JP3490575B2 - 海苔品質向上剤 - Google Patents
海苔品質向上剤Info
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Description
て海苔養殖網を浸漬処理することにより海苔の品質を向
上させる海苔品質向上剤に関する。
駆除及び赤腐れ病等の細菌の駆除を行うために酸性の液
に浸漬する方法が採用されている。使用する酸として
は、主にクエン酸が使用されている。種付後、海苔が摘
採できるようになるまでの間に、海苔よりもアオノリの
生育が早いためにアオノリが混生し海苔よりも長くなり
海苔の生長をさまたげてしまう。従って、摘採が始まる
前に酸処理を行いアオノリを駆除するのである。即ち、
アオノリの駆除を目的としては、摘採を開始する前の1
回のみとなる。
予防・駆除があげられる。赤腐れ病は、ピチウム属乃至
は類縁の水かび類の寄生であるといわれ、主として水温
15℃前後で生育してくる。海苔養殖は、22〜8℃の
水温で行われ15℃前後の赤腐れ病が発生する時期に酸
処理による駆除を行っている。海苔が大量に生産される
12月後半〜3月にかけての時期は水温が8〜10℃で
あり、赤腐れ病が発生していても進行が遅く、酸処理の
必要性もあまりない。
ノリの駆除と病害による腐敗を防ぐための手段であり、
海苔自体の品質(黒くする、ツヤをよくする、やわらか
くする、味をよくする、伸びをよくする)を向上させる
効果をもたらすものではない。最近の養殖では、伸びの
よい品種を選択し、1枚の海苔養殖網より、いかにして
生産量(生産枚数)を上げるかという競争を行ってい
る。品質よりも生産量を重視した養殖方法に変わってし
まった結果、生産量の増加に比例して海苔が固くなる傾
向になり最終では製品化できない状態の固さにまで海苔
質が変化している。従って、品質向上の特にやわらかく
する効果を発揮する処理剤又は処理方法が切望されてい
る。
付着するものにケイソウがあり、常に駆除していかない
とツヤのない海苔になってしまう。酸処理剤でもある程
度駆除することができるが十分ではなく、さらに効果の
高い処理方法の開発が望まれている。
数1〜4の飽和脂肪族カルボン酸、炭素数2〜4の飽和
又は不飽和カルボン酸、グリコ−ル酸、乳酸、酒石酸、
リンゴ酸、クエン酸から選ばれた有機カルボン酸の1種
又は2種以上を含有する殺藻剤が開示されている。
ン酸0.3〜5.0重量%を含み、pHが1.0〜6.
0の処理液に浸漬させる雑藻・病害の駆除、予防による
海苔養殖法が記載されている。
酸、硝酸、硫酸、燐酸などの無機酸を添加してpH1.
0〜4.0とする雑藻・病害の駆除、予防による海苔養
殖法が記載されている。
又はその塩を含む処理液で海苔網を処理して、雑藻、赤
腐れ病等の病害の駆除、予防を行う海苔養殖が開示され
ている。
ルコン酸を有効成分とする赤腐れ病及びツボ状菌病の病
原菌であるPhthium属及びOlpidiopsi
s属の藻菌類の駆除剤が開示されている。
成分として含有する海苔の赤腐れ菌駆除剤が開示されて
いる。
赤腐れ病等の病害の駆除についての駆除剤及び駆除方法
についての記載はあるが、品質を向上させるような処理
剤及び処理方法についての記載がない。海苔の価格は、
黒くて、ツヤがありやわらかく、味のよいもの程高値と
なるため、生産者は高品質の海苔製品を高収量で生産す
ることを目標としている。一般的な生産枚数は、1経営
体当たり150万〜600万枚生産しているため、かり
に単価が1円高くなると生産額が150万〜600万円
の増収となるのである。
くなり、固くなりすぎると板海苔に加工できなくなる。
養殖技術の向上と品種改良による伸びの大きい品種の使
用とにより海苔網1枚からの生産量が高くなっている。
つまり、摘採回数・摘採枚数がかなり増加しており特に
固くなる傾向が強くなっている。固くて板海苔にできな
い時もあるが、板海苔にできても穴のあいた海苔になっ
てしまう。穴があいた海苔だと通常海苔よりも2〜3円
安値となるし、板海苔にできなければ入札にもかからな
い。従って品質を向上させる処理剤又は処理方法の開発
が望まれている。
めに、鋭意研究を行った結果、施肥を行う時に塩化ナト
リウム・塩化マグネシウムを添加して処理することによ
り施肥の効果を高めることを見いだした。
る。 (1) 塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシウム0.0
1〜10%と、下記有機酸及び無機酸の中から選ばれる
少なくとも1種と、窒素質肥料及びリン酸質肥料の中か
ら選ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とす
る海苔品質向上剤。有機酸:クエン酸、リンゴ酸、酒石
酸、フマル酸、乳酸、酢酸、フィチン酸、グリコール
酸、グリセリン酸、マレイン酸、イタコン酸、ケトグル
タル酸、プロピオン酸、ギ酸、クロル酢酸、コハク酸、
アジピン酸無機酸:リン酸、塩酸、硝酸、硫酸 (2) 塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシウム0.0
1〜10%と、クエン酸及び乳酸の中から選ばれる少な
くとも1種と、窒素質肥料及びリン酸質肥料の中から選
ばれる少なくとも1種とを含有することを特徴とする海
苔品質向上剤。 (3) 海水に、上記(1)又は(2)記載の海苔品質向上剤を溶
解した処理液に、海苔養殖網を短時間にて浸漬処理する
ことを特徴とする海苔品質向上方法。 以下において、「本発明」というときは、上記海苔品質
向上剤及び海苔品質向上方法の両方をいう。
硬化を防止する効果をもつため、黒色、光沢を増進する
と共に、海苔質をやわらかくし、高品質の板海苔を高収
量で製造することができる。
塩・精製塩等いずれでもよい。有機酸としては、クエン
酸、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、フィチ
ン酸、グリコール酸、グリセリン酸、マレイン酸、イタ
コン酸、ケトグルタル酸、プロピオン酸、ギ酸、クロル
酢酸、コハク酸、アジピン酸等、無機酸としては、リン
酸、塩酸、硝酸、硫酸等が挙げられる。後述する実施例
等では、クエン酸及び乳酸の中から選ばれる少なくとも
1種を用いた。窒素質肥料としては、硝酸ナトリウム、
硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、尿素、塩化アンモニ
ウム、アミノ酸、蛋白質等、リン酸質肥料としては、リ
ン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸アン
モニウム、フィチン酸等が挙げられる。
及び/又は塩化マグネシウムの濃度は、0.01〜10
%の範囲である。10%を越えると、塩化ナトリウムが
海水に溶解する時間が長くなり作業性が悪くなる。
明する。試験1よりわかるように、有機酸、無機酸、リ
ン酸質肥料、窒素質肥料に塩化ナトリウム・塩化マグネ
シウムを併用することによりケイソウ駆除効果をかなり
高めることができる。又、試験2より食塩を併用するこ
とにより海苔質をやわらかくする効果があることを示し
ている。
に溶解し、20℃に保った後、ケイソウ付着海苔葉体を
一定時間(0.5、1、1.5、2、2.5、3分)浸
漬処理した。処理後、海水で洗浄した試験葉体を海水を
入れたペトリ皿で培養した。5〜6時間日光下で培養し
た後、顕微鏡下で観察し、ケイソウの駆除効果を調査し
た。結果を表2に示す。
り込んだ後、摘採後に各処理剤で処理を行い6回処理後
摘採した海苔製品の海苔のやわらかさについて評価を行
った。処理剤は試験1で使用したものを用いた。処理の
間隔は7〜10日である。やわらかさの評価は下記のよ
うにして数値化した。数値が大きい程海苔がやわらかい
ことを示す。
やわらかくする効果により高品質の海苔を製造すること
ができる。また、本発明方法では、浸漬処理時間が上述
の試験例1で明らかなように、短時間(3分以内)で処
理することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシ
ウム0.01〜10%と、下記有機酸及び無機酸の中か
ら選ばれる少なくとも1種と、窒素質肥料及びリン酸質
肥料の中から選ばれる少なくとも1種とを含有すること
を特徴とする海苔品質向上剤。有機酸:クエン酸、リン
ゴ酸、酒石酸、フマル酸、乳酸、酢酸、フィチン酸、グ
リコール酸、グリセリン酸、マレイン酸、イタコン酸、
ケトグルタル酸、プロピオン酸、ギ酸、クロル酢酸、コ
ハク酸、アジピン酸無機酸:リン酸、塩酸、硝酸、硫酸 - 【請求項2】 塩化ナトリウム及び/又は塩化マグネシ
ウム0.01〜10%と、クエン酸及び乳酸の中から選
ばれる少なくとも1種と、窒素質肥料及びリン酸質肥料
の中から選ばれる少なくとも1種とを含有することを特
徴とする海苔品質向上剤。 - 【請求項3】 海水に、請求項1又は2記載の海苔品質
向上剤を溶解した処理液に、海苔養殖網を短時間にて浸
漬処理することを特徴とする海苔品質向上方法。
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