JP4060605B2 - 多色画像形成装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、画像が転写される転写材の搬送経路中に互いに異なる色の画像を電子写真法により形成する複数の画像形成部を並設し、各画像形成部において形成された画像を転写材上に順次多重に転写する多色画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式の画像形成プロセスにより、フルカラー画像を形成するカラー複写機やカラープリンタ等の多色画像形成装置として、周面に転写材を静電吸着させた状態で単一の感光体ドラムと等速回転する半導電性ドラムを備えた所謂単一ドラム型の多色画像形成装置と、転写材の搬送経路中に互いに異なる色の画像を形成する複数の画像形成部を並設した所謂タンデム型の多色画像形成装置と、がある。
【0003】
単一ドラム型の多色画像形成装置では、単一の感光体ドラムに対して、帯電、露光、現像、転写及び清掃の各工程を複数の画像色(例えば、減法混色の3原色であるマゼンタ、シアン及びイエローに黒色を加えた4色)のそれぞれについて繰り返し行い、半導電性ドラムの周面に吸着した転写材にカラー画像を形成するため、処理時間が長時間化する欠点がある。これに対して、タンデム型の多色画像形成装置は、1枚の転写材を給紙部から排紙部に向かって1度搬送する間に複数の画像形成部のそれぞれで形成された画像を順次転写するために処理速度が速いという利点があり、各画像形成部を構成する装置の小型化及び低価格化にともない、タンデム型の多色画像形成装置が主流となりつつある。
【0004】
このタンデム型の多色画像形成装置は、一例として図1に示すように、4個の画像形成部200a〜200dを、記録用紙(OHPフィルム等の紙以外の転写材を含む。)の搬送方向に一列に並設して構成したものである。画像形成部200a〜200dの下方には、一対のローラ間に張架された転写搬送ベルト250が配置されている。転写搬送ベルト250は、上面に静電吸着した記録用紙をローラの回転により搬送する。転写搬送ベルト250による用紙搬送経路の下流側には、記録用紙上に転写されたトナー像を記録用紙上に定着させるための定着装置260が配置されている。また、転写搬送ベルト250の下方には、給紙カセット240が配置されており、給紙カセット240内に収納されている記録用紙が一枚ずつ分離して転写搬送ベルト250の上流側に給紙される。
【0005】
画像形成部200a〜200dのそれぞれは、同一の構成を備えている。一例として、画像形成部200aは、矢印方向に回転駆動される感光体ドラム201aの周囲に感光体ドラム201aの表面を一様に帯電させる帯電器202a、感光体ドラム201aの表面を露光して静電潜像を形成する露光ユニット203a、感光体ドラム201aの表面に形成された静電潜像をトナー像に顕像化する現像装置204a、感光体ドラム201aの表面に担持されたトナー像を転写材に転写する転写器205a、及び、感光体ドラム201aの表面に残留したトナーを除去するクリーナ206aを感光体ドラム201aの回転方向に沿って順に配置して構成されている。この構成により、感光体ドラム201aの表面において帯電、露光、現像、転写及び清掃の各工程からなる画像形成プロセスを行う。
【0006】
帯電器202aとして用いられる帯電用ローラは、導電性芯金の周囲にEPDMやウレタン等のゴム材料を基材とし、抵抗調整のためにカーボンブラックや金属粉等の導電製物質を分散させたものを金型成型等でローラ状に一体成型した円筒状ローラの導電性弾性部材であり、103 〜107 Ω・cmの抵抗値を有している。この帯電用ローラは、周面において感光体ドラム201aの周面に接触しており、感光体ドラム201aの周面との接触確率を増やすべく、感光体ドラム201aに対してカウンタ方向(周面が感光体ドラム201aの周面と逆方向に移動する方向)に回転している。
【0007】
各画像形成部200a〜200dに備えられている現像装置204a〜204dには順に黒色(BK)、シアン(C)、マゼンタ(M)及びイエロー(Y)の各色のトナーが収納されており、露光ユニット203a〜203dのそれぞれには順にBK、C、M及びYの各色の画像データが入力される。したがって、各画像形成部200a〜200dでは、感光体ドラム201a〜201dの表面に、BK、C、M及びYの各色のトナー像が形成される。
【0008】
なお、画像形成部200a〜200dにおいて感光体ドラム201a〜201dと転写器205a〜205dとの間には、転写搬送ベルト250が通過する。したがって、転写器205a〜205dは、転写搬送ベルト250を挟んで感光体ドラム201a〜201dの表面に対向している。
【0009】
カラー画像情報に基づくカラー画像形成プロセス時には、各画像形成部200a〜200dの露光ユニット203a〜203dにBK、C、M及びYの各色の画像データが入力される。なお、電子写真法による画像形成装置では、画像データにより変調した画像光の照射により感光体表面に静電潜像を形成する際に、光の照射による感光体表面の疲労を少なくするため、現像工程においてトナーが吸着すべき部分に画像光を照射し、画像の白地部分には画像光を照射しない反転現像方式が主流である。
【0010】
これにより、各画像形成部200a〜200dでは、感光体ドラム201a〜201dの表面にBK、C、M及びYの各色のトナー像が形成され、転写搬送ベルト250の上面に静電吸着した記録用紙が画像形成部200a〜200dを順に通過する間に、BK、C、M及びYの各色のトナー像が記録用紙上に順に転写される。記録用紙は、各画像形成部200a〜200dを順に通過する間にBK、C、M及びYの各色のトナー像が順次重ね合わせた状態で転写された後、定着装置260において加熱及び加圧される。これによって、記録用紙の表面にトナー像が堅牢に定着する。
【0011】
ところが、転写搬送ベルト250上に静電吸着されて各画像形成部200a〜200dを通過している間には、記録用紙の表面において各トナー像は未だ定着していないため、用紙搬送方向の上流側の画像形成部で記録用紙上に転写された未定着のトナー像が下流側の画像形成部の感光体ドラムに転写する逆転写現象を生じ、記録用紙上に良好なカラー画像を形成することができなくなる。
【0012】
即ち、用紙搬送方向の最上流側の画像形成部200aで記録用紙に転写されたBKのトナー像が、2番目の画像形成部200bで記録用紙にCのトナー像が感光体ドラム201bから記録用紙上に転写される前に、感光体ドラム201bの表面に転写し、同様の現象が3番目の画像形成部200c及び4番目の画像形成部200dにおいても生じる。このため、用紙搬送方向の最下流側の画像形成部200dにおけるYのトナー像の転写が終了した時点では、記録用紙におけるBKのトナーの付着量は、画像形成部200aでの転写工程の終了直後における付着量に比較して数10%程度減少してしまう。このような逆転写現象による記録用紙上におけるトナーの付着量の減少は、Cのトナー像については画像形成部200c及び200dにおいて発生し、Mのトナー像については画像形成部200dにおいて発生する。
【0013】
したがって、図1に示すように、4個の画像形成部200a〜200dを備えた多色画像形成装置におけるカラー画像形成時には、BKのトナーの付着量<Cのトナーの付着量<Mのトナーの付着量<Yのトナーの付着量となり、図2中一点鎖線で示すようにバランスの崩れた配色となる。一方、図3に示す逆転写量と画像濃度との関係から明らかなように、逆転写量が多くなるほど画像濃度は低下する。このため、用紙搬送方向の下流側に配置されている画像形成部のトナー色ほど濃度が高くなり、記録用紙上に原稿の色調を忠実に再現したカラー化像を形成することができなくなる。
【0014】
なお、逆転写現象は、画像形成プロセスの現像工程時に感光体の画像電位に応じて現像ローラからトナーが感光体に付着する際、必ずしも全てのトナーが一様に電荷を帯電しておらず、帯電量の低いトナーや正規の帯電極性とは逆極性に帯電したトナーが混在しており、また、転写工程後に感光体から記録用紙が剥離する際に生じる放電によって記録用紙上のトナーが逆極性に変化する場合がある。これらが、用紙搬送方向の下流側に位置する画像形成部における画像形成プロセスの転写工程時の転写電荷によって感光体に移動することによって生じると考えられている。
【0015】
そこで、従来のタンデム型の多色画像形成装置として、特開平8−106197号公報には、用紙搬送方向の下流側に位置する画像形成部ほど感光体の帯電電位、トナーの帯電量及び転写電圧を低くし、下流側の画像形成部における逆転写現象の発生を防止するようにした構成が開示されている。
【0016】
また、特開平9−3119179号公報には、タンデム方式の多色画像形成装置において、各画像形成部の現像装置において現像ローラの周面に対するトナーの付着量を規定するドクタブレードの現像ローラに対する当接圧を、用紙搬送方向の下流側に位置する画像形成部ほど強くする方法、及び、各画像形成部において使用するトナーの粒子径や流動性等の特性に差異を与える方法等により、感光体へのトナー付着量を用紙搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど多くなるようにした構成が開示されている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平8−106197号公報に開示された構成では、主としてトナーの特性を制御して逆転写現象の発生を抑制しようとしており、トナーの特性管理が煩雑で経費の高騰を招くだけでなく、各画像形成部における目標帯電電位やトナー帯電量を単純に変化させるものであるために転写工程の影響による画像の異常を抑制することができない問題がある。
【0018】
また、特開平9−319179号公報に開示された構成では、逆転写現象による転写材上におけるトナー量の減少を補うため、予め感光体へのトナーの付着量を用紙搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど多量にするものであり、トナー消費量が増加してランニングコストの高騰を招く問題がある。
【0019】
この発明の目的は、煩雑なトナーの特性管理を必要とすることなく、また、トナー消費量の増加を生じることなく、色調の再現性に優れたカラー画像を形成することができる多色画像形成装置を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0021】
(1)電子写真法により個別の感光体を介して互いに異なる色のトナー像の画像形成を行う複数の画像形成部を、転写材の搬送方向に沿って並設した多色画像形成装置において、
感光体表面に接触して帯電電荷を付与する導電性弾性体からなる帯電ローラを各画像形成部に備えるとともに、複数の帯電ローラのそれぞれに長手方向の一端側から他端側に達する単一又は複数の貫通孔を形成し、各帯電ローラにおける前記貫通孔の断面積の総和を、各画像形成部において感光体表面に与えるべき電位に応じて前記搬送方向の下流側に位置するものほど大きくしたことを特徴とする。
【0022】
この構成においては、転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおいて、断面積の総和が感光体に付与すべき電位に応じて決定された単一又は複数の孔部を形成した導電性弾性体の帯電ローラから感光体表面に帯電電荷が付与される。導電性弾性体の帯電ローラは、感光体表面に対する当接圧が一定である場合、内部に形成された孔部の断面積の総和によって変形状態が異なり、孔部の断面積の総和が大きいほど変形量が大きくなって感光体表面との接触面積が拡大するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が高くなり、感光体の表面電位も高くなって白地側電位となる。これとは逆に、帯電ローラの内部に形成された孔部の断面積の総和が小さいほど変形量が小さくなって感光体表面との接触面積が縮小するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が低くなり、感光体の表面電位も低くなって非白地側電位となる。
【0023】
したがって、各画像形成部において帯電ローラに形成する孔部の断面積の総和を、転写材搬送方向におけるより下流側の各画像形成部において生じる逆転写現象に伴う画像濃度の低下を補うことができる感光体表面の帯電電位に応じて決定することにより、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が多い画像形成部ほど、感光体表面と帯電ローラとの接触面積が小さくなり、感光体表面電位が非白地側電位となって多量のトナーが予め感光体に付着し、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスが画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致する。
また、転写材の搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれが備える帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和が、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくされる。導電性弾性体の帯電ローラは、感光体表面に対する当接圧が一定である場合、内部に形成された孔部の断面積の総和によって変形状態が異なり、孔部の断面積の総和が大きいほど変形量が大きくなって感光体表面との接触面積が拡大するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が高くなり、感光体の表面電位も高くなって白地側電位となる。これとは逆に、帯電ローラの内部に形成された孔部の断面積の総和が小さいほど変形量が小さくなって感光体表面との接触面積が縮小するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が低くなり、感光体の表面電位も低くなって非白地側電位となる。
一方、転写材の搬送方向に沿って複数の画像形成部を並設した場合、転写材の搬送方向の上流側に位置する画像形成部で転写されたトナー像ほど、定着工程前に対向する画像形成部数が多く、転写材から感光体にトナーが移動する逆転写現象によって転写材から失われるトナー量も多くなる。
したがって、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和が小さくされ、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーが予め感光体を介して転写材上に転写される。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスは、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致する。
【0024】
(2)電子写真法により個別の感光体を介して互いに異なる色のトナー像の画像形成を行う複数の画像形成部を、転写材の搬送方向に沿って並設した多色画像形成装置において、
感光体表面に接触して帯電電荷を付与する導電性弾性体からなる帯電ローラを各画像形成部に備えるとともに、複数の帯電ローラのそれぞれに長手方向の一端側から他端側に達する単一又は複数の貫通孔を形成し、各帯電ローラにおける前記貫通孔の数を、各画像形成部において感光体表面に与えるべき電位に応じて前記搬送方向の下流側に位置するものほど多くしたことを特徴とする。
【0025】
この構成においては、転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおいて、配列状態が感光体に付与すべき電位に応じて決定された単一又は複数の孔部を形成した導電性弾性体の帯電ローラから感光体表面に帯電電荷が付与される。帯電ローラに形成する孔部の配列状態が変化すると、帯電ローラの内部における孔部の断面積の総和が変化する。導電性弾性体の帯電ローラは、感光体表面に対する当接圧が一定である場合、内部に形成された孔部の断面積の総和によって変形状態が異なり、孔部の断面積の総和が大きいほど変形量が大きくなって感光体表面との接触面積が拡大するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が高くなり、感光体の表面電位も高くなって白地側電位となる。これとは逆に、帯電ローラの内部に形成された孔部の断面積の総和が小さいほど変形量が小さくなって感光体表面との接触面積が縮小するため、帯電ローラから感光体に流れる帯電電流が低くなり、感光体の表面電位も低くなって非白地側電位となる。
【0026】
したがって、各画像形成部において帯電ローラに形成する孔部の配列状態を、転写材搬送方向のより下流側の各画像形成部において生じる逆転写現象に伴う画像濃度の低下を補うべく決定された感光体表面の帯電電位に応じて決定することにより、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が多い画像形成部ほど感光体表面と帯電ローラとの接触面積が小さくなり、感光体表面電位が非白地側電位となって多量のトナーが予め感光体に付着し、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスは、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致する。
また、転写材の搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおける帯電ローラに形成される孔部の数が、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど少なく、下流側に位置する画像形成部ほど多くされる。帯電ローラに形成される孔部の数の多少によって帯電ローラにおける孔部の断面積の総和が増減する。したがって、各画像形成部が備える帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和は、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくなり、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和が小さくされ、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーが予め感光体を介して転写材上に転写される。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスは、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致する。
【0031】
(3)前記複数の帯電ローラは、互いに同一数の孔部を備え、転写材搬送方向の下流側に位置するものほど単一の孔部の断面積を拡大したことを特徴とする。
【0032】
この構成においては、転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれが備える帯電ローラに互いに同一数の孔部が形成されるとともに、それぞれの帯電ローラに形成される各孔部の断面積は、転写材搬送方向の下流側に位置する画像形成部ほど大きく、上流側に位置する画像形成部ほど小さくされる。したがって、各画像形成部が備える帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和は、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくなり、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和が小さくされ、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーが予め感光体を介して転写材上に転写される。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスは、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致する。
【0035】
(4)前記孔部は、帯電ローラの長手方向に沿って直線状に形成されていることを特徴とする。
【0036】
この構成においては、各画像形成部において感光体表面と帯電ローラとの接触面積を加減して感光体の帯電電位を調整するために、各帯電ローラの変形量を変化させるべく帯電ローラに長手方向に沿って直線状の孔部が形成される。したがって、各画像形成部における感光体の帯電電位の調整のための各帯電ローラの変形量の設定が直線状の孔部を形成することによって容易に行われる。
【0037】
(5)前記孔部は、帯電ローラの回転軸を中心とする螺旋状に形成されていることを特徴とする。
【0038】
この構成においては、各画像形成部において感光体表面と帯電ローラとの接触面積を加減して感光体の帯電電位を調整するために、各帯電ローラの変形量を変化させるべく帯電ローラにその回転軸を中心とする螺旋状の孔部が形成される。したがって、帯電ローラに形成される孔部の数が少ない場合にも、帯電ローラの変形量が周方向についてより均一化され、感光体表面が全周にわたって均一の電位に帯電する。
【0039】
(6)前記各画像形成部のうちで転写材搬送方向の最上流側に位置する画像形成部が、黒色のトナー像を形成する画像形成部であることを特徴とする。
【0040】
この構成においては、転写材の搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおける感光体表面に対する帯電ローラの当接量を制御して逆転写現象による各色のトナー量のバランスの不均衡を是正する際に、並設される複数の画像形成部のうち、転写材上に転写されたトナー像が逆転写現象を生じる回数が最も多く、転写材上におけるトナー量の変動が最も激しい最上流側の画像形成部が、転写材上のトナー量がフルカラー画像の色調に与える影響の最も少ない黒色のトナーによる画像形成を行う画像形成部とされる。したがって、逆転写現象により転写材から感光体に移動するトナー量が変動した場合にも、転写材上におけるカラー画像の色調が大きく変化することがなく、カラー画像の再現性が維持される。
【0041】
【発明の実施の形態】
図4は、この発明の実施形態に係る多色画像形成装置における画像形成部の要部の斜視図である。図1に示した多色画像形成装置100の各画像形成部200a〜200dにおいて、感光体ドラム201(201a〜201d)は、両端から突出した軸2において一対の軸受部材3によって回転自在に支持されている。この軸2は、感光体ドラム1において周面に感光層が形成されたアルミニウム等の導電性基体に導通しており、かつ、接地線Eに接続されている。
【0042】
感光体ドラム201の表面には、帯電ローラ202(202a〜202d)が当接している。帯電ローラ202は、両端から突出した金属等の導電性の回転軸5において一対の軸受部材6によって回転自在に支持されている。この軸受部材6には、上端が固定部材8に固定されたコイルスプリング7の下端が上方から当接している。したがって、帯電ローラ202には軸受部材6を介してコイルスプリング7の弾性力が下向きに作用しており、帯電ローラ202は感光体ドラム201の周面に常時所定の押圧力で圧接している。また、帯電ローラ202には回転軸5を介して電源9から所定の帯電電圧が印加される。
【0043】
この構成において、感光体ドラム201を図示しない駆動手段によって図中矢印a方向に回転駆動すると、感光体ドラム201の周面に圧接した帯電ローラ202が図中矢印b方向に従動して回転し、帯電ローラ202に電源9から帯電電圧を印加することによって感光体ドラム201の表面が均一に帯電される。このとき、電源9から帯電ローラ201に対して、例えば−600〜−700Vの直流電圧にピーク間電圧が1500〜2500Vで周波数550Hzの交流電圧を重畳した振動電圧を印加することにより、感光体ドラム201の表面は−600〜−700v程度に帯電される。なお、振動電圧とは、周期的にその電圧値が変化するものであり、その波形は正弦波、三角波又は矩形波等である。また、振動電圧は、直流電圧のオン/オフを繰り返すことによって形成される矩形波とすることもできる。
【0044】
図5は、上記多色画像形成装置に用いられる帯電ローラの構成を示す図である。帯電ローラ202(202a〜202d)は、導電性の回転軸5の周囲に、抵抗調整のためのカーボンブラックや金属粉等の導電性物質を分散させた天然ゴム、EPDM、ウレタン、クロロプレン又はシリコンゴム等のゴム材料を、射出成形によりローラ状に一体成形して抵抗値を103 〜107 Ω・cm(250V印加)の発泡体層4aを外嵌し、さらに、発泡体層4aの表面に抵抗値107 〜1010Ω・cm(250V印加)の被覆層4bを被覆したものである。発泡体層4aは、通常、セル径200μm程度の発泡セルを内包しているため、発泡体層4aの表面に被覆層4bを被覆することにより、帯電ローラ202の表面を平滑にしている。
【0045】
この帯電ローラ202の発泡体層4aには、長手方向(軸方向)の一端側から他端側に至る直径0.5〜1.0mm程度の直線状の貫通孔11又は螺旋状の貫通孔12が形成されている。この貫通孔11又は12が、この発明の孔部に相当する。図5(A)に示すように、直線状の貫通孔11は、帯電ローラ202の長手方向に沿って、回転軸5の周囲に等間隔に複数形成される。一方、螺旋状の貫通孔12は、図5(B)及び(C)に示すように、回転軸5を中心として、単一、又は、回転軸5の周囲に等間隔に複数形成される。
【0046】
このように、帯電ローラ202の発泡体層4aに貫通孔11,12を形成すると、その形成数の増減にともなって発泡体層4aにおける貫通孔11,12の断面積の総和が増減し、発泡体層4aの外力による変形量が増減する。また、発泡体層4aにおける貫通孔11,12の形成数が一定であっても、各貫通孔11,12の孔径を増減することにより、発泡体層4aにおける貫通孔11,12の断面積の総和が増減し、発泡体層4aの外力による変形量が増減する。
【0047】
したがって、図4に示したコイルスプリング7から帯電ローラ202に作用する感光体ドラム201側への当接力が一定であっても、貫通孔11,12の形成数又は孔径の変更を適宜選択することによって帯電ローラ202の硬度を調整することができ、感光体ドラム201の表面と帯電ローラ202の周面との接触幅(ニップ幅)を変化させることができる。
【0048】
感光体ドラム201の表面と帯電ローラ202の周面とのニップ幅が変化すると、帯電ローラ202と感光体ドラム201との間のインピーダンスが変化し、帯電ローラ202に印加する帯電電圧が一定であっても感光体ドラム201の初期帯電電位が変化する。また、感光体ドラム201の初期帯電電位が変化すると、露光工程において同一光量の画像光の露光によって感光体ドラム201の表面に形成される静電潜像の電位が変化し、現像工程において現像装置204から供給されるトナーの感光体ドラム201における付着量も変化する。
【0049】
即ち、図6に示すように(図6において、実線は上流側の画像形成部における感光体ドラムの帯電電位を示し、破線は下流側の画像形成部における感光体ドラムの帯電電位を示している。)、上流側の画像形成部における感光体ドラムの初期表面電位Voと下流側の画像形成部における感光体ドラムの初期表面電位Voとに差異が与えてられている場合、両画像形成部において感光体ドラムが同一光量で露光されると、露光された後の画像表面電位Viは、初期表面電位Voと同様に、上流側の画像形成部における感光体ドラムと下流側の画像形成部における感光体ドラムとで差を生じる。
【0050】
次に、感光体が、現像バイアスVb(現像バイアスVbは、初期表面電位Voと画像表面電位Viとの間の電位を持つ。)を一定にして現像されると、トナー付着量を示すコントラスト電位Vc(|Vb−Vi|)も、上流側の画像形成部における感光体ドラムと下流側の画像形成部における感光体ドラムとで差を生じる。つまり、画像表面電位Viが上流側の画像形成部における感光体ドラムよりも高い下流側の画像形成部における感光体ドラムは、上流側の画像形成部における感光体ドラムよりもトナー付着量が減少することになる。
【0051】
即ち、帯電量とトナー付着量との関係は、コントラスト電位Vcの大きさで決定され、下流側の画像形成部では、感光体の初期表面電位Voが高いために画像表面電位Viが高くなり、画像表面電位Viの高い感光体ドラムが現像バイアスVbで現像されると、コントラスト電位Vcは相対的に小さくなり、トナー付着量も少なくなる。
【0052】
一方、上流側の画像形成部では、感光体ドラムの初期表面電位Voが低いために画像表面電位Viが低くなり、下流側の画像形成部と同電圧の現像バイアスVbで画像表面電位Viの低い感光体ドラムが現像されると、コントラスト電位Vcは相対的に大きくなり、トナー付着量も多くなる。つまり、初期表面電位Voが高いほど、トナー付着量は減少する。
【0053】
前述のように、帯電ローラ202における貫通孔11又は12の断面積の総和を増加させると、帯電ローラ202が変形し易くなって同一の当接力を作用させた場合の感光体ドラム201と帯電ローラ202とのニップ幅が増加し、帯電ローラ202と感光体ドラム201との間のインピーダンスが低下することによって感光体ドラム201と帯電ローラ202との接触面における放電電流の流入量が増加し、感光体ドラム201の帯電量が増加する。これに対して、帯電ローラ202における貫通孔11又は12の断面積の総和を減少させると、帯電ローラ202が変形し難くなって同一の当接力を作用させた場合の感光体ドラム201と帯電ローラ202とのニップ幅が減少し、帯電ローラ202と感光体ドラム201との間のインピーダンスが上昇することによって感光体ドラム201と帯電ローラ202との接触面における放電電流の流入量が減少し、感光体ドラム201の帯電量が減少する。
【0054】
したがって、図7(A)及び(B)に示すように、帯電ローラ202に形成する貫通孔11,12の断面積の総和が増加するにともなって、感光体ドラム201の表面電位か増加する一方、転写材に形成される画像の濃度は低下する。
【0055】
そこで、この発明に係る多色画像形成装置100では、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量に応じて帯電ローラ202に形成する貫通孔11又は12の断面積の総和を増減し、感光体ドラム201の初期帯電電位を調整するようにしている。
【0056】
なお、螺旋状の貫通孔12は、帯電ローラ202の周方向について均等に分布するため、単一であっても帯電ローラ202の変形状態をその長手方向において略均一にすることができる。
【0057】
図8は、上記多色画像形成装置の各画像形成部における帯電ローラに対する貫通孔の形成状態を説明する図である。図8(A)は、全ての画像形成部200で帯電ローラ202に対する貫通孔11又は12の形成数を同数(ここでは、6個)とし、各画像形成部200a〜200dにおいて各貫通孔11又は12の孔径を上流側から下流側に向かって徐々に拡大した場合を示している。
【0058】
即ち、この例では、記録材搬送方向における最上流側に位置するBKの画像形成部200aの帯電ローラ202aには孔径0.6mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に6個形成し、記録材搬送方向の上流側から下流側に向かって2番目に位置するCの画像形成部200bの帯電ローラ202bには孔径0.7mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に6個形成し、記録材搬送方向の上流側から下流側に向かって3番目に位置するMの画像形成部200cの帯電ローラ202cには孔径0.8mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に6個形成し、記録材搬送方向における最下流側に位置するYの画像形成部200dの帯電ローラ202dには孔径0.85mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に6個形成している。
【0059】
このように、上流側から下流側に向かう記録材搬送方向における各画像形成部200a〜200dの配置位置に応じて、帯電ローラ202a〜202dのそれぞれに孔径を順次拡大した貫通孔11又は12を同数ずつ形成することにより、各帯電ローラ202a〜202dにおける貫通孔11又は12の断面積の総和が上流側から下流側に向かって順次拡大し、各帯電ローラ202a〜202dの感光体ドラム201a〜201dとの当接による変形量が上流側から下流側に向かって順次増加する。この結果、各帯電ローラ202a〜202dと感光体ドラム201a〜201dとのニップ幅が上流側から下流側に向かって順次拡がり、感光体201a〜201dの帯電電位(絶対値)が上流側から下流側に向かって順次上昇し、感光体ドラム201a〜201dのそれぞれから転写材に転写される画像が上流側から下流側に向かって順次高濃度側から低濃度側に変化する。
【0060】
これによって、より下流側の画像形成部において生じる逆転写現象によって各画像形成部200a〜200cにおいて形成された画像の転写材上における濃度低下を補うことができる。
【0061】
また、図8(B)は、全ての画像形成部200で帯電ローラ202に対する貫通孔11又は12の孔径を同一値(ここでは、0.6mm)とし、各画像形成部200a〜200dにおいて各貫通孔11又は12の形成数を上流側から下流側に向かって徐々に増加した場合を示している。
【0062】
即ち、この例では、記録材搬送方向における最上流側に位置するBKの画像形成部200aの帯電ローラ202aには孔径0.6mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に6個形成し、記録材搬送方向の上流側から下流側に向かって2番目に位置するCの画像形成部200bの帯電ローラ202bには孔径0.6mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に8個形成し、記録材搬送方向の上流側から下流側に向かって3番目に位置するMの画像形成部200cの帯電ローラ202cには孔径0.6mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に10個形成し、記録材搬送方向における最下流側に位置するYの画像形成部200dの帯電ローラ202dには孔径0.6mmの貫通孔11又は12を回転軸5の周囲に等間隔に12個形成している。
【0063】
このように、上流側から下流側に向かう記録材搬送方向における各画像形成部200a〜200dの配置位置に応じて、帯電ローラ202a〜202dのそれぞれに同一孔径の貫通孔11又は12を形成数を順次増加して形成することにより、各帯電ローラ202a〜202dにおける貫通孔11又は12の断面積の総和が上流側から下流側に向かって順次拡大し、各帯電ローラ202a〜202dの感光体ドラム201a〜201dとの当接による変形量が上流側から下流側に向かって順次増加する。この結果、各帯電ローラ202a〜202dと感光体ドラム201a〜201dとのニップ幅が上流側から下流側に向かって順次拡がり、感光体201a〜201dの帯電電位(絶対値)が上流側から下流側に向かって順次上昇し、感光体ドラム201a〜201dのそれぞれから転写材に転写される画像が上流側から下流側に向かって順次高濃度側から低濃度側に変化する。
【0064】
これによって、より下流側の画像形成部において生じる逆転写現象によって各画像形成部200a〜200cにおいて形成された画像の転写材上における濃度低下を補うことができる。
【0065】
以上のように、この実施形態に係る多色画像形成装置100では、各画像形成部200における帯電ローラ202の発泡体層4aに形成する貫通孔11又は12の断面積の総和を変化させることにより、初期帯電時に各画像形成部200における感光体ドラム201の表面電位に高低差を設け、これによって各画像形成部200の露光条件や現像条件を同一にしたままで感光体ドラム201へのトナーの付着量を増減専科させることができる。
【0066】
即ち、帯電ローラ202に形成する貫通孔11又は12の断面積の総和が増加すると、感光体ドラム201に対する帯電ローラ202の当接圧が同一であっても帯電ローラ202が変形し易くなるため、帯電ローラ202と感光体ドラム201との接触面における放電電流の流入量が増加し、マイナスの帯電量が増加する。一方、帯電ローラ202に形成する貫通孔11又は12の断面積の総和が減少すると、帯電ローラ202が変形し難くなるため、帯電ローラ202と感光体ドラム201との接触面における放電電流の流入量が低下し、マイナスの帯電量が減少する。
【0067】
これによって、転写材搬送方向における上流側には位置される画像形成部と下流側に配置される画像形成部とで帯電ローラ202と感光体ドラム201との接触面積を増減変化させて放電電流の流入量に差異を与えることができる。この結果、画像形成部200毎に感光体ドラム201の初期表面電位Vo(帯電量)を調整することができ、各画像形成部200における感光体ドラム201のトナー付着量に差異を設けることができるため、転写材搬送方向における上流側の画像形成部で形成される画像色について、より下流側の画像形成部で発生する逆転写現象に伴う画像濃度の低下を抑制することができる。
【0068】
【発明の効果】
この発明によれば、以下の効果を奏することができる。
【0069】
(1)転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおいて、帯電ローラに形成する孔部の断面積の総和を、転写材搬送方向におけるより下流側の各画像形成部において生じる逆転写現象に伴う画像濃度の低下を補うことができる感光体表面の帯電電位に応じて決定することにより、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が多い画像形成部ほど、感光体表面と帯電ローラとの接触面積を小さくすることができ、感光体表面電位を非白地側電位にして多量のトナーを予め感光体に付着させ、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスを、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致させることができる。これによって、煩雑なトナーの特性管理を必要とすることなく、また、トナー消費量の増加を生じることなく、色調の再現性に優れたカラー画像を形成することができる。
【0070】
(2)転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおいて、帯電ローラに形成する孔部の配列状態を、転写材搬送方向のより下流側の各画像形成部において生じる逆転写現象に伴う画像濃度の低下を補うことができる感光体表面の帯電電位に応じて決定することにより、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が多い画像形成部ほど感光体表面と帯電ローラとの接触面積を小さくすることができ、感光体表面電位を非白地側電位にして多量のトナーを予め感光体に付着させ、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスを、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致させることができる。これによって、煩雑なトナーの特性管理を必要とすることなく、また、トナー消費量の増加を生じることなく、色調の再現性に優れたカラー画像を形成することができる
(3)転写材の搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれに備える帯電ローラに形成した孔部の断面積の総和を、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくすることにより、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成された孔部の断面積の総和を小さくし、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーを予め感光体を介して転写材上に転写することができる。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスを、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致させることができる。
【0071】
(4)転写材搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれに備える帯電ローラに互いに同一数の孔部を形成するとともに、それぞれの帯電ローラに形成する各孔部の断面積を、転写材搬送方向の下流側に位置する画像形成部ほど大きく、上流側に位置する画像形成部ほど小さくすることにより、各画像形成部の帯電ローラに形成した孔部の断面積の総和を、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくし、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成した孔部の断面積の総和を小さくして、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーを予め感光体を介して転写材上に転写することができる。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスを、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致させることができる。
【0072】
(5)転写材の搬送方向に沿って並設した複数の画像形成部のそれぞれにおける帯電ローラに形成される孔部の数を、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど少なく、下流側に位置する画像形成部ほど多くすることにより、各画像形成部の帯電ローラに形成した孔部の断面積の総和を、転写材搬送方向の上流側に位置する画像形成部ほど小さく、下流側に位置する画像形成部ほど大きくし、後の逆転写現象によって転写材上から失われるトナー量が下流側に位置する画像形成部よりも多い上流側の画像形成部ほど、帯電ローラに形成した孔部の断面積の総和が小さくし、下流側の画像形成部に比較して多量のトナーを予め感光体を介して転写材上に転写することができる。これによって、全ての画像形成部を通過した後の転写材上における各色のトナー量のバランスを、画像データにおける各色の濃度のバランスに略一致させることができる。
【0073】
(6)各画像形成部において感光体表面と帯電ローラとの接触面積を加減して感光体の帯電電位を調整するために、各帯電ローラの変形量を変化させるべく帯電ローラに長手方向に沿って直線状の孔部を形成することにより、各画像形成部における感光体の帯電電位の調整のための各帯電ローラの変形量の設定を直線状の孔部を形成することによって容易に行うことができる。
【0074】
(7)各画像形成部において感光体表面と帯電ローラとの接触面積を加減して感光体の帯電電位を調整するために、各帯電ローラの変形量を変化させるべく帯電ローラにその回転軸を中心とする螺旋状の孔部を形成することにより、帯電ローラに形成される孔部の数が少ない場合にも、帯電ローラの変形量を周方向についてより均一化することができ、感光体表面を全周にわたって均一の電位に帯電させることができる。
【0075】
(8)転写材の搬送方向に沿って並設された複数の画像形成部のそれぞれにおける感光体表面に対する帯電ローラの当接量を制御して逆転写現象による各色のトナー量のバランスの不均衡を是正する際に、並設した複数の画像形成部のうち、転写材上に転写されたトナー像が逆転写現象を生じる回数が最も多く、転写材上におけるトナー量の変動が最も激しい最上流側の画像形成部を、転写材上のトナー量がフルカラー画像の色調に与える影響の最も少ない黒色のトナーによる画像形成を行う画像形成部とすることにより、逆転写現象により転写材から感光体に移動するトナー量が変動した場合にも、転写材上におけるカラー画像の色調が大きく変化することがなく、カラー画像の再現性を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を含むタンデム型の多色画像形成装置の要部の構成を示す図である。
【図2】転写材上の各色のトナーの画像濃度をこの発明の実施形態に係る多色画像形成装置と従来の多色画像形成装置とについて比較する図である。
【図3】この発明の実施形態を含む多色画像形成装置における画像濃度と逆転写量との関係を示す図である。
【図4】この発明の実施形態に係る多色画像形成装置における画像形成部の要部の斜視図である。
【図5】上記多色画像形成装置に用いられる帯電ローラの構成を示す図である。
【図6】上記多色画像形成装置における上流側の画像形成部と下流側の画像形成部とにおける感光体ドラムの帯電状態を示す図である。
【図7】上記多色画像形成装置の帯電ローラにおける貫通孔の断面積の総和と感光体ドラムの帯電電位及び画像濃度との関係を示す図である。
【図8】上記多色画像形成装置の各画像形成部における帯電ローラに対する貫通孔の形成状態を説明する図である。
【符号の説明】
100−多色画像形成装置
200a〜200d−画像形成部
201a〜201d−感光体ドラム
202a〜202d−接触式帯電ローラ
11,12−貫通孔
Claims (6)
- 電子写真法により個別の感光体を介して互いに異なる色のトナー像の画像形成を行う複数の画像形成部を、転写材の搬送方向に沿って並設した多色画像形成装置において、
感光体表面に接触して帯電電荷を付与する導電性弾性体からなる帯電ローラを各画像形成部に備えるとともに、複数の帯電ローラのそれぞれに長手方向の一端側から他端側に達する単一又は複数の貫通孔を形成し、各帯電ローラにおける前記貫通孔の断面積の総和を、各画像形成部において感光体表面に与えるべき電位に応じて前記搬送方向の下流側に位置するものほど大きくしたことを特徴とする多色画像形成装置。 - 電子写真法により個別の感光体を介して互いに異なる色のトナー像の画像形成を行う複数の画像形成部を、転写材の搬送方向に沿って並設した多色画像形成装置において、
感光体表面に接触して帯電電荷を付与する導電性弾性体からなる帯電ローラを各画像形成部に備えるとともに、複数の帯電ローラのそれぞれに長手方向の一端側から他端側に達する単一又は複数の貫通孔を形成し、各帯電ローラにおける前記貫通孔の数を、各画像形成部において感光体表面に与えるべき電位に応じて前記搬送方向の下流側に位置するものほど多くしたことを特徴とする多色画像形成装置。 - 前記複数の帯電ローラは、互いに同一数の孔部を備え、転写材搬送方向の下流側に位置するものほど単一の孔部の断面積を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の多色画像形成装置。
- 前記孔部は、帯電ローラの長手方向に沿って直線状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の多色画像形成装置。
- 前記孔部は、帯電ローラの回転軸を中心とする螺旋状に形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の多色画像形成装置。
- 前記各画像形成部のうちで転写材搬送方向の最上流側に位置する画像形成部が、黒色のトナー像を形成する画像形成部であることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の多色画像形成装置。
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