JP2819513B2 - 養殖海苔の育成促進処理方法 - Google Patents

養殖海苔の育成促進処理方法

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達美 千倉
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、病菌や雑藻による養殖海苔の被害を防ぎ、
海苔の育成を促進する養殖海苔の育成促進処理方法に関
する。
(ロ)従来の技術 従来、海苔養殖は、例えば、2列に並んだ支柱に海苔
胞子を付けた海苔網を張るいわゆる支柱方式が一般に行
なわれている。
かかる支柱方式は、特に、海苔の栄養分が多い沿岸付
近に海苔網を張り、海苔網に付着した海苔胞子の育成を
円滑に行うようにしている。
(ハ)発明が解決しようとする課題 ところが、上記のような海苔養殖において、海中に配
設した海苔網には、青のりが付着しやすく、この海苔網
に青のりが繁殖すると、海苔の発育が悪くなり、海苔の
品質を低下させる欠点を有していた。
また、海苔養殖は、赤腐れ病によって、多大の損害を
被ることがある。
なお、この赤腐れ病を、硫酸銅剤、水銀剤または塩素
剤等の薬剤を散布して駆除することも考えられたが、こ
の薬剤は、海を汚染することを理由として、海中への散
布を禁止しており、赤腐れ病を駆除することがてきなか
った。
(ニ)課題を解決するための手段 本発明では、主原料として蛋白質原料を用い、同原料
中に塩酸を混合して同原料を加水分解してアミノ酸に分
解すると共に、分解したアミノ酸溶液中にアンモニアを
添加して塩酸を中和し、同溶液を濾過して含硫アミノ酸
溶液を抽出し、この抽出した含硫アミノ酸溶液に硝酸塩
及び燐酸塩並びに有機酸を混入すると共に、糖質類を混
入して育成促進剤をつくると共に、同育成促進剤を希釈
して容器中に収容して、海中より引き上げた養殖海苔付
着の海苔網を同容器内の育成促進剤に5〜15分間浸漬
し、次いで浸漬した海苔網を容器外に取り出し、育成促
進剤の溶液をよく切った後に再度海中に入れることを特
徴とした養殖海苔の育成促進処理方法を提供するもので
ある。
(ホ)作用及び効果 本発明では、育成促進剤に内に海苔網を浸漬して、海
苔を養殖すると、主成分とした含硫アミノ酸をそのまま
の形で海苔の細胞に吸収させることにより、海苔の細胞
の育成、細胞膜の強化を行うと共に、硝酸塩、燐酸塩に
よって海苔に栄養を与えて、海苔の育成を促進させる。
また、有機酸は、含硫アミノ酸の溶液を弱酸性とし、
アミノ酸溶液によって、青のりの付着を防止することが
できる。
また、分解したアミノ酸溶液中にアンモニアを添加し
て当初混入した塩酸を中和し、次いで濾過することによ
り中性に近い含硫アミノ酸溶液を得ることができ、海苔
に刺激を与えない。
さらに、有機酸は、海苔の細胞内に入り込んだ赤腐れ
病を殺菌するとともに、雑藻を駆除して、海苔の発育を
良好とし、海苔の品質を向上させることができる。
このように、本発明では、有機酸によって青のり、赤
腐れ病を円滑に駆除することにより、汚染することな
く、海をきれいに維持することができる。
また、含硫アミノ酸の溶液中の糖質類は、病害、酸害
によって損傷した海苔の細胞膜等を治癒することによ
り、海苔に健全な黒色光沢を持たせることができる。
また、この育成促進剤の溶液は希釈して用いられ、こ
の溶液中に海苔網を5〜15分間浸漬し、次いで取り出し
て溶液を切って再度海苔網を海中に入れるように使用す
るため、養殖海苔に直接的に効能が作用し作用時間の調
整も自由に行うことができる効果があり、更には海苔網
にも溶液が付着し、海中にもどした後も溶液の効能を発
揮することができる効果がある。
(ヘ)実施例 本発明の実施例を詳説すれば、養殖海苔の育成促進剤
は、以下のように構成されている。
すなわち、主原料として、ケラチンを多量に含有した
羽毛、蹄、人毛、獣毛、ソリュブル等の蛋白質を使用し
ており、同原料内に塩酸を混合して、同原料を加水分解
する。
かかる塩酸は、主原料に対して10〜50重量%を混入
し、原料中のケラチン70〜90%をシスチン、メチオニン
(含硫アミノ酸)、アルギニン、アスパラギン酸等を含
むアミノ酸に分解する。
なお、原料に混入する塩酸は、その混入量を適宜調整
し、原料の分解を行うものである。
その後、分解した原料にアルカリ性のアンモニアによ
って、過剰の塩酸を中和し、さらに、同原料をろ過し
て、含硫アミノ酸等を主成分とする含硫アミノ酸溶液を
抽出する。
また、主原料をアンモニアによって中和状態とせず
に、ろ過することも可能としている。
かかる含硫アミノ酸溶液には、海苔の細胞に吸収され
やすいアミノ酸が多量に含まれている。
そして、主原料の分解に要した塩酸は、含硫アミノ酸
中に残留するが、アミノ酸中の有機酸と結合し、海苔細
胞に対して他の有機酸と共に温和に作用している。
次いで、含硫アミノ酸溶液には、海苔の栄養素として
の硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩及び燐酸ナ
トリウム、燐酸カリウム等の燐酸塩をそれぞれ混入して
もよい。
上記の硝酸塩と燐酸塩は、含硫アミノ酸溶液に対して
1〜5重量%を混入しており、海苔を枯らすことなく、
育成するものである。
さらに、含硫アミノ酸溶液には、有機酸としてクエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、シュウ酸、フイチン酸等を混入
している。
かかる有機酸は、含硫アミノ酸溶液に対して0.2〜20
重量%を混入して、同溶液内への溶解を良好にし、しか
も、含硫アミノ酸溶液に上記の有機酸の混入量を調整し
て、同含硫アミノ酸溶液のpHを0.5〜1.5としている。
特に、フイチン酸は、高いキレート能を有し、医薬等
に利用されて、含硫アミノ酸溶液のpHを0.5〜1.5として
いる為に、海苔の病菌、雑藻等の駆除を効果的に行うも
のである。
また、有機酸で処理した海苔は、低燐酸塩の溶液中で
極めて効率よく成長するものである。
さらに、かかる含硫アミノ酸溶液には、糖質類として
ブドウ糖、果糖、蜂蜜等を混入している。
かかる糖質類は、含硫アミノ酸溶液に対して0.5〜5
重量%を混入しており、病害、酸害によって損傷した海
苔の細胞膜等を治癒するものである。
また、海苔の光合成作用を活発にし、海苔の成長を促
進させるものである。
なお、糖質類は、海苔の損傷具合に合わせてその量を
適度に調整するものであり、混入量が溶液に対して5重
量%を過ぎると、海苔の治癒の効果は、殆ど見られない
ものである。
以上のように構成された養殖海苔の育成促進剤は、海
水にて100〜300倍に希釈して使用するものである。
そして、希釈した育成促進剤を容器に収容し、海中よ
り引き出した海苔網を同容器内の育成促進剤に浸漬し、
5〜15分間放置しておく。
かかる育成促進剤に浸漬した海苔網は、容器より取り
出し、この育成促進剤をよく切った後に、再度、海中に
入れて、海苔に付いた育成促進剤にて海苔病菌や雑藻に
よる被害を防ぎ、海苔の育成を助成するものである。
すなわち、上記の養殖海苔の育成促進剤は、含硫アミ
ノ酸等を主成分としており、同アミノ酸内の硫黄分をそ
のままの形で海苔の細胞に吸収させることにより、海苔
の細胞の育成、細胞膜を強化する。
さらに、溶液に混入した硝酸塩、燐酸塩によって、海
苔に栄養を与えて、海苔の育成を促進させるものであ
る。
また、クエン酸等の有機酸は、溶液のpHを0.5〜1.5の
弱酸性とし、同有機酸によって海中の海苔網に青のりの
付着を防止することができる。
さらに、クエン酸等の有機酸は、海苔に付着した赤腐
れ病を殺菌するとともに、雑藻を駆除して海苔の育成を
良好とし、海苔の品質を向上させることができる。
特に、本発明では、クエン酸等の有機酸にて青のり、
赤腐れ病を駆除する為に、汚染することなく、海をきれ
いに維持することができる。
また、含硫アミノ酸溶液内の糖質類は、病害、酸害に
よって損傷した海苔の細胞膜等を治癒することにより、
海苔に健全な黒色光沢としなやかさを持たせることがで
きる。
次いで、本発明の養殖海苔の育成促進剤を試験した結
果を詳説する。
本発明の試験例1 (1)赤腐れ病に侵された海苔網の処理 赤腐れ病に侵された海苔網を、200倍に希釈した本発
明の養殖海苔の育成促進剤に約10分間浸漬したものであ
る。
そして、浸漬処理した海苔網A〜Dと、未処理の海苔
網E〜Hとを比較観察し、1週間の観察結果を第1表に
示す。
なお、養殖海苔の育成促進剤は、含硫アミノ酸の溶液
82%、クエン酸5%、硝酸ナトリウム5%、燐酸ナトリ
ウム3%、蜂蜜5%の配合比としている。
本発明の試験例2 (2)青のりに侵された海苔網の処理 青のりに侵された海苔網を、上記と同一配合比とした
養殖海苔の育成促進剤に約10分間浸漬したものである。
そして、育成促進剤に浸漬し、処理した海苔網I〜L
と、未処理の海苔網M〜Pとを比較観察し、1週間の観
察結果を第2表に示す。
本発明の試験例3 (3)養殖海苔の育成処理 海苔網を海中に張る養殖の初期より海苔網を本発明の
養殖海苔の育成促進剤に浸漬し、処理した海苔網Q〜T
と、未処理の海苔網U〜Xとの海苔の平均収穫量に対す
る収穫率を第3表に示す。
なお、この試験における育成促進剤への浸漬時間と希
釈率は、初期、5分 300倍、中期以降、10分 200倍、
試験期間は、約2カ月である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】主原料として蛋白質原料を用い、同原料中
    に塩酸を混合して同原料を加水分解してアミノ酸に分解
    すると共に、分解したアミノ酸溶液中にアンモニアを添
    加して塩酸を中和し、同溶液を濾過して含硫アミノ酸溶
    液を抽出し、この抽出した含硫アミノ酸溶液に硝酸塩及
    び燐酸塩並びに有機酸を混入すると共に、糖質類を混入
    して育成促進剤をつくると共に、同育成促進剤を希釈し
    て容器中に収容して、海中より引き上げた養殖海苔付着
    の海苔網を同容器内の育成促進剤に5〜15分間浸漬し、
    次いで浸漬した海苔網を容器外に取り出し、育成促進剤
    の溶液をよく切った後に再度海中に入れることを特徴と
    した養殖海苔の育成促進処理方法。
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