JP4605397B2 - NOx触媒の劣化診断装置 - Google Patents

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本発明は内燃機関の排気系に設けられたNOx触媒の劣化を判定する劣化診断装置に関するものである。
ディーゼルエンジンやリーンバーンエンジンなどの酸素過剰雰囲気で燃焼を行う内燃機関では、その特性上、従来型の三元触媒では排ガス中のNOx(窒素酸化物)を十分に浄化できないことから、排気浄化装置として酸素過剰雰囲気でもNOxを浄化可能なNOx吸蔵触媒が備えられている。NOx吸蔵触媒は排気空燃比がリーンとなる通常の運転時に排ガス中のNOxを吸蔵する一方、NOx吸蔵限界に至る以前に排気空燃比のリッチ化などにより供給されたHC(炭化水素)やCO(一酸化炭素)を還元剤として利用して吸蔵しているNOxを放出還元し(NOxパージ)、以上の処理を繰り返すことで大気中へのNOx排出を防止している。NOx吸蔵触媒にはNOx吸蔵性能の向上を目的として種々のNOx吸蔵剤が担持され、特に良好なNOx吸蔵性能を発揮する成分としてアルカリ金属であるカリウム(K)が担持される場合がある。
一方、この種の排気浄化装置では触媒の劣化や故障(以下、これらを劣化と総称する)などが発生して所期の排気浄化性能が発揮されなくなると、大気中への有害成分の排出に直結してしまうため、例えば北米のOBD(On Board Diagnosis)に関する法規制では、触媒の劣化を検出して検出情報を保存すると共に、運転者への修理を促すべく触媒劣化の警告を行う劣化診断装置を車両に装備することが義務付けられている。上記NOx吸蔵触媒に対する劣化診断装置としては、NOx吸蔵触媒の下流側にNOxを検出するNOxセンサを設け、NOxセンサにより検出されたNOx排出量に基づいて劣化判定を行っている。
ところで、上記NOx浄化触媒に担持されるカリウムは、高温下において蒸発・飛散し易い特性を有していることが確認されている。この現象は、カリウムの消失によりNOx浄化触媒のNOx吸蔵性能を低下させるばかりでなく、飛散したカリウムが下流側に位置する上記劣化判定用のNOxセンサに付着して出力に異常を生じるという問題が懸念される(以下、この現象をカリウム被毒と称する)。NOxセンサに対するカリウム被毒の原理は、例えばカリウムが有する強いアルカリ性に起因する化学的な要因、或いはセンサ検出部がカリウムで覆われて排ガスとの接触面積が縮小する物理的な要因などが考えられるが、何れにしても正確なNOx排出量に基づく適切な劣化判定の誤差要因となる。
このようなカリウム被毒を防止すべく種々の提案がなされている(例えば、特許文献1参照)。当該特許文献1に開示された技術はNOx吸蔵触媒の下流側に配置された三元触媒の保護を目的としたものであり、NOx吸蔵触媒の下流側にカリウムトラッパを配置して飛散したカリウムを捕捉し、これにより下流側の三元触媒のカリウム被毒を防止している。例えばカリウムトラッパは、アルミナやコージライトの担体上にリンや酸化ニッケル(NiO)などを担持して構成される。
特開2002−21538号公報
上記NOx吸蔵触媒の下流側に劣化判定のためにNOxセンサを設けた構成においても、上記特許文献1と同様にNOxセンサの上流側にカリウムトラッパを配置すればNOxセンサのカリウム被毒を防止可能である。しかしながら、この対策を実施するにはカリウムトラッパを必要とするため劣化診断装置の製造コストを高騰させてしまうと共に、限られた車両の床下スペースにカリウムトラッパの設置スペースを確保する必要があることから、車両への搭載性が悪化するという問題があった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、製造コストの高騰や車両への搭載性の悪化を未然に回避した上で、NOxセンサのカリウム被毒を防止して的確なNOx吸蔵触媒の劣化判定を実現することができるNOx触媒の劣化診断装置を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、内燃機関の排気通路に設けられ、それぞれ触媒種としてカリウムを担持した前段触媒及び後段触媒から構成されるNOx触媒と、NOx触媒の前段触媒と後段触媒との間に配設され、前段触媒を通過する排ガス中のNOx量と相関する値を検出する排気検出手段と、排気検出手段により検出されたNOx量相関値に基づきNOx触媒の劣化状態を判定する劣化判定手段とを備え、後段触媒に対して前段触媒のカリウム担持量が少ないものである。
従って、内燃機関から排出された排ガスはNOx触媒を通過し、その際にカリウムを担持した前段触媒及び後段触媒により排ガス中のNOxが効果的に浄化される。また、排ガス中のNOx量と相関する値、例えばNOx触媒の劣化に伴って次第に増加するNOx量自体、或いはNOx触媒の劣化により酸素ストレージ機能の低下と共に次第に増加する酸素量などが排気検出手段により検出され、このNOx量相関値に基づき劣化判定手段によりNOx触媒の劣化が判定される。
前段触媒及び後段触媒に担持されたカリウムは例えば高温下において蒸発・飛散し、排気検出手段に付着して出力異常を発生させる所謂カリウム被毒の要因となるが、排気検出手段が前段触媒と後段触媒との間に配設されているため、排気検出手段には前段触媒から飛散したカリウムのみが付着し、後段触媒から飛散したカリウムは排気検出手段に付着しない。従って、カリウム付着量の減少により排気検出手段はカリウム被毒が軽減されて正常な検出機能を奏し、NOx量相関値に基づくNOx触媒の劣化判定を的確に実行可能となる。
また、このように前段及び後段触媒と排気検出手段との配置によりカリウム被毒を軽減しており、特許文献1の技術のようなカリウムトラッパを必要としないため、カリウムトラッパによる製造コストの高騰や設置スペースの確保などの問題が未然に回避される
しかも、要求されるNOxに対する浄化性能を実現可能な量のカリウムをNOx吸蔵触媒全体として担持した上で、後段触媒に比較して前段触媒のカリウム担持量を減少することで、排気検出手段に付着するカリウム量をさらに減少可能となる。
請求項の発明は、請求項1において、劣化判定手段が、前段触媒から飛散したカリウムによる排気検出手段の被毒履歴に基づきNOx量相関値を補償するカリウム被毒補償手段を備え、カリウム被毒補償手段により補償後のNOx量相関値に基づきNOx触媒の劣化状態を判定するものである。
従って、排気検出手段により検出されたNOx量相関値がカリウムによる被毒履歴に応じてカリウム被毒補償手段により補償され、補償後のNOx量相関値に基づいて劣化判定が行われる。その結果、カリウム被毒の影響を排除した正確なNOx量相関値に基づいて的確に劣化判定が可能となる。
請求項の発明は、請求項1または2において、劣化判定手段が、後段触媒のカリウムの飛散による劣化履歴に基づき、前段触媒の下流側のNOx量相関値から後段触媒の下流側のNOx量相関値を推定する後段NOx量推定手段を備え、後段NOx量推定手段により推定されたNOx量相関値に基づきNOx触媒の劣化状態を判定するものである。
従って、後段触媒のカリウムの飛散による劣化履歴に基づき、後段NOx量推定手段により前段触媒の下流側のNOx量相関値から後段触媒の下流側のNOx量相関値が推定され、このNOx量相関値に基づいて劣化判定が行われる。その結果、カリウム飛散による後段触媒の劣化を反映した正確なNOx量相関値に基づいて的確に劣化判定が可能となる。
請求項の発明は、請求項1乃至において、排気検出手段を排ガス中のNOx量を検出するNOxセンサとしたものである。
従って、NOx触媒の劣化状態を直接的に反映するNOx量に基づいてNOx触媒の劣化判定が行われる。
以上説明したように請求項1の発明のNOx触媒の劣化診断装置によれば、製造コストの高騰や車両への搭載性の悪化を未然に回避した上で、NOxセンサのカリウム被毒を防止して的確なNOx触媒の劣化判定を実現することができる
請求項の発明のNOx触媒の劣化診断装置によれば、請求項1に加えて、カリウム被毒の影響を排除した正確なNOx量相関値に基づいて一層的確にNOx触媒の劣化判定を行うことができる。
請求項の発明のNOx触媒の劣化診断装置によれば、請求項1または2に加えて、カリウム飛散による後段触媒の劣化を反映した後段触媒の下流側のNOx量相関値に基づいて一層的確にNOx触媒の劣化判定を行うことができる。
請求項の発明のNOx触媒の劣化診断装置によれば、請求項1乃至に加えて、NOx触媒の劣化状態を直接的に反映したNOx量に基づき、一層的確にNOx触媒の劣化判定を行うことができる。
以下、本発明を具体化したNOx触媒の劣化診断装置の一実施例を説明する。
図1は本実施形態のNOx触媒の劣化診断装置を示す全体構成図であり、エンジン1は筒内噴射型火花点火式の直列4気筒ガソリンエンジンとして構成されている。エンジン1のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ2と共に電磁式の燃料噴射弁3が取り付けられ、この燃料噴射弁3から燃焼室内に直接燃料が噴射される。シリンダヘッドには各気筒毎に略直立方向に吸気ポート4aが形成されており、これらの吸気ポート4aは吸気マニホールド4を介してスロットルバルブ5と接続され、スロットルバルブ5は図示しない吸気通路と接続されている。
又、シリンダヘッドには略水平方向に排気ポート6aが形成されており、これらの排気ポート6aには排気マニホールド6を介して排気通路7が接続されている。排気通路7の上流側には三元触媒8が配置され、排気通路7の下流側にはNOx吸蔵触媒9が配置されている。三元触媒8及びNOx吸蔵触媒9の組成は一般的なものと同様であり、三元触媒8は、白金(Pt)、ロジウム(Rh),パラジウム(Pd)などの貴金属が担持されて、排気空燃比が理論空燃比近傍のときに排ガス中のHC、CO、NOxなどの浄化作用を奏する。また、NOx吸蔵触媒は9、白金、ロジウム、パラジウム(Pd)などの貴金属と共に、NOx吸蔵剤としてカリウムなどのアルカリ金属が担持され、排気空燃比がリーンのときに排ガス中のNOxを吸蔵する一方、排気空燃比がリッチのときに吸蔵しているNOxを放出還元する作用を奏する。
本実施形態ではNOx吸蔵触媒9が前段触媒9aと後段触媒9bとから構成されている。以下の説明では、NOx吸蔵触媒9と称したときには前段触媒9a及び後段触媒9bを含む全体を指すものとする。前段触媒9a及び後段触媒9bの上記触媒種に関する各成分の担持量は基本的に同一であるが、NOx吸蔵剤であるカリウムに関しては担持量を異にしている。即ち、要求されるNOx吸蔵性能を実現可能な量のカリウムをNOx吸蔵触媒9全体として担持した上で、後段触媒9bに比較して前段触媒9aのカリウム担持量を減少設定している。なお、カリウム担持量の減少設定はどのような手法でもよく、例えば担持密度を低下させてもよいし、担体容量を縮小してもよい。
前段触媒9aと後段触媒9bとは相互に離間して配設され、両触媒9a,9b間の空隙には排ガス中のNOxを検出するNOxセンサ10(排気検出手段)が設けられている。また、両触媒9a,9b間の空隙には前段温度センサ11aが設けられ、後段触媒9bの下流側には後段温度センサ11bが設けられ、前段温度センサ11aは前段触媒9aを通過後の排ガス温度(前段触媒9aの温度と相関する)を検出し、後段温度センサ11bは後段触媒9bを通過後の排ガス温度(後段触媒9bの温度と相関する)を検出する。
車室内には入出力装置、記憶装置(ROM、RAM、不揮発性RAM等)、中央処理装置(CPU)、タイマカウンタ等を備えたECU(電子コントロールユニット)21が設置されている。ECU21の入力側には上記NOxセンサ10、前段及び後段温度センサ11a,11b、スロットルバルブ5の開度を検出するスロットルセンサ22、エンジン1の回転速度を検出する回転速度センサ23、冷却水温を検出する水温センサ24などの各種センサ類が接続されており、これらセンサ類からの検出情報が入力される。ECU21の出力側には、上記点火プラグ2、燃料噴射弁3、運転席に設けられた触媒劣化を報知する警告灯25などのデバイス類が接続されている。
ECU21はNOxセンサ10により検出されたNOx量に基づきNOx吸蔵触媒9の劣化状態を検出し、触媒劣化と判定したときには検出情報を保存すると共に、運転者への修理を促すべく警告灯25を点灯させる。本実施形態ではNOxセンサ10が前段触媒9aと後段触媒9bとの間に配置されていることから、前段触媒9aを通過した排ガスのNOxがNOxセンサ10により検出され、その検出値がNOx吸蔵触媒9の劣化判定に適用される。
そして、[背景技術]でも説明したように、NOx吸蔵触媒9に担持されたカリウムは特に高温下で飛散して下流側のNOxセンサ10のカリウム被毒を引き起こすが、本実施形態ではNOxセンサ10の上流に位置する前段触媒9aから飛散したカリウムのみがNOxセンサ10に付着し、後段触媒9bから飛散したカリウムはNOxセンサ10に一切付着しない。また、前段触媒9aのカリウム担持量が減少設定されているため、前段及び後段触媒9a,9bに均等にカリウムを担持した場合に比較して前段触媒9aから飛散するカリウム量自体も少ない。これらの要因が相俟って、本実施形態ではNOxセンサ10のカリウム被毒が例えば[背景技術]などに比較して格段に軽減され、NOxセンサ10はカリウム被毒にほとんど影響されることなく正常なNOx検出機能を発揮する。
一方、このようにNOxセンサ10の配置によりカリウムの付着量は減少しているものの、NOx吸蔵触媒9の劣化判定の精度を高めるにはカリウム被毒の影響を一層軽減することが望ましい。また、例えば[背景技術]では、NOx吸蔵触媒の劣化状態と相関する下流側(NOx吸蔵触媒を通過後)の排ガスをNOxセンサで検出して劣化判定に適用しているのに対して、本実施形態では前段触媒9aの下流側、即ち、NOx吸蔵触媒9を完全に通過していない排ガスをNOxセンサ10で検出しているため、NOxセンサ10の検出値をNOx吸蔵触媒9の下流側のNOx量に換算する必要もある。そこで、これらの対策として本実施形態では、今現在のNOxセンサ10のカリウム被毒の影響度(以下、カリウム被毒履歴と称する)を考慮した上でセンサ出力から前段触媒9aの下流側のNOx量を算出し、さらに後段触媒9bへのカリウム飛散の影響度(以下、後段触媒9bの劣化履歴と称する)に基づき、前段触媒9aの下流側のNOx量から後段触媒9bの下流側(NOx吸蔵触媒9の下流側)のNOx量を推定しており、以下、当該処理を含めたECU21により実行されるNOx吸蔵触媒9の劣化判定処理について説明する。
図2はECU21が実行するNOx吸蔵触媒9の劣化判定ルーチンを示すフローチャートであり、ECU21はエンジン1の運転中に当該ルーチンを所定の制御インターバルで実行している。
まず、ステップS2で各種センサ類からの検出情報を入力し、続くステップS4でカリウム被毒履歴を反映したNOx量の補正係数Kを算出・更新する。ステップS4の処理は具体的には以下の要件を考慮して行われる。NOxセンサ10のカリウム被毒履歴は前段触媒9aからのカリウム累積飛散量(前段触媒9aから飛散したカリウム量を累積した値)と相関し、当該カリウム累積飛散量は現在までのNOx吸蔵触媒9の温度履歴、即ち、NOx吸蔵触媒9がどの温度域にどの程度の時間留まったかに応じて定まる。高温域が長時間継続するほど前段触媒9aのカリウム累積飛散量は急速に増加し、NOxセンサ10のカリウム被毒が重度なものとなる。
そこで、予め前段触媒9aからECU21の制御インターバル間に飛散するカリウムの量を各温度域毎に設定しておき、ステップS4では前段温度センサ11aにより検出された排ガス温度と対応するカリウム飛散量を求め、このカリウム飛散量を前回処理時のカリウム累積飛散量に加算して現在のカリウム累積飛散量を求める。予めカリウム累積飛散量に対応してNOxセンサ10のカリウム付着に起因する出力異常(例えば感度低下)を補償可能な補正係数Kがマップとして設定されており、当該マップから現在のカリウム累積飛散量と対応する補正係数Kを算出して今回処理時の値として更新する。
なお、NOx吸蔵触媒9からのカリウム累積飛散量は上記温度履歴の他にエンジン負荷状況などの影響も受けることから、上記温度履歴に代えて、或いは温度履歴と共にエンジン負荷も考慮してカリウム累積飛散量を算出してもよい。
制御インターバル毎のカリウム飛散量の加算によりカリウム累積飛散量は次第に増加方向に変化し、それに応じて補正係数Kは重度のカリウム被毒に対応可能な値に次第に変更されるが、特にNOx吸蔵触媒9の高温域が継続されるほど、大きなカリウム飛散量に基づいてカリウム累積飛散量が急速に増加されるため、それに伴って補正係数Kの変更も急速に行われる。その後、ステップS6でNOxセンサ10の検出値に補正係数Kを乗算して、前段触媒9aの下流側のNOx量を求める(カリウム被毒補償手段)。補正係数Kに基づく補償により、得られたNOx量はカリウム被毒の影響を排除した正確な値となる。
続くステップS8では後段触媒9bの下流側のNOx量を算出する(後段NOx量推定手段)。前段触媒9aと同様に後段触媒9bでもカリウム飛散が発生し、後段触媒9bからのカリウム飛散はNOxセンサ10への影響はないが、上記劣化履歴として後段触媒9bのNOx吸蔵性能を低下させる要因になる。この後段触媒9bの劣化履歴は後段触媒9bからのカリウム累積飛散量(即ち、カリウム消失量)と相関することから、前段触媒9aと同様に、予め後段触媒9bからECU21の制御インターバル間に飛散するカリウムの量を各温度域毎に設定しておき、後段温度センサ11bにより検出された排ガス温度と対応するカリウム飛散量を求め、このカリウム飛散量を前回処理時のカリウム累積飛散量に加算して現在のカリウム累積飛散量を求める。
予めカリウム累積飛散量に対応して後段触媒9bのNOx浄化率がマップとして設定されており、当該マップから現在のカリウム累積飛散量と対応するNOx浄化率を算出し、上記ステップS6で求めた前段触媒9aの下流側のNOx量(即ち、後段触媒9bへの流入NOx量)に対してNOx浄化率を乗算して、後段触媒9bの下流側のNOx量を求める。
なお、具体的な後段触媒9bのNOx浄化率を算出することなく、例えば前段触媒9aの下流側のNOx量と後段触媒9bの下流側のNOx量との関係を、後段触媒9bのNOx浄化率を見込んだ上でエンジン負荷や触媒温度などに応じてマップ設定し、当該マップに従って前段触媒9aの下流側のNOx量から後段触媒9bの下流側のNOx量を直接的に算出するようにしてもよい。
また、前段及び後段温度センサ11a,11bは各触媒9a,9bの下流側の排ガス温度を検出する代わりに触媒温を直接検出してもよいし、例えば後段温度センサ11bを省略して、前段温度センサ11aの検出値を前段及び後段触媒9a,9bの温度と見なしてもよい。
その後、ステップS10で後段触媒9bの下流側のNOx量が予め設定された劣化判定値を越えるか否かを判定し、判定がNo(否定)のときにはそのままルーチンを終了する。また、ステップS10の判定がYes(肯定)のときには続くステップS12で警告灯25を点灯させて運転者に触媒劣化を報知すると共に、修理作業に備えて触媒劣化の検出情報を記憶装置に保存し、その後にルーチンを終了する。
そして、上記したようにNOxセンサ10が前段触媒9aと後段触媒9bとの間に配置され、且つ後段触媒9bに比較して前段触媒9aのカリウム担持量が減少設定されていることから、NOxセンサ10へのカリウム付着量が減少し、NOxセンサ10はカリウム被毒にほとんど影響されることなく正常なNOx検出機能を発揮する。しかも、前段触媒9aからのカリウム累積飛散量からNOxセンサ10のカリウム被毒履歴を反映した補正係数Kを算出し、この補正係数KによりNOxセンサ10の検出値を補償しているため、カリウム被毒の影響を排除した正確な前段触媒9aの下流側のNOx量を得ることができる。
さらに、NOxセンサ10の検出対象が前段触媒9aの下流側のNOx量であることに起因して、NOxセンサ10の検出値をNOx吸蔵触媒9の下流側のNOx量に換算する必要があるが、上記のようにカリウム被毒履歴に基づき補償したNOx量をベースとして、カリウム飛散に起因する劣化履歴を反映した後段触媒9bのNOx浄化率に基づき、NOx吸蔵触媒9の下流側のNOx量を算出しているため、極めて正確なNOx量に基づいてNOx吸蔵触媒9の劣化判定を的確に実行することができる。
また、特許文献1の技術のようにカリウム被毒を防止するためのカリウムトラッパを必要としない。カリウムトラッパに代えて本実施形態では前段及び後段温度センサ11a,11bを必要とするが、これらのセンサ11a,11bはカリウムトラッパに比較してコストが安価で大きな設置スペースも要しないため、特許文献1の技術に比較して製造コストを低減できると共に車両への搭載性を向上できるという利点もある。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、筒内噴射型ガソリンエンジンを対象としたNOx触媒の劣化診断装置に具体化したが、NOx浄化を要する機関であればこれに限ることはなく、例えばディーゼルエンジンに適用してもよい。
また、上記実施形態では、排気検出手段としてNOx量を検出するNOxセンサ10を適用したが、排ガス中のNOx量と相関する値を検出する手段であればこれに限るものではない。例えば、前段触媒9aの劣化時には酸素ストレージ機能の低下と共に前段触媒9aを通過する酸素量が増加することから、前段触媒9aの下流側の酸素量を検出するO2センサを排気検出手段として適用してもよい。
実施形態のNOx触媒の劣化診断装置を示す全体構成図である。 ECUが実行する劣化判定ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
7 排気通路
9 NOx吸蔵触媒
9a 前段触媒
9b 後段触媒
21 ECU(劣化判定手段、カリウム被毒補償手段、後段NOx量推定手段)

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられ、それぞれ触媒種としてカリウムを担持した前段触媒及び後段触媒から構成されるNOx触媒と、
    上記NOx触媒の前段触媒と後段触媒との間に配設され、上記前段触媒を通過する排ガス中のNOx量と相関する値を検出する排気検出手段と、
    上記排気検出手段により検出されたNOx量相関値に基づき上記NOx触媒の劣化状態を判定する劣化判定手段と
    を備え
    上記後段触媒に対して上記前段触媒のカリウム担持量が少ないことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  2. 上記劣化判定手段は、
    上記前段触媒から飛散したカリウムによる上記排気検出手段の被毒履歴に基づき上記NOx量相関値を補償するカリウム被毒補償手段を備え、
    上記カリウム被毒補償手段により補償後のNOx量相関値に基づき上記NOx触媒の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  3. 上記劣化判定手段は、
    上記後段触媒のカリウムの飛散による劣化履歴に基づき、上記前段触媒の下流側のNOx量相関値から上記後段触媒の下流側のNOx量相関値を推定する後段NOx量推定手段を備え、
    上記後段NOx量推定手段により推定されたNOx量相関値に基づき上記NOx触媒の劣化状態を判定することを特徴とする請求項1または2記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  4. 上記排気検出手段は、排ガス中のNOx量を検出するNOxセンサであることを特徴とする請求項1乃至の何れかに記載のNOx触媒の劣化診断装置。
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