JP2001151610A - 海苔養殖用の藻類・細菌類の駆除方法 - Google Patents

海苔養殖用の藻類・細菌類の駆除方法

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JP2001151610A
JP2001151610A JP33309699A JP33309699A JP2001151610A JP 2001151610 A JP2001151610 A JP 2001151610A JP 33309699 A JP33309699 A JP 33309699A JP 33309699 A JP33309699 A JP 33309699A JP 2001151610 A JP2001151610 A JP 2001151610A
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laver
acid
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minute
treatment
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JP33309699A
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English (en)
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Kazuhiko Okuzono
一彦 奥薗
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Daiichi Seimo Co Ltd
Original Assignee
Daiichi Seimo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フマル酸0.2〜0.5重量%かつ酢酸・塩
酸の中の1種または2種を含有し、両者の合計が0.3
5重量%以上である処理液に1分以内の時間で浸漬する
ことにより海苔に付着する細菌類を駆除予防することを
特徴とする海苔養殖用の藻類・細菌類の駆除方法。 【効果】 フマル酸0.2〜0.5重量%かつ酢酸・塩
酸の中の1種又は2種を含有し、両者の合計が0.35
〜1.00重量%以上である処理液を用いることによ
り、海苔に寄生する赤腐れ菌等の細菌類や珪藻等の藻類
を1分以内の短時間処理で駆除することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、海苔養殖において海苔
葉体や海苔網に付着する珪藻等の藻類や赤腐れ病等の細
菌類を海苔を傷めることなく1分以内の短時間で駆除す
ることができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】海苔の養殖において、赤腐れ菌が発生す
ると海苔の品質を低下させ、ひどくなると生産皆無とな
る恐れがある。一般的には、海苔養殖において病害の予
防方法として干出作業を行う。この作業は、海苔網を一
度海水から出して干す方法で、多大な労力と時間をかけ
るわりにはあまり効果がない。もう一つの方法として、
クエン酸・リンゴ酸等の有機酸溶液に浸漬処理すること
により赤腐れ菌を駆除する方法がある。クエン酸の1〜
2%溶液で5〜10分の処理が行われている。この方法
は、赤腐れ菌を駆除するのに時間がかかりすぎる欠点が
ある。赤腐れ病といわれる病害は、海苔葉状体が成長し
ようやく収穫が可能になった時点で急速に発生し数日に
して全漁場に蔓延し葉状体を枯死流出せしめてしまうた
めその被害は大きい。
【0003】赤腐れ菌の駆除に関して開示されている特
許には下記に示すことがある。特公昭60−13647
号公報には、クエン酸0.3〜0.5%を含みpH1.
0〜6.0の処理液に浸漬させる雑藻・病害の駆除予防
による海苔養殖法が記載されている。特公昭60−13
648号公報には、塩酸・硝酸・硫酸・リン酸などの無
機酸を添加してpH 1.0〜4.0とする雑草・病害
の駆除予防による海苔養殖法が記載されている。
【0004】フマル酸を使用した特許には、下記に示す
ものがある。特公平3−47810号公報には、処理槽
内に収容した海水などの処理液中に飽和量を超える量の
フマル酸を通水性を有する被覆手段で被覆した状態で存
在してなることを特徴とするアオノリの殺藻方法が記載
されている。特公平2−25404号公報には、フマル
酸及び/又はフマル酸塩と炭酸ナトリウム、炭酸水素ナ
トリウム、炭酸カリウム及び炭酸水素カリウムよりなる
群から選ばれた少なくとも一種の炭酸塩を含有する駆除
剤を水又は海水に溶解させたときにフマル酸モノナトリ
ウム及び/又はフマル酸モノカリウムとなることを特徴
とする藻類及び細菌類の駆除剤が記載されている。フマ
ル酸塩で細菌を駆除するという特許である。特開平8−
109105号公報には、酢酸濃度0.05重量%以上
0.15重量%未満の酢酸とリンゴ酸,フマル酸,グル
コン酸及びクエン酸の中から選ばれた1種又は2種以上
の有機酸を含み、かつ両者の合計酸濃度が0.3重量%
未満である海苔の防除剤に、海苔芽及び/又は海苔葉体
を2.5分〜20分浸漬することを特徴とする海苔の病
害防除方法が記載されている。
【0005】海苔の生産者は平均して200枚〜100
0枚の海苔網を採苗している。酸処理できる時間は潮の
干満や他の作業の問題で1日2〜3時間しかできない。
従って、現在の処理剤では、網一枚あたり5分以上の処
理時間を必要とするため1日で作業できる網は30〜4
0枚であった。市販の酸処理剤を100倍〜200倍に
海水で希釈して使用している。最近では、500枚以上
の規模の大きい養殖形態に変わってきているため、網1
枚の酸処理時間を1分以内とする必要性が発生してき
た。従って、1分以内の処理が可能な赤腐れ菌等の細菌
類の駆除方法の開発が切望されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】養殖規模が大きくなっ
てきたため1分以内の処理により細菌や藻類を駆除しな
ければ海苔が腐敗し生産が激減する。そこで、海苔を傷
めることなく1分以内の短時間処理で細菌類・藻類を駆
除できる方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】1分以内の短時間処理で
藻類や細菌類を駆除できる方法について鋭意検討した結
果、0.2〜0.5重量%のフマル酸と酢酸及び又は塩
酸を含有しかつその合計が0.35〜1.00重量%の
処理液を用いることにより海苔を傷めることなく1分以
内の処理で藻類及び細菌類を駆除できることに成功し
た。
【0008】すなわち本発明は、次の通りである。フマ
ル酸0.2〜0.5重量%かつ酢酸・塩酸の中の一種ま
たは2種を含有し、両者の合計が0.35〜1.00重
量%である処理液に海苔及び又は海苔養殖網を1分以内
の短時間で浸漬することを特徴とする海苔養殖用の藻類
・細菌類の駆除方法。
【0009】赤腐れ菌等の細菌類及び珪藻等の藻類を駆
除する必要性の高い時期は、水温が約10℃の海苔の生
産性が高くなった冷凍作の時期である。殺菌力は、水温
が低いほど弱くなるため10℃の低水温で1分以内の処
理で効果を発揮しなければならない。試験例1〜6より
わかるようにフマル酸とクエン酸・リンゴ酸・リン酸と
の併用では1分以内の処理で赤腐れ菌を駆除することは
できないが、フマル酸に酢酸及び又は塩酸を併用するこ
とにより赤腐れ菌の駆除効果は相乗効果により高くなり
1分以内の処理が可能になる。
【0010】試験例1・2・7に示しているように、フ
マル酸0.2重量%未満の濃度では酢酸や塩酸と併用し
ても1分以内の処理で効果がなく、0.5重量%を越え
ると10℃の水温に溶解しないため使用することができ
ない。従って、使用するフマル酸の濃度は0.2〜0.
5重量%が好ましい。又、1分以内の処理を行うときは
船の上の作業となるため、波や船の操作の影響により部
分的に処理時間が長くなり、2〜3分の処理を行う部分
が多く発生する。従って、3分でも傷害が発生しないよ
うな使用幅が必要となる。フマル酸と併用する酢酸及び
又は塩酸の合計を0.35〜1.00重量%にすること
により3分処理でも海苔を傷めることなく1分以内の処
理が可能となる。
【0011】(試験1)フマル酸及び酢酸を表1に示す
濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液に、赤
腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、10、15
・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で洗浄後シ
ャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内の赤腐れ
菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害について調査し
た。結果を表1に示す。
【0012】
【表1】
【0013】(試験2)フマル酸及び塩酸を表2に示す
濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液に、赤
腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、10、15
・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で洗浄後シ
ャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内の赤腐れ
菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害について調査し
た。結果を表2に示す。
【0014】
【表2】
【0015】(試験3)フマル酸及びクエン酸を表3に
示す濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液
に、赤腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、1
0、15・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で
洗浄後シャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内
の赤腐れ菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害につい
て調査した。結果を表3に示す。
【0016】
【表3】
【0017】(試験4)フマル酸及びリンゴ酸を表4に
示す濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液
に、赤腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、1
0、15・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で
洗浄後シャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内
の赤腐れ菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害につい
て調査した。結果を表4に示す。
【0018】
【表4】
【0019】(試験5)フマル酸及びリン酸を表5に示
す濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液に、
赤腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、10、1
5・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で洗浄後
シャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内の赤腐
れ菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害について調査
した。結果を表5に示す。
【0020】
【表5】
【0021】(試験6)フマル酸0.3%,酢酸0.2
%,塩酸0.1%濃度になるように海水に溶解した10
℃の処理液に、赤腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間
(5、10、15・・・60、180秒)浸漬処理し
た。海水で洗浄後シャーレ中にて1昼夜静置培養した
後、1分以内の赤腐れ菌の駆除効果と3分処理後の海苔
の傷害について調査した。結果を表6示す。
【0022】
【表6】
【0023】(試験7)フマル酸及び酢酸を表7に示す
濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液に、赤
腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、10、15
・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で洗浄後シ
ャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内の赤腐れ
菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害について調査し
た。結果を表7に示す。
【0024】
【表7】
【0025】(試験8)フマル酸及び酢酸を表8に示す
濃度になるように海水に溶解した10℃の処理液に、赤
腐れ菌に感染した海苔葉体を一定時間(5、10、15
・・・60、180秒)浸漬処理した。海水で洗浄後シ
ャーレ中にて1昼夜静置培養した後、1分以内の赤腐れ
菌の駆除効果と3分処理後の海苔の傷害について調査し
た。結果を表8に示す。
【0026】
【表8】
【0027】
【発明の効果】フマル酸0.2〜0.5重量%かつ酢酸
・塩酸の中の一種または2種を含有し、両者の合計が
0.35〜1.00重量%である処理液に1分以内の時
間で浸漬することにより海苔を傷めることなく、海苔に
付着する赤腐れ菌等の細菌類及び珪藻等の藻類を駆除・
予防することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フマル酸0.2〜0.5重量%かつ酢酸
    ・塩酸の中の一種または2種を含有し、両者の合計が
    0.35〜1.00重量%である処理液に海苔及び又は
    海苔養殖網を1分以内の短時間で浸漬処理することを特
    徴とする海苔養殖用の藻類・細菌類の駆除方法。
JP33309699A 1999-11-24 1999-11-24 海苔養殖用の藻類・細菌類の駆除方法 Pending JP2001151610A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002068907A (ja) * 2000-08-31 2002-03-08 Daiichi Seimou Co Ltd 藻類の駆除方法
JP2006151925A (ja) * 2004-12-01 2006-06-15 Daiichi Seimou Co Ltd 海苔の雑藻駆除及び病害防除のための海苔処理方法及び海苔処理剤
CN113016802A (zh) * 2021-02-25 2021-06-25 南京大学 富马酸在抑制蓝藻生长中的应用

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