JP2002051794A - リン脂質の製造法 - Google Patents
リン脂質の製造法Info
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Abstract
行う場合に、有機溶媒やカルシウムを用いることなく、
簡便かつ高収率に目的とするリン脂質を得る。 【解決手段】 原料リン脂質と、水酸基を有する受容体
と、ホスホリパーゼDと、水とを、有機溶媒を使用せず
に混合して充分に均質化して、15℃〜65℃にて酵素
反応を行う。
Description
転移反応(リン脂質塩基交換反応)を利用して目的とす
るリン脂質を生成させる方法に関するものである。
ァチジルグリセロール(PG)等のリン脂質は、それぞ
れ有用な生理作用や特異な物性を有しており、医薬品や
食品素材、乳化剤等の用途に使用されている。例えば、
ホスファチジルセリンは痴呆症の予防や治療などを目的
とした脳機能改善剤、ホスファチジルグリセロールは乳
化剤、ホスファチジルアスコルビン酸は乳化剤、過酸化
脂質抑制剤としての利用が期待されている。
化学合成法やホスホリパーゼDを使用したホスファチジ
ル基転移反応が用いられており、近年では比較的安価か
つ簡便にリン脂質を製造できる酵素法が汎用されてい
る。
交換反応)を利用して目的とするリン脂質を生成させる
方法については古くより知られている(Yang, S.F. et
al.,J. Biol. Chem., 242, p.477, '67)。例えば、国
生ら(Agric. Biol. Chem.,51, p.2515, '87 ) はイソ
プロピルエーテルに溶解した卵黄ホスファチジルコリン
にL−セリン水溶液(塩化カルシウムを含む)を加えて
からホスホリパーゼDを作用させる二相系反応によりホ
スファチジルセリンを含む反応物を得ている。二相系反
応においては、原料リン脂質を含む油相と受容体を含む
水相が二相をなし、両者の界面において、ホスファチジ
ル基転移反応が起こると考えられている。
て得たホスファチジルコリンを約85%含むリン脂質標
品を酢酸エチルに溶解し、更にアスコルビン酸を含む水
溶液を加えてから、ホスホリパーゼDを作用させる澄明
な均一相反応によりホスファチジルアスコルビン酸を含
む反応物を得ている(特許第2942302号)。
反応においては、リン脂質に対して5倍(容量/重量)
以上の溶媒(有機溶媒+水)を加える必要があったた
め、リン脂質量に対して6倍以上の容量を持つ反応装置
を用いる必要があった。更に、反応の進行を促進させる
ためにカルシウムの添加がなされているが、このカルシ
ウムはリン脂質と速やかに塩を形成してしまう。こうし
て生成するカルシウム塩は、日本や欧州においては化学
合成品の範疇に入るため、食品への利用は難しい。
が存在するため、反応を継続すると、ホスホリパーゼD
が有する加水分解活性により、副反応生成物としてのホ
スファチジン酸が生成してしまう。このため、目的リン
脂質の分離精製が困難となることが問題であった。更
に、均一相反応では、リン脂質に対する受容体の添加量
が限定されてしまうため、目的とする反応生成物(リン
脂質)の産生量が頭打ちとなる問題があった。
報)は、原料リン脂質を溶解した有機溶媒(ジイソプロ
ピルエーテル、イソオクタン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、クロロホルム−イソオクタン、n−ヘキサン、ジク
ロロメタン−イソオクタン)中に、水酸基を持つ受容体
とホスホリパーゼDを含む水相(塩化カルシウムを含
む)を逆ミセル中に封入した形態で反応させる逆ミセル
反応により、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグ
リセロール等を製造している。
量が少ないため、上記方法の問題点であったホスファチ
ジン酸の生成は抑制されていると報告されているが、目
的リン脂質の生成量はおよそ20%前後と必ずしも十分
とはいえず、また、超音波処理など煩雑な作業も必要と
なるため、作業性、コスト面での問題も生じてしまう。
また、リン脂質に対して10倍(容量/重量)以上の有
機溶媒を加える必要があるため、リン脂質量に対して大
容量の反応装置を用いる必要があった。
ホスファチジル基転移反応においては、いずれも反応系
中に有機溶媒を加える必要があった。しかしながら、リ
ン脂質を食品、医薬品等の用途に用いる場合には、有機
溶媒の残存は許容されず、完全に除去することが必須で
ある。このため、製造工程においては、有機溶媒除去の
ための設備等が必要となり、作業性、コスト面等の不利
益が生じてしまう。特に、食品製造を目的とした場合に
は、有機溶媒を反応に利用することは食品衛生法上から
実質上不可能である。
ずに、各種のリン脂質を製造する方法が望まれている
が、原料リン脂質となるホスファチジルコリン等は油溶
性であるため、有機溶媒を用いなければ反応を円滑に進
行させることができず、生成するリン脂質の収率、作業
性等が低下するものと考えられていた。
いたリン脂質の製造を行う場合に、有機溶媒やカルシウ
ムを用いることなく、簡便かつ高収率に目的とするリン
脂質を得ることができる製造法を確立することを目的と
している。
明に係るリン脂質の製造法は、ホスファチジル基転移反
応を利用してリン脂質を製造する方法において、原料リ
ン脂質と、水酸基を有する受容体と、ホスホリパーゼD
と、水とを、有機溶媒を使用せずに均質化する均質化工
程と、得られた均質化物を15℃〜65℃で反応させる
反応工程とを備えたものである。
の製造法は、請求項1に記載された均質化工程において
得られる均質化物が、主としてラメラ型リオトロピック
液晶構造を有するものである。
の製造法は、請求項1又は2に記載された均質化工程に
おいて得られる均質化物中の水分含量が、原料リン脂質
に対し、10重量%〜100重量%であるものである。
の製造法は、請求項1〜3の何れかに記載された均質化
工程における水酸基を有する受容体の添加量が、原料リ
ン脂質1モルに対して、0.3モル〜10モルである。
の製造法は、請求項1〜4の何れかに記載された水酸基
を有する受容体が、セリン、グリセロール、L−アスコ
ルビン酸、グルコース、及びコリンから選ばれる1種又
は2種以上であるものである。
の製造法は、請求項1〜5の何れかに記載された水酸基
を有する受容体が、セリンであり、生成するリン脂質が
ホスファチジルセリンであるものである。
の製造法は、請求項1〜6の何れかに記載された均質化
工程における均質化時に、更に食用油脂を添加するもの
である。
ために鋭意研究を重ねた結果、原料リン脂質と、水酸基
を有する受容体と、ホスホリパーゼDと、水とを、有機
溶媒を使用せずに混合して充分に均質化して、15℃〜
65℃にて酵素反応を行うことにより、各種の有機溶媒
を使用せずとも効率よくホスファチジル基転移反応物を
得られることを見出し本発明を完成した。
反応を利用してリン脂質を製造する方法において、原料
リン脂質と、水酸基を有する受容体と、ホスホリパーゼ
Dと、水とを、有機溶媒を使用せずに混合して均質化す
る「均質化工程」と、得られた均質化物(混合物)を1
5℃〜65℃で反応させる「反応工程」とを備える。
これを均質化することにより得られる均質化物は、その
構造としてラメラ型リオトロピック液晶構造を有してい
るものと考えられる。ラメラ型リオトロピック液晶と
は、リン脂質に水を加えて形成されるリン脂質二分子膜
の液晶をいい、本発明においてはこの二分子膜(時には
多分子膜構造も取る)と水層が交互に連続した配列を取
っているものと推定される。このラメラ型リオトロピッ
ク液晶構造は、例えば均質化物を直交ニコルの元で顕微
鏡観察することにより確認できる。因みに、後述する
「主として相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構
造」は連続した層状の構造物として、「相分離したラメ
ラ型リオトロピック液晶構造」は水相に浮遊した閉環状
の構造物としてそれぞれ観察される。
均質化時に原料リン脂質に水が添加されることで、リン
脂質の親水基間の相互作用が弱まり結晶構造が崩壊し、
ラメラ型の液晶が形成されることにより生ずる。そし
て、ラメラ型リオトロピック液晶構造を形成することに
より、リン脂質の層状構造の間を水分が自由に移動でき
ることとなり、受容体や酵素の供給、或いはリン脂質か
ら遊離した極性頭部の除去が効率的に行われ、転移反応
が可能になるものと思われる。
は、ラメラ型リオトロピック液晶構造を均質化物全体に
行き渡らせることが必要となるが、そのためには単に各
成分を混合するだけなく、均質化処理を行う必要があ
る。つまり、均質化により、ラメラ型リオトロピック液
晶構造が構造中全体にわたって観察される状態(主とし
てラメラ型リオトロピック液晶構造を有する状態)とす
ることが、高い反応生成物量を得るためには好ましいの
である。
造の形成には、均質化物中の水分含量が影響する。水分
含量が一定の範囲内(例えば、大豆リン脂質に対し10
重量%〜100重量%程度)である場合には、均質化物
はほぼ相分離のないラメラ型(ニート状)の液晶となる
が、水分が多くなると、液体と液晶からなる二相に分離
(相分離)する。本発明の方法では、この相分離のない
状態、或いはほぼ相分離が起こっていない状態(両者合
わせて「主として相分離のないラメラ型リオトロピック
液晶構造」という。)にて反応を行えば、特に高い転移
活性が奏されるため好ましい。
起こした状態(相分離したラメラ型リオトロピック液晶
構造)では、液晶は不連続の小胞状態となって溶媒中に
漂うこととなり、相分離の無い場合に比べて水分とリン
脂質との接触効率が低下し、そのため転移活性も低下し
てしまう。また、水分量が少なすぎると、リン脂質の結
晶構造が維持され、ラメラ型リオトロピック液晶構造を
全体に渡り形成させ得ず、結果的に酵素反応の場がなく
なってしまうか、或いは流動性が低下して基質と酵素の
接触効率が悪化し、酵素が効率よく働くことができなく
なってしまうと考えられる。
うと、従来法であるところの二相系反応様の相分離(ラ
メラ型リオトロピック液晶構造中での相分離ではなく、
油相と水相との分離)が助長される可能性がある。ま
た、上記のとおり有機溶媒の添加は各種の不利益を生ず
るものであるから、均質化時には有機溶媒を使用しない
ことが好ましい。
は、リン脂質を含む天然物、天然物からの抽出物又は該
抽出物を精製したもの、或いは合成リン脂質等いずれを
用いてもよい。具体的には、大豆レシチン、菜種レシチ
ン、卵黄レシチン、トウモロコシレシチンあるいは綿実
レシチンや、それらの精製物、若しくはホスファチジル
コリン(以下、「PC」と記載する。)、ホスファチジ
ルエタノールアミン(以下、「PE」と記載する。)等
又はこれらの混合物等が挙げられる。中でも、大豆レシ
チン、菜種レシチン、卵黄レシチン、或いはこれらの精
製物を用いることが原料の確保のしやすさやコスト面か
ら好ましい。
ては、ホスホリパーゼDの存在下で、前記原料リン脂質
のホスファチジル基を受容するものであればよい。例え
ば、セリン、グリセロール、L−アスコルビン酸、グル
コース、コリン、エタノールアミン、1−アミノ−2−
プロパノール、1−オルソメチル−グルコシド等が挙げ
られる。目的生成物の収率等の点からセリン、コリン、
L−アスコルビン酸、グルコース又はグリセロール等が
好ましく、特にセリン及びグリセロールを用いることが
好ましい。
D」と記載する。)としては、ホスファチジル基転移活
性を有するものであれば特に制限されず、その形態は遊
離或いは化学修飾したPLD、若しくはイオン交換樹脂
やシリカゲル等の担体に固定化された固定化酵素等とし
て用いることも可能である。中でも遊離のPLDを用い
た場合に、反応生成物の収率が特に高くなるため好まし
い。
ベツやニンジン等の植物由来のPLDを始めとして、放
線菌、細菌、酵母、カビ等の微生物由来のPLD、或い
は、動物由来のPLD等いずれも好適に使用でき、公知
の方法により調製したものであっても、市販品、例え
ば、キャベツ由来PLD(シグマ社製、P7758)、ピー
ナッツ由来PLD(シグマ社製、P0515)、ストレプト
マイセス・クロモフュースカス(Streptmyces chromofu
scus)由来のPLD等であってもかまわない。
と、水酸基を有する受容体と、PLDと、水とを混合し
て均質化する。ここで、均質化とは、上記の4者を混合
するとともに、物理的な力を加えて成分を等しく分散す
ることであり、その方法としては物理的攪拌、超音波処
理等の手段が挙げられる。より具体的には、バイブロミ
キサー、自動乳鉢、ホモミキサー、ヒスコトロン、フー
ドプロセッサー、超音波処理装置等を用いて均質化すれ
ばよく、また、少量であればマイクロスパーテル等を用
いて練り込んでもよい。4者は各々単独で混ぜても、2
〜3を予め混ぜたり溶解したりしてから最終的に均質化
しても良い。
行わないと、生成する目的リン脂質の収率は顕著に低下
してしまう。これは、原料リン脂質が一般には室温で硬
いペースト状となっているため、単にその他の成分を混
ぜるだけでは、全体に渡ってラメラ型リオトロピック液
晶構造を生ぜしめることが困難であり、その結果、各成
分が接触する割合が低下して、目的とする生成物の収率
が低下してしまうためと考えられる。このため、各成分
の分散が行える程度までに物理的な力を加える必要があ
り、所謂“均質化”と呼ばれる処理が必要となるのであ
る。
水に溶解させて用いてもよく、粉末として用いることも
できる。また、PLDも少量の水に溶解して用いるか或
いは粉末として用いる。このとき、受容体を除いた3者
(原料リン脂質、PLD及び水)を予め混ぜてしまう
と、副生物であるホスファチジン酸(以下、「PA」と
記載する)が生成してしまうため、予め原料リン脂質と
受容体とを混ぜてから、残りの成分を添加混合するか、
或いは4者同時に均質化することが好ましい。
は、ラメラ型リオトロピック液晶構造の相分離、ひいて
は反応生成物であるリン脂質の収率に影響するため、こ
れを調整し当該相分離を抑制することが好ましい。水分
量として好ましい範囲は、原料リン脂質の種類によって
異なるが、ラメラ型リオトロピック液晶構造中の水分含
量を原料リン脂質に対して10重量%〜100重量%と
すれば相分離をおおむね抑制でき、特に20重量%〜6
0重量%が好ましい。なお、ここでいうラメラ型リオト
ロピック液晶構造中の水分含量とは、均質化時に分離し
た水分を除去して後の均質化物中の水分量を指し、その
測定は公知のカールフィッシャー法(日本油化学会制定
基準油脂分析試験法 1996年版 4.1.1.1-1996 水分)
等により行うことができる。また、分離した水分の除去
は、デカンテーション或いは遠心分離(例えば、150
×g、1分間程度)により行えばよい。
受容体の種類によって好ましい添加量の範囲が異なるた
め、これを一般化するのは困難であるが、おおむね原料
リン脂質1モルに対し0.3モル〜10モル、特に、4
モル〜8モルとすることが、反応生成物の収率や作業性
の点から好ましい。即ち、多量(10モルを超える量)
の受容体を添加すると未反応の受容体を回収するための
労力が増してしまい、一方で、添加量が少ないと目的と
する生成物の収率が低下してしまうのである。
してセリンを用いる場合には、原料リン脂質に対し5重
量%〜150重量%、特に、50重量%〜100重量%
とすることが好ましく、グリセロールを用いる場合に
は、10重量%〜200重量%、特に、20重量%〜1
00重量%とすることが好ましい。
後の反応工程における反応時間等を鑑みて決定すればよ
いが、一般には、リン脂質1kgあたり500〜100
000 units程度である。
ないが、15℃〜65℃の範囲で均質化することを目安
とするのが好ましい。15℃未満では冷却には余分なエ
ネルギーを要し、均質化しがたく格別なメリットはな
く、65℃以上ではリン脂質が不安定であるからであ
る。
に、ラメラ型リオトロピック液晶構造を壊さない範囲内
で、食用油脂を添加することができる。有機溶媒と同
様、食用油脂の添加によってもラメラ型リオトロピック
液晶構造の二相系への移行が助長されてしまうが、少量
の添加であれば却って均質化物の流動性が増し、目的リ
ン脂質の収率が向上するのである。食用油脂としては、
例えばサフラワー油、大豆油、コーン油、菜種油、綿実
油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、ア
マニ油、エゴマ油、カカオバター、ヤシ油等の植物油、
或いはバター油、魚油、ラード、牛脂等の動物油、中鎖
トリアシルグリセロール(MCT)等が挙げられ、これ
らを1種又は2種以上組み合わせて原料リン脂質に添加
混合し、流動性を付与することができる。中でもMC
T、カカオバター、大豆油等を用いれば、目的とする生
成物の収率が向上するため好ましい。
する食用油脂の種類により異なるが、原料リン脂質に対
し等量以下とすることが収率の面から好ましく、特に5
重量%〜15重量%とすることが好ましい。
ラメラ型リオトロピック液晶構造を壊さない範囲内で添
加することも同様の趣旨から可能であるが、上記のとお
り有機溶媒の添加は好ましくない。
と、従来、ホスファチジル基転移反応は、二相系反応、
逆ミセル反応、均一相反応の何れかで行われてきたが、
このうち二層形反応及び逆ミセル反応においては、反応
系を維持するために、リン脂質に対して5倍(容量/重
量)以上の溶媒を加える必要があった。これに対して本
発明では、リン脂質に対して1倍以下の溶媒を加えれば
よいため、同量のリン脂質を製造するのに必要な装置の
容量を小さくすることができる。
(容量/重量)以上の溶媒を加えるため、リン脂質に対
して3倍(容量/重量)以上の容量を持つ反応装置を用
いる必要があることに加え、均一相を維持するために受
容体の添加量が制限されるため、目的物を高含量に含む
反応生成物を得ることが難しかった。例えば、PSを製
造する場合、リン脂質1kgに添加できるセリン量は
0.15kgであり、反応生成物リン脂質中のPS含量
は35%が限界であった。これに対して本発明の方法で
は、リン脂質1 kgに1 kg以上のセリンを添加するこ
とも可能であり、結果としてリン脂質中に48%以上の
PSを含む反応生成物を得ることができた。すなわち、
均一相反応に比べて本発明は、同量のリン脂質を製造す
るのに必要な装置の容量を小さくすることができること
に加えて、目的物の含量が高い反応生成物が得られる点
でも好ましい方法である。
何れも反応系にエーテル、トルエン、n−ヘキサン、酢
酸エチルなどの有機溶媒を用いる必要があったが、本発
明では有機溶媒を使用する必要がなく、食品など、有機
溶媒の使用が制限された物質の製造に都合が良い。ま
た、本発明によれば、従来法で用いられていたカルシウ
ムイオンを添加せずとも反応が進行する。この理由は明
らかでないが、二相系反応等では、反応が液体中で行な
われているのに対し、本発明では液晶中で行なわれてい
るため、カルシウムの有無に関わらず原料リン脂質が、
転移反応を受け易い構造を取るものと推定される。
て得られた均質化物を反応させ、目的とするリン脂質を
製造する。反応は15℃〜65℃、特に45℃〜55℃
で行うことが好ましい。15℃未満では、反応の進行が
促進されず、目的リン脂質の収率が低下してしまい、6
5℃以上では、リン脂質、例えば生成したホスファチジ
ルセリンが分解や酸化等の副反応を起こす可能性がある
ためである。
いる成分の種類、それらの量等に合わせ好適な条件を選
択すればよく、目的リン脂質の収率や副生物であるPA
の生成量等の点からは1〜48時間程度が好ましい。
態で行ってもよく、例えば卓上型万能ミキサー(KINMIX
MAJOR,KM-230)を用いて、攪拌しながら行うことが
できる。
て、原料リン脂質に適量の水が混合されることにより、
相分離のないラメラ型液晶状態が形成され、リン脂質の
層状構造の間を水分が自由に移動できる。従って、水酸
基を有する受容体や酵素の供給、或いはリン脂質から遊
離した極性頭部の除去が効率行われるため、高い転移活
性が達成され、安価、簡便かつ収率よく、目的とするリ
ン脂質を得られることが可能となったのである。
な精製処理工程に付し、不純物を除いて用いることが望
ましいが、投与上の問題や効果を阻害するような問題が
ない限り、原料由来や製造工程での不純物を含んだまま
用いてもよい。精製の方法は特に限定されず、常法に従
い溶剤による分画や、クロマトグラフィー等を適宜組み
合わせて行えばよい。
品、食品、化粧品等の形態で投与することも可能であ
る。例えばリン脂質の生理効果を訴求する医薬品形態で
用いる場合であれば、カプセル剤、顆粒剤、錠剤、散剤
等の固形製剤、或いはシロップ剤等の液状製剤として経
口投与することができる。また、経口投与剤でなくと
も、注射剤、皮膚外用剤、直腸投与剤等非経口形態で投
与することも可能である。
ルロース、乳酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグ
ネシウム、無水ケイ酸等の賦形剤、白糖、ヒドロキシプ
ロピルセルロース、ポリビニルピロリドン等の結合剤、
カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ースカルシウム等の崩壊剤、ステアリン酸マグネシウ
ム、タルク等の滑沢剤やその他医薬的に許容される成分
を適宜使用すればよい。
で用いる場合には、本発明の方法により得られたリン脂
質をそのまま或いは適宜精製処理したものを油脂、錠
菓、発酵乳、飴、調味料、ふりかけ等の飲食品に添加
し、常法を用いて製造すればよい。
しては、本発明の方法により得られたリン脂質を適宜配
合することができる。また、リン脂質の生理効果を訴求
する場合であれば、その効果を得られかつ過剰摂取等の
問題が生じない程度の量を配合すればよい。例えば、リ
ン脂質としてホスファチジルセリンを生成させた場合に
は、50mg〜1000mg/日程度の摂取が見込まれ
る量を適宜配合しておけばよいのである。
いてもよく、その際には、医薬品、食品、化粧品等へ
0.01〜10%添加するのが好ましい。
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
セントラルソーヤ社製)100gに6.7MのL−セリ
ン水溶液(0.18M塩化カルシウム添加或いは非添
加)97gを自動乳鉢(ANM−150型)を用いて練り込み
(均質化して)55℃にて保温した。更に、ストレプト
マイセス属放線菌由来のホスホリパーゼD−Y1(PL
D−Y1、(株)ヤクルト本社製)800 unitsを含む
酵素液2.0mLを混合し、自動乳鉢を用いて練り込ん
で均質化し、反応を開始し、攪拌しながら17時間55
℃に保ちホスファチジル基転移反応を完了させた。
グラフィーにて分析したところ、0.18M塩化カルシウム
添加の場合、全リン脂質中の47.9%がホスファチジ
ルセリンに変換されていた。一方、塩化カルシウム非添
加の場合でも全リン脂質中の44.5%はホスファチジ
ルセリンに変換されており、この反応系においてカルシ
ウムを添加しなくともホスファチジル基転移反応が進行
することが明らかとなった。また、反応開始前の均質化
物を直交ニコルのもとで顕微鏡観察したところ、「主と
して相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構造」が
観察された。
にホスファチジル基転移反応を行なう方法を提供するも
のである。すなわち、リン脂質に水酸基を持つ受容体と
ホスホリパーゼDを含む水溶液を均質化して反応させる
ことにより、効率よくホスファチジル基転移反応物を作
ることが可能である。
いが、リン脂質に有機溶媒以外の脂溶性物質、例えば、
サフラワー油、大豆油、コーン油、菜種油、綿実油、ひ
まわり油、紅花油、ごま油、オリーブ油、亜麻仁油、エ
ゴマ油、カカオバター、やし油等の植物油、或いは、バ
ター油、魚油、ラード、牛脂等の動物油、或いは中鎖脂
肪酸を出発材料として合成されたグリセリド誘導体等で
あるMCTなどの食用油脂を添加することにより、操作
性を向上させることは可能である。
ホスファチジル基転移反応が進行することが明らかとな
ったが、カルシウムの添加の有無を再度検証した。リン
脂質に対するセリンのモル比を1又は5とし、表1に示
すような、カルシウム添加、非添加の条件にて各成分を
混合し、マイクロスパーテルを用いて練り込んで均質化
して、55℃で18時間の反応を行った。尚、モル比1
は2.5Mのセリン水溶液、モル比5は4.5Mのセリ
ン水溶液を使用した。具体的には、NATHIN 250とセリン
水溶液(カルシウム添加の場合はセリン水溶液に溶解)
を混合後、PLD−Y1水溶液を添加して反応を開始し
た。
た。表2に示す通り、カルシウム非添加の場合、PS生
成率は添加した場合に比べやや少なかったもののほぼ同
等の値が得られた。また、反応開始前の均質化物をそれ
ぞれ直交ニコルのもとで顕微鏡観察したところ、いずれ
も「主として相分離のないラメラ型リオトロピック液晶
構造」が観察された。なお、表において、PAはホスフ
ァチジン酸、PEはホスファチジルエタノールアミン、
PIはホスファチジルイノシトールを示す。
シウム添加の有無に関わらず、良い収率を得られること
が判明した。このことから、本発明の方法では、有機溶
媒を用いたホスファチジル基転移反応で多くの場合用い
られていた、反応系中へのカルシウム添加を必要としな
いことが判った。
脂質を基質とした時の反応) NATHIN 250(セントラルソーヤ社製) 50gに特級アセ
トン500mLを加え、60℃に加温して溶解後、15℃
に冷却した。生じた沈殿に特級アセトン300mLを加
え、60℃に加温して溶解後、15℃に冷却することに
より、トリグリセリドを全く含まずリン脂質のみから成
る沈殿物を得た。この沈殿物の乾燥品(NATHIN 250 ア
セトン沈殿物と称す)6gに4.5MのL−セリン水溶
液(0.18M塩化カルシウム添加或いは非添加)5.8g
を練り込んで均質化し55℃にて保温した。更に、ホス
ホリパーゼD Y-1((株)ヤクルト本社製)49.3u
nitsを含む酵素液0.2mLを混合し、マイクロスパーテ
ルを用いて練り込んで均質化して反応を開始し、17時
間55℃に保ちホスファチジル基転移反応を完了させ
た。
グラフィーにて分析したところ、0.18M塩化カルシ
ウム添加の場合、全リン脂質中の41.7%がホスファ
チジルセリンに変換されていた。一方、塩化カルシウム
非添加の場合でも全リン脂質中の35.1%はホスファ
チジルセリンに変換されていた。また、反応開始前の均
質化物を直交ニコルのもとで顕微鏡観察したところ、
「主として相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構
造」が観察された。表3は基質組成を、表4はアセトン
沈殿物を基質に用いたPS転移反応の結果を示す。
グリセリン脂肪酸エステル、日本油脂(株)製)を重量
比で1〜9%練り込んだ混合物を原料リン脂質として、
NATHIN 250 アセトン沈殿物 500 mgに対してセリン
200mgと、水200μL(リン脂質と水の重量比0.
4)を更に練り込み、PLD-Y1水溶液(4.1units
/15μL)を加え、マイクロスパーテルを用いて練り
込んで均質化して55℃ 17時間反応させた。反応終
了後のホスファチジルセリンをシリカゲル薄層クロマト
グラフィーにより測定した。
を示す線図である。図1に示す通りに、MCTを50mg
(リン脂質に対して9%)添加することにより、無添加
の場合に比べてPS生成率が34.7%から40.4%
に増加し、MCTの添加効果が認められた。MCTの混
合比を10%〜40%にして同様に反応させた。図2は
MCTの最適添加量を検討した結果を示すグラフであ
る。図2に示すように10%〜40%のMCTを添加し
た全ての場合にPS産生率が向上した。図1及び図2か
ら、MCTの添加量は9%〜40%が好ましい範囲と考
えられた。また、反応開始前の均質化物それぞれを直交
ニコルのもとで顕微鏡観察したところ、いずれも「主と
して相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構造」が
観察された。
比) 500mgのNATHIN 250に2.5Mセリン水溶液(0.
18M塩化カルシウム含有)をリン脂質に対するセリン
のモル比が0.1〜15となるように加え、60℃の水
浴中で温めながらミキサーで攪拌混合した。水浴の温度
を55℃に下げた後に、反応基質にPLD−Y1水溶液
を加え、マイクロスパーテル又はバイブロミキサーで混
合、均質化した。55℃で17時間反応し、反応物のリ
ン脂質組成をシリカゲル薄層クロマトグラフィーにより
分析した。
のモル比が0.3以上の時には反応生成物中のPS含量
は20%以上であり、PSの製造に適した条件であるこ
とがわかった。特にモル比が4以上の場合はPS含量が
45%以上であり、特に適した基質組成と考えられる。
ただし、モル比が10以上の場合、セリン量を増加させ
てもPS生成量は向上せず、モル比10までが効率的に
ホスファチジルセリンを製造するうえでの上限と考えら
れた。また、反応開始前の均質化物(モル比0.3〜1
0のもの)を直交ニコルのもとで顕微鏡観察したとこ
ろ、いずれも「主として相分離のないラメラ型リオトロ
ピック液晶構造」が観察された。
は、添加する水分量はリン脂質に対して100重量部以
上となったが、加えた水分のうち分離したものをデカン
テーションにより除いたところ、実際の均質化物中の水
分量は100重量部以下であった(カールフィッシャー
法により測定)。
クロクラーン社製)或いは卵黄レシチン(PL−100
LE:キューピー(株)製)500mgにL-セリン粉末2
00 mgを加え、約60℃に加温した乳鉢で良く混合し
た後、図4〜6に示した水分含量で蒸留水を練り込み、
55℃にて保温した。更に、PLD-Y1((株)ヤク
ルト本社製)4.1 unitsを含む酵素液0.015mLを
混合してマイクロスパーテルを用いて練り込んで均質化
し、反応を開始し、静置状態で17時間55℃に保ちホ
スファチジル基転移反応を完了させた。なお、均質化物
中の水分含量はカールフィッシャー法により測定した。
グラフィーにて分析し、横軸を水/大豆レシチン重量%
(対数目盛り)、縦軸を反応生成物のPS含量(%)と
して図示した。図4〜6はその結果を示す線図である。
沈殿物を原料リン脂質に用いた場合には、均質化物中の
水/リン脂質重量%が3%の時にはPSは全く産生しな
いが、10%〜100%の範囲ではリン脂質の10%以
上がPSに変換されており、PSの産生に適した水/リ
ン脂質重量%であることがわかった。なお、水/リン脂
質重量%が20%〜70%の範囲ではリン脂質の30%
以上がPSに変換されており、PSの産生に最も適した
水/リン脂質重量比であることがわかった。各均質化物
を直交ニコルのもとで顕微鏡観察した結果、PSの産生
に適した水/リン脂質重量%である10%〜100%の
範囲では、「主として相分離のないラメラ型リオトロピ
ック液晶構造」が観察されることが確認された。
質に用いた場合には、均質化物中の水/リン脂質重量%
が8%の時にはPSはほとんど産生しないが、10%〜
60%の範囲ではリン脂質の10%以上がPSに変換さ
れており、PSの産生に適した水/リン脂質重量%であ
ることがわかった。なお、水/リン脂質重量%が20%
〜40%の範囲ではリン脂質の20%以上がPSに変換
されており、PSの産生に最も適した水/リン脂質重量
比であることがわかった。各均質化物を直交ニコルのも
とで顕微鏡観察した結果、PSの産生に適した水/リン
脂質重量%である10%〜60%の範囲では、「主とし
て相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構造」が観
察されることが確認された。
ン脂質に用いた場合には、均質化物中の水/リン脂質重
量%が8%の時にはPSはほとんど産生しないが、15
%〜40%の範囲ではリン脂質の10%以上がPSに変
換されており、PSの産生に適した水/リン脂質重量%
であることがわかった。なお、水/リン脂質重量%が2
0%〜35%の範囲ではリン脂質の20%以上がPSに
変換されており、PSの産生に最も適した水/リン脂質
重量比であることがわかった。各均質化物を直交ニコル
のもとで顕微鏡観察した結果、PSの産生に適した水/
リン脂質重量%である15%〜40%の範囲では、「主
として相分離のないラメラ型リオトロピック液晶構造」
が観察されることが確認された。
た各受容体水溶液 490 mg を混合し、13.7units
のPLD(PLD-Y1)水溶液50μL を添加し、マ
イクロスパーテルを用いて練り込んで均質化後、55℃
18時間反応し、ホスファチジル基転移反応物の生成を
シリカゲル薄層クロマトグラフィーにより調べた。
物の生成率を示す。表5に示す通り、受容体としてグリ
セロール、L-アスコルビン酸、グルコースを用いた時に
は、それぞれに対するホスファチジル基転移反応物が生
成した(ホスファチジルグリセロール42.7%、ホス
ファチジルアスコルビン酸9.4%、ホスファチジルグ
ルコース13.3%)。一方、イノシトール、アスコル
ビン酸リン酸エステル、トレハロースを用いた場合には
ホスファチジル基転移反応物は生成しなかった。
NATHIN 250 アセトン沈殿物 450mgにMCT50mgを
加えて調製したリン脂質基質(PL+TG)に4.5M
セリン水溶液を490mg 添加して60℃で練り込み、
更に4.1units のPLD−Y1水溶液15μL添加
後、マイクロスパーテルを用いて練り込んで均質化し
て、15℃〜65℃まで10℃刻みの温度で18時間反
応させた。ホスファチジル基転移反応物の生成はシリカ
ゲル薄層クロマトグラフィーにより解析した。
す線図である。図7に示す通り、NATHIN 250 アセトン
沈殿物にMCTを添加したものを基質に用いた場合に
は、45℃でのPS生成率は43%でありそれ以上温度
を上げても変化なかった。
用いた場合には45℃でのPS生成率は30.1%であ
ったのに対し、65℃では38.7%であり、反応温度
が高いほど好成績が得られた。尚、反応温度が65℃を
越えるとPS産生量が低下するのに加えて、リン脂質が
変性・分解するおそれもあるので、65℃が上限と考え
られた。
8,1986)に従って、芽キャベツを材料にホスホリパーゼ
Dを調製した結果、粗酵素1mg当たり約0.03 uni
tsの酵素標品が得られた。500 mgのNATHIN 250 に
4.5Mセリン水溶液(カルシウム添加の系では塩化カ
ルシウム 9.3mgを添加)を490 mg加え55℃で混合
した。反応液の温度を45℃に冷ましてから、上記の芽
キャベツPLDの酵素液(0.6 units/mL)を200μL 添
加し、45℃で18時間反応させた。
合、反応はほとんど進行しなかったの対して、カルシウ
ムを加えた場合には進行しPS含量6.2%の反応生成
物が得られた。
ーゼDを用いたリン脂質の製造を行う場合に、有機溶媒
やカルシウムを用いることなく、簡便かつ高収率に目的
とするリン脂質を得ることができるという効果がある。
である。
フである。
を検証した結果を示す線図である。
証した結果を示す線図である。
証した結果を示す線図である。
証した結果を示す線図である。
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 ホスファチジル基転移反応を利用してリ
ン脂質を製造する方法において、 原料リン脂質と、水酸基を有する受容体と、ホスホリパ
ーゼDと、水とを、有機溶媒を使用せずに均質化する均
質化工程と、 得られた均質化物を15℃〜65℃で反応させる反応工
程とを備えたことを特徴とするリン脂質の製造法。 - 【請求項2】 前記均質化工程において得られる均質化
物が、主としてラメラ型リオトロピック液晶構造を有す
るものであることを特徴とする請求項1記載のリン脂質
の製造法。 - 【請求項3】 前記均質化工程において得られる均質化
物中の水分含量が、原料リン脂質に対し、10重量%〜
100重量%であることを特徴とする請求項1又は2記
載のリン脂質の製造法。 - 【請求項4】 前記均質化工程における水酸基を有する
受容体の添加量が、原料リン脂質1モルに対して、0.
3モル〜10モルであることを特徴とする請求項1〜3
の何れかに記載のリン脂質の製造法。 - 【請求項5】 前記水酸基を有する受容体が、セリン、
グリセロール、L−アスコルビン酸、グルコース、及び
コリンから選ばれる1種又は2種以上であることを特徴
とする請求項1〜4の何れかに記載のリン脂質の製造
法。 - 【請求項6】 前記水酸基を有する受容体が、セリンで
あり、生成するリン脂質がホスファチジルセリンである
ことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のリン脂
質の製造法。 - 【請求項7】 前記均質化工程における均質化時に、更
に食用油脂を添加することを特徴とする請求項1〜6の
何れかに記載のリン脂質の製造法。
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