JP2002006832A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

Info

Publication number
JP2002006832A
JP2002006832A JP2000187109A JP2000187109A JP2002006832A JP 2002006832 A JP2002006832 A JP 2002006832A JP 2000187109 A JP2000187109 A JP 2000187109A JP 2000187109 A JP2000187109 A JP 2000187109A JP 2002006832 A JP2002006832 A JP 2002006832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
key
hammer
lubricant
arm
keyboard device
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000187109A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Taniguchi
弘和 谷口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Casio Computer Co Ltd
Original Assignee
Casio Computer Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Casio Computer Co Ltd filed Critical Casio Computer Co Ltd
Priority to JP2000187109A priority Critical patent/JP2002006832A/ja
Publication of JP2002006832A publication Critical patent/JP2002006832A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Electrophonic Musical Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 潤滑剤の減少を防ぎ、長期間の使用に際し、
円滑にハンマー当接部を摺動させる。 【解決手段】 鍵盤シャーシ1上に設けられた鍵2を押
鍵したときに、その押鍵動作によりハンマーアーム3が
回動変位して鍵2にアクション荷重を付与する鍵盤装置
において、ハンマーアーム3のハンマー当接部14に凹
溝30を設け、鍵2の下面に凹溝30内を移動するガイ
ド部31を鍵2の初期状態で凹溝30の前端またはこれ
に接近させた状態で鍵2の前方に向けて設けた。従っ
て、鍵2によりハンマー当接部14が押し下げられる
と、凹溝30内にガイド部31が挿入して移動すること
により、ガイド部31によって凹溝30内の潤滑剤をハ
ンマー当接部14と鍵2の下面との接触面側に押し出す
と共に、押鍵強さに応じて押し出される潤滑剤の量を制
御するので、摺動部分の潤滑剤の減少を防ぎ、長期間の
使用に際して、円滑にハンマー当接部14を摺動させる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子ピアノなど
の電子鍵盤楽器に用いられる鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ピアノなどの電子鍵盤楽器に
おいては、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似
した鍵タッチ感を得るために、鍵の下方に錘を有するハ
ンマーアームを上下方向に回動可能に設け、鍵の押鍵操
作に伴ってハンマーアームがその錘の重量に抗して回動
することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与する
ようにしたものがある。図8はその一例を示した図であ
る。この鍵盤装置は、楽器ケース内に組み込まれる合成
樹脂製の鍵盤シャーシ1と、この鍵盤シャーシ1上に上
下方向に回動可能に取り付けられた合成樹脂製の複数の
鍵(白鍵と黒鍵、ただしここでは白鍵について説明す
る。)2と、これら複数の鍵2の押鍵動作に伴ってそれ
ぞれ回動変位して各鍵2にアクション荷重を付与するハ
ンマーアーム3と、各鍵2の押鍵動作に応じてそれぞれ
オン信号を出力するスイッチ部材4とを備えている。
【0003】複数の鍵2は、それぞれ後端部(図8では
右端部)が鍵盤シャーシ1の後端部(同図では右端部)
上に設けられた鍵支持部5に軸6により回動自在に取り
付けられ、この軸6を中心に上下方向に回動し、各鍵2
の中間部に形成された中空状のスイッチ押圧部7がスイ
ッチ部材4を押圧するように構成されている。この場
合、鍵2は、後述するハンマーアーム3によって上方に
付勢され、これにより通常は図8に示すように、各鍵2
の前端部(同図では左端部)に垂設されたL字状のスト
ッパ片8が鍵盤シャーシ1の前端部の下面に設けられた
フェルトなどの上限ストッパ9に当接することにより、
所定の初期位置(上限位置)に位置規制されている。ま
た、この鍵2は、押鍵時に軸6を中心に図8において反
時計回りに回動して、L字状のストッパ片8が鍵盤シャ
ーシ1の前端部の下部に設けられたフェルトなどの下限
ストッパ10に当接することにより、所定の下限位置に
位置規制されている。なお、この鍵2は、鍵盤シャーシ
1の前端部上に設けられた鍵ガイド11によって横振れ
しないようにガイドされている。
【0004】ハンマーアーム3は、合成樹脂製のアーム
本体12と、このアーム本体12の一端部(図8では右
下端部)に取り付けられた錘13と、アーム本体12の
他端部(同図では左上端部)に設けられたハンマー当接
部14とを備えている。このハンマーアーム3は、アー
ム本体12の下部側が錘13と共に鍵盤シャーシ1の開
口部1aを通して鍵支持部5の下方に各鍵2に対応した
状態で配置され、アーム本体12のほぼ中間部が鍵盤シ
ャーシ1のほぼ中間部に設けられたハンマー支持部15
に軸16によって上下方向に回動自在に支持され、ハン
マー当接部14がスイッチ押圧部7の中空内に挿入され
た状態で鍵2の下面に当接して摺動するように構成され
ている。
【0005】この場合、ハンマーアーム3は、図8に示
すように、通常は錘13の重量によってアーム本体12
が同図において時計回りに付勢され、アーム本体12の
下端部が鍵盤シャーシ1の後端部の側壁リブ17の下端
に設けられたフェルトなどの下限ストッパ18に当接し
て、所定の下限位置に位置規制され、これによりハンマ
ー当接部14が鍵2を上方に押し上げている。また、こ
のハンマーアーム3は、錘13の重量に抗して鍵2が押
鍵された際に、アーム本体12が図8において反時計回
りに回動してアーム本体12の下端部が鍵支持部5の後
方に位置する鍵盤シャーシ1の下面に設けられたフェル
トなどの上限ストッパ19に当接し、これにより所定の
上限位置に位置規制されている。
【0006】スイッチ部材4は、ゴムシート20とスイ
ッチ基板21とからなり、鍵盤シャーシ1のほぼ中間部
分における下面に配置されている。ゴムシート20は、
鍵2の配列方向に連続する帯状に形成され、各鍵2のス
イッチ押圧部7に対応する箇所に弾性変形可能なドーム
状の膨出部22が形成され、これら膨出部22が鍵盤シ
ャーシ1の各貫通孔1b内に下側から挿入されて上方に
突出している。スイッチ基板21は、ゴムシート20を
介して鍵盤シャーシ1の下面に取り付けられている。こ
れにより、スイッチ部材4は、押鍵動作に応じてゴムシ
ート20の膨出部22がスイッチ押圧部7により押圧さ
れたときに、膨出部22が弾性変形してその内部に設け
られた可動接点がスイッチ基板21に設けられた固定接
点に接触し、これによりオン信号を出力するように構成
されている。
【0007】このような鍵盤装置では、ハンマーアーム
3の錘13の重量に抗して鍵2が押鍵されると、その鍵
2が鍵支持部5の軸6を中心に図8において反時計回り
に回動し、これに伴ってハンマー当接部14が鍵2の下
面に沿って鍵2の前方に向けて摺動しながら押し下げら
れ、ハンマーアーム3がハンマー支持部15の軸16を
中心に図8において反時計回りに回動する。このときに
は、鍵2にハンマーアーム3の錘13の重量に応じたア
クション荷重が付与されるので、アコースティックピア
ノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。そし
て、鍵2が更に下方に回動して、ハンマーアーム3の下
端部が上限ストッパ19に当接すると共に、鍵2のスト
ッパ片8が下限ストッパ10に当接すると、ハンマーア
ーム3および鍵2の回動が停止する。なお、この後は、
ハンマーアーム3がその錘13の重量により図8におい
て時計回りに回動し、上記と逆の動作を行って、ハンマ
ーアーム3および鍵2が図8に示す初期位置に戻る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな鍵盤装置では、押鍵時にハンマーアーム3のハンマ
ー当接部14が鍵2の下面に沿って摺動するので、その
摺動部分にグリスなどの潤滑剤を塗布して円滑に摺動さ
せる必要があるが、ハンマー当接部14と鍵2の下面と
が単純に接触して摺動する構造であるから、長期間使用
すると、潤滑剤がハンマー当接部14によって鍵2の下
面における摺動部分の前後に押し出されてしまい、摺動
部分の潤滑剤が減少し、これによりハンマー当接部14
が円滑に摺動しなくなるばかりか、最悪の場合にはハン
マー当接部14と鍵2の下面との両者が相互に削られて
しまうという問題がある。
【0009】この発明の課題は、摺動部分における潤滑
剤の減少を防ぎ、かつ長期間の使用に際して、ハンマー
当接部を鍵の下面に沿って円滑に摺動させことである。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明は、鍵盤シャー
シと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設け
られた鍵と、この鍵の下側に対応して設けられ、前記鍵
の押鍵動作に伴って回動変位して該鍵にアクション荷重
を付与するハンマーアームとを備えた鍵盤装置におい
て、前記鍵の下面に当接する前記ハンマーアームのハン
マー当接部には、前記鍵の長手方向に沿う凹溝が設けら
れ、前記鍵の下面には、前記鍵の押鍵動作に伴って前記
凹溝内を相対的に移動するガイド部が、前記鍵の初期状
態のときに前記鍵の長手方向における前記凹溝の前端ま
たはこれに接近する位置から前記鍵の前方に向けて設け
られていることを特徴とする。
【0011】この発明によれば、押鍵された鍵によりハ
ンマーアームのハンマー当接部が押し下げられてハンマ
ーアームが回動するときに、ハンマー当接部の凹溝内に
鍵のガイド部が挿入して移動することにより、このガイ
ド部によって凹溝内の潤滑剤がハンマー当接部と鍵の下
面との接触面側に押し出されると共に、押鍵強さに応じ
てガイド部と凹溝とが相対的に移動する速度によって押
し出される潤滑剤の量が制御されるので、従来例のよう
にハンマー当接部が鍵の下面に単純に接触して摺動する
場合に比べて、摺動部分における潤滑剤の減少を防ぐこ
とができると共に、長期間の使用に際して、ハンマー当
接部を鍵の下面に沿って円滑に摺動させることができ
る。
【0012】この場合、請求項2に記載のごとく、前記
鍵の初期状態のときに前記ハンマー当接部の前端側に位
置する前記ガイド部の後端部は、その下端が前記鍵の下
面に位置する上端よりも前記鍵の後部側に向けて突出す
る傾斜突起部に形成されていることにより、ハンマー当
接部の凹溝内に鍵のガイド部が挿入して移動するとき
に、ガイド部の傾斜突起部に沿って凹溝内の潤滑剤をハ
ンマー当接部と鍵の下面との接触面側に徐々にかつ確実
に押し出すことができると共に、押鍵強さに応じてガイ
ド部と凹溝とが相対的に移動する速度によって傾斜突起
部が押し出す潤滑剤の量を適切に制御することができ
る。
【0013】また、請求項3に記載のごとく、前記鍵
は、前記鍵盤シャーシに前記鍵の前後方向に移動可能に
係止される係止フック部と、前記鍵を少なくとも後方に
向けて付勢するばね部材とを備え、押鍵時に前記ハンマ
ーアームの重量および前記ばね部材のばね力に抗して前
記係止フック部を中心に上下方向に回動する構造である
ことにより、鍵を手前側に向けて引っ張ると、ばね部材
のばね力に抗して鍵を前方に移動させることができ、こ
れにより鍵を前後に移動させてガイド部を凹溝に対して
強制的に移動させることができるので、ガイド部の前後
に生じた潤滑剤溜りを緩和させることができる。
【0014】さらに、請求項4に記載のごとく、前記鍵
の下面には、潤滑剤止め部が、前記鍵および前記ハンマ
ーアームの初期状態のときに前記鍵の長手方向における
前記ハンマー当接部の少なくとも後方に位置して設けら
れていることにより、押鍵された鍵が初期位置に戻ると
きにグリスなどの潤滑剤がハンマー当接部の後部側に押
し出されても、潤滑剤止め部によって潤滑剤を堰き止め
ることができ、これにより潤滑剤の減少を防ぐことがで
きるほか、鍵を手前側に向けて引っ張って前方に移動さ
せることにより、潤滑剤止め部によって溜った潤滑剤を
ハンマー当接部に戻すことができ、このため、より一
層、長期間の使用に際し、ハンマー当接部を鍵の下面に
沿って円滑に摺動させることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]以下、図1〜図
5を参照して、この発明の鍵盤装置の第1実施形態につ
いて説明する。なお、図8に示された従来例と同一部分
には同一符号を付して説明する。この鍵盤装置は、鍵盤
シャーシ1に対する鍵2の取付構造、および鍵2とハン
マーアームとの接触部分の構造が従来例と異なり、これ
以外は従来例とほぼ同じ構造になっている。すなわち、
鍵2は、図1および図2に示すように、その後端下部
(同図では右端下部)に係止フック部25が設けられ、
この係止フック25が鍵盤シャーシ1の後端部(同図で
は右端部)に形成された矩形状の取付孔26に上方から
挿入されて、鍵2の前後方向(同図では左右方向)に移
動可能に係止されている。
【0016】また、この鍵2は、係止フック部25の前
側(同図では左側)に位置する下面に補強リブ27が設
けられ、この補強リブ27とハンマーアーム3のアーム
本体12の中間部との間に板ばね28が設けられ、この
板ばね28により鍵2が後部上方に向けて付勢され、こ
れにより鍵2が係止フック部25の下端部を中心に上下
方向に回動するように構成されている。この場合、ハン
マー当接部14は、鍵2が押鍵されない初期状態のとき
に、板ばね28により鍵2が後部上方に押し上げられて
いることにより、実際には鍵2の下面から少し下方に離
れているが、押鍵時に図5に示すように鍵2の下面に当
接するように構成されている。なお、鍵盤シャーシ1の
取付孔26には、係止フック部25の後端面に常に当接
する円形状の鍵規制部29が設けられている。
【0017】一方、鍵2の下面に当接するハンマーアー
ム3のハンマー当接部14には、図3〜図5に示すよう
に、鍵2の長手方向に沿って凹溝30が設けられてい
る。また、鍵2の下面には、鍵2の押鍵動作に伴ってハ
ンマー当接部14の凹溝30内を相対的に移動するガイ
ド部31が鍵2の長手方向に沿って設けられている。こ
のガイド部31は、凹溝30の深さよりも低い高さの立
て板状のリブであり、鍵2が図1に示す初期位置に位置
規制された状態のときに、鍵2の長手方向における凹溝
30の前端(図3では左端)またはこれに接近する位置
から鍵2の前方に向けて設けられ、鍵2が図2に示すよ
うに押鍵されたときに凹溝30内に挿入して移動するよ
うに構成されている。この場合、鍵2が初期状態のとき
にハンマー当接部14の前端側に位置するガイド部31
の後端部(図3では右端部)は、その下端が鍵2の下面
に位置する上端よりも鍵2の後部側(同図では右部側)
に向けて突出する傾斜突起部31aに形成されている。
すなわち、この傾斜突起部31aは、鍵2の下面に対向
する部分が鍵2の前上がり(同図では左上がり)の傾斜
面に形成されている。
【0018】このような鍵盤装置では、図1に示すよう
な鍵2およびハンマーアーム3の初期状態において、鍵
2が押鍵されると、鍵2の後端部の係止フック部25を
中心に鍵2が下方向に向けて回動するので、鍵2の下面
がハンマーアーム3のハンマー当接部14に当接してハ
ンマー当接部14を押し下げる。これにより、図2に示
すように、ハンマーアーム3がハンマー支持部15の軸
16を中心に回動し、鍵2にハンマーアーム3の錘13
の重量に応じたアクション荷重を付与するので、アコー
スティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が
得られる。このときには、図3に示すように、ハンマー
当接部14が鍵2の下面に当接して鍵2の前方(同図で
は左方)に向けて摺動し、図4および図5に示すよう
に、ハンマー当接部14の凹溝30内に鍵2のガイド部
31が相対的に挿入して移動することにより、このガイ
ド部31によって凹溝30内のグリスなどの潤滑剤がハ
ンマー当接部14と鍵2の下面との接触面側に押し出さ
れると共に、押鍵強さに応じてガイド部31と凹溝30
とが相対的に移動する速度によって押し出される潤滑剤
の量が制御される。
【0019】すなわち、鍵2が弱い力で押鍵されると、
ハンマーアーム3の回動速度が遅く、ガイド部31が凹
溝30に相対的に挿入して移動する速度も遅くなるの
で、ガイド部31によって押し出される潤滑剤の量は少
ない。また、鍵2が強い力で押鍵されると、ハンマーア
ーム3の回動速度が速く、ガイド部31が凹溝30に相
対的に挿入して移動する速度も速くなるので、ガイド部
31によって押し出される潤滑剤の量は多くなる。この
ため、従来例のようにハンマー当接部14が鍵2の下面
に単純に接触して摺動する場合に比べて、摺動部分にお
ける潤滑剤の減少を防ぐことができると共に、長期間の
使用に際して、ハンマー当接部14を鍵2の下面に沿っ
て円滑に摺動させることができる。
【0020】この場合、特に、ガイド部31の後端部
は、その下端が鍵2の下面に位置する上端よりも鍵2の
後部側に向けて突出する傾斜突起部31aに形成されて
いるので、図4に示すように、凹溝30内にガイド部3
1が挿入して移動するときに、ガイド部31の傾斜突起
部31aに沿って凹溝30内の潤滑剤をハンマー当接部
14と鍵2の下面との接触面側に徐々にかつ確実に押し
出すことができると共に、押鍵強さに応じてガイド部3
1と凹溝30とが相対的に移動する速度によって、傾斜
突起部31aが押し出す潤滑剤の量を適切に制御するこ
とができる。なお、潤滑剤が減少した場合には、ガイド
部31の傾斜突起部31aに潤滑剤を塗布すれば良いの
で、潤滑剤を容易に設けることができる。
【0021】また、この鍵盤装置では、鍵の後端部に設
けられた係止フック部25が鍵盤シャーシ1の取付孔2
6に前後方向に移動可能に係止されていると共に、鍵2
の補強リブ27とアーム本体12の中間部との間に板ば
ね28が設けられ、この板ばね28によって鍵2が後部
上方に向けて付勢されているので、鍵2を手前側に向け
て引っ張ると、板ばね28のばね力に抗して鍵2を前方
に移動させることができ、これにより鍵2を前後方向に
移動させてガイド部31を凹溝30に対して強制的に移
動させることができるので、ガイド部31の前後に生じ
た潤滑剤溜りを緩和させることができる。例えば、鍵2
を初期状態のままで前後方向に移動させると、ガイド部
31の後部側に生じた潤滑剤溜りを緩和することができ
る。また、鍵2を押し下げた状態のままで前後方向に移
動させると、ガイド部31の前部側に生じた潤滑剤溜り
を緩和することができる。これにより、潤滑剤の減少を
大幅に防ぐことができ、より一層、長期間に亘って円滑
に摺動させることができる。
【0022】なお、上記第1実施形態では、鍵2の後端
部に係止フック部25を設け、この係止フック部25を
鍵盤シャーシ1の取付孔26に前後方向に移動可能に係
止させると共に、鍵2とハンマーアーム3との間に板ば
ね28を設け、この板ばね28によって鍵2を後部上方
に向けて付勢し、鍵2が前後方向に移動するように構成
した場合について述べたが、必ずしも、鍵2は前後方向
に移動する必要はなく、例えば図8に示した従来例のよ
うに、鍵2の後端部を鍵盤シャーシ1の鍵支持部5に軸
6により回動自在に取り付けた構造であっても良い。
【0023】[第2実施形態]次に、図6および図7を
参照して、この発明の鍵盤装置の第2実施形態について
説明する。この場合には、図1〜図5に示された第1実
施形態と同一部分に同一符号を付して説明する。この鍵
盤装置は、鍵2のガイド部31の前後方向に位置する箇
所に第1、第2潤滑剤止め部32、33を設けた構造
で、これ以外は第1実施形態と同じ構造になっている。
【0024】すなわち、第1潤滑剤止め部32は、鍵2
の両側壁間に設けられた立て板状のリブであり、鍵2の
下面におけるガイド部31の後部側に位置する箇所、つ
まり図6に示すように、鍵2およびハンマーアーム3が
初期位置に位置規制された状態でハンマーアーム3のハ
ンマー当接部14の後方に位置する箇所に、鍵2の長手
方向と直交する方向に設けられている。また、第2潤滑
剤止め部33も、鍵2の両側壁間に設けられた立て板状
のリブであり、鍵2の下面におけるガイド部31の前部
側に位置する箇所、つまり図7に示すように、押鍵され
た鍵2によって回動したハンマーアーム3のハンマー当
接部14の前方に位置する箇所に、鍵2の長手方向と直
交する方向に設けられている。
【0025】このような鍵盤装置では、第1実施形態と
同様の作用効果があるほか、特に鍵2の下面におけるガ
イド部31の後部側に位置する箇所、つまり図6に示す
ように鍵2が初期位置に位置規制された状態でハンマー
アーム3のハンマー当接部14の後方に位置する箇所に
第1潤滑剤止め部32が設けられているので、鍵2の押
鍵操作に伴うハンマーアーム3の回動動作によってグリ
スなどの潤滑剤がハンマー当接部14の後部側に押し出
されても、第1潤滑剤止め部32によって潤滑剤を堰き
止めることができ、しかも鍵2を初期状態のままで前方
向に移動させることにより、第1潤滑剤止め部32によ
って堰き止められた潤滑剤をハンマー当接部14に戻す
ことができ、このため、より一層、潤滑剤の減少を防ぐ
ことができる。
【0026】また、この鍵盤装置では、鍵2の下面にお
けるガイド部31の前部側に位置する箇所、つまり図7
に示すように押鍵された鍵2によって回動したハンマー
アーム3のハンマー当接部14の前方に位置する箇所に
第2潤滑剤止め部32が設けられているので、押鍵時に
鍵2によりハンマーアーム3が回動してハンマー当接部
14が鍵2の前方に向けて摺動したときに、このハンマ
ー当接部14の移動に伴って潤滑剤がハンマー当接部1
4の前方に押し出されても、第2潤滑剤止め部32によ
って潤滑剤を堰き止めることができるので、潤滑剤の減
少を防ぐことができ、これによっても長期間に亘って潤
滑剤を確保することができる。
【0027】なお、上記第2実施形態では、鍵2のガイ
ド部31の前後両方に位置する箇所に第1、第2潤滑剤
止め部32、33をそれぞれ設けたが、必ずしもガイド
部31の前方に位置する箇所に第2潤滑剤止め部33を
設ける必要はなく、ガイド部31の後方に位置する箇所
に第1潤滑剤止め部32のみを設けた構造でも良い。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に設けられた
鍵を押鍵したときに、その押鍵動作に伴ってハンマーア
ームが回動変位して鍵にアクション荷重を付与する鍵盤
装置において、ハンマーアームのハンマー当接部に凹溝
を設け、鍵の下面に凹溝内を相対的に移動するガイド部
を鍵の初期状態のときに凹溝の前端またはこれに接近す
る位置から鍵の前方に向けて設けたので、押鍵された鍵
によりハンマー当接部が押し下げられてハンマーアーム
が回動するときに、ハンマー当接部の凹溝内に鍵のガイ
ド部が挿入して移動することにより、このガイド部によ
って凹溝内の潤滑剤がハンマー当接部と鍵の下面との接
触面側に押し出されると共に、押鍵強さに応じてガイド
部と凹溝とが相対的に移動する速度によって押し出され
る潤滑剤の量が制御されるので、従来例のようにハンマ
ー当接部が鍵の下面に単純に接触して摺動する場合に比
べて、摺動部分における潤滑剤の減少を防ぐことができ
ると共に、長期間の使用に際して、ハンマー当接部を鍵
の下面に沿って円滑に摺動させることができる。
【0029】この場合、鍵の初期状態のときにハンマー
当接部の前端側に位置するガイド部の後端部が、その下
端を鍵の下面に位置する上端よりも鍵の後部側に向けて
突出する傾斜突起部に形成されていることにより、ハン
マー当接部の凹溝内に鍵のガイド部が挿入して移動する
ときに、ガイド部の傾斜突起部に沿って凹溝内の潤滑剤
をハンマー当接部と鍵の下面との接触面側に徐々にかつ
確実に押し出すことができると共に、押鍵強さに応じて
ガイド部と凹溝とが相対的に移動する速度によって傾斜
突起部が押し出す潤滑剤の量を適切に制御することがで
きる。また、鍵は、鍵盤シャーシにその前後方向に移動
可能に係止される係止フック部と、鍵を少なくとも後方
に向けて付勢するばね部材とを備え、押鍵時にハンマー
アームの重量およびばね部材のばね力に抗して係止フッ
ク部を中心に上下方向に回動する構造であることによ
り、鍵を手前側に向けて引っ張ると、ばね部材のばね力
に抗して鍵を前方に移動させることができ、これにより
鍵を前後方向に移動させてガイド部を凹溝に対して強制
的に移動させることができるので、ガイド部の前後に生
じた潤滑剤溜りを緩和させることができる。
【0030】さらに、鍵の下面には、潤滑剤止め部が、
鍵およびハンマーアームの初期状態のときに鍵の長手方
向におけるハンマー当接部の少なくとも後方に位置して
設けられていることにより、押鍵された鍵が初期位置に
戻るときにグリスなどの潤滑剤がハンマー当接部の後部
側に押し出されても、潤滑剤止め部によって潤滑剤を堰
き止めることができ、これにより潤滑剤の減少を防ぐこ
とができるほか、鍵を手前側に向けて引っ張って前方に
移動させることにより、潤滑剤止め部によって溜った潤
滑剤をハンマー当接部に戻すことができ、このため、よ
り一層、長期間の使用に際して、ハンマー当接部を鍵の
下面に沿って円滑に摺動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鍵盤装置の第1実施形態を示した断
面図。
【図2】図1の状態で鍵を押鍵した状態を示した断面
図。
【図3】図1の要部の拡大断面図。
【図4】図2の要部の拡大断面図。
【図5】図3のA−A矢視における鍵とハンマーアーム
を示した断面図。
【図6】この発明の鍵盤装置の第2実施形態における要
部の拡大断面図。
【図7】図6の状態で鍵を押鍵した状態を示した要部の
拡大断面図。
【図8】従来の鍵盤装置の断面図。
【符号の説明】
1 鍵盤シャーシ 2 鍵 3 ハンマーアーム 14 ハンマー当接部 25 係止フック部 28 板ばね 30 凹溝 31 ガイド部 31a 傾斜突起部 32 第1潤滑剤止め部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍵盤シャーシと、この鍵盤シャーシ上に上
    下方向に回動可能に設けられた鍵と、この鍵の下側に対
    応して設けられ、前記鍵の押鍵動作に伴って回動変位し
    て該鍵にアクション荷重を付与するハンマーアームとを
    備えた鍵盤装置において、前記鍵の下面に当接する前記
    ハンマーアームのハンマー当接部には、前記鍵の長手方
    向に沿う凹溝が設けられ、 前記鍵の下面には、前記鍵の押鍵動作に伴って前記凹溝
    内を相対的に移動するガイド部が、前記鍵の初期状態の
    ときに前記鍵の長手方向における前記凹溝の前端または
    これに接近する位置から前記鍵の前方に向けて設けられ
    ていることを特徴とする鍵盤装置。
  2. 【請求項2】前記鍵の初期状態のときに前記ハンマー当
    接部の前端側に位置する前記ガイド部の後端部は、その
    下端が前記鍵の下面に位置する上端よりも前記鍵の後部
    側に向けて突出する傾斜突起部に形成されていることを
    特徴とする請求項1に記載の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】前記鍵は、前記鍵盤シャーシに前記鍵の前
    後方向に移動可能に係止される係止フック部と、前記鍵
    を少なくとも後方に向けて付勢するばね部材とを備え、
    押鍵時に前記ハンマーアームの重量および前記ばね部材
    のばね力に抗して前記係止フック部を中心に上下方向に
    回動することを特徴とする請求項1または2に記載の鍵
    盤装置。
  4. 【請求項4】前記鍵の下面には、潤滑剤止め部が、前記
    鍵および前記ハンマーアームの初期状態のときに前記鍵
    の長手方向における前記ハンマー当接部の少なくとも後
    方に位置して設けられていることを特徴とする請求項3
    に記載の鍵盤装置。
JP2000187109A 2000-06-22 2000-06-22 鍵盤装置 Pending JP2002006832A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000187109A JP2002006832A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 鍵盤装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000187109A JP2002006832A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 鍵盤装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002006832A true JP2002006832A (ja) 2002-01-11

Family

ID=18687145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000187109A Pending JP2002006832A (ja) 2000-06-22 2000-06-22 鍵盤装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002006832A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008158039A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Casio Comput Co Ltd 鍵盤装置
WO2018220687A1 (ja) * 2017-05-29 2018-12-06 ヤマハ株式会社 摺動機構および鍵盤装置
US11538444B2 (en) 2020-12-25 2022-12-27 Roland Corporation Keyboard apparatus and key guiding method

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008158039A (ja) * 2006-12-21 2008-07-10 Casio Comput Co Ltd 鍵盤装置
WO2018220687A1 (ja) * 2017-05-29 2018-12-06 ヤマハ株式会社 摺動機構および鍵盤装置
US11538444B2 (en) 2020-12-25 2022-12-27 Roland Corporation Keyboard apparatus and key guiding method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2891080B2 (ja) 鍵盤装置
JP2006126815A (ja) 鍵盤装置
JP2002006832A (ja) 鍵盤装置
JPH1049166A (ja) 電子楽器の鍵盤装置
JP3896972B2 (ja) 鍵盤装置
JP2001075569A (ja) 鍵盤装置
JP2002006848A (ja) 鍵盤装置
JP2002207484A (ja) 鍵盤装置
JP2902596B2 (ja) 電子楽器の鍵盤装置
JP2000122660A (ja) 鍵盤横揺れ防止構造
JP4715570B2 (ja) 鍵盤装置
JP2008158039A (ja) 鍵盤装置
JPH10198340A (ja) 鍵盤装置及び鍵盤装置を具備した電子楽器
JP3744181B2 (ja) 鍵盤装置
KR930004233B1 (ko) 전자 건반악기의 건반장치
JPH10340079A (ja) 鍵盤装置
JPH10240232A (ja) 鍵盤装置
JP2848166B2 (ja) 楽器の鍵盤装置
JPH0511744A (ja) 鍵盤装置
JP2906883B2 (ja) 楽器の鍵盤装置
JPH0511746A (ja) 鍵盤装置
JPH0716994U (ja) 電子楽器の鍵盤装置
JP2595556Y2 (ja) 鍵盤楽器の鍵盤構造
JP2001262918A (ja) リッドの開閉操作装置
JPS5850657Y2 (ja) 電話機用キ−のロツク機構