JPH0570793A - 脂質の粒状組成物 - Google Patents

脂質の粒状組成物

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JPH0570793A
JPH0570793A JP3257244A JP25724491A JPH0570793A JP H0570793 A JPH0570793 A JP H0570793A JP 3257244 A JP3257244 A JP 3257244A JP 25724491 A JP25724491 A JP 25724491A JP H0570793 A JPH0570793 A JP H0570793A
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lipid
vitamin
surfactant
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saccharide
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JP3257244A
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Atsushi Nagase
淳 長瀬
Junji Yoshida
淳二 吉田
Hiroyuki Mochizuki
啓幸 望月
Hiroshi Shibata
浩 柴田
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NISSEI BAADEISHIE KK
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NISSEI BAADEISHIE KK
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    • A23K20/10Organic substances
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 食品・飼料・医薬の分野において利用されう
る脂質の水溶性粒状組成物を提供する。 【構成】 脂質22重量%以下、界面活性剤3重量%以
上25重量%未満および多孔質粒状糖類75〜79重量
%の割合で含んでなる脂質の粒状組成物。脂質が多孔質
粒状糖類に浸透し、サラサラした流動性に富んだ組成物
が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素、熱、光等に対し
て安定化されており、個々の粒子は粘着することなく流
動性に富んだ、脂質含有粒状組成物に係る。詳細には、
本発明は、脂質と界面活性剤と多孔質粒状糖類とを含む
水分散性又は水溶性の粒状組成物に係る。
【0002】
【従来の技術】これまで、脂溶性のビタミンAを安定且
つ水溶性の粉末にしようとする試みは、種々行なわれて
おり、例えば、特公昭56−32291号には、一定量
の蔗糖と殿粉加水分解物および/またはオリゴ糖とから
なる糖類混合物に水を加えて加熱した後、これに必要量
の水を加えて糖類含有量を70〜95重量%に調製し且
つ20〜70℃に冷却した後、これにビタミンAと必要
ならば乳化剤を添加し充分混合したものを乾燥して水溶
性ビタミンA含有粉末とする製造方法が記載されてい
る。しかしながら、この製法においては、加熱・冷却工
程が必要であり、高速撹拌により乳化しなければなら
ず、また乾燥も真空乾燥または凍結乾燥によらなければ
ならず、工程が煩雑であるという欠点がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
改良し、食品、飼料、医薬等の広範な工業分野において
利用されうる脂質の粒状組成物を提供しようとするもの
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、脂質と界面活
性剤と多孔質粒状糖類とを含んでなる粒状組成物に係
る。この組成物は、脂質に界面活性剤を添加し、これを
加熱・撹拌して均一な混合物とし、この混合物と多孔質
粒状糖類とを均一に混合することによって得られる。
【0005】本発明でいう脂質とは、分子中に脂肪酸、
脂肪族アルコール、炭化水素などに由来する脂肪族炭化
水素基または縮合環炭化水素基部分を有する、生体を構
成するか、生体によって代謝されうるか、または生体に
よって代謝された、脂状の物質を総称するもので、これ
らには、1)単純脂質と呼ばれる中性脂肪すなわち脂肪
酸グリセリド、脂肪酸と高級アルコールとのエステル、
ビタミンAまたはその脂肪酸エステル類例えばビタミン
Aアセテート、ビタミンA−パルミテートなど、ビタミ
ンD類(例えばビタミンD2、ビタミンD3およびその活
性型のもの)、ビタミンEまたはその脂肪酸エステル類
例えばビタミンEアセテートなど、ビタミンK類、ユビ
キノン類など、2)複合脂質と呼ばれるリン脂質、糖脂
質など、および3)誘導脂質と呼ばれる前記2つに属す
る脂質の前駆物質または代謝産物と考えられる物質の、
例えば脂肪酸、高級アルコール、ステロイド類(例えば
コレステロール)、カロチノイド類(例えばβ−カロチ
ン)、テルペノイド類(例えばスクアレン)などを意味
するものとする。
【0006】界面活性剤としては、グリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリグリセリン脂肪酸エステル)、ソルビタン
脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
エステルまたはポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エ
ステル(ポリオキシエチレンひまし油、硬化ひまし油を
含む)等の1種あるいは2種以上を使用することができ
る。
【0007】上記グリセリン脂肪酸エステルとしては例
えば、日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL DGMO-C(ジグリ
セルモノオレエート)および同DGDO(ジグリセルジオレ
エート)がある。ソルビタン脂肪酸エステルとしては例
えば、花王(株)製のエマゾール L-10(F)(ソルビタンモ
ノラウレート)ならびに日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL
SO-10R (ソルビタンモノオレエート) および同SO-15R
(ソルビタンセスキオレエート) がある。ポリオキシエ
チレンソルビタン脂肪酸エステルとしては例えば、日光
ケミカルズ(株)製のNIKKOL TL-10 (POE(20)ソルビタン
モノラウレート)、 同TP-10 (POE(20)ソルビタンモノパ
ルミテート) 、 同TO-10M (POE(20)ソルビタンモノオレ
エート) 、 同TO-30 (POE(20)ソルビタントリオレエー
ト) 、 同TO-106 (POE(6)ソルビタンモノオレエート) お
よび同TI-10 (POE(20)ソルビタンモノイソステアレー
ト) がある。また、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステルとしては例えば、BASF社製のCremphor EL
(ポリオキシエチレンヒマシ油) ならびに日光ケミカル
ズ(株)製のNIKKOL CO-10 (POE(10)ヒマシ油) 、 同CO-40
TX (POE(40)ヒマシ油) 、 同CO-60TX (POE(60)ヒマシ油)
、 同HCO-5 (POE(5)硬化ヒマシ油) 、 同HCO-20 (POE(2
0)硬化ヒマシ油) 、同HCO-40 (POE(40)硬化ヒマシ油)、
同HCO-60 (POE(60)硬化ヒマシ油) 、 同HCO-80 (POE(80)
硬化ヒマシ油)および同HCO-100 (POE(100)硬化ヒマシ
油) がある。
【0008】この界面活性剤は、脂質を可溶化または分
散化するための可溶化剤または分散剤として作用し、脂
質と界面活性剤との混合物を多孔質粒状糖類に配合する
場合に脂質を多孔質粒状糖類中に均一に配合することが
でき、さらにこのようにして得られた脂質の粒状組成物
が水と共存する状態となった場合における脂質の水に対
する可溶化剤または乳化剤として働くものである。
【0009】また、多孔質粒状糖類としては、蔗糖、ブ
トウ糖、果糖、オリゴ糖、殿粉加水分解生成物、または
これらの二種以上の混合物であって、その結晶粒子が多
孔質の粒状体となるように加工されたものを挙げること
ができる。そしてこの多孔質粒状糖類の典型例として
は、例えばグラニュー糖を粉砕し、粉状になったものを
少量の加水により顆粒状に加工したものを挙げることが
でき、例えば、日新製糖(株)製のフロストシュガーシリ
ーズ(例えば、フロストシュガースタンダード、フロス
トシュガーOM.OMMタイプ等)を使用することがで
きる。
【0010】本発明の好ましい実施態様において、本組
成物中に更に慣用の抗酸化剤を含ませることができる。
これらの抗酸化剤には例えば、ジブチルヒドロキシトル
エン、ブチルヒドロキシアニソールおよびエトキシキン
などがある。
【0011】また本組成物中に水溶性のビタミン類、例
えばビタミンB類、ビタミンCなどを1種または数種類
組合わせて含ませることができる。
【0012】本発明の組成物中に存在させるべき脂質、
界面活性剤および多孔質粒状糖類の割合は、用いる各成
分の具体例によって変動しうるが、一般に次のような範
囲内にある。
【0013】 脂 質 約22重量%以下 界面活性剤 約3重量%以上約25重量%未満 多孔質粒状糖類 約75〜約79重量% 脂質の下限は特に制限されないが、好ましくは約0.0
004重量%である。
【0014】本発明の組成物において脂質および界面活
性剤を合計で約25重量%よりも多い量で配合すると、
該糖類の表面が過度に被覆され、製品がベトベトにな
り、流動性を失う。また、その合計が約21重量%より
も少ない割合の場合、これらは多孔質粒状糖類に均一に
吸着されず、製品が斑になってしまう。この場合には、
希釈剤として、例えばエチルアルコール、アセトン、プ
ロピレングリコールおよびグリセリン等ならびに大豆
油、ナタネ油、落花生油、コーン油および綿実油等の植
物油および魚油等を配合することにより、均一な製品と
することが可能である。アルコール、アセトンを使用す
る場合は、製品の調製後に、これらを既知の方法で減圧
留去することも可能である。
【0015】本発明の組成物における脂質と界面活性剤
との合計が21重量%未満である場合、各成分の割合は
次のようになる。
【0016】 脂 質 約18重量%未満 界面活性剤 約3重量%以上21重量%未満 多孔質粒状糖類 約75〜約79重量% (但し、該脂質と界面活性剤との合計が約21重量%未
満であって、希釈剤をこれら三者の合計が21〜25重
量%になるように添加してなる。)本発明の組成物中に
は、上記成分に加えて、飼料・食品・医薬の各分野にお
いて通常使用されている周知の添加剤、例えば安定剤・
滑沢剤・結合剤・乳化剤・被覆剤・分散剤・崩壊剤・保
存剤・溶解補助剤・緩衝剤・甘味剤・着香剤・着色剤な
どを配合することができる。
【0017】本発明の組成物は通常、1種または2種以
上の脂質および1種または2種以上の界面活性剤を約4
0℃乃至脂質の分解温度より低い温度で加熱・撹拌して
均一な混合物とし、この混合物と多孔質粒状糖類とを室
温〜約70℃でミキサー内で均一に混合することによっ
て製造することができる。ミキサーとしては、通常の粉
体および液体の混合機であればよく、例えばレディゲ社
製のレディゲミキサーを使用することができる。脂質と
界面活性剤との混合温度は好ましくは約50〜約70℃
であり、またこの混合物と多孔質粒状糖類との混合は、
好ましくは約50〜約70℃で行なわれる。また、該混
合物と該糖類との混合は、前者に後者を投入して行なっ
てもよく、後者に前者を例えば噴霧投入して行なっても
よい。このようにして、外観が顆粒状でサラサラしてい
て流動性に富む組成物が得られる。
【0018】以下、実施例および比較例により本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0019】実施例1 ビタミンEアセテート5gおよびビタミンAパルミテー
ト5gとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
(日光ケミカルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)13gとを
約60℃で加熱・混合せしめた。一方、ミキサー内に多
孔質粒状糖類(日新製糖(株)製のフロストシュガースタ
ンダード)77gを仕込み、これを混合しながら上記混
合物を添加して、約2分混合し、均一な生成物を得た。
この生成物はサラサラした外観を有し、流動性に富んで
いた。
【0020】実施例2 以下の組成および量を用いて、実施例1の方法を繰り返
し、生成物の外観を観察した。希釈剤を使用する場合
は、これをビタミン類および界面活性剤と一緒に混合せ
しめて行なった。なお、生成物の外観については、サラ
サラしている場合、流動性は合格とし、斑がない場合、
均一性は合格とした。
【0021】上記の結果を以下の表に示す。
【0022】
【表1】
【0023】実施例3 ビタミンEアセテート214.9g、ビタミンAパルミ
テート344.8gおよびビタミンD3 2.05gと、ポ
リオキシエチレンソルビタンモノオレート(日光ケミカ
ルズ(株)製のNIKKOL TO-10M)61.0g、ポリオキシエ
チレンソルビタントリオレート(日光ケミカルズ(株)製
のNIKKOL TO-30)314.4g、ポリオキシエチレンヒ
マシ油(BASF社製のクレモホール EL)207.9gおよ
びソルビタンモノラウレート(花王(株)製のエマゾール
L-10(F))45.5gと、エトキシキン7.0gと、リン
酸水素2ナトリウム2.5gとを約67℃で加熱・混合
せしめた。一方、ミキサー内にフロストシュガースタン
ダード4250.0gを仕込み、これを混合しながら上
記混合物を添加して、約2分混合し、均一な混合物を得
た。この生成物はサラサラしており、流動性に富んでい
た。この生成物の断面(顆粒を折って新たに断面をつく
った)を走査型電子顕微鏡を用いて撮影したところ、図
1に示されたように、糖類の内部に上記混合物が浸透し
ていることが分かった。なお、フロストシュガースタン
ダード自体の断面の走査型電子顕微鏡写真を図2に示
す。
【0024】比較例2 多孔質粒状糖類の代わりに乳糖、グラニュー糖および上
白糖を用いて、実施例1記載の処方を繰り返した。生成
物は湿り気のある不定形(団塊)のものであった。
【0025】比較例3 ビタミンEアセテート10gおよびビタミンAパルミテ
ート6gとポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル(NIKKOL TO-10M)10gならびに多孔質粒状糖類7
4gを用い、実施例1と同様の操作を行なった。
【0026】生成物は、多孔質粒状糖類表面に液体成分
が浸み出し、顆粒どうしが付着しあって塊を形成し、流
動性が著しく低いものであり、また、容器や設備等に付
着しやすく実用性に欠けるものであった。
【0027】実施例4 ビタミンEアセテートとポリオキシエチレンソルビタン
脂肪酸エステル(NIKKOL TO-10M)とを、それぞれ3、
8、13、19および20.5gと20、15、10、
4および2.5gとの量で、約60℃で加熱・混合せし
めて、6種の混合物を調製した。一方、ミキサー内にフ
ロストシュガースタンダード77gを仕込み、これを混
合しながら上記混合物を添加して、約2分混合し、6種
の均一な生成物を得た。
【0028】また、ビタミンEアセテート19g、NIKK
OL TO-10M 2g、Gremphor EL 1.2g、NIKKOL TO-30
0.4g、エマゾール L-10(F) 0.4gおよびフロスト
シュガースタンダード77gを用いて上記操作を繰り返
し、均一な生成物を得た。
【0029】上記生成物について、以下の方法に従って
溶解性試験を行なった。100ml容の透明サンプルビン
に、上記生成物1gを計りとり、これに水100mlを加
え、ビンに蓋をした。サンプルビンをよく振った後、室
温に放置し、24時間後にその外観を観察した。
【0030】上記7種の生成物のうちビタミンEアセテ
ート20.5g、NIKKOL TO-10M 2.5gおよびフロスト
シュガースタンダード77gを用いた生成物の場合、2
4時間後には分離しており、油分、固形物が浮いてい
た。残りのものについては、24時間後でもまだ均一に
乳化していた。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例3の生成物の断面を示している電子顕微
鏡写真(×500)である。
【図2】多孔質粒状糖類の断面を示している電子顕微鏡
写真(×500)である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂質22重量%以下、界面活性剤3重量
    %以上25重量%未満および多孔質粒状糖類75〜79
    重量%からなる脂質の粒状組成物。
  2. 【請求項2】 脂質18重量%未満、界面活性剤3重量
    %以上21重量%未満、多孔質粒状糖類75〜79重量
    %および希釈剤からなり、該脂質と界面活性剤との合計
    が21重量%未満であって希釈剤をこれら三者の合計が
    21〜25重量%になるように添加してなる脂質の粒状
    組成物。
JP3257244A 1991-09-10 1991-09-10 脂質の粒状組成物 Pending JPH0570793A (ja)

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