適
宜の比率で混合し、海水で希釈して前記エステル類が
0.001〜0.1%、好ましくは0.003〜0.0
5%、酸成分の合計が0.1〜1.4%、好ましくは
0.2〜0.6%となるように調整して処理液として使
用する。
【0017】本発明の殺菌殺藻剤による海苔の処理方法
は特に限定されず、例えば、漬け込み処理といわれる方
法では、前記処理液を船内の処理液槽などの容器に収容
し、海中から引き上げた海苔、または海苔が付着した養
殖具を、この処理液中に浸漬すればよい。この漬け込み
処理のような比較的長時間処理の場合の処理液の濃度と
しては、前記エステル類が0.001〜0.05%、好
ましくは0.005〜0.02%、酸成分の合計が0.
1〜1.0%、好ましくは0.2%〜0.5%の範囲と
なるように調整することが好ましい。また、この漬け込
み処理の場合には、酸処理剤の酸成分としては、クエン
酸、リンゴ酸等を用いることが好ましい。さらに、処理
液のPHは1.5〜3.0、より好ましくは1.5〜
2.5程度である。この漬け込み処理の場合、海苔、ま
たは海苔が付着した養殖具を処理液に浸漬している処理
時間は、海苔の成育状態やケイソウその他の雑藻などの
付着状況、さらには処理剤に用いるパラオキシ安息香酸
エステルや酸の種類、その濃度、さらには処理液のpH
などにもよるが、通常の場合であれば1分〜20分以内
で処理することができる。
【0018】また、モグリ船などのように、海苔の養殖
網の下に船を潜らせて、処理液を網の下に素通ししなが
ら比較的短時間で処理をすることもできる。このモグリ
船による短時間処理の場合には、前記漬け込みの場合の
ような長時間処理に較べて処理液の濃度を高めに設定す
ることが好ましく、前記エステル類が0.005〜0.
1%、好ましくは0.01〜0.05%、また酸成分の
合計が0.1〜1.8%、好ましくは0.3〜1.0%
の範囲とする。また、この短時間処理の場合には、酸処
理剤の酸成分としては、乳酸や酢酸を用いることが好ま
しく、処理液のPHは0.5〜2.5、より好ましくは
1.5〜2.0程度である。
【0019】前記処理液のPH調整は、塩酸、リン酸等
を用いることで容易に所望のPHに調整することができ
る。PH調整用として用いられる酸としては、無機酸と
しては、上記塩酸、リン酸の他、硫酸、硝酸、などを用
いることができる。また、有機酸の具体例としては、リ
ンゴ酸、クエン酸、フマール酸、グルコン酸、マレイン
酸、マロン酸、蟻酸、酒石酸、アクリル酸、クロトン
酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸などを挙げること
ができる。さらに、有機リン酸としてフィチン酸、重合
リン酸としてメタリン酸、ポリリン酸などを用いること
もできる。これらの酸は、単独でも、また2種以上のも
のを組み合わせて用いることもできる。これらの酸の使
用量は、処理液のpHが、0.5〜3.0の範囲内とな
る量に調整することが好ましい。
【0020】また、本発明の処理液に必要に応じて添加
される栄養成分としては、塩化アンモニウム、硝酸アン
モニウム、リン酸アンモニウム、硫酸アンモニウムなど
のアンモニウム塩、硝酸ナトリウム、リン酸ナトリウ
ム、硫酸ナトリウムなどのナトリウム塩、硝酸カリウ
ム、リン酸カリウム、硫酸カリウムなどのカリウム塩、
グリシン、グルタミン酸、リジンなどのアミノ酸、植物
性蛋白分解物、動物性蛋白分解物などの分解液などが挙
げられる。これらの栄養成分は、酸処理剤とパラオキシ
安息香酸エステル製剤との混合時に同時に添加混合する
こともできるし、予めそれらのいずれかに添加しておい
てもよい。更には、海水でも希釈時に添加するようにし
てもよい。
【0021】上記の処理液の調製方法としては、酸処理
剤とパラオキシ安息香酸エステル製剤とのそれぞれを濃
厚処理液として準備しておき、海苔処理作業に際して両
者を適宜の比率で混合するとともに海水等で希釈し、ま
た、これにPH調整剤を加えて処理液のPHを調整し、
さらにこれに上記栄養成分を適宜添加して使用してもよ
い。
【0022】
【実施例】〔実験〕酸処理剤と、プロピレングリコール
50%、パラオキシ安息香酸エステル15%、部分ケン
化型ポリビニルアルコール1.0%、マルチトール液1
5%、残りが精製水からなるパラオキシ安息香酸エステ
ル製剤とを混合し、これを海水で希釈して酸成分とパラ
オキシ安息香酸エステルとが第1表〜第4表に示す比率
となるように調整し、各試験区の海苔用処理液を作製し
た。なお、第1表に示すものでは塩酸で処理液のPHを
調整した。これらの処理液に、海苔の付着した海苔網を
浸漬し、各表に示した時間処理を行い、海苔に付着する
ケイソウの駆除効果を判定するともとに、海苔葉体への
影響をエリスロシン染色による海苔葉体の染色率と検鏡
により観察した芽の傷み具合で判定した。尚、これら、
ケイソウの駆除効果、海苔葉体の染色率、および芽の傷
み具合の判定は、以下のとおりである。すなわち、ケイ
ソウの駆除効果は、ケイソウへのエリスロシン染色によ
る染色率を「−」〜「100%」の範囲で示し、「−」
が全く効果がなく、その「%」が高いほど効果があるも
のとした。また、海苔葉体の染色率は、「−」〜「+++
」の範囲で示し、「−」は全く傷みなし、「+ 」の数
が多いほど傷みがひどいものとした。さらに、芽の傷み
具合については、「○;傷みなし」、「△;やや傷みあ
り」、「×;傷みあり」とした。結果を第1表〜第4表
に示した。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
【表3】
【0026】
【表4】
【0027】第1表〜第4表の結果から明らかようなよ
うに、酸処理剤を単独で使用しただけの場合には、効果
的にケイソウを駆除することができていない。これに対
し、酸処理剤とパラオキシ安息香酸エステルとを併用し
た場合には、効果的にケイソウの駆除を行うことができ
る。また、これらの処理液を長時間放置しても粘度の上
昇や相分離は起こらなかった。
【0028】〔実施例1〜8〕第5表に示す配合の実施
例1〜8の殺藻殺菌剤の酸処理剤とパラオキシ安息香酸
エステル製剤とを第6表に示す比率で混合し、海水で希
釈してPHを1.8に調整した処理液に、海苔の付着し
た海苔網を浸漬し、第6表に示した時間処理を行い、前
記と同様にして海苔に付着するケイソウの駆除効果を判
定し、また海苔への傷害度をエリスロシン染色による海
苔葉体の染色率と検鏡による芽の傷み具合の観察により
判定した。結果を第6表に示した。
【0029】
【表5】
【0030】
【表6】
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、養殖海
苔の処理に際して、冬期の低温下での作業においても処
理液の粘度の上昇による取り扱い性の悪化や相分離とい
った問題がなく、さらには酸によりパラオキシ安息香酸
エステルが加水分解されてしまうといったおそれもな
く、パラオキシ安息香酸エステルと酸処理剤とを併用す
ることで優れた殺藻殺菌効果を発揮できる。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸処理剤と、 少なくとも1種のパラオキシ安息香酸エステル、プロピ
    レングリコール、エチレングリコール、ブタンジオー
    ル、ポリエチレングコール、ポリプロピレングリコー
    ル、ポリブチレングリコール、エチルアルコール、メチ
    ルアルコールおよびイソプロピルアルコールからなる群
    から選択される少なくとも1種のアルコール類、ポリビ
    ニルアルコールおよび水を含有するパラオキシ安息香酸
    製剤と、 からなること特徴とする養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  2. 【請求項2】 前記パラオキシ安息香酸エステル製剤
    が、前記パラオキシ安息香酸エステル5〜30重量%、
    前記アルコール類45〜60重量%、ポリビニルアルコ
    ール0.5〜2.0重量%および水を含む請求項1記載
    の養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  3. 【請求項3】 前記パラオキシ安息香酸エステルが、パ
    ラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イ
    ソブチルおよびパラオキシ安息香酸n−ブチルの内から
    選ばれる少なくとも1種である請求項1または2に記載
    の養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  4. 【請求項4】 パラオキシ安息香酸エステルとして、パ
    ラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸イ
    ソブチルおよびパラオキシ安息香酸n−ブチルを重量比
    でほぼ4:3:3の割合で併用してなる請求項3記載の
    養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  5. 【請求項5】 前記アルコール類がプロピレングリコー
    ルである請求項1記載の養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  6. 【請求項6】 前記ポリビニルアルコールが部分ケン化
    型ポリビニルアルコールである請求項1記載の養殖海苔
    用殺藻殺菌剤。
  7. 【請求項7】 前記酸処理剤が乳酸および酢酸の少なく
    とも1種を含む請求項1記載の養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  8. 【請求項8】 前記酸処理剤がPH調整剤を含む請求項
    1または7に記載の養殖海苔用殺藻殺菌剤。
  9. 【請求項9】 前記PH調整剤が塩酸およびリン酸の少
    なくとも1種である請求項8記載の養殖海苔用殺藻殺菌
    剤。
  10. 【請求項10】 栄養成分として塩化アンモニウム、硫
    酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウ
    ムおよびアミノ酸からなる群から選択される少なくとも
    1種を含有してなる請求項1〜9の何れかに記載の養殖
    海苔用殺藻殺菌剤。
  11. 【請求項11】 海苔の処理に際して、前記請求項1記
    載の殺藻殺菌剤の酸処理剤とパラオキシ安息香酸エステ
    ルとを適宜の比率で混合し、必要に応じて海水などで希
    釈して処理液とし、海苔または海苔が付着した海苔網な
    どの養殖具を前記処理液に浸漬するか処理液を通過させ
    ることで海苔を処理液に接触させることを特徴とする養
    殖海苔の処理方法。
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