JP2004029337A - 画像形成装置 - Google Patents

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西田 聡
Hiroaki Miho
三保 広晃
Shigetaka Kurosu
黒須 重隆
Hiroshi Morimoto
森本 浩史
Masashi Saito
齊藤 正志
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Abstract

【課題】ブラシローラを利用した潤滑剤塗布機構を備え、ブラシローラの駆動時の負荷変動の低減、またはブラシローラの駆動トルクの低減化が図られ、高画質の画像が得られる画像形成装置の提供。
【解決手段】潤滑剤を像担持体に塗布する塗布機構を備えてなり、塗布機構は、下記〔1〕または〔2〕に示す構成を有する。
〔1〕潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、ブラシローラ駆動手段とにより構成され、駆動手段がベルト伝達機構よりなる。
〔2〕潤滑剤塊状体と、ブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成され、ブラシローラが、その回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されている。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、電子写真方式を利用した画像形成装置に関し、像担持体等に対してブラシローラを利用して潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、例えば、電子写真方式を利用した画像形成装置においては、像担持体上に形成されたトナー像を転写材または中間転写体に転写する方法の一として、例えば円筒状の芯金の外周面に弾性体(例えばゴム材料)よりなる被覆層が形成されてなる転写ローラを利用した接触転写方式が知られている。
このような転写方式を利用した画像形成装置においては、転写ローラの軸方向における中心位置付近のトナー像が転写ローラ上に残留して転写されない現象、いわゆる「中ヌケ現象」が発生しやすいという問題がある。
このような問題を解決するための手段の一として、像担持体に潤滑剤を塗布して像担持体上に潤滑膜を形成することが行われている。
【0003】
また、像担持体における非画像部に付着する不要なトナー量を低減させて地肌汚れのない画像を得る、あるいは像担持体の表面状態を常にリフレッシュすることにより像担持体の長寿命化を図る、という理由からも、潤滑剤を像担持体に塗布することが行われている。
【0004】
潤滑剤を像担持体に塗布する方法としては、例えば、潤滑剤塊状体がブラシローラに当接された状態とされると共にブラシローラが像担持体に当接された状態とされて、ブラシローラが潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されて設けられてなる塗布機構を用い、ブラシローラを回転させて潤滑剤塊状体の表面を摺擦させることにより潤滑剤を掻き取り、潤滑剤を担持させた状態においてブラシ繊維により像担持体の表面を摺擦することにより潤滑剤を像担持体に塗布する方法が広く利用されている(例えば、特開2000−75752号公報、特開2001−282043号公報等参照)。ここに、ブラシローラは、所定の量の潤滑剤を像担持体に塗布するために、像担持体に対するブラシ繊維の食い込み量が所定の大きさに設定されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような潤滑剤塗布機構においては、ブラシローラが、常時、像担持体および潤滑剤塊状体と接触した状態とされており、ブラシローラが像担持体および潤滑剤塊状体と接触状態のまま長時間放置された場合(画像形成が行われない待機時間が長時間に亘った場合)には、ブラシローラと像担持体との接触部およびブラシローラと潤滑剤塊状体との接触部において、ブラシローラを構成するブラシ繊維が部分的に倒れた状態になる(毛倒れの発生)、という問題がある。
【0006】
そして、ブラシ繊維の毛倒れがブラシローラに生じたままの状態で画像形成が行われる場合には、不均一な表面密度となったブラシ繊維が像担持体の表面を摺擦することとなり、ブラシ繊維が寝ている部分とブラシ繊維が起きている部分とでは像担持体に対する負荷にバラツキが生じ、この負荷変動に起因する微小な振動が像担持体に伝達されるため、一連の画像形成動作が外乱が生じた状態で行われることとなり、画質の高い画像を形成することが困難である。
【0007】
一方、画像形成装置全体の小型化、材料コストの低減化を図るなどの理由から、外径の大きさが比較的に小さいブラシローラを用いることが望まれる。
【0008】
しかしながら、ブラシローラは、その外径の大きさが高い精度を有するものではなく、外径の大きさによっても異なるが例えば±0.3mm程度の誤差を有しており、特に、外径の小さいものを用いた場合には、ブラシローラの像担持体に対する食い込み量(当接状態)の設定が極めて困難になると共に、ブラシローラの像担持体に対する摩擦抵抗が大きくなるために、ブラシローラの駆動トルクを高く設定することが必要とされ、これにより、ブラシローラの像担持体に対する擦過力が過大となって潤滑剤による潤滑作用が十分に得られなくなるため、像担持体の特性を早期に低下させる場合がある。
【0009】
本発明は、以上のような事情に基づいてなされたものであって、その目的は、ブラシローラを利用した潤滑剤塗布機構を備え、基本的に、潤滑剤による潤滑作用により高い転写特性および高いクリーニング特性を得ることができると共に像担持体の長寿命化を図ることができ、しかも、ブラシローラの回転駆動時における負荷変動を低減することができ、従って、画質の高い画像を確実に形成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0010】
本発明の他の目的は、ブラシローラを利用した潤滑剤塗布機構を備え、基本的に、潤滑剤による潤滑作用により高い転写特性および高いクリーニング特性を得ることができると共に像担持体の長寿命化を図ることができ、しかも、ブラシローラの駆動トルクを低減することができ、従って、潤滑剤が塗布されるべき構成部材の所期の特性を長期にわたって確実に得ることができ、画質の高い画像を確実に形成することができる画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は、下記〔1〕〜〔8〕のいずれかの形態をとることにより達成することができる。
【0012】
〔1〕潤滑剤が像担持体の表面に塗布された状態において、当該像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
潤滑剤を像担持体に塗布するための潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
【0013】
〔2〕回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
像担持体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
【0014】
〔3〕中間転写体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を中間転写体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする〔2〕に記載の画像形成装置。
【0015】
〔4〕回転される像担持体に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
二次転写手段に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
【0016】
〔5〕潤滑剤が像担持体の表面に塗布された状態において、当該像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
潤滑剤を像担持体に塗布するための潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
ブラシローラは、その回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【0017】
〔6〕回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
ブラシローラは、その回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【0018】
〔7〕中間転写体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を中間転写体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成され、
ブラシローラは、その回転軸が中間転写体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と中間転写体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする〔6〕に記載の画像形成装置。
【0019】
〔8〕回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
二次転写手段に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を二次転写手段に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
ブラシローラは、その回転軸が二次転写手段に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と二次転写手段とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【0020】
【作用】
上記〔1〕〜〔4〕の画像形成装置によれば、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の像担持体に対する付着力(吸着力)が低減されるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性が得られると共に像担持体の所期の特性が長期にわたって確実に発揮され、しかも、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラが弾性を有するベルトにより回転されることにより、部分的な毛倒れがブラシローラに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの部分的な毛倒れに伴う駆動時の負荷変動がベルトそれ自体の弾性によって緩衝されるので、一連の画像形成動作がブラシローラの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
また、中間転写体を利用した画像形成装置において、潤滑剤が二次転写手段に塗布されることにより、潤滑剤が像担持体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写手段に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【0021】
上記〔5〕〜〔8〕の画像形成装置によれば、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の像担持体に対する付着力(吸着力)が低減されるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性が得られると共に像担持体の所期の特性が長期にわたって確実に発揮され、しかも、ブラシローラの回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能な状態とされていることにより、潤滑剤塊状体、ブラシローラおよび潤滑剤が塗布されるべき構成部材(例えば像担持体)の三者の関係が、潤滑剤が塗布されるべき構成部材に対するブラシローラの当接圧および潤滑剤塊状体に対するブラシローラの当接圧が平均化された平衡状態に常に維持されるので、部分的な毛倒れがブラシローラに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの毛倒れに伴う像担持体に対する負荷のバラツキが補償される結果、一連の画像形成動作がブラシローラの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
また、中間転写体を利用した画像形成装置において、潤滑剤が二次転写手段に塗布されることにより、潤滑剤が像担持体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写手段に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照して詳細に説明する。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の画像形成装置の一例における構成の概略を示す説明図、図2は、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラと像担持体との当接状態を示す説明図である。
【0023】
この画像形成装置は、回転される像担持体であるドラム状の感光体10と、各々、この感光体10の外周面に沿って、感光体10の回転方向に対して動作順に並ぶよう配設された、感光体10の表面を帯電させる帯電手段11、感光体10の表面を露光することにより静電潜像を形成する露光手段12、トナーを含む現像剤を用いて静電潜像を顕在化させることによりトナー像を形成する現像手段13、感光体10上のトナー像を転写領域において転写材に転写する転写手段14、感光体10に密着した状態にある転写材を分離させる分離手段15、潤滑剤を感光体10の表面に塗布する潤滑剤塗布機構20および転写領域を通過した感光体10上の残留トナーを除去するクリーニング手段16とを備えている。図1において、13Aは、感光体10と現像領域を介して対向して配置された、トナーを含む現像剤を現像領域に搬送するための現像スリーブ、17は、転写材の搬送方向において転写領域より下流側の位置に設けられた定着手段である。
【0024】
感光体10は、例えば、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層がドラム状金属基体の外周面に形成されてなる有機感光体よりなり、搬送される転写材の幅方向(図1において、紙面に対して垂直な方向)に伸びる状態で配設されている。
【0025】
転写手段14は、感光体10の表面に押圧された状態で転写領域を形成するよう配設された転写ローラ14Aと、この転写ローラ14Aに接続された、例えば定電流電源よりなるバイアス印加手段14Bとにより構成されており、適正な大きさに制御された転写バイアスをバイアス印加手段14Bによって転写ローラ14Aに印加して転写電界を形成することにより感光体10上のトナー像を転写材に転写する、いわゆる接触転写方式のものである。
【0026】
転写ローラ14Aは、例えばステンレスなどの導電性芯金の周面に、例えばポリウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、シリコーンゴムなどのゴム材料に、カーボンなどの導電性フィラーが分散されてなる、あるいはイオン性の導電材料が含有されてなるソリッド状態または発泡スポンジ状態の半導電性ゴムよりなる被覆層が形成されて構成されている。
転写ローラ14Aは、その体積抵抗値が105 〜109 Ωcm、ゴム硬度(アスカーC硬度)が20〜70°のものであることが好ましい。
転写ローラ14Aの感光体10に対する当接荷重は、例えば6〜10Nであることが好ましい。
【0027】
バイアス印加手段14Bにより転写ローラ14Aに印加される転写電流値は、感光体10の感光層の厚さや転写ローラ14Aの抵抗値の大きさによっても異なるが、絶対値で50〜200μAであることが好ましい。
【0028】
分離手段15は、適正な大きさに制御された分離電圧を放電部材に印加して分離電界を形成し、これにより、感光体10に密着した状態にある転写材の電荷を除去することにより転写材を分離させる構成のものが用いられており、具体的には、例えば、感光体10の軸方向に伸びるよう配設された矩形枠状の外匣内に、金属ワイヤーよりなる放電部材が感光体10の軸方向に伸びるよう感光体10と対向して設けられてなるもの、あるいは、先端部分において、三角舌片状に突出した放電用尖頭部の複数が互いに離間して感光体10の軸方向に並んだ状態で形成されてなる鋸歯状の電極板よりなる放電部材が、その基端部分が適宜の樹脂よりなる絶縁性ブロック体に固定されてなるもの等により構成することができる。
【0029】
クリーニング手段16は、例えば、ウレタンゴムなどの弾性体よりなり、先端エッジが感光体10の表面に当接した状態で、感光体10の軸方向に伸びるよう設けられた板状のクリーニングブレード16Aを備えてなる、いわゆるブレードクリーニング方式のものが用いられている。
クリーニングブレード16Aの感光体10に対する当接条件は、例えば、クリーニングブレード16Aの先端部が、感光体10との当接部分における感光体10の移動方向と反対方向(カウンター方向)に向く状態とされると共に、当接荷重が0.1〜30g/cm、当接角度が0〜40°とされることが好ましい。
【0030】
潤滑剤塗布機構20は、図2に示されているように、例えばステアリン酸亜鉛よりなる潤滑剤塊状体21と、回転されて潤滑剤塊状体21の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤(成分)を感光体10に塗布するブラシローラ22と、このブラシローラ22を回転させるためのブラシローラ駆動機構とを備えており、潤滑剤塊状体21は、例えばバネ材23よりなる押圧手段によって、ブラシローラ22に当接されるよう付勢されている。
【0031】
潤滑剤塗布機構20におけるブラシローラ22は、例えば、ポリプロピレンなどの樹脂性のブラシ繊維が高密度に植設されてなる長尺の織布がローラ基体の周面に螺旋状に巻き付けられてロール状に形成されてなるものにより構成されている。
ブラシローラ22は、各々のブラシ繊維の太さが例えば3〜7デニール、ブラシ繊維の毛長が2〜5mm、ブラシ繊維の植設密度(単位面積当たりのブラシ繊維数)が例えば50〜200k本/inch2 のものであることが好ましく、感光体10に対する食い込み量が例えば0.5〜1.0mmとなる状態とされている。ここにおける「感光体10に対する食い込み量」とは、感光体10が存在しない場合において、ブラシ繊維の先端が感光体10の外周縁より感光体10の法線方向内方に突出する量(長さ)の最大値である。
【0032】
ブラシローラ駆動機構は、弾性体よりなるベルトによって駆動源による動力をブラシローラ22に伝達するベルト伝達機構により構成されている。
具体的には、図3に示されているように、ブラシローラ駆動機構30は、ブラシローラ22の回転速度を調整するための速度調整用ギア32が、その回転軸32Aがブラシローラ22の回転軸22Aおよび感光体10の回転軸10Aと平行に伸びるよう配設されており、無端状のタイミングベルト33が適宜の動力伝達手段を介して駆動源に接続された感光体駆動用ギア31および速度調整用ギア32によって張架されてなる第1段のベルト伝達機構30Aと、無端状のタイミングベルト35が速度調整用ギア32およびブラシローラ駆動用ギア34によって張架されてなる第2段のベルト伝達機構30Bとにより構成されている。
【0033】
速度調整用ギア32が配設される位置は、目的に応じて適宜設定することができるが、タイミングベルト33、35の構成との関係において、ブラシローラ22の駆動トルクが過大となることを防止する、という理由から、感光体駆動用ギア31および速度調整用ギア32の軸間距離L1と、速度調整用ギア32およびブラシローラ駆動用ギア34の軸間距離L2とが、実質的に同等の大きさであり、軸間距離L1(L2)が50〜200mmとなる状態とされることが好ましい。
【0034】
各々のタイミングベルト33、35は、例えば、速度調整用ギア32およびブラシローラ駆動用ギア34が、感光体駆動用ギア31と同方向(図3においては時計方向)に回転されるよう平行掛けされており、これにより、ブラシローラ22が、感光体10との当接位置において感光体10の移動方向と逆方向に移動されるよう回転される構成とされている。
【0035】
第1段のベルト伝達機構30Aおよび第2段のベルト伝達機構30Bにおけるタイミングベルト33、35の各々は、そのたわみ量が1〜5mmとなる状態とされていることが好ましい。ここにおける「たわみ量」は、10Nの荷重をタイミングベルトに対して垂直な方向から作用させた場合における、荷重方向に対するたわみ量の最大値である。
各々のタイミングベルト33、35は、その張力が1〜10Nとなる状態とされていることが好ましい。
【0036】
第1段のベルト伝達機構30Aおよび第2段のベルト伝達機構30Bにおけるタイミングベルト33、35を構成する弾性体としては、例えばクロロプレンゴム、ウレタンゴム等のゴム材料を挙げることができる。
【0037】
ここに、ブラシローラ駆動機構30の数値例を示すと、感光体10の外径が30〜60mm、ブラシローラ22の外径が10〜20mm、感光体10の回転速度が60〜240mm/sec、速度調整用ギア32の回転速度が70〜240mm/sec、ブラシローラ22の回転速度が30〜240mm/sec、感光体10の回転速度に対するブラシローラ22の回転速度比(当接部における線速度比)が0.5〜1.0(カウンター方向)、ブラシローラ22の駆動トルクが5〜20Ncmである。
【0038】
以上の画像形成装置においては、次のようにして画像形成動作が行われる。
すなわち、駆動源による動力が適宜の動力伝達手段により伝達されて感光体10が回転駆動されると、ブラシローラ22がブラシローラ駆動機構30によって回転され、これにより、潤滑剤塊状体21の表面がブラシローラ22により摺擦されて掻き取られた潤滑剤が感光体10の表面に順次に塗布されて潤滑膜が形成される。
そして、潤滑膜が感光体10の表面に形成された状態において、感光体10が帯電手段11によって所定の極性(例えば負極性)に順次に帯電され、次いで、露光手段12によって露光されることにより、照射箇所(露光領域)の電位が低下されて原稿画像に対応した静電潜像が感光体10上に形成され、現像手段13における現像スリーブ13Aによって、感光体10の表面電位と同じ極性(例えば負極性)に帯電されたトナーを含む現像剤が、その搬送量が規制された状態で現像領域に搬送され、現像領域において、現像スリーブ13A上の現像剤が感光体10の表面に接触されると共に感光体10の表面電位と同じ極性(例えば負極性)の現像バイアスが現像スリーブ13Aに印加されることにより、現像剤におけるトナーが感光体10の静電潜像に付着して反転現像が行われ、これにより、トナー像が形成される。
【0039】
次いで、転写電流がその大きさが制御された状態で、バイアス印加手段14Bにより転写ローラ14Aに供給されることにより転写電界が転写領域に形成され、これにより、感光体10上のトナー像が転写材に転写された後、分離電圧がその大きさが制御された状態で分離手段15における放電部材に供給されることにより感光体10と密着した状態にある転写材が分離され、その後、定着手段17によって定着処理が行われる。
【0040】
一方、転写領域を通過して感光体10上に残留する残留トナーがクリーニング手段16によって除去されるが、クリーニングブレード16Aによるクリーニングが行われるに際して、ブラシローラ22によって、潤滑剤が感光体10の表面に塗布されると共に感光体10上の残留トナーの一部が掻き取られて除去され、実質上、残留トナーの他の全部がクリーニングブレード16Aによって除去される。
【0041】
而して、上記の画像形成装置よれば、基本的には、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の感光体10に対する付着力(吸着力)を低減させることができるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性を確実に得ることができ、その結果、「転写中ヌケ」等の転写不良を発生させることなしに、転写ローラ14Aによる転写プロセスを行うことができると共に、クリーニングプロセスをクリーニングブレード16Aの感光体10に対する当接条件を緩和した状態で行うことができ、感光体10に対する負荷を軽減することができる。また、感光体10に対する潤滑剤の塗布(潤滑膜の形成)、潤滑剤の除去 (潤滑膜の除去)が行われることにより、感光体10の表面状態が常にリフレッシュされた状態に維持されるので、感光体10の所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができる。
【0042】
しかも、潤滑剤塗布機構20におけるブラシローラ22が弾性を有するタイミングベルト33、35を含むベルト伝達機構によって回転されることにより、例えばブラシローラ22が感光体10および潤滑剤塊状体21と接触したままの状態で長時間放置されることにより感光体10および潤滑剤塊状体21との接触部において部分的な毛倒れがブラシローラ22に生じたままの状態で、画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラ22の部分的な毛倒れに伴う駆動時の負荷変動がタイミングベルト33、35それ自体の弾性によって緩衝(吸収)されるので、この負荷変動としての微小な振動が感光体10に対して影響を及ぼすことが確実に低減または防止され、その結果、一連の画像形成動作がブラシローラ22の毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われるので、画質の高い画像が確実に得られる。
【0043】
また、従来における潤滑剤塗布機構においては、上述したように、ブラシローラ22は、その外径が高い寸法精度を有するものではないので、外径寸法の大きさに対して寸法公差が大きい外径寸法が小さいものを用いることは困難であり、実際上、例えば外径13±0.3mmの規格のものを使用せざるを得なかったが、本発明によれば、ブラシローラ22の外径寸法のバラツキに起因して生ずる感光体10に対する負荷変動がタイミングベルト33、35それ自体の弾性により緩衝されるので、ブラシローラ22の感光体10に対する当接条件を緩和することができ、同じ外径寸法を有するものであっても、寸法公差が例えば0.7mm(13±0.7mm)のものまで好適に用いることができ、ブラシローラの選択の自由度が高くなる。
【0044】
以上においては、本発明がモノクロ画像形成装置に適用された場合について説明したが、カラー画像形成装置に対しても本発明を適用することができる。
図4は、本発明の画像形成装置の他の例における構成の概略を示す説明図である。
この画像形成装置は、像担持体に形成される互いに異なる色のトナー像を中間転写体に複数回(例えば4回)転写することにより当該中間転写体上で各色のトナー像を重ね合わせ、ここに形成されたカラートナー像を転写材に一括して転写することにより転写材上にカラートナー像を形成する、いわゆる中間転写方式のものである。
【0045】
具体的に説明すると、このカラー画像形成装置は、中間転写体である無端状の中間転写ベルト40を備えており、この中間転写ベルト40におけるトナー像形成ユニット配置領域には、中間転写ベルト40の移動方向に対して、4つのトナー像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kが互いに離間して並ぶよう設けられている。ここに、互いに隣接するトナー像形成ユニットにおける感光体の回転軸の軸間距離は、例えば90〜95mmである。
中間転写ベルト40は、各々のトナー像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける一次転写ローラ55Y、55M、55C、55Kによって、像担持体である感光体51Y、51M、51C、51Kの各々に対接されながら循環移動されるよう、例えば駆動ローラ41、従動ローラ42、バックアップローラ43およびテンションローラ44よりなる支持ローラ群に張架された状態とされている。
【0046】
中間転写ベルト40は、その体積抵抗値が例えば1×104 〜1×1012Ωcmの半導電性を有する樹脂により構成されていることが好ましく、具体的には、例えばポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)等の樹脂材料や、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム (CR)、ポリウレタンゴム等のゴム材料に、カーボン等の導電性フィラーが分散されてなるもの、あるいはイオン性の導電材料が含有されてなるもの等を用いることができる。
【0047】
第1のトナー像形成ユニット50Yにおいては、回転されるドラム状の感光体51Yを備え、この感光体51Yの外周面領域において、各々、感光体51Yの回転方向に対して、帯電手段52、露光手段53およびイエロートナーを含む現像剤により現像を行う現像手段54Yとが動作順に並ぶよう配設されており、感光体51Yの回転方向における現像領域より下流の位置には、適正な大きさに制御された転写バイアスを印加して転写電界を形成させることにより、感光体51Y上に形成されたトナー像を中間転写ベルト40に転写する一次転写ローラ55Yが設けられており、これにより、一次転写手段が構成されている。
そして、感光体51Yの回転方向における一次転写領域T1Yより下流の位置には、感光体クリーニング装置56が設けられている。
【0048】
他のトナー像形成ユニット50M、50C、50Kの各々についても、イエロートナー像に係る第1のトナー像形成ユニット50Yと同様の構成とされており、それぞれ、帯電手段52と、露光手段53と、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーを含む現像剤により現像を行う現像手段54M、54C、54Kと、一次転写ローラ55M、55C、55Kと、感光体クリーニング装置56とが、感光体51M、51C、51Kの回転方向に対して動作順に並ぶよう配置されている。
【0049】
中間転写ベルト40の移動方向におけるトナー像形成ユニット配置領域より下流の位置には、二次転写ローラ58が中間転写ベルト40を介してバックアップローラ43に押圧されて二次転写領域T2を形成するよう設けられており、この二次転写ローラ58に接続された、例えば定電流電源よりなるバイアス電圧印加手段(図示せず)によって適正な大きさの転写バイアスを印加することにより当該中間転写ベルト40上の一次転写トナー像を搬送されてきた転写材に転写する、接触転写方式の二次転写手段が構成されている。
二次転写ローラ58は、例えばガイド手段59に沿って搬送されてきた転写材が中間転写ベルト40と接触されるべき接触領域の、転写材の搬送方向における中心位置より±10mmの範囲内において二次転写領域T2が形成されるよう、位置されることが好ましい。
【0050】
二次転写手段には、二次転写ローラ58を中間転写ベルト40に対する離接方向に移動させるための駆動機構(図示せず)が設けられており、画像形成動作が行われない場合には、二次転写ローラ58が中間転写ベルト40より離間されて非接触状態とされると共に、中間転写ベルト40上に形成された一次転写トナー像を転写材に転写する場合(画像形成動作が行われる場合)には、二次転写ローラ58が中間転写ベルト40に当接されて接触状態とされる。
【0051】
二次転写ローラ58は、例えば、ステンレス鋼よりなる円筒状の導電性芯金の外周面に弾性体よりなる半導電性の被覆層が形成されて構成されている。
被覆層を構成する弾性体としては、特に限定されるものではないが、例えばポリウレタンゴム、エチレン−プロピレンゴム(EPDM)、シリコーンゴム等のゴム材料にカーボン等の導電性フィラーが分散されてなるもの、あるいは当該ゴム材料にイオン性の導電材料が含有されてなるものなどを挙げることができる。二次転写ローラ58は、その体積抵抗値が例えば1×105 〜1×107 Ωcmであるものであることが好ましく、ゴム硬度(アスカーC硬度)が例えば20〜70°であるものであることが好ましい。
【0052】
バックアップローラ43は、例えばステンレス鋼よりなる円筒状の導電性芯金の外周面に、弾性体よりなる半導電性の被覆層が形成されて構成されている。
被覆層を形成する材料としては、二次転写ローラ58における被覆層を構成する材料として例示したものを用いることができる。
バックアップローラ43は、その体積抵抗値が1×105 〜1×107 Ωのものであることが好ましい。
【0053】
以上の画像形成装置においては、各色トナー像に係るトナー像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体51Y、51M、51C、51Kの各々に対して潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が、感光体51Y、51M、51C、51Kの回転方向において一次転写領域T1Y、T1M、T1C、T1Kより下流側の位置に設けられている。
潤滑剤塗布機構の各々は、図2に示されているものと同様の構成を有するものであり、例えばステアリン酸亜鉛よりなる潤滑剤塊状体と、回転軸が感光体の回転軸と平行に伸びるよう設けられた、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を感光体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるためのブラシローラ駆動機構とを備えており、潤滑剤塊状体は、例えばバネ材よりなる押圧手段によって、ブラシローラに当接されるよう付勢されている。
【0054】
このカラー画像形成装置におけるブラシローラ駆動機構は、弾性体よりなるベルトによって、駆動源による動力をブラシローラの各々に伝達するベルト伝達機構により構成されている。
具体的には、図5に示されているように、弾性体よりなる無端状のタイミングベルト61が中間転写ベルト40を駆動させるための駆動ローラ41の回転軸41Aに設けられた中間転写ベルト駆動用ギア62および第1のトナー像形成ユニット50Yに係るブラシローラ22Yの回転軸221に設けられたブラシローラ駆動用ギア63Yによって張架されてなる主ベルト伝達機構60Aと、弾性体よりなる無端状のタイミングベルト65、65、65が互いに隣接する画像形成ユニットに係るブラシローラの回転軸221に設けられたブラシローラ駆動用ギアの2つ(63Yと63M、63Mと63C、63Cと63K)によって張架されてなる3つの副ベルト伝達機構60Bとにより構成されている。
【0055】
タイミングベルト61は、ブラシローラ駆動用ギア63Yが中間転写ベルト駆動用ギア62と逆方向(図3においては反時計方向)に回転されるよう十字掛けされており、また、タイミングベルト65の各々は、例えば、ブラシローラ駆動用ギア63M、63C、63Kの各々が、第1のトナー像形成ユニットに係るブラシローラ駆動用ギア63Yと同方向(図3においては時計方向)に回転されるよう平行掛けされており、これにより、各々のブラシローラ22Y、22M、22C、22Kが、それぞれ、感光体51Y、51M、51C、51Kとの当接位置において感光体51Y、51M、51C、51Kの移動方向と逆方向(カウンタ方向)に移動されるよう回転される構成とされている。
【0056】
主ベルト伝達機構60Aおよび副ベルト伝達機構60Bの各々におけるタイミングベルト61、65は、そのたわみ量が1〜5mmとなる状態とされていることが好ましく、その張力が1〜10Nとなる状態とされていることが好ましい。タイミングベルト61、65を構成する弾性体としては、図3に示すブラシローラ駆動機構30におけるタイミングベルトに用いられる材料として例示したものを用いることができる。
【0057】
ここに、ブラシローラ駆動機構60の数値例を示すと、駆動ローラ41の外径が10〜20mm、各々のブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの外径が10〜20mm、中間転写ベルト駆動用ギア62と第1のトナー像形成ユニット50Yに係るブラシローラ駆動用ギア63Yとの軸間距離L1が100〜200mm、互いに隣接するブラシローラ駆動用ギアの軸間距離L2が90〜95mm、中間転写ベルト40の移動速度が60〜240mm/sec、各々のブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの回転速度が30〜240mm/sec、各々のトナー像形成ユニットにおける感光体(例えば51Y)の回転速度に対するブラシローラ(例えば22Y)の回転速度比(当接部における線速度比)が0.5〜1.0(カウンター方向)、ブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの駆動トルクが5〜20Ncmである。
【0058】
このような構成の画像形成装置によれば、図1に示される画像形成装置と同様に、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって所期の転写特性および所期のクリーニング特性を確実に得ることができると共に、各々のトナー像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体51Y、51M、51C、51Kの所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができ、しかも、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの各々が弾性を有するタイミングベルトを含むベルト伝達機構によって回転されることにより、部分的な毛倒れがブラシローラ22Y、22M、22C、22Kに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの部分的な毛倒れに伴う駆動時の負荷変動がタイミングベルト61、65それ自体の弾性によって緩衝されるので、一連の画像形成動作がブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
【0059】
以上のような画像形成装置においては、上記構成の潤滑剤塗布機構が、例えば中間転写ベルト40の移動方向における二次転写領域T2より下流側の位置に設けられた構成とすることができ、さらに、上記構成の潤滑剤塗布機構が、例えば二次転写ローラ58の移動方向における二次転写領域T2より上流側の位置に設けられた構成とすることができる。
【0060】
潤滑剤が二次転写ローラ58に対して塗布される構成である場合には、ブラシローラ駆動機構を例えば図6に示されているような構成とすることができる。
具体的には、ブラシローラ71の回転速度を調整するための速度調整用ギア72が、その回転軸72Aがブラシローラ71の回転軸71Aおよび二次転写ローラ58の回転軸58Aと平行に伸びるよう配設されており、弾性体よりなる無端状のタイミングベルト73が二次転写ローラ駆動用ギア74および速度調整用ギア72によって張架されてなる第1のベルト伝達機構70Aと、弾性体よりなる無端状のタイミングベルト75が速度調整用ギア72およびブラシローラ駆動用ギア76によって張架されてなる第2のベルト伝達機構70Bとにより構成されている。
【0061】
速度調整用ギア72が配設される位置は、目的に応じて適宜設定することができるが、二次転写ローラ駆動用ギア74の回転軸58Aおよび速度調整用ギア72の回転軸72Aの軸間距離L1と、速度調整用ギア72の回転軸72Aおよびブラシローラ駆動用ギア76の回転軸71Aの軸間距離L2とが、実質的に同等の大きさであり、軸間距離L1(L2)が100〜200mmとなる状態とされていることが好ましい。
【0062】
タイミングベルト73、75の各々は、速度調整用ギア72およびブラシローラ駆動用ギア76が、二次転写ローラ駆動用ギア74と同方向(図6においては時計方向)に回転されるよう平行掛けされており、これにより、ブラシローラ71が、二次転写ローラ58との当接位置において二次転写ローラ58の移動方向と逆方向に移動されるよう回転される構成とされている。
【0063】
ここに、ブラシローラ駆動機構70の数値例を示すと、二次転写ローラ58の外径が25〜30mm、ブラシローラ71の外径が10〜20mm、二次転写ローラ58の回転速度が60〜240mm/sec、速度調整用ギア72の回転速度が70〜240mm/sec、ブラシローラ71の回転速度が30〜240mm/sec、二次転写ローラ58の回転速度に対するブラシローラ71の回転速度比(当接位置における線速度比)が0.5〜1.0(カウンター方向)、ブラシローラ71の駆動トルクが5〜20Ncmである。
【0064】
このような構成の画像形成装置によれば、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって所期の転写特性および所期のクリーニング特性を確実に得ることができると共に各々のトナー像形成ユニット50Y、50M、50C、50Kにおける感光体51Y、51M、51C、51Kの所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができ、しかも、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの各々が弾性を有するタイミングベルト73、75を含むベルト伝達機構によって回転されることにより、部分的な毛倒れがブラシローラ22Y、22M、22C、22Kに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの部分的な毛倒れに伴う駆動時の負荷変動がタイミングベルト73、75の弾性によって緩衝されるので、一連の画像形成動作がブラシローラ22Y、22M、22C、22Kの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
また、潤滑剤が二次転写ローラ58に塗布されることにより、潤滑剤が感光体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写ローラ58に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【0065】
<第2の実施形態>
上記の第1の実施形態においては、潤滑剤塗布機構が、ブラシローラの回転軸の軸位置が所定の位置に固定され、ブラシローラがベルト伝達機構によって駆動される構成とされているものについて説明したが、本発明においては、潤滑剤塗布機構を、以下に示すような構成のものとすることができる。
【0066】
図7は、本発明の画像形成装置に係る潤滑剤塗布機構の他の例における構成の概略を示す斜視図、図8は、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラの感光体および潤滑剤塊状体に対する当接状態を示す説明図である。
この潤滑剤塗布機構80は、基本的な構成は上記第1の実施形態における潤滑剤塗布機構20と同様とされており、例えばステアリン酸亜鉛よりなる固形状の潤滑剤塊状体81と、回転軸82Aが感光体10の回転軸と平行に伸びるよう設けられた、回転されて潤滑剤塊状体81の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を感光体10に塗布するブラシローラ82を備えており、潤滑剤塊状体81は、ブラシローラ82に当接されるよう、例えばバネ材83よりなる押圧手段によって感光体10に接近する方向に付勢されている。ここに、ブラシローラ82は、例えば、感光体10との当接位置において、感光体10の移動方向と逆方向に移動されるよう、適宜の駆動機構によって回転される構成とされている。
【0067】
この潤滑剤塗布機構80におけるブラシローラ82は、その両端面から突出して軸方向外方へ伸びる回転軸82Aが、感光体10に対する離接方向に沿って伸びるブラシローラ支持用長穴86が形成された支持部材85、85によって軸支されており、これにより、感光体10に対する離接方向に移動可能とされた状態で、感光体10と潤滑剤塊状体81とにより挟持されて設けられている。
支持部材85におけるブラシローラ支持用長穴86は、ブラシローラ82における回転軸82Aの移動が制限されない程度の大きさのものである。
【0068】
ブラシローラ82は、上記第1の実施形態における潤滑剤塗布機構20に係るものと同様の構成とされており、各々のブラシ繊維の太さが例えば3〜7デニール、ブラシ繊維の毛長が2〜5mm、ブラシ繊維の密度(単位面積当たりのブラシ繊維数)が例えば50〜200k本/inch2 のものであることが好ましく、感光体10に対する食い込み量が例えば0.5〜1.0mmとなる状態とされている。
【0069】
押圧手段であるバネ材83は、ブラシローラ82の感光体10に対する当接荷重が0.5〜20N、好ましくは5〜10Nとなるよう、潤滑剤塊状体81を感光体10に接近する方向に押圧するものが用いられている。ここに、ブラシローラ82の潤滑剤塊状体81に対する当接荷重は、実質上、ブラシローラ82の感光体10に対する当接荷重と同等の大きさである。
【0070】
上記構成の潤滑剤塗布機構80が設けられてなる画像形成装置によれば、基本的には、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の感光体10に対する付着力(吸着力)を低減させることができるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性を確実に得ることができ、その結果、「転写中ヌケ」等の転写不良を発生させることなしに、転写ローラ14Aによる転写プロセスを行うことができると共に、クリーニングプロセスをクリーニングブレード16Aの感光体10に対する当接条件を緩和した状態で行うことができ、感光体10に対する負荷を軽減することができる。また、感光体10に対する潤滑剤の塗布(潤滑膜の形成)、潤滑剤の除去(潤滑膜の除去)が行われることにより、感光体10の表面状態が常にリフレッシュされた状態に維持されるので、感光体10の所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができる。
【0071】
しかも、ブラシローラ82の回転軸82Aが感光体10に対する離接方向に移動可能な状態とされていることにより、潤滑剤塊状体81、ブラシローラ82および感光体10の三者の関係が、感光体10に対するブラシローラ82の当接圧および潤滑剤塊状体81に対するブラシローラ82の当接圧が平均化された平衡状態に常に維持されるので、例えばブラシローラ82が感光体10および潤滑剤塊状体81と接触したままの状態で長時間放置されることにより感光体10との接触部および潤滑剤塊状体81との接触部において部分的な毛倒れがブラシローラ82に生じたままの状態で、画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの毛倒れに伴う感光体10に対する負荷のバラツキが補償され、その結果、一連の画像形成動作がブラシローラ82の毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われるので、画質の高い画像が確実に得られる。
【0072】
また、感光体10に対する負荷変動による画像不良が生じることを確実に防止するためには、製造可能な寸法公差(精度)である±0.3mmより高い寸法精度を有するブラシローラ82を用いることが必要とされるが、ブラシローラ82の回転軸82Aを移動可能な状態とすることにより、外径の寸法公差が比較的大きなブラシローラ82を用いることができると共に、また、塊状潤滑剤81のブラシローラ82に対する押圧力に大きく依存する、ブラシローラ82の感光体10に対する摺擦トルクの大きさを、潤滑剤による十分な潤滑作用を得るために必要とされる最低限度の大きさとなるよう当該押圧力の大きさを設定することができ、その結果、ブラシローラの感光体に対する当接条件を緩和することができるので、ブラシローラ82の駆動トルクが低減され、これにより、ブラシローラ82の感光体10に対する擦過力を低減することができ、従って、感光体10の所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができる。
【0073】
さらに、第1の実施形態に係る潤滑剤塗布機構と同様に、ブラシローラ82の外径寸法のバラツキに起因して生ずる感光体10に対する負荷変動が、ブラシローラ82の回転軸82Aの移動により緩衝されるので、ブラシローラ82の感光体10に対する当接条件を緩和することができ、従来であれば、外径の寸法公差が例えば±0.3mmであるような高い寸法精度を有するものを用いる必要がなく、外径の寸法公差が例えば±0.7mmまでのものを好適に用いることができる。
【0074】
また、上記の潤滑剤塗布機構は、図4に示されているようなカラー画像形成装置において、各色トナー像に係るトナー像形成ユニットにおける感光体の各々に対して潤滑剤を塗布するためのものに適用することができる。
また、図4に示されているようなカラー画像形成装置においては、上記の潤滑剤塗布機構が、中間転写ベルトの移動方向における二次転写領域より下流側の位置に設けられた構成、あるいは二次転写ローラの回転方向における二次転写領域より上流側の位置に設けられた構成とすることができる。
【0075】
上記構成の潤滑剤塗布機構が設けられてなるカラー画像形成装置によれば、図4に示される画像形成装置と同様に、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって所期の転写特性および所期のクリーニング特性を確実に得ることができると共に各々のトナー像形成ユニットにおける感光体の所期の特性を長期にわたって確実に発揮させることができ、しかも、ブラシローラ82の回転軸82Aが感光体10に対する離接方向に移動可能な状態とされていることにより、潤滑剤塊状体81、ブラシローラ82および感光体の三者の関係が、感光体に対するブラシローラ82の当接圧および潤滑剤塊状体81に対するブラシローラ82の当接圧が平均化された平衡状態に常に維持されるので、例えばブラシローラ82が感光体および潤滑剤塊状体81と接触したままの状態で長時間放置されることにより感光体との接触部および潤滑剤塊状体81との接触部において部分的な毛倒れがブラシローラ82に生じたままの状態で、画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの毛倒れに伴う感光体に対する負荷のバラツキが補償され、その結果、一連の画像形成動作がブラシローラ82の毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、画質の高い画像が確実に得られる。
また、潤滑剤が二次転写ローラ58に塗布されることにより、潤滑剤が感光体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写ローラ58に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【0076】
<トナー>
以上において、本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、下記〔1〕〜〔5〕に示されるように、特定の形状を有すると共に形状および粒径が揃ったトナー粒子により構成されてなるものであることが好ましい。このようなトナーによれば、トナー粒子間における帯電特性が実質的に均一になるため、トナーの帯電量分布を極めてシャープなものとすることができ、他のトナー粒子に比して帯電量が極めて高いまたは極めて低いトナー粒子、逆極性に帯電されたトナー粒子の割合が極めて小さいものとなり、一層確実に、潤滑剤の潤滑作用による転写特性向上効果およびクリーニング特性向上効果を得ることができる。
【0077】
〔1〕トナー粒子の形状係数(円形度)の平均値(平均円形度)が0.930〜1.000であるトナー。
〔2〕体積平均粒径をDv、個数平均粒径をDpとしたときに、1.3>(Dv/Dp)>1.0であるトナー。
〔3〕角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるトナー。
〔4〕個数平均粒径Dpが3〜9μmであるトナー。
〔5〕個々のトナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和 (M)が70%以上であるトナー。
【0078】
〔1〕形状係数(円形度);
本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、下記式1で示される形状係数の平均値(平均円形度)が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
【0079】
【数1】
Figure 2004029337
【0080】
また、個々のトナー粒子の円形度についての分布がシャープであること、具体的には、個々のトナー粒子の円形度についての標準偏差が0.10以上であることが好ましく、下記式2により算出されるCV値が20%未満であることが好ましく、より好ましくは10%未満である。
【0081】
【数2】
Figure 2004029337
【0082】
〔2〕粒度分布の比率;
本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、体積平均粒径をDv、個数平均粒径をDpとするとき、粒度分布の比率(Dv/Dp)が1.0〜1.3であることが好ましく、より好ましくは1.1〜1.2である。
【0083】
〔3〕角がないトナー粒子の割合;
本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、角がないトナー粒子の割合が50個数%以上であるものであることが好ましく、より好ましくは70個数%以上であるものである。
【0084】
ここに、「角がないトナー粒子」とは、電荷の集中するような突部またはストレスにより摩耗しやすいような突部を実質的に有しないトナー粒子を言い、具体的には以下のトナー粒子を角がないトナー粒子という。すなわち、図9(a)に示すように、トナー粒子Tの長径をLとするときに、半径(L/10)の円Cで、トナー粒子Tの周囲線に対し1点で内側に接しつつ内側をころがした場合に、当該円CがトナーTの外側に実質的にはみださない場合を「角がないトナー粒子」という。「実質的にはみ出さない場合」とは、はみ出す円が存在する突起が1箇所以下である場合をいう。また、「トナー粒子の長径」とは、当該トナー粒子の平面上への投影像を2本の平行線ではさんだとき、その平行線の間隔が最大となる粒子の幅をいう。なお、図9(b)および図9(c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示している。
【0085】
角がないトナー粒子の割合の測定は次のようにして行った。先ず、走査型電子顕微鏡によりトナー粒子を拡大した写真を撮影し、さらに拡大して15,000倍の写真像を得る。次いでこの写真像について前記の角の有無を測定する。この測定を100個のトナー粒子について行った。
【0086】
角がないトナーを得る方法は特に限定されるものではない。例えば、トナー粒子を熱気流中に噴霧する方法、またはトナー粒子を気相中において衝撃力による機械的エネルギーを繰り返して付与する方法、あるいはトナーを溶解しない溶媒中に添加し、旋回流を付与することによって得ることができる。
また、樹脂粒子を会合あるいは融着させることで形成する重合法トナーにおいては、融着停止段階では融着粒子表面には多くの凹凸があり、表面は平滑でないが、形状制御工程での温度、攪拌翼の回転数および攪拌時間等の条件を適当なものとすることによって、角がないトナーが得られる。これらの条件は、樹脂粒子の物性により変わるものであるが、例えば、樹脂粒子のガラス転移点温度以上で、より高回転数とすることにより、表面は滑らかとなり、角がないトナーが形成できる。
【0087】
〔4〕トナーの個数平均粒径;
本発明の画像形成装置において用いられるトナーの個数平均粒径は、3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは4.5〜7.5μmであり、更に好ましくは5〜7μmである。トナーの粒径は、トナーの製造方法において、凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
【0088】
〔5〕個数基準の粒度分布;
本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、個々のトナー粒子の粒径をD(μm)とするとき、自然対数lnDを横軸にとり、この横軸を0.23間隔で複数の階級に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムにおける最頻階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m1)と、前記最頻階級の次に高い階級に含まれるトナー粒子の相対度数(m2)との和(M)が70%以上であるものであるが好ましい。
【0089】
本発明において、前記の個数基準の粒度分布を示すヒストグラムは、自然対数lnD(D: 個々のトナー粒子の粒径) を0.23間隔で複数の階級(0〜0.23:0.23〜0.46:0.46〜0.69:0.69〜0.92:0.92〜1.15:1.15〜1.38:1.38〜1.61:1.61〜1.84:1.84〜2.07:2.07〜2.30:2.30〜2.53:2.53〜2.76………)に分けた個数基準の粒度分布を示すヒストグラムであり、このヒストグラムは、下記の測定条件に従って、コールターマルチサイザーにより測定されたサンプルの粒径データを、I/Oユニットを介してコンピュータに転送し、当該コンピュータにおいて、粒度分布分析プログラムにより作成されたものである。
【0090】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて攪拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分問分散処理することにより調製する。
【0091】
<外添剤>
また、本発明の画像形成装置において用いられるトナーは、少なくともシリカ微粒子およびチタニア微粒子と、硫酸バリウム微粒子、高分子微粒子および滑材のいずれか一または二以上とを組み合わせてなる外添剤を含有するものであることが好ましい。
【0092】
シリカ微粒子は、互いに粒径が異なる2種類のものを用いることが好ましく、具体的には、数平均一次粒子径が10nm以上20nm未満の小粒径微粒子および数平均一次粒子径が20nm以上100nm未満の大粒径微粒子である。
小粒径シリカ微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.1〜0.3質量%であることが好ましく、大粒径シリカ微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.5〜1.5質量%であることが好ましい。
【0093】
チタニア微粒子は、互いに粒径が異なる2種類のものを用いることが好ましく、具体的には、数平均一次粒子径が10nm以上20nm未満の小粒径微粒子および数平均一次粒子径が20nm以上100nm未満の大粒径微粒子である。
小粒径チタニア微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.1〜0.5質量%であることが好ましく、大粒径チタニア微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.1〜0.5質量%であることが好ましい。
【0094】
硫酸バリウム微粒子は、数平均一次粒子径が例えば40〜200nmのものであることが好ましい。
硫酸バリウム微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.1〜1.0質量%であることが好ましい。
【0095】
高分子微粒子のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0.1〜0.5質量%であることが好ましい。
【0096】
滑材としては、従来より好適に利用されているものを用いることができ、具体的には、例えばステアリン酸亜鉛(Zn−St)、ステアリン酸カルシウム(Ca−St)などのステアリン酸金属塩等を例示することができる。
滑材のトナー粒子に対する添加割合は、例えば0〜0.4質量%であることが好ましい。
【0097】
<現像剤>
本発明において用いられるトナーは、一成分現像剤として用いても、二成分現像剤として用いてもよい。
一成分現像剤として用いる場合は、非磁性一成分現像剤、あるいはトナー中に0.1〜0.5μm程度の磁性粒子を含有させ磁性一成分現像剤としたものがあげられ、いずれも使用することができる。
また、キャリアと混合して二成分現像剤として用いることができる。この場合は、キャリアの磁性粒子として、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来より好適に利用されている材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径が15〜100μmのものであることが好ましく、より好ましくは25〜80μmのものである。
キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
【0098】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の態様に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
例えば、図1および図4に示される画像形成装置におけるブラシローラ駆動機構においては、速度調整用ギアを設けることは必須の要件ではなく、ブラシローラ駆動用ギアがタイミングベルトによって直接的に感光体駆動用ギアに接続された構成(タイミングベルトが感光体駆動用ギアとブラシローラ駆動用ギアとによって張架されてなるベルト伝達機構)とされていてもよい。
また、タイミングベルトは、弾性を有するものにより構成されていれば、その形状およびその他の構成は、特に制限されるものではない。
【0099】
さらに、図7および図8に示されるブラシローラ駆動機構においては、ブラシローラは、それ自体に設けられた駆動源により駆動される構成であっても、それ自体が駆動源を有さずに例えば像担持体の回転により従動される構成であってもよい。
【0100】
以下に、本発明の効果を確認するために行った実験例について説明する。
<実験例1>
図1の構成に従って本発明に係る画像形成装置を製造した。具体的な構成は以下に示す通りである。
【0101】
(1)感光体;負帯電特性を有する有機感光体
金属基体;アルミニウム製、外径が60mm、軸方向長さが335mm、肉厚が1mmの円筒状のもの、
感光層;フタロシアニン顔料を含有せしめたポリカーボネート、厚みが25μm
(2)帯電手段;正放電特性を有するスコロトロン帯電器
(3)露光手段;表面標準出力が300μWである半導体レーザ照射装置
(4)現像手段;二成分現像方式の現像器、現像スリーブの外径が40mm
(5)トナー;平均帯電量が−25μC/gである負帯電トナー、形状係数が0.92、体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dp)との比(Dv/Dp)が1.26、角がないトナー粒子の割合が88個数%、個数平均粒径が6.5μm、個数基準の粒径分布における最大頻度のトナー(m1)と第二の頻度のトナー(m2)との和(M)が80%、現像剤におけるトナー濃度が4質量%
(6)外添剤;数平均一次粒子径が50nmの大径シリカ微粒子、数平均一次粒子径が12nmの小径シリカ微粒子、数平均一次粒子径が80nmの大径チタニア微粒子、数平均一次粒子径が20nmの小径チタニア微粒子およびステアリン酸カルシウムが含有されてなるもの
(7)キャリア;フェライトキャリア、体積平均粒径が60μm
(8)転写手段;転写ローラによる接触転写方式
転写ローラ;芯金:ステンレス鋼、被覆層:カーボンがシリコーン樹脂に分散されてなる発泡スポンジ状態の半導電性ゴム、外径が20mm、抵抗値が1×106 Ω、ゴム硬度(アスカーC硬度)が25°、感光体に対する当接荷重が19.6N、
バイアス印加手段;定電流電源、転写電流値:80μA
(9)分離手段;負放電特性を有するコロトロン帯電器
(10)クリーニング手段;ブレードクリーニング方式
クリーニングブレード;ウレタンゴム製、平板状のもの、有機感光体に対してカウンター方式で当接、当接荷重が18〜24g/cm、当接角度が20°
(11)定着手段;熱ローラ定着方式の定着器
【0102】
潤滑剤塗布機構としては、図2に示される構成を有するものを用い、ブラシローラ駆動機構を図3に従って構成した。具体的な構成を以下に示す。
(A)ブラシローラ;「SA−7」(東レ株式会社製)、外径が18mm、軸方向長さが335mm、感光体に対する食い込み量が1mm、
ブラシ繊維:ポリプロピレン製、太さが6.25デニール、毛長が5mm、植設密度が100k本/inch 
潤滑剤塊状体;固形状のステアリン酸亜鉛、縦8mm、横10mm、軸方向長さ335mm、ブラシローラに対する当接荷重が1.96N、
ブラシローラの感光体に対する当接位置は、感光体の回転方向における一次転写領域より20mm下流側の位置である。
(B)ブラシローラ駆動機構;
タイミングベルト:クロロプレンゴム製の無端状ベルト(ユニッタ(株)製)、たわみ量が3mm、張力(テンション)が2N、
感光体駆動用ギアと速度調整用ギアとの軸間距離が100mm、速度調整用ギアとブラシローラ駆動用ギアとの軸間距離が150mm、感光体の回転速度が220mm/sec、ブラシローラの回転速度が176mm/sec、感光体の回転速度に対するブラシローラの回転速度比が0.75、感光体およびブラシローラは、当接部において互いに逆方向(カウンター方向)に移動、ブラシローラの駆動トルクが10Ncm
【0103】
以上において、非露光領域における有機感光体の表面電位を−750V、露光領域における有機感光体の表面電位を−50V、現像スリーブに印加される現像バイアスを−600V、転写電流値を80μA、分離電流値を、交流成分を直流成分に重畳した状態、具体的には、交流電圧2kVp−p(定電圧制御)、直流電流−30μA(定電流制御)とし、定着温度を200℃に設定し、1万枚印字した後、電源をオフにして10時間放置するモードを繰り返し行い、合計20万枚にわたる実写テストを行ったところ、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0104】
<実験例2>
図4の構成に従って本発明に係る画像形成装置を製造した。各色トナー像に係るトナー像形成ユニットの各々の具体的な構成は、以下に示されているもの以外は実験例1に係るものと同様の構成を有するものであり、中間転写体、二次転写手段および潤滑剤塗布機構の具体的な構成は、以下に示す通りである。
【0105】
(1)互いに隣接するトナー像形成ユニットにおける感光体の回転軸の軸間距離;95mm
(2)一次転写手段;転写ローラによる接触転写方式
転写ローラ;芯金:ステンレス鋼、被覆層:カーボンがシリコーン樹脂に分散されてなる発泡スポンジ状態の半導電性ゴム、外径が20mm、抵抗値が1×106 Ω、ゴム硬度(アスカーC硬度)が25°、感光体に対する当接荷重が5N(500gf)、
バイアス印加手段;定電流電源、転写電流値:20μA
(3)中間転写体;ポリイミドよりなる無端状の半導電性樹脂ベルト、体積抵抗値が1×108 Ωcm、ベルトの張力(テンション)が49N
(4)駆動ローラ、従動ローラ、バックアップローラおよびテンションローラの外径は、それぞれ、31.6mmであり、バックアップローラの抵抗値は5×107 Ω(測定条件;荷重が10N(1kgf)、印加電圧が1kV)
(5)二次転写手段;転写ローラによる接触転写方式
転写ローラ;芯金:ステンレス鋼、被覆層:カーボンがシリコーン樹脂に分散されてなる発泡スポンジ状態の半導電性ゴム、外径が30mm、抵抗値が5×107 Ω、ゴム硬度(アスカーC硬度)が67°、中間転写ベルトに対する当接荷重が50N、
バイアス印加手段;定電流電源、転写電流値:80μA
【0106】
トナー像形成ユニットの各々に係る潤滑剤塗布機構は、実験例1に係るものと同様の構成を有するものを用い、ブラシローラ駆動機構を図5に従って構成した。ブラシローラ駆動機構の具体的な構成を以下に示す。
【0107】
タイミングベルト:クロロプレンゴム製の無端状ベルト(ユニッタ(株)製)、たわみ量が3mm、張力(テンション)が3N、
中間転写ベルト駆動用ギアと第1のトナー像形成ユニットに係るブラシローラ駆動用ギアとの軸間距離が100mm、互いに隣接するブラシローラ駆動用ギアの軸間距離が95mm、中間転写ベルトの線速度が220mm/sec、各々のブラシローラの回転速度が176mm/sec、各々のトナー像形成ユニットにおける感光体の回転速度に対するブラシローラの回転速度比が0.75、感光体およびブラシローラは、当接部において互いに逆方向(カウンター方向)に移動、ブラシローラの駆動トルクが9Ncm
【0108】
以上において、実験例1と同様にして実写テストを行ったところ、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0109】
<実験例3>
潤滑剤塗布機構を、各々のトナー像形成ユニットにおける感光体の外周面に沿って配設すると共に、二次転写ローラの回転方向における二次転写領域より20mm上流側の位置に設けたことの他は実験例2に係るものと同様の構成を有する画像形成装置を製造した。二次転写ローラに対する潤滑剤塗布機構は、基本的には、各々のトナー像形成ユニットに係るものと同様の構成を有するものであり、ブラシローラ駆動機構を図6に従って構成した。ブラシローラ駆動機構の具体的な構成を以下に示す。
【0110】
タイミングベルト:クロロプレンゴム製の無端状ベルト(ユニッタ(株)製)、たわみ量が3mm、張力(テンション)が2N、
二次転写ローラ駆動用ギアと速度調整用ギアとの軸間距離が90mm、速度調整用ギアとブラシローラ駆動用ギアとの軸間距離が120mm、二次転写ローラの回転速度が220mm/sec、ブラシローラの回転速度が110mm/sec、感光体の回転速度に対するブラシローラの回転速度比が0.5、二次転写ローラおよびブラシローラは、当接部において互いに逆方向(カウンター方向)に移動、ブラシローラの駆動トルクが2Ncmである。
【0111】
以上において、実験例1と同様にして実写テストを行ったところ、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0112】
<実験例4>
潤滑剤塗布機構を図8に従って構成したことの他は実験例1に係るものと同様の画像形成装置を製造した。潤滑剤塗布機構の具体的な構成は、以下に示す通りである。
【0113】
ブラシローラ;「SA−7」(東レ株式会社製)、外径が18mm、軸方向長さが335mm、感光体に対する食い込み量が1mm、
ブラシ繊維:ポリプロピレン製、太さが6.25デニール、毛長が5mm、植設密度が50k本/inch2 
潤滑剤塊状体;固形状のステアリン酸亜鉛、縦8mm、横10mm、軸方向長さ335mm、
押圧手段;コイルバネ、ブラシローラの感光体に対する当接荷重が1〜2Nとなる状態で潤滑剤塊状体を押圧、
支持部材;ブラシローラ支持用長穴が感光体の法線方向と平行に伸びる状態で形成、
感光体に対する潤滑剤の塗布量;1プリント当たりの潤滑剤塊状体の減少量が0.3mg
【0114】
以上において、非露光領域における有機感光体の表面電位を−750V、露光領域における有機感光体の表面電位を−50V、現像スリーブに印加される現像バイアスを−600V、転写電流値を80μA、分離電流値を、交流成分を直流成分に重畳した状態、具体的には、交流電圧2kVp−p(定電圧制御)、直流電流−30μA(定電流制御)とし、定着温度を200℃に設定し、1万枚印字した後、電源をオフにして10時間放置するモードを繰り返し行い、合計20万枚にわたる実写テストを行ったところ、ブラシローラの駆動トルクの変動幅を、ブラシローラの回転軸の軸位置が固定された構成のものに比して30%程度小さくすることができ、しかも、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0115】
<実験例5>
潤滑剤塗布機構を図8に従って構成したことの他は実験例2に係るものと同様の中間転写方式のカラー画像形成装置を製造した。各々の潤滑剤塗布機構の具体的な構成は、いずれも、実験例4に係る潤滑剤塗布機構と同様の構成を有するものである。
【0116】
以上において、実験例4と同様にして実写テストを行ったところ、ブラシローラの駆動トルクの変動幅を、ブラシローラの回転軸の軸位置が固定された構成のものに比して30%程度小さくすることができ、しかも、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0117】
<実験例6>
潤滑剤塗布機構を、各々のトナー像形成ユニットにおける感光体の外周面に沿って配設すると共に、二次転写ローラの回転方向における二次転写領域より20mm上流側の位置に配設したことの他は実験例5に係るものと同様の構成を有する画像形成装置を製造した。
【0118】
以上において、実験例4と同様にして実写テストを行ったところ、ブラシローラの駆動トルクの変動幅を、ブラシローラの回転軸の軸位置が固定された構成のものに比して20%程度小さくすることができ、しかも、ブラシローラを感光体および潤滑剤塊状体に当接させたままの状態で放置することに伴うブラシローラの毛倒れによる影響をほとんど受けることなしに、画質の高い画像を長期にわたって確実に形成することができることが確認された。
【0119】
【発明の効果】
本発明の画像形成装置によれば、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の像担持体に対する付着力が低減されるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性が得られると共に像担持体の所期の特性が長期にわたって確実に発揮され、しかも、潤滑剤塗布機構におけるブラシローラが弾性を有するベルトにより回転されることにより、部分的な毛倒れがブラシローラに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの部分的な毛倒れに伴う駆動時の負荷変動がベルトそれ自体の弾性によって緩衝されるので、一連の画像形成動作がブラシローラの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
また、中間転写体を利用した画像形成装置において、潤滑剤が二次転写手段に塗布されることにより、潤滑剤が像担持体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写手段に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【0120】
また、本発明の画像形成装置によれば、基本的に、潤滑剤による潤滑作用によって、現像後におけるトナー粒子の像担持体に対する付着力が低減されるので、所期の転写特性および所期のクリーニング特性が得られると共に像担持体の所期の特性が長期にわたって確実に発揮され、しかも、ブラシローラの回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能な状態とされていることにより、潤滑剤塊状体、ブラシローラおよび潤滑剤が塗布されるべき構成部材の三者の関係が、潤滑剤が塗布されるべき構成部材に対するブラシローラの当接圧および潤滑剤塊状体に対するブラシローラの当接圧が平均化された平衡状態に常に維持されるので、部分的な毛倒れがブラシローラに生じたままの状態で画像形成動作が行われた場合であっても、ブラシローラの毛倒れに伴う像担持体に対する負荷のバラツキが補償される結果、一連の画像形成動作がブラシローラの毛倒れに起因する外乱が生じていない状態で行われ、これにより、画質の高い画像が確実に得られる。
また、中間転写体を利用した画像形成装置において、潤滑剤が二次転写手段に塗布されることにより、潤滑剤が像担持体に塗布される場合と同様の作用効果が二次転写手段に得られ、一層確実に、画質の高い画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置の一例における構成の概略を示す説明図である。
【図2】潤滑剤塗布機構におけるブラシローラと像担持体との当接状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す潤滑剤塗布機構におけるブラシローラを駆動させるブラシローラ駆動機構の構成の概略を示す説明図である。
【図4】本発明の画像形成装置の他の例における構成の概略を示す説明図である。
【図5】図4に示す画像形成装置の潤滑剤塗布機構におけるブラシローラ駆動機構の構成の概略を示す説明図である。
【図6】二次転写手段に係る潤滑剤塗布機構におけるブラシローラ駆動機構の構成の概略を示す説明図である。
【図7】本発明の画像形成装置に係る潤滑剤塗布機構の他の例における構成の概略を示す斜視図である。
【図8】潤滑剤塗布機構におけるブラシローラの感光体および潤滑剤塊状体に対する当接状態を示す説明図である。
【図9】(a)は、角のないトナー粒子の投影像を示す説明図であり、(b)および (c)は、それぞれ角のあるトナー粒子の投影像を示す説明図である。
【符号の説明】
10 感光体
10A 回転軸
11 帯電手段
12 露光手段
13 現像手段
13A 現像スリーブ
14 転写手段
14A 転写ローラ
14B バイアス印加手段
15 分離手段
16 クリーニング手段
16A クリーニングブレード
17 定着手段
20 潤滑剤塗布機構
21 潤滑剤塊状体
22 ブラシローラ
22A 回転軸
23 バネ材
30 ブラシローラ駆動機構
30A 第1段のベルト伝達機構
30B 第2段のベルト伝達機構
31 感光体駆動用ギア
32 速度調整用ギア
32A 回転軸
33、35 タイミングベルト
34 ブラシローラ駆動用ギア
40 中間転写ベルト
41 駆動ローラ
41A 回転軸
42 従動ローラ
43 バックアップローラ
44 テンションローラ
50Y、50M、50C、50K トナー像形成ユニット
51Y、51M、51C、51K 感光体
52 帯電手段
53 露光手段
54Y、54M、54C、54K 現像手段
55Y、55M、55C、55K 一次転写ローラ
56 感光体クリーニング装置
58 二次転写ローラ
58A 回転軸
59 ガイド手段
60 ブラシローラ駆動機構
60A 主ベルト伝達機構
60B 副ベルト伝達機構
61、65 タイミングベルト
62 中間転写ベルト駆動用ギア
63Y、63M、63C、63K ブラシローラ駆動用ギア
T1Y、T1M、T1C、T1K 一次転写領域
T2 二次転写領域
221 回転軸
22Y、22M、22C、22K ブラシローラ
70 ブラシローラ駆動機構
70A 第1のベルト伝達機構
70B 第2のベルト伝達機構
71 ブラシローラ
71A 回転軸
72 速度調整用ギア
72A 回転軸
73、75 タイミングベルト
74 二次転写ローラ駆動用ギア
76 ブラシローラ駆動用ギア
80 潤滑剤塗布機構
81 潤滑剤塊状体
82 ブラシローラ
82A 回転軸
83 バネ材
85 支持部材
86 ブラシローラ支持用長穴

Claims (8)

  1. 潤滑剤が像担持体の表面に塗布された状態において、当該像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    潤滑剤を像担持体に塗布するための潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
    ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    像担持体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
    ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
  3. 中間転写体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を中間転写体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
    ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 回転される像担持体に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    二次転写手段に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、このブラシローラを回転させるブラシローラ駆動手段とにより構成されており、
    ブラシローラ駆動手段は、駆動源による動力を弾性を有するベルトを介してブラシローラに伝達するベルト伝達機構よりなることを特徴とする画像形成装置。
  5. 潤滑剤が像担持体の表面に塗布された状態において、当該像担持体上にトナー像を形成し、当該トナー像を転写手段によって転写材に転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    潤滑剤を像担持体に塗布するための潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
    ブラシローラは、その回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  6. 回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    像担持体に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を像担持体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
    ブラシローラは、その回転軸が像担持体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と像担持体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  7. 中間転写体に潤滑剤を塗布するための潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を中間転写体に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成され、
    ブラシローラは、その回転軸が中間転写体に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と中間転写体とによって挟持されて設けられていることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 回転される像担持体上に形成されるトナー像を一次転写手段によって中間転写体上に一次転写し、中間転写体上の一次転写トナー像を二次転写手段によって転写材に二次転写する工程を含む画像形成動作が行われることにより画像が形成される画像形成装置において、
    二次転写手段に潤滑剤を塗布する潤滑剤塗布機構が設けられており、
    潤滑剤塗布機構は、潤滑剤塊状体と、回転されて潤滑剤塊状体の表面を摺擦することにより掻き取った潤滑剤を二次転写手段に塗布するブラシローラと、潤滑剤塊状体をブラシローラに当接するよう付勢する押圧手段とにより構成されており、
    ブラシローラは、その回転軸が二次転写手段に対する離接方向に移動可能とされた状態で、潤滑剤塊状体と二次転写手段とによって挟持されて設けられていることを特徴とする画像形成装置。
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