JPH0753306A - 養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤 - Google Patents
養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤Info
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- JPH0753306A JPH0753306A JP20084293A JP20084293A JPH0753306A JP H0753306 A JPH0753306 A JP H0753306A JP 20084293 A JP20084293 A JP 20084293A JP 20084293 A JP20084293 A JP 20084293A JP H0753306 A JPH0753306 A JP H0753306A
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 イタコン酸を有効成分として含む養殖海苔の
赤腐れ菌駆除剤。 【効果】 海苔の赤腐れ病による病害を防止し、全滅を
防ぐことができる。従来のクエン酸による駆除作業にく
らべて、作業時間を大幅に短縮でき、省力化できる。
赤腐れ菌駆除剤。 【効果】 海苔の赤腐れ病による病害を防止し、全滅を
防ぐことができる。従来のクエン酸による駆除作業にく
らべて、作業時間を大幅に短縮でき、省力化できる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は海苔の赤腐れ菌駆除剤に
関する。
関する。
【0002】
【従来の技術】海苔養殖において、雜藻すなわちアオノ
リ、アオサ、ケイ藻を駆除するために酸処理を行う方法
が採用されている。アオノリ等が製品中に混在すると海
苔の価格が下がってしまう。これらの酸としては、塩
酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、フイチン酸等種々の
ものが使用されている。食品添加物として認められ、価
格も安価であるために主としてクエン酸が使用されてい
る。
リ、アオサ、ケイ藻を駆除するために酸処理を行う方法
が採用されている。アオノリ等が製品中に混在すると海
苔の価格が下がってしまう。これらの酸としては、塩
酸、リン酸、クエン酸、リンゴ酸、フイチン酸等種々の
ものが使用されている。食品添加物として認められ、価
格も安価であるために主としてクエン酸が使用されてい
る。
【0003】クエン酸の1〜2%(pH約2.0〜2.
2)で5〜10分の処理が行われている。又、赤腐れ病
に対する駆除効果も認められており、前記の濃度で処理
すると1〜2分の間で駆除することができるため、実際
には5〜6分の処理が行われている。
2)で5〜10分の処理が行われている。又、赤腐れ病
に対する駆除効果も認められており、前記の濃度で処理
すると1〜2分の間で駆除することができるため、実際
には5〜6分の処理が行われている。
【0004】赤腐れ病といわれる病害は、海苔葉状体が
生長し、ようやく収穫が可能になった時点で急速に発生
し、数日にして全漁場に蔓延し、葉状体を枯死流出せし
めてしまうため、その被害は甚大である。この病害の元
凶はピチウム属乃至は類縁の水かび類の寄生であるとい
われ、これらの微生物は主として温度15℃前後で生育
し、生物もしくは生物の死滅分解によって生ずる有機物
によって繁殖するといわれ、おそらくはアマノリの葉状
体が多量に海面に存在することがその生育好適条件を満
足させるものと考えられる。
生長し、ようやく収穫が可能になった時点で急速に発生
し、数日にして全漁場に蔓延し、葉状体を枯死流出せし
めてしまうため、その被害は甚大である。この病害の元
凶はピチウム属乃至は類縁の水かび類の寄生であるとい
われ、これらの微生物は主として温度15℃前後で生育
し、生物もしくは生物の死滅分解によって生ずる有機物
によって繁殖するといわれ、おそらくはアマノリの葉状
体が多量に海面に存在することがその生育好適条件を満
足させるものと考えられる。
【0005】赤腐れ菌は寄生体内では菌糸状に増殖し、
その寄生細胞を食害生長するが、この際旺盛な菌糸は末
端に多数の遊走子嚢を形成し、嚢内に多数の遊走子を生
ずる。嚢は成熟すると割れて遊走子を放出するが、放出
された遊走子は水中を遊泳して新たな寄生体に付着し、
再び菌糸状になって直ちに寄生体細胞を食害する。食害
された葉状体は千切れて脱落流出するのが通常で、この
ため産業的には直接食害されるものの数百倍もの被害に
なるといわれている。
その寄生細胞を食害生長するが、この際旺盛な菌糸は末
端に多数の遊走子嚢を形成し、嚢内に多数の遊走子を生
ずる。嚢は成熟すると割れて遊走子を放出するが、放出
された遊走子は水中を遊泳して新たな寄生体に付着し、
再び菌糸状になって直ちに寄生体細胞を食害する。食害
された葉状体は千切れて脱落流出するのが通常で、この
ため産業的には直接食害されるものの数百倍もの被害に
なるといわれている。
【0006】特公昭46−35873号公報では、P‐
オキシ安息香酸又はそのエステルを施用するアマノリの
赤くされ病の防除方法が提案されている。これは、それ
までの抗生物質、逆性石鹸などの使用では、有用細菌類
を含めて、全面的に死滅させるが、カビ、酵母に対する
阻止能は低いばかりでなく、人間に対しても決して無害
なものでない事による。
オキシ安息香酸又はそのエステルを施用するアマノリの
赤くされ病の防除方法が提案されている。これは、それ
までの抗生物質、逆性石鹸などの使用では、有用細菌類
を含めて、全面的に死滅させるが、カビ、酵母に対する
阻止能は低いばかりでなく、人間に対しても決して無害
なものでない事による。
【0007】特開昭50−121425号公報には炭素
数1〜4の飽和脂肪族カルボン酸、炭素数2〜4の飽和
または不飽和カルボン酸、グリコール酸、乳酸、酒石
酸、リンゴ酸、クエン酸から選ばれた有機カルボン酸の
1種又は2種以上を含有する殺雜藻剤が開示されてい
る。これには殺雜藻作用について専ら記載されている
が、赤腐れ菌に関する記載はない。
数1〜4の飽和脂肪族カルボン酸、炭素数2〜4の飽和
または不飽和カルボン酸、グリコール酸、乳酸、酒石
酸、リンゴ酸、クエン酸から選ばれた有機カルボン酸の
1種又は2種以上を含有する殺雜藻剤が開示されてい
る。これには殺雜藻作用について専ら記載されている
が、赤腐れ菌に関する記載はない。
【0008】特公昭60−13647号公報には、クエ
ン酸0.3〜5.0重量%を含み、pHが1.0〜6.
0の処理液に浸漬させる雜藻、病害の駆除、予防による
海苔養殖法が記載されている。
ン酸0.3〜5.0重量%を含み、pHが1.0〜6.
0の処理液に浸漬させる雜藻、病害の駆除、予防による
海苔養殖法が記載されている。
【0009】特公昭60−13648号公報には、塩
酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸を添加してpH1.
0〜4.0とする雜藻、病害の駆除、予防による海苔養
殖法が記載されている。
酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸を添加してpH1.
0〜4.0とする雜藻、病害の駆除、予防による海苔養
殖法が記載されている。
【0010】特公昭60−21950号公報には、フイ
チン酸又はその塩を有効成分とする海苔養殖用肥料、赤
腐れ病に対する予防効果、珪藻駆除効果が開示されてい
る。
チン酸又はその塩を有効成分とする海苔養殖用肥料、赤
腐れ病に対する予防効果、珪藻駆除効果が開示されてい
る。
【0011】特開昭57−8722号公報には、リン酸
又はその塩を含む処理液で海苔網を処理して、雜藻、赤
腐れ病などの病害の除去、予防を行う海苔養殖法が開示
されている。
又はその塩を含む処理液で海苔網を処理して、雜藻、赤
腐れ病などの病害の除去、予防を行う海苔養殖法が開示
されている。
【0012】特開昭60−87202号公報には、アジ
ピン酸を有効成分とする食用海藻類の海水性細菌の殺菌
剤が開示されている。
ピン酸を有効成分とする食用海藻類の海水性細菌の殺菌
剤が開示されている。
【0013】特開昭60−244245号公報には、飽
和量以上のフマール酸を存在させる殺藻方法が開示され
ており、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸の1種
以上を併用してもよい旨の記載もある。
和量以上のフマール酸を存在させる殺藻方法が開示され
ており、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、コハク酸の1種
以上を併用してもよい旨の記載もある。
【0014】特開昭60−248121号公報には、ハ
ロゲン化カルボン酸からなるクロル酢酸、ジクロル酢
酸、トリクロル酢酸などの一種又は二種以上を含む処理
液に浸漬することによる雜藻、ツボ状菌病、赤ぐされ病
などを駆除する海苔養殖法が開示されている。
ロゲン化カルボン酸からなるクロル酢酸、ジクロル酢
酸、トリクロル酢酸などの一種又は二種以上を含む処理
液に浸漬することによる雜藻、ツボ状菌病、赤ぐされ病
などを駆除する海苔養殖法が開示されている。
【0015】特開昭62−21784号公報には希塩酸
を主成分とする酸性緩衝液と硝酸塩、アンモニウム塩及
び燐酸塩から構成されるノリ養殖用殺藻剤兼用液体肥料
が開示されている。
を主成分とする酸性緩衝液と硝酸塩、アンモニウム塩及
び燐酸塩から構成されるノリ養殖用殺藻剤兼用液体肥料
が開示されている。
【0016】特開昭62−190103号公報には、グ
ルコン酸を有効成分とする赤ぐされ病及びツボ状菌病の
病原菌である Pythium 属及び Olpidiopsis 属の藻菌類
の駆除剤が開示されている。
ルコン酸を有効成分とする赤ぐされ病及びツボ状菌病の
病原菌である Pythium 属及び Olpidiopsis 属の藻菌類
の駆除剤が開示されている。
【0017】特開平1−279805号公報には、フマ
ル酸モノナトリウム塩及び/又はフマル酸モノカリウム
塩を有効成分として含有する藻類および細菌類の駆除剤
が開示されている。
ル酸モノナトリウム塩及び/又はフマル酸モノカリウム
塩を有効成分として含有する藻類および細菌類の駆除剤
が開示されている。
【0018】特開平2−25404号公報には、フマル
酸及び/又はフマル酸塩と炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素カリウムより
なる群から選んだ少なくとも1種を含む駆除剤を水又は
海水に溶解させ、フマル酸モノナトリウム及び/又はフ
マル酸モノカリウムとする藻類および細菌類の駆除剤が
開示されている。
酸及び/又はフマル酸塩と炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム、および炭酸水素カリウムより
なる群から選んだ少なくとも1種を含む駆除剤を水又は
海水に溶解させ、フマル酸モノナトリウム及び/又はフ
マル酸モノカリウムとする藻類および細菌類の駆除剤が
開示されている。
【0019】特開平2−291218号公報(特公平3
−47810号公報)には、飽和量をこえる量のフマー
ル酸を通水性を有する被覆手段で被覆した状態で存在さ
せ、この処理液中に被処理物を浸漬する殺藻方法が開示
されている。
−47810号公報)には、飽和量をこえる量のフマー
ル酸を通水性を有する被覆手段で被覆した状態で存在さ
せ、この処理液中に被処理物を浸漬する殺藻方法が開示
されている。
【0020】特開平5−139913号公報には、乳酸
0.1〜2.0重量%を含む処理液のpHを1.5〜
2.0に調節してなる殺藻剤が開示され、明細書中には
赤腐れ菌などの病害の駆除にも有効であることを記載し
ている。
0.1〜2.0重量%を含む処理液のpHを1.5〜
2.0に調節してなる殺藻剤が開示され、明細書中には
赤腐れ菌などの病害の駆除にも有効であることを記載し
ている。
【0021】後記するように、アオノリ等の雜藻類の駆
除は、専ら、処理液のpHに依存しているので、前記し
た公知の塩酸、リン酸、フイチン酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸等の何れの酸を単
味で用いても、組合わせて用いても、pH2程度で9〜
10分で十分駆除できる。
除は、専ら、処理液のpHに依存しているので、前記し
た公知の塩酸、リン酸、フイチン酸、酒石酸、クエン
酸、リンゴ酸、コハク酸、グルコン酸等の何れの酸を単
味で用いても、組合わせて用いても、pH2程度で9〜
10分で十分駆除できる。
【0022】しかし、赤腐れ菌は、発生すると感染能力
が高いため、早く処理をして完全に死滅させなくてはな
らない。しかし、海中からの感染が直ちに起こるために
2〜6日の間隔で、処理をしなければ海苔が壊滅状態に
なる。
が高いため、早く処理をして完全に死滅させなくてはな
らない。しかし、海中からの感染が直ちに起こるために
2〜6日の間隔で、処理をしなければ海苔が壊滅状態に
なる。
【0023】海苔の生産者は平均して100〜200枚
の海苔網を採苗しており、現在の処理剤の効力では、最
低でも5分の処理時間がかかるため100枚を浸漬する
時間だけでも8時間以上かかるため、1日に処理できる
のは30〜40枚である。従って赤腐れの蔓延がひどく
なるにつれ、赤腐れ菌の駆除が間に合わなくなり、海苔
が腐れ生産皆無となって海苔の生産が終了するのが現状
である。従って、より短時間処理で赤腐れ菌を駆除でき
る薬剤の開発が切望されている。
の海苔網を採苗しており、現在の処理剤の効力では、最
低でも5分の処理時間がかかるため100枚を浸漬する
時間だけでも8時間以上かかるため、1日に処理できる
のは30〜40枚である。従って赤腐れの蔓延がひどく
なるにつれ、赤腐れ菌の駆除が間に合わなくなり、海苔
が腐れ生産皆無となって海苔の生産が終了するのが現状
である。従って、より短時間処理で赤腐れ菌を駆除でき
る薬剤の開発が切望されている。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、海苔
自体に害を与えることなく、赤腐れ菌を短時間に駆除で
きる薬剤を提供することである。
自体に害を与えることなく、赤腐れ菌を短時間に駆除で
きる薬剤を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記の課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、イタコン酸が赤腐
れ菌に対して、効果的に作用し、極めて短時間にこれを
駆除し得ることを見いだして、本発明を完成した。
解決するため鋭意研究を行った結果、イタコン酸が赤腐
れ菌に対して、効果的に作用し、極めて短時間にこれを
駆除し得ることを見いだして、本発明を完成した。
【0026】すなわち本発明は次の通りである。 (1) イタコン酸を有効成分として含む養殖海苔の赤
腐れ菌駆除剤。
腐れ菌駆除剤。
【0027】(2) イタコン酸を0.1重量/容量%
以上含む養殖海苔の赤腐れ菌駆助剤。
以上含む養殖海苔の赤腐れ菌駆助剤。
【0028】(3) イタコン酸の0.1重量/容量%
以上の水溶液に、窒素源として硝酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、リン酸1アンモニウム、尿素、硝酸ナト
リウム、硝酸;リン源としてリン酸1カリウム、リン酸
1ナトリウム、リン酸、イノシトール6‐リン酸(フィ
チン酸)よりなる群より選ばれた少なくとも1種を併せ
含む養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤。
以上の水溶液に、窒素源として硝酸アンモニウム、塩化
アンモニウム、リン酸1アンモニウム、尿素、硝酸ナト
リウム、硝酸;リン源としてリン酸1カリウム、リン酸
1ナトリウム、リン酸、イノシトール6‐リン酸(フィ
チン酸)よりなる群より選ばれた少なくとも1種を併せ
含む養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤。
【0029】(4) イタコン酸の0.1重量/容量%
以上の水溶液に、雜藻駆除、汚れ駆除剤として、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、酢酸、
クロル酢酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、マレイン
酸、フマル酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸よりなる群よ
り選んだ少なくとも1種を併せ含む養殖海苔の赤腐れ菌
駆除剤。
以上の水溶液に、雜藻駆除、汚れ駆除剤として、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、酢酸、
クロル酢酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、マレイン
酸、フマル酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸よりなる群よ
り選んだ少なくとも1種を併せ含む養殖海苔の赤腐れ菌
駆除剤。
【0030】赤腐れ菌の駆除は、現在では、クエン酸、
リンゴ酸等の有機酸で浸漬処理をする方法が行われてい
る。しかし赤腐れ菌の蔓延がひどくなると3日前後で赤
腐れ病におかされてしまう。海苔は1週間位で摘採可能
な状態になるため、収穫する前にもう一度酸処理する必
要がある。
リンゴ酸等の有機酸で浸漬処理をする方法が行われてい
る。しかし赤腐れ菌の蔓延がひどくなると3日前後で赤
腐れ病におかされてしまう。海苔は1週間位で摘採可能
な状態になるため、収穫する前にもう一度酸処理する必
要がある。
【0031】一般的には、赤腐れ菌を駆除する方法とし
て、クエン酸の1〜2%の5〜10分処理が行われてい
る。海苔の生産者の平均採苗枚数は100〜200枚で
あるため、1日に処理できるのは、30〜40枚であ
る。従って赤腐れ菌が蔓延した時は、赤腐れ菌の駆除が
間に合わなくなり、海苔が腐れ、生産皆無となって、海
苔の季節が終了する。
て、クエン酸の1〜2%の5〜10分処理が行われてい
る。海苔の生産者の平均採苗枚数は100〜200枚で
あるため、1日に処理できるのは、30〜40枚であ
る。従って赤腐れ菌が蔓延した時は、赤腐れ菌の駆除が
間に合わなくなり、海苔が腐れ、生産皆無となって、海
苔の季節が終了する。
【0032】従って、より短時間の処理で赤腐れ菌を駆
除できる製剤の開発が待望されている。本発明者はイタ
コン酸を有効成分として含む製剤が、短時間に赤腐れ菌
に対して優れた殺菌力をもつことを見いだした。実施例
1及び2に示すように、0.5重量/容量%以上の濃度
で処理を行うと、30秒以内で赤腐れ菌を駆除すること
ができるため、実際には40〜50秒の処理で十分に赤
腐れ菌を殺すことができる。従って200枚の海苔網の
処理には8,000秒〜10,000秒即ち2時間10
分〜2時間50分かかることになり、1日で処理が可能
となる。
除できる製剤の開発が待望されている。本発明者はイタ
コン酸を有効成分として含む製剤が、短時間に赤腐れ菌
に対して優れた殺菌力をもつことを見いだした。実施例
1及び2に示すように、0.5重量/容量%以上の濃度
で処理を行うと、30秒以内で赤腐れ菌を駆除すること
ができるため、実際には40〜50秒の処理で十分に赤
腐れ菌を殺すことができる。従って200枚の海苔網の
処理には8,000秒〜10,000秒即ち2時間10
分〜2時間50分かかることになり、1日で処理が可能
となる。
【0033】本発明の駆除剤は、窒素源として硝酸アン
モニウム、塩化アンモニウム、リン酸1アンモニウム、
尿素、硝酸ナトリウム、硝酸等;リン源としてリン酸1
カリウム、リン酸1ナトリウム、リン酸、イノシトル6
‐リン酸(フイチン酸)等を含有させると効果を高め
る。特にリン酸を併用すると、酸による海苔の障害をや
わらげ、柔らかい海苔を生産することができる。
モニウム、塩化アンモニウム、リン酸1アンモニウム、
尿素、硝酸ナトリウム、硝酸等;リン源としてリン酸1
カリウム、リン酸1ナトリウム、リン酸、イノシトル6
‐リン酸(フイチン酸)等を含有させると効果を高め
る。特にリン酸を併用すると、酸による海苔の障害をや
わらげ、柔らかい海苔を生産することができる。
【0034】アオノリ等の雜藻及び汚れ等を駆除する効
果をもたらすために、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コ
ハク酸、グルコン酸、酢酸、(モノ、ジ、トリ)クロル
酢酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等の酸を添加すること
ができる。
果をもたらすために、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、コ
ハク酸、グルコン酸、酢酸、(モノ、ジ、トリ)クロル
酢酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸等の酸を添加すること
ができる。
【0035】本発明の駆除剤は、赤腐れ菌に感染した海
苔養殖網を駆除剤中に浸漬又は散布し、病気に感染して
いる海苔葉体を駆除剤に接触させることにより駆除する
ことを特徴とする。本駆除剤自体も、海苔に付着する細
菌や珪藻を除去する効果もある。
苔養殖網を駆除剤中に浸漬又は散布し、病気に感染して
いる海苔葉体を駆除剤に接触させることにより駆除する
ことを特徴とする。本駆除剤自体も、海苔に付着する細
菌や珪藻を除去する効果もある。
【0036】(実施例1、比較例1〜7)イタコン酸、
クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、フイチン酸
(50%)、塩酸(36%)、リン酸(75%)の0.
5重量/容量%海水溶液を調製し、赤腐れ菌に感染した
海苔葉体を20秒又は1分浸漬処理した後に、取り出し
海水で洗浄後、静置培養し、2日後の状態を顕微鏡下で
観察し、赤腐れ菌の駆除効果を調査した。処理水温は2
0℃にて行った。その結果を表1に示す。
クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、フイチン酸
(50%)、塩酸(36%)、リン酸(75%)の0.
5重量/容量%海水溶液を調製し、赤腐れ菌に感染した
海苔葉体を20秒又は1分浸漬処理した後に、取り出し
海水で洗浄後、静置培養し、2日後の状態を顕微鏡下で
観察し、赤腐れ菌の駆除効果を調査した。処理水温は2
0℃にて行った。その結果を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】(実施例2〜9)イタコン酸の0.01、
0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0、
1.5重量/容量%の海水溶液を調製し、赤腐れ菌駆除
試験、海苔に対する障害度試験を行った。処理水温は2
0℃である。その結果を表2に示す。
0.05、0.1、0.2、0.3、0.5、1.0、
1.5重量/容量%の海水溶液を調製し、赤腐れ菌駆除
試験、海苔に対する障害度試験を行った。処理水温は2
0℃である。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】(赤腐れ菌駆除試験)各濃度のイタコン酸
海水溶液に、各一定時間(10秒、20秒、30秒、…
…60秒、2分、3分、……10分、30分)浸漬処理
した後、海水で洗浄し、静置培養2日後の状態を顕微鏡
下で観察し、赤腐れ菌を駆除できる時間を調査した。
海水溶液に、各一定時間(10秒、20秒、30秒、…
…60秒、2分、3分、……10分、30分)浸漬処理
した後、海水で洗浄し、静置培養2日後の状態を顕微鏡
下で観察し、赤腐れ菌を駆除できる時間を調査した。
【0041】(海苔に対する障害度試験)各濃度のイタ
コン酸海水溶液に各一定時間(1分、2分、3分……3
0分)浸漬処理した後、海水で洗浄し、静置培養翌日の
状態を顕微鏡下で観察し、海苔の生死を調査し何分まで
海苔が傷まないかを調査した。
コン酸海水溶液に各一定時間(1分、2分、3分……3
0分)浸漬処理した後、海水で洗浄し、静置培養翌日の
状態を顕微鏡下で観察し、海苔の生死を調査し何分まで
海苔が傷まないかを調査した。
【0042】
【発明の効果】本発明の赤腐れ菌駆除剤は海苔の赤腐れ
病による全滅を防ぐこともでき、通常でも、従来のクエ
ン酸による駆除作業にくらべて作業時間をかなり短縮で
き、省力化につながる優れた製剤である。更に窒素源、
リン源や雜藻駆除剤や汚れ駆除剤である酸類を併用する
ことにより、効果を更に高めることができる。
病による全滅を防ぐこともでき、通常でも、従来のクエ
ン酸による駆除作業にくらべて作業時間をかなり短縮で
き、省力化につながる優れた製剤である。更に窒素源、
リン源や雜藻駆除剤や汚れ駆除剤である酸類を併用する
ことにより、効果を更に高めることができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 イタコン酸を有効成分として含む養殖海
苔の赤腐れ菌駆除剤。 - 【請求項2】 イタコン酸を0.1重量/容量%以上含
む養殖海苔の赤腐れ菌駆助剤。 - 【請求項3】 イタコン酸の0.1重量/容量%以上の
水溶液に、窒素源として硝酸アンモニウム、塩化アンモ
ニウム、リン酸1アンモニウム、尿素、硝酸ナトリウ
ム、硝酸;リン源としてリン酸1カリウム、リン酸1ナ
トリウム、リン酸、イノシトール6‐リン酸(フィチン
酸)よりなる群より選ばれた少なくとも1種を併せ含む
養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤。 - 【請求項4】 イタコン酸の0.1重量/容量%以上の
水溶液に、雜藻駆除、汚れ駆除剤として、クエン酸、リ
ンゴ酸、酒石酸、コハク酸、グルコン酸、酢酸、クロル
酢酸、ギ酸、乳酸、ケトグルタル酸、マレイン酸、フマ
ル酸、塩酸、リン酸、硝酸、硫酸よりなる群より選んだ
少なくとも1種を併せ含む養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20084293A JPH0753306A (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20084293A JPH0753306A (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0753306A true JPH0753306A (ja) | 1995-02-28 |
Family
ID=16431121
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20084293A Pending JPH0753306A (ja) | 1993-08-12 | 1993-08-12 | 養殖海苔の赤腐れ菌駆除剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0753306A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100336110B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2002-05-08 | 김우창 | 해태망 코팅용 양액 조성물 및 그의 제조방법 |
-
1993
- 1993-08-12 JP JP20084293A patent/JPH0753306A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100336110B1 (ko) * | 1999-12-24 | 2002-05-08 | 김우창 | 해태망 코팅용 양액 조성물 및 그의 제조방법 |
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