JPH10240232A - 鍵盤装置 - Google Patents

鍵盤装置

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JPH10240232A
JPH10240232A JP9169635A JP16963597A JPH10240232A JP H10240232 A JPH10240232 A JP H10240232A JP 9169635 A JP9169635 A JP 9169635A JP 16963597 A JP16963597 A JP 16963597A JP H10240232 A JPH10240232 A JP H10240232A
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Hirokazu Taniguchi
弘和 谷口
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Casio Computer Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 演奏者が簡単に鍵タッチを調節でき、演奏者
に合った鍵タッチ感を得ることができるようにする。 【解決手段】 鍵盤シャーシ2上に鍵3を上下方向に回
動可能に取り付け、この鍵3にアクション荷重を付与す
るハンマーアーム11を回動自在に取り付け、このハン
マーアーム11の回動支点となる支点部材19を鍵盤シ
ャーシ2に鍵3の長手方向に沿って移動可能に設けた。
したがって、支点部材19を鍵3の長手方向に沿って移
動させ、ハンマーアーム11に対する支点部材19の支
点位置を変位させることにより、鍵3に加わるアクショ
ン荷重を変化させることができ、これにより演奏者が簡
単に鍵タッチを調節でき、演奏者に合った鍵タッチ感を
得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電子鍵盤楽器に
用いられる鍵盤装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子ピアノなどの電子鍵盤楽器では、ア
コースティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ
感を得るために、鍵の下方に所定の重量を有するハンマ
ーアームを上下方向に回動自在に設け、鍵の押鍵動作に
伴ってハンマーアームがそれ自身の重量に抗して回動変
位することにより、鍵に所定のアクション荷重を付与す
るようにしたものがある。このような電子鍵盤楽器は、
一般に、多数の鍵が配列された鍵盤シャーシに支持軸を
固定し、この支持軸にハンマーアームを各鍵に対応させ
て回動自在に取り付け、各ハンマーアームの上端部が常
に鍵のほぼ所定位置に当接することにより、各ハンマー
アームのアクション荷重が各鍵に伝達されるように構成
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな電子鍵盤楽器では、ハンマーアームの支持軸が鍵盤
シャーシに固定されているため、鍵の押鍵動作時にハン
マーアームが常に一定の回動支点を中心に回動し、かつ
ハンマーアームの上端部が鍵のほぼ所定位置に当接して
いるため、鍵に付与されるアクション荷重が一定とな
り、このためハンマーアームの重量を変えなければ、予
め定められた鍵タッチ感しか得られず、演奏者に合った
鍵タッチ感を得ることができないという問題があった。
この発明の課題は、ハンマーアームの重量を変えずに、
演奏者が簡単に鍵タッチを調節でき、演奏者に合った鍵
タッチ感が得られるようにすることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】この発明は、鍵盤シャー
シと、この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に取り
付けられた鍵と、鍵の下側に回動可能に配置され、鍵に
アクション荷重を付与するハンマーアームと、鍵に付与
されるアクション荷重を変位させる変位手段とを備えた
ことを特徴とする。したがって、この発明によれば、変
位手段によって鍵に付与されるアクション荷重を変位さ
せることにより、アクション荷重を調節することがで
き、このためハンマーアームの重量を変えなくても、演
奏者が簡単に鍵タッチを調節することができるととも
に、演奏者に合った鍵タッチ感を得ることができる。
【0005】この場合、請求項2に記載のごとく、ハン
マーアームが鍵に回動自在に取り付けられ、変位手段が
鍵盤シャーシにハンマーアームの回動支点となる支点部
材を鍵の長手方向に沿って移動可能に設けた構成であれ
ば、支点部材を鍵の長手方向に沿って移動させ、ハンマ
ーアームに対する支点部材の支点位置を変位させること
により、ハンマーアームの重量を変えなくても、ハンマ
ーアームの慣性モーメントを調節することができ、鍵に
付与されるアクション荷重を調節することができる。
【0006】また、請求項3に記載のごとく、ハンマー
アームが鍵盤シャーシに回動自在に取り付けられ、変位
手段が鍵に当接して作用点となる作用点部材をハンマー
アームの上端部に鍵の長手方向に沿って移動可能に設け
た構成であれば、作用点部材を鍵の長手方向に沿って移
動させ、鍵に対する作用点部材の当接位置を変位させる
ことにより、ハンマーアームの重量を変えなくても、ハ
ンマーアームから鍵に伝達される慣性モーメントを調節
することができ、鍵に付与されるアクション荷重を調節
することができる。
【0007】さらに、請求項4に記載のごとく、ハンマ
ーアームによって鍵が押し上げられた初期状態におい
て、鍵の長手方向に沿って移動可能に設けられ、ハンマ
ーアームの下端部が当接する制動部材を備えた構成であ
れば、支点部材の移動または作用点部材の移動によって
ハンマーアームの下端部の上下位置が変位しても、鍵の
初期状態でハンマーアームの下端部を制動部材に確実に
当接させることができ、このため押鍵された鍵が初期位
置に回動復帰する際にハンマーアームの不要な跳ね返り
を防ぐことができる。さらにまた、請求項5に記載のご
とく、支点部材または作用点部材を鍵の長手方向に沿っ
て移動させる第1の駆動手段と、制動部材を鍵の長手方
向に沿って移動させる第2の駆動手段とを備えていれ
ば、演奏者に合った鍵タッチ感を自動的に調節すること
ができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を参照して、こ
の発明の鍵盤装置の第1実施形態について説明する。図
1は電子鍵盤楽器の鍵盤装置の断面図である。この鍵盤
装置は、楽器本体ケース1上に合成樹脂製または板金製
の鍵盤シャーシ2が取り付けられ、この鍵盤シャーシ2
上に合成樹脂製の複数の鍵(白鍵と黒鍵、ただし白鍵の
みについて説明する。)3が並列に配置された構造にな
っている。この場合、鍵3は、その後端部(同図では右
端部)に取付部4が形成され、この取付部4の下端部に
形成された逆V字状の嵌合凹部5が鍵盤シャーシ2の後
端部に設けられた軸6に嵌合し、これにより軸6を中心
に上下方向に回動可能となっている。
【0009】鍵3の中間部における下端部間には、スイ
ッチ押圧部7が形成されている。このスイッチ押圧部7
に対応する個所の鍵盤シャーシ2の下面には、回路基板
8が取り付けられている。この回路基板8の上面には、
鍵3のスイッチ押圧部7に対応するゴムスイッチ9が鍵
盤シャーシ2に設けられた各開口孔10を通してその上
方に突出した状態で設けられている。鍵3は、後述する
ハンマーアーム11によって上方に付勢されているが、
通常は鍵3の前部に垂設されたほぼL字状のストッパ片
12が鍵盤シャーシ2の下面に設けられたフェルトなど
の上限ストッパ部材13に当接することにより、所定の
初期位置(上限位置)に位置規制されている。鍵盤シャ
ーシ2の前端部には、鍵3の左右の横振れを阻止すると
ともに鍵3の上下動をガイドするための鍵ガイド14が
設けられている。また、上限ストッパ部材13の上方に
おける鍵盤シャーシ2の上面には、鍵3の下限位置を規
制するためのフェルトなどの下限ストッパ部材15が設
けられている。
【0010】鍵3の中間部におけるほぼ上面とスイッチ
押圧部7との間の前側には、ハンマーアーム11の上端
部11aがピン部材16によって上下方向に回動自在に
取り付けられている。このハンマーアーム11は、上端
部11a、中間部11b、および下端部11cとからな
り、下端部11cが鍵盤シャーシ2に設けられた挿入孔
17を通して鍵盤シャーシ2の下側に配置され、この下
端部11cに錘18が設けられ、この錘18の重量によ
って図1において時計方向に付勢された構造になってい
る。
【0011】鍵盤シャーシ2の挿入孔17の前側に位置
する上面には、ハンマーアーム11の中間部11bを支
持する支点部材(変位手段)19が鍵3の長手方向に沿
って移動可能に設けられている。この支点部材19は、
図3および図4に示すように、鍵盤シャーシ2上に鍵3
の配列方向に所定間隔で設けられた複数のガイドレール
20と、これらガイドレール20上にスライド可能に載
置された支持棒21とからなり、支持棒21が鍵3の配
列方向に沿って配置され、この支持棒21の両端が第1
の駆動装置22によって駆動される構造になっている。
この場合、ガイドレール20は、鍵盤シャーシ2の前側
が低く、後側が高くなるように傾斜している。第1の駆
動装置22は、支持棒21の両端にガイドレール20と
同じ傾きをもって設けられた取付板23と、この取付板
23上に鍵3の長手方向に沿って設けられたラック24
と、このラック24に噛み合って回転するウォームホイ
ル25と、このウォームホイル25を回転させるステッ
ピングモータ26とからなり、これらが鍵盤シャーシ2
の左右両側に配置された構造になっている。
【0012】また、ハンマーアーム11の下端部11c
の下方に対応する楽器本体ケース1上には、鍵3が初期
状態のときにハンマーアーム11の下端部11cが当接
する制動部材27が鍵3の長手方向に沿って移動可能に
設けられている。この制動部材27は、図3および図4
に示すように、楽器本体ケース1上に鍵3の配列方向に
所定間隔でほぼ水平に設けられた複数のガイドレール2
8と、これらガイドレール28上に鍵3の配列方向に沿
ってスライド可能に載置された載置板29と、この載置
板29上に設けられたゴムやフェルトなどのダンパ部材
30とからなり、載置板29の両端が第2の駆動装置3
1によって駆動される構造になっている。第2の駆動装
置31は、第1の駆動装置22とほぼ同様、載置板29
の両端部の上面に鍵3の長手方向に沿ってほぼ水平に設
けられたラック24と、このラック24に噛み合って回
転するウォームホイル25と、このウォームホイル25
を回転させるステッピングモータ26とからなり、これ
らが鍵盤シャーシ2の左右両端に配置された構造になっ
ている。なお、鍵盤シャーシ2の後部の下面には、押鍵
時にハンマーアーム11の下端部11cの上限位置を規
制するゴムやフェルトなどの緩衝部材32が設けられて
いる。
【0013】次に、鍵3を鍵盤シャーシ2に組み付ける
場合について、図2および図5を参照して説明する。ま
ず、図2に示すように、鍵3の中間部におけるスイッチ
押圧部7の前側上方にハンマーアーム11の上端部11
aをピン部材8によって上下方向に回動可能に取り付け
る。この状態では、ハンマーアーム11が下端部11c
の錘18の重量によってピン部材8を中心に時計方向に
回動するが、図5に示すように、ハンマーアーム11の
中間部11bがスイッチ押圧部7に当接し、その回動動
作が規制され、ハンマーアーム11が所定角度に保持さ
れる。このため、鍵3を持ち上げて、ハンマーアーム1
1の下端部11cを鍵盤シャーシ2の挿入孔17に挿入
する際、ハンマーアーム11が所定角度に保持されてい
るので、ハンマーアーム11の下端部11cを鍵盤シャ
ーシ2の挿入孔17に容易に挿入することができる。こ
の後、鍵3の取付部4の嵌合凹部5を鍵盤シャーシ2の
軸6に嵌合させることにより、鍵3を鍵盤シャーシ2に
容易に組み付けることができる。なお、鍵3が組み付け
られたときには、ハンマーアーム11の中間部11bが
支点部材19の支持棒21に当接して支持されるととも
に、ハンマーアーム11の下端部11cが制動部材27
のダンパ部材30に当接する。
【0014】このような鍵盤装置では、鍵3を押鍵操作
すると、鍵3が後端部の軸6を中心に下方に回動し、ス
イッチ押圧部7がゴムスイッチ9をオンさせる。このと
きには、ハンマーアーム11の上端部11aが鍵3と共
に下方に移動するので、ハンマーアーム11はその中間
部11bが支持された支点部材19の支持棒21を中心
に図1において反時計方向に回動し、下端部11cが錘
18の重量に抗して上方に移動することになる。このた
め、鍵3には錘18の重量が作用し、鍵タッチ感が重く
なり、アコースティックピアノの鍵タッチ感に近似した
鍵タッチ感が得られる。
【0015】次に、このような鍵タッチを調節する場合
について説明する。まず、鍵タッチを軽くする場合に
は、図示しない調整用スイッチを操作して第1、第2の
駆動装置22、31を駆動して、図6に示すように支点
部材19および制動部材27を鍵3の後方に向けて所定
量移動させれば良い。すなわち、第1の駆動装置22の
ステッピングモータ26を駆動してウォームホイル25
を所定量回転させると、このウォームホイル25の回転
に従ってラック24が鍵3の後方に向けて移動し、これ
により支点部材19の支持棒21が鍵3の後方に移動す
る。このため、支点部材19の支持棒21がハンマーア
ーム11の上端部11aのピン部材16から離れるの
で、ハンマーアーム11の慣性モーメントが小さくな
り、ハンマーアーム11が鍵3に付与するアクション荷
重が小さくなり、鍵タッチが軽くなる。このときには、
支点部材19の支持棒21の後方への移動に伴って、ハ
ンマーアーム11の下端部11cが上方に変位する。こ
のため、第2の駆動装置31のステッピングモータ26
を駆動し、上記と同様に、制動部材27のダンパ部材3
0を鍵3の後方に移動させ、ハンマーアーム11の下端
部11cにダンパ部材30を当接させる。これにより、
ハンマーアーム11の下端部11cが上方に変位して
も、鍵3の初期位置でダンパ部材30がハンマーアーム
11の下端部11cに確実に当接するので、押鍵された
鍵3が初期位置に回動復帰する際にハンマーアーム11
の不要な跳ね返りを防ぐことができる。
【0016】また、鍵タッチを重くする場合には、上記
とは逆に第1、第2の駆動装置22、31を駆動して、
図7に示すように支点部材19および制動部材27を鍵
3の前方に向けて所定量移動させれば良い。このときに
は、支点部材19の支持棒21が鍵3の前方に移動し、
支点部材19の支持棒21がハンマーアーム11の上端
部11aのピン部材16に近づくので、ハンマーアーム
11の慣性モーメントが大きくなり、ハンマーアーム1
1が鍵3に付与するアクション荷重が大きくなり、鍵タ
ッチが重くなる。このように支点部材19の支持棒21
が鍵3の前方に移動すると、これに伴ってハンマーアー
ム11の下端部11cが下方に変位するので、第2の駆
動装置31のステッピングモータ26を駆動し、制動部
材27のダンパ部材30を鍵3の前方に移動させ、初期
状態におけるハンマーアーム11の下端部11cにダン
パ部材30を当接させる。このため、ハンマーアーム1
1の下端部11cが下方に変位しても、鍵3の初期位置
でダンパ部材30がハンマーアーム11の下端部11c
に確実に当接するので、押鍵された鍵3が初期位置に回
動復帰する際にハンマーアーム11の不要な跳ね返りを
防ぐことができる。
【0017】このように、この鍵盤装置では、支点部材
19を鍵3の長手方向に沿って移動させ、ハンマーアー
ム11に対する支点部材19の支点位置を変位させるこ
とにより、ハンマーアーム11の慣性モーメントを調節
することができ、鍵3に付与されるハンマーアーム11
のアクション荷重を調節することができ、このためハン
マーアーム11の重量を変えなくとも、演奏者が簡単に
鍵タッチを調節することができ、演奏者に合った鍵タッ
チ感を得ることができる。
【0018】なお、上記第1実施形態では、支点部材1
9および制動部材27をそれぞれ第1、第2の駆動装置
22、31で駆動するようにしたが、これに限らず、操
作レバーによって移動させるようにしても良い。
【0019】次に、図8〜図12を参照して、この発明
の鍵盤装置の第2実施形態について説明する。これらの
図において、図1〜図7と同一名称部分には同一の符号
を付し、その説明を適宜省略する。図8は電子鍵盤楽器
の鍵盤装置の断面図である。この鍵盤装置では、ハンマ
ーアーム11の中間部11bに取付部41が設けられ、
取付部41の下端部に形成された逆U字状の嵌合凹部4
2が鍵盤シャーシ2の中間部に設けられた支持軸43に
嵌合し、これによりハンマーアーム11が支持軸43を
中心に上下方向に回動自在となっている。ハンマーアー
ム11の上端部11aは、鍵3の初期位置において鍵3
の下面とほぼ平行になっている。ハンマーアーム11の
上端部11aにおける両側部の左端部、中間部、右端部
の3個所には嵌合凹部44a、44b、44cが相対向
して設けられている。ハンマーアーム11の上端部11
aには鍵3に当接して作用点となる作用点部材(変位手
段)45が長手方向に沿って移動可能に設けられてい
る。作用点部材45は、図9(A)及び(B)に示すよ
うにその側面にハンマーアーム11の上端部11aが挿
入される挿入孔46が形成され、挿入孔46の中間部に
嵌合突部47が相対向して設けられている。そして、作
用点部材45はその嵌合突部47がハンマーアーム11
の上端部11aに設けられた嵌合凹部44a、44b、
44cに嵌合されることにより、ハンマーアーム11の
上端部11aにおける左端部、中間部、右端部の3個所
で係止されるようになっている。ハンマーアーム11の
下端部11cの下方に対応する楽器本体ケース1上に
は、鍵3が初期状態のときにハンマーアーム11の下端
部11cが当接するゴムやフェルトなどの制動部材48
が設けられている。鍵盤シャーシ2の後部の下面には、
押鍵時にハンマーアーム11の下端部11cの上限位置
を規制するゴムやフェルトなどの緩衝部材32が設けら
れている。なお、ハンマーアーム11の下端部11cに
は、図11及び図12に示すように、ハンマーアーム1
1の下端部11cを緩衝部材32に当接させるためのス
トッパ部材49が適宜取り付けられている。
【0020】この鍵盤装置では、鍵3を押鍵操作する
と、図10に示すように鍵3が後端部の軸6を中心に下
方に回動し、スイッチ押圧部7がゴムスイッチ9をオン
させる。このときには、ハンマーアーム11の上端部1
1aが作用点部材45を介して鍵3と共に下方に移動す
るので、ハンマーアーム11はその中間部11bの取付
部41が支持された支持軸43を中心に図10において
反時計方向に回動し、下端部11cが錘18の重量に抗
して上方に移動することになる。このため、鍵3には錘
18の重量が作用し、鍵タッチ感が重くなり、アコース
ティックピアノの鍵タッチ感に近似した鍵タッチ感が得
られる。
【0021】次に、鍵タッチを調節する場合について説
明する。まず、鍵タッチを重くする場合には、図8に示
すように作用点部材45をハンマーアーム11の上端部
11aの右端部に移動し、作用点部材45の嵌合突部4
7を嵌合凹部44cに嵌合する。すると、作用点部材4
5が支持軸43に近づき、作用点部材45の上端部が鍵
3と当接する位置が支持軸43に近づくので、ハンマー
アーム11から鍵3に伝達される慣性モーメントが大き
くなり、ハンマーアーム11が鍵3に付与するアクショ
ン荷重が大きくなり、鍵タッチが重くなる。
【0022】また、鍵タッチを軽くする場合には、図1
1に示すように作用点部材45をハンマーアーム11の
上端部11aの中央部に移動し、作用点部材45の嵌合
突部47を嵌合凹部44bに嵌合する。すると、作用点
部材45が支持軸43から離れ、作用点部材45の上端
部が鍵3と当接する位置が支持軸43から離れるので、
ハンマーアーム11から鍵3に伝達される慣性モーメン
トが小さくなり、ハンマーアーム11が鍵3に付与する
アクション荷重が小さくなり、鍵タッチが軽くなる。
【0023】また、鍵タッチをさらに軽くする場合に
は、図12に示すように作用点部材45をハンマーアー
ム11の上端部11aの左端部に移動し、作用点部材4
5の嵌合突部47を嵌合凹部44aに嵌合する。する
と、作用点部材45が支持軸43からさらに離れ、作用
点部材45の上端部が鍵3と当接する位置が支持軸43
からさらに離れるので、ハンマーアーム11から鍵3に
伝達される慣性モーメントがさらに小さくなり、ハンマ
ーアーム11が鍵に付与するアクション荷重がさらに小
さくなり、鍵タッチがさらに軽くなる。
【0024】ところで、ハンマーアーム11の回動支点
は固定されており、またハンマーアーム11の上端部1
1aは、鍵3の初期位置において鍵3の下面とほぼ平行
となっているので、作用点部材45を鍵3の長手方向に
沿って移動させ、鍵3に対する作用点部材45の当接位
置を変位させてもハンマーアーム11の下端部11cの
位置は変位しない。したがって、制動部材48が移動し
なくても、鍵3の初期位置においてハンマーアーム11
の下端部11cが制動部材48に確実に当接し、押鍵さ
れた鍵3が初期位置に回動復帰する際にハンマーアーム
11の不要な跳ね返りを防ぐことができる。
【0025】このように、この鍵盤装置では、作用点部
材45を鍵3の長手方向に沿って移動させ、鍵3に対す
る作用点部材45の当接位置を変位させることにより、
ハンマーアーム11から鍵3に伝達される慣性モーメン
トを調節することができ、鍵3に付与されるアクション
荷重を調節することができ、このためハンマーアーム1
1の重量を変えなくても、演奏者が簡単に鍵タッチを調
節でき、演奏者に合った鍵タッチ感を得ることができ
る。すなわち、この鍵盤装置では、図8に示すように、
鍵支点から作用点までの距離をLとし、ハンマーアーム
支点から作用点までの距離をRとし、鍵3の慣性モーメ
ントをI1とし、ハンマーアーム11の慣性モーメント
をI2とすると、全体の慣性モーメントIは、 I=I1+(l2/r2)×I2 で表される。このため、作用点部材45を鍵3の長手方
向に沿って移動させ、鍵3に対する作用点部材45の当
接位置を変位させることにより、ハンマーアーム11か
ら鍵3に伝達される慣性モーメントを調節することがで
き、鍵3に付与されるアクション荷重を調節することが
できる。
【0026】なお、上記第2実施形態では、作用点部材
45の移動手段について説明していないが、第1実施形
態において説明した第1の駆動装置22と同様の装置に
よって移動させるようにしても良い。また、上記第2実
施形態では、ゴムやフェルトなどからなる固定された制
動部材48について説明したが、これに限らない。例え
ば、鍵3の初期位置においてハンマーアーム11の上端
部11aが鍵3に対して平行でなくなり、ハンマーアー
ム11の下端部11cの位置が作用点部材45の位置に
応じて変位するような場合には、制動部材を第1実施形
態において説明した制動部材27と同様の構造としても
良い。また、制動部材を第1実施形態において説明した
第2の駆動装置31と同様の装置によって移動させるよ
うにしても良い。さらに、上記第1及び第2実施形態で
は、ハンマーアーム11の錘18の位置を固定した場合
について説明したが、これに限らず、ハンマーアーム1
1の錘18の位置を移動させるようにしても良い。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、変位手段によって鍵に付与されるアクション荷重を
変位させることにより、アクション荷重を調節すること
ができ、このためハンマーアームの重量を変えなくて
も、演奏者が簡単に鍵タッチを調節することができると
ともに、演奏者に合った鍵タッチ感を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の鍵盤装置の第1実施形態を示した断
面図。
【図2】図1の鍵にハンマーアームを取り付ける状態を
示した分解図。
【図3】図1の鍵およびハンマーアームを取り外した状
態の概略平面図。
【図4】図3の側面図。
【図5】図2のハンマーアームが取り付けられた鍵を鍵
盤シャーシに取り付ける状態を示した分解図。
【図6】図1の鍵盤装置において鍵タッチを軽くしたと
きの状態を示した断面図。
【図7】図1の鍵盤装置において鍵タッチを重くしたと
きの状態を示した断面図。
【図8】この発明の鍵盤装置の第2実施形態を示した断
面図。
【図9】(A)はハンマーアームに設けられ、鍵に当接
して作用点となる作用点部材を示した正面図、(B)は
その右側面図。
【図10】図8の鍵が押鍵された状態を示した断面図。
【図11】図8の鍵盤装置において鍵タッチを軽くした
ときの状態を示した断面図。
【図12】図8の鍵盤装置において鍵タッチをさらに軽
くしたときの状態を示した断面図。
【符号の説明】
2 鍵盤シャーシ 3 鍵 7 スイッチ押圧部 11 ハンマーアーム 11a 上端部 11b 中間部 11c 下端部 19 支点部材 22 第1の駆動装置 27 制動部材 31 第2の駆動装置

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鍵盤シャーシと、 この鍵盤シャーシ上に上下方向に回動可能に取り付けら
    れた鍵と、 前記鍵の下側に回動可能に配置され、前記鍵にアクショ
    ン荷重を付与するハンマーアームと、 前記鍵に付与されるアクション荷重を変位させる変位手
    段とを備えたことを特徴とする鍵盤装置。
  2. 【請求項2】前記ハンマーアームは、前記鍵に回動自在
    に取り付けられており、 前記変位手段は、前記鍵盤シャーシに前記鍵の長手方向
    に沿って移動可能に設けられ、前記ハンマーアームの回
    動支点となる支点部材を備えたことを特徴とする請求項
    1記載の鍵盤装置。
  3. 【請求項3】前記ハンマーアームは、前記鍵盤シャーシ
    に回動自在に取り付けられており、 前記変位手段は、前記ハンマーアームの上端部に前記鍵
    の長手方向に沿って移動可能に設けられ、前記鍵に当接
    して作用点となる作用点部材を備えたことを特徴とする
    請求項1記載の鍵盤装置。
  4. 【請求項4】前記ハンマーアームによって前記鍵が押し
    上げられた初期状態において、前記鍵の長手方向に沿っ
    て移動可能に設けられ、前記ハンマーアームの下端部が
    当接する制動部材を備えたことを特徴とする請求項2ま
    たは3記載の鍵盤装置。
  5. 【請求項5】前記支点部材または前記作用点部材を前記
    鍵の長手方向に沿って移動させる第1の駆動手段と、 前記制動部材を前記鍵の長手方向に沿って移動させる第
    2の駆動手段とを備えたことを特徴とする請求項4記載
    の鍵盤装置。
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