JP2007148078A - 画像形成装置 - Google Patents

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JP2007148078A JP2005343577A JP2005343577A JP2007148078A JP 2007148078 A JP2007148078 A JP 2007148078A JP 2005343577 A JP2005343577 A JP 2005343577A JP 2005343577 A JP2005343577 A JP 2005343577A JP 2007148078 A JP2007148078 A JP 2007148078A
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Abstract

【課題】中抜け現象を抑制するとともに、色ずれを良好に抑制することができる画像形成装置を提供する。
【解決手段】転写紙搬送方向最上流側の感光体の線速と転写搬送ベルト60の線速をほぼ同じに設定している。これにより、全ての感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたものに比べて、100[μm]以上の色ずれの発生数を低減することができる。また、中抜け現象が生じやすい、転写搬送ベルト移動方向最上流の感光体よりも下流側に位置する感光体においては、感光体と転写搬送ベルトとの線速比を異ならせる。よって、各転写位置で感光体とトナーとの間に剪断力が働き、中抜けを抑制することができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ、またはこれらの機能を有する複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来、カラー画像形成装置においては、無端移動体たる転写搬送ベルトに沿って複数の感光体等の像担持体を並設し、カラー画像を形成するタンデム型画像形成装置が知られている。このタンデム型画像形成装置は、転写搬送ベルトに転写媒体たる転写材を転写搬送ベルトに静電的に吸着させるなどして担持し、各像担持体上の異なる色の画像を転写材に重ね合わせてカラー画像を形成する。
ところで、これらタンデム型画像形成装置において、ライン、文字、べた画像などの中心部が転写されない、いわゆる「中抜け」と呼ばれる転写不良が発生する場合があった。この「中抜け」を低減するために、従来、転写搬送ベルト(転写材)と各像担持体との間に速度差(線速比)設けている。ところが、転写搬送ベルト(転写材)と像担持体との速度差に起因して、色ずれが生じてしまう不具合があった。これは、像担持体の一部分に摩擦係数の高い部分や、転写材の一部分に摩擦係数の高い部分があると、その部分が転写位置にきたとき感光体と転写材との摩擦力が、転写搬送ベルトと転写材との摩擦力や吸着力よりも強くなってしまう。その結果、摩擦係数の高い部分が転写位置にある間、転写材が転写搬送ベルト上でスリップしながら、像担持体によって搬送される。これにより、転写材が像担持体の線速で搬送されてしまい、転写材が所定のタイミングで次の転写位置を通過することができなくなるためである。また、各転写位置での転写搬送ベルトと像担持体との摩擦力等の関係によって、転写搬送ベルトが転写位置間で撓んでしまう。その結果、転写搬送ベルトによって転写材を安定的に搬送することができなくなり、所定のタイミングで転写材が転写位置を通過することができなくためである。
特許文献1には、各像担持体と転写搬送ベルトとの間に速度差を設けるとともに、転写搬送ベルト移動方向下流側の像担持体の速度を上流側の像担持体の速度よりも早くしたものが記載されている。各像担持体と転写搬送ベルトとの間に速度差を設けているので、「中抜け」現象が抑制される。また、転写搬送ベルト移動方向下流側の像担持体の速度を上流側の像担持体の速度よりも早くしているので、転写搬送ベルトが像担持体間で撓むことがない。これは、像担持体の線速を転写搬送ベルトの線速よりも遅くしている場合は、像担持体が転写搬送ベルトを転写搬送ベルト移動方向上流側に引っ張る力が下流側の像担持体になるに従って弱くなる。その結果、像担持体間で転写搬送ベルト移動方向下流側の像担持体が転写ベルトを上流側に引っ張る力よりも強い力で上流側の像担持体で転写ベルトを引っ張るため、転写搬送ベルトが像担持体間で撓むことがないのである。よって、転写搬送ベルトによって転写材を安定的に搬送することができ、所定のタイミングで転写位置を通過させることができる。また、像担持体の線速を転写搬送ベルトの線速よりも速くしている場合は、像担持体が転写搬送ベルトを転写搬送ベルト移動方向下流側に引っ張る力が下流側の像担持体になるに従って強くなる。その結果、像担持体間の転写搬送ベルトは、像担持体間で転写搬送ベルト移動方向上流側の像担持体が転写ベルトを下流側に引っ張る力よりも強い力で下流側の像担持体で転写ベルトを引っ張るため、転写搬送ベルトが像担持体間で撓むことがない。よって、転写搬送ベルトによって転写材を安定的に搬送することができ、所定のタイミングで転写位置を通過させることができる。
特許文献2には、温度または湿度を検出する環境条件測定手段を設け、この環境条件測定手段の検知結果に基づいて、像担持体と転写搬送ベルトとの速度差を変化させるものが記載されている。転写搬送ベルトと像担持体との静電的な吸着力が低下して、転写材が転写搬送ベルト上でスリップして像担持体によって搬送されやすい高温高湿環境下においては、転写搬送ベルトと像担持体との線速をほぼ同じにしている。これにより、転写材が転写搬送ベルト上でスリップして、像担持体によって搬送されても、像担持体は、転写搬送ベルトとほぼ等速であるので、下流側の転写位置で転写材が通過するタイミングが大きくずれてしまうことがない。また、高温高湿環境下では、トナーの流動性が比較的に高くなっているので、転写搬送ベルトと像担持体との線速をほぼ同じにしても、「中抜け」現象が生じにくい。一方、転写搬送ベルトと転写材との静電的な吸着力が強く、転写材が転写搬送ベルト上でスリップしにくい低湿低温環境下においては、転写搬送ベルトと像担持体との間に線速差を設けている。これにより、「中抜け」現象を抑制することができる。
特開2003−29489号公報 特開2003−295729号公報
しかしながら、特許文献1の構成では、全ての像担持体と転写搬送ベルトとの間に速度差(線速比)を設けているため、全ての転写位置で転写材が転写搬送ベルト上でスリップして像担持体の線速で搬送されるおそれがあった。その結果、スリップが生じた転写位置よりも下流側の転写位置で転写材が通過するタイミングがずれてしまうおそれがあり、色ずれを十分に抑制することができないという問題があった。
また、特許文献2の構成においても、低温低湿環境下では、全ての像担持体のと転写搬送ベルトとの間に速度差(線速差)を設けている。転写搬送ベルトと転写材との吸着力が高い環境下であっても、像担持体と転写材との摩擦係数との関係によっては、全ての転写位置で転写材が転写搬送ベルト上でスリップして像担持体の線速で搬送されることによる色ずれが発生するおそれがあった。その結果、スリップが生じた転写位置よりも下流側の転写位置で転写材が通過するタイミングがずれてしまうおそれがあり、色ずれを十分に抑制することができないという問題があった。また、高温高湿環境下では、全ての像担持体の線速と転写搬送ベルトの線速を同じにしている。トナーの流動性が比較的に高くなって転写性が向上している高温高湿環境下であっても、転写材に転写されたトナーの層厚などの関係によっては、下流の転写位置で転写圧が高くなって、「中抜け」が生じるおそれがあるという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、中抜け現象を抑制するとともに、色ずれを良好に抑制することができる画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、れぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される転写材に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に転写材に転写するかしてカラー画像を形成する画像形成装置において、該無端移動体の移動方向最上流側の像担持体の線速と該無端移動体の線速とがほぼ同じとなるように、該無端移動体の移動方向最上流側の像担持体および該無端移動体の線速を設定し、それ以降の像担持体の線速と無端移動体の線速とを異ならせたことを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1の画像形成装置において、上記無端移動体の移動方向最上流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を±0.2%以下にしたことを特徴とするものである。
また、請求項3の発明は、請求項2の画像形成装置において、上記無端移動体の移動方向最上流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を0%にしたことを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、上記無端移動体の移動方向最下流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を0.5〜1.0%にしたことを特徴とするものである。
また、請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、上記無端移動体移動方向最上流側の像担持体の線速よりも、該無端移動体移動方向最上流側の像担持体よりも下流側に位置する像担持体の線速を速めたことを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項5の画像形成装置において、上記無端移動体は、複数のローラに張架され無端移動する無端ベルトであって、該無端ベルトを駆動する駆動ローラを、該無端ベルトの上記転写媒体搬送領域、かつ、無端ベルト移動方向最上流側の像担持体よりも上流側に配置したことを特徴とするものである。
また、請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、上記各像担持体毎に像担持体の線速を検知する像担持体速度検知手段を備え、該像担持体速度検知手段の検知結果に基づいて、各像担持体の速度を制御することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、上記トナー像を形成するトナーとして、平均円形度が0.90〜0.99であるトナーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項9の発明は、請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、上記トナー像を形成するトナーとして、形状係数SF−1が120〜180であり、形状係数SF−2が120〜190であるトナーを用いたことを特徴とするものである。
また、請求項10の発明は、請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、上記トナー像を形成するトナーとして、体積平均粒径Dvを個数平均粒径Dnで除算した値が1.05〜1.30であるトナーを用いたことを特徴とするものである。
請求項1乃至10の発明によれば、無端移動体移動方向最上流側の像担持体の線速と無端移動体の線速とが、ほぼ同じとなるように設定している。上記「中抜け」は、無端移動体移動方向下流側の転写位置で発生しやすい。これは、転写媒体上のトナー層厚が下流側にいくにつれて高くなり、下流側の転写位置での転写圧が高まるためである。また、トナー像が転写されるたびに転写媒体が帯電していき、下流に行くほど転写性が悪くなるためである。一方、無端移動体移動方向最も上流側の転写位置においては、トナーが転写媒体に転写されていないため、トナー層厚の影響や、転写媒体の帯電の影響がないので、上記のような「中抜け」現象が発生することがない。よって、無端移動体移動方向最上流側の像担持体の線速と無端移動体の線速とをほぼ同じとしても「中抜け」現象が発生することがない。
また、従来の全ての像担持体と無端移動体との間で線速差を設けたものは、最上流の転写位置で、転写媒体が像担持体によって搬送されると、転写媒体は、その摩擦係数の高い部分または像担持体の摩擦係数の高い部分が転写位置にある間、無端移動体と異なる速度で搬送されてしまう。その結果、最上流の転写位置においても転写媒体の搬送されるタイミングが大幅にずれてしまう。一方、本発明は、無端移動体移動方向最上流側の像担持体の線速と転写媒体の線速とをほぼ同じとしているので、最上流の転写位置で、転写媒体が像担持体によって搬送されても、転写媒体は、無端移動体とほぼ等速で搬送される。その結果、最上流の転写位置で転写媒体の搬送されるタイミングが大幅にずれることがない。従って、全ての像担持体と無端移動体との間で線速差を設けたものに比べて色ずれを抑制することができるのである。
また、無端移動体移動方向最上流の像担持体よりも下流側に位置する転写位置においては、トナー像が転写されているので転写媒体が帯電し、また、トナーの層厚により転写圧が高まっており「中抜け」が発生しやすくなっている。しかし、本発明においては、無端移動体移動方向最上流の像担持体よりも下流側に位置する像担持体の線速と転写媒体の線速とを異ならせている。これにより、像担持体とトナーとの間の剪断力が強くなり、転写媒体上トナーが像担持体上に付着することが抑制され、「中抜け」を抑制することができる。
以下、本発明を電子写真方式の画像形成装置としての直接転写方式タンデム型のレーザプリンタ(以下「レーザプリンタ」という)に適用した実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成の概略構成図である。このレーザプリンタは、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、黒(K)の各色の画像を形成するための4組の画像形成手段としてのトナー像形成部1Y、1M、1C、1Kを備えている。以下、各符号の添字Y、M、C、Kは、それぞれイエロー、マゼンダ、シアン、黒用の部材であることを示す。この4組のトナー像形成部1Y、1M、1C、1Kは、転写媒体としての転写紙100の移動方向(図中の矢印Aに沿ってベルト60が走行する方向)における上流側から順に配置されている。このトナー像形成部1Y、1M、1C、1Kはそれぞれ、像担持体としての感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kと、現像ユニットとを備えている。また、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの配置は、各感光体ドラムの回転軸が平行になるように且つ転写紙移動方向に所定のピッチで配列するように設定されている。
本レーザプリンタは、上記トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kのほか、光書込ユニット2、給紙カセット3,4、レジストローラ対5、転写搬送装置としての転写搬送ユニット6、ベルト定着方式の定着ユニット7、排紙トレイ8等を備えている。転写搬送ユニット6は、転写紙100を担持して各トナー像形成部の転写位置を通過するように搬送する転写搬送部材としての無端状の転写搬送ベルト60を有している。また、本レーザプリンタは、手差しトレイMF、トナー補給容器TCを備え、図示していない廃トナーボトル、両面・反転ユニット、電源ユニットなども二点鎖線で示したスペースSの中に備えている。
上記光書込ユニット2は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を備え、画像データに基づいて各感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面にレーザ光を走査しながら照射する。
図2は、上記転写搬送ユニット6の概略構成を示す拡大図である。この転写搬送ユニット6で使用した無端移動体たる転写搬送ベルト60は、体積抵抗率が109〜1011Ωcmである高抵抗の無端状単層ベルトであり、その材質はPVDF(ポリフッ化ビニリデン)である。この転写搬送ベルト60は、各トナー像形成部の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kに接触対向する各転写位置を通過するように、支持ローラ61〜68に掛け回されている。
これらの支持ローラのうち、転写紙移動方向上流側の入口ローラ61には、電源80aから所定電圧が印加された転写材搬送用の静電吸着ローラ80が対向するように転写搬送ベルト60の外周面に配置されている。この2つのローラ61,80の間を通過した転写紙100は転写搬送ベルト60上に静電吸着により担持される。ローラ63は転写搬送ベルト60を摩擦駆動する駆動ローラであり、図示しない駆動源に接続されていて矢印方向に回転する。
各転写位置において転写電界を形成する転写電界形成手段として、感光体ドラムに対向する位置には、転写搬送ベルト60の裏面に接触するように、転写バイアス印加部材67Y、67M、67C、67Kを設けている。これらはスポンジ等を外周に設けたバイアスローラであり、各転写バイアス電源9Y、9M、9C、9Kからローラ心金に転写バイアスが印加される。この印加された転写バイアスの作用により、転写搬送ベルト60に転写電荷が付与され、各転写位置において転写搬送ベルト60と感光体ドラム表面との間に所定強度の転写電界が形成される。また上記転写が行なわれる領域での転写紙と感光体の接触を適切に保ち、最良の転写ニップを得るために、バックアップローラ68を備えている。
上記転写バイアス印加部材67Y、67M、67Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68は、回転可能に揺動ブラケット93に一体的に保持され、回動軸94を中心として回動が可能である。この回動は、カム軸97に固定されたカム96が矢印の方向に回動することで時計方向に回動する。
上記入り口ローラ61と静電吸着ローラ80は一体的に、入り口ローラブラケット90に支持され、軸91を回動中心として、図2の状態から時計方向に回動可能である。揺動ブラケット93に設けた穴95と、入り口ローラブラケット90に固植されたピン92が係合しており、上記揺動ブラケット93の回動と連動して回動する。これらのブラケット90、93の時計方向の回動により、バイアス印加部材67Y、67M、67Cとその近傍に配置されるバックアップローラ68は感光体11Y,11M,11Cから離され、入り口ローラ61と静電吸着ローラ80も下方に移動する。ブラックのみの画像を形成するモノクロモード時に、感光体ドラム11Y,11M,11Cと転写搬送ベルト60の接触を避けることが可能となっている。
以上のように、転写搬送ベルト60の転写紙搬送方向上流側の部分を感光体ドラム11Y,11M,11Cに対して離接する離接手段は、上記揺動ブラケット93、カム96、入り口ローラブラケット90等により構成される。
一方、転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68は出口ブラケット98に回転可能に支持され、出口ローラたる後述するセンサ対向回転部材62と同軸の軸99を中心として回動可能にしてある。転写搬送ユニット6を本体に対し着脱する際に、図示していないハンドルの操作により時計方向に回動させ、ブラック画像形成用の感光体11Kから、転写バイアス印加部材67Kとその隣のバックアップローラ68を離間させるようにしてある。
駆動ローラ63に巻きつけられた転写搬送ベルト60の外周面には、ブラシローラとクリーニングブレードから構成された不図示のクリーニング装置が接触するように配置されている。このクリーニング装置により転写搬送ベルト60上に付着したトナー等の異物が除去される。また、転写搬送ベルト60の走行方向で駆動ローラ63より下流に、転写搬送ベルトの外周面を押し込む方向にローラ64を設け、駆動ローラ63への巻きつけ角を確保している。ローラ64より更に下流の転写搬送ベルト60のループ内に、ベルトにテンションを与えるテンションローラ65を備えている。
先に示した図1中の一点鎖線は、転写紙100の搬送経路を示している。給紙カセット3、4あるいは手差しトレイMFから給送された転写紙100は、図示しない搬送ガイドにガイドされながら搬送ローラで搬送され、レジストローラ対5が設けられている一時停止位置に送られる。このレジストローラ対5により所定のタイミングで送出された転写紙100は、転写搬送ベルト60に担持され、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kに向けて搬送され、各転写位置に形成されている転写ニップを通過する。
フルカラー画像を形成するカラーモードでは、各トナー像形成部1Y、1M、1C、1Kの感光体ドラム11Y、11M、11C、11K上で現像された各トナー像は、それぞれ各転写ニップで転写紙100に重ね合わされる。そして、上記転写電界やニップ圧の作用を受けて転写紙100上に転写される。この重ね合わせの転写により、転写紙100上にはフルカラートナー像が形成される。
トナー像転写後の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面がクリーニング装置によりクリーニングされ、更に除電されて次の静電潜像の形成に備えられる。
一方、フルカラートナー像が形成された転写紙100は、定着ユニット7でこのフルカラートナー像が定着された後、切換ガイドGの回動姿勢に対応して、第1の排紙方向Bまたは第2の排紙方向Cに向かう。第1の排紙方向Bから排紙トレイ8上に排出される場合、画像面が下となった、いわゆるフェースダウンの状態でスタックされる。一方第2の排紙方向Cに排出される場合には、図示していない別の後処理装置(ソータ、綴じ装置など)に向け搬送させるとか、スイッチバック部を経て両面プリントのために再度レジストローラ対5に搬送される。
次に、本実施形態の特徴点について説明する。
本実施形態においては、転写紙搬送方向最上流側の感光体であるY色の感光体11Yの線速V1yを転写搬送ベルト60の線速V2とほぼ同じ設定し、それより下流側にあるM色、C色、K色の感光体の線速V1m、V1c、V1kを転写搬送ベルト60の線速V2よりも速くなるように設定している。これにより、色ずれの発生を抑制することができるとともに、中抜け現象を抑制することができる。以下に、具体的に説明する。
図3は、感光体と転写搬送ベルト60の線速比と、100[μm]以上の色ずれ発生数とを調べた結果である。図3の×は、Y、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたときの線速比毎の100[μm]以上の色ずれ発生数を示したものであり、図中の○は、転写紙搬送方向最上流側の感光体であるY色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]とし、それ以降の感光体と転写搬送ベルト60との線速比を変更させたときの線速比毎の100[μm]以上の色ずれ発生数を示したものである。色ずれが100[μm]未満であれば、カラー画像を見たときに、色ずれが生じていることが認識されることがほとんどなく、通常のカラー画像の場合に許容できる範囲である。一方、100[μm]以上だと、見た目にも色ずれが生じていることが認識されてしまう。
なお、線速比は、感光体の線速が転写搬送ベルト60に対して何%大きいかを示す値であり、感光体の線速をV1、転写搬送ベルト60の線速をV2としたとき、次式によって表すことができる。
(式1)
線速比(%)={(V1−V2)/V2}×100
図からわかるように、感光体11と転写搬送ベルト60との線速比が大きくなるに従って100[μm]以上の色ずれの発生数が増加していることがわかる。線速比をつけた場合、転写材は、転写位置で感光体に対してすべりながら搬送されるようになる。このとき、感光体の一部分に摩擦係数の高い部分や、転写材の一部分に摩擦係数の高い部分があると、その部分が転写位置にきたとき感光体と転写材との摩擦力が、転写搬送ベルトと転写材との静電的な吸着力よりも強くなってしまう。その結果、その部分が転写位置にある間、転写材が転写搬送ベルト60上でスリップして、感光体によって、搬送されてしまう。このように感光体によって搬送される結果、転写材が次の転写位置へ通過するタイミングがずれてしまい、色ずれが生じてしまう。線速比が大きいと、感光体によって転写材が搬送されたときに転写搬送ベルト上の転写材の元の位置からのずれ量が大きくなる。このため、上記のようなスリップ発生の頻度が同じであったとしても、一回のずれ量が大きくなる結果、線速比の増加に伴って100[μm]以上の色ずれの発生数が増加したと考えられる。図に示すように、線速比が1.0%を越えると、100[μm]以上の色ずれ発生数が急激に増加した。このため、感光体11と転写搬送ベルト60との線速比は、1.0%以下に抑えるのが好ましい。
また、転写紙搬送方向最上流側の感光体であるY色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]としたものは、全ての感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたものに比べて、100[μm]以上の色ずれの発生数が低減がされていることがわかる。これは、転写紙搬送方向最上流側の感光体であるY色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]としている。よって、Y色トナー像が転写材に転写されるY色転写位置においては、感光体によって転写材が転写搬送ベルトよりも速く搬送されたり、遅く搬送されたりすることがない。その結果、このY色の転写位置において、転写材が次の転写位置へ通過するタイミングがずらされることがない。一方、Y、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたものは、Y色の転写位置においても、次の転写位置へ通過するタイミングがずれるおそれがある。このため、上記のようなスリップ発生の頻度が、Y色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]としたものに比べて増加する。よって、100[μm]以上の色ずれ発生数がY色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]としたものに比べて増加したと考えられる。
また、通常は、感光体の駆動モータ、感光体へ駆動モータの駆動力を伝達するギヤ、および、転写搬送ベルトの駆動モータ、転写搬送ベルト60へ駆動モータの駆動力を伝達するギヤなどの駆動系の公差などにより、±0.2%程度線速比に公差が生じてしまう。従って、Y色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]に設定していても、±0.2%の範囲で設定値と異なる場合がある。しかしながら、Y色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比が0.2%程度であれば、転写材が感光体によって搬送されたとしても、転写搬送ベルトト上のずらされる前の転写材の位置からのずれ量は、僅かであり、100[μm]以上の色ずれ発生数を、全色同時に設定したものに比べて、低減することができる。
図4は、転写紙搬送方向最上流側の感光体であるY色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比を0[%]とし、それ以降の感光体と転写搬送ベルト60との線速比を変更させたときの線速比毎の中抜けランクを調べたものである。最も中抜けが発生し易い状態、すなわち、厚紙を用い、この厚紙にブルー文字(C色トナーとM色トナーとの重ね合わせ画像)の中抜けランクを調べた。中抜けランクは、転写紙上に画像形成を行なった場合に、目視観察で「中抜け」部が発見されない状態をランク5、目視観察で「中抜け」部と判断することが難しいくらいに辛うじて「中抜け」部を発見できる状態をランク4、目視観察で「中抜け」部を辛うじて発見でき、その「中抜け」部が画像品質を損ねない状態をランク3、目視観察で「中抜け」部を比較的容易に発見できる状態をランク2、誰が観察しても「中抜け」部をすぐに発見できる状態(図5参照)をランク1としたものであり、画像品質を損ねないためには、ランク3以上が必要である。
図4に示すように、線速比を0.5%以上に設定すると、中抜けランクが3以上となり、画像品質を損ねないことがわかった。これは、線速比が大きいと、感光体とトナーとの間に働く剪断力が大きくなり、転写位置で感光体と転写材と接触しているトナーが感光体に付着しにくくなり、中抜けが抑制できる。
以上のことから、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルト60との線速比を、0.5〜1.0%に設定すれば、中抜けと色ずれとを良好に抑制することができる。なお、M色の感光体と転写搬送ベルト60との線速比は、0.5%よりも多少小さく設定しても良い。これは、C色のトナーは、転写材のY色のトナーとM色のトナーとが重ねられている部分に転写する場合が生じるが、M色のトナーは、転写材のY色のトナーの部分に転写するだけであるので、転写するときのトナー層厚の影響が、C色に比べて少ない。よって、転写材上に重ね合わせられる色のトナー像を担持する感光体のうち、転写搬送ベルト移動方向最下流側の感光体ではないM色の感光体は、転写材上に重ね合わせられる色のトナー像を担持する感光体のうち、転写搬送ベルト移動方向最下流側の感光体であるC色の感光体よりも多少低い線速比であっても、中抜けランクを3以上にすることができる。
また、K色のトナーは、転写材上のトナーに重ねられることがないので、、転写するときのトナー層厚の影響を受けない。このため、転写材上に重ね合わせられる色のトナー像を担持しないK色の感光体もC色の感光体よりも多少低い線速比に設定しても中抜けランクを3以上にすることができる。しかし、C色の感光体よりも下流側にあるK色の感光体の速度を遅くしてしまうと、C色とK色との間で、転写搬送ベルト60が撓んでしまうおそれがある。転写搬送ベルト60が撓んでしまうと、転写搬送ベルトが転写材を安定的に搬送することができなくなり、色ずれが生じるおそれがある。このため、転写搬送ベルト移動方向最下流側の感光体であるK色の感光体11Kと転写搬送ベルト60との線速比は、写材上に重ね合わせられる色のトナー像を担持する感光体のうち、転写搬送ベルト移動方向最下流側の感光体であるC色の感光体11Cと転写搬送ベルト60との線速比同様に、0.5〜1.0%に設定するのが好ましい。
通常、上述同様、駆動系の公差により、線速比が±0.2%程度公差が生じるので、この公差を考慮して、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルトとの線速比が0.7〜0.75%となるように、感光体の線速を設定する。これにより、駆動系の公差があっても、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルトとの線速比を0.5〜1.0にすることができ、中抜けおよび色ずれの発生を抑制することができる。
また、M、C、K色の感光体と転写搬送ベルト60の感光体との線速比を−0.5〜−1.0%(すなわち、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルトの線速よりも0.5〜1.0%遅くする)としても中抜けの現象は、抑制することができる。しかし、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルトの線速よりも0.5〜1.0%遅くすると、100[μm]以上の色ずれ発生数が増加してしまう。M、C、K色の線速を転写搬送ベルト60の線速よりも0.5〜1.0%速くした場合、感光体と転写材との摩擦力が高まったとき、転写材は、転写搬送ベルト移動方向にスリップが生じる。その結果、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動する。このとき、転写材がY色の転写位置にあるときは、Y色の感光体11YとY色転写ローラ67Yとに転写材が所定の転写圧で挟まれている。このため、Y色の転写ニップで、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して転写搬送方向移動方向に相対的に移動するのを抑制することができる。これは、Y色の感光体は、転写搬送ベルト62と等速で回転しているためである。具体的に説明すると、その他の色の転写位置においては、感光体が転写搬送ベルト62よりも速く回転している。このため、転写ニップに挟まれた転写材と感光体との間には、転写搬送ベルト移動方向側への剪断力が働いている。よって、その他の色の転写ニップでは、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動するのを抑制する効果が十分でない。しかし、Y色の感光体は、転写搬送ベルト62と等速で回転しているため上述のような転写搬送ベルト移動方向側に剪断力が働かない。よって、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動するとき、Y色の転写位置で転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動するのを抑制することができる。
一方、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルト60の線速よりも0.5〜1.0%遅くした(M、C、K色の感光体と転写搬送ベルト60の感光体との線速比を−0.5〜−1.0%とした)場合は、これらの感光体と転写材との摩擦力が高まったとき、転写材は、転写搬送ベルト移動方向と反対側にスリップが生じる。しかし、Y色の転写位置で、この転写搬送ベルト移動方向と反対側への相対的な転写材の移動を抑制することができない。その結果、転写搬送ベルト移動方向と反対側にスリップが生じた転写位置よりも下流側の転写位置において、転写材が所定よりも遅れて搬送されてしまい色ずれが生じてしまうのである。
また、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルト60の線速よりも速くした場合は、転写搬送ベルトの張架ローラのうち、転写搬送ベルトの転写材搬送領域で、Y色の感光体よりも転写搬送ベルト上流側のローラ61を駆動ローラとするのが好ましい。これは、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルト60の線速よりも速くした場合、転写搬送ベルトが感光体により転写搬送ベルト60移動方向に引っ張られる。このとき、駆動ローラを最下流側の62にすると、転写搬送ベルトの転写材搬送領域でベルトが撓んでしまい、転写材を良好に搬送できなくなり、色ずれが生じるおそれがある。一方、Y色の感光体よりも転写搬送ベルト上流側のローラ61を駆動ローラとすれば、C、M、Kの感光体によって転写搬送ベルトが引っ張られてても、転写搬送ベルトが転写材搬送領域で撓むことが抑制され、転写材を良好に搬送でき色ずれが生じるのを抑制することができる。
また、図6に示すように、各感光体11Y、M、C、Kと対向する位置に、感光体の線速を検知する速度検知手段110Y、110M、110C、110Kを設け、この検知手段110の検知結果に基づいて、感光体の速度を制御するようにしても良い。感光体の速度検知は、磁気的に行っても良いし、光学的に行っても良い。磁気的に感光体の速度を検知する速度検知手段としては、感光体のフランジ部などに、S極、N極が交互に着磁された検知部材を設け、この検知部材と対向する位置にMRセンサなどの磁気センサを設ける。この磁気センサで検知部材のN極とS極との検知間隔を測定することで、感光体の速度を検知することができる。また、光学的に感光体の速度を検知する速度検知手段110としては、感光体のフランジ部などに光を反射する部材にスリットを形成した検知部材を設け、この検知部材と対向する位置に光学センサを設ける。この光学センサで検知部材から反射した光を検知して、その検知間隔を測定することで、感光体の速度を検知することができる。
このように、速度検知手段110の検知結果に基づいて、感光体11の速度の制御を行えば、感光体11を駆動させる駆動モータや駆動モータの駆動力感光体11へ伝達するギヤなどの公差による速度変動を抑制することができる。その結果、Y色の感光体11Yと転写搬送ベルト60との線速比をほぼ0[%]にすることができ、色ずれの発生を抑制することができる。
また、M,C、K色の感光体11M、11C,11Kの速度を等速して、M,C、K色の感光体11M、C,Kと転写搬送ベルト60との線速比を同じに設定する場合、速度検知結果に基づいて感光体の速度を検知しない場合は、駆動系の公差により感光体間で最大で0.4%の速度差が生じるおそれがあった。このような速度差が生じると、速度が遅くなってしまった感光体の転写位置とこの転写位置よりも上流側の転写位置との間で転写材や転写搬送ベルト60が撓んでしまい、転写材を安定的に搬送できなくなり、色ずれが生じるおそれがあった。しかし、速度検知手段110M、C、Kの検知結果に基づいて、感光体の速度の制御を行えば、駆動系の公差による速度変動を抑制することができ、M,C、K色の感光体11M、C、Kの速度をほぼ等速にすることができる。これにより、転写材や、転写搬送ベルト60が撓んでしまうのを抑制することができ、色ずれの発生を抑制することができる。
また、本実施形態においては、感光体の速度を転写搬送ベルト移動方向下流側に行くに従って速くしても良い。この場合においても、転写搬送ベルト移動方向最上流側のY色の感光体の線速と転写搬送ベルトとの線速をほぼ等速にする。感光体の速度を転写搬送ベルト移動方向下流側に行くに従って速くすれば、転写位置間で転写搬送ベルトが撓むことが抑制され、転写材を転写搬送ベルトで良好に搬送することができる。また、転写搬送ベルト移動方向最上流側のY色の感光体の線速と転写搬送ベルトとの線速をほぼ等速としているので、Y色の転写位置で転写材の転写搬送ベルト上の位置がずれるのを抑制することができ、色ずれを抑制することができる。
また、温度または湿度を検出する環境条件測定手段を設け、この環境条件測定手段の検知結果に基づいて、感光体と転写搬送ベルトとの速度差を変化させるようにしても良い。転写搬送ベルトと転写材との静電的な吸着力が強く、転写材が転写搬送ベルト上でスリップしにくい低湿低温環境下においては、転写搬送ベルト移動方向最上流側のY色の感光体の線速と転写搬送ベルトとの線速をほぼ等速とし、これより下流のM,C,K色の感光体と転写搬送ベルトの間に線速差を設ける。これにより、Y色の転写位置で転写材の転写搬送ベルト上の位置がずれるのを抑制することができ、色ずれを抑制することができる。また、Y色の感光体よりも下流のM、C、Kの感光体と転写搬送ベルトの間に線速差を設けることで、「中抜け」現象を抑制することができる。
また、転写搬送ベルトと感光体との静電的な吸着力が低下して、感光体によって搬送されやすい高温高湿環境下においては、M、C、Kの感光体の線速も、Y色の感光体同様、転写搬送ベルトの線速とほぼ同じにする。これにより、M,C、K色の転写位置においても、Y色の転写位置同様に、転写材の転写搬送ベルト上の位置がずれるのを抑制することができ、色ずれを抑制することができる。また、高温高湿環境下では、トナーの流動性が比較的に高くなっている。転写搬送ベルトとM、C、K色の感光体との線速をほぼ同じにしても、「中抜け」現象が生じるのを抑制することができる。
また、図7に示すように、各感光体40Y,40M,40C,40Kの表面に形成された各単色画像を、一旦無端移動体たる中間転写ベルト10上に順次重なり合うように転写した後、これを転写材上に一括転写する中間転写方式を採用したタンデム型画像形成装置においても、本発明を適用することができる。
この中間転写方式のタンデム型画像形成装置において、Y色の感光体40Yの線速を中間転写ベルト10の線速とほぼ等速として、他のM,C、K色の感光体40M、C、Kの線速を中間転写ベルト10の線速よりも速くすることで、色ズレと中抜けを抑制することができる。各転写位置では、感光体上のトナーを中間転写ベルト10に転写するための転写バイアスが印加されており、この転写バイアスにより、中間転写ベルト10がプラスに帯電する。一方、感光体40は、帯電装置によりマイナスに帯電しているため、転写位置で中間転写ベルト10と感光体40との間に静電的な吸着力が働く。すると、中間転写ベルト10が感光体に静電的に吸着して、中間転写ベルト10の感光体40に吸着した部分が感光体40の線速で移動する。このとき、感光体40と中間転写ベルト10との間に線速差を設けていると、中間転写ベルト10の感光体40に吸着した部分に、感光体40の中間転写ベルト10との相対的な移動方向と反対方向のベルトの張力が働く。そして、ベルト張力が静電的な吸着力より大きくなると、中間転写ベルト10が感光体40から離れる。中間転写ベルト10が感光体40から離れると、ベルトの張力によって、感光体40の中間転写ベルト10との相対的な移動方向と反対方向に中間転写ベルト10が移動せしめられる。このようにして、転写位置で中間転写ベルト10の線速が変動することで、中間転写ベルト10の所定の位置にトナー像を転写することができなくなり、色ずれが生じる。無端移動体たる中間転写ベルト10の移動方向最上流側のY色の感光体40Yの線速を中間転写ベルト10の線速と同じとすることで、少なくともY色の転写位置において、上述のような速度変動が生じることがない。これは、線速が等速であるので、Y色の感光体40Yに中間転写ベルト10が静電吸着しても、中間転写ベルト10と中間転写ベルト10の感光体40と吸着した部分との間に速度差が生まれることがない。このため、Y色の感光体40Yに中間転写ベルト10が静電吸着しても、吸着した部分にベルトの張力が発生することがなく、中間転写ベルト10が感光体40から離れても、吸着した部分がベルトの張力によって移動せしめられることがない。その結果、Y色の転写位置で中間転写ベルト10が速度変動することがなく、所定の位置にY色のトナー像を転写することができる。その結果、Y、M、C、Kの全色の感光体と中間転写ベルトとの間に線速差を設けたものに比べて、色ずれを抑制することができる。
また、このY色の感光体40Yより中間転写ベルト移動方向下流側のM、C、K色の感光体40M、C,Kの線速を中間転写ベルト10の線速と異ならせることで、中抜けを抑制することができる。また、M、C、K色の感光体40M、C、Kの線速をY色の感光体40Yの線速よりも速くすれば、各転写位置間で中間転写ベルト10が撓むのを抑制することができ、中間転写ベルト10を安定的に搬送することができる。
また、感光体と中間転写ベルトとの線速比が大きくなれば、転写位置での速度変動が大きくなるため、色ずれが大きくなる。このため、特許文献1のように、全ての感光体と中間転写ベルトとの間に線速比を設け、かつ、感光体の速度を中間転写ベルト移動方向下流側に行くに従って速くすると、中間転写ベルト移動方向最下流側の感光体と中間転写ベルトとの線速比が大きくなりすぎてしまい、色ずれが大きくなる。しかし、中間転写ベルト移動方向最上流側のY色の感光体の線速を中間転写ベルトの線速と等速としているので、感光体の速度を中間転写ベルト移動方向下流側に行くに従って速くしても、中間転写ベルト移動方向最下流側のK色の感光体の線速と中間転写ベルトの線速との線速比が大きくなるのを抑制することができる。その結果、特許文献1に比べて、色ずれを抑制することができる。
次に、本実施形態に好適に使用されるトナーについて説明する。本プリンタに用いるY,M,C,Kトナーとして、次の(a)〜(d)の条件の少なくともひとつを具備していることが好ましい。
(a)平均円形度が0.90〜0.99である。
(b)形状係数SF−1が120〜180である。
(c)形状係数SF−2が120〜190である。
(d)粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)が1.05〜1.30である。
その理由を以下に説明する。
上記(a)の条件を具備するトナーが好適な理由は、以下のとおりである。即ち、平均円形度が0.90未満であるトナー、即ち、球形としてよりも不定形としての形状にあるトナーでは、転写性が急激に悪化するとともに、静電転写時における転写チリを急激に起こし易くなるからである。また、0.90未満であると、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのが困難になるからでもある。更には、平均円形度が0.99を越えると、ブレードクリーニングを採用している装置では、感光体や中間転写ベルトなどの被クリーニング体のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こし易くなるからでもある。画像面積率の比較的低い画像を出力する場合には、転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることは少ない。しかし、カラー写真画像など画像面積率の高い画像を出力する場合や、給紙不良等で未転写の状態の画像が感光体上に残ってしまった場合などに、特にクリーニング不良が発生し易くなる。なお、より好ましい平均円形度の範囲は0.93〜0.97であり、円形度が0.94未満になるトナー粒子を10%以下に留めると更に好適である。
トナーの平均円形度については、次のようにして測定することができる。即ち、まず、被検トナーのトナー粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的にその粒子画像を撮影する。そして、個々の粒子画像について、投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値を求めたものの平均値を算出する。この平均値が平均円形度である。かかる平均円形度を測定するには、例えばフロー式粒子像分析装置FPIA−2100(東亜医用電子株式会社製)などを用いるとよい。この装置を用いる場合には、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150[ml]中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に被検トナーを0.1〜0.5[g]程度加える。そして、この懸濁液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、分散液濃度を3000〜1[万個/μl]に調整したものを、上記装置にかけてトナーの形状及び分布を測定する。
上記(b)や(c)の条件を具備するトナーが好ましいのは、次の理由からである。即ち、形状係数SF−1や形状係数SF−2は、トナーの形状を表すパラメータの一つであり、粉体工学の分野では馴染みのパラメータである。ここで言う形状係数SF−1とは、トナー粒子等の球形物質における丸さの度合いを示す値である。図8に示すように、球形物質を2次元平面上に投影して得られる楕円状図形における最大径箇所の長さMXLNGの二乗を面積AREAで除算し、更に100π/4を乗じた値である。つまり、次式によって表すことができる。なお、形状係数SF−1の値が100の球形物質は真球であり、SF−1の値が大きくなるほど、球形物質の形状は不定形となる。
(式2)
形状係数SF−1={(MXLNG)/AREA}×(100π/4)
また、形状係数SF−2は、球形物質の表面における凹凸の度合いを示す数値である。図9に示すように、球形物質を2次元平面上に投影して得られる図形の周長PERIの二乗を面積AREAで除算し、更に100/4πを乗じて求められる値である。つまり、形状係数SF−2は、次式によって表すことができる。なお、形状係数SF−2の値が100である球形物質は、その表面に凹凸が全く存在しない。形状係数SF−2の値が大きくなるほど、球形物質の表面の凹凸は顕著となる。
(式3)
形状係数SF−2={(PERI)/AREA}×(100/4π)
トナーの形状が真球に近づく(SF−1、SF−2ともに100に近づく)ほど、転写効率が高くなることが本発明者の検討により明らかになっている。これは、真球に近づくほど、トナー粒子とこれに接触するモノ(トナー粒子同士、像担持体など)との間の接触面積が小さくなって、トナー流動性が高まったり、モノに対する吸着力(鏡映力)が弱まって転写電界の影響を受け易くなったりするためと考えられる。本発明者の研究によれば、形状係数SF−1で180、形状係数SF−2で190をそれぞれ超えると、転写効率を急激に悪化させ始めることが明らかになった。
但し、トナーの形状が真球に近づくほど、メカ的なクリーニング(ブレードクリーニング等)に対して不利に働く。これは、トナー流動性が高まったり、クリーニング部材と被クリーニング体との僅かな間隙をトナーが容易に通過したりするためと考えられる。本発明者らの研究によれば、形状係数SF−1、形状係数SF−2ともに、120を下回ると、クリーニング性が急激に悪化し始めることが明らかになった。
なお、形状係数SF−1や形状係数SF−2については、次のようにして求めることが可能である。即ち、日立製作所製FE−SEM(S−800)を用い、トナー粒子を無作為に100個選んで順次その画像を撮影し、その画像情報をニレコ社製画像解析装置(LUSEX3)に導入してMXLING、AREA、PERIを求める。そして、上述した式によって得た形状係数の100個あたりの平均値として算出するのである。
上記(d)の条件を具備するトナーが好ましいのは次の理由からである。。即ち、粒度分布(体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dn)とは、トナーの粒度分布を表すパラメータの一つである。体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dnが1.05〜1.30、好ましくは1.10〜1.25である乾式トナーでは、トナーの粒度分布が狭くなるため、様々なメリットが発生する。
例えば、体積平均粒径Dvが4〜8[μm]であり、且つ、体積平均粒径Dv/個数平均粒径Dnが1.05〜1.30である粉体トナーでは、次のようなメリットがある。即ち、その中から、静電潜像のパターンに適した粒径のトナー粒子が他のトナーに優先して現像に寄与するといった現象が進みやすいため、様々なパターンの画像を安定して形成することができる。また、感光体等の像担持体に残留したトナーを回収してリサイクル使用する構成を装置に採用している場合、転写されにくい小サイズのトナー粒子が量的に多くリサイクルされる。このようなリサイクルにおいて粒度分布の比較的大きいものを用いると、新たなトナー補給から次のトナー補給に至るまでの粒度変動が大きくなり、現像性能に悪影響を及ぼしてしまう。また、体積平均粒子径Dvが上述の範囲よりも小さいトナーでは、二成分現像剤として用いた場合に現像装置における長期の攪拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる。また、一成分現像剤として用いた場合には現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化する為のブレード等の部材へのトナーの融着を発生させ易くなる。逆に、体積平均粒子系Dvが上述の範囲よりも大きいと、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなると共に、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることが多くなる。
また、上記の特性を満たすことにより、トナーのベタ埋まりが良くなる。よって、トナー付着量を少なくしても良好な画像濃度が得られる。一般的に、画像濃度の高い部分のトナー付着量は多くなり、画像濃度の低い部分のトナー付着量は少なくなる。トナー付着量の多い部分と少ない部分との差が大きいと、付着しているトナー嵩が大幅に異なってしまい、トナー付着量が少ない部分にかかる圧力がトナー付着量の多い部分部分に比べて弱くなる。その結果、トナー付着量が少ない部分が圧力により十分に粘度低下せずに定着性が悪くなるおそれがある。しかし、上記の特性を満たすことにより、トナー付着量を少なくしても良好な画像濃度が得られる。このため、画像濃度の高い部分のトナー付着量を抑えることができ、画像濃度の高い部分と低い部分とでトナー付着量の差を少なくすることができる。その結果、画像濃度の高い部分と低い部分とでトナーの嵩が大幅に異なることがなくなり、画像濃度の低い部分も圧力により十分に粘度低下し、転写紙に定着することができる。
なお、トナーの粒度分布については、コールターカウンター法による測定装置、例えば、コールターカウンターTA−IIやコールターマルチサイザーII(いずれもコールター社製)によって測定することができる。具体的には、まず、電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩)を0.1〜5ml加える。電解水溶液としては1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)を用いることができる。得られた溶液に更に測定試料を2〜20mg加える。そして、その溶液を超音波分散器で約1〜3分間分散処理し、上述した測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径Dv、個数平均粒径Dnを求めることができる。なお、チャンネルとしては、2.00〜2.52μm未満;2.52〜3.17μm未満;3.17〜4.00μm未満;4.00〜5.04μm未満;5.04〜6.35μm未満;6.35〜8.00μm未満;8.00〜10.08μm未満;10.08〜12.70μm未満;12.70〜16.00μm未満;16.00〜20.20μm未満;20.20〜25.40μm未満;25.40〜32.00μm未満;32.00〜40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満のトナー粒子を対象とする。
(1)
以上、本実施形態の画像形成装置によれば、転写紙搬送方向最上流側の像担持体たる感光体の線速と無端移動体たる転写搬送ベルト60の線速をほぼ同じに設定している。これにより、全ての感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたものに比べて、100[μm]以上の色ずれの発生数を低減することができる。
また、中抜け現象が生じやすい、転写搬送ベルト移動方向最上流の感光体よりも下流側に位置する感光体においては、感光体と転写搬送ベルトとの線速比を異ならせているので、各転写位置で感光体とトナーとの間に剪断力が働き、中抜けを抑制することができる。
(2)
また、転写搬送ベルト60の移動方向最上流側の感光体と転写搬送ベルト60との線速比を±0.2%以下として、転写搬送ベルト60の移動方向最上流側の感光体と転写搬送ベルトとの線速をほぼ同じにすることで、全ての感光体と転写搬送ベルト60の線速比を全て同じ設定としたものに比べて、100[μm]以上の色ずれの発生数を低減することができる。
(3)
さらに、転写搬送ベルト60の移動方向最上流側の感光体と転写搬送ベルト60との線速比を0%として、転写紙搬送方向最上流側の像担持体たる感光体の線速と無端移動体たる転写搬送ベルト60の線速を同じに設定すれば、より色ずれの発生を抑制することができる。
(4)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、無端移動体移動方向最下流側の感光体と無端移動体との線速比を0.5〜1.0%に設定している。無端移動体移動方向最下流側の感光体と無端移動体との線速比を0.5%以上に設定することで、図4に示すように、中抜けランクが3以上となり、画像品質を損ねるような中抜けが発生するのを抑制することができる。また、無端移動体移動方向最下流側の感光体と無端移動体との線速比を1.0%以上に設定することで、図3に示すように、100[μm]以上の色ずれが発生するのを抑制することができる。
(5)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体の線速よりも、これより下流側に位置する感光体の線速を速めている。これにより、転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体(Y色の感光体)より下流側に位置する各感光体の線速が、転写搬送ベルトの線速よりも速まる。転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体より下流側に位置する感光体と転写材との摩擦力が高まったとき、転写搬送ベルト移動方向に転写材がスリップする。その結果、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動する。このとき、転写材の一部が転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体が形成する転写ニップに挟まれていると、以下のような効果が得られる。すなわち、転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体は、転写搬送ベルト62と等速で回転しているため、転写材と感光体との間に、転写搬送ベルト移動方向側への剪断力が働かない。よって、転写材が転写搬送ベルト移動方向に転写搬送ベルト60に対して相対的に移動するのを転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体が抑制する。これにより、転写材が、所定のタイミングよりも早く次の転写位置へ搬送されてしまうのを抑制することができ、色ずれが生じるのを抑制することができる。
また、M、C、K色の感光体の線速を転写搬送ベルト60の線速よりも速くしたので、転写搬送ベルトが感光体により転写搬送ベルト60移動方向に引っ張られる。これにより、各転写位置間で転写搬送ベルトが撓むことが抑制される。その結果、転写材が各転写位置間で紙搬送ベルトによって良好に搬送されなくなるのを抑制することができ、色ずれが生じるのを抑制することができる。
(6)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、上記転写搬送ベルトを駆動する駆動ローラを、転写搬送ベルトの転写材搬送領域、かつ、転写搬送ベルト移動方向最上流側の感光体よりも上流側に配置している。最下流に駆動ローラを設けた場合は、各像担持体によって引っ張られた転写搬送ベルトが最下流の駆動ローラによってせき止められてしまう。これは、駆動ローラは、転写搬送ベルトに駆動を伝達するために駆動ローラと転写搬送ベルトとが滑らないようにされているためである。このように、引っ張られた転写搬送ベルトが駆動ローラによって堰き止められてしまうため、転写搬送ベルトの転写材搬送領域で転写搬送ベルトが撓んでしまう。転写搬送ベルトの転写材搬送領域で転写搬送ベルトが撓んでしまうと、転写搬送ベルトが転写材を吸着できなくなってしまうため、良好な搬送性が確保できなくなってしまう。その結果、色ずれが発生してしまうおそれがある。しかし、上述のように、駆動ローラを上流側に配置すれば、感光体によって引っ張られた転写搬送ベルトが転写搬送ベルトの転写材搬送領域で堰き止められることがない。その結果、転写搬送ベルトの転写材搬送領域で転写搬送ベルトが撓むことが抑制され、転写材を良好に搬送できなくなることを抑制することができ、色ずれが発生するのを抑制することができる。
(7)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、各感光体体毎に感光体の線速を検知する速度検知手段を備え、この速度検知手段の検知結果に基づいて、各感光体の速度を制御している。これにより、感光体を駆動する駆動ローラや感光体に駆動力を伝達するギヤなどの公差による、感光体の速度変動を抑制することができ、感光体を設定された線速で回転させることができる。その結果、転写搬送ベルト60の移動方向最上流側の感光体と転写搬送ベルト60との線速比をほぼ0%にすることができ、色ずれの発生を良好に抑制することができる。
(8)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、、トナー像の形成に用いるトナーとして、0.90〜0.99の平均円形度のものを用いている。このことにより、安定した静電転写率を発揮して転写不足を抑えながら、転写チリをも抑えた高画質の画像を形成することができる。
(9)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、トナー像の形成に用いるトナーとして、120〜180の形状係数SF−1のものを指定しているので、転写不足と転写チリとをより抑えた高画質の画像を形成することができる。さらに、トナー像の形成に用いるトナーとして、120〜190の形状係数SF−2のものを用いているので、転写不足と転写チリとを更に抑えた高画質の画像を形成することができる。
(10)
また、本実施形態の画像形成装置によれば、トナー像の形成に用いるトナーとして、体積平均粒径Dvを個数平均粒径Dnで除算した値が1.05〜1.30であるものを用いているので、安定した現像性能で現像された高画質の画像を得ることができる。
また、上記の特性を満たすことにより、トナーのベタ埋まりが良くなる。よって、トナー付着量を少なくしても良好な画像濃度が得られる。一般的に、画像濃度の高い部分のトナー付着量は多くなり、画像濃度の低い部分のトナー付着量は少なくなる。トナー付着量の多い部分と少ない部分との差が大きいと、付着しているトナー嵩が大幅に異なってしまい、トナー付着量が少ない部分にかかる圧力がトナー付着量の多い部分部分に比べて弱くなる。その結果、トナー付着量が少ない部分が圧力により十分に粘度低下せずに定着性が悪くなるおそれがある。しかし、上記の特性を満たすことにより、トナー付着量を少なくしても良好な画像濃度が得られる。このため、画像濃度の高い部分のトナー付着量を抑えることができ、画像濃度の高い部分と低い部分とでトナー付着量の差を少なくすることができる。その結果、画像濃度の高い部分と低い部分とでトナーの嵩が大幅に異なることがなくなり、画像濃度の低い部分も圧力により十分に粘度低下し、転写紙に定着することができる。
本実施形態に係るレーザプリンタの概略構成図。 転写ユニットの概略構成を示す拡大図。 感光体と転写搬送ベルト60の線速比と、100[μm]以上の色ずれ発生数とを調べた結果を示す図。 Y色の感光体と転写搬送ベルトとの線速比を0[%]とし、それ以降の感光体と転写搬送ベルトとの線速比を変更させたときの線速比毎の中抜けランクを調べた結果を示す図。 中抜けランク1の状態を示す図。 速度検知手段を設けた構成を示す図。 中間転写方式を採用したタンデム型画像形成装置を示す図。 形状係数SF−1を説明するためにトナー形状を模式的に表した説明図。 形状係数SF−2を説明するためにトナー形状を模式的に表した説明図。
符号の説明
1Y、1M、1C、1K トナー像形成部
11Y、11M、11C、11K 感光体ドラム
60 転写搬送ベルト
110Y、110M、110C、110K 速度検知手段

Claims (10)

  1. 互いに異なる色のトナー像を担持する複数の像担持体と、れぞれの像担持体との対向位置を順次通過するように表面を無端移動させる無端移動体と、それぞれの像担持体が担持するトナー像を、該無端移動体の表面に保持される転写材に転写するか、あるいは該無端移動体の表面に転写した後に転写材に転写してカラー画像を形成する画像形成装置において、
    該無端移動体の移動方向最上流側の像担持体の線速と該無端移動体の線速とがほぼ同じとなるように、該無端移動体の移動方向最上流側の像担持体および該無端移動体の線速を設定し、それ以降の像担持体の線速と無端移動体の線速とを異ならせたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項1の画像形成装置において、
    上記無端移動体の移動方向最上流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を±0.2%以下にしたことを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項2の画像形成装置において、
    上記無端移動体の移動方向最上流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を0%にしたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1乃至3いずれかの画像形成装置において、
    上記無端移動体の移動方向最下流側の像担持体と上記無端移動体との線速比を0.5〜1.0%にしたことを特徴とする画像形成装置。
  5. 請求項1乃至4いずれかの画像形成装置において、
    上記無端移動体移動方向最上流側の像担持体の線速よりも、該無端移動体移動方向最上流側の像担持体よりも下流側に位置する像担持体の線速を速めたことを特徴とする画像形成装置。
  6. 請求項5の画像形成装置において、
    上記無端移動体は、複数のローラに張架され無端移動する無端ベルトであって、該無端ベルトを駆動する駆動ローラを、該無端ベルトの上記転写媒体搬送領域、かつ、無端ベルト移動方向最上流側の像担持体よりも上流側に配置したことを特徴とする画像形成装置。
  7. 請求項1乃至6いずれかの画像形成装置において、
    上記各像担持体毎に像担持体の線速を検知する像担持体速度検知手段を備え、該像担持体速度検知手段の検知結果に基づいて、各像担持体の速度を制御することを特徴とする画像形成装置。
  8. 請求項1乃至7いずれかの画像形成装置において、
    上記トナー像を形成するトナーとして、平均円形度が0.90〜0.99であるトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  9. 請求項1乃至8いずれかの画像形成装置において、
    上記トナー像を形成するトナーとして、形状係数SF−1が120〜180であり、形状係数SF−2が120〜190であるトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1乃至9いずれかの画像形成装置において、
    上記トナー像を形成するトナーとして、体積平均粒径Dvを個数平均粒径Dnで除算した値が1.05〜1.30であるトナーを用いたことを特徴とする画像形成装置。
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