JP5142086B2 - 排気浄化システム - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関からの排気を有効に浄化できる排気浄化システムに関する。
近年、地球環境に対する配慮から、二酸化炭素(CO)排出量の低減が叫ばれており、自動車の内燃機関の燃費効用を目的に希薄燃焼化(リーン・バーン化)が図られている。
ガソリンのリーン・バーンエンジン、直噴エンジン、更にはディーゼルエンジンからの排気中には、酸素が多く含まれており、従来の三元触媒では、窒素酸化物(NOx)を還元浄化することができない。特に、ディーゼルエンジンからの排気を効率良く浄化するための種々の技術開発が進められている。
一つ有効な方法は、NOxトラップ触媒の使用である。NOxトラップ触媒を備えたエンジンでは、通常はリーン燃焼運転を行い、その間に発生したNOxをNOxトラップ剤に堆積させ、ある程度NOxが堆積した時点で排気の空気過剰率(以下、符号「λ」で表す。)を一時的にストイキ又はリッチにすることでNOxを吸収剤から脱離させ還元処理するようにしている。このような制御は、λを一時的にリッチ方向に操作することからリッチスパイク制御と称される。ディーゼルエンジンでは通常λが1.2〜3のリーン燃焼状態で運転しており、前述したリッチスパイク制御の際にはλを0.8程度まで変化させる。
従来の方法は、リッチスパイク制御の実施時に、排気中の還元剤(水素(H)、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC))を増加させることにより、NOxトラップ触媒から脱離したNOxを還元しているが、余剰の還元剤、特に余剰のHCが、NOx還元には使われずに放出され、これが酸素と反応して、COの排出量を増加させる要因となる場合がある。
そこで、NOx還元に対して、より有効な還元剤、特に水素(H)を使用する試みがなされており、水蒸気改質によりHを生成する触媒が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3741303号公報
しかしながら、水蒸気改質反応は吸熱反応であり、十分な反応速度を得るために熱量の供給が必要であり、即ち、高温条件に設定する必要がある。そのため、例えば運転負荷が低い場合のように、実際の運転モードの条件下では、NOx浄化効果が得られるような十分なHが供給されていると言い難い。
また、NOx転化率(還元率)を高めるために、空燃比をリッチにすると、未反応のHC排出量が増加して排気悪化の要因になるため、該HCを除去するための触媒を追加する必要があった。
このように従来の方法では、NOxの浄化効率を向上させるために、NOx触媒に、十分なHやCO等を含む還元ガスが供給されているとは言い難く、供給された還元ガスが、NOxの浄化効率を向上させるように有効に利用されているとは言えない状態であった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、排気通路に配置したNOxトラップ触媒の上流側に、芳香族炭化水素の生成と共に、脱水素反応によって、Hを含む還元ガスを生成する第2の触媒を配置し、この還元ガスを有効に利用して、NOxの浄化効率を向上させる排気浄化システムを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するべく鋭意検討を重ねた結果、NOxトラップ触媒の上流側に、排気中の炭化水素から芳香族炭化水素を生成する第2の触媒を配置し、炭素数が6以上のパラフィン炭化水素及び/又は炭素数が6以上のオレフィン炭化水素を含有するガスを上記第2の触媒に供給することにより、上記目的を達成し得ることを見出した。
即ち、本発明は、内燃機関の排気通路に、排気中のNOxを浄化する、NOxトラップ材を含む第1の触媒を配置した排気浄化システムにおいて、上記第1の触媒へ生成ガスを直接供給する上流側に、排気中の炭化水素から芳香族炭化水素を生成する、担体上に、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含む層と、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素、並びにセリウム及びプラセオジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素を含む酸化物を含む層とをこの順に形成した第2の触媒を備え、上記第2の触媒に炭素数が6以上のパラフィン炭化水素及び/又は炭素数が6以上のオレフィン炭化水素を含有するガスを供給するガス供給手段を備えた排気浄化システムである。
本発明は、排気中のNOxを堆積及び脱離する、NOxトラップ材を含む第1の触媒へ生成ガスを直接供給する上流側に、排気中の炭化水素から芳香族炭化水素を生成する、担体上に、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含む層と、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素、並びにセリウム及びプラセオジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素を含む酸化物を含む層とをこの順に形成した第2の触媒を配置し、炭素数(C)が6以上のオレフィン炭化水素及び/又は炭素数が6以上のパラフィン炭化水素を含有したガスを供給するガス供給手段を備えたことにより、芳香族炭化水素の生成と共に、脱水素反応によって、Hを生成することができる。そのため、本発明によれば、第2の触媒でHを多く含む還元ガスを生成し、この還元ガスを第2の触媒の下流側に配置された第1の触媒に供給して、この還元ガスを有効に利用して、NOxの浄化効率を向上させることができる。
以下、本発明の排気浄化システムの第2の触媒、第1の触媒について説明し、次に、本発明の排気浄化システムについて、図面に基づき説明する。なお、本明細書において、濃度、含有量及び配合量などついての「%」は、特記しない限り質量百分率を表すものとする。
図1は、本発明の排気浄化システムの実施形態の一例を示し、排気浄化システムの簡略化した構成の一部を示す説明図である。
図1に示すように、本例の排気浄化システムは、内燃機関(エンジン本体)1の排気通路3の下流側に、排気中のNOxを堆積及び脱離して浄化する第1の触媒34と、この第1の触媒34の上流側に、排気中の炭化水素(以下、「HC」と略記する。)から芳香族HCを生成する第2の触媒33を備えている。
なお、図1においては図示を省略したが、排気浄化システムには、排気の空気過剰率を調整することにより、第1の触媒に堆積したNOxを脱離させるリッチスパイク制御を実施する手段と、炭素(以下、「C」と略記する。)が6以上のパラフィンHC及びC6以上のオレフィンHCを含有するガスを第2の触媒3に供給するガス供給手段を備えている。
先ず、排気通路3の上流側に配置された第2の触媒33について説明する。
図2は、排気浄化システムに用いる第2の触媒33の一例を示す斜視図及び部分拡大図である。
第2の触媒33は、例えばコーディエライト製等のハニカム状のモノリス型担体33aに、HC変換触媒を含む触媒層33cと、HC変換触媒とOSC材の両方を含む触媒層33bを担持させたものである。
第2の触媒33は、排気中のC6以上のパラフィンHC及びC6以上のオレフィンHCを芳香族HCに変換するHC変換触媒と、酸素の吸蔵放出性能(Oxygen Storage Capacity;以下「OSC」と略記する)の高いOSC材とを有するものであることが好ましい。
HC変換触媒としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)及びパラジウム(Pd)から成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含むものであることが好ましい。
また、OSC材としては、遷移金属元素、具体的にはセリウム(Ce)及びプラセオジム(Pr)から成る群より選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素を含む酸化物等が挙げられる。
第2の触媒33に担持させるHC変換触媒量、具体的にはPt、Rh又はPd等の貴金属元素の担持量は12.0g/L以下であることが好ましく、貴金属元素の担持量は2.8g/L以上であることが好ましい。
第2の触媒33に担持させる貴金属元素の担持量が2.8〜12.0g/Lであると、脱水素反応により、排気中に含まれるC6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを効率的に芳香族HCに変換する共に、脱水素反応によってHを多量に含む還元ガスを生成することができる。
HC変換触媒は、酸素濃度が0.8〜1.5vol%と低い排気中の少量のOを活用して、排気中の未燃HCを芳香族HCに変換すると共に、脱水素反応によりHを生成することができるものであることが好ましい。
また、HC変換触媒は、200℃以上で活性化するものであることが好ましい。
第2の触媒33において、HC変換触媒は、排ガスと接触する割合の大きい表面に近いほど、断続的又は連続的にHC変換触媒を構成する貴金属元素の含有量を増大させたものであることが好ましい。
第2の触媒33において、表面に近いほどHC変換触媒を構成する貴金属元素の含有量を増大させる方法としては、例えば表面に近いほど貴金属元素の含有量が大きくなるスラリを複数層塗り重ねて、表面に近いほど貴金属元素の含有量が大きくなる触媒層を形成する方法が挙げられる。
また、第2の触媒33は、同一の触媒層内に、HC変換触媒を構成する貴金属元素及びOSC材を構成する遷移金属元素の両方を含むことが好ましい。
第2の触媒33において、同一の触媒層内にHC変換触媒を構成する貴金属元素とOSC材を構成する遷移金属元素の両方が含まれていると、例えばリッチスパイク制御の実施時に、C6以上のパラフィンHC等の未燃HCが、OSC材に吸蔵されている酸素を奪って、HC変換触媒の作用により、芳香族HCに変換され易くなり、同時にHも生成され易くなる。即ち、同一の触媒層内にHC変換触媒及びOSC材の両方が含まれていると、芳香族HC及びHを生成する脱水素反応が起こり易くなるため好ましい。
なお、第2の触媒33は、ハニカム担体上に、HC変換触媒及びOSC材の両方を含む触媒層のみならず、HC変換触媒のみを含む触媒層、OSC材のみを含む触媒層を適宜選択して形成することができる。
触媒層を担持する基材としては、アルミナ(Al)等の高比表面積基材やコーディエライト製のハニカム状基材等を用いることができる。
また、触媒層の形成方法としては、Pt、Rh又はPd等の貴金属元素を含むスラリ、OSC材であるCe、Prの遷移金属元素を含む酸化物等を含むスラリ、上記貴金属元素及び遷移金属元素の両者を含むスラリを、基材上に付着、乾燥させて、触媒層を形成する方法が挙げられる。
その他、第2の触媒33としては、HC変換触媒及び/又はOSC材を粒状化又はペレット化して、HC変換触媒、OSC材を各々別個に、又は、HC変換触媒とOSC材とを合わせて容器に充填したものを用いてもよい。
第2の触媒33から第1の触媒34に供給される排気中の芳香族HCの量は、排気中の非メタン炭化水素(Non-Methane Hydrocarbon;以下「NMHC」と略記する)全量に対して、2.0質量%以上(芳香族HC量/NMHC全量≧0.02、芳香族HC量/NMHC全量×100(%))であることが好ましい。
第2の触媒33から第1の触媒34に供給される排気中の芳香族HC量が、排気中のNMHC全量に対して、2.0質量%以上であると、芳香族HCの生成と共に、NOxの還元に有効な必要十分量のHを生成することができる。そのため、第2の触媒33は、NOxの還元に有効な必要十分量のHを含む還元ガスを第1の触媒33に供給することができ、NOxをNに還元するNOx転化率を向上させることができる。
また、光学活性の低いメタンを除いた排ガス中のNMHC全量に対して、第2の触媒33から第1の触媒34に供給される芳香族HC量が2.0質量%であると、光化学スモッグの原因となりやすいNMHC量を低減して、NOxの浄化に必要な十分量の還元剤(H)を含む還元ガスを生成することができる。
次に、第2の触媒33の下流側に配置された第1の触媒34について説明する。
図3は、本例の排気浄化システムに用いる第1の触媒34の一例を示す斜視図及び部分拡大図である。
図3に示すように、本例の第1の触媒34は、ハニカム担体34a上に、NOxトラップ材と浄化触媒を含むNOxトラップ触媒層34bが形成されたものを用いている。本例の第1の触媒34としては、NOxトラップ触媒層34bとハニカム担体34aとの間に、更にHCトラップ材層としてゼオライト層34cを設けたものを用いてもよい。
第1の触媒34に用いるNOxトラップ材は、内燃機関の空燃比(排気の空気過剰率)の変動に従って、NOxの堆積及び脱離ができれば、特に限定されるものではない。
NOxトラップ材としては、アルカリ金属元素やアルカリ土類金属元素、更には希土類元素の酸化物、例えばバリウム(Ba)、マグネシウム(Mg)、ナトリウム(Na)、セリウム(Ce)及びサマリウム(Sm)などの元素を含む酸化物等が挙げられる。
浄化触媒としては、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、マンガン(Mn)又は亜鉛(Zn)、及びこれらの任意の混合物等が挙げられる。
HCトラップ材としては、HCの堆積及び脱離できるものであれば特に限定されるものではないが、シリカ/アルミナ比が20以上60未満のMFIゼオライト及びβゼオライトの少なくとも一方を好適に用いることができる。
なお、NOxを浄化する第1の触媒34は、本例に限らず、HCトラップ材と、NOxトラップ材と、浄化触媒とを別個独立に排ガス流路に配置してもよい。また、HCトラップ材と浄化触媒とを組み合わせてもよく、HCトラップ材と、NOxトラップ材と、浄化触媒の3つの機能を組み合わせて一層としてもよい。
NOxトラップ材のトラップ機能を十分に発揮させるためには、NOxトラップ材と、HCトラップ材とを分けて配置することが好ましく、例えばHCトラップ材を上流側に、NOxトラップ材を下流側に配置することが好ましい。
NOxトラップ材とHCトラップ材をハニカム担体上に積層する場合には、HCトラップ材を表層側に、NOxトラップ材をハニカム担体に近い内層側に配置することが好ましい。浄化触媒は、排気と最も接触し易い、上流側又は表層側に配置することが好ましい。
次に、本発明の排気浄化システムについて説明する。
図4は、本発明の実施形態の一例を示し、本発明を適用可能な過給機付きディーゼルエンジンの排気浄化システム100の一例を示した概略構成図である。
図4に示すように、排気浄化システム100のエンジン本体1は、コモンレール式の燃料噴射装置を備え、このコモンレール式の燃料噴射装置は、コモンレール(蓄圧室)10、各気筒毎に設けられた燃料噴射弁11を備えている。コモンレール式の燃料噴射装置には、コモンレール燃料噴射系から燃料が供給される。
コモンレール燃料噴射系は、燃料タンク50から燃料を供給する燃料供給通路12、燃料供給通路12に設けたサプライポンプ13、エンジン本体1から燃料タンク50へ戻るリターン燃料(スピル燃料)のための燃料戻り通路14を備えている。
燃料タンク50から燃料供給通路12を通じてエンジン本体1に供給される燃料は、サプライポンプ13で加圧された後、いったんコモンレール10に蓄えられ、その後、コモンレール10内の高圧燃料が各気筒の燃料噴射弁11に分配されて、燃料噴射弁11からエンジン本体1に供給される。
燃料噴射弁11は、エンジン本体1の燃焼室に燃料を直接噴射するものであり、メイン噴射の前にパイロット噴射、メイン噴射、エンジン本体1のシリンダ内で燃料を燃やさないような条件で燃料を噴射するポスト噴射等が可変制御される。また、燃料噴射弁11は、コモンレール10内の燃料圧力を変更することにより、燃料噴射圧力が可変制御される。
コモンレール10内の燃料圧力を制御するために、サプライポンプ13からの吐出燃料の一部が、一方向弁を具備したオーバーフロー通路(図示略)を介して、燃料供給通路12に戻されるようになっている。詳しくは、オーバーフロー通路(図示略)の流路面積を変える圧力制御弁(図示略)が設けられており、この圧力制御弁がエンジンコントロールユニット(ECU)40からのデューティ信号に応じて、オーバーフロー通路の流路面積を変化させ、サプライポンプ13からコモンレール10への実質的な燃料吐出量が調整され、コモンレール10内の燃料圧力が制御される。
吸気通路2は、上流位置にエアクリーナー21を備え、エアクリーナー21の下流側に吸入空気量検出手段であるエアフローメータ22を備えている。吸気通路2のエアフローメータ22の下流側には、過給機30のコンプレッサ31を備え、このコンプレッサ31の下流側には、吸気コレクタ23を備えている。また、吸気通路2のコンプレッサ31と吸気コレクタ23との間には、例えばステッピングモータ式のアクチュエータによって開閉駆動される吸気絞り弁24を備えている。吸気絞り弁24は、その開度に応じてエンジン本体1に吸入される空気量を調整する。
排気出口通路3aは、過給機30の排気タービン32を備えている。過給機30は、エンジン本体1からの排気により回転して、吸気通路2に配置されている過給機30のコンプレッサ31を駆動する。
また、排気出口通路3aは、エンジン本体1と排気タービン32との間から分岐して吸気通路2に接続するEGR通路4を備えており、このEGR通路4は、EGR弁5を備えている。EGR弁5は、例えばステッピングモータ式のアクチュエータによって開閉駆動され、その開度の連続的な制御が可能なものであり、開度に応じて吸気側に還流する排気の量、即ち、エンジン本体1に吸入されるEGR量を調整する。
排気通路3の過給機タービン32の下流側には、排気中のHCから芳香族炭HCを生成する第2の触媒33を備えている。排気通路3の第2の触媒33の下流側には、排気中のNOxを堆積及び脱離する第1の触媒34(以下、第1の触媒を「NOxトラップ触媒」とも称する。)を備え、この触媒34の下流側には、排気中のPM(パティキュレートマター;微粒子状物質)を捕集するDPF(ディーゼルパティキュレートフィルタ)35を備えている。
排気通路3の第2の触媒33及び第1の触媒34のそれぞれの入口部には、排気中の空燃比(空気過剰率)を検出する検出手段である空燃比センサ36,37を設けられている。空燃比センサ36,37は、例えば酸素イオン伝導性固体電解質を備えており、これを用いて排気中の酸素濃度を検出し、この酸素濃度から排気中の空燃比(空気過剰率)を求める。なお、排気の空気過剰率とは、排気中の空燃比を理論空燃比で割った値をいい、空燃比の数値が大きくなる程、リッチとなり、空気過剰率が小さくなる程、リッチとなる。
本例の排気浄化システム100には、各種状態を検出するセンサとして、空燃比センサ36,37、吸入空気量を検出するエアフローメータ22の他に、エンジン回転速度を検出する回転速度センサ(図示略)、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ(図示略)、エンジンの冷却水温を検出する水温センサ15等が設けられている。
また、本例の排気浄化システム100には、コモンレール10の状態を検出するためのセンサとして、コモンレール10内の燃料の圧力及び温度を検出するための圧力センサ16、温度センサ17が設けられている。
エンジンコントロールユニット(以下、「ECU」と略記する。)40には、各種センサからの信号、例えば吸入空気量を検出するエアフローメータ信号、水温センサ信号、クランク角度検出用クランク角センサの信号、気筒判別用クランク角センサの信号、コモンレールの燃料圧力を検出する圧力センサの信号、燃料温度を検出する温度センサの信号、負荷に相当するアクセルペダルの踏み込み量を検出するアクセル開度センサの信号、空燃比センサの信号等の各種信号がそれぞれ入力される。
ECU40は、入力された各種センサからの検出信号に基づいて、燃料噴射圧力を決定し、燃料噴射量、噴射時期を設定して、燃料噴射弁11の駆動を制御する。
燃料噴射弁11は、ECU40からのON−OFF信号によって開閉駆動される電子式の燃料噴射弁11であって、ON信号によって燃料を燃料噴射室に噴射し、OFF信号によって噴射を停止する。燃料噴射弁11に印加されるON信号の期間が長いほど、燃料噴射量が多くなり、また、コモンレール10の燃料圧力が高いほど、燃料噴射量が多くなる。
燃料噴射時期は、ECU40に入力されたクランク角度検出用クランク角センサの信号、気筒判別用クランク角センサの信号等によって適宜決定される。
そして、ECU40の制御により、パイロット噴射、メイン噴射、ポスト噴射等の任意の噴射タイミングで、燃料噴射弁11から燃料の噴射が実行される。
本例の排気浄化システムにおいて、リッチスパイク制御の実施は、排気の空気過剰率λを1.0以下に減じることにより行う。
具体的には、排気の空気過剰率λが1.0以下になるまでリッチ化するには、ECU40の制御により、吸気絞り弁24およびEGR弁5の開度を減じる制御を実施する。また、パイロット噴射、メイン噴射の噴射タイミングで、燃料噴射弁11から燃料の噴射が実行されることにより、排気のリッチ化を実施する。
空気過剰率λが大きいリーン燃料運転状態において、第1の触媒(NOxトラップ触媒)34に堆積していたNOxは、リッチスパイク制御が実施されると、第1の触媒34から脱離する。
ガス供給手段は、C6以上のパラフィンHC及び又はC6以上のオレフィンHCを含むガスを、第2の触媒33に供給する。
例えばリッチスパイク制御の実施時において、ガス供給手段により、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含むガスが第2の触媒33に供給されると、第2の触媒33で、C6以上のHCから芳香族HCが生成されると共に、この生成に伴う脱水素反応によって、還元剤であるHが生成される。
このように、リッチスパイク制御の実施時において、第2の触媒33で、還元剤となるHを多く含む還元ガスが生成されると、この還元ガスがNOxトラップ触媒34に供給されるため、触媒から脱離したNOxのNOx転化率(還元率)を高めることができる。
C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含むガスを第2の触媒33に供給するガス供給手段としては、ECU40等によって制御される燃料噴射弁11が挙げられる。
具体的には、ECU40は、例えばリッチスパイク制御の実施時において、ガス供給手段である燃料噴射弁11から噴射される燃料噴射量を増量すると共に、燃料をエンジン本体1のピストン上死点付近で燃料を噴射するメイン噴射の後、エンジン本体1のシリンダ内で燃料を燃やさないようなクランク角度で燃料を噴射するポスト噴射を実施する制御を行う。
このように、燃料噴射弁11から噴射される燃料の燃料噴射量、噴射時期を制御して、燃料噴射量を増量と、ポスト噴射を実施することにより、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含有したガスが、第2の触媒33に供給される。
リッチスパイク制御の実施時に、具体的には、空気過剰率λが1.0以下、好ましくはλが0.75〜0.83の時に、酸素濃度制御手段により、排気中の酸素濃度は、好ましくは0.8〜1.5vol%、より好ましくは1.1〜1.4vol%、更に好ましくは1.1〜1.2vol%に制御される。
リッチスパイク制御の実施時に、排気中の酸素濃度が0.8〜1.5vol%と少量であれば、第2の触媒33において、排気中の未燃HCが第2の触媒34のOSC材から酸素を奪って、HC変換触媒の作用により脱水素反応し易くなり、芳香族HCの生成と共に、Hが生成され易くなる。
そのため、リッチスパイク制御の実施時に、排気中の酸素濃度が0.8〜1.5vol%であれば、第2の触媒34でNOxを還元するのに必要十分な量のHを生成することができ、このHを多量に含む還元ガスを、NOxトラップ触媒34に供給することができる。
酸素濃度制御手段としては、ECU40によって開度が制御される吸気絞り弁24、EGR弁5が挙げられる。吸気絞り弁24、EGR弁5の開度を制御することによって、エンジン本体1に吸入される空気量が調整され、排気の酸素濃度を制御することができる。
また、第2の触媒33の近くには、第2の触媒33の温度を200℃以上に制御する温度制御手段が設けられていることが好ましい。
温度制御手段としては、特に限定されるものではないが、例えば第2の触媒33の近傍に配置された温度センサやヒータ38等が挙げられる。これらの温度センサ、各種ヒータ等、及び必要に応じてCPU等を有する装置を利用して、例えばリッチスパイク制御の実施時に、第2の触媒33が200℃以上となるように制御する。
第2の触媒33のOSC材に吸収されていた酸素は、脱離温度、典型的には200〜250℃又はそれ以上に加熱されることにより、第2の触媒33から脱離し易くなる。
第1の触媒34でNOxを還元する際(リッチスパイク制御の実施時)に、第2の触媒33で酸素が脱離され易くなれば、第2の触媒33で脱水素反応が促進され、芳香族HCの生成と共に、Hの生成量も多くなり、Hを多量に含む還元ガスを第1の触媒34に供給することができる。
図5は、本発明の実施形態の他の例を示し、本発明を適用可能な過給機付きディーゼルエンジンの排気浄化システム100の一例を示した概略構成図である。なお、図5において、図4と同様の部材には、同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、本例の排気浄化システム100は、第2の触媒33の上流側の排気通路3に、燃料タンク50から直接燃料を供給する燃料供給系を備えている。
燃料供給系は、第2の触媒33の上流側(第2の触媒33の入口側)の排気通路3に、燃料タンク50から直接燃料を供給する第2の燃料供給通路6、第2のサプライポンプ61、インジェクタ62を備えている。
この燃料供給系は、第2の触媒33にC6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含むガスを供給するガス供給手段である。
具体的には、ECU40等の制御によって、例えばリッチスパイク制御の実施時において、第2のサプライポンプ61を通じて、インジェクタ62から、第2の触媒33の上流側の排気通路3に燃料を直接噴射する。
第2のサプライポンプ61は、インジェクタ62から排気通路3に噴射する実質的な燃料吐出量を調整する。
このように、第2の触媒33の上流側の排気通路3にインジェクタ62から直接燃料を噴射することにより、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含有するガスを第2の触媒33に供給することができる。
本例の排気浄化システムは、リッチスパイク制御の実施時において、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを多量に含有するガスを第2の触媒33に供給できるようにすることが好ましい。そのため、本例の排気浄化システムは、炭素数の大きいHCを多量に含有する軽油を燃料として用いるディーゼルエンジンの排気浄化システムとして好適に用いることができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
<HC変換触媒(A)の製造>
γ−アルミナ粉末をロジウム(Rh)濃度6%の硝酸ロジウム(Rh(NO)水溶液に含浸し、120℃で一昼夜乾燥して、水分を飛ばし、450℃で1時間焼成して、Rh担持量が1%のHC変換触媒粉末aを得た。
この触媒粉末a;207gと、γ−アルミナ;603gと、アルミナゾル;90gと、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.8μmになるまで湿式混合粉砕し、HC変換触媒スラリAを得た。
<OSC材を含むHC変換触媒(B)の製造>
モル比で、セリウム:プラセオジム=0.7:0.3の複合酸化物粉末を、パラジウム(Pd)濃度が6%の硝酸パラジウム(Pd(NO)水溶液に含浸し、120℃で一昼夜乾燥して、水分を飛ばし、600℃で焼成して、Pd担持量が4%のOSC材を含むHC変換触媒粉末bを得た。
OSC材を含むHC変換触媒粉末b;578gと、モル比でセリウム:プラセオジム=0.7:0.3となる複合酸化物粉末;232gと、アルミナゾル;90gと、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.8μmになるまで湿式混合粉砕し、OSC材を含むHC変換触媒スラリBを得た。
<第2の触媒(1)の製造>
コーディエライト製のハニカム状モノリス担体(0.92L、400cpsi)上に、HC変換触媒スラリAをコーティングし、セルに付着した余剰スラリを圧縮空気流により取り除き、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、ハニカム担体上に、コート量100g/LのHC変換触媒層Aを形成した。
次に、HC変換触媒層Aの上に、OSC材を含むHC変換触媒スラリBをコーティングし、HC変換触媒スラリAと同様に、圧縮空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、HC変換触媒層Aの上に、コート量100g/LのOSC材を含むHC変換触媒層Bを形成し、ハニカム担体上に、HC変換触媒層Aと、OSC材を含むHC変換触媒層Bとを有する第2の触媒(1)を製造した。
なお、第2の触媒(1)に担持させたHC変換触媒層AにおけるRh担持量は、0.23g/Lであり、OSC材を含むHC変換触媒層BにおけるPd担持量は、2.57g/Lである。
(実施例2)
<HC変換触媒(C)の製造>
γ−アルミナ粉末をロジウム(Rh)濃度6%の硝酸ロジウム(Rh(NO)水溶液に含浸し、120℃で一昼夜乾燥して、水分を飛ばし、450℃で1時間焼成して、ロジウム担持量が4%のHC変換触媒粉末cを得た。
このHC変換触媒粉末c;207g、γ−アルミナ;603gと、アルミナゾル;90gと、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.8μmになるまで湿式混合粉砕し、HC変換触媒スラリCを得た。
<OSC材を含むHC変換触媒(D)の製造>
モル比で、セリウム:プラセオジム=0.7:0.3となる複合酸化物粉末を、パラジウム(Pd)濃度が6%の硝酸パラジウム(Pd(NO)水溶液に含浸し、120℃で一昼夜乾燥して、水分を飛ばし、600℃で焼成して、Pd担持量が16%のOSC材を含むHC変換触媒粉末dを得た。
OSC材を含むHC変換触媒d;578gと、モル比で、セリウム:プラセオジム=0.7:0.3の複合酸化物粉末;232gと、アルミナゾル;90gと、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.8μmになるまで湿式混合粉砕し、OSC材を含むHC変換触媒スラリDを得た。
<第2の触媒(2)の製造>
コーディエライト製のハニカム状モノリス担体(0.92L、400cpsi)上に、HC変換触媒スラリCをコーティングし、セルに付着した余剰スラリを圧縮空気流により取り除き、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、ハニカム担体上に、コート量100g/LのHC変換触媒層Cを形成した。
次に、HC変換触媒層Cの上に、OSC材を含むHC変換触媒スラリDをコーティングし、HC変換触媒スラリCと同様に、圧縮空気流にてセル内の余剰のスラリを取り除き、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、HC変換触媒層Cの上に、コート量100g/LのOSC材を含むHC変換触媒層Dを形成し、ハニカム担体上に、HC変換触媒層Cと、OSC材を含むHC変換触媒層Dとを有する第2の触媒(2)を得た。
なお、第2の触媒(2)に担持させたHC変換触媒層CにおけるRh担持量は、0.95g/Lであり、OSC材を含むHC変換触媒層DにおけるPd担持量は、10.3g/Lである。
(第1の触媒の製造)
先ず、酢酸セリウム(Ce(CHCO)水溶液と酢酸バリウム(Ba(CHCO)の混合水溶液中にアルミナを投入して、約1時間室温で撹拌し、120℃で一昼夜乾燥し、水分を除去した後に、大気中において600℃で約1時間焼成し、焼成粉を得た。この焼成粉を、白金濃度2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液(pH=10.5)に含浸させて、120℃で1昼夜乾燥し、水分を除去した後、450℃で1時間焼成することにより、Pt担持量が1%、Ba担持量がBaOとして8%、Ce担持量がCeOとして20%になる触媒粉末eを得た。
次に、酢酸ジルコニウム(Zr(CHCO)水溶液中にアルミナを投入して約1時間室温で撹拌した後、120℃で一昼夜乾燥し、水分を除去した後、900℃で1時間焼成し、焼成粉を得た。この焼成粉をロジウム濃度6%の硝酸ロジウム(Rh(NO)水溶液に含浸し、120℃で一昼夜乾燥し、水分を除去した後、450℃で1時間焼成することによりRh担持量が2%、Zr担持量が3%になる触媒粉末fを得た。
また、酢酸セリウム(Ce(CHCO)水溶液と酢酸バリウム(Ba(CHCO)の混合水溶液中にアルミナを投入して、約1時間室温で撹拌し、120℃で一昼夜乾燥し、水分を除去した後に、大気中において600℃で約1時間焼成し、焼成粉を得た。この焼成粉を、白金の濃度2%のテトラアンミン白金水酸塩溶液(pH=10.5)に含浸させて、120℃で1昼夜乾燥し、水分を除去した後、450℃で1時間焼成することにより、Pt担持量が3.5%、Ba担持量がBaOとして8%、Ce担持量がCeOとして20%になる触媒粉末gを得た。
また、シリカ/アルミナ比が約25であるプロトン型βゼオライト;720g、シリカゾルを;180g、水;900gをアルミナの磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.8μmになるまで湿式混合粉砕することによりゼオライトスラリHを得た。
上記触媒粉末e;555g、アルミナ;25g、βゼオライト;230g、アルミナゾル;90g、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.2μmになるまで湿式混合粉砕し、触媒スラリEを得た。
上記触媒粉末f;317g、触媒粉末g;454g、アルミナ;38g、アルミナゾル;90g、水;900gを磁性ボールミルに投入し、平均粒径が3.0μmになるまで湿式混合粉砕し、触媒スラリFを得た。
コーディエライト製ハニカム状モノリス担体(1.2L、400cpsi)にゼオライトスラリHをコーティングし、セルに付着した余剰スラリを圧縮空気流により取り除き、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、ハニカム担体上にコート量80g/Lのゼオライト層(第1層:HCトラップ材)を形成した。
次に、このゼオライト層上に、触媒スラリEをコーティングし、同様に圧縮空気流にてセル内の余剰スラリを取り除いて、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、ゼオライト層上に、コート量220g/Lの触媒層(第2層:HCトラップ材及びNOxトラップ触媒の共存層)を形成した。
更に、この触媒層の上に、触媒スラリFをコーティングし、同様に圧縮空気流にてセル内の余剰スラリを取り除いて、130℃で乾燥した後、450℃で1時間焼成することにより、触媒層(第2層)上に、コート量100g/Lの触媒層(第3層:NOxトラップ触媒層)を形成した。
<排ガス浄化システムの構築及び性能試験I>
図5に示すように、日産自動車株式会社製直列4気筒2500cc直噴ディーゼルエンジン(エンジン本体1)の排気通路に、第2の触媒33(実施例1<第2の触媒(1)>又は実施例2<第2の触媒(2)>を装着し、この第2の触媒33の下流側に第1の触媒34を装着した。
また、比較例として、第2の触媒33を装着せず、第1の触媒34のみを排気通路に装着した排気浄化システムを形成した。
そして、リーン(A/F=30)で40秒間運転した後、リッチ(A/F=11.7)で2秒間運転するリッチスパイク制御を実施する操作を繰り返した。
このリッチスパイク制御の実施時に、ガス供給手段(インジェクタ62)から第2の触媒33の入口側の排気通路3に直接燃料を噴射して、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含むガスを供給した。
なお、リッチスパイク制御の実施時の排気の空気過剰率λは1.0以下に制御し、排気の酸素濃度は、特許第3918402号に開示された方法に従い、0.8〜1.2vol%に制御した。
使用燃料は、市販のJIS2号軽油であり、第2の触媒4の入口温度は220℃に設定した。
リッチスパイク制御の実施時に、第2の触媒33から第1の触媒34に供給される排気中のNMHC全量に対する芳香族HC量をガスクロマトグラフ質量分析計で測定した。また、リッチスパイク制御の実施時に、第1の触媒34のNOx転化率を化学発光法NOx分析計を用いて触媒前後のNOx濃度を測定して求めた。結果を図6に示す。
また、リッチスパイク制御の実施時に、第2の触媒33から第1の触媒34に供給される排気中の芳香族HCの濃度(ppm)と、同じ排気中の排気全量100%に対するH量(%)をガスクロマトグラフ質量分析計で測定した。結果を図7に示す。
図6に示すように、第1の触媒におけるNOxの転化率(還元率)は、第2の触媒から第1の触媒に供給される排気中の芳香族HC量の割合が高いほど、NOx転化率が高いことが確認できた。特に、排気中に含まれるNMHC全量100%に対して、芳香族HC量の2.0%以上(芳香族HC量/HC全量≧0.02)であると90%以上の高いNOx転化率が得られた。なお、第2の触媒を装着していない排気浄化システム(比較例)では、NOxの転化率は80%未満であった。
この結果から、リッチスパイク制御の実施時に、C6以上のパラフィンHC及び/又はC6以上のオレフィンHCを含むガスが第2の触媒33に供給されることによって、第2の触媒33で芳香族HCの生成と共に、脱水素反応によってHが生成されることによって、NOxの転化率が向上されたと推測できる。
このことは、図7に示す結果からも確認することができる。即ち、図7に示すように、第2の触媒33で芳香族HCが生成されると、芳香族HCの生成量の増大と共に、Hの生成量も増大した。
本発明の排気浄化システムの実施形態の一例を示し、排気浄化システムの簡略化した構成の一部を示す説明図である。 排気浄化システムに用いる第2の触媒の一例を示す斜視図及び部分拡大図である。 排気浄化システムに用いる第1の触媒の一例を示す斜視図及び部分拡大図である。 本発明の排気浄化システムの一例を示した概略構成図である。 本発明の排気浄化システムの他の例を示した概略構成図である。 第2の触媒から第1の触媒に供給される排気中の芳香族HC量/NMHC全量とNOx転化率の関係を示すグラフである。 第2の触媒から第1の触媒に供給される排気中の芳香族HCの濃度(ppm)とH(%)の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 エンジン本体
2 吸気通路
3 排気通路
3a 排気出口通路
4 EGR通路
5 EGR弁
6 第2の燃料供給通路
10 コモンレール
11 燃料噴射弁
12 燃料供給通路
13 サプライポンプ
14 燃料戻り通路
15 水温センサ
16 圧力センサ
17 温度センサ
21 エアクリーナー
22 エアフローメータ
23 吸気コレクタ
24 吸気絞り弁
30 過給機
31 コンプレッサ
32 排気タービン
33 第2の触媒
34 第1の触媒
35 ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)
36 空燃比センサ
37 空燃比センサ
38 ヒータ
40 エンジンコントロールユニット(ECU)
50 燃料タンク
61 第2のサプライポンプ
62 インジェクタ

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に、排気中のNOxを浄化する、NOxトラップ材を含む第1の触媒を配置した排気浄化システムにおいて、
    上記第1の触媒へ生成ガスを直接供給する上流側に、排気中の炭化水素から芳香族炭化水素を生成する、担体上に、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素を含む層と、白金、ロジウム及びパラジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の貴金属元素、並びにセリウム及びプラセオジウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の遷移金属元素を含む酸化物を含む層とをこの順に形成した第2の触媒を備え、
    上記第2の触媒に炭素数が6以上のパラフィン炭化水素及び/又は炭素数が6以上のオレフィン炭化水素を含有するガスを供給するガス供給手段を備えたことを特徴とする排気浄化システム。
  2. 上記NOxトラップ材が、バリウム、マグネシウム、ナトリウム、セリウム及びサマリウムから成る群より選ばれた少なくとも1種の元素を含む酸化物を含むことを特徴とする請求項1に記載の排気浄化システム。
  3. 排気の空気過剰率を調整することにより、上記第1の触媒に堆積したNOxを脱離させるリッチスパイク制御を実施する手段を備え、
    リッチスパイク制御の実施時に、排気中の酸素濃度を0.8〜1.5vol%に制御する酸素濃度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載の排気浄化システム。
  4. 排気中の非メタン炭化水素全量に対して、上記第2の触媒から第1の触媒に供給される排気中の芳香族炭化水素の量が2.0質量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の排気浄化システム。
  5. 上記第2の触媒は、上記貴金属元素の担持量が12.0g/L以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の排気浄化システム。
  6. 上記第2の触媒は、排気と接触する表面に近いほど、上記貴金属元素の含有量を増大させたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の排気浄化システム。
  7. リッチスパイク制御の実施時に、第2の触媒の温度を200℃以上にする温度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の排気浄化システム。
  8. 上記内燃機関がディーゼルエンジンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の排気浄化システム。
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