JP2002049214A - カラー画像形成装置 - Google Patents

カラー画像形成装置

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JP2002049214A
JP2002049214A JP2000237647A JP2000237647A JP2002049214A JP 2002049214 A JP2002049214 A JP 2002049214A JP 2000237647 A JP2000237647 A JP 2000237647A JP 2000237647 A JP2000237647 A JP 2000237647A JP 2002049214 A JP2002049214 A JP 2002049214A
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transfer roller
forming station
peripheral speed
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Application number
JP2000237647A
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English (en)
Inventor
Toshiaki Ino
利昭 井野
Takayuki Yamanaka
隆幸 山中
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)
  • Color Electrophotography (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トナー特性への依存やトナー消費量の増大を
回避するとともに、複数の転写工程におけるトナー逆転
写現像を抑制し、色再現性に優れた最終画像を効率的に
形成することのできるカラー画像形成装置を提供する。 【解決手段】 画像形成ステーションPa〜Pdが、用
紙搬送方向に沿って複数配設されると共に、感光体1に
対向配置され、該感光体1表面に形成された色像を転写
紙Pに転写させる転写ローラ6を備える。感光体1と転
写ローラ6との間に作用する転写電界が、感光体1の回
転周速と該感光体1に対向する転写ローラ6の回転周速
との相対速度によって変化する場合、上記相対速度を、
用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション
より下流側に配置される画像形成ステーションの方が小
さくなるように設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光体上に現像さ
れた現像剤像(トナー像)を、半導電性転写ベルトによ
り転写材(転写用紙等)を搬送しながら該転写材上に順
次多重転写して画像を形成する電子写真方式のカラー複
写機、カラープリンタ等のカラー画像形成装置に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】複数の現像装置を備え、各現像装置によ
ってそれぞれ色の異なった可視化された色像(トナー
像)を感光体上に形成し、これらのトナー像を最終的に
同一転写用紙に重ねて転写して一つのカラー画像を形成
するカラー画像形成装置が種々提案されている。このよ
うなカラー画像形成装置は、一般に、単一ドラム型と多
段ドラム型(タンデム型)とに大別される。
【0003】上記単一ドラム型のカラー画像形成装置
は、図5に示すように、単一の感光体ドラム101の周
面に沿って、初期化帯電器102、感光体ドラム101
上にレーザー光103を照射する記録ヘッド(図示せ
ず)、感光体ドラム101に沿って4個の現像器104
a〜104dが配設されており、上記感光体ドラム10
1に対向して転写部を形成する転写手段としての用紙巻
き付け半導電性ドラム105が配置されている。
【0004】上記用紙巻き付け半導電性ドラム105の
円筒内部には、上記転写部に近接して転写電流を放電す
るコロナ放電器106が配設されている。用紙巻き付け
半導電性ドラム105は、図の矢印Aで示すように、左
下方向から搬入されてくる転写紙を、図の矢印Bで示す
ように反時計回り方向に巻着して一周するようになって
いる。なお、用紙巻き付け半導電性ドラム105による
転写紙の巻付けは、転写紙への各色のトナー像の転写が
完了するまで行なわれる。
【0005】感光体ドラム101は、用紙巻き付け半導
電性ドラム105の周面速度と同じ周面速度で、図の矢
印Cで示すように時計回り方向に回転しながら、まず、
M(マゼンタ:赤色染料)のトナー像が該感光体ドラム
101表面に現像器104aにより形成され、このトナ
ー像がコロナ放電器106の放電電流によって転写紙上
に転写される。
【0006】次に、再び、用紙巻き付け半導電性ドラム
105が一回転し、これに応じて感光体ドラム101に
C(シアン:緑味のある青色)のトナー像が現像器10
4bにより形成され、これがコロナ放電器106の放電
電流によって転写紙上に重ねて転写される。
【0007】さらに、再び、用紙巻き付け半導電性ドラ
ム105が一回転し、これに応じて感光体ドラム101
にY(イエロー:黄色)のトナー像が現像器104cに
より形成され、これがコロナ放電器106の放電電流に
より転写紙上に重ねて転写される。
【0008】最後に、再び、用紙巻き付け半導電性ドラ
ム105が一回転し、これに応じて感光体ドラム1にB
k(ブラック:黒色)のトナー像が現像器104dによ
り形成され、これがコロナ放電器106の放電電流によ
り転写紙上に重ねて転写される。
【0009】そして、上記4色のトナー像の転写(塗り
重ね)が終了すると、転写紙の巻き付けが解除され、転
写紙は、搬送ベルト107によって、搬送方向下流側
(図5の左側)に配置されている定着部108に搬送さ
れ、上記塗り重ねられた4色の転写トナー像が転写紙の
紙面に熱定着される。
【0010】このように、単一ドラム型のカラー画像形
成装置は、一枚(1頁)の転写紙に対して、減法混色の
三原色であるM(マゼンタ)トナー、C(シアン)トナ
ー、Y(イエロー)トナー及び黒色部分の印字に専用さ
れるBk(ブラック)トナーの合計4種類のトナーを重
ねて転写するために、各トナー毎に個別に印字(露光記
録、現像、及び転写)を行うから、転写紙の1頁に対し
て印字工程が4回繰り返されることになり、印字処理に
長時間を要する。
【0011】これに対して、タンデム型のカラー画像形
成装置は、1工程で4種類のトナー像を用紙に順次重ね
て転写するため、単一ドラム型に比較してほぼ4倍の処
理速度を有している。このため、近年、内部装置が小型
化され且つ組装置化(ユニット化)されて比較的安価に
なったこととも相侯って、タンデム型のカラー画像形成
装置が主流となりつつある。
【0012】上記タンデム型のカラー画像形成装置は、
図6に示すように、各色毎のトナー像を形成するための
4つの画像形成ステーションPa〜Pdを備えている。
これらの画像形成ステーションPa〜Pdは、それぞれ
ドラム状の感光体201を有しており、この感光体20
1は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回
転順に帯電用ロールブラシ202、現像装置204、ク
リーニング装置210が配置された構成となっている。
なお、各画像形成ステーションPa〜Pdは現像装置2
04内部のトナーの色が異なるだけで、その他は全て同
様の構成となっている。
【0013】上記感光体201表面の帯電用ロールブラ
シ202と現像装置204の間には、図示しない書き込
み光学系からのレーザー光203が照射され、該感光体
201に静電潜像が形成される。そして、このような感
光体201を中心とした4つの画像形成ステーションP
a〜Pdが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト20
5に沿って並置されている。
【0014】上記転写搬送ベルト205は、各画像形成
ステーションPa〜Pdの現像装置204とクリーニン
グ装置210の間で感光体201に当接しており、転写
搬送ベルト205の感光体201側の裏側に当たる面
(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段2
06が配置されている。
【0015】上記構成のタンデム型のカラー画像形成装
置による画像形成動作は次のようにして行われる。
【0016】まず、各画像形成ステーションPa〜Pd
において、感光体201がこの感光体201の回転方向
に対してカウンター方向となる方向に回転する帯電用ロ
ールブラシ202により帯電され、次に、露光部でレー
ザー光203により、作成する各色の画像に対応した静
電潜像が上記感光体201上に形成される。
【0017】続いて、現像装置204により感光体20
1上に形成された潜像を現像してトナー像(色像)が形
成される。すなわち、各画像形成ステーションPa〜P
dの現像装置204は、それぞれK(ブラック),C
(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)のトナー
で現像して、各感光体201上で作られた各色に対応し
た静電潜像を可視化したトナー像を形成するようになっ
ている。
【0018】転写紙Pは、給紙コロ(図示せず)により
トレイ211から送り出され、一対のレジストローラ2
12で一旦停止し、上記感光体201上への画像形成と
タイミングを合わせて転写搬送ベルト205に送られ
る。転写搬送ベルト205上に保持された転写紙Pは搬
送されて、各感光体201との当接位置(転写部)で各
色トナー像の転写が行われる。
【0019】このとき、感光体201上のトナー像は、
転写手段206に印加された転写バイアスと感光体20
1との電位差から形成される電界(転写電界)により、
転写紙P上に転写される。
【0020】そして、4つの転写部を通過して4色のト
ナー像が重ねられた転写紙Pは定着装置208に搬送さ
れ、トナー像が定着されて、図示しない排紙部に排紙さ
れる。また、転写部で転写されずに各感光体201に残
った残留トナーは、それぞれのクリーニング装置210
で回収される。
【0021】上記したように、各画像形成ステーション
は現像装置204内部のトナー色が異なるだけで、その
他は全て同様の構成となっている。そのため各画像形成
ステーションの現像装置の回転数も同一回転数に設定さ
れている。
【0022】ところが、上記のようなタンデム型のカラ
ー画像形成装置では、画像形成ステーションのうち、転
写紙Pの搬送方向の上流側に配置された画像形成ステー
ションで一旦転写紙P上に転写された未定着トナーが、
すぐ下流側の画像形成ステーションで奪われてしまう逆
転写現像が発生し、良好なカラー画像が得られなくなる
という問題が生じる。
【0023】つまり、タンデム型のカラー画像形成装置
では、最上流の画像形成ステーションPaの現像工程で
形成された第1色目のトナー像が転写紙P上に転写さ
れ、次の画像形成ステーションPbの現像工程で形成さ
れた第2色目のトナー像を該転写紙P上に重ねて転写す
る際に、先に転写された第1色目のトナー像の一部が第
2色目のトナー像を形成する画像形成ステーションPb
の感光体201側に逆転写される現像が生じる。同様の
ことが、第3色目、及び第4色目のトナー像を転写紙P
上に転写する際にも生じる。
【0024】このため、最下流の画像形成ステーション
Pdで第4色目のトナー像の転写を終了した後では、転
写紙Pへの第1色目のトナー像のトナー付着量は、当初
の付着量に比べて数10%に減少してしまう。そして、
同様な現像が第2色目のトナー像、及び第3色目のトナ
ー像にも生じる。
【0025】したがって、例えばトナー像の形成と転写
の工程を4回実施するものとした場合に各トナー像の最
終的な転写紙Pへの付着量は第1色目のトナー像が最も
少なめとなって、本願発明の説明図である図3に示すよ
うに、「第1色目の付着量」<「第2色目の付着量」<
「第3色目の付着量」<「第4色目の付着量」というバ
ランスの崩れた配色となる。
【0026】さらに、本発明の説明図である図4に示す
ように、再転写量(逆転写量)が多くなるほど、画像濃
度は低下する。このため、下流の色ほど色濃度が高くな
って正しい色相から離れたカラー画像となってしまうと
いう問題が生じる。
【0027】これは、画像形成工程において感光体(ド
ラム又はベルト)の画像電位に応じて、現像ローラ上か
らトナーが感光体に付着する際、トナーは必ずしも一様
なマイナス電荷を帯びているわけではなく、マイナス極
性の弱いものや逆にプラス極性の電荷を有するものが混
在し、又転写後の感光体からの剥離工程で放電が生じて
後からプラス極性となるものがある。これらが後段の転
写工程でプラス極性の転写電荷を受けるたびに少しずつ
感光体に逆戻りすることから生じる現像であるとされて
いる。
【0028】そこで、上記のような不具合を解決するた
めに、例えば特開平8−106197号公報には、複数
の現像装置を備える画像形成装置において、下流側ほど
帯電電位の低減、低帯電量の現像剤を使用して低電圧で
転写することで逆転写現像等の異常画像の発生を抑制す
る技術が開示されている。
【0029】また、特開平9−319179号公報に
は、タンデム型のカラー画像形成装置において、各段の
現像装置におけるドクタブレードの当接圧を上流側から
下流側に移行するにつれて順次強めて行く設定とする方
法をはじめとして、感光体へのトナー付着量が上流側が
下流側よりも多くなる付着量制御を行なうとともに、各
段で使用するトナーの粒子径や流動性等の特性を変更す
ることにより逆転写現像等の異常画像の発生を抑制する
技術が開示されている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記特開平
8−106197号公報に開示された技術は、主にトナ
ーの特性に依存して対応する技術であり、トナーの特性
管理に手間や経費を要すだけでなく、各段毎に目標帯電
電位やトナー帯電量を単純に変化させているだけなの
で、システム全体でみると転写工程に絡む異常画像を発
生する虞が高い。
【0031】また、特開平9−319179号公報に開
示された技術は、逆転写現像が発生するのを見越し、予
め上流側ほど感光体へのトナー付着量を多くするトナー
付着量制御を行なっているので、トナー消費量の増加に
繋がり易い。
【0032】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、トナー特性への依存やト
ナー消費量の増大を回避するとともに、複数の転写工程
におけるトナー逆転写現像を抑制し、色再現性に優れた
最終画像を効率的に形成することのできるカラー画像形
成装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明のカラー画像形成
装置は、上記の課題を解決するために、ドラム状の回転
体からなる感光体を中心とする画像形成ステーション
が、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ス
テーション内の現像装置により各々現像された色像を、
用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成する
カラー画像形成装置において、上記感光体に対向配置さ
れ、該感光体表面に形成された色像を用紙に転写させる
転写ローラを備え、感光体と転写ローラとの間に作用す
る転写電界が、感光体の回転周速と該感光体に対向する
転写ローラの回転周速との相対速度によって変化する場
合、上記相対速度は、用紙搬送方向上流側に配置される
画像形成ステーションより下流側に配置される画像形成
ステーションの方が小さくなるように設定されているこ
とを特徴としている。
【0034】通常、感光体と転写ローラとの間に作用す
る転写電界が、感光体の回転周速と該感光体に対向する
転写ローラの回転周速との相対速度によって変化する場
合、相対速度が小さくなるほど、感光体と転写ローラと
の間に作用する転写電界、すなわち用紙へのトナー像の
転写に係る電界が小さくなる。
【0035】したがって、上記構成のように、上記相対
速度を、用紙搬送方向上流側の画像形成ステーションよ
りも下流側の画像形成ステーションの方が小さくなるよ
うに設定することにより、各画像形成ステーションの転
写ローラへ与える印加電圧を一定としたままで、転写ロ
ーラが感光体へと与える転写電界を小さくすることがで
きる。
【0036】このように、下流側の画像形成ステーショ
ンの転写電界を上流側よりも小さくすることで、トナー
の正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け、
上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーの
うちの逆極性に転化したトナーが、下流側の画像形成ス
テーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0037】この結果、用紙上に各色のトナー像を重ね
合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成の際
に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が
積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いの
で、所望する色を忠実に再現することができ、この結
果、色再現性に優れた原稿に忠実な色を呈する高品位な
最終画像を得ることができる。
【0038】しかも、各画像形成ステーションの感光体
の回転周速と転写ローラの回転周速との相対速度を変え
るだけで、各画像形成ステーションの転写部における転
写電界を変更するようにしているので、従来のように、
各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナ
ーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナ
ーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー
特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0039】さらに、上記構成では、各画像形成ステー
ションの感光体の回転周速と転写ローラの回転周速との
相対速度を変えるだけなので、各感光体へのトナー付着
量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無く
し、効率よく画像形成を行なうことができる。
【0040】上記相対速度を各画像形成ステーション毎
に異ならせるには、各転写ローラの回転周速を一定にし
感光体の回転周速を切り換えることが考えられるが、上
記構成のように用紙搬送方向に順に各画像形成ステーシ
ョンに配設されたタンデム方式の場合には、非実現的で
ある。
【0041】つまり、感光体の回転周速を各画像形成ス
テーションで異ならせた場合、用紙の転写部への搬送タ
イミングを各画像形成ステーション毎に異ならせる必要
があるので、用紙搬送制御を細かく正確に行なう必要が
あり、非実現的である。
【0042】そこで、上記相対速度を各画像形成ステー
ション毎に異ならせるには、各画像形成ステーションに
おける感光体の回転周速を一定とし、各転写ローラの回
転周速を変化させることが考えられる。
【0043】この場合、感光体の回転周速を変えないの
で、用紙搬送のタイミングは変わらず、用紙搬送に係る
繁雑な制御を行なう必要がなく、実現的なものとなって
いる。
【0044】上記転写ローラの回転周速を画像形成ステ
ーション毎に異ならせるには、各画像形成ステーション
に対応したそれぞれの転写ローラのローラ径を等しく
し、該転写ローラの回転数を変えることが考えられる。
【0045】つまり、感光体の回転周速が転写ローラの
回転周速よりも大きい場合には、転写ローラの回転数を
下流側に向かって上げて回転周速を速めて、感光体の回
転周速と転写ローラの回転周速の相対速度を下流側に向
かって小さくするようにすればよい。
【0046】また、上記転写ローラの回転周速を画像形
成ステーション毎に異ならせるには、各画像形成ステー
ションに対応したそれぞれの転写ローラの回転数を等し
くし、該転写ローラのローラ径を変えることが考えられ
る。
【0047】つまり、感光体の回転周速が転写ローラの
回転周速よりも大きい場合には、転写ローラのローラ径
を下流側に向かって大きくして回転周速を速めて、感光
体の回転周速と転写ローラの回転周速の相対速度を下流
側に向かって小さくするようにすればよい。
【0048】このように、各画像形成ステーションのそ
れぞれの転写ローラの回転周速に差異を設けるには、あ
る程度の繁雑さや手間がかかる。
【0049】そこで、用紙搬送方向の最上流位置に配置
された画像形成ステーションにおける感光体の回転周速
と転写ローラの回転周速との相対速度のみが他の画像形
成ステーションにおける感光体の回転周速と転写ローラ
の回転周速との相対速度よりも大きく、その他の画像形
成ステーションにおける感光体の回転周速と転写ローラ
の回転周速との相対速度がそれぞれ等しく設定してもよ
い。
【0050】この場合、全ての画像形成ステーションに
対応する転写ローラの回転周速に差異を持たせた場合と
同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、
転写ローラの回転周速は、2つのみ設定すればよいの
で、複数の転写ローラの回転周速を設定する場合に比べ
て、感光体の回転周速と転写ローラの回転周速との相対
速度の差異設定を、各画像形成ステーション毎で容易に
行うことができる。
【0051】また、現像剤の各色の収容される順序とし
ては、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ス
テーション内の現像装置には黒色現像剤が収容され、他
の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置にはシア
ン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容されるこ
とが考えられる。
【0052】この場合、黒色現像剤を画像形成ステーシ
ョンの最上流位置に配置し、他の3原色(シアン、マゼ
ンタ、イエロー)を下流側に配置することにより、転写
後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色
再現性が向上する。
【0053】カラー画像の場合、プロセスブラックと称
するシアン、マゼンタ、イエローの混色で黒色を再現し
ており、画像全体において黒色が単独で出現する割合が
低い。再転写が発生したとしても比較的色再現性への影
響が少ないように、黒色トナーを最下層に封じ込めるよ
うにすればよい。
【0054】さらに、黒色は他の色に比べて、フルカラ
ー画像の色目へのかかわりは小さいので、逆転写にて濃
度低下の恐れの多い最上流側の画像形成ステーションの
色として黒色を選択することで、逆転写による画質への
影響が、より効果的に抑えられる。
【0055】
【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態について図
1ないし図4に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0056】本実施の形態では、カラー画像形成装置と
して、1工程で4種類のトナー像を用紙に順次重ねて転
写して画像形成を行なうタンデム型のカラー画像形成装
置について説明する。
【0057】上記タンデム型のカラー画像形成装置は、
図1に示すように、各色毎のトナー像を形成するための
4つの画像形成ステーションPa〜Pdを備えている。
これらの画像形成ステーションPa〜Pdは、それぞれ
ドラム状の感光体1を有しており、この感光体1は図中
の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯
電器2、光学系3、現像装置4、クリーニング装置10
が配置された構成となっている。
【0058】上記帯電器2は、感光体1表面を均一に帯
電するための帯電装置を構成する非接触帯電部材であ
る。この帯電器2と現像装置4との間の感光体1の表面
には、上記光学系3によりレーザー光が照射され、静電
潜像が形成される。
【0059】このような感光体1を中心とした4つの画
像形成ステーションPa〜Pdは、転写材搬送手段であ
る転写搬送ベルト5の転写紙P搬送方向に沿って上流側
から下流側に向かって並置されている。なお、本実施の
形態では、用紙搬送方向上流側を単に上流側と称し、用
紙搬送方向下流側を単に下流側と称して説明する。
【0060】上記転写搬送ベルト5は、各画像形成ステ
ーションPa〜Pdの現像装置4とクリーニング装置1
0との間で感光体1に当接しており、感光体1側の裏側
に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための
転写手段としての転写ローラ6が配置されている。この
転写ローラ6は、各画像形成ステーションPa〜Pd毎
に配置されている。
【0061】なお、各画像形成ステーションPa〜Pd
は、それぞれの現像装置4内部のトナー色が異なるだけ
で、その他は全て同様の構成となっている。本実施の形
態では、画像形成ステーションPaの現像装置4には、
BK(ブラック)のトナーが収容され、画像形成ステー
ションPbの現像装置4には、C(シアン)のトナーが
収容され、画像形成ステーションPcの現像装置4に
は、M(マゼンタ)のトナーが収容され、画像形成ステ
ーションPdの現像装置4には、Y(イエロー)のトナ
ーが収容されている例について説明する。
【0062】上記構成のカラー画像形成装置において、
画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像
形成ステーションPa〜Pdにおいて、感光体1がカウ
ンター方向に回転する帯電器2により帯電され、次に、
露光部でレーザー光3により、作成する各色の画像に対
応した静電潜像が形成される。
【0063】続いて、現像装置4により潜像を現像して
トナー像が形成される。ここで、各現像装置4は、それ
ぞれBK(ブラック),C(シアン),M(マゼン
タ),Y(イエロー)のトナーで現像を行う現像装置で
あり、それぞれに対応した感光体1上の静電潜像を可視
化像(トナー像)に現像するようになっている。各感光
体1上に形成されたトナー像は、転写材である転写紙P
上で重ねられる。
【0064】転写紙Pは、図示しない給紙装置から、上
記感光体1上への画像形成とタイミングを合わせて転写
搬送ベルト5に送られる。転写搬送ベルト5上に保持さ
れた転写紙Pは搬送されて、各感光体1との当接位置で
ある転写部において、各色のトナー像の転写が行われ
る。
【0065】すなわち、感光体1上のトナー像は、転写
ローラ6に印加された転写バイアスと感光体1との電位
差から形成される電界により、転写紙P上に転写され
る。
【0066】そして、4つの転写部を通過して4色のト
ナー像が重ねられた転写紙Pは、定着装置8に搬送さ
れ、トナーの定着が行なわれて、図示しない排紙部に排
紙される。
【0067】また、転写部で転写されずに各感光体1に
残った残留トナーは、クリーニング装置10で回収され
る。さらに、転写搬送ベルト5上に残った残留トナー
は、該転写搬送ベルト5の下流側に設けられたクリーニ
ング装置9で回収される。
【0068】尚、本実施の形態では、図1に示すよう
に、画像形成ステーションPa〜Pdが、転写紙搬送方
向上流側から下流側に向けて、BK(ブラック),C
(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の色の順
で並んでいる構成としたが、この順番に限るものでは無
く、色順は任意に設定されるものである。
【0069】上記構成のタンデム型のカラー画像形成装
置では、各画像形成ステーションPa〜Pdは現像装置
4内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の
構成となっている。このように、各画像形成ステーショ
ンPa〜Pdの構成が全て同じなので、通常、各画像形
成ステーションPa〜Pdの現像装置4内で現像剤の帯
電量がそれぞれ等しくなる。このため、画像形成ステー
ションの上流側で一旦転写紙P上に転写された未定着ト
ナーが、すぐ下流側の画像形成ステーションで感光体側
に奪われてしまう逆転写現像が発生する。
【0070】したがって、逆転写現像により、例えばト
ナー像の形成と転写の工程を4回実施するものとした場
合に、各トナー像の最終的な転写紙Pへの付着量は第1
色目のトナー像が最も少なめとなって、「第1色目の付
着量」<「第2色目の付着量」<「第3色目の付着量」
<「第4色目の付着量」というバランスの崩れた配色と
なる。これにより、従来の技術の欄でも示したように、
転写紙P上の最上層となる1層目から最下層となる4層
目に向かって画像濃度が低下することが分かる(図3の
従来技術を示すグラフ)。
【0071】また、逆転写現像と画像濃度との関係は、
図4に示すグラフのようになる。このグラフから、逆転
写量が多い場合に画像濃度が低くなり、逆転写量が少な
い場合に画像濃度が高くなる関係にあることが分かる。
なお、上記画像濃度は、マクベス反射濃度計により測定
される。
【0072】従って、タンデム型のカラー画像形成装置
では、上流側に配置される現像剤ほど後段の転写工程の
影響を受ける度合いが高く、第1層目(最下層)から第
4層目(最上層)へ移行するに伴って順次逆転写量が減
少して行くので、転写順の遅い現像剤、即ち、上層側に
配される現像剤ほど逆転写量が少なく、従って画像濃度
低下が少なく抑えられる。
【0073】本実施の形態では、転写紙Pに一旦転写さ
れたトナーが感光体側へ逆戻りする逆転写現像を防止す
るために、転写紙P搬送方向の上流側に配置されている
画像形成ステーションにおけるトナー像の転写紙Pへの
転写に係わる転写電界を、下流側に向かって小さくする
ことを提案している。これにより、トナーの正規帯電極
性と逆極性となる転写工程の影響を受け、逆極性に転化
したトナーが感光体側へと戻るのが抑えられる。
【0074】なお、転写電界を変化させる常套手段に、
転写ローラ6に印加する転写電圧を変更することが考え
られる。しかしながら、転写電圧は非常に高圧であるた
め、転写電圧を切り替える方法は高圧系の負担増を招く
ので、あくまで、転写電圧は各画像形成ステーションに
おいて一定としている。
【0075】そこで、本実施の形態での画像形成装置で
は、転写電界を変化させるための具体的方法として、比
較的容易にかつシステムの全体的バランスに影響を与え
ずに行える、以下の方法が考えられる。
【0076】例えば、感光体1の回転周速とこの感光体
1に対向配置された転写ローラ6の回転周速の相対速度
を変化させることで、転写電界に差を設けるようにする
方法がある。
【0077】通常、各転写ローラ6は、感光体1と同じ
方向に回転され、かつその回転周速は、文字画像の中抜
現象を防止するため各感光体1の回転周速よりも遅く設
定されている。
【0078】したがって、下流側の画像形成工程へ移る
につれて転写電界を順次減少させるには、各転写ローラ
6の回転周速を速めるようにすればよい。
【0079】そこで、下流側の画像形成ステーションの
転写ローラ6ほど、その回転周速を速めることで、同一
周速で回転する各感光体1との相対速度を小さくするこ
とが可能となる。このように、下流側の画像形成ステー
ションほど、感光体1と転写ローラ6との相対速度を小
さくすることで、転写電界も小さくすることができる。
【0080】この場合、全ての画像形成ステーションに
おいて、転写ローラ6の回転周速を異ならせる構成とし
てもよいが、最上流位置の画像形成ステーションPaの
み他の画像形成ステーションの転写ローラ6の回転周速
よりも遅くし、その他の画像形成ステーションPb〜P
dの各転写ローラ6の回転周速を全て同一とする構成と
してもよい。
【0081】後者の構成の方が、前者の構成(全ての画
像形成ステーションに対して転写ローラの回転周速を異
ならせる構成)よりも、転写電界の設定が簡単であっ
て、逆転写現像を防止する効果も十分に得られる。
【0082】前者の構成を採用した場合の、各画像形成
ステーションの転写ローラ6の回転周速の設定例を以下
の表1に示す。なお、各感光体1の回転周速は、何れも
117mm/secとする。
【0083】
【表1】
【0084】また、後者の構成を採用した場合の、各画
像形成ステーションの転写ローラ6の回転周速の設定例
を以下の表2に示す。なお、各感光体1の回転周速は、
何れも117mm/secとする。
【0085】
【表2】
【0086】なお、上記表1および表2において、周速
比(感光体1の回転周速/転写ローラ6の回転周速)を
小さくすることは、感光体1の回転周速と点差ローラ6
の回転周速の相対速度を小さくすることを意味してい
る。
【0087】表2に示すように、2層目〜4層目の画像
形成ステーションPb〜Pdにおける転写ローラ6の回
転周速は、最上流側の1層目の画像形成ステーションP
aの転写ローラ6の回転周速に対して、1.5%〜2.
0%高めた値に設定すればよい。この場合には、約1.
5%高めた値となっている。
【0088】最上流位置に配置された画像形成ステーシ
ョンPaの転写ローラ6の回転周速に対して、その下流
側位置に配置された画像形成ステーションPb〜Pdの
転写ローラ6の回転周速を上記の範囲内で高めることに
より、感光体1と転写ローラ6との相対速度に差をつけ
ることができる。
【0089】これにより、転写部において作用する転写
電界が上流側から下流側に向かって弱まり、この結果、
下流側の画像形成ステーションにおけるトナーの逆転写
が効果的に抑制され、高品位の再現画像を得ることがで
きた。
【0090】したがって、前者、後者何れの構成を採用
する場合も、転写ローラ6の回転周速の変化量として
は、最上流側の画像形成ステーションPaにおける転写
ローラ6の回転周速に対して、1.5%〜2.0%程度
に設定するのが適している。
【0091】何故なら、1.5%未満の場合には、転写
電界に差が生じるため再転写を引き起こすという問題が
発生し、2%を超えた場合には、転写電界に極端な差が
発生し、画像が攪乱(ドット画像の流れが発生する現
象)するという問題が発生するからである。
【0092】また、前者、後者何れの構成を採用した場
合も、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーション
Paの位置に配置し、他の3原色(シアン、マゼンタ、
イエロー)の現像剤を下流側の画像形成ステーションP
b〜Pdの位置に配置することにより、転写後の転写紙
P上では、黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再
現性が向上する。
【0093】このように、感光体1と転写ローラ6との
間に作用する転写電界が、感光体1の回転周速と該感光
体1に対向する転写ローラ6の回転周速との相対速度に
よって変化する場合、上記相対速度は、用紙搬送方向上
流側に配置される画像形成ステーションより下流側に配
置される画像形成ステーションの方が小さくなるように
設定されていることで各画像形成ステーションの転写ロ
ーラ6へ与える印加電圧を一定としたままで、転写ロー
ラ6が感光体1へと与える転写電界を小さくすることが
できる。
【0094】このように、下流側の画像形成ステーショ
ンの転写電界を上流側よりも小さくすることで、トナー
の正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け、
上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーの
うちの逆極性に転化したトナーが、下流側の画像形成ス
テーションにおいて感光体1側へと戻るのを抑制でき
る。
【0095】この結果、転写紙P上に各色のトナー像を
重ね合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成
の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー
像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難い
ので、所望する色を忠実に再現することができ、この結
果、色再現性に優れた原稿に忠実な色を呈する高品位な
最終画像を得ることができる。
【0096】しかも、各画像形成ステーションの感光体
1の回転周速と転写ローラ6の回転周速との相対速度を
変えるだけで、各画像形成ステーションの転写部におけ
る転写電界を変更するようにしているので、従来のよう
に、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なる
トナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、
トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、ト
ナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができ
る。
【0097】さらに、上記構成では、各画像形成ステー
ションの感光体1の回転周速と転写ローラ6の回転周速
との相対速度を変えるだけなので、各感光体1へのトナ
ー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄
を無くし、効率よく画像形成を行なうことができる。
【0098】ここで、転写ローラの回転周速を変える方
法としては、例えば、転写ローラの径は共通として、そ
の回転数を変える第1の方法、あるいは、転写ローラの
回転数は共通として、そのローラ径を変える第2の方法
が考えられる。
【0099】上記第1の方法について、図1を参照しな
がら以下に説明する。
【0100】この場合、画像形成ステーションPaの転
写ローラ6の回転数をR1、画像形成ステーションPb
の転写ローラ6の回転数をR2、画像形成ステーション
Pcの転写ローラ6の回転数をR3、画像形成ステーシ
ョンPdの転写ローラ6の回転数をR4としたとき、R
4≧R3≧R2>R1となるように各転写ローラ6の回
転数Rを設定するようにすればよい。
【0101】つまり、感光体1の回転周速が転写ローラ
6の回転周速よりも大きい場合には、転写ローラ6の回
転数を下流側に向かって上げて回転周速を速めて、感光
体1の回転周速と転写ローラ6の回転周速の相対速度を
下流側に向かって小さくするようにすればよい。
【0102】この場合、各転写ローラ6の回転数Rを全
ての画像形成ステーションに対して異ならせる構成とし
てもよく、また、最上流位置の画像形成ステーションP
aのみ転写ローラの回転数Rを他の画像形成ステーショ
ンPb〜Pdの転写ローラの回転数Rよりも小さくし、
該他の画像形成ステーションPb〜Pdの転写ローラの
回転数Rはそれぞれ同じにする構成としてもよい。
【0103】前者の構成を採用した場合の、転写ローラ
の回転数Rの設定例を以下の表3に示す。なお、転写ロ
ーラのローラ径は、全て16mmとする。
【0104】
【表3】
【0105】また、後者の構成を採用した場合の、転写
ローラの回転数Rの設定例を以下の表4に示す。なお、
転写ローラのローラ径は、全て16mmとする。
【0106】
【表4】
【0107】なお、上記表3および表4において、周速
比(感光体1の回転周速/転写ローラ6の回転周速)を
小さくすることは、感光体1の回転周速と点差ローラ6
の回転周速の相対速度を小さくすることを意味してい
る。
【0108】表4に示すように、2層目〜4層目の画像
形成ステーションPb〜Pdにおける転写ローラ6の回
転数Rは、最上流側の1層目の画像形成ステーションP
aの転写ローラ6の回転数Rに対して、1.5%〜2.
0%高めた値に設定すればよい。表4の場合には、約
1.5%高めた値となっている。
【0109】次に、転写ローラの回転周速を変える第2
の方法について、図2を参照しながら以下に説明する。
【0110】上記第2の方法では、転写ローラの回転数
Rを一定に、ローラ径を各画像形成ステーション毎に異
ならせるようにして、転写ローラの回転周速を変えるよ
うになっている。
【0111】この場合、画像形成ステーションPaの転
写ローラ6aのローラ径をr1、画像形成ステーション
Pbの転写ローラ6bのローラ径をr2、画像形成ステ
ーションPcの転写ローラ6cのローラ径をr3、画像
形成ステーションPdの転写ローラ6dのローラ径をr
4としたとき、r4≧r3≧r2>r1となるように各
転写ローラ6a〜6dのローラ径を設定するようにすれ
ばよい。
【0112】つまり、感光体1の回転周速が転写ローラ
6a〜6dの回転周速よりも大きい場合には、転写ロー
ラ6a〜6dのローラ径を下流側に向かって大きくして
回転周速を速めて、感光体1の回転周速と転写ローラ6
a〜6dの回転周速の相対速度を下流側に向かって小さ
くするようにすればよい。
【0113】したがって、各転写ローラ6a〜6dのロ
ーラ径を全ての画像形成ステーションに対して異ならせ
る構成としてもよく、また、最上流位置の画像形成ステ
ーションPaのみ転写ローラ6aのローラ径を他の画像
形成ステーションPb〜Pdの転写ローラ6b〜6dの
ローラ径よりも小さくし、該他の画像形成ステーション
Pb〜Pdの転写ローラ6b〜6dのローラ径はそれぞ
れ同じにする構成としてもよい。
【0114】前者の構成を採用した場合の、転写ローラ
6a〜6dのローラ径の設定例を以下の表5に示す。な
お、転写ローラ6a〜6dの回転数は、全て83.6R
PMとする。
【0115】
【表5】
【0116】また、後者の構成を採用した場合の、転写
ローラ6a〜6dのローラ径の設定例を以下の表6に示
す。なお、転写ローラ6a〜6dの回転数は、全て8
3.6RPMとする。
【0117】
【表6】
【0118】なお、上記表5および表6において、周速
比(感光体1の回転周速/転写ローラ6の回転周速)を
小さくすることは、感光体1の回転周速と点差ローラ6
の回転周速の相対速度を小さくすることを意味してい
る。
【0119】表6に示すように、2層目〜4層目の画像
形成ステーションPb〜Pdにおける転写ローラ6b〜
6dのローラ径は、最上流側の1層目の画像形成ステー
ションPaの転写ローラ6aのローラ径に対して、1.
5%〜2.0%大きめとした16.2mm〜16.3m
mとしている。
【0120】なお、本実施の形態では、転写ローラのロ
ーラ径か回転数の何れか一方を揃えて、他方を変更する
ことで、周速比を設定するようになっているが、周速比
のトータルが1.5%ないし2%となるように、転写ロ
ーラのローラ径と回転数の両方を下流側にいくほど増大
する方向に振る構成としてもよい。
【0121】
【発明の効果】本発明のカラー画像形成装置は、以上の
ように、ドラム状の回転体からなる感光体を中心とする
画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配
設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各
々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つの
カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、上
記感光体に対向配置され、該感光体表面に形成された色
像を用紙に転写させる転写ローラを備え、感光体と転写
ローラとの間に作用する転写電界が、感光体の回転周速
と該感光体に対向する転写ローラの回転周速との相対速
度によって変化する場合、上記相対速度は、用紙搬送方
向上流側に配置される画像形成ステーションより下流側
に配置される画像形成ステーションの方が小さくなるよ
うに設定されている構成である。
【0122】通常、感光体と転写ローラとの間に作用す
る転写電界が、感光体の回転周速と該感光体に対向する
転写ローラの回転周速との相対速度によって変化する場
合、相対速度が小さくなるほど、感光体と転写ローラと
の間に作用する転写電界、すなわち用紙へのトナー像の
転写に係る電界が小さくなる。
【0123】したがって、上記構成のように、上記相対
速度を、用紙搬送方向上流側の画像形成ステーションよ
りも下流側の画像形成ステーションの方が小さくなるよ
うに設定することにより、各画像形成ステーションの転
写ローラへ与える印加電圧を一定としたままで、転写ロ
ーラが感光体へと与える転写電界を小さくすることがで
きる。
【0124】このように、下流側の画像形成ステーショ
ンの転写電界を上流側よりも小さくすることで、トナー
の正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け、
上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーの
うちの逆極性に転化したトナーが、下流側の画像形成ス
テーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0125】この結果、用紙上に各色のトナー像を重ね
合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成の際
に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が
積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いの
で、所望する色を忠実に再現することができ、この結
果、色再現性に優れた原稿に忠実な色を呈する高品位な
最終画像を得ることができる。
【0126】しかも、各画像形成ステーションの感光体
の回転周速と転写ローラの回転周速との相対速度を変え
るだけで、各画像形成ステーションの転写部における転
写電界を変更するようにしているので、従来のように、
各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナ
ーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナ
ーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー
特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0127】さらに、上記構成では、各画像形成ステー
ションの感光体の回転周速と転写ローラの回転周速との
相対速度を変えるだけなので、各感光体へのトナー付着
量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無く
し、効率よく画像形成を行なうことができるという効果
を奏する。
【0128】上記相対速度を各画像形成ステーション毎
に異ならせるには、各画像形成ステーションにおける感
光体の回転周速を一定とし、各転写ローラの回転周速を
変化させることが考えられる。
【0129】この場合、感光体の回転周速を変えないの
で、用紙搬送のタイミングは変わらず、用紙搬送に係る
繁雑な制御を行なう必要がなく、実現的なものとなって
いる。
【0130】上記転写ローラの回転周速を画像形成ステ
ーション毎に異ならせるには、各画像形成ステーション
に対応したそれぞれの転写ローラのローラ径を等しく
し、該転写ローラの回転数を変えることが考えられる。
【0131】つまり、感光体の回転周速が転写ローラの
回転周速よりも大きい場合には、転写ローラの回転数を
下流側に向かって上げて回転周速を速めて、感光体の回
転周速と転写ローラの回転周速の相対速度を下流側に向
かって小さくするようにすればよい。
【0132】また、上記転写ローラの回転周速を画像形
成ステーション毎に異ならせるには、各画像形成ステー
ションに対応したそれぞれの転写ローラの回転数を等し
くし、該転写ローラのローラ径を変えることが考えられ
る。
【0133】つまり、感光体の回転周速が転写ローラの
回転周速よりも大きい場合には、転写ローラのローラ径
を下流側に向かって大きくして回転周速を速めて、感光
体の回転周速と転写ローラの回転周速の相対速度を下流
側に向かって小さくするようにすればよい。
【0134】また、用紙搬送方向の最上流位置に配置さ
れた画像形成ステーションにおける感光体の回転周速と
転写ローラの回転周速との相対速度のみが他の画像形成
ステーションにおける感光体の回転周速と転写ローラの
回転周速との相対速度よりも大きく、その他の画像形成
ステーションにおける感光体の回転周速と転写ローラの
回転周速との相対速度がそれぞれ等しく設定してもよ
い。
【0135】この場合、全ての画像形成ステーションに
対応する転写ローラの回転周速に差異を持たせた場合と
同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、
転写ローラの回転周速は、2つのみ設定すればよいの
で、複数の転写ローラの回転周速を設定する場合に比べ
て、感光体の回転周速と転写ローラの回転周速との相対
速度の差異設定を、各画像形成ステーション毎で容易に
行うことができるという効果を奏する。
【0136】また、現像剤の各色の収容される順序とし
ては、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ス
テーション内の現像装置には黒色現像剤が収容され、他
の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置にはシア
ン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容されるこ
とが考えられる。
【0137】この場合、黒色現像剤を画像形成ステーシ
ョンの最上流位置に配置し、他の3原色(シアン、マゼ
ンタ、イエロー)を下流側に配置することにより、転写
後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色
再現性を向上させることができるという効果を奏する。
【0138】カラー画像の場合、プロセスブラックと称
するシアン、マゼンタ、イエローの混色で黒色を再現し
ており、画像全体において黒色が単独で出現する割合が
低い。再転写が発生したとしても比較的色再現性への影
響が少ないように、黒色トナーを最下層に封じ込めるよ
うにすればよい。
【0139】さらに、黒色は他の色に比べて、フルカラ
ー画像の色目へのかかわりは小さいので、逆転写にて濃
度低下の恐れの多い最上流側の画像形成ステーションの
色として黒色を選択することで、逆転写による画質への
影響が、より効果的に抑えることができるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るカラー画像形成装置
の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る他のカラー画像形成
装置の概略構成図である。
【図3】転写紙上にトナー像を重ねて転写した場合の各
層の画像濃度を示すグラフである。
【図4】画像濃度と逆転写量との関係を示すグラフであ
る。
【図5】一般的な単一ドラム型のカラー画像形成装置の
概略構成図である。
【図6】一般的な多段ドラム型のカラー画像形成装置の
概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体 4 現像装置 5 転写搬送ベルト 6 転写ローラ 6a 転写ローラ 6b 転写ローラ 6c 転写ローラ 6d 転写ローラ Pa 画像形成ステーション Pb 画像形成ステーション Pc 画像形成ステーション Pd 画像形成ステーション
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H027 DA16 EB04 ED02 ED24 EE03 ZA07 2H030 AB02 AD01 AD16 BB02 BB24 BB52 BB63 2H032 AA05 AA15 BA05 BA16 BA30 CA02 CA13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ドラム状の回転体からなる感光体を中心と
    する画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複
    数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置によ
    り各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1
    つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置におい
    て、 上記感光体に対向配置され、該感光体表面に形成された
    色像を用紙に転写させる転写ローラを備え、 感光体と転写ローラとの間に作用する転写電界が、感光
    体の回転周速と該感光体に対向する転写ローラの回転周
    速との相対速度によって変化する場合、 上記相対速度は、用紙搬送方向上流側に配置される画像
    形成ステーションより下流側に配置される画像形成ステ
    ーションの方が小さくなるように設定されていることを
    特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 【請求項2】各画像形成ステーションにおける感光体の
    回転周速を一定とし、各転写ローラの回転周速を変化さ
    せることで、上記相対速度を異ならせることを特徴とす
    る請求項1記載のカラー画像形成装置。
  3. 【請求項3】各画像形成ステーションに対応したそれぞ
    れの転写ローラのローラ径を等しくし、該転写ローラの
    回転数を変えることで、各転写ローラの回転周速を異な
    らせることを特徴とする請求項2記載のカラー画像形成
    装置。
  4. 【請求項4】各画像形成ステーションに対応したそれぞ
    れの転写ローラの回転数を等しくし、該転写ローラのロ
    ーラ径を変えることで、各転写ローラの回転周速を異な
    らせることを特徴とする請求項2記載のカラー画像形成
    装置。
  5. 【請求項5】用紙搬送方向の最上流位置に配置された画
    像形成ステーションにおける感光体の回転周速と転写ロ
    ーラの回転周速との相対速度のみが他の画像形成ステー
    ションにおける感光体の回転周速と転写ローラの回転周
    速との相対速度よりも大きく、その他の画像形成ステー
    ションにおける感光体の回転周速と転写ローラの回転周
    速との相対速度がそれぞれ等しく設定されていることを
    特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のカラー画
    像形成装置。
  6. 【請求項6】用紙搬送方向の最上流位置に配置された画
    像形成ステーション内の現像装置には黒色現像剤が収容
    され、他の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置
    にはシアン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容
    されていることを特徴とする請求項1ないし5の何れか
    に記載のカラー画像形成装置。
JP2000237647A 2000-08-04 2000-08-04 カラー画像形成装置 Pending JP2002049214A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007148078A (ja) * 2005-11-29 2007-06-14 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007163838A (ja) * 2005-12-14 2007-06-28 Samsung Electronics Co Ltd 画像形成装置
US9134657B2 (en) 2013-03-19 2015-09-15 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Image forming apparatus

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