JPH10340079A - 鍵盤装置 - Google Patents
鍵盤装置Info
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- JPH10340079A JPH10340079A JP9162086A JP16208697A JPH10340079A JP H10340079 A JPH10340079 A JP H10340079A JP 9162086 A JP9162086 A JP 9162086A JP 16208697 A JP16208697 A JP 16208697A JP H10340079 A JPH10340079 A JP H10340079A
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- Japan
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- hammer arm
- weight
- distance
- arm
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ハンマーアームの重量を軽くでき、かつアコ
ースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感
を得ることができるようにする。 【解決手段】 鍵3の後端部が鍵支持部材20によって
鍵3の後方に位置する仮想支点Kを中心に回動するよう
に支持され、かつ鍵3の押鍵範囲A内から仮想支点Kま
での距離L1と、鍵3に対するハンマーアーム7の作用
点Bから仮想支点Kまでの距離l1との比を1に近づけ
た。したがって、鍵3の押鍵範囲A内におけるハンマー
アームから伝達される慣性モーメントの減少度合が従来
のものよりも少なくなり、このためハンマーアーム7の
重量を軽くすることができるとともに、ハンマーアーム
7の重量を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タ
ッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
ースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感
を得ることができるようにする。 【解決手段】 鍵3の後端部が鍵支持部材20によって
鍵3の後方に位置する仮想支点Kを中心に回動するよう
に支持され、かつ鍵3の押鍵範囲A内から仮想支点Kま
での距離L1と、鍵3に対するハンマーアーム7の作用
点Bから仮想支点Kまでの距離l1との比を1に近づけ
た。したがって、鍵3の押鍵範囲A内におけるハンマー
アームから伝達される慣性モーメントの減少度合が従来
のものよりも少なくなり、このためハンマーアーム7の
重量を軽くすることができるとともに、ハンマーアーム
7の重量を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タ
ッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子鍵盤楽器に
用いられる鍵盤装置に関する。
用いられる鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ピアノなどの電子鍵盤楽器では、ア
コースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ
感を得るために、鍵の下方に所定の重量を有するハンマ
ーアームを上下方向に回動自在に設け、鍵の押鍵操作に
伴ってハンマーアームがそれ自身の重量に抗して回動変
位することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与す
るようにしたものがある。図5および図6はその一例を
示した図である。この電子鍵盤楽器の鍵盤装置は、楽器
ケース1上に鍵盤シャーシ2が設けられ、この鍵盤シャ
ーシ2上に合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただし
白鍵のみについて説明する。)3が並列に配置された構
成になっている。この場合、各鍵3は、その後端部(同
図では右端部)に設けられた取付部4の下端部が鍵盤シ
ャーシ2上に設けられた支持部5の軸6に回動自在に取
り付けられ、これにより軸6を中心に上下方向に回動す
るように構成されている。
コースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ
感を得るために、鍵の下方に所定の重量を有するハンマ
ーアームを上下方向に回動自在に設け、鍵の押鍵操作に
伴ってハンマーアームがそれ自身の重量に抗して回動変
位することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与す
るようにしたものがある。図5および図6はその一例を
示した図である。この電子鍵盤楽器の鍵盤装置は、楽器
ケース1上に鍵盤シャーシ2が設けられ、この鍵盤シャ
ーシ2上に合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただし
白鍵のみについて説明する。)3が並列に配置された構
成になっている。この場合、各鍵3は、その後端部(同
図では右端部)に設けられた取付部4の下端部が鍵盤シ
ャーシ2上に設けられた支持部5の軸6に回動自在に取
り付けられ、これにより軸6を中心に上下方向に回動す
るように構成されている。
【0003】また、鍵3の中間部に対応する鍵盤シャー
シ2上には、ハンマーアーム7を回動自在に支持する支
持軸8が設けられている。ハンマーアーム7は、上端部
7a、中間部7b、および下端部7cからなり、中間部
7bが支持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵
盤シャーシ2の開口部2aを通して鍵盤シャーシ2の下
側に配置され、この下端部7cに錘9が設けられ、この
錘9の重量によって図5において時計方向に付勢され、
これにより上端部7aが鍵3の下面に当接し、鍵3を上
方に付勢するように構成されている。また、このハンマ
ーアーム7は、図5に示すように、通常は錘9の重量に
よって下方に付勢され、下端部7cの先端が楽器ケース
1上に設けられたフェルトなどの下限ストッパ10に当
接し、これにより所定の下限位置に位置規制されてお
り、また錘9の重量に抗して鍵3が押鍵された際には、
図6に示すように、ハンマーアーム7の下端部7cの先
端が鍵盤シャーシ2の下面に設けられたフェルトなどの
上限ストッパ11に当接し、これにより所定の上限位置
に位置規制されている。
シ2上には、ハンマーアーム7を回動自在に支持する支
持軸8が設けられている。ハンマーアーム7は、上端部
7a、中間部7b、および下端部7cからなり、中間部
7bが支持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵
盤シャーシ2の開口部2aを通して鍵盤シャーシ2の下
側に配置され、この下端部7cに錘9が設けられ、この
錘9の重量によって図5において時計方向に付勢され、
これにより上端部7aが鍵3の下面に当接し、鍵3を上
方に付勢するように構成されている。また、このハンマ
ーアーム7は、図5に示すように、通常は錘9の重量に
よって下方に付勢され、下端部7cの先端が楽器ケース
1上に設けられたフェルトなどの下限ストッパ10に当
接し、これにより所定の下限位置に位置規制されてお
り、また錘9の重量に抗して鍵3が押鍵された際には、
図6に示すように、ハンマーアーム7の下端部7cの先
端が鍵盤シャーシ2の下面に設けられたフェルトなどの
上限ストッパ11に当接し、これにより所定の上限位置
に位置規制されている。
【0004】なお、各鍵3は、ハンマーアーム7によっ
て上方に付勢されているが、通常は各鍵3の前端部に垂
設されたL字状のストッパ片12が鍵盤シャーシ2の前
端部の下面に設けられたフェルトなどの上限ストッパ1
3に当接することにより、所定の初期位置(上限位置)
に位置規制されている。また、各鍵3は、鍵盤シャーシ
2の前端部に設けられた鍵ガイド14によって鍵3の左
右の横振れが阻止されるとともに鍵3の上下動がガイド
されている。さらに、各鍵3には、押鍵時に鍵盤シャー
シ2に設けられた回路基板15のゴムスイッチ16を押
圧するためのスイッチ押圧部17が設けられている。
て上方に付勢されているが、通常は各鍵3の前端部に垂
設されたL字状のストッパ片12が鍵盤シャーシ2の前
端部の下面に設けられたフェルトなどの上限ストッパ1
3に当接することにより、所定の初期位置(上限位置)
に位置規制されている。また、各鍵3は、鍵盤シャーシ
2の前端部に設けられた鍵ガイド14によって鍵3の左
右の横振れが阻止されるとともに鍵3の上下動がガイド
されている。さらに、各鍵3には、押鍵時に鍵盤シャー
シ2に設けられた回路基板15のゴムスイッチ16を押
圧するためのスイッチ押圧部17が設けられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような鍵盤装置で
は、ハンマーアーム7の慣性モーメントによって鍵タッ
チ感が得られるため、図5に示すように、鍵3の押鍵範
囲A内から鍵3の支点である軸6までの距離をL0と
し、鍵3に対するハンマーアーム7の作用点Bから軸6
までの距離をl0とし、ハンマーアーム7の慣性モーメ
ントをIHとすると、鍵3の押鍵範囲A内におけるハン
マーアーム7から伝達される慣性モーメントは、近似的
に、 IH×(l0 2/L0 2) で表され、これにより鍵3の押鍵範囲A内におけるハン
マーアーム7から伝達される慣性モーメントが減少して
しまうことになる。このため、アコースティックピアノ
の鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得るためには、ハ
ンマーアーム7の錘9を重くする必要があり、このため
装置全体が重くなるばかりか、コストも高くなるという
問題があった。
は、ハンマーアーム7の慣性モーメントによって鍵タッ
チ感が得られるため、図5に示すように、鍵3の押鍵範
囲A内から鍵3の支点である軸6までの距離をL0と
し、鍵3に対するハンマーアーム7の作用点Bから軸6
までの距離をl0とし、ハンマーアーム7の慣性モーメ
ントをIHとすると、鍵3の押鍵範囲A内におけるハン
マーアーム7から伝達される慣性モーメントは、近似的
に、 IH×(l0 2/L0 2) で表され、これにより鍵3の押鍵範囲A内におけるハン
マーアーム7から伝達される慣性モーメントが減少して
しまうことになる。このため、アコースティックピアノ
の鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得るためには、ハ
ンマーアーム7の錘9を重くする必要があり、このため
装置全体が重くなるばかりか、コストも高くなるという
問題があった。
【0006】この発明の課題は、ハンマーアームの重量
を軽くでき、かつアコースティックピアノの鍵タッチ感
に近似した鍵タッチ感を得ることができるようにするこ
とである。
を軽くでき、かつアコースティックピアノの鍵タッチ感
に近似した鍵タッチ感を得ることができるようにするこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、後方に位置
する仮想支点を中心に上下方向に回動する鍵と、仮想支
点よりも前方に位置する鍵の後端部を仮想支点を中心に
回動するように支持する鍵支持部材と、鍵にアクション
荷重を付与するハンマーアームとを備え、鍵の押鍵範囲
内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハンマーアー
ムの作用点から仮想支点までの距離との比を1に近づけ
たことを特徴とする。したがって、この発明によれば、
鍵の後端部が鍵支持部材によって鍵の後方に位置する仮
想支点を中心に回動するように支持され、かつ鍵の押鍵
範囲内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハンマー
アームの作用点から仮想支点までの距離との比を1に近
づけたから、鍵の押鍵範囲内におけるハンマーアームか
ら伝達される慣性モーメントの減少度合が従来のものよ
りも少なくなり、このためハンマーアームの重量を軽く
することができるとともに、ハンマーアームの重量を軽
くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似
した鍵タッチ感を得ることができる。
する仮想支点を中心に上下方向に回動する鍵と、仮想支
点よりも前方に位置する鍵の後端部を仮想支点を中心に
回動するように支持する鍵支持部材と、鍵にアクション
荷重を付与するハンマーアームとを備え、鍵の押鍵範囲
内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハンマーアー
ムの作用点から仮想支点までの距離との比を1に近づけ
たことを特徴とする。したがって、この発明によれば、
鍵の後端部が鍵支持部材によって鍵の後方に位置する仮
想支点を中心に回動するように支持され、かつ鍵の押鍵
範囲内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハンマー
アームの作用点から仮想支点までの距離との比を1に近
づけたから、鍵の押鍵範囲内におけるハンマーアームか
ら伝達される慣性モーメントの減少度合が従来のものよ
りも少なくなり、このためハンマーアームの重量を軽く
することができるとともに、ハンマーアームの重量を軽
くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似
した鍵タッチ感を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1および図2を参照し
て、この発明を電子鍵盤楽器の鍵盤装置に適用した第1
実施形態について説明する。なお、図5および図6に示
された従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明
は省略する。鍵盤シャーシ2上に配置される鍵3は、そ
の後端部が鍵盤シャーシ2上に設けられた鍵支持部材2
0によって鍵3の後方に位置する仮想支点Kを中心に上
下方向に回動するように支持されている。この場合、仮
想支点Kは、鍵3の後端部から後方に遠く、例えば無限
大に位置するように設定されている。このため、鍵支持
部材20は、仮想支点Kを中心に鍵3全体を上下方向に
回動させるように支持していることにより、鍵3全体を
ほぼ平行な状態で上下方向に移動させるように、鍵3の
後端部を支持するように構成されている。すなわち、鍵
3は、押鍵した際、鍵3の先端部と後端部とがほぼ同じ
長さだけ下側に移動するように、鍵支持部材20によっ
て支持されている。
て、この発明を電子鍵盤楽器の鍵盤装置に適用した第1
実施形態について説明する。なお、図5および図6に示
された従来例と同一部分には同一符号を付し、その説明
は省略する。鍵盤シャーシ2上に配置される鍵3は、そ
の後端部が鍵盤シャーシ2上に設けられた鍵支持部材2
0によって鍵3の後方に位置する仮想支点Kを中心に上
下方向に回動するように支持されている。この場合、仮
想支点Kは、鍵3の後端部から後方に遠く、例えば無限
大に位置するように設定されている。このため、鍵支持
部材20は、仮想支点Kを中心に鍵3全体を上下方向に
回動させるように支持していることにより、鍵3全体を
ほぼ平行な状態で上下方向に移動させるように、鍵3の
後端部を支持するように構成されている。すなわち、鍵
3は、押鍵した際、鍵3の先端部と後端部とがほぼ同じ
長さだけ下側に移動するように、鍵支持部材20によっ
て支持されている。
【0009】また、ハンマーアーム7は、その中間部7
bが鍵3の中間部に対応する鍵盤シャーシ2上に設けら
れた支持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵盤
シャーシ2の開口部2aを通して鍵盤シャーシ2の下側
に配置され、この下端部7cに錘21が設けられ、この
錘21の重量によって図1において時計方向に付勢さ
れ、これにより上端部7aが鍵3の下面に当接し、鍵3
を上方に付勢するように構成されている。さらに、この
鍵盤装置は、図1に示すように、鍵3の押鍵範囲A内か
ら鍵3の仮想支点Kまでの距離をL1とし、ハンマーア
ーム7の鍵3に対する作用点Bから仮想支点Kまでの距
離をl1とすると、L1は従来の鍵3の押鍵範囲A内から
軸6までの距離L0に比べて極めて長くなり、またl1は
従来の鍵3の作用点Bから軸6までの距離l0に比べて
極めて長くなるため、L1とl1との比が1に近くなるよ
うに構成されている。
bが鍵3の中間部に対応する鍵盤シャーシ2上に設けら
れた支持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵盤
シャーシ2の開口部2aを通して鍵盤シャーシ2の下側
に配置され、この下端部7cに錘21が設けられ、この
錘21の重量によって図1において時計方向に付勢さ
れ、これにより上端部7aが鍵3の下面に当接し、鍵3
を上方に付勢するように構成されている。さらに、この
鍵盤装置は、図1に示すように、鍵3の押鍵範囲A内か
ら鍵3の仮想支点Kまでの距離をL1とし、ハンマーア
ーム7の鍵3に対する作用点Bから仮想支点Kまでの距
離をl1とすると、L1は従来の鍵3の押鍵範囲A内から
軸6までの距離L0に比べて極めて長くなり、またl1は
従来の鍵3の作用点Bから軸6までの距離l0に比べて
極めて長くなるため、L1とl1との比が1に近くなるよ
うに構成されている。
【0010】このような鍵盤装置では、通常は図1に示
すように、ハンマーアーム7の錘21の重量によってハ
ンマーアーム7が下方に付勢され、ハンマーアーム7の
下端部7cの先端が楽器ケース1上に設けられたフェル
トなどの下限ストッパ10に当接し、これによりハンマ
ーアーム7が所定の下限位置に位置規制されているとと
もに、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3の下面に当
接して鍵3を上方に付勢し、鍵3の前端部のL字状のス
トッパ片12がフェルトなどの上限ストッパ13に当接
し、これににより所定の初期位置(上限位置)に位置規
制されている。この状態で、鍵3を押鍵すると、鍵支持
部材20によって鍵3が仮想支点Kを中心に下方に回動
するので、鍵3がほぼ平行な状態で下方に移動すること
になり、これにより鍵3のスイッチ押圧部17が回路基
板15のゴムスイッチ16をオンさせる。このときに
は、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3によって押し
下げられるので、ハンマーアーム7はその中間部7bが
支持された支持軸8を中心に図1において反時計方向に
回動し、下端部7cが錘21の重量に抗して上方に移動
することになる。このため、鍵3には錘21の重量が作
用し、鍵タッチ感が重くなり、アコースティックピアノ
の鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。
すように、ハンマーアーム7の錘21の重量によってハ
ンマーアーム7が下方に付勢され、ハンマーアーム7の
下端部7cの先端が楽器ケース1上に設けられたフェル
トなどの下限ストッパ10に当接し、これによりハンマ
ーアーム7が所定の下限位置に位置規制されているとと
もに、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3の下面に当
接して鍵3を上方に付勢し、鍵3の前端部のL字状のス
トッパ片12がフェルトなどの上限ストッパ13に当接
し、これににより所定の初期位置(上限位置)に位置規
制されている。この状態で、鍵3を押鍵すると、鍵支持
部材20によって鍵3が仮想支点Kを中心に下方に回動
するので、鍵3がほぼ平行な状態で下方に移動すること
になり、これにより鍵3のスイッチ押圧部17が回路基
板15のゴムスイッチ16をオンさせる。このときに
は、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3によって押し
下げられるので、ハンマーアーム7はその中間部7bが
支持された支持軸8を中心に図1において反時計方向に
回動し、下端部7cが錘21の重量に抗して上方に移動
することになる。このため、鍵3には錘21の重量が作
用し、鍵タッチ感が重くなり、アコースティックピアノ
の鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得られる。
【0011】すなわち、この鍵盤装置では、ハンマーア
ーム7の慣性モーメントをIHとすると、鍵3の押鍵範
囲A内におけるハンマーアーム7から伝達される慣性モ
ーメントは、従来例と同様、近似的に、 IH×(l1 2/L1 2) で表されるが、l1とL1との比が1に近いので、鍵3の
押鍵範囲A内におけるハンマーアーム7から伝達される
慣性モーメントの減少度合が従来のものよりも少なくな
り、このためハンマーアーム7の錘21の重量を従来の
錘9よりも軽くすることができるとともに、ハンマーア
ーム7の重量を軽くしても、アコースティックピアノの
鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
ーム7の慣性モーメントをIHとすると、鍵3の押鍵範
囲A内におけるハンマーアーム7から伝達される慣性モ
ーメントは、従来例と同様、近似的に、 IH×(l1 2/L1 2) で表されるが、l1とL1との比が1に近いので、鍵3の
押鍵範囲A内におけるハンマーアーム7から伝達される
慣性モーメントの減少度合が従来のものよりも少なくな
り、このためハンマーアーム7の錘21の重量を従来の
錘9よりも軽くすることができるとともに、ハンマーア
ーム7の重量を軽くしても、アコースティックピアノの
鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感を得ることができる。
【0012】例えば、従来の鍵3の押鍵範囲A内から軸
6までの距離L0を200mm、従来の鍵3の作用点Bから軸
6までの距離l0を120mmとし、第1実施形態における鍵
3の押鍵範囲A内から鍵3の仮想支点Kまでの距離L1
を1000mm、鍵3に対するハンマーアーム7の作用点Bか
ら仮想支点Kまでの距離l1を920mmとすると、L0−l0
=80mm、L1−l1=80mmで、従来の場合も第1実施形態
の場合も、各差は同じ長さであるが、それぞれの比は、 従来の場合が、l0 2/L0 2=(120/200)2=0.36 第1実施形態の場合が、l1 2/L1 2=(920/1000)2=
0.85 となる。このため、押鍵範囲A内における鍵タッチ感が
従来の場合と第1実施形態の場合とで同じになるように
すると、鍵3の押鍵範囲A内に作用する慣性モーメント
は、従来の場合と第1実施形態の場合とで、その割合が 0.36/0.85=42% となる。このため、第1実施形態のハンマーアーム7の
錘21の重量を従来のハンマーアーム7の錘9よりも4
2%程度軽くすることができる。
6までの距離L0を200mm、従来の鍵3の作用点Bから軸
6までの距離l0を120mmとし、第1実施形態における鍵
3の押鍵範囲A内から鍵3の仮想支点Kまでの距離L1
を1000mm、鍵3に対するハンマーアーム7の作用点Bか
ら仮想支点Kまでの距離l1を920mmとすると、L0−l0
=80mm、L1−l1=80mmで、従来の場合も第1実施形態
の場合も、各差は同じ長さであるが、それぞれの比は、 従来の場合が、l0 2/L0 2=(120/200)2=0.36 第1実施形態の場合が、l1 2/L1 2=(920/1000)2=
0.85 となる。このため、押鍵範囲A内における鍵タッチ感が
従来の場合と第1実施形態の場合とで同じになるように
すると、鍵3の押鍵範囲A内に作用する慣性モーメント
は、従来の場合と第1実施形態の場合とで、その割合が 0.36/0.85=42% となる。このため、第1実施形態のハンマーアーム7の
錘21の重量を従来のハンマーアーム7の錘9よりも4
2%程度軽くすることができる。
【0013】このように、この鍵盤装置では、鍵3の後
端部が鍵支持部材20によって鍵3の後方に位置する仮
想支点Kを中心に回動するように支持され、かつ鍵3の
押鍵範囲A内から仮想支点Kまでの距離L1と、ハンマ
ーアーム7の鍵3に対する作用点Bから仮想支点Kまで
の距離l1との比を1に近づけたので、鍵3の押鍵範囲
A内におけるハンマーアーム7から伝達される慣性モー
メントの減少度合が従来のものよりも少なくなり、この
ためハンマーアーム7の錘21の重量を従来の錘9より
も軽くすることができるとともに、ハンマーアーム7の
重量を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ
感に近似した鍵タッチ感を得ることができ、これにより
装置全体の重量を軽くすることができるとともに、低価
格なものを得ることができる。
端部が鍵支持部材20によって鍵3の後方に位置する仮
想支点Kを中心に回動するように支持され、かつ鍵3の
押鍵範囲A内から仮想支点Kまでの距離L1と、ハンマ
ーアーム7の鍵3に対する作用点Bから仮想支点Kまで
の距離l1との比を1に近づけたので、鍵3の押鍵範囲
A内におけるハンマーアーム7から伝達される慣性モー
メントの減少度合が従来のものよりも少なくなり、この
ためハンマーアーム7の錘21の重量を従来の錘9より
も軽くすることができるとともに、ハンマーアーム7の
重量を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ
感に近似した鍵タッチ感を得ることができ、これにより
装置全体の重量を軽くすることができるとともに、低価
格なものを得ることができる。
【0014】次に、図3および図4を参照して、この発
明を電子鍵盤楽器の鍵盤装置に適用した第2実施形態に
ついて説明する。なお、図1および図2に示された第1
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。この鍵盤装置は、ハンマーアーム7の設置位置
が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態とほ
ぼ同じ構成になっている。すなわち、ハンマーアーム7
は、鍵盤シャーシ2上に鍵3の前部側と対応して配置さ
れ、その中間部7bが鍵盤シャーシ2上に設けられた支
持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵盤シャー
シ2の下側に配置され、この下端部7cに錘25が設け
られ、この錘25の重量によって図3において時計方向
に付勢され、これにより上端部7aが鍵3の下面に当接
し、鍵3を上方に付勢するように構成されている。この
場合には、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3の下面
に当接する作用点Bが鍵3の押鍵範囲A内に位置するよ
うに、ハンマーアーム7が設置されている。
明を電子鍵盤楽器の鍵盤装置に適用した第2実施形態に
ついて説明する。なお、図1および図2に示された第1
実施形態と同一部分には同一符号を付し、その説明は省
略する。この鍵盤装置は、ハンマーアーム7の設置位置
が第1実施形態と異なり、これ以外は第1実施形態とほ
ぼ同じ構成になっている。すなわち、ハンマーアーム7
は、鍵盤シャーシ2上に鍵3の前部側と対応して配置さ
れ、その中間部7bが鍵盤シャーシ2上に設けられた支
持軸8に回動自在に支持され、下端部7cが鍵盤シャー
シ2の下側に配置され、この下端部7cに錘25が設け
られ、この錘25の重量によって図3において時計方向
に付勢され、これにより上端部7aが鍵3の下面に当接
し、鍵3を上方に付勢するように構成されている。この
場合には、ハンマーアーム7の上端部7aが鍵3の下面
に当接する作用点Bが鍵3の押鍵範囲A内に位置するよ
うに、ハンマーアーム7が設置されている。
【0015】このような鍵盤装置では、鍵3の押鍵範囲
A内から鍵3の仮想支点Kまでの距離L1と、鍵3に対
するハンマーアーム7の作用点Bから仮想支点Kまでの
距離l1との比が第1実施形態のものよりも更に1に近
づくとともに、押鍵範囲A内に作用点Bが位置している
ので、鍵3の押鍵範囲A内ではハンマーアーム7の慣性
モーメントがほとんど減少せずにほぼそのまま伝達され
ることになる。このため、ハンマーアーム7の錘25の
重量を第1実施形態の錘21よりも更に軽くすることが
でき、しかもこのようにハンマーアーム7の重量を軽く
しても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似し
た鍵タッチ感を得ることができ、装置全体の重量をより
一層軽くすることができるとともに、更なる低価格化を
図ることができる。
A内から鍵3の仮想支点Kまでの距離L1と、鍵3に対
するハンマーアーム7の作用点Bから仮想支点Kまでの
距離l1との比が第1実施形態のものよりも更に1に近
づくとともに、押鍵範囲A内に作用点Bが位置している
ので、鍵3の押鍵範囲A内ではハンマーアーム7の慣性
モーメントがほとんど減少せずにほぼそのまま伝達され
ることになる。このため、ハンマーアーム7の錘25の
重量を第1実施形態の錘21よりも更に軽くすることが
でき、しかもこのようにハンマーアーム7の重量を軽く
しても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似し
た鍵タッチ感を得ることができ、装置全体の重量をより
一層軽くすることができるとともに、更なる低価格化を
図ることができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、鍵の後端部が鍵支持部材によって鍵の後方に位置す
る仮想支点を中心に回動するように支持され、かつ鍵の
押鍵範囲内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハン
マーアームの作用点から仮想支点までの距離との比を1
に近づけたから、鍵の押鍵範囲内におけるハンマーアー
ムから伝達される慣性モーメントの減少度合が従来のも
のよりも少なくなり、このためハンマーアームの重量を
軽くすることができるとともに、ハンマーアームの重量
を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に
近似した鍵タッチ感を得ることができ、これにより装置
全体の重量を軽くすることができるとともに、低価格な
ものを得ることができる。
ば、鍵の後端部が鍵支持部材によって鍵の後方に位置す
る仮想支点を中心に回動するように支持され、かつ鍵の
押鍵範囲内から仮想支点までの距離と、鍵に対するハン
マーアームの作用点から仮想支点までの距離との比を1
に近づけたから、鍵の押鍵範囲内におけるハンマーアー
ムから伝達される慣性モーメントの減少度合が従来のも
のよりも少なくなり、このためハンマーアームの重量を
軽くすることができるとともに、ハンマーアームの重量
を軽くしても、アコースティックピアノの鍵タッチ感に
近似した鍵タッチ感を得ることができ、これにより装置
全体の重量を軽くすることができるとともに、低価格な
ものを得ることができる。
【図1】この発明の鍵盤装置の第1実施形態を示した断
面図。
面図。
【図2】図1の状態で鍵を押鍵したときの断面図。
【図3】この発明の鍵盤装置の第2実施形態を示した断
面図。
面図。
【図4】図3の状態で鍵を押鍵したときの断面図。
【図5】従来の鍵盤装置を示した断面図。
【図6】図5の状態で鍵を押鍵したときの断面図。
3 鍵 7 ハンマーアーム 20 鍵支持部材 21、25 錘 K 仮想支点 A 押鍵範囲 B 作用点 L1 押鍵範囲内から仮想支点までの距離 l1 作用点から仮想支点までの距離
Claims (2)
- 【請求項1】後方に位置する仮想支点を中心に上下方向
に回動する鍵と、前記仮想支点よりも前方に位置する前
記鍵の後端部を前記仮想支点を中心に回動するように支
持する鍵支持部材と、前記鍵にアクション荷重を付与す
るハンマーアームとを備え、 前記鍵の押鍵範囲内から前記仮想支点までの距離と、前
記鍵に対する前記ハンマーアームの作用点から前記仮想
支点までの距離との比を1に近づけたことを特徴とする
鍵盤装置。 - 【請求項2】前記鍵に対する前記ハンマーアームの作用
点が前記鍵の押鍵範囲内に位置するように、前記ハンマ
ーアームを設置したことを特徴とする請求項1記載の鍵
盤装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9162086A JPH10340079A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | 鍵盤装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9162086A JPH10340079A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | 鍵盤装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10340079A true JPH10340079A (ja) | 1998-12-22 |
Family
ID=15747824
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9162086A Pending JPH10340079A (ja) | 1997-06-05 | 1997-06-05 | 鍵盤装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10340079A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022123947A1 (de) | 2021-09-30 | 2023-03-30 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | Tastaturvorrichtung für Tasteninstrument |
DE102023106607A1 (de) | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | Tastaturvorrichtung für Tasteninstrument |
-
1997
- 1997-06-05 JP JP9162086A patent/JPH10340079A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
DE102022123947A1 (de) | 2021-09-30 | 2023-03-30 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | Tastaturvorrichtung für Tasteninstrument |
DE102023106607A1 (de) | 2022-03-30 | 2023-10-05 | Kabushiki Kaisha Kawai Gakki Seisakusho | Tastaturvorrichtung für Tasteninstrument |
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