JP3556579B2 - カラー画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光体上に現像された現像剤像(トナー像)を、半導電性転写ベルトにより転写材(転写用紙等)を搬送しながら該転写材上に順次多重転写して画像を形成する電子写真方式のカラー複写機、カラープリンタ等のカラー画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複数の現像装置を備え、各現像装置によってそれぞれ色の異なった可視化された色像(トナー像)を感光体上に形成し、これらのトナー像を最終的に同一転写用紙に重ねて転写して一つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置が種々提案されている。このようなカラー画像形成装置は、一般に、単一ドラム型と多段ドラム型(タンデム型)とに大別される。
【0003】
上記単一ドラム型のカラー画像形成装置は、図15に示すように、単一の感光体ドラム101の周面に沿って、初期化帯電器102、感光体ドラム101上にレーザー光103を照射する記録ヘッド(図示せず)、感光体ドラム101に沿って4個の現像器104a〜104dが配設されており、上記感光体ドラム101に対向して転写部を形成する転写手段としての用紙巻き付け半導電性ドラム105が配置されている。
【0004】
上記用紙巻き付け半導電性ドラム105の円筒内部には、上記転写部に近接して転写電流を放電するコロナ放電器106が配設されている。用紙巻き付け半導電性ドラム105は、図の矢印Aで示すように、左下方向から搬入されてくる転写紙を、図の矢印Bで示すように反時計回り方向に巻着して一周するようになっている。なお、用紙巻き付け半導電性ドラム105による転写紙の巻付けは、転写紙への各色のトナー像の転写が完了するまで行なわれる。
【0005】
感光体ドラム101は、用紙巻き付け半導電性ドラム105の周面速度と同じ周面速度で、図の矢印Cで示すように時計回り方向に回転しながら、まず、M(マゼンタ:赤色染料)のトナー像が該感光体ドラム101表面に現像器104aにより形成され、このトナー像がコロナ放電器106の放電電流によって転写紙上に転写される。
【0006】
次に、再び、用紙巻き付け半導電性ドラム105が一回転し、これに応じて感光体ドラム101にC(シアン:緑味のある青色)のトナー像が現像器104bにより形成され、これがコロナ放電器106の放電電流によって転写紙上に重ねて転写される。
【0007】
さらに、再び、用紙巻き付け半導電性ドラム105が一回転し、これに応じて感光体ドラム101にY(イエロー:黄色)のトナー像が現像器104cにより形成され、これがコロナ放電器106の放電電流により転写紙上に重ねて転写される。
【0008】
最後に、再び、用紙巻き付け半導電性ドラム105が一回転し、これに応じて感光体ドラム1にBk(ブラック:黒色)のトナー像が現像器104dにより形成され、これがコロナ放電器106の放電電流により転写紙上に重ねて転写される。
【0009】
そして、上記4色のトナー像の転写(塗り重ね)が終了すると、転写紙の巻き付けが解除され、転写紙は、搬送ベルト107によって、搬送方向下流側(図15の左側)に配置されている定着部108に搬送され、上記塗り重ねられた4色の転写トナー像が転写紙の紙面に熱定着される。
【0010】
このように、単一ドラム型のカラー画像形成装置は、一枚(1頁)の転写紙に対して、減法混色の三原色であるM(マゼンタ)トナー、C(シアン)トナー、Y(イエロー)トナー及び黒色部分の印字に専用されるBk(ブラック)トナーの合計4種類のトナーを重ねて転写するために、各トナー毎に個別に印字(露光記録、現像、及び転写)を行うから、転写紙の1頁に対して印字工程が4回繰り返されることになり、印字処理に長時間を要する。
【0011】
これに対して、タンデム型のカラー画像形成装置は、1工程で4種類のトナー像を用紙に順次重ねて転写するため、単一ドラム型に比較してほぼ4倍の処理速度を有している。このため、近年、内部装置が小型化され且つ組装置化(ユニット化)されて比較的安価になったこととも相侯って、タンデム型のカラー画像形成装置が主流となりつつある。
【0012】
上記タンデム型のカラー画像形成装置は、図16に示すように、各色毎のトナー像を形成するための4つの画像形成ステーションPa〜Pdを備えている。これらの画像形成ステーションPa〜Pdは、それぞれドラム状の感光体201を有しており、この感光体201は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電用ロールブラシ202、現像装置204、クリーニング装置210が配置された構成となっている。なお、各画像形成ステーションPa〜Pdは現像装置204内部のトナーの色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。
【0013】
上記感光体201表面の帯電用ロールブラシ202と現像装置204の間には、図示しない書き込み光学系からのレーザー光203が照射され、該感光体201に静電潜像が形成される。そして、このような感光体201を中心とした4つの画像形成ステーションPa〜Pdが、転写材搬送手段である転写搬送ベルト205に沿って並置されている。
【0014】
上記転写搬送ベルト205は、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置204とクリーニング装置210の間で感光体201に当接しており、転写搬送ベルト205の感光体201側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段206が配置されている。
【0015】
上記構成のタンデム型のカラー画像形成装置による画像形成動作は次のようにして行われる。
【0016】
まず、各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて、感光体201がこの感光体201の回転方向に対してカウンター方向となる方向に回転する帯電用ロールブラシ202により帯電され、次に、露光部でレーザー光203により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が上記感光体201上に形成される。
【0017】
続いて、現像装置204により感光体201上に形成された潜像を現像してトナー像(色像)が形成される。すなわち、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置204は、それぞれK(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)のトナーで現像して、各感光体201上で作られた各色に対応した静電潜像を可視化したトナー像を形成するようになっている。
【0018】
転写紙Pは、給紙コロ(図示せず)によりトレイ211から送り出され、一対のレジストローラ212で一旦停止し、上記感光体201上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト205に送られる。転写搬送ベルト205上に保持された転写紙Pは搬送されて、各感光体201との当接位置(転写部)で各色トナー像の転写が行われる。
【0019】
このとき、感光体201上のトナー像は、転写手段206に印加された転写バイアスと感光体201との電位差から形成される電界(転写電界)により、転写紙P上に転写される。
【0020】
そして、4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた転写紙Pは定着装置208に搬送され、トナー像が定着されて、図示しない排紙部に排紙される。また、転写部で転写されずに各感光体201に残った残留トナーは、それぞれのクリーニング装置210で回収される。
【0021】
上記したように、各画像形成ステーションは現像装置204内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。そのため各画像形成ステーションの現像装置の回転数も同一回転数に設定されている。
【0022】
ところが、上記のようなタンデム型のカラー画像形成装置では、画像形成ステーションのうち、転写紙Pの搬送方向の上流側に配置された画像形成ステーションで一旦転写紙P上に転写された未定着トナーが、すぐ下流側の画像形成ステーションで奪われてしまう逆転写現像が発生し、良好なカラー画像が得られなくなるという問題が生じる。
【0023】
つまり、タンデム型のカラー画像形成装置では、最上流の画像形成ステーションPaの現像工程で形成された第1色目のトナー像が転写紙P上に転写され、次の画像形成ステーションPbの現像工程で形成された第2色目のトナー像を該転写紙P上に重ねて転写する際に、先に転写された第1色目のトナー像の一部が第2色目のトナー像を形成する画像形成ステーションPbの感光体201側に逆転写される現像が生じる。同様のことが、第3色目、及び第4色目のトナー像を転写紙P上に転写する際にも生じる。
【0024】
このため、最下流の画像形成ステーションPdで第4色目のトナー像の転写を終了した後では、転写紙Pへの第1色目のトナー像のトナー付着量は、当初の付着量に比べて数10%に減少してしまう。そして、同様な現像が第2色目のトナー像、及び第3色目のトナー像にも生じる。
【0025】
したがって、例えばトナー像の形成と転写の工程を4回実施するものとした場合に各トナー像の最終的な転写紙Pへの付着量は第1色目のトナー像が最も少なめとなって、本願発明の説明図である図3に示すように、「第1色目の付着量」<「第2色目の付着量」<「第3色目の付着量」<「第4色目の付着量」というバランスの崩れた配色となる。
【0026】
さらに、本発明の説明図である図4に示すように、再転写量(逆転写量)が多くなるほど、画像濃度は低下する。このため、下流の色ほど色濃度が高くなって正しい色相から離れたカラー画像となってしまうという問題が生じる。
【0027】
これは、画像形成工程において感光体(ドラム又はベルト)の画像電位に応じて、現像ローラ上からトナーが感光体に付着する際、トナーは必ずしも一様なマイナス電荷を帯びているわけではなく、マイナス極性の弱いものや逆にプラス極性の電荷を有するものが混在し、又転写後の感光体からの剥離工程で放電が生じて後からプラス極性となるものがある。これらが後段の転写工程でプラス極性の転写電荷を受けるたびに少しずつ感光体に逆戻りすることから生じる現像であるとされている。
【0028】
そこで、上記のような不具合を解決するために、例えば特開平8−106197号公報には、複数の現像装置を備える画像形成装置において、下流側ほど帯電電位の低減、低帯電量の現像剤を使用して低電圧で転写することで逆転写現像等の異常画像の発生を抑制する技術が開示されている。
【0029】
また、特開平9−319179号公報には、タンデム型のカラー画像形成装置において、各段の現像装置におけるドクタブレードの当接圧を上流側から下流側に移行するにつれて順次強めて行く設定とする方法をはじめとして、感光体へのトナー付着量が上流側が下流側よりも多くなる付着量制御を行なうとともに、各段で使用するトナーの粒子径や流動性等の特性を変更することにより逆転写現像等の異常画像の発生を抑制する技術が開示されている。
【0030】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記特開平8−106197号公報に開示された技術は、主にトナーの特性に依存して対応する技術であり、トナーの特性管理に手間や経費を要すだけでなく、各段毎に目標帯電電位やトナー帯電量を単純に変化させているだけなので、システム全体でみると転写工程に絡む異常画像を発生する虞が高い。
【0031】
また、特開平9−319179号公報に開示された技術は、逆転写現像が発生するのを見越し、予め上流側ほど感光体へのトナー付着量を多くするトナー付着量制御を行なっているので、トナー消費量の増加に繋がり易い。
【0032】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、トナー特性への依存やトナー消費量の増大を回避するとともに、複数の転写工程におけるトナー逆転写現像を抑制し、色再現性に優れた最終画像を効率的に形成することのできるカラー画像形成装置を提供することにある。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1のカラー画像形成装置は、上記の課題を解決するために、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、上記感光体は、ドラム状の回転体からなり、上記現像装置は、上記感光体表面に現像剤を供給する回転体からなる現像剤担持体を備え、上記感光体の回転速度に対する上記現像剤担持体の回転速度の比を周速比としたとき 、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0034】
上記の構成によれば、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高く設定されていることで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0035】
これにより、用紙搬送方向の上流側で転写されたトナーの帯電量は、下流側に配置された画像形成ステーションにおけるトナーの帯電量よりも大きい関係にあるので、上流側で転写されたトナー像が下流側の画像形成ステーションの感光体に逆戻りする逆転写現像の発生を抑制できる。
【0036】
したがって、用紙上に各色のトナー像を重ね合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができる。
【0037】
しかも、各画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌能力を変えるだけで、現像剤の帯電量を変更するようにしているので、従来のように、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0038】
さらに、上記構成では、各画像形成ステーションにおける現像剤の帯電量を変えているだけなので、各感光体へのトナー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無くし、効率よく画像形成を行なうことができる。
【0039】
ところで、上記現像装置に備えられ、上記感光体に現像剤を供給する現像剤担持体が回転体からなり、上記感光体が回転体からなるとき、現像剤攪拌能力の差異は、感光体と現像剤担持体との周速比の違いにより生じる。
【0040】
そこで、上記構成では、感光体は、ドラム状の回転体からなり、現像装置は、上記感光体表面に現像剤を供給する回転体からなる現像剤担持体を備え、上記感光体の回転速度に対する上記現像剤担持体の回転速度の比を周速比としたとき、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定している。
【0041】
これにより、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0042】
これは、限られた現像剤攪拌時間のなかで、各現像装置の攪拌能力に差を設け、収容された現像剤の帯電量に差を設けるための具体的方法である。
【0043】
一般に、現像剤は攪拌力が強いほど、その帯電量が上がる。つまり、攪拌性能は、各画像形成ステーションにおける現像装置による攪拌時間や攪拌部材の回転数等が全て同じであれば、現像剤を感光体へと供給する現像剤担持体と感光体との周速比が高いほど高くなる。
【0044】
また、各画像形成ステーションの現像剤担持体である現像ローラの回転速度設定、即ち周速比を異ならせる場合、現像剤側の帯電特性に依存せずに現像装置側の周速比の変更のみで対応可能であり、比較的容易に現像剤の帯電量を異ならせることができる。
【0045】
さらに、全ての画像形成ステーションの現像ローラの周速比に差を設ける場合は、画像形成ステーションの最下流位置に配置される現像装置の現像ローラの回転速度を基準として上流側に移行するにつれて順次現像ローラの回転速度を高める設定とすればよい。
【0046】
また、現像装置に収容される現像剤がトナーとキャリアからなる2成分現像剤である場合、現像剤攪拌能力の差異は、現在剤のトナー濃度の基準となる基準トナー濃度の違いによっても生じる。
【0047】
そこで、本発明の第2のカラー画像形成装置は、上記課題を解決するために、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、上記現像装置には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤のトナー濃度の基準となる基準トナー濃度が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0048】
上述したように、現像剤は攪拌力が強いほど、その帯電量が上がる。つまり、現像剤として、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用する場合、各画像形成ステーションにおける現像装置による攪拌時間や、攪拌部材の回転数、現像剤担持体と感光体との周速比等が全て同じであれば、一定濃度に制御される現像剤の基準トナー濃度が低いほど、キャリアとの摩擦性に富み、攪拌性能は高くなる。
【0049】
したがって、上記構成のように、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0050】
また、現像剤攪拌能力の差異は、各画像形成ステーションの現像装置内部に収容され、所定量を維持するように制御される現像剤の設定収容量の違いによっても生じる。
【0051】
そこで、本発明の第3のカラー画像形成装置は、上記課題を解決するために、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つの カラー画像を形成するカラー画像形成装置において、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0052】
上述したように、現像剤は攪拌力が強いほど、その帯電量が上がる。つまり、攪拌性能は、各画像形成ステーションにおける現像装置による攪拌時間や、攪拌部材の回転数、現像剤担持体と感光体との周速比等が全て同じであれば、現像装置内に収容される現像剤量が少ないほど高くなる。
【0053】
したがって、上記構成のように、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0054】
ところで、各画像形成ステーションのそれぞれの現像装置の現像剤攪拌性能に差異を設けるには、ある程度の繁雑さや手間がかかる。
【0055】
そこで、本発明の第4のカラー画像形成装置は、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力のみが他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力よりも高く、その他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力がそれぞれ等しく設定されていることを特徴としている。
【0056】
これによれば、全ての画像形成ステーションの現像装置における現像剤攪拌能力に差異を持たせた場合と同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、現像剤攪拌能力は、2つのみ設定すればよいので、複数の現像剤攪拌能力を設定する場合に比べて、各画像形成ステーション毎の現像剤攪拌性能の差異設定を容易に行うことができる。
【0057】
そして、上記第1のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比のみを他の画像形成ステーションの周速比よりも高く設定し、その他の画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比が全て同一に設定すればよい。
【0058】
また、上記第2のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度のみを他の画像形成ステーションよりも低く設定し、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度を全て同一に設定すればよい。
【0059】
また、上記第3のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量のみを他の画像形成ステーションよりも少なく設定し、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量を全て同一に設定すればよい。
【0060】
ところで、現像剤の各色の収容される順序としては、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置には黒色現像剤が収容され、他の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置にはシアン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容されることが考えられる。
【0061】
この場合、黒色現像剤を画像形成ステーションの最上流位置に配置し、他の3原色を下流側に配置することにより、転写後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再現性が向上する。
【0062】
カラー画像の場合、プロセスブラックと称するC,M、Yの混色で黒色を再現しており、画像全体においてBk(黒)色が単独で出現する割合が低い。再転写が発生したとしても比較的色再現性への影響が少ないように、最下層に封じ込めるようにすればよい。
【0063】
さらに、黒色は他の色に比べて、フルカラー画像の色目へのかかわりは小さいので、逆転写にて濃度低下の恐れの多い最上流側の画像形成ステーションの色として黒色を選択することで、逆転写による画質への影響が、より効果的に抑えられる。
【0064】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1ないし図11に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0065】
本実施の形態では、カラー画像形成装置として、1工程で4種類のトナー像を用紙に順次重ねて転写して画像形成を行なうタンデム型のカラー画像形成装置について説明する。
【0066】
上記タンデム型のカラー画像形成装置は、図1に示すように、各色毎のトナー像を形成するための4つの画像形成ステーションPa〜Pdを備えている。これらの画像形成ステーションPa〜Pdは、それぞれドラム状の感光体1を有しており、この感光体1は図中の矢印方向に回転し、その周りに少なくとも回転順に帯電用ロールブラシ2、現像装置4、クリーニング装置10が配置された構成となっている。
【0067】
上記帯電用ロールブラシは2、感光体1表面を均一に帯電するための帯電装置を構成する接触帯電部材である。この帯電用ロールブラシ2は、繊維中にカーボンを分散させた導電性繊維から成るブラシで構成されており、この繊維の抵抗は103から107 Ω・cmとなっている。この帯電用ロールブラシ2は、感光体1表面に接触し、且つ感光体1に対してカウンター方向で回転している。これは感光体1との接触確率を増やすと共に、ブラシによる掃きスジを目立たなくさせる効果がある。
【0068】
上記帯電用ロールブラシ2と現像装置4との間の感光体1の表面には、図示しない書き込み光学系からのレーザー光3が照射され、静電潜像が形成されるようになっている。
【0069】
このような感光体1を中心とした4つの画像形成ステーションPa〜Pdは、転写材搬送手段である転写搬送ベルト5の転写紙P搬送方向に沿って上流側から下流側に向かって並置されている。なお、本実施の形態では、用紙搬送方向上流側を単に上流側と称し、用紙搬送方向下流側を単に下流側と称して説明する。
【0070】
上記転写搬送ベルト5は、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4とクリーニング装置10との間で感光体1に当接しており、感光体1側の裏側に当たる面(裏面)には転写バイアスを印加するための転写手段としての転写ブラシ6が配置されている。この転写ブラシ6は、各画像形成ステーションPa〜Pd毎に配置されている。
【0071】
なお、各画像形成ステーションPa〜Pdは、それぞれの現像装置4内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。本実施の形態では、画像形成ステーションPaの現像装置4には、K(ブラック)のトナーが収容され、画像形成ステーションPbの現像装置4には、C(シアン)のトナーが収容され、画像形成ステーションPcの現像装置4には、M(マゼンタ)のトナーが収容され、画像形成ステーションPdの現像装置4には、Y(イエロー)のトナーが収容されている例について説明する。
【0072】
上記構成のカラー画像形成装置において、画像形成動作は次のようにして行われる。まず、各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて、感光体1がカウンター方向に回転する帯電用ロールブラシ2により帯電され、次に、露光部でレーザー光3により、作成する各色の画像に対応した静電潜像が形成される。
【0073】
続いて、現像装置4により潜像を現像してトナー像が形成される。ここで、各現像装置4は、それぞれK(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)のトナーで現像を行う現像装置であり、それぞれに対応した感光体1上の静電潜像を可視化像(トナー像)に現像するようになっている。各感光体1上に形成されたトナー像は、転写材である転写紙P上で重ねられる。
【0074】
転写紙Pは、給紙コロ(図示せず)によりトレイ11から送り出され、一対のレジストローラ12で一旦停止し、上記感光体1上への画像形成とタイミングを合わせて転写搬送ベルト5に送られる。転写搬送ベルト5上に保持された転写紙Pは搬送されて、各感光体1との当接位置である転写部において、各色のトナー像の転写が行われる。
【0075】
すなわち、感光体1上のトナー像は、転写ブラシ6に印加された転写バイアスと感光体1との電位差から形成される電界により、転写紙P上に転写される。
【0076】
そして、4つの転写部を通過して4色のトナー像が重ねられた転写紙Pは、定着装置8に搬送され、トナーの定着が行なわれて、図示しない排紙部に排紙される。
【0077】
また、転写部で転写されずに各感光体1に残った残留トナーは、クリーニング装置10で回収される。
【0078】
尚、本実施の形態では、図1に示すように、画像形成ステーションPa〜Pdが、転写紙搬送方向上流側から下流側に向けて、K(ブラック),C(シアン),M(マゼンタ),Y(イエロー)の色の順で並んでいる構成としたが、この順番に限るものでは無く、色順は任意に設定されるものである。
【0079】
ここで、画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4について、図2(a)を参照しながら以下に説明する。
【0080】
上記現像装置4は、図2(a)に示すように、現像剤を収容する現像槽41を有し、その内部に、現像剤を攪拌してトナーを帯電させる回転攪拌手段としての攪拌ローラ42が配設されている。現像槽41の開口部41a近傍には、開口部41a介して感光体1と対向するように、現像剤担持体である現像ローラ43が攪拌ローラ42と平行に配設されている。この現像ローラ43表面に担持体された現像剤が、感光体1上の静電潜像に供給されるようになっている。
【0081】
また、現像槽41の上部には、新しい現像剤であるトナーを収容し、該現像槽41へとトナーを補給するためのトナーホッパー44が設けられている。このトナーホッパー44は、内部に攪拌部材44aが設けられており、収容されているトナーを攪拌しながら現像槽41に送り出すようになっている。
【0082】
なお、図2(a)に示す現像装置4の他に、図2(b)に示す現像装置40であってもよい。図2(b)に示す現像装置40は、図2(a)に示す現像装置4と同様に、現像槽41を備えると共に、該現像槽41内に攪拌ローラ42および現像ローラ43を備えている。また、図2(a)に示す現像装置4のトナーホッパー44に替えて、トナーホッパー45を備えている。このトナーホッパー45は、トナーを収容するだけであり、収容されたトナーを現像槽41に送り出すための送出ローラ45aを備えている。
【0083】
上記構成の現像装置4では、現像槽41内に設けられた図示しないトナー濃度センサによる検出出力に基づいて、図示しない制御手段によって、トナーホッパー44よりトナーを補給し、現像槽41内のトナー濃度が、予め定められた基準トナー濃度になるように制御されている。
【0084】
上記構成のタンデム型のカラー画像形成装置では、各画像形成ステーションPa〜Pdは現像装置4内部のトナー色が異なるだけで、その他は全て同様の構成となっている。
【0085】
したがって、通常、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4の攪拌ローラ42や現像ローラ43等の回転数も同一回転数に設定されている。これにより、各画像形成ステーションPa〜Pdの各現像装置4内で現像剤の帯電量がそれぞれ等しくなる。このため、画像形成ステーションの上流側で一旦転写紙P上に転写された未定着トナーが、すぐ下流側の画像形成ステーションで奪われてしまう逆転写現像が発生する。
【0086】
したがって、逆転写現像により、例えばトナー像の形成と転写の工程を4回実施するものとした場合に、各トナー像の最終的な転写材への付着量は第1色目のトナー像が最も少なめとなって、「第1色目の付着量」<「第2色目の付着量」<「第3色目の付着量」<「第4色目の付着量」というバランスの崩れた配色となる。これにより、従来の技術の欄でも示したように、転写紙P上の最上層となる1層目から最下層となる4層目に向かって画像濃度が低下することが分かる(図3の従来技術を示すグラフ)。
【0087】
また、逆転写現像と画像濃度との関係は、図4に示すグラフのようになる。このグラフから、逆転写量が多い場合に画像濃度が低くなり、逆転写量が少ない場合に画像濃度が高くなる関係にあることが分かる。なお、上記画像濃度は、マクベス反射濃度計により測定される。
【0088】
従って、タンデム型のカラー画像形成装置では、転写紙P搬送方向上流側(以下、単に上流側と称する)に配置される現像剤ほど後段の転写工程の影響を受ける度合いが高く、第1層目(最下層)から第4層目(最上層)へ移行するに伴って順次逆転写量が減少して行くので、転写順の遅い現像剤、即ち、上層側に配される現像剤ほど逆転写量が少なく、従って画像濃度低下が少なく抑えられる。
【0089】
このため、各現像剤を充分に帯電させ、かつトナーの転写順(現像ステーションの上流側から下流側へ向う方向)に伴って、図5に示すように、トナー帯電量が高側から低側に移行する設定とするのが有効である。すなわち、トナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け、逆極性に転化したトナーが感光体側へと戻るのを抑えるようにする。
【0090】
ところが、トナーの帯電特性にのみ依存して、多種類のトナーの特性を管理すること、すなわち、トナーを構成する樹脂材料や荷電制御剤、組成比率、製造条件等のパラメータを管理するのは煩雑であり経費を要し合理的ではなく、却ってシステム全体のバランスを崩しかねない。
【0091】
そこで、本実施の形態の画像形成装置では、上流側の現像装置に収容される現像剤の帯電量を高める方法として、比較的容易にかつシステムの全体的バランスに影響を与えずに行えるように、以下のような構成を採用している。
【0092】
すなわち、上流側の現像装置の現像剤攪拌能力を、下流側の現像装置の現像剤攪拌能力よりも大きく設定する方法を採用している。
【0093】
具体的には、転写紙P搬送方向の最上流に配置された画像形成ステーションPaの現像装置4の現像剤攪拌能力をSK、次段の画像形成ステーションPbの現像装置4の現像剤攪拌能力をSc、さらに次段の画像形成ステーションPcの現像装置4の現像剤攪拌能力をSM、最下流に配置された画像形成ステーションPdの現像装置4の現像剤攪拌能力をSYとすれば、図1に示すように、SY≦SM≦Sc<SKの関係となるように設定する。
【0094】
これにより、上流側に位置する現像装置4が収容する現像剤の帯電量を下流側に位置する現像装置4の現像剤の帯電量よりも大きくできるので、多色画像形成の際に下流側の画像形成ステーションにおいて逆転写現像が発生し難くなる。
【0095】
したがって、本実施の形態に係るカラー画像形成装置によれば、図3に示す本発明技術のグラフのように、転写紙P上に重ね合わせられるトナー像の画像濃度が1層目から4層目まで殆ど低下しないようになり、この結果、色再現性に優れた画像を得ることができる。
【0096】
ここで、現像剤攪拌能力を各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて異ならせる方法について以下に説明する。
【0097】
第1の方法として、4つの画像形成ステーションPa〜Pdのうち、上流側の画像形成ステーションの現像装置4ほど、現像剤の攪拌時間を長くし、下流側の画像形成ステーションへ移行するに伴って、現像剤の攪拌時間を短く設定する方法がある。
【0098】
具体的には、図2(a)に示す現像装置4内部にある攪拌ローラ42の攪拌開始タイミングをずらすことが考えられる。例えば上流側の画像形成ステーションほど、速いタイミングで現像剤の攪拌を開始し、攪拌時間を長くする。
【0099】
しかしながら、攪拌時間を個々の現像装置4毎に換える構成では、画像形成効率の観点から不利となる。以下の第2ないし第5の方法によれば、このような問題は発生しない。
【0100】
第2の方法として、各現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度(単位時間あたりの回転数)を変更する方法がある。すなわち、上流側の画像形成ステーションにおける現像装置4から下流側の現像装置4へ移行するに伴って、順次、攪拌ローラ42の回転速度の設定を高側から低側へと変化させる。
【0101】
また、4つの現像装置4全てにおいて攪拌ローラ42の回転速度を変更するのではなく、画像形成ステーションの最上流位置に配置される現像装置4のみ攪拌ローラ42の回転速度を他のものに比べて高く設定し、後段側の3つの画像形成ステーションにおける各現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度は、全て同一回転速度にそろえる構成とすることもできる。この場合、4つの現像装置4すべての攪拌ローラ42の回転速度を換える構成よりも、回転速度の設定が簡単であって、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0102】
つまり、現像装置4の攪拌ローラ42の回転数を無闇に増加しても効率的に現像剤攪拌が行なわれないばかりか、現像剤スリップに伴う機械的ロスや発熱による現像剤ストレス、現像装置4の機械的負荷の増大、発熱等の弊害が発生するが、攪拌ローラ42の回転速度比率を以下に示す範囲とすることで、このような問題は発生しない。
【0103】
そこで、前者、後者何れの構成を採用する場合も、最下流側に配置される現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度を基準(比率1)とすると、上流側の現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度比率は、1.05〜1.2の範囲とすることが好ましい。
【0104】
すなわち、転写紙P搬送方向上流側に位置する画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌手段の回転速度を、下流側に位置する画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌手段の回転速度より1.05〜1.2倍の範囲で高く設定すればよい。
【0105】
ここで、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度を全て異ならせた場合の各現像装置4における攪拌ローラ42の回転速度比の設定例を、図6(a)に示す。
【0106】
また、最上流に配置された画像形成ステーションPaの現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度のみ異ならせて、他の画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の攪拌ローラ42の回転速度を全て同じにした場合の各現像装置4における攪拌ローラ42の回転速度比の設定例を、図6(b)に示す。
【0107】
第3の方法として、画像形成ステーションの上流側の現像装置4ほど、現像ローラ43(MGローラ)と感光体1との周速比を高くし、下流側の現像装置4へ移行するに伴って周速比を低く設定する方法がある。但し、実際上、各現像装置4において感光体1との周速比の高低を設けるのは装置構成上からは不利となるので、感光体1の回転速度は固定し、各現像装置4の現像ローラ43に与える回転速度の高低によって差を設ける。すなわち、図7に示すように、上流側の現像装置4(1層目に対応)から下流側の現像装置4(4層目に対応)へ移行するに伴って、順次現像ローラ43の回転速度の設定を高側から低側へと変化させる。
【0108】
また、前述の攪拌ローラ42の回転数を換える場合と同様に、4つの現像装置4全てにおいて現像ローラ43の回転速度を換えるのではなく、4つの画像形成ステーションPa〜Pdのうち、最上流位置に配置される画像形成ステーションPaの現像装置4のみ現像ローラ43の回転速度を他のものに比べて高く設定し、後段側の3つの画像形成ステーションPb〜Pdにおける各現像装置4の現像ローラ43の回転速度は、全て同一回転速度にそろえる構成とすることもできる。
【0109】
この場合も、最上流位置に配置される画像形成ステーションPaの現像装置4の現像ローラ43の回転速度のみを異ならせ、他の画像形成ステーションPb〜Pdの現像装置4の現像ローラ43の回転速度を全て同じにする後者の構成の方が、4つの画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4すべての現像ローラ43の回転速度を異ならせる構成よりも、回転速度の設定が簡単であって、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0110】
上記現像ローラ43の回転速度を高めるにしても限度があり、無闇に高めても現像領域への有効な現像剤搬送が行なわれないばかりか、スリーブ面でのスリップによる発熱、現像剤ストレス等で現像剤特性劣化を招くが、現像ローラ43の感光体1に対する周速比を以下に示す範囲に設定することにより、現像剤ストレス、現像装置の機械的負担等も抑制できる。
【0111】
そこで、前者、後者何れの構成を採用する場合も、最下流側に配置される現像装置4の周速比を基準(周速比1)とすると、最下流側に配置される現像装置4の周速比を基準(周速比2)として、上流側の現像装置4の周速比を2.1〜2.3の範囲とすることが好ましい。
【0112】
すなわち、転写紙P搬送方向の上流側に位置する画像形成ステーションにおける現像装置4の現像剤担持体である現像ローラ43の周速比を、下流側に位置する画像形成ステーションにおける現像装置4の現像剤担持体である現像ローラ43の周速比より2.0〜2.3倍の範囲で高く設定すればよい。
【0113】
ここで、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4の現像ローラ43の回転速度を全て異ならせた場合の各現像装置4における現像ローラ43の周速比Kの設定例を、図8(a)に示す。
【0114】
また、最上流位置に配置された画像形成ステーションPaの現像装置4の現像ローラ43の周速比Kのみ異ならせて、他の画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の現像ローラ43の回転速度を全て同じにした場合の各現像装置4における現像ローラ43の周速比Kの設定例を、図8(b)に示す。
【0115】
第4の方法として、各画像形成ステーションPa〜Pdの現像装置4に2成分現像剤が収容されている場合、現像剤のトナー濃度の基準となる基準トナー濃度を異ならせる方法がある。つまり、転写紙P搬送方向の上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置4に収容されている現像剤の基準トナー濃度を、下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置4に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定する。
【0116】
すなわち、図9に示すように、画像形成ステーションの上流側の現像装置4へ投入する現像剤の基準トナー濃度(T/D)の設定を低く設定し、下流側の現像装置4へ移行するに伴って現像剤の基準トナー濃度(T/D)の設定を高くするようにすればよい。
【0117】
このように、現像剤として、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を使用する場合、各画像形成ステーションにおける現像装置4による攪拌時間や、攪拌部材の回転数、現像剤担持体と感光体との周速比等が全て同じであれば、一定濃度に制御される現像剤の基準トナー濃度が低いほど、キャリアとの摩擦性に富み、攪拌性能は高くなる。
【0118】
したがって、転写紙P搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置4に収容されている現像剤の基準トナー濃度を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置4に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置4に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置4に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0119】
この場合も、上記と同様に、4つの現像装置4全てにおいて、上流側の現像装置4から下流側の現像装置4へ移行するに伴って、順次現像剤の基準トナー濃度設定を低側から高側へと変化させる構成でも、また、画像形成ステーションの最上流位置に配置される現像装置4に投入する現像剤のみ基準トナー濃度の設定を、後段側の現像装置4に投入する現像剤のものよりも低目の設定とし、後段の現像装置4へ投入する現像剤については、全て同一の基準トナー濃度としてもよい。この場合も、後者の方が、基準トナー濃度の設定が簡単であって、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0120】
また、基準トナー濃度を設定する場合、現像剤濃度が高すぎるとトナー飛散が発生し、現像剤濃度が高すぎると画像濃度低下となる。したがって、現像剤の基準トナー濃度(T/D)の設定としては、下記の通りとすることが好ましい。
【0121】
すなわち、全ての現像装置間で基準トナー濃度差を異ならせるように設定する場合、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける各現像装置4の基準トナー濃度は、図10(a)に示すように設定すればよい。
【0122】
また、最上流位置に配置された画像形成ステーションPaの現像装置4の基準トナー濃度のみを下流側の他の画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の基準トナー濃度と異ならせ、画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の基準トナー濃度を同じに設定する場合、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける各現像装置4の基準トナー濃度は、図10(b)に示すように設定すればよい。
【0123】
第5の方法として、画像形成ステーションの上流側の現像装置4へ投入する現像剤の投入する量、つまり、現像槽41(図2(a)参照)に収容される設定収容量を小さくし、下流側の現像装置4へ移行するに伴って現像剤の設定収容量を大きくする方法がある。同じ攪拌力であれば、現像剤が少ないほど、攪拌性が高くなるので、収容量にて、各段における現像剤攪拌能力に差をつけることができる。
【0124】
すなわち、転写紙P搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置4の現像剤の設定収容量を、下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定する。
【0125】
この場合も、上記と同様に、4つの現像装置4全てにおいて、上流側の現像装置4から下流側の現像装置4へ移行するに伴って、順次現像剤の設定収容量を低側から高側へと変化させる構成でも、また、転写紙P搬送方向の最上流位置に配置される画像形成ステーションPaの現像装置4の設定収容量のみを、後段側の画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4のものよりも低目の設定とし、後段の各現像装置4の設定収容量については、全て同一としてもよい。この場合も、後者の方が、各現像装置4毎の収容設定量の設定が簡単であって、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0126】
また、現像槽41内に収容される現像剤の量を制御して攪拌能力に差異を付ける場合、各現像装置4における設定収容量としては、下記の通りとすることが好ましい。
【0127】
すなわち、全ての現像装置間で現像剤の設定収容量(現像剤収容量)を異ならせるように設定する場合、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける各現像装置4の現像剤収容量は、図11(a)に示すように設定すればよい。
【0128】
また、最上流位置に配置された画像形成ステーションPaの現像装置4の現像剤収容量のみを下流側の他の画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の現像剤収容量と異ならせ、画像形成ステーションPb〜Pdの各現像装置4の現像剤収容量を同じに設定する場合、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける各現像装置4の現像剤収容量は、図11(b)に示すように設定すればよい。
【0129】
上記の構成によれば、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高く設定されていることで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0130】
これにより、用紙搬送方向の上流側で転写されたトナーの帯電量は、下流側に配置された画像形成ステーションにおけるトナーの帯電量よりも大きい関係にあるので、上流側で転写されたトナー像が下流側の画像形成ステーションの感光体に逆戻りする逆転写現像の発生を抑制できる。
【0131】
したがって、用紙上に各色のトナー像を重ね合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができる。
【0132】
しかも、各画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌能力を変えるだけで、現像剤の帯電量を変更するようにしているので、従来のように、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0133】
さらに、上記構成では、各画像形成ステーションにおける現像剤の帯電量を変えているだけなので、各感光体へのトナー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無くし、効率よく画像形成を行なうことができる。
【0134】
ところで、上記現像剤攪拌能力の差異は、各現像装置での現像剤攪拌時間の違いにより生じる。
【0135】
したがって、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置内の現像剤の攪拌時間を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置内の現像剤の攪拌時間よりも長く設定することが考えられる。
【0136】
この場合、現像剤は攪拌時間が長くなるほど、その帯電量が上がるので、上記のように、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置内の現像剤の攪拌時間を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置内の現像剤の攪拌時間よりも長く設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0137】
さらに、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0138】
また、現像剤攪拌能力の差異は、各現像装置に備えられる現像剤攪拌手段の回転速度(単位時間あたりの回転数)の違いにより生じる。
【0139】
したがって、上記現像装置は、現像剤を回転して攪拌する回転攪拌手段を備え、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の回転攪拌手段の回転速度を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の回転攪拌手段の回転速度よりも高く設定することが考えられる。
【0140】
これは、限られた現像剤攪拌時間のなかで、各現像装置の攪拌能力に差を設け、収容された現像剤の帯電量に差を設けるための具体的方法となる。
【0141】
一般に、現像剤は攪拌力が強いほど、その帯電量が上がる。つまり、攪拌性能は、各画像形成ステーションにおける現像装置による攪拌時間等が全て同じであれば、現像剤を攪拌するための攪拌部材である回転攪拌手段の回転速度が高いほど高くなる。
【0142】
したがって、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の回転攪拌手段の回転速度を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の回転攪拌手段の回転速度よりも高く設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0143】
また、各画像形成ステーションにおいて、現像装置の回転攪拌手段の回転速度設定を全て異ならせる場合、現像剤側の帯電特性に依存せずに現像装置側の回転速度設定変更のみで対応可能であり、比較的容易に現像剤の帯電量を異ならせることができる。
【0144】
なお、全画像形成ステーションにおける現像装置の回転攪拌手段の回転速度に差を設ける場合は、画像形成ステーションの最下流位置に配置される現像装置における回転攪拌手段の回転速度を基準として上流側に移行するにつれて順次回転速度を高めるように設定すればよい。
【0145】
さらに、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0146】
本実施の形態では、逆転写現像を防止するために、転写紙P搬送方向の上流側の画像形成ステーションにおける現像装置4の現像剤攪拌能力を、下流側の画像形成ステーションにおける現像装置4の現像剤攪拌能力をよりも大きくする点について詳細に説明したが、以下の実施の形態2では、逆転写現像を防止するために、転写紙P搬送方向の上流側の画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界を、下流側の画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも大きくする点について説明する。
【0147】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図12ないし図14に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、説明の便宜上、前記実施の形態1で説明したカラー画像形成装置と同様の機能を示す部材には、同一符号を付記し、その説明は省略する。
【0148】
本実施の形態に係るカラー画像形成装置は、前記実施の形態1の図1に示すカラー画像形成装置とほぼ同じ構成であり、図12に示すように、異なるのは、レーザー光を照射する光学系51が配設され、帯電用ロールブラシ2の代わりに帯電器52が配設され、さらに、転写ブラシ6の代わりに転写手段としての転写ローラ53が配設されている点である。なお、転写紙Pへの画像形成機構は、前記実施の形態1と同じであるので、ここでは省略する。
【0149】
本実施の形態では、転写紙Pに一旦転写されたトナーが感光体側へ逆戻りする逆転写現像を防止するために、転写紙P搬送方向の上流側に配置されている画像形成ステーションにおけるトナー像の転写紙Pへの転写関わる転写電界を、下流側に向かって小さくすることを提案している。これにより、トナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け、逆極性に転化したトナーが感光体側へと戻るのが抑えられる。
【0150】
なお、転写電界を変化させる常套手段に、転写ローラ53に印加する転写電圧を換えることがある。しかしながら、転写電圧は非常に高圧であるため、転写電圧を切り替える方法は高圧系の負担増を招くので、あくまで、転写電圧は各画像形成ステーションにおいて一定としている。
【0151】
そこで、本実施の形態での画像形成装置では、転写電界を変化させるための具体的方法として、比較的容易にかつシステムの全体的バランスに影響を与えずに行える、以下の方法が考えられる。
【0152】
第1の方法として、感光体1と転写ローラ53との対向位置を変化させることで、転写電界の大きさに差を設けるようにする方法がある。
【0153】
具体的には、図12に示すように、下流側の画像形成工程へ移るにつれて転写電界を順次減少方向とすべく、感光体1に対する転写ローラ53の対向位置を下流方向に向って偏倚させている。この場合、図12に示すように、感光体1の直下部(図中の下向きの矢印(直下))より偏倚させる量を全ての画像形成ステーションPa〜Pdに対して異ならせる構成としてもよいが、最上流位置の画像形成ステーションPaのみ、転写ローラ53を感光体1の直下で対向させるように配置し、その他の画像形成ステーションPb〜Pdにおける転写ローラ53を偏倚させる量を全て同一とする構成としてもよい。
【0154】
この場合、後者の構成の方が、前者の構成(全ての画像形成ステーションに対して配置を異ならせる構成)よりも、転写電界の設定が簡単であって、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0155】
前者、後者何れの構成を採用する場合も、転写ローラ53を感光体1の直下部より下流方向へと偏倚させる量は0.25〜1.0mm程度とするのが適している。つまり、偏倚量が0.25mm未満の場合は、ドット再現性が低下し、1.0mmを越える場合には、転写電界が不足しソリッド部の濃度低下が発生するという問題が生じる。
【0156】
ここで、各画像形成ステーションPa〜Pdの転写ローラ53の偏倚量を全て異ならせる場合の各転写ローラ53の転写紙P搬送方向下流側に向かっての偏倚量の設定例を以下に示す。
【0157】
1層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.25mm
2層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.5mm
3層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.75mm
4層目…ドラム直下点(最下点位置)より1.0mm
このような設定例で、各転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界(V/m)は、1層目では、2500(V)/(2.5×10-4)(m)=1×107 V/mとなり、2層目では、2500(V)/(5.0×10-4)(m)=5×106 V/mとなり、3層目では、2500(V)/(7.5×10-4)(m)=3.3×106 V/mとなり、4層目では、2500(V)/(1.0×10-3)(m)=2.5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0158】
また、最上流に配置された画像形成ステーションPaの転写ローラ53のみを感光体1の直下に配置し、他の画像形成ステーションPb〜Pdの転写ローラ53の偏倚量を全て同じにする場合の各転写ローラ53の転写紙P搬送方向下流側に向かっての偏倚量の設定例を以下に示す。
【0159】
1層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.25mm
2層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.5mm
3層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.5mm
4層目…ドラム直下点(最下点位置)より0.5mm
このような設定例で、各転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界は、1層目では1×107 V/m、2層目〜4層目ではそれぞれ5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0160】
これにより、1層目のトナー像を転写に係る転写電界が、2層目以降のトナー像の転写に係る転写電界よりも大きければ、逆転写現像を効果的に抑制することが分かる。
【0161】
また、前者、後者何れの構成を採用した場合も、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaの位置に配置し、他の3色のトナーに対応した画像形成ステーションPb〜Pdを下流側に配置することにより、転写後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再現性の向上を図ることができる。
【0162】
特に、転写電界の設定が容易な、後者の構成と採用する場合は、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaの位置に配置し、他の3色のトナーに対応した画像形成ステーションPb〜Pdを下流側に配置する構成との組合せが望ましく、最上流位置に配置する黒色現像剤の転写電界を下流側に配置する3色の現像剤の転写電界よりも大きく設定し、下流側に配置する3色の転写電界をすべて同一に設定することで、各画像形成工程の転写電界の設定が容易に行える。
【0163】
次に、転写電界を各画像形成ステーション毎に異ならせる第2の方法として、感光体1に対する転写ローラ53の押圧荷重を変換させることで、転写ニップ量に差を設け、ひいては転写電界を変化させる方法がある。
【0164】
具体的には、図13に示すように、各転写ローラ53に弾性体としてのバネ53aを設け、このバネ53aの弾性力を調整することにより、転写紙P搬送方向の上流側から下流側に向かって、各画像形成ステーションPa〜Pdにおける転写ローラ53の感光体1への押圧力F1 〜F4 を小さくするようにしている。つまり、下流側の画像形成工程へ移るにつれて転写電界を順次減少方向とするために、感光体1に対する転写手段6の押圧力を下流方向に向って、F1 >F2 ≧F3 ≧F4 となるように順次減少させている。
【0165】
したがって、前述した転写ローラ53の偏倚量を各画像形成ステーションPa〜Pdにおいて異ならせた場合と同様に、この場合も、図13に示すように、感光体1に対する転写ローラ53の押圧力F1 〜F4 を全ての画像形成ステーションに対して異ならせる構成としても、また、最上流位置の画像形成ステーションPaのみ、感光体1に対する転写ローラ53の押圧力F1 を下流側の画像形成ステーションPb〜Pdの押圧力(F2 ,F3 ,F4 )よりも大きくし、下流側の画像形成ステーションPb〜Pdの押圧力(F2 ,F3 ,F4 )を全て同一とする構成としてもよい。
【0166】
後者の構成の方が、前者の構成(全ての画像形成ステーションに対して押圧力を異ならせる構成)よりも、転写ニップ量に差を設け、且つ転写電界の強弱差を容易に設定でき、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0167】
前者、後者何れの構成を採用する場合も、転写ローラ53を感光体1へ押圧するための押付荷重は550g〜700g程度とするのが適している。転写ローラ53の押圧荷重が550g未満の場合は転写不良が多発し、700g越える場合には、ドット再現性の低下が発生するという問題が生じる。
【0168】
前者の構成を採用した場合の転写ローラ53の押圧荷重の設定例を以下に示す。
【0169】
2層目…押圧荷重650g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
3層目…押圧荷重600g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
4層目…押圧荷重550g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
このような押圧荷重の設定を行い、転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界は、1層目では、1×107 V/mとなり、2層目では、5×106 V/mとなり、3層目では、3.3×106 V/mとなり、4層目では、2.5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0170】
後者の構成を採用した場合の転写ローラ53の押圧荷重の設定例を以下に示す。
【0171】
2層目…押圧荷重650g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
3層目…押圧荷重650g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
4層目…押圧荷重650g(転写手段両端部で押圧する荷重の合計)
このような押圧荷重の設定を行い、転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界は、1層目では1×107 V/m、2層目〜4層目では5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0172】
これにより、1層目のトナー像を転写に係る転写電界が、2層目以降のトナー像の転写に係る転写電界よりも大きければ、逆転写現像を効果的に抑制することが分かる。
【0173】
また、前者、後者何れの構成を採用した場合も、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaの位置に配置し、他の3色のトナーに対応した画像形成ステーションPb〜Pdを下流側に配置することにより、転写後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再現性の向上を図ることができる。
【0174】
特に、転写ニップ量に差を設け、且つ転写電界の強弱差を容易に設定できる後者の構成を採用する場合は、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaに収容し、他の3色のトナーに対応した現像剤を下流側に配置した画像形成ステーションPb〜Pdに収容さた場合の組合せが望ましく、最上流位置に配置する黒色現像剤の転写ローラ53の感光体1に対する押圧力を下流側に配置する3色のトナーに対応する転写ローラ53の押圧力よりも大きく設定し、下流側に配置する3色のトナーに対応する転写ローラ53の押圧力をすべて同一に設定することで、各画像形成工程の転写ニップ量に差を設けることができ、相対的な転写電界の強弱差または大小差の設定が容易に行えることができる。
【0175】
次に、転写電界を各画像形成ステーション毎に異ならせる第3の方法として、転写ローラ53を形成する材料の硬度に差を付けて転写ニップ量に差を設けて転写電界を変化させる方法がある。
【0176】
具体的には、図14に示すように、転写紙P搬送方向の下流側の画像形成工程へ移るにつれて転写電界を順次減少方向とするために、転写ローラ54を形成する材料の表面硬度を下流方向に向って順次増大させるようにする。転写ローラ54は、ステンレス鋼棒等の充分な強度を確保できる金属材料からなる芯金と、その周囲にポリウレタンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジェン共重合体エラストマー、オレフィン系エラストマー等の樹脂材料を、セルサイズ10〜100μm程度の発泡体として形成し、更に上記樹脂材料に導電性付与剤として、カーボンブラックや炭素繊維、グラファイト粒子等の無機物及び/または有機導電剤を分散させた電荷供給の可能な弾性部材とから構成されている。
【0177】
この場合、図14に示すように、転写ローラ53を形成する材料の表面硬度を全ての画像形成ステーションPa〜Pdに対して異ならせる構成としても、また、最上流位置の画像形成ステーションPaのみ、転写ローラ54の表面硬度を下流側の画像形成ステーションPb〜Pdの表面硬度よりも低目とし、下流側の画像形成ステーションPb〜Pdの各転写ローラ54の表面硬度を全て同一とする構成としてもよい。
【0178】
後者の構成の方が、前者の構成(全ての画像形成ステーションに対して表面硬度を異ならせる構成)よりも、転写ニップ量に差を設けて、転写電界の強弱差を容易に設定でき、この結果、逆転写現像を防止する効果も十分得られる。
【0179】
前者、後者何れの構成を採用する場合も、転写ローラ53の表面硬度はゴム硬度計を用いた計測でアスカーCスケール硬度20°〜60°程度(JIS−K6301)とするのが適している。転写ローラ53の表面硬度がアスカーCスケール硬度が20°未満の場合は、転写ニップ量が過大となり、トナー飛び散りが発生する。すなわち、転写ローラ53の表面が柔らかすぎて圧縮永久歪が大きく、実用に耐えない現像が発生する。また、逆に、表面硬度がアスカーCスケール硬度が60°越える場合には、転写ニップ量を充分に確保することができず、転写不良が発生する。すなわち、転写ローラ53の表面が硬すぎると、感光体1を損傷したり、反力で軸受部の摩耗現像を発生する。
【0180】
前者の構成を採用した場合の転写ローラ53の表面硬度の設定例を示す。
【0181】
1層目…アスカーCスケール硬度25°
2層目…アスカーCスケール硬度30°
3層目…アスカーCスケール硬度40°
4層目…アスカーCスケール硬度50°
このように硬度を設定し、転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界は、1層目では、1×107 V/mとなり、2層目では、5×106 V/mとなり、3層目では、3.3×106 V/mとなり、4層目では、2.5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0182】
後者の構成を採用した場合の転写ローラ53の表面硬度の設定例を示す。
【0183】
1層目…アスカーCスケール硬度25°
2層目…アスカーCスケール硬度30°
3層目…アスカーCスケール硬度30°
4層目…アスカーCスケール硬度30°
このように硬度を設定し、転写ローラ53に印加する転写電圧を2.5kVとした場合、各画像形成ステーションにおける転写電界は、1層目では1×107 V/m、2層目〜4層目では5×106 V/mのようになり、逆転写現像を効果的に抑制することができた。
【0184】
これにより、1層目のトナー像を転写に係る転写電界が、2層目以降のトナー像の転写に係る転写電界よりも大きければ、逆転写現像を効果的に抑制することが分かる。
【0185】
また、前者、後者何れの構成を採用した場合も、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaの位置に配置し、他の3原色トナーに対応した画像形成ステーションPb〜Pdを下流側に配置することにより、転写後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再現性が向上を図る。
【0186】
特に、転写ニップ量に差を設け、転写電界の強弱差を容易に設定できる後者の構成を採用する場合は、黒色現像剤を最上流位置の画像形成ステーションPaの位置に配置し、他の3色のトナーに対応した画像形成ステーションPb〜Pdを下流側に配置する構成との組合せが望ましく、最上流位置に配置する黒色現像剤の転写ローラ53の表面硬度を下流側に配置する3原色トナーの現像剤の転写ローラ53の表面硬度よりも大きく設定し、下流側に配置する3原色トナーに対応する画像形成ステーション−Pb〜Pdの転写ローラ53の表面硬度をすべて同一に設定することで、各画像形成工程の転写ニップ量に差を設けることができ、相対的な転写電界の強弱差または大小差の設定が容易に行える。
【0187】
以上のように、本実施の形態2において、上流側に位置する画像形成ステーションPaの転写ローラ53の電界強度を、下流側に位置する画像形成ステーションPb〜Pdの転写ローラ53の電界強度よりも大きく設定するために、上述した第1の方法から第3の方法の何れを採用しても、トナーの逆転写現像を防止でき、前記実施の形態1で示した図3のグラフのように、1層目から4層目にかけて画像濃度を殆ど低下させることがない。よって、本実施の形態2の各構成のカラー画像形成装置においても、簡単な構成で、色再現性に優れた画像を得ることができる。
【0188】
また、本発明のカラー画像形成装置は、上記の課題を解決するために、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、上記画像形成ステーション毎に設けられた転写手段の転写電界により用紙上に順次重ね合わせて1つの画像を形成するカラー画像形成装置において、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低く設定されていてもよい。
【0189】
上記の構成によれば、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低く設定されていることで、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0190】
したがって、用紙上に各色のトナー像を重ね合わせて一つのカラー画像を形成する多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができる。
【0191】
しかも、各画像形成ステーションに対する転写手段の転写電界を変えるだけで、現像剤の帯電量を変更するようにしているので、従来のように、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0192】
さらに、上記構成では、各画像形成ステーションにおける現像剤の帯電量を変えているだけなので、各感光体へのトナー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無くすことができる。
【0193】
各画像形成ステーションにおいて、転写電界に差異を生じさせるには、例えば、上記画像形成ステーションにおいて、転写手段が、感光体に対向して配置される場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写手段の配置位置を異ならせるようにすればよい。
【0194】
一般に、電界の強さと、距離(電界発生部から観測点までの距離)とは反比例の関係にある。
【0195】
したがって、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写手段の配置位置を異なるように配置すれば、すなわち転写手段の感光体に対する対向位置を偏倚させて上記距離を下流側の画像形成ステーションにおいて長くすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0196】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0197】
また、各画像形成ステーションにおいて、転写電界に差異を生じさせるには、例えば、上記転写手段と感光体とが用紙を介して接触することで転写ニップ部を形成する場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションに対応する上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせてもよい。
【0198】
一般に、転写ニップ量、すなわち転写ローラと感光体との周方向(接線方向)の接触弧長が増加すると、両者の間の接触面積が増加し、感光体へ作用する電気力線の数が増えるので、転写電界が増大する。
【0199】
したがって、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションに対応する上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせること、すなわち、転写ニップ量を下流側の画像形成ステーションにおいて小さくすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0200】
これにより、用紙搬送方向上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0201】
上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせるには、例えば上記感光体に対する転写手段の押圧力を変えるようにすればよい。
【0202】
この場合、感光体に対する転写手段の押圧力が大きいほど、転写手段は感光体に対して強く圧接されることとなり、転写ニップ量も大きくなる。
【0203】
したがって、転写手段の押圧力を下流側の画像形成ステーションにおいて小さくすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0204】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0205】
上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせるには、例えば上記感光体に対して押圧される転写手段の表面硬度を変えるようにすればよい。
【0206】
この場合、同じ押圧力で感光体に押しつけられた場合、転写手段の表面硬度が高いほど転写ニップ量が小さく、転写手段の表面硬度が低いほど転写ニップ量は大きくなる。
【0207】
したがって、転写手段の表面硬度を下流側の画像形成ステーションにおいて高くすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0208】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0209】
各画像形成ステーションのそれぞれの転写手段の転写電界に差異を設けるには、ある程度の繁雑さや手間がかかる。
【0210】
そこで、上述した各転写手段の転写電界の差異を生じさせる方法において、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ステーションでの転写電界のみを他の画像形成ステーションよりも高く、その他の画像形成ステーションでの転写電界をそれぞれ等しく設定してもよい。
【0211】
この場合、全ての画像形成ステーションでの転写電界に差異を持たせた場合と同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、転写電界は、2つのみ設定すればよいので、複数の転写電界を設定する場合に比べて、各画像形成ステーション毎の転写電界の差異設定を容易に行うことができる。
【0212】
また、本発明のカラー画像形成装置は、感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、上記画像形成ステーション毎に設けられた転写手段の転写電界により用紙上に順次重ね合わせて1つの画像を形成するカラー画像形成装置において、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低く設定されている構成でもよい。
【0213】
それゆえ、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低く設定されていることで、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0214】
したがって、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができる。
【0215】
しかも、各画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌能力を変えるだけで、現像剤の帯電量を変更するようにしているので、従来のように、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0216】
さらに、上記構成では、各画像形成ステーションにおける現像剤の帯電量を変えているだけなので、各感光体へのトナー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無くすことができるという効果を奏する。
【0217】
上記画像形成ステーションにおいて、転写手段が、感光体に対向して配置される場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写手段の配置位置を異ならせるようにすればよい。
【0218】
この場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写手段の配置位置を異なるように配置することで、すなわち転写手段の感光体に対する対向位置を偏倚させて上記距離を下流側の画像形成ステーションにおいて長くすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0219】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0220】
したがって、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0221】
また、上記転写手段と感光体とが用紙を介して接触することで転写ニップ部を形成する場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせてもよい。
【0222】
この場合、用紙搬送方向下流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界が、この画像形成ステーションよりも上流側に配置される画像形成ステーションに対応する転写手段の転写電界よりも低くなるように、少なくとも2つの画像形成ステーションの転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせること、すなわち、転写ニップ量を下流側の画像形成ステーションにおいて小さくすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせるこ とができる。
【0223】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0224】
したがって、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0225】
上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせるように、上記感光体に対する転写手段の押圧力を変えてもよい。
【0226】
この場合、転写手段の押圧力を下流側の画像形成ステーションにおいて小さくすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0227】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0228】
したがって、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0229】
上記転写ニップ部における転写ニップ量を異ならせるように、上記感光体に対して押圧される転写手段の表面硬度を変えてもよい。
【0230】
この場合、転写手段の表面硬度を下流側の画像形成ステーションにおいて高くすることで、下流側の画像形成ステーションにおける転写電界を上流側の画像形成ステーションよりも弱めて、差をもたせることができる。
【0231】
これにより、上流側の画像形成ステーションにて転写されたトナーのうちトナーの正規帯電極性と逆極性となる転写工程の影響を受け逆極性に転化したトナーが下流側の画像形成ステーションにおいて感光体側へと戻るのを抑制できる。
【0232】
したがって、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0233】
上述した各転写手段の転写電界の差異を生じさせる方法において、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ステーションでの転写電界のみを他の画像形成ステーションよりも高く、その他の画像形成ステーションでの転写電界を全て等しく設定してもよい。
【0234】
この場合、全ての画像形成ステーションでの転写電界に差異を持たせた場合と同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、転写電界は、2つのみ設定すればよいので、複数の転写電界を設定する場合に比べて、各画像形成ステーション毎の転写電界の差異 設定を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0235】
【発明の効果】
本発明の第1のカラー画像形成装置は、以上のように、感光体は、ドラム状の回転体からなり、現像装置は、上記感光体表面に現像剤を供給する回転体からなる現像剤担持体を備え、上記感光体の回転速度に対する上記現像剤担持体の回転速度の比を周速比としたとき、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0236】
それゆえ、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高く設定されていることで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0237】
これにより、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができる。
【0238】
しかも、各画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤攪拌能力を変えるだけで、現像剤の帯電量を変更するようにしているので、従来のように、各画像形成ステーションにおいて、帯電量の異なるトナーを使用して逆転写現像を防止する方法のように、トナーの特性に依存する必要がなくなる。この結果、トナー特性の管理に係る手間や経費を削減することができる。
【0239】
さらに、上記構成では、各画像形成ステーションにおける現像剤の帯電量を変えているだけなので、各感光体へのトナー付着量はほぼ同じにしてもよく、トナー消費量の無駄を無くすことができるという効果を奏する。
【0240】
また、感光体は、ドラム状の回転体からなり、現像装置は、上記感光体表面に現像剤を供給する回転体からなる現像剤担持体を備え、上記感光体の回転速度に対する上記現像剤担持体の回転速度の比を周速比としたとき、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定されている。
【0241】
この場合、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0242】
これにより、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0243】
また、本発明の第2のカラー画像形成装置は、以上のように、現像装置には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤のトナー濃度の基準となる基準トナー濃度が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0244】
この場合、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0245】
これにより、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0246】
また、本発明の第3のカラー画像形成装置は、以上のように、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定され、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴としている。
【0247】
この場合、用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量を、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定することで、上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量を、下流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置に収容された現像剤の帯電量よりも大きくすることができる。
【0248】
これにより、多色画像形成の際に、上流側の画像形成ステーションから順にトナー像が積層されても、トナー像の逆転写現像が発生し難いので、所望する色を忠実に再現することができ、この結果、色再現性に優れた最終画像を得ることができるという効果を奏する。
【0249】
また、本発明の第4のカラー画像形成装置は、以上のように、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力のみが他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力よりも高く、その他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力がそれぞれ等しく設定されていることを特徴としている。
【0250】
この場合、全ての画像形成ステーションの現像装置における現像剤攪拌能力に差異を持たせた場合と同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、現像剤攪拌能力は、2つのみ設定すればよいので、複数の現像剤攪拌能力を設定する場合に比べて、各画像形成ステーション毎の現像剤攪拌性能の差異設定を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0251】
そして、上記第1のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比のみを他の画像形成ステーションの周速比よりも高く設定し、その他の画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比が全て同一に設定するのが望ましい。
【0252】
また、上記第2のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度のみを他の画像形成ステーションよりも低く設定し、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度を全て同一に設定するのが望ましい。
【0253】
また、上記第3のカラー画像形成装置においてこの手法を採用する場合は、用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量のみを他の画像形成ステーションよりも少なく設定し、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量を全て同一に設定するのが望ましい。
【0254】
これらの設定により、全ての画像形成ステーションの現像装置における現像剤攪拌能力に差異を持たせた場合と同様に、逆転写現像を防止することができる。しかも、現像剤攪拌能力は、2つのみ設定すればよいので、複数の現像剤攪拌能力を設定する場合に比べて、各画像形成ステーション毎の現像剤攪拌性能の差異設定を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0255】
また、現像剤の各色の収容される順序としては、用紙搬送方向の最上流側に配置された画像形成ステーション内の現像装置には黒色現像剤が収容され、他の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置にはシアン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容されることが望ましい。
【0256】
この場合、黒色現像剤を画像形成ステーションの最上流位置に配置し、他の3原色を下流側に配置することにより、転写後の積層順は黒色トナーが1層目(最下層)となり、色再現性が向上する。
【0257】
さらに、黒色は他の色に比べて、フルカラー画像の色目へのかかわりは小さいので、逆転写にて濃度低下の恐れの多い最上流側の画像形成ステーションの色として黒色を選択することで、逆転写による画質への影響が、より効果的に抑えられるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図2】(a)(b)は、カラー画像形成装置に備えられる現像装置の概略構成図である。
【図3】転写紙上にトナー像を重ねて転写した場合の各層の画像濃度を示すグラフである。
【図4】画像濃度と逆転写量との関係を示すグラフである。
【図5】転写紙上にトナー像を転写する際の各層に対応した現像剤の帯電量を示すグラフである。
【図6】(a)(b)は、各画像形成ステーションにおける攪拌ローラの回転速度比と現像剤の帯電量との関係を示す説明図である。
【図7】転写紙上にトナー像を転写する際の各層に対応した画像形成ステーションにおける現像ローラの周速比を示すグラフである。
【図8】(a)(b)は、各画像形成ステーションにおける現像ローラの周速比と現像剤の帯電量との関係を示す説明図である。
【図9】転写紙上にトナー像を転写する際の各層に対応した画像形成ステーションにおける現像剤の基準トナー濃度を示すグラフである。
【図10】(a)(b)は、各画像形成ステーションにおける現像剤の基準トナー濃度と現像剤の帯電量との関係を示す説明図である。
【図11】(a)(b)は、各画像形成ステーションにおける現像装置の現像剤収容量と現像剤の帯電量との関係を示す説明図である。
【図12】本発明の他の実施の形態に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【図13】本発明のさらに他の実施の形態に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【図14】本発明のさらに他の実施の形態に係るカラー画像形成装置を示す概略構成図である。
【図15】一般的な単一ドラム型のカラー画像形成装置の概略構成図である。
【図16】一般的な多段ドラム型のカラー画像形成装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 感光体
2 帯電用ロールブラシ
4 現像装置
5 転写搬送ベルト
6 転写ブラシ(転写手段)
40 現像装置
41 現像槽
42 攪拌ローラ(回転攪拌手段)
43 現像ローラ(現像剤担持体)
44 トナーホッパー
45 トナーホッパー
52 帯電器
53 転写ローラ(転写手段)
Pa 画像形成ステーション
Pb 画像形成ステーション
Pc 画像形成ステーション
Pd 画像形成ステーション

Claims (9)

  1. 感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、
    上記感光体は、ドラム状の回転体からなり、
    上記現像装置は、上記感光体表面に現像剤を供給する回転体からなる現像剤担持体を備え、
    上記感光体の回転速度に対する上記現像剤担持体の回転速度の比を周速比としたとき、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤担持体の周速比よりも高く設定され、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴とするカラー画像形成装置。
  2. 感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、
    上記現像装置には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤が収容され、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤のトナー濃度の基準となる基準トナー濃度が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置に収容されている現像剤の基準トナー濃度よりも小さく設定され、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴とするカラー画像形成装置。
  3. 感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量よりも少なく設定され、
    用紙搬送方向上流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力が、この画像形成ステーションよりも下流側に配置される画像形成ステーション内の現像装置の現像剤攪拌能力よりも高いことを特徴とするカラー画像形成装置。
  4. 感光体を中心とする画像形成ステーションが、用紙搬送方向に沿って複数配設され、各画像形成ステーション内の現像装置により各々現像された色像を、用紙上に順次重ね合わせて1つのカラー画像を形成するカラー画像形成装置において、
    用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力のみが他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力よりも高く、その他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力がそれぞれ等しく設定されていることを特徴とするカラー画像形成装置。
  5. 用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力のみが他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力より も高く、その他の画像形成ステーション内の現像装置における現像剤攪拌能力がそれぞれ等しいことを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のカラー画像形成装置。
  6. 用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比のみが他の画像形成ステーションの周速比よりも高く設定され、その他の画像形成ステーションの現像装置の現像剤担持体の周速比が全て同一に設定されていることを特徴とする請求項1に記載のカラー画像形成装置。
  7. 用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度のみが他の画像形成ステーションよりも低く設定され、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の基準トナー濃度が全て同一に設定されていることを特徴とする請求項2に記載のカラー画像形成装置。
  8. 用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量のみが他の画像形成ステーションよりも少なく設定され、その他の画像形成ステーション内の現像装置の現像剤の設定収容量が全て同一に設定されていることを特徴とする請求項3に記載のカラー画像形成装置。
  9. 用紙搬送方向の最上流位置に配置された画像形成ステーション内の現像装置には黒色現像剤が収容され、他の画像形成ステーションのそれぞれの現像装置にはシアン、マゼンタ、イエローの各色の現像剤が収容されていることを特徴とする請求項1ないし8の何れか1項に記載のカラー画像形成装置。
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