JP2001086889A - 海苔の処理方法および海苔用処理液 - Google Patents
海苔の処理方法および海苔用処理液Info
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Abstract
類や赤腐れ病、白腐れ病などの病害の駆除もしくは予防
を目的とし、海水に無機塩類と酸とを加えて比重および
PHを調整した処理液を用いる海苔の処理方法におい
て、無機塩類の使用量を低減することで実用性をより一
層高める。 【解決手段】 海水に、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリ
ウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化
マグネシウムなどのヨウ化物、アルカリ金属塩類、アル
カリ土類金属塩類、アンモニウム塩類、鉄塩類などの無
機塩類、および無機酸、カルボン酸、有機リン酸などの
酸を加えて比重を1.03〜1.20に調整し、且つp
Hを0.5〜5.0に調整した処理液に、海苔または海
苔が付着した養殖具を浸漬する。
Description
よびそれに用いる処理液に関し、詳しくは海苔の養殖の
過程で発生する、海苔以外の藻類や赤腐れ病、白腐れ病
などの病害を駆除もしくは予防するための海苔の処理方
法および海苔用処理液に関する。
法や処理液として、例えば特公昭56−12601号公
報には炭素数1ないし4の飽和脂肪族モノカルボン酸、
炭素数2ないし4の飽和または不飽和ジカルボン酸、グ
リコール酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸から成
る群から選ばれた有機カルボン酸の1種または2種以上
を有効成分とし、これらの有機カルボン酸を0.03〜
1.0%の濃度となるように海水に溶解したものを、干
出した藻類群落に直接散布するか、あるいはこれに浸漬
することが開示されている。また特公昭60−3145
1号公報には、海苔が付着した海苔養殖具を、シュウ
酸、リンゴ酸、酒石酸、マロン酸、および安息香酸から
選ばれた有機酸を海水に0.3〜5重量%溶解しPH
1.0〜4.0に調整した処理液に5〜60分浸漬させ
る海苔養殖法が、特公昭60−31647号公報には、
海苔が付着した養殖具を、クエン酸0.3〜5.0重量
%を含み、PHが1.0〜6.0の処理液に60分以内
の間浸漬する海苔養殖法が、夫々開示されている。ま
た、特開昭50−10233号公報には塩化アンモニウ
ムを0.7〜4重量%を含有する処理液にアマノリを浸
漬することにより、選択的に良質海苔を育成させる海苔
の養殖方法が開示されている。
剤あるいは海苔養殖法においては、あおのり、ケイソウ
などの雑藻や、赤腐れ病、白腐れ病などの病害を駆除、
予防するためには処理時間が5〜60分、短いものでも
3〜30分と比較的長時間を要する。前記の処理は、具
体的には海苔網を船上に引き上げて船内に処理剤を含む
処理液槽に浸漬したのち、海苔網を再び海中に戻すので
あるが、前記のように従来はこの処理液槽中に海苔網を
5〜30分間以上も浸漬しておかなければならないた
め、その間の待ち時間が必要となり、バッチ処理のため
作業の効率は極めて悪いものであった。ところが、海苔
の養殖時期は冬季が主であって、特に関東、東海地方の
漁場は冬季になると海が荒れることがおおく、処理でき
る時間が限られており、また、有明海の漁場などでは、
潮の干満の差が大きく、船を出せる時間帯が限られてい
ることから、上記のような比較的長時間を要する従来の
方法では1日に処理できる海苔網の枚数はせいぜい50
枚位が限度であって、とても処理し切れないという問題
があった。さらに、海苔網の下に船を潜らせて前記のよ
うな処理液を網の下に素通ししながら連続的に処理をす
る、モグリ船といわれる専用の船が開発され使用されて
いる漁場もあるが、この場合には海苔網が処理液に浸漬
されている時間が僅かに30秒〜120秒と極めて短
く、前記のような雑藻や病害の駆除、予防に3〜30分
あるいは60分といった長時間を要する従来の処理剤で
は、目的とする殺藻や病害に対する駆除、予防効果は全
く期待できないものであった。
予防を短時間で行う方法として、特開昭59−1597
25号公報には、塩化水素剤およびマラカイトグリーン
製剤を同時に用いる方法が提案されており、この方法に
よれば比較的短時間で前記の処理を行うことができる。
しかしながら、ここで用いられるマラカイトグリーンは
食品添加物ではなく、天然食品のイメージを大切にする
海苔製品に使用するには抵抗があるばかりでなく、この
マラカイトグリーンは農薬としても使用されているが、
人体に対する影響も否定できず、また、環境汚染といっ
た問題も残っている。
は、乳酸を用いた処理方法が開示されており、この方法
によれば、前記したような従来技術における問題点を解
決しうるものの、乳酸だけではコストがかかり、またp
Hを2.0以下にまで下げなければならず、広い範囲の
pHで短時間処理するだけで効果のあるものではなかっ
た。
処理における問題点に鑑み、海苔の養殖において、人体
および環境へ悪影響を及ぼすことなく、低コストで、広
いpH領域で使用でき、人体に安全に、かつ短時間で、
しかも連続作業で効率よく雑藻や病害の駆除、予防処理
をすることを可能とすべく、海水に、無機塩類と酸とを
加えて、比重を1.03〜1.20に調整し、且つpH
を0.5〜5.0に調整した海苔用処理液に、海苔また
は海苔が付着した養殖具を浸漬することを特徴とする海
苔の処理方法を提案した(特開平9−201180号公
報)。この方法により、極めて短時間の処理で、雑藻や
赤腐れ病などの駆除または予防が可能となり、船の処理
液槽で処理する場合には、短時間で済むことから、冬季
の荒れた海などでは、効率良く処理することができるよ
うになった。また、成分も無機塩類や酸を併用している
のでpHの使用域が広く、人体への悪影響も懸念するこ
となく取り扱うことができる。また、マカライトグリー
ンや農薬などを使用していないので、食品としての海苔
の品質に問題はなく、消費者へ安心した海苔を提供する
ことができるようになった。
に、無機塩類と酸とを加えて、比重を1.03〜1.2
0に調整し、且つpHを0.5〜5.0に調整した海苔
用処理液を使用する方法によれば、極めて短時間で海苔
の処理が可能である。しかしながら、実際に、海水に無
機塩類を加えて処理液の比重を上記の範囲に調整するに
は、海水に対して5重量%以上の無機塩類を加える必要
があるが、海苔の養殖期である冬期の水温の低い海水に
対して5重量%以上もの無機塩類を溶解させることは必
ずしも容易ではなく、また、そのような多量の無機塩類
を船に積み込んで海苔の養殖されている漁場まで輸送す
る作業も大変である。そこで、本発明は、上記のような
海水に無機塩類と酸とを加えて比重およびPHを調整し
た処理液を用いる海苔の処理方法において、無機塩類の
使用量を低減することで、該処理方法の実用性をより一
層高めることを目的とするものである。
的を達成すべく鋭意検討した結果、上記のような海水に
無機塩類と酸とを加えて比重およびPHを特定の範囲に
調整した処理液を用いた海苔の処理方法において、前記
処理液中にヨウ化物を加えることで、無機塩類の使用量
を低減させても、同等の効果を得ることができることを
見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、
海水に、ヨウ化物、無機塩類および酸を加えて比重を
1.03〜1.20に調整し、且つpHを0.5〜5.
0に調整した処理液に、海苔または海苔が付着した養殖
具を浸漬することを特徴とする海苔の処理方法である。
この処理方法においては、海水に、ヨウ化物および無機
塩類とを加えて、比重を1.03〜1.20に調整し、
さらに酸によりそのpHを0.5〜5.0の範囲に調整
することで、従来の酸を用いた処理方法で得られる効果
を短時間で得ることができ、しかも、無機塩類にヨウ化
物を併用することで、従来法では5重量%以上の無機塩
類を添加して処理液を調製していたところを、3重量%
程度以下の無機塩類の添加量でも同様の効果をうること
ができ、このような濃度であれば無機塩類は海水に容易
に溶解することから、処理に際しての海水への無機塩類
の溶解作業が容易となるうえに、無機塩類の使用量が減
少することで漁場への無機塩類の運搬作業の労力をも低
減することができる。
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシ
ウム、ヨウ化マグネシウムなどをそれぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて使用することができる。こ
れらのヨウ化物の中でも、ヨウ化カリウムがより好まし
い。
リ土類金属、アンモニウム塩類、鉄塩類を用いることが
できる。具体的な無機塩類としては塩化ナトリウム、塩
化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化
アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫
酸カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硝
酸ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸
カルシウム、硝酸マグネシウム、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸
鉄などをそれぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。
ン酸などを用いることができる。前記無機酸としては、
硫酸、硝酸、塩酸、リン酸などを単独で、あるいは2種
以上を組み合わせて用いることができる。カルボン酸と
しては、リンゴ酸、クエン酸、酢酸、乳酸、フマール
酸、グルコン酸、マレイン酸、マロン酸、蟻酸、酒石
酸、アクリル酸、クロトン酸、シュウ酸、コハク酸、グ
ルタル酸などを単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て用いることができる。有機リン酸としては、フィチン
酸、メタリン酸、ポリリン酸などを単独で、あるいは2
種以上を組み合わせて用いることができる。更に、前記
のような無機酸、カルボン酸、有機リン酸を組み合わせ
て使用することもできる。
用する処理液に、界面活性剤を加えることで、ケイソウ
など海苔以外の雑藻や、病害の駆除、予防効果がより一
層向上し、ヨウ化物や無機塩類の使用量を減らすことも
できる。この場合に使用する界面活性剤としては、カチ
オン系界面活性剤やアニオン系界面活性剤が好ましく、
前記カチオン系界面活性剤としては、例えば第4級アン
モミウム塩、前記アニオン系界面活性剤としては、スル
ホコハク酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性
剤、アルキル硫酸塩系界面活性剤、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩系界面活性剤などを用いること
ができる。
海苔が付着した養殖具を上記のような処理液に浸漬する
には、例えば船内の処理液槽などの容器に処理液を収容
し、この処理液に海中から引き上げた海苔網を浸漬する
ことにより行う。また、モグリ船などのように、海苔の
養殖網の下に船を潜らせて、処理液を網の下に素通しし
ながら処理をすることもできる。前記のような本発明方
法において、処理液に海苔または海苔が付着した養殖具
を浸漬している時間としては、海苔の成育状態や雑藻な
どの付着状況にもよるが、10秒〜10分以内で処理す
ることができる。
洋、内海を問わず、海苔の養殖が可能な海域の海水であ
ればよく、その性質は瀬戸内海、有明海、東京湾など場
所によっては異なるが、通常、その比重は1.018〜
1.025の値の範囲にあるものが多い。本発明ではこ
のような比重の海水に、前記のようなヨウ化物、無機塩
類および酸、更に必要に応じて界面活性剤を加えて処理
液として使用するものである。
在するヨウ素により、処理液の殺藻作用、病害の駆除、
予防作用を向上させる効果を奏するものである。このヨ
ウ化物としては、特に限定はないが、ヨウ化カリウム、
ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシ
ウム、ヨウ化マグネシウムなどのヨウ化物をそれぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することが
でき、中でも、ヨウ化カリウムを用いることが好まし
い。
重を調整する役割を担うものである。この無機塩類とし
ては、無機化合物を含み、その塩の状態で存在している
ものを用いることができ、例えば、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、アンモニウム塩類、鉄塩類が例示でき、
具体的な無機塩類としては、塩化ナトリウム、塩化マグ
ネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化アンモ
ニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリ
ウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナト
リウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸カルシ
ウム、硝酸マグネシウム、塩化鉄、硫酸鉄、硝酸鉄など
を用いることができる。
するpH調整剤の役割を担うものである。この酸として
は、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸などの無機酸、リンゴ
酸、クエン酸、酢酸、乳酸、フマール酸、グルコン酸、
マレイン酸、マロン酸、蟻酸、酒石酸、アクリル酸、ク
ロトン酸、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸などのカル
ボン酸、フィチン酸、メタリン酸、ポリリン酸などの有
機リン酸などを用いることが可能である。これらの酸の
中でも、好ましくは、カルボン酸、無機酸を用いること
が望ましい。
処理液は、比重を1.03〜1.20に調整したもので
あり、好ましくは比重を1.03〜1.13に調整した
ものを用いることが望ましい。即ち、比重が1.03未
満のものであると、従来の処理と比較して、海苔以外の
藻類や赤腐れ病、白腐れ病などの病害に対する防除効果
に差異がなく、処理時間を短縮することができず、ま
た、処理液の比重が1.20より大きい場合には、比重
が高すぎて正常な海苔も傷めることとなる場合があるの
で前記範囲にするのが望ましい。
005〜0.5重量%程度であり、より好ましくは0.
01〜0.2重量%程度である。また、処理液中の無機
塩類の量としては0.25重量%〜飽和量であるが、無
機塩類の量が多いと運搬や海水への溶解作業が困難にな
ることから、好ましくは1〜3重量%の範囲とする。更
に、酸の量は、処理液のpHを0.5〜5.0の範囲に
調整できる量であれば適当量添加することができ、酸の
種類にもよるが、例えば塩酸、硫酸、リン酸などの無機
酸の場合には0.005〜5.0%、有機酸に場合には
0.01〜5.0%を含ませることができる。なお、有
機酸のみでpHを2.0以下に調整しようとする場合に
は、大量に添加する必要があることから、このような場
合には、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸を併用してp
H調整することが好ましい。
剤は、処理液による海苔の処理効果を更に向上させるも
のであり、その使用量としては、処理液中に10〜20
0ppm程度であり、例えばカチオン系界面活性剤であ
る第4級アンモニウム塩の場合であれば10〜50pp
m程度、スルホコハク酸系界面活性剤、リン酸エステル
系界面活性剤、アルキル硫酸塩系界面活性剤、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル硫酸塩系界面活性剤などの
アニオン系界面活性剤の場合には50〜200ppm程
度を用いることが好ましい。
する。以下の各表に示す、実施例および比較例の海苔用
処理液を作製し、この処理液に海苔を浸漬して、ケイソ
ウまたは赤腐れ病についての防除効果の実験を行い、あ
わせて、海苔への傷害度をエリスロシンによる葉体の染
色率と検鏡による芽の傷み具合について判定した。尚、
各表における、葉体の染色率、芽の傷み具合、ケイソウ
駆除効果、赤腐れ病への効果の評価は、以下の通りであ
る。即ち、海苔葉体への影響における葉体の染色率は−
〜100%とし、−は染色しなかった海苔であり、その
%の値が高い程、染色されて海苔がより傷害を受けてい
ることを示すものである。芽の傷み具合については、
○、△、×で表し、○は傷みなし、△はやや傷み有り、
×は傷み有り、とした。ケイソウ駆除効果および赤腐れ
病への効果については、−〜100%の間で示し、−は
全く効果なしで、その%の値が高い程効果があるものと
した。
物としてヨウ化カリウム(KI)、無機塩類として食
塩、更に酸としてリンゴ酸を、それぞれ表に示す割合で
海水に加え溶解して調製した実施例1〜8の処理液と、
表2に示すように、ヨウ化物を加えていない比較例1〜
5の処理液について、ケイソウ駆除効果の実験を行っ
た。
8の処理液ではヨウ化物を加えることでケイソウ防除効
果は短時間で優れたものとなり、ほぼ完全に駆除するこ
とができるが、一方、ヨウ化物を加えていない比較例1
〜5の処理液によるケイソウ駆除効果は完全なものでは
なかった。また、このとき実施例1〜8の処理液による
海苔葉体への影響はなかった。
物としてヨウ化カリウム(KI)、無機塩類として塩化
マグネシウム(MgCl2)、酸としてリンゴ酸を、そ
れぞれ表に示す割合で海水に加え溶解して調製した実施
例9、10の処理液と、ヨウ化物を加えていない比較例
6〜8の処理液について、ケイソウ駆除効果の実験を行
った。
の処理液ではヨウ化物を加えることでケイソウ防除効果
は短時間で優れたものとなり、ほぼ完全に駆除すること
ができるが、一方、ヨウ化物を加えていない比較例6〜
8の処理液によるケイソウ駆除効果は完全なものではな
かった。また、このとき実施例9、10の処理液による
海苔葉体への影響はなかった。
物としてヨウ化カリウム(KI)、無機塩類として食
塩、酸として乳酸を、それぞれ表に示す割合で海水に加
えて調製した実施例11〜14の処理液と、ヨウ化物を
加えていない比較例9〜11の処理液について、赤腐れ
病への効果の実験を行った。
4の処理液ではヨウ化物を加えることで、ヨウ化物を加
えていない比較例6〜8の処理液に比べてより少量の食
塩の添加で、しかも、より短時間で赤腐れ病を駆除でき
る。また、このとき実施例11〜14の処理液による海
苔葉体への影響はなかった。
物としてヨウ化カリウム(KI)、無機塩類として食塩
または塩化マグネシウム(MgCl2)、酸として海苔
用酸性処理剤(商品名:Wダッシュ、扶桑化学株式会社
製)を、それぞれ表に示す割合で海水に加えて調製した
実施例15〜18の処理液と、ヨウ化物を加えていない
比較例12〜17の処理液について、ケイソウ駆除効果
の実験を行った。
8の処理液ではヨウ化物を加えることで、ヨウ化物を加
えていない比較例12〜17の処理液に比べてより少量
の無機塩類の添加で、しかも、より短時間でケイソウを
駆除できる。また、このとき実施例15〜18の処理液
による海苔葉体への影響はなかった。
物としてヨウ化カリウム(KI)、無機塩類として食
塩、酸として海苔用酸性処理剤(商品名:Wダッシュ、
扶桑化学株式会社製)、更に界面活性剤としてアニオン
系界面活性剤(2−エチルジヘキシルスルホコハク酸ナ
トリウム)またはカチオン系界面活性剤(塩化ベンザル
コニウム)を、それぞれ表に示す割合で海水に加えて調
製した実施例19〜24の処理液と、表7に示すよう
に、界面活性剤を加えていない実施例25〜30の処理
液と、ヨウ化物も界面活性剤も加えていない比較例18
〜20の処理液について、ケイソウ駆除効果の実験を行
った。
〜30の処理液ではヨウ化物を加えることで、ヨウ化物
を加えていない比較例18〜20の処理液に比べてより
少量の無機塩類の添加で、しかも、より短時間で赤腐れ
病を駆除できる。更に、実施例19〜24と実施例25
〜30との比較から、処理液に界面活性剤を添加するこ
とで、より一層ケイソウ駆除効果が向上し、無機塩類の
使用量をより減らすことができることが分かる。また、
このとき実施例19〜30の処理液による海苔葉体への
影響は殆どなかった。
および海苔用処理液によれば、極めて短時間の処理で、
ケイソウや赤腐れ病などに対して駆除または予防するこ
とが可能となり、船の処理液槽で処理する場合には、短
時間で済むことから、冬季の荒れた海などでも、効率良
く処理することができる。また、処理液にヨウ化物を加
えることで、無機塩類の使用量を低減することができ、
漁場への無機塩類の運搬、海水への溶解作業を容易に
し、より実用性の高い処理方法となった。更に、界面活
性剤を併用することで処理効果がより一層向上する。し
かも、本発明で使用する処理液は、無機塩類や酸を併用
しているのでpHの使用域が広く、人体への悪影響も懸
念することなく取り扱うことができ、また、マカライト
グリーンや農薬などを使用していないので、食品として
の海苔の品質に問題はなく、消費者へ安全な海苔を提供
することができる。
Claims (15)
- 【請求項1】 海水に、ヨウ化物、無機塩類および酸を
加えて比重を1.03〜1.20に調整し、且つpHを
0.5〜5.0に調整した処理液に、海苔または海苔が
付着した養殖具を浸漬することを特徴とする海苔の処理
方法。 - 【請求項2】 前記ヨウ化物が、ヨウ化カリウム、ヨウ
化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、ヨウ化カルシウム
およびヨウ化マグネシウムからなる群の内から選択され
る少なくとも1種である請求項1記載の海苔の処理方
法。 - 【請求項3】 前記ヨウ化物が、ヨウ化カリウムである
請求項1記載の海苔の処理方法。 - 【請求項4】 前記無機塩類が、アルカリ金属塩類、ア
ルカリ土類金属塩類、アンモニウム塩類および鉄塩類か
らなる群の内から選択される少なくとも1種である請求
項1記載の海苔の処理方法。 - 【請求項5】 前記無機塩類が、塩化ナトリウム、塩化
マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、塩化ア
ンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸
カリウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウム、硝酸
ナトリウム、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、硝酸カ
ルシウム、硝酸マグネシウム、塩化鉄、硫酸鉄および硝
酸鉄からなる群の内から選択される少なくとも1種であ
る請求項1記載の海苔の処理方法。 - 【請求項6】 前記酸が、無機酸、カルボン酸および有
機リン酸からなる群の内から選択される少なくとも1種
である請求項1記載の海苔の処理方法。 - 【請求項7】 前記無機酸が、硫酸、硝酸、塩酸および
リン酸からなる群の内から選択される少なくとも1種で
ある請求項6記載の海苔の処理方法。 - 【請求項8】 前記カルボン酸が、リンゴ酸、クエン
酸、酢酸、乳酸、フマール酸、グルコン酸、マレイン
酸、マロン酸、蟻酸、酒石酸、アクリル酸、クロトン
酸、シュウ酸、コハク酸およびグルタル酸からなる群の
内から選択される少なくとも1種である請求項6記載の
海苔の処理方法。 - 【請求項9】 前記有機リン酸が、フィチン酸、メタリ
ン酸およびポリリン酸からなる群の内から選択される少
なくとも1種である請求項6記載の海苔の処理方法。 - 【請求項10】 前記処理液が、更に界面活性剤を含有
する請求項1〜9のいずれかに記載の海苔の処理方法。 - 【請求項11】 前記界面活性剤が、カチオン系界面活
性剤およびアニオン系界面活性剤の少なくとも1種であ
る請求項10記載の海苔の処理方法。 - 【請求項12】 前記カチオン系界面活性剤が、第4級
アンモミウム塩である請求項11記載の海苔の処理方
法。 - 【請求項13】 前記アニオン系界面活性剤が、スルホ
コハク酸系界面活性剤、リン酸エステル系界面活性剤、
アルキル硫酸塩系界面活性剤およびポリオキシエチレン
アルキルエーテル硫酸塩系界面活性剤からなる群の内か
ら選択される少なくとも1種である請求項11記載の海
苔の処理方法。 - 【請求項14】 海水に、ヨウ化物、無機塩類および酸
を加えて、比重を1.03〜1.20に調整し、且つp
Hを0.5〜5.0に調整してなることを特徴とする海
苔用処理液。 - 【請求項15】 更に界面活性剤を含有してなる請求項
14記載の海苔用処理液。
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JP27019299A JP2001086889A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 海苔の処理方法および海苔用処理液 |
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JP27019299A JP2001086889A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 海苔の処理方法および海苔用処理液 |
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---|---|
JP2001086889A true JP2001086889A (ja) | 2001-04-03 |
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP27019299A Pending JP2001086889A (ja) | 1999-09-24 | 1999-09-24 | 海苔の処理方法および海苔用処理液 |
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KR100671611B1 (ko) * | 2001-12-11 | 2007-01-18 | 다이이치 세이모 가부시키가이샤 | 살조 살균제 |
KR101162142B1 (ko) | 2012-05-04 | 2012-07-04 | 광배산업 주식회사 | 김 양식제 및 이의 제조방법 |
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1999
- 1999-09-24 JP JP27019299A patent/JP2001086889A/ja active Pending
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