JP2002003732A - 熱伝導性樹脂組成物及び樹脂シート - Google Patents

熱伝導性樹脂組成物及び樹脂シート

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JP2002003732A
JP2002003732A JP2000191251A JP2000191251A JP2002003732A JP 2002003732 A JP2002003732 A JP 2002003732A JP 2000191251 A JP2000191251 A JP 2000191251A JP 2000191251 A JP2000191251 A JP 2000191251A JP 2002003732 A JP2002003732 A JP 2002003732A
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resin composition
group
compound
polymer compound
heat
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JP2000191251A
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Akihiro Niki
章博 仁木
Shunji Hyozu
俊司 俵頭
Kozo Makino
耕三 牧野
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた熱伝導性と共に、優れた柔軟性、強
度、密着性を併せ持った熱伝導性樹脂組成物及びそれを
用いた樹脂シートを提供する。 【解決手段】 一分子中に2個以上の反応性基を有する
高分子化合物(A)、前記高分子化合物(A)を反応さ
せるための反応性化合物(B)、及び、熱伝導性充填材
(C)からなる樹脂組成物を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、優れた熱伝導性と
柔軟で形状追従性とを兼ね備えた成形物を提供可能な熱
伝導性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂シートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】これまで、柔軟性を備えた熱伝導性樹脂
組成物として、シリコーンゴムやシリコーンオイルをベ
ースとした材料に、比較的熱伝導性の高い充填材を充填
させた樹脂組成物が知られている。このような樹脂組成
物は、例えば、電気・電子部品等の発熱体と放熱フィン
との間に介在させ、電気・電子部品からの発熱を放熱さ
せる目的で使用されている。このような樹脂組成物を、
例えば、電子部品の発熱体と放熱フィンとの間に使用し
た場合、柔軟で形状追従性が高く発熱体に密着する半
面、強度が弱いため取扱い時に破損するおそれがあっ
た。
【0003】このような問題点を改良するために、上記
熱伝導性樹脂組成物をガラス繊維やガラスクロス等で補
強したシートが提案されている(特開平7−14950
号公報等)。しかしながら、補強材等を使用しなければ
ならないため製造プロセスが複雑になり、コストも上昇
するという問題点があった。また、このような樹脂組成
物は、熱伝導性を高めるために樹脂に大量の熱伝導性フ
ィラーを充填する必要があるが、充填量が増えるに従っ
て、熱伝導性樹脂組成物と発熱体との密着性が低下する
ため、剥離を起こすおそれがあった。
【0004】また、従来のシリコーンゴムをベースとし
た材料は、熱伝導性を高めるために樹脂に大量の熱伝導
性フィラーを充填しなければならず、充填量が増えるに
従って熱伝導率は向上するが、柔軟性が低下するため、
高い熱伝導率と柔軟性とを両立させることは困難であっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた熱伝
導性と共に、優れた柔軟性、強度、密着性を併せ持った
熱伝導性樹脂組成物及びそれを用いた樹脂シートを提供
することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明であ
る熱伝導性樹脂組成物は、一分子中に2個以上の反応性
基を有する高分子化合物(A)、前記高分子化合物
(A)を反応させるための反応性化合物(B)、及び、
熱伝導性充填材(C)からなることを特徴とする。
【0007】請求項2記載の発明である樹脂シートは、
上記熱伝導性樹脂組成物が低発泡させられ、シート状に
成形されてなることを特徴とする。
【0008】以下に本発明を詳述する。本発明の熱伝導
性樹脂組成物は、高分子化合物(A)、反応性化合物
(B)及び熱伝導性充填材(C)からなる。
【0009】上記高分子化合物(A)としては、一分子
中に2個以上の反応性基を有するものが用いられる。上
記反応性基としては、特に限定されないが、例えば、加
水分解性シリル基、水酸基、アミノ基、カルボキシル
基、イソシアネート基、エポキシ基、オキサゾリン基、
ビニル基等の反応性の高いものが好ましく、より好まし
くは、加水分解性シリル基、水酸基、アミノ基、カルボ
キシル基、イソシアネート基である。
【0010】上記高分子化合物(A)としては、プロピ
レングリコールやエチレングリコール等のアルキレング
リコールをユニットとするポリマー、エステル結合を持
つポリエステル、アミド結合を持つポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレ
ン、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリブタジエ
ン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等の他、これら
の共重合体やポリアクリロニトリル・ブタジエン共重合
体等が好適に用いられる。
【0011】上記反応性基は、少なくとも高分子化合物
(A)の末端又は側鎖のいずれかに配置されていればよ
く、高分子化合物(A)の末端と側鎖との両方に配置さ
れていてもよい。
【0012】上記高分子化合物(A)の分子量として
は、特に限定されないが、500〜3万が好ましい。分
子量が500より小さい場合は得られる樹脂組成物の柔
軟性が不足することがあり、分子量が3万より大きい場
合は熱伝導性充填材(C)と混練しにくくなり、得られ
る樹脂組成物の強度が低下することがある。
【0013】上記高分子化合物(A)のガラス転移温度
(Tg)は、−120℃〜20℃が好ましく、より好ま
しくは−100℃〜0℃である。ガラス転移温度(T
g)が−120℃よりも低い場合は、高分子化合物
(A)の合成がしにくくなり、ガラス転移温度(Tg)
が20℃よりも高い場合は、得られる樹脂組成物の柔軟
性が低下することがある。
【0014】上記高分子化合物(A)の粘度は、特に限
定されないが、10〜1万mPa・sの範囲が好まし
い。粘度が10mPa・s未満であると熱伝導性充填材
(C)を充填させて混練・混合させる際に剪断力が十分
に伝わらないため、熱伝導性充填材(C)粒子同士が凝
集したり、高分子化合物(A)中に均一に分散しなかっ
たりして、均一な混合物が得られ難くなる。また、粘度
が1万mPa・sを超えると粘度が高くなりすぎるた
め、充填量が増加するにつれて分散性が悪くなり、均一
な混合物が得られ難くなる。
【0015】上記加水分解性シリル基としては特に限定
されず、例えば、ケイ素原子にアルコキシル基を結合さ
せたもの、ケイ素原子にオキシム基を結合させたもの、
ケイ素原子にアルケニルオキシ基を結合させたもの、ケ
イ素原子にアセトキシ基を結合させたもの、ケイ素原子
にハロゲン基を結合させたもの等が挙げられるが、中で
も、得られる樹脂組成物の貯蔵安定性の観点から、ケイ
素原子にアルコキシル基を結合させたアルコキシシリル
基が好ましい。
【0016】上記高分子化合物(A)としてアルコキシ
シリル基を有する化合物を用いる場合は、得られる樹脂
組成物の粘度設計のし易さ、硬化後の凝集力と接着性と
のバランスを両立させることができる点等から、上記高
分子化合物(A)が加水分解性シリル基含有ポリマーで
あることが好ましい。
【0017】上記加水分解性シリル基含有ポリマーとし
ては、特に限定されず、例えば、加水分解性シリル基
が、プロピレングリコールやエチレングリコール等のア
ルキレングリコールをユニットとするポリマー、エステ
ル結合を持つポリエステル、アミド結合を持つポリアミ
ド、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポ
リスチレン、ポリオレフィン、ポリイソブチレン、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン等のポ
リマー中に置換されて存在するものなどが挙げられる。
また、加水分解性シリル基が、これらのポリマーの共重
合体やポリアクリロニトリル・ブタジエン共重合体中に
置換されて存在するものが用いられてもよい。
【0018】上記加水分解性シリル基含有ポリマーの分
子量としては、特に限定されないが、4000〜3万が
好ましく、より好ましくは1万〜3万である。また、分
子量分布(Mw/Mn)1.6以下のものが取扱い易い
ため好ましい。
【0019】上記アルコキシシリル基としては、例え
ば、モノアルコキシシリル基、ジアルコキシシリル基、
トリアルコキシシリル基等が挙げられる。上記アルコキ
シル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プ
ロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブトキシ基、
tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ
基等が挙げられる。
【0020】上記アルコキシシリル基がジアルコキシシ
リル基又はトリアルコキシシリル基である場合、同一の
アルコキシル基を用いてもよく、異なるアルコキシル基
を組み合わせて用いてもよい。
【0021】上記アルコキシシリル基は、少なくとも上
記ポリマーの末端又は側鎖のいずれかに配置されていれ
ばよく、ポリマー末端と側鎖との両方に配置されていて
もよい。
【0022】上記加水分解性シリル基含有ポリマーの市
販品としては、例えば、鐘淵化学工業社製「MSポリマ
ーS−203」、「MSポリマーS−303」、「MS
ポリマーS−903」等のMSポリマー、「サイリルS
AT−200」、「サイリルMA−403」、「サイリ
ルMA−447」等のサイリルポリマー;鐘淵化学工業
社製「エピオンEP−505S」等のエピオンポリマ
ー;旭硝子社製「エクセスターESS−2410」、
「エクセスターESS−2420」、「エクセスターE
SS−3630」等のエクセスターポリマーなどが挙げ
られる。
【0023】上記反応性化合物(B)は、高分子化合物
(A)の反応性基と反応し、高分子化合物(A)を高分
子量化するために用いられるものであり、特に限定され
ないが、高分子化合物(A)の反応性基が水酸基の場合
は、多官能イソシアネートが好ましい。
【0024】上記高分子化合物(A)の反応性基がアミ
ノ基の場合、上記反応性化合物(B)は、多官能イソシ
アネート又は多官能エポキシが好ましい。高分子化合物
(A)の反応性基がカルボキシル基の場合、上記反応性
化合物(B)は多官能エポキシが好ましい。
【0025】また、高分子化合物(A)の反応性基がイ
ソシアネート基の場合は、反応性化合物(B)として、
多官能グリコール、多官能アミン等の化合物の他、イソ
シアネート基の反応を空気中の湿気で促進させたり、該
反応に触媒として作用する化合物を用いることが好まし
い。
【0026】このような化合物としては、例えば、ジブ
チル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル
錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス(ジブチ
ル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビスアセチル
アセトネート、ジブチル錫ビス(モノエステルマレー
ト)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、ジオク
チル錫オキサイド等の錫化合物;テトラ−n−ブトキシ
チタネート、テトライソプロポキシチタネート等のチタ
ネート系化合物;ジブチルアミン−2−エチルヘキソエ
ート等のアミン塩;これら以外の酸性触媒又は塩基性触
媒などが挙げられる。これらの化合物は単独で用いられ
てもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0027】また、高分子化合物(A)の反応性基がエ
ポキシ基の場合、反応性化合物(B)としては、多官能
カルボン酸、多官能アミン等の化合物や、エポキシ基の
反応を促進させたり、触媒として作用する化合物を用い
ることが好ましい。このような化合物としては、例え
ば、ジブチルアミン−2−エチルヘキソエート等のアミ
ン塩、これら以外の酸性触媒、塩基性触媒などが挙げら
れる。これらの化合物は単独で用いられてもよく、2種
以上が併用されてもよい。
【0028】また、高分子化合物(A)が加水分解性シ
リル基含有化合物の場合、反応性化合物(B)として
は、加水分解性シリル基含有化合物の架橋を空気中の湿
気で促進させたり、架橋触媒として作用する化合物を用
いることが好ましい。このような化合物としては、例え
ば、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、
ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫フタレート、ビス
(ジブチル錫ラウリン酸)オキサイド、ジブチル錫ビス
アセチルアセトネート、ジブチル錫ビス(モノエステル
マレート)、オクチル酸錫、ジブチル錫オクトエート、
ジオクチル錫オキサイド等の錫化合物;テトラ−n−ブ
トキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート等
のチタネート系化合物;ジブチルアミン−2−エチルヘ
キソエート等のアミン塩;これら以外の酸性触媒及び塩
基性触媒などが挙げられる。これらの化合物は単独で用
いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0029】本発明の熱伝導性樹脂組成物における反応
性化合物(B)の配合量は、高分子化合物(A)100
重量部に対して、0.01〜20重量部が好ましい。配
合量が、0.01重量部より少なくなると高分子化合物
(A)の反応速度が著しく低下するため実生産に不向き
であり、20重量部を超えると、反応速度は充分早くな
るが、反応後の生成物への影響が著しくなり、充分な接
着力を得ることが困難となる場合がある。
【0030】本発明において用いられる熱伝導性充填材
(C)としては、特に限定されず、通常熱伝導性樹脂組
成物中に配合されるものを用いることができ、例えば、
アルミナ、酸化マグネシウム、酸化ベリリウム、酸化チ
タン、酸化亜鉛等の酸化物充填材;、窒化ホウ素、窒化
ケイ素、窒化アルミ、炭化ケイ素等の無機充填材;銅、
銀、鉄、アルミニウム、ニッケル等の金属充填材;チタ
ン等の金属合金系充填材;ダイヤモンド、炭素繊維、カ
ーボンブラック等の炭素系充填材;石英、石炭ガラス等
のシリカ粉などが挙げられる。また、無機充填材粒子に
銀、銅等や炭素材料を表面被覆したもの、金属充填材粒
子に無機材料や炭素材料を表面被覆したものも使用可能
である。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0031】上記熱伝導性充填材(C)は、高分子化合
物(A)との親和性を向上させるために、シラン処理等
の各種表面処理が施されたものであってもよい。また、
粒子形状についても、特に限定されるものではなく、球
状、針状、繊維状、鱗片状、樹脂状、平板状、不定形等
のいずれが用いられてもよい。
【0032】上記熱伝導性充填材(C)の含有量は、後
述の樹脂シート中において5〜90体積%が好ましく、
より好ましくは20〜80体積%である。熱伝導性充填
材の含有量が、5体積%未満であると効率的な熱伝導性
を得にくく、90体積%を超えると樹脂組成物の硬度が
高くなり、放熱部材の表面の凹凸への密着追従性が低下
して接触熱抵抗が増大し、効率的な熱伝導性が得られに
くくなる。
【0033】本発明の熱伝導性樹脂組成物には、必要に
応じて、物性調整剤、可塑剤、着色剤、難燃剤等の各種
添加剤が配合されてもよい。上記物性調整剤としては、
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキ
シシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエト
キシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシ
ラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメト
キシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミ
ノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチ
ル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N,
N′−ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]
エチレンジアミン、N,N′−ビス−[3−(トリエト
キシシリル)プロピル]エチレンジアミン、N,N′−
ビス−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ヘキサ
エチレンジアミン、N,N′−ビス−[3−(トリエト
キシシリル)プロピル]ヘキサエチレンジアミン等が挙
げられ、これらは単独で用いられてもよく、2種以上が
併用されてもよい。
【0034】上記樹脂組成物には、さらに、柔軟性を保
つために可塑剤を配合することが好ましい。上記可塑剤
としては、例えば、リン酸トリブチル、リン酸トリクレ
ジル等のリン酸エステル類;フタル酸ジオクチル等のフ
タル酸エステル類、グリセリンモノオレイル酸エステル
等の脂肪酸一塩基酸エステル類;アジピン酸ジオクチル
等の脂肪酸二塩基酸エステル類;プロピレングリコール
類やエチレングリコール類等のポリエーテル類;液状炭
化水素等のプロセスオイルなどが挙げられ、これらは単
独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
【0035】上記樹脂組成物には、さらに必要に応じ
て、たれ防止剤、酸化防止剤、老化防止剤、紫外線吸収
剤、溶剤、香料、顔料、染料等が添加されてもよい。
【0036】上記樹脂組成物を製造するには、高分子化
合物(A)、反応性化合物(B)及び熱伝導性充填材
(C)、さらに、必要に応じて、その他成分を添加して
混練・混合させる方法が用いられる。混練・混合する方
法としては、(i)高分子化合物(A)と反応性化合物
(B)とを反応させながら、同時に熱伝導性充填材
(C)を混練する方法、又は(ii)高分子化合物
(A)、反応性化合物(B)及び熱伝導性充填剤(C)
を混練した後、高分子化合物(A)と反応性化合物
(B)とを反応させる方法が好ましい。
【0037】上記混練・混合に用いられる装置として
は、特に限定されるものではなく、例えば、混練機、押
出機、ミキサー、ロール、ニーダー、攪拌機等の一般的
な装置を用いることができる。また、必要に応じて、混
練・混合時に装置内を減圧、脱気してもよい。
【0038】上記混練・混合する方法においては、高分
子化合物(A)は分子量が比較的低いため、通常のポリ
マーよりも溶融粘度が低く、熱伝導性充填剤(C)を通
常のポリマーよりも大量に充填することが可能となるた
め、高い熱伝導率を発現させることができる。さらに、
高分子化合物(A)と反応性化合物(B)とを反応させ
ることによって、充分な強度を得ることができる。
【0039】本発明の樹脂シートは、上記熱伝導性樹脂
組成物を低発泡させてシート状に成形することにより得
ることができる。低発泡させる方法としては、例えば、
樹脂組成物に発泡剤を加え、架橋剤及び架橋助剤の存
在下で架橋を行い発泡させる架橋発泡、上記樹脂組成
物に発泡剤を加え、架橋を行わずに発泡させる無架橋発
泡等が挙げられる。
【0040】上記発泡剤としては、例えば、アゾジカル
ボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合
物;N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン等
のニトロソ化合物;p−トルエンスルホニルヒドラジ
ド、p,p−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド)等のスルホニルヒドラジド化合物などの熱分解型有
機発泡剤;フロンガス、炭酸ガス、水や、ペンタン等の
揮発性炭化水素化合物などのガス系発泡剤、及び、これ
らのガス系発泡剤を内包したマイクロカプセルを用いる
ことができる。ガス系発泡剤を内包したマイクロカプセ
ルとしては、例えば、日本フェライト社製「エクスパン
セル」が挙げられる。
【0041】発泡させる方法としては、発泡剤を加熱又
は反応することによって発泡ガスを発生させる方法や、
加圧状態から圧力を開放することによって発泡ガスを発
生させる方法等を採用することができる。
【0042】架橋発泡における架橋方法としては、例え
ば、電子線を用いる方法、架橋剤を用いる化学的方法が
挙げられる。上記架橋剤としては、例えば、ジクミルパ
ーオキサイド等の有機過酸化物;ビニルトリエトキシシ
ラン等のシラン化合物やMDI等の多官能イソシアネー
トなどの水架橋剤;エポキシ、オキサゾリン等の反応性
基を有する多官能有機化合物が用いられる。上記架橋助
剤としては、例えば、ジビニルベンゼン等の多官能モノ
マーやジブチル錫ジラウレート等の縮合触媒が用いられ
る。
【0043】本発明の樹脂シートの発泡倍率は、高熱伝
導性と柔軟性とを両立させるために、1.1〜5倍が好
ましく、より好ましくは1.3〜3倍である。発泡倍率
が、1.1倍より小さくなると柔軟性が不足することが
あり、5倍より大きくなると熱伝導性が低下することが
ある。
【0044】上記樹脂シートの成形は、押出成形、カレ
ンダー成形、プレス成形、注型成形、塗工によるシート
化、ベルトプレスによるシート化、切削加工等の種々の
賦形方法が用いられる。また、発泡と賦形とを同時に行
ってもよく、シート状に賦形した後発泡を行ってもよ
く、発泡後にシート状に賦形してもよい。
【0045】以上のように、熱伝導性樹脂組成物を低発
泡させることによって、高熱伝導性を保持した状態で柔
軟性を向上させた樹脂シートを得ることができる。さら
に、上記樹脂シートは、作業上充分な強度をもち、密着
性、柔軟性及び形状追従性を有する。
【0046】
【発明の実施の形態】以下に実施例を掲げて本発明を更
に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定
されるものではない。
【0047】(実施例1、2)表1に示した所定量の、
高分子化合物(A)(鐘淵化学工業社製「MSポリマー
S303」)、反応性化合物(B)(三共有機合成社製
錫系触媒「SB−65」、熱伝導性充填材(C)(電気
化学工業社製窒化ホウ素「SGP」)、及び、発泡剤
(日本フェライト社製「エクスパンセルDU120」)
を混合撹拌機を用いて均一に混合されるまで撹拌を行っ
て熱伝導性樹脂組成物を調製した後、この樹脂組成物を
型に流し込み120℃で2時間以上放置して発泡、硬化
させ、発泡倍率1.5倍の樹脂シートを得た。
【0048】(実施例3)表1に示した所定量の、高分
子化合物(A)(鐘淵化学工業社製「MSポリマーS3
03」)、反応性化合物(B)(三共有機合成社製錫系
触媒「SB−65」、及び、熱伝導性充填材(C)(電
気化学工業社製窒化ホウ素「SGP」)を脱泡撹拌機を
用いて均一に混合されるまで撹拌を行って熱伝導性樹脂
組成物を調製した後、この樹脂組成物を型に流し込み1
20℃で2時間以上放置して硬化させ、シート状の樹脂
組成物を得た。
【0049】(比較例)表1に示した所定量の、シリコ
ーンゴム(信越化学工業社製「KE12」)、シリコー
ンゴム硬化剤(信越化学工業社製「CAT−RM」)、
及び、熱伝導性充填材(電気化学工業社製窒化ホウ素
「SGP」)を脱泡撹拌機を用いて均一に混合されるま
で撹拌を行って熱伝導性樹脂組成物を調製した後、この
樹脂組成物を型に流し込み室温で40時間以上放置して
硬化させ、樹脂シートを得た。
【0050】上記実施例及び比較例で得られた樹脂組成
物及び樹脂シートについて、下記の性能評価を行い、そ
の結果を表1に示した。 (1)熱伝導率 京都電子工業社製熱伝導率測定装置「QTM−D3」を
用いて測定した。 (2)表面硬度 JIS K 6253に準拠し、高分子計器社製「アス
カーゴム硬度計A型」を用いて測定した。
【0051】(3)引張強度 JIS K 6253に準拠して、樹脂シートからダン
ベル状1号形試験片を作製し、万能引張試験機にて引張
速度500mm/分で引張強度を測定した。 (4)初期粘着力 JIS Z 0237に準拠し、SUS304板上に2
5mm幅の樹脂シートを貼合わせ、23℃で20分間放
置した後、引張速度300mm/minの条件で180
℃剥離を行い、剥離強度を測定した。
【0052】
【表1】
【0053】
【発明の効果】本発明の熱伝導性樹脂組成物および樹脂
シートは、上述の構成であり、優れた熱伝導率及び柔軟
性を兼ね備えており、形状追従性も良好である。また、
優れた強度を有するので、ガラス繊維やガラスクロス等
で補強する必要がないため、製造方法も複雑なものとな
らず、作業性も良好である。さらに、密着性にも優れて
いるため、電気・電子部品等の発熱体の放熱用途等に使
用したとき、効率的な放熱を行うことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 63/00 C08L 63/00 C 75/04 75/04 Fターム(参考) 4F074 AA64 AA78 AA97 AC16 AC33 AG01 BA13 BA14 BA18 BA32 BA34 BA39 BA42 BA91 BB01 CA23 CC04Y CC06Y DA02 DA47 4J002 AA031 AC031 AC061 AC071 AC091 BB001 BB181 BC031 BG041 BG051 CD002 CF001 CG001 CH021 CL001 DA017 DA037 DA077 DA087 DA097 DC007 DE077 DE097 DE107 DE137 DE147 DF017 DJ007 DJ017 DK007 ER006 FA047 FB077 FB097 FD017 FD020 FD142 FD146 FD207 GQ01 4J034 BA03 DA01 DA02 DA03 DA05 DA08 DA10 DB04 DB05 DF01 DF02 DG04 DG05 DL01 DP12 DP13 DP18 DP19 HA06 KA01 MA01 NA01 QB19 QC01 QC08 RA14 4J036 AA01 FB01 FB02 FB03 FB05 FB11 FB12 FB13 FB16 JA15

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一分子中に2個以上の反応性基を有する
    高分子化合物(A)、前記高分子化合物(A)を反応さ
    せるための反応性化合物(B)、及び、熱伝導性充填材
    (C)からなることを特徴とする熱伝導性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の熱伝導性樹脂組成物が低
    発泡させられ、シート状に成形されてなる樹脂シート。
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