JP2002021538A - 排気浄化用触媒装置 - Google Patents
排気浄化用触媒装置Info
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Abstract
な吸蔵性能を付与した上で、NOx触媒から蒸発・飛散
したアルカリ金属により下流側の三元触媒の浄化性能が
低下する事態を未然に防止することができる排気浄化用
触媒装置を提供する。 【解決手段】 NOx触媒5aにNOx吸蔵剤としてカ
リウムを添加し、そのNOx触媒5aの下流側に三元触
媒5bを設けると共に、NOx触媒5aと三元触媒5b
との間にリンを担持したアルカリ金属捕捉手段5cを設
け、NOx触媒5aから蒸発・飛散するカリウムをアル
カリ金属捕捉手段5cでリンと反応させてリン酸カリウ
ムとして捕捉し、下流側の三元触媒5bへのカリウムの
到達を防止する。
Description
置に関し、特にNOx吸蔵触媒の後段に三元触媒を設け
た排気浄化用触媒装置に関する。
式エンジンなどの希薄燃焼式エンジンは、燃費特性や排
ガス特性の向上のため、所定運転域では理論空燃比より
も燃料希薄側のリーン空燃比で運転される。リーン空燃
比運転が行われる間は、排ガス中の窒素酸化物(NO
x)を三元触媒によって十分に浄化できないことから、
酸化雰囲気において排ガス中のNOxを吸蔵する吸蔵触
媒を装備し、この触媒に吸蔵されたNOxを還元雰囲気
で窒素(N2)に還元させることにより、大気へのNO
x排出量を低減させる技術が知られている。
単にNOx触媒という)において、例えば特開平10−
317946号公報に記載のように、カリウム(K)な
どのアルカリ金属をNOx吸蔵剤として添加してNOx
吸蔵性能を向上するようにしたものがある。
触媒に添加されたカリウムなどのアルカリ金属は、高温
雰囲気下において触媒層から次第に蒸発・飛散すること
が確認されており、NOx触媒の下流側に三元触媒が設
けられている場合には、飛散したカリウムが三元触媒に
付着して浄化性能を低下させる現象が発生する。
以下の要因によるものと推測する。 1)アルカリ金属であるカリウムは非常に高い電子供与
物質であり、電子を放出することにより、触媒貴金属の
酸化能力を弱化させる。 2)物理的な要因として、カリウムは移動し易い特性を
有するため、貴金属活性面の表面を覆ってCO,HCの
吸着作用を妨害する確率が高くなる。
を目的としてカリウム担持量を増加させた場合は無論の
こと、NOx触媒の担体としてメタル担体を適用した場
合にも顕著に生じることが判明している。即ち、コージ
ライトなどのセラミック担体ではカリウムが担体内に浸
透して消失する現象があり、その結果、図8のように熱
耐久試験後には特に高温時のNOx浄化率が大幅に低下
してしまう。その対策として、カリウム浸透の虞のない
メタル担体の使用が検討されているが、メタル担体で
は、上記した高温雰囲気下でのカリウムの蒸発・飛散量
が増加するという別の問題が発生する。図2は熱耐久試
験後のカリウム含有量を示しているが、例えば64時間
後のケース同士を比較すると、メタル担体では担体内へ
のカリウムの浸透はないものの、蒸発・飛散量はセラミ
ック担体より増加することがわかる。その結果、図3に
示すように、NOx触媒にメタル担体を使用した場合に
はセラミック担体の場合と比較すると、三元触媒のHC
浄化率をより顕著に低下させてしまう。
体との特性はカリウム担持量を同一としたものである
が、例えばセラミック担体であってもカリウム担持量を
より増加させると、図中のメタル担体と同程度までHC
浄化率が低下してしまう場合もあり得る。そこで、本発
明は、アルカリ金属の添加によりNOx触媒に良好な吸
蔵性能を付与した上で、NOx触媒から蒸発・飛散した
アルカリ金属により下流側の三元触媒の浄化性能が低下
する事態を未然に防止することができる排気浄化用触媒
装置を提供することを目的とする。
め、請求項1の発明は、機関の排気経路に設けられてN
Ox吸蔵剤としてアルカリ金属が含有されたNOx触媒
と、排気の流れに対してNOx触媒の後段に設けられた
三元触媒と、NOx触媒から飛散するアルカリ金属を捕
捉するようにNOx触媒と三元触媒との間に設けられた
アルカリ金属捕捉手段とを備えたものである。
てアルカリ金属が含有されて、良好なNOx吸蔵性能を
付与される。そして、高温雰囲気下においては、NOx
触媒からアルカリ金属が次第に蒸発・飛散するが、飛散
したアルカリ金属はアルカリ金属捕捉手段により捕捉さ
れるため、後段に位置する三元触媒に到達するのが防止
される。その結果、このアルカリ金属による悪影響、例
えば、アルカリ金属が有する電子供与性により触媒貴金
属の酸化能力が弱化されたり、アルカリ金属が貴金属活
性面上を移動して表面を覆ってしまうなどの悪影響が防
止され、これによる三元触媒のHC浄化性能の低下が未
然に防止される。
担体上にリン、シリカ、チタン、タングステン、ゼオラ
イトなどを単独、或いは複数組み合わせて担持したもの
を適用でき、これらの材料は、アルカリ金属であるカリ
ウムと強い反応を起こして化合物に変換し、これにより
カリウム捕捉作用を奏する。また、請求項2の発明は、
アルカリ金属捕捉手段を、H2Sを捕捉するH2S捕捉剤
を含有するように構成したものである。
中に含まれる硫黄成分の酸化物(SOx)も吸蔵され、
このSOxはNOx触媒が高温且つ還元性雰囲気に晒さ
れたときにSO2として放出されるが、この際に異臭の
原因となる硫化水素(H2S)が生成される。生成され
たH2Sは排ガスと共に下流側に流れてアルカリ金属捕
捉手段を通過し、その際にアルカリ金属捕捉手段のH2
S捕捉剤に捕捉されて大気中への排出が抑制される。
ケル、銅、コバルト、マンガン、鉄、亜鉛などを単独、
或いは複数組み合わせて適用でき、これらの材料は、還
元雰囲気においてH2Sを吸蔵し、吸蔵したH2Sを酸化
雰囲気で臭気の少ないSO2などに転化して放出する。
化用触媒装置の一実施例を説明する。図1は本実施形態
の排気浄化用触媒装置を示す全体構成図であり、排気浄
化用触媒装置はエンジン1の排気経路2に設けられてい
る。まず、エンジン1の概略を説明すると、このエンジ
ン1は、燃焼室内に直接燃料を噴射する筒内噴射型のガ
ソリンエンジンとして構成され、吸気行程のみならず圧
縮行程でも燃料噴射を可能としている。吸気行程噴射で
は、燃料を均一燃焼させて空燃比をストイキやリッチ側
に制御し(例えば、ストイキにフィードバックするS−
F/Bモードなど)、圧縮行程噴射では、点火プラグの
周辺にストイキ近傍の点火可能な混合気を形成した層状
燃焼を行って、全体空燃比をリーン側に制御している
(圧縮リーンモード)。
3を介して排気経路2が接続され、この排気経路2上の
比較的エンジン1に近接した位置には前段触媒4(三元
触媒)が設けられている。また、排気経路2の前段触媒
4より下流側には床下触媒5が設けられ、この床下触媒
5は、上流側のNOx触媒5a、下流側の三元触媒5
b、および両触媒5a,5bの間に設けられたアルカリ
金属捕捉手段としてのカリウムトラッパ5cから構成さ
れている。
5bは一般的な構成であり、例えばアルミナ(Al
2O3)やコージライトなどを担体とし、この担体上に白
金(Pt)などの活性金属が担持されて構成され、上記
したS−F/Bモード時に、排ガス中のHC,COおよ
びNOxを浄化する機能を有するものである。また、床
下触媒5のNOx触媒5aは、担体としてメタル担体を
使用している以外は一般的な構成であり、メタル担体
は、例えばクロム(Cr)20%、アルミニウム(A
l)5%を含有するステンレス製の波板と平板とを重ね
た状態で巻回して製作されている。そして、このメタル
担体上に、カリウム(K)、バリウム(Ba)、ナトリ
ウム(Na)などの吸蔵剤、白金などの活性金属がそれ
ぞれ担持されて構成され、上記した圧縮リーンモードに
よる酸化雰囲気においてNOxを吸蔵させ、主としてS
−F/BモードなどのようにCOの存在する還元雰囲気
において、NOxを一旦放出した後に窒素などに還元さ
せる。
やコージライトを担体とし、この担体上に、後述のよう
にカリウムを捕捉するためのリン(P)、およびH2S
の放出を抑制するためのH2S捕捉剤としての酸化ニッ
ケル(NiO)などが担持されて構成されている。次
に、以上のように構成された排気浄化用触媒装置による
作用を説明する。
内されて前段触媒4を経て床下触媒5に到達し、NOx
触媒5a、カリウムトラッパ5c、三元触媒5bの順に
通過した後に外部に排出される。例えば圧縮リーンモー
ドでは、酸化雰囲気下において排ガス中のNOxがNO
x触媒5aに吸蔵され、また、S−F/Bモードなどで
は、排ガス中のHC,COおよびNOxが前段触媒4お
よび三元触媒5bにより浄化されると共に、このとき還
元雰囲気下においてNOx触媒5aに吸蔵されたNOx
が放出還元される。
などの吸蔵剤が添加されて、良好なNOx吸蔵性能を付
与されると共に、カリウム浸透の虞がないメタル担体を
使用しているため、浸透により触媒層のカリウムが消失
したときのNOx吸蔵性能の低下が未然に防止される。
その結果、NOx触媒へのNOx吸蔵および放出還元が
十分に奏されて、排ガス中のNOxが確実に浄化され
る。
により高温雰囲気に晒され、その触媒層に添加されたカ
リウムは次第に蒸発・飛散する。上記のように本実施形
態のNOx触媒5aは担体としてメタル担体を使用して
いるため、熱耐久試験後のカリウム含有量を示す図2の
ように、カリウムの蒸発・飛散量は、セラミック担体の
場合に比較して増加傾向にある。
ガスと共に下流側に流れてカリウムトラッパ5cを通過
し、この際にカリウムトラッパ5cに担持されたリンと
反応してリン酸カリウムに変換され、この状態でカリウ
ムトラッパ5c上に捕捉される。その結果、カリウムト
ラッパ5cの下流側に位置する三元触媒5bにカリウム
が到達するのが防止され、このカリウムによる悪影響、
例えば、カリウムが有する電子供与性により触媒貴金属
の酸化能力が弱化されたり、カリウムが貴金属活性面上
を移動して表面を覆ってしまうなどの悪影響が防止さ
れ、これによる三元触媒5bのHC浄化性能の低下が未
然に防止される。
元触媒5bのHC浄化率への影響を示しているが、上記
のように三元触媒5bへのカリウムの到達が防止される
ため、本実施形態では図中のカリウム無添加の場合にほ
ぼ等しい高いHC浄化性能が確保される。なお、以上の
ようにカリウムトラッパ5cに担持されたリンは、蒸発
・飛散したカリウムと反応して化合物(リン酸カリウ
ム)に変換することによりカリウム捕捉作用を奏する。
従って、同様の作用を奏する材料であればリンに限るこ
とはないが、好ましくはリンと同じく、アルカリ金属で
あるカリウムと強い反応を起こすものがよく、例えば、
シリカ(SiO2)、チタン(Ti)、タングステン
(W)、ゼオライトなどを単独、或いは複数組み合わせ
て適用することが望ましい。
ず、排ガス中に含まれる硫黄成分の酸化物SOxも硫酸
バリウムBaSO4などの硫酸塩X−SO4として吸蔵さ
れる。下記の反応式に示すように、この硫酸塩X−SO
4は、NOx触媒5aが高温且つ還元雰囲気に晒された
ときにSO2となり、この際に硫化水素(H2S)が生成
される。
化効率が低下するので、硫酸塩の除去を企図して、一般
には、NOx触媒温度を上昇させると共に混合気をリッ
チ化する所謂強制Sパージが周期的に実施されるが、こ
の際に異臭を放つH2Sが生成される。また、車両の登
坂路走行時や加速運転時のような高負荷域では、エンジ
ン1がリッチ空燃比で運転されるとともにNOx触媒温
度が上昇するので、硫酸塩からSO2が脱離し放出さ
れ、これに伴ってH2Sが生成される(自然Sパー
ジ)。
2Sが排ガスと共に下流側に流れてカリウムトラッパ5
cを通過する。このときカリウムトラッパ5cに担持さ
れた酸化ニッケルは、図4および下記の反応式に示すよ
うに、NOx触媒5aから放出されたH2Sを硫化ニッ
ケルに転化させるように作用してH2Sを吸蔵する。吸
蔵されたH2Sは、その後の圧縮リーンモードによる酸
化雰囲気において酸素と反応し、臭気の少ないSO2に
転化され放出される。従って、H2Sの大気中への排出
が抑制されて、H2Sによる異臭の発生を未然に防止す
ることができる。
は、NOx触媒5aの下流側の三元触媒5bに酸化ニッ
ケルなどを添加する手法があるが、この場合には添加し
た酸化ニッケルなどにより三元触媒5bの性能低下を引
き起こすことが確認されている。図5は金属材料の添加
による三元触媒5bの浄化率の低下状態を示している
が、無添加の場合に比較して酸化ニッケルを添加した場
合にはHCの浄化率が低下することがわかる。これに対
して本実施形態では、三元触媒5bに酸化ニッケルを無
添加のため浄化性能を低下させる虞は一切なく、且つ、
カリウムトラッパ5cはカリウムの捕捉機能を奏するだ
けで元々浄化性能は要求されないことから、カリウムト
ラッパ5cに酸化ニッケルを添加しても弊害は何ら発生
しない。
に担持された酸化ニッケルは、NOx触媒5aから放出
されたH2Sと反応して吸蔵する作用を奏する。従っ
て、同様の作用を奏する材料であれば酸化ニッケルに限
ることはない。図6はSパージ時のH2S放出量を示し
ているが、無添加の場合に比較して、カリウムトラッパ
5cに酸化ニッケルを添加した場合にはH2S放出量を
大幅に低減でき、銅(Cu)を添加した場合にはH2S
放出量を更に低減してほとんど0にできることがわか
る。図5に示したように三元触媒に銅を添加するとHC
浄化性能を著しく低下させるが、本実施形態のようにカ
リウムトラッパ5cに添加する場合には、その弊害は一
切生じない。つまり、カリウムトラッパ5cに担持する
材料としては、酸化ニッケルの他に銅が好ましく、その
他にも、例えばコバルト(Co)、マンガン(Mn)、
鉄(Fe)、亜鉛(Zn)などを単独、或いは複数組み
合わせて適用することが望ましい。
の態様はこの実施形態に限るものではない。例えば、上
記実施形態では、筒内噴射型ガソリンエンジン1の排気
経路2に設けた排気浄化用触媒装置として具体化した
が、エンジンの種別はこれに限定されず、例えばディー
ゼルエンジン用の排気浄化用触媒装置、或いは通常の吸
気管内に燃料噴射する吸気管型リーンバーンエンジン用
の排気浄化用触媒装置としてもよい。
の担体としてカリウムの蒸発・飛散量が比較的多いメタ
ル担体を使用したが、コージライトなどのセラミック担
体を使用した場合であっても、特にカリウム担持量が多
い場合には蒸発・飛散量も増加するため、カリウムトラ
ッパ5cによるカリウム捕捉は必要となる。つまり、N
Ox触媒5aの担体の種類はメタル担体に限定されるこ
とはなく、これに代えてセラミック担体として構成して
もよい。また、同様にカリウムトラッパ5cおよび三元
触媒5bの担体の種類も上記実施形態に限定されること
はなく、セラミック担体に代えてメタル担体を使用して
もよい。
ッパ5cに本来のカリウム捕捉機能に加えてH2Sの抑
制機能を付与したが、H2Sの抑制機能は必ずしも備え
る必要はない。従って、H2Sの抑制機能を奏するため
の酸化ニッケルなどを無添加として、カリウム捕捉機能
のみを備えたカリウムトラッパとして構成してもよい。
一方、上記実施形態では、カリウムトラッパ5cを上流
側のNOx触媒5aおよび下流側の三元触媒5bに対し
て別体として構成したが、何れかの触媒に対して一体化
してもよい。例えばカリウムトラッパ5cを三元触媒5
bと一体化する場合には、図7に示すように、共通の担
体の上流側部分にリンなどを担持させてカリウムトラッ
パ5cとして機能させ、担体の下流部分に白金Ptなど
の活性金属を担持させて三元触媒5bとして機能させれ
ばよい。
気浄化用触媒装置によれば、アルカリ金属の添加により
NOx触媒に良好な吸蔵性能を付与した上で、NOx触
媒から蒸発・飛散したアルカリ金属により下流側の三元
触媒の浄化性能が低下する事態を未然に防止することが
できる。
置によれば、請求項1に加えて、異臭の原因となるH2
Sをアルカリ金属捕捉手段により捕捉して、大気中への
排出を抑制することができる。
図である。
ある。
化率への影響を示す説明図である。
説明図である。
状態を示す説明図である。
る。
を示す構成図である。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 機関の排気経路に設けられてNOx吸蔵
剤としてアルカリ金属が含有されたNOx触媒と、 排気の流れに対して上記NOx触媒の後段に設けられた
三元触媒と、 上記NOx触媒から飛散するアルカリ金属を捕捉するよ
うに上記NOx触媒と上記三元触媒との間に設けられた
アルカリ金属捕捉手段とを備えたことを特徴とする排気
浄化用触媒装置。 - 【請求項2】 上記アルカリ金属捕捉手段は、H2Sを
捕捉するH2S捕捉剤が含有されていることを特徴とす
る請求項1に記載の排気浄化用触媒装置。
Priority Applications (1)
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JP2000211455A JP3867765B2 (ja) | 2000-07-12 | 2000-07-12 | 排気浄化用触媒装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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ID=18707558
Family Applications (1)
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