JP3471494B2 - 現像ローラー - Google Patents

現像ローラー

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JP3471494B2
JP3471494B2 JP22048795A JP22048795A JP3471494B2 JP 3471494 B2 JP3471494 B2 JP 3471494B2 JP 22048795 A JP22048795 A JP 22048795A JP 22048795 A JP22048795 A JP 22048795A JP 3471494 B2 JP3471494 B2 JP 3471494B2
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善久 太和田
重夫 秋本
健二 小林
靖典 松成
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一成分非磁性現像
剤(トナー)を用いて現像する装置の現像ローラー(導
電性ゴムローラー)に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に高画質が特徴である一成分非磁性
方式の現像装置に用いる導電性ゴムからなる現像ローラ
ーは、ウレタンゴム、NBR、EPDM、シリコーンゴ
ムなどの各種ゴム材料から製造されている。
【0003】前記現像装置においては、トナーの帯電と
その量規制(薄層形成)が重要な技術である。そのた
め、ローラーの抵抗値や耐電圧などのバランスのコント
ロールや表面保護などのため、導電性ゴム層+抵抗調整
層+表面保護層などの複数層の複雑な構成にして使用さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記のごとく、現像ロ
ーラーの多くは、導電性ゴムの外側に複数の層を形成し
ているため工程数が多く、コストがかかる構造になって
いる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題
(工数の多さによるコストアップ)を解決する方法とし
て、現像ローラーに使用する導電性ゴム層の表面の粘着
性を積極的に利用し、1成分現像剤(トナー)を付着さ
せることによって表面保護層を形成し、工程数を少なく
するためになされた発明であり、一成分非磁性現像方式
を採用する現像装置に用いる現像ローラーの製造に使用
する反応性有機材料および導電性付与物質を含む導電性
組成物を用いて製造した現像ローラーの表面の粘着性が
JIS Z 0237に準ずるボールタック試験(傾斜
角30°、23℃)で1〜13となるローラーの表面の
粘着性を積極的に利用して、一成分非磁性現像剤を付着
せしめてなる現像ローラー(請求項1)、現像ローラー
の表面の粘着性が2〜13である請求項1記載の現像ロ
ーラー(請求項2)、反応性有機材料および導電性付与
物質を含む導電性組成物が、飽和炭化水素系、オキシア
ルキレン系、ウレタン系、シロキサン系などの硬化反応
によって液状から固体になる反応性有機材料および導電
性付与物質を含む硬化性導電性組成物である請求項1ま
たは2記載の現像ローラー(請求項3)、飽和炭化水素
系またはオキシアルキレン系の反応性有機材料および導
電性付与物質を含む硬化性導電性組成物が (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、
主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系またはオ
キシアルキレン系からなる重合体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物(硬化剤) (C)ヒドロシリル化触媒および (D)導電性付与物質を含有する組成物である請求項3
記載の現像ローラー(請求項4)、 (A)成分の主鎖を構成する繰り返し単位がオキシプロ
ピレン単位である請求項4記載の現像ローラー(請求項
5)、請求項4または5記載の導電性組成物に、さらに
(E)貯蔵安定性改良剤を加えてなる現像ローラー(請
求項6)および表面の硬度が8〜30°(JIS A)
である請求項1、2、3、4、5および6記載の現像ロ
ーラー(請求項)に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の導電性組成物は、一成分
非磁性方式を採用する現像装置に使用する現像ローラー
の製造に用いる反応性有機材料および導電性付与物質を
含む導電性組成物である。
【0007】前記導電性組成物に含まれる反応性有機材
料としては、通常、末端反応性液状樹脂(必ずしも反応
点が末端である必要はない)とよばれる反応性液状樹脂
だけでなく、NBR、EPDMなどの加硫により加硫ゴ
ムとなる材料、さらには、これら以外のミラブル型シリ
コーンゴムなどの現像ローラーの製造に使用される材料
などがあげられる。
【0008】これらのうちでは、末端反応性液状樹脂
が、硬化後も残存するフリー末端に起因する粘着性を適
度に有させることができ、かつ、硬化物の物性を現像ロ
ーラー用に適したものに調整しやすい、液状射出成形が
可能であり、設備が小型で安価であるなどの点から好ま
しい。
【0009】前記末端反応性液状樹脂の具体例として
は、たとえば反応によってウレタンゴムやシリコーンゴ
ムとなる液状の化合物、反応性ケイ素基を有するオキシ
アルキレン系または飽和炭化水素系重合体(たとえば両
末端にアルコキシシリル基を有し、縮合反応する重合体
など)、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有す
るオキシアルキレン系または飽和炭化水素系重合体とヒ
ドロシリル基を有する化合物との反応によって硬化する
組成物などがあげられる。これらの詳細については後述
する。
【0010】前記導電性組成物に含まれる導電性付与物
質としては、種々の製法で作られる各種粒径(たとえば
平均粒径5〜200μmのもの)のカーボンブラックや
金属微粉末、さらには第4級アンモニウム塩基、カルボ
ン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステ
ル基などを含有する有機化合物もしくは重合体、エーテ
ルエステルアミドもしくはエーテルアミドイミド重合
体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、
メトキシポリエチレングリコールアクリレート重合体な
どで代表される導電性ユニットを有する化合物または高
分子化合物などの有機帯電防止剤などがあげられる。ま
た、たとえば、過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウ
ム、過塩素酸カリウムなどの過塩素酸アルカリ金属塩な
どの無機イオン性化合物も使用しうる。
【0011】前記カーボンブラックとしては、低抵抗に
するばあい、たとえば平均一次粒径15〜19mμ程度
のものが好ましく使用さる。具体例としては熱分解法で
えられるECカーボンなどがあげられる。
【0012】また、前記金属微粉末としては、たとえば
平均粒径0.1μm〜3mμ程度の金属粉末が好ましく
使用され、具体例としてはNiパウダーなどがあげられ
る。
【0013】前記第4級アンモニウム塩基(たとえば
【0014】
【化1】
【0015】などの基)、カルボン酸基(−COOH基
の他、−COONa基、−COOK基のごときカルボン
酸塩基も含まれる)、スルホン酸基(−SO3 H基の
他、−SO3 Na基、−SO3 K基のごときスルホン酸
塩基も含まれる)、硫酸エステル基(−OSO3 Na、
−OSO3 Kなどの基)、リン酸エステル基(−OPO
32 などの基)を含有する有機化合物もしくは重合体
としては、たとえば第4級アンモニウムクロライド、第
4級アンモニウムサルフェート、第4級アンモニウムナ
イトレートなどの第4級アンモニウム塩基含有有機化合
物、ポリビニルベンジル型カチオンやポリアクリル酸型
カチオンのような第4級アンモニウム塩基含有重合体、
高級脂肪酸のアルカリ金属塩のごときカルボン酸基含有
有機化合物、アイオノマーのごときカルボン酸基含有重
合体、アルキルスルホネート、アルキルベンゼンスルホ
ネートなどのスルホン酸基含有有機化合物、ポリビニル
ベンジル型スルホネート、ポリアクリル酸型スルホネー
トなどのスルホン酸基含有重合体、アルキルサルフェー
トのごとき硫酸エステル基含有有機化合物、アルキルホ
スフェートなどのリン酸エステル基含有有機化合物など
があげられる。
【0016】前記化合物以外の、たとえばアルキルベタ
イン型、アルキルイミダゾリン型、アルキルアラニン型
のごとき両性系の有機帯電防止剤や、ポリオキシエチレ
ンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシ
エチレンアルキルフェニルエーテル、グリセリン脂肪酸
エステル、ソルビタン脂肪酸エステルのごとき非イオン
系の有機帯電防止剤なども使用しうる。
【0017】前記エーテルエステルアミドもしくはエー
テルアミドイミド重合体とは、重合体中にエーテル結合
とエステルアミド結合もしくはエーテル結合エステルア
ミド結合で表わされる基を有し、重合体全体として導電
性を付与するものである。
【0018】また、前記エチレンオキサイド−エピハロ
ヒドリン共重合体とは、エピクロルヒドリンなどのエピ
ハロヒドリンとエチレンオキサイドとを共重合されたも
のである。
【0019】さらに、前記メトキシポリエチレングリコ
ールアクリレートとは、メトキシポリエチレングリコー
ルとアクリル酸とのエステルの重合体のことである。
【0020】前記有機帯電防止剤のうちでは、たとえば
第4級アンモニウム塩基、カルボン酸基もしくはスルホ
ン酸基を含有するアクリル系オリゴマー、マレイミド共
重合体、アクリルイミド共重合体、あるいはポリエーテ
ルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、エチレ
ンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポ
リエチレングリコールアクリレートのオリゴマーなどが
好ましく用いられる。前記有機帯電防止剤が重合体のば
あい、液状であるのが望ましいので、平均分子量は液状
になる範囲のものが好ましい。
【0021】前記反応性有機材料および導電性付与物質
を含む導電性組成物には、要すれば粘着性を高めるため
に粘着付与樹脂を加えてもよく、その他の加工性やコス
トなどを改善するための充填剤、保存安定剤、酸化防止
剤、可塑剤、紫外線吸収剤、滑剤、顔料、界面活性剤な
どを適宜添加してもよい。
【0022】前記粘着付与樹脂の具体例としては、たと
えばロジンエステル樹脂、テルペン−フェノール樹脂、
芳香族系石油樹脂、キシレン樹脂、フェノール樹脂、フ
ェノール変性樹脂などがあげられるが、反応性有機材料
との相溶性のよいものを使用するのが好ましい。
【0023】前記導電性付与物質の使用量としては、導
電性付与物質を除いた導電性組成物の合計量に対して約
0.01〜30%(重量%、以下同様)、さらには0.
5〜10%であり、通常硬化物の比抵抗が103 〜10
10Ω・cm、さらには103〜109 Ω・cmになるよ
うに加えられる。
【0024】導電性付与物質としてカーボンブラックや
金属粉末を用いるばあいには比抵抗は主として103
106 Ω・cmにされる。
【0025】また、前記のごとき有機帯電防止剤を加え
るばあいの添加量としては、導電性付与物質を除いた導
電性組成物の合計量に対して約0.5〜30%である。
このばあいには、比抵抗を107 〜1010Ω・cmにす
るのに主として用いられる。
【0026】さらに、前記のごとき無機イオン性化合物
を使用するばあいには、導電性付与物質を除いた導電性
組成物の合計量に対して0.1〜5%、好ましくは0.
2〜1%の過塩素酸リチウム、過塩素酸ナトリウム、過
塩素酸カリウムなどの添加で105 〜1010Ω・cmの
比抵抗がえられる。
【0027】前記のごとき本発明の導電性組成物は、現
像ローラーの導電性支持体(主に金属)の外側に導電層
または半導電層を形成するために使用されるが、製造さ
れたローラーの表面の粘着性はJIS Z 0237に
準ずるボールタック試験(傾斜角30°、温度23℃)
で1〜13、好ましくは、2〜13、より好ましくは2
〜7、とくに好ましくは2〜5の粘着性を有する組成物
である。
【0028】前記ローラーは、成形後その表面に一成分
非磁性現像剤を付着させることにより、一成分非磁性現
像剤を用いて現像する装置の現像ローラーとして使用さ
れるものである。
【0029】また、前記ローラーに成形したばあいの表
面の粘着性とは、成形したローラーの表面の粘着性を直
接測定した値ではなく、アプリケーターを使用してロー
ラーの成形に使用した導電性組成物から厚さ約50μm
のフィルムを製造し、えられたフィルムについて、JI
S Z 0237に準ずる傾斜式ボールタック試験(傾
斜角30°、23℃)で評価したばあいの粘着性のこと
である。
【0030】前記粘着性が1〜13、さらには2〜13
のばあいには、ローラー表面に一成分非磁性現像剤を付
着させることによって表面保護層を容易に形成すること
ができ、かつ、そののちトナーとして使用する一成分非
磁性現像剤の帯電とその量規制を適切に行なうことがで
きるので好ましい。ローラー表面に一成分非磁性現像剤
が付着した現像ローラーを使用して現像したばあい、画
出しが良好となる。さらに粘着性が2〜7、とくに2〜
5のばあい、現像ローラーの寿命(1000枚現像した
ばあいの画出しの良否で評価)も長くなる。なお、粘着
性が13をこえると、長期間安定に現像を行なうことが
困難になり、1未満になるとトナーの付着が不充分にな
り、現像ムラが生じやすくなる。
【0031】つぎに、本発明の導電性組成物を反応性有
機材料の面からより詳細に説明する。
【0032】前記反応性有機材料として飽和炭化水素系
の反応性有機材料を使用するばあいの本発明の導電性組
成物(1)の好ましい例としては、たとえば (A−1)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有
し、主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系重合
体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物(硬化剤) (C)ヒドロシリル化触媒および (D)導電性付与物質を含有する導電性組成物があげら
れる。
【0033】(A−1)成分は、(B)成分とヒドロシ
リル化反応して硬化する成分であり、分子中に少なくと
も1個のアルケニル基を有するため、ヒドロシリル化反
応が起こって高分子状となり、硬化する。
【0034】(A−1)成分に含まれるアルケニル基の
数は(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から
少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは分子
の両末端にアルケニル基が存在するのが好ましい。
【0035】(A−1)成分の主鎖を構成する繰返し単
位は飽和炭化水素単位であるが、このばあいには、えら
れる組成物からのローラーの吸水量が極めて小さくな
り、とくに比抵抗が107 〜1010Ω・cmで使うばあ
いには吸湿による抵抗変化が小さくなるため好ましい。
【0036】前記のごとき(A−1)成分の分子量とし
ては、取り扱いやすいなどの点から数平均分子量(M
n)で500〜50,000程度、さらには1,000
〜15,000程度の液状物〜流動性を有するものであ
るのが好ましい。
【0037】前記(A−1)成分の主鎖は、(1)エチ
レン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのよ
うな炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーと
して重合させる、(2)ブタジエン、イソプレンなどの
ようなジエン系化合物を単独重合させたり、前記オレフ
ィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした
のち水素添加する、などの方法によりうることができる
が、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやす
い、末端官能基の数を多くすることができるなどの点か
ら、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合
体あるいは水添ポリイソプレン系重合体であるのが好ま
しい。
【0038】なお、本明細書にいう飽和炭化水素系重合
体(イソブチレン系重合体など)とは、芳香環以外の炭
素−炭素不飽和結合を実質的に含有しない重合体を意味
する概念である。ただし、後述するように、物性調整な
どのために少量含有するばあいまで排除するものではな
い。
【0039】前記イソブチレン系重合体は、単量体単位
のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよ
く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソ
ブチレン系重合体中の好ましくは50%以下、さらに好
ましくは30%以下、とくに好ましくは10%以下の範
囲で含有してもよい。
【0040】前記イソブチレンと共重合性を有する単量
体成分としては、たとえば炭素数4〜12のオレフィ
ン、ビニルエーテル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラ
ン類、アリルシラン類などがあげられる。このような共
重合成分の具体例としては、たとえば1−ブテン、2−
ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブ
テン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセ
ン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエーテル、エ
チルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、スチ
レン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、モノク
ロロスチレン、ジクロロスチレン、β−ピネン、インデ
ン、ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシ
ラン、ビニルジメチルクロロシラン、ビニルメチルメト
キシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジクロ
ロシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチ
ルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラ
メチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラ
ビニルシラン、アリルトリクロロシラン、アリルメチル
ジクロロシラン、アリルジメチルクロロシラン、アリル
ジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジ
アリルジクロロシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジ
アリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプ
ロピルメチルジメトキシシランなどがあげられる。前記
の中でも、アルコキシシリル基を含まない化合物は、共
重合が容易であり、好ましい。
【0041】前記水添ポリブタジエン系重合体や水添ポ
リイソプレン系重合体などの他の飽和炭化水素系重合体
においても、前記イソブチレン系重合体のばあいと同様
に、主成分となる単量体単位の他に、前記のごとき他の
単量体単位を含有させてもよい。
【0042】また、(A−1)成分として用いる飽和炭
化水素系重合体には、本発明の目的が達成される範囲で
ブタジエン、イソプレンのようなポリエン化合物のごと
き重合後2重結合の残るような単量体単位を少量、好ま
しくは10%以下、さらに好ましくは5%以下、とくに
好ましくは1%以下の範囲で含有させてもよい。
【0043】アルケニル基を(A−1)成分の主鎖とな
る飽和炭化水素系重合体に導入する方法については、種
々提案されている方法を用いることができるが、重合後
にアルケニル基を導入する方法と重合中にアルケニル基
を導入する方法に大別することができる。
【0044】重合後にアルケニル基を導入する方法とし
ては、たとえば、末端、主鎖または側鎖の水酸基を−O
Naや−OKなどの基にしたのち一般式(1): CH2 =CH−R1 −Y (1) (式中、Yは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子などのハ
ロゲン原子、R1 は−R2 −、−R2 −OCO−または
−R2 −CO−(R2 は炭素数1〜20の2価の炭化水
素基で、好ましい具体例としてはアルキレン基、シクロ
アルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基があげら
れる)で示される2価の有機基で、
【0045】
【化2】
【0046】(R3 は炭素数1〜10の2価の炭化水素
基)より選ばれる2価の基がとくに好ましい)で示され
る有機ハロゲン化合物を反応させることにより、末端、
主鎖または側鎖にアルケニル基を有する飽和炭化水素系
重合体が製造される。
【0047】前記分子中に少なくとも1個のアルケニル
基を有し、主鎖を構成する繰返し単位が飽和炭化水素単
位である重合体の好ましい具体例としては、両末端にア
ルケニル基を2個有する直鎖状の数平均分子量(Mn)
が2,000〜15,000でMw/Mnが1.1〜
1.2程度のポリイソブチレン系、水添ポリブタジエン
系、水添ポリイソプレン系重合体などがあげられる。
【0048】本発明の導電性組成物(1)に使用する
(B)成分である分子中に少なくとも2個のヒドロシリ
ル基を有する化合物(硬化剤)は、(A−1)成分であ
る分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、主鎖
を構成する繰返し単位が飽和炭化水素単位である重合体
の硬化剤として作用する成分である。
【0049】(B)成分は分子中に少なくとも2個のヒ
ドロシリル基を有する化合物であるかぎりとくに制限は
ないが、分子中に含まれるヒドロシリル基の数が2〜5
0個、さらに2〜30個、さらに2〜20個であること
が硬化物のゴム弾性のコントロールや貯蔵安定性の点か
ら好ましく、さらに3〜20個、とくに3〜12個であ
るのが硬化時の発泡を容易に防げるなどの点から好まし
い。また、Ni−P−テフロンの無電解メッキを施した
金型を用いるばあいには、長期の離型性の点から15個
以下、さらには10個以下が好ましい。前記ヒドロシリ
ル基の個数が2個より少ないと、本発明の導電性組成物
(1)をヒドロシリル化反応により硬化させるばあいの
硬化速度が遅くなり、硬化不良を起こすばあいが多くな
る。また、該ヒドロシリル基の個数が50個より多くな
ると、(B)成分である硬化剤の安定性、したがって本
発明の導電性組成物(1)の安定性がわるくなる傾向に
あり、そのうえ硬化後も多量のヒドロシリル基が硬化物
中に残存しやすくなり、ボイドやクラックの原因となり
やすくなる。
【0050】前記ヒドロシリル基を1個有するとはSi
Hを1個有することをいい、SiH2 のばあいにはヒド
ロシリル基を2個有することになるが、Siに結合する
Hは、異なるSiに結合する方が硬化性がよく、また、
ゴム弾性の点からも好ましい。
【0051】(B)成分の分子量は、前述の導電性付与
物質((D)成分)の分散性やローラー加工性などの点
から数平均分子量(Mn)で30,000以下であるの
が好ましく、さらには20,000以下、とくには1
5,000以下が好ましい。(A−1)成分との反応性
や相溶性まで考慮すると300〜10,000がより好
ましい。
【0052】前記のごとき(B)成分は、有機基にヒド
ロシリル基を含む基(ヒドロシリル基含有基)が結合し
たタイプのものであってもよく、シロキサン結合を有す
る化合物中にヒドロシリル基が含まれるタイプのもので
あってもよい。また、線状のものでも枝分かれを有する
ものでもよく、その構造についてとくに制限はないが、
たとえば一般式(2): R4 a (2) (式中、Xは少なくとも1個のヒドロシリル基を含む
基、R4 は炭素数2〜150の1〜4価の炭化水素基、
aは1〜4から選ばれる整数、ただし、Xに1個のヒド
ロシリル基しか含まれないばあい、aは2以上である)
で示され、数平均分子量が30,000以下であるヒド
ロシリル基を含有する炭化水素系硬化剤が具体例として
あげられる。
【0053】一般式(2)中、Xは少なくとも1個のヒ
ドロシリル基を含む基を表わすが、その具体例として
は、たとえば−SiHn (CH3 3-n 、−SiH
n (C2 5 3-n 、−SiHn (C6 5 3-n (以
上のn=1〜3)、−SiH2 (C6 13)などのケイ
素原子を1個だけ含有するヒドロシリル基、
【0054】
【化3】
【0055】などのケイ素原子を2個以上含むヒドロシ
リル基、
【0056】
【化4】
【0057】
【化5】
【0058】
【化6】
【0059】などで示される鎖状、枝分かれ状、環状の
各種の多価ハイドロジエンシロキサンより誘導されたヒ
ドロシリル基などがあげられる。なお、式中、m個の単
位とp個の単位、n個の単位とq個の単位、m個の単位
とp個の単位とx個の単位、n個の単位とq個の単位と
y個の単位、m個の単位とn個の単位、さらにはm個の
単位とn個の単位とp個の単位とq個の単位がブロック
結合で結合しているように記載されているが、これらは
ブロック結合でもランダム結合でもよい。以下の記載に
おいても同様である。
【0060】前述の各種のヒドロシリル基のうち、
(B)成分であるヒドロシリル基含有炭化水素系硬化剤
が他の有機重合体との相溶性を損う可能性が少ないとい
う点から、ヒドロシリル基を構成する部分の分子量が5
00以下であるのが好ましく、さらにヒドロシリル基の
反応性も考慮すれば、下記のものが好ましい。
【0061】
【化7】
【0062】なお、以上の基を(化7)で示される基と
もいう。
【0063】(B)成分において、同一分子中にヒドロ
シリル基含有基が2個以上存在するばあいには、それら
は互いに同一でもよく異なっていてもよい。
【0064】また、(B)成分に含まれるヒドロシリル
基含有基は分子末端にあっても分子側鎖にあってもよい
が、本発明の組成物を用いてゴム状硬化物を製造するば
あいには、分子末端にある方が有効網目鎖長が長くなる
ので好ましい。
【0065】一般式(2)中、R4 は炭素数2〜150
の1〜4価の炭化水素基を表わし、重合体からなる基で
あってもよい。具体例としては、
【0066】
【化8】
【0067】
【化9】
【0068】など(これらは特開平3−95266号公
報などに記載されている)、またR4が重合体からなる
基の具体例としては、エチレン、プロピレン、1−ブテ
ン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィ
ン系化合物を主モノマーとして重合させたもので、結合
手を1〜4個有するもの、ブタジエン、イソプレンなど
のようなジエン系化合物を単独重合させたり、前記オレ
フィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりし
たのち水素添加したもので、結合手を1〜4個有するも
のなどがあげられる。
【0069】前記のごときR4 およびXを有する一般式
(2)で表わされる炭化水素系硬化剤の中でも、R4
炭素数5〜20の炭化水素基で、Xが(化7)で示され
る基のばあいの組合わせが、反応性をあげ、良好な網目
構造を形成させうる点と、(A−1)成分との相溶性の
点から好ましい。
【0070】これらの中でもR4 の炭素数が5〜12の
炭化水素基であることが、原料が容易に入手できる点か
ら好ましく、Xが(化7)で示される基の中でも環状ポ
リシロキサン化合物であることが、(A−1)成分との
相溶性がよりよくなるという点から好ましい。この組合
わせによってえられる化合物が、炭化水素系硬化剤とし
ては好ましい。その具体例としては、たとえば
【0071】
【化10】
【0072】などがあげられる。
【0073】(B)成分であるヒドロシリル基含有炭化
水素系硬化剤の製法についてはとくに制限はなく、任意
の方法で製造すればよい。
【0074】たとえば(i)分子内にSiCl基をもつ
炭化水素系硬化剤をLiAlH4 、NaBH4 などの還
元剤で処理して該硬化剤中のSiCl基をSiH基に還
元する方法、(ii)分子内にある官能基X1 をもつ炭
化水素系化合物と分子内に前記官能基X1 と反応する官
能基Y1 およびヒドロシリル基の両者を有する化合物と
を反応させる方法、(iii)アルケニル基を含有する
炭化水素系化合物に対して少なくとも2個のヒドロシリ
ル基をもつポリヒドロシラン化合物を選択ヒドロシリル
化することにより、反応後もヒドロシリル基を該炭化水
素系化合物の分子中に残存させる方法などが例示され
る。
【0075】前記方法のうち、(iii)の方法が製造
工程が一般に簡便なため好適に用いることができる。こ
のばあい、一部のポリヒドロシラン化合物のヒドロシリ
ル基の2個以上が炭化水素系化合物のアルケニル基と反
応して分子量が増大することがあるが、このように分子
量が増大したものを含むものを(B)成分として用いて
も何ら差しつかえない。
【0076】なお、(ii)の方法で製造する(B)成
分の例としては、後述する本発明の導電性組成物(2)
の成分として説明する(B)成分などがあげられるが、
これらは本発明の導電性組成物(1)の(B)成分とし
ても使用しうる。
【0077】(B)成分としてポリシロキサン系硬化剤
も使用することができる。具体例としては、下記のごと
き鎖状、環状のポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(ポリオキシアルキレン変性体、スチレン類変性体、オ
レフィン変性体などを含む)があげられる。
【0078】
【化11】
【0079】(m、nは整数、10≦m+n≦50、2
≦m、0≦n、Rはメチル基、分子量が100〜10,
000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20
の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有してもよ
い。Rが複数個含まれるばあい、これらは同じである必
要はない。)
【0080】
【化12】
【0081】(m、nは整数、10≦m+n≦50、2
≦m、0≦n、Rはメチル基、分子量が100〜10,
000のポリオキシアルキレン基または炭素数2〜20
の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有していても
よい。Rが複数個含まれるばあい、これらは同じである
必要はない。)
【0082】
【化13】
【0083】(m、nは整数、3≦m+n≦20、2≦
m≦19、0≦n≦18、Rはメチル基、分子量が10
0〜10,000のポリオキシアルキレン基または炭素
数2〜20の炭化水素基で1個以上のフェニル基を含有
していてもよい。Rが複数個含まれるばあい、これらは
同じである必要はない。) (A−1)成分との相溶性をよりよくするためには、前
記Rがフェニル基を含有しているものが好ましい。さら
に入手のしやすさから−CH2−CH2−C65、−CH
2−CH(CH3)−C65が、また、貯蔵安定性の点か
ら−CH2−CH(CH3)−C65が好ましい。
【0084】本発明の導電性組成物(1)においては前
記(A−1)成分、(B)成分とともに(C)成分であ
るヒドロシリル化触媒が使用される。
【0085】(C)成分であるヒドロシリル化触媒とし
ては、ヒドロシリル化触媒として使用しうるものである
かぎりとくに制限はなく、任意のものを使用しうる。
【0086】(C)成分の具体例としては、たとえば白
金の単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラックなどの
単体に固体白金を担持させたもの、塩化白金酸、塩化白
金酸とアルコール、アルデヒド、ケトンなどとの錯体、
白金−オレフィン錯体(たとえば、Pt(CH2 =CH
2 2 (PPh3 2 、Pt(CH2 =CH2 2 Cl
2 )、白金−ビニルシロキサン錯体(たとえば、Ptn
(ViMe2 SiOSiMe2 Vi)m 、Pt[(Me
ViSiO)4 m )、白金−ホスフィン錯体(たとえ
ば、Pt(PPh3 4 、Pt(PBu3 4 )、白金
−ホスファイト錯体(たとえば、Pt[P(OP
h)3 4 、Pt[P(OBu)3 4 )(以上の式
中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル
基、Phはフェニル基を表わし、m、nは整数を表わ
す)、ジカルボニルジクロロ白金などがあげられる。ま
た、アシュビー(Ashby)の米国特許第3,15
9,601号および同第3,159,662号の各明細
書に記載された白金−炭化水素複合体、ラモロー(La
moreaux)の米国特許第3,220,972号明
細書に記載された白金アルコラート触媒、モディック
(Modic)の米国特許第3,516,946号明細
書に記載された塩化白金酸−オレフィン複合体なども本
発明に有用に使用しうる。さらに、白金化合物以外の触
媒も使用することができ、その具体例としては、たとえ
ばRhCl(PPh3 3 、RhCl3 、Rh/Al2
3 、RuCl3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl
3 、PdCl2 ・2H2O、NiCl2 、TiCl4
ど(Phはフェニル基を表わす)があげられる。
【0087】これらの触媒のうちでは、触媒活性の点か
ら、塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニル
シロキサン錯体が好ましい。
【0088】これらの触媒は単独で使用してもよく、2
種以上併用してもよい。
【0089】本発明の導電性組成物(1)には、(D)
成分である導電性付与物質が、添加されている。
【0090】前記導電性付与物質の具体例、添加量など
については、すでに説明したとおりであるので原則とし
て説明は省略する。
【0091】本発明の導電性組成物(1)は、前記(A
−1)成分〜(D)成分から調製される。
【0092】(A−1)成分および(B)成分の使用割
合は、(A−1)成分中のアルケニル基1モル当り
(B)成分中のヒドロシリル基が0.2〜5.0モル、
さらには0.4〜2.5モルになるように使用するのが
ゴム弾性の点から好ましい。
【0093】(C)成分の使用量としては、(A)成分
中のアルケニル基1モルに対して、10-1〜10-8
ル、さらには10-1〜10-6モル、とくには10-3〜1
-6モルの範囲で用いるのが好ましい。前記使用量が1
-8モルより少ないと充分に硬化が進行しない。また、
ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、ま
た、水素ガスが大量に発生して硬化物が発泡してしまう
ばあいがあるので、10-1モルをこえて用いないほうが
好ましい。
【0094】(D)成分である導電性付与物質を加える
ばあいの添加量としては、(A−1)〜(C)成分の合
計量に対して約0.01〜30%であり、硬化物の比抵
抗が103 〜1010Ω・cmになるように加えられる。
【0095】つぎに、前記反応性有機材料としてオキシ
アルキレン系の反応性有機材料を使用するばあいについ
て説明する。
【0096】本発明の導電性組成物(2)の好ましい例
としては、たとえば (A−2)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有
し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系
からなる重合体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
る化合物(硬化剤) (C)ヒドロシリル化触媒および (D)導電性付与物質を含有する導電性組成物があげら
れる。
【0097】なお、前記成分のうち(B)成分〜(D)
成分は、ほぼ本発明の導電性組成物(1)における説明
と同様になるので、原則として異なる部分について説明
するにとどめる。
【0098】(A−2)成分も(A−1)成分と同様
に、(B)成分とヒドロシリル化反応して硬化する成分
であり、分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有す
るため、ヒドロシリル化反応が起こって高分子状とな
り、硬化する。
【0099】(A−2)成分に含まれるアルケニル基の
数も(B)成分とヒドロシリル化反応するという点から
少なくとも1個必要であるが、ゴム弾性の点からは分子
の両末端にアルケニル基が存在するのが好ましい。
【0100】(A−2)成分の主鎖を構成する繰り返し
単位はオキシアルキレン単位であるが、このばあいに
は、(D)成分の少量の添加で比抵抗が108 〜109
Ω・cmとなるため好ましい。
【0101】主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアル
キレン単位であるばあい、主鎖は、出発物質として活性
水素を2個以上有する化合物、たとえばエチレングリコ
ール、プロピレングリコール、ビスフェノール系化合
物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリ
ストールなどを用い、C2 〜C4 のアルキレンオキシド
を重合させることにより製造される。このようにして製
造される主鎖を構成する重合体の具体例としては、たと
えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、
ポリブチレンオキシド、エチレンオキシド、プロピレン
オキソドおよびブチレンオキシドの2種以上のランダム
またはブロック共重合体などがあげられ、飽和炭化水素
系のばあいと同様にアルケニル基は末端に導入される方
が好ましい。
【0102】前記分子中に少なくとも1個のアルケニル
基を有し、主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキ
レン単位である重合体の好ましい具体例としては、硬化
物の低硬度化の点から主鎖の繰り返し単位がオキシプロ
ピレン単位のものが好ましく、吸水性を必要とするよう
なばあいには、オキシプロピレン単位の一部をオキシエ
チレン単位に変更した共重合体が好ましい。
【0103】主鎖を構成する繰り返し単位がオキシアル
キレン単位である(A−2)成分の分子量としては、反
応性および低硬度化のバランスをよくする点から数平均
分子量(Mn)で500〜50,000、さらには1,
000〜40,000であるのが好ましい。とくに、数
平均分子量が6,000以上のもの、さらには6,00
0〜40,000のものが好ましい。数平均分子量が5
00未満のばあい、本発明の導電性組成物(2)を硬化
させたばあいに充分な機械的特性(ゴム硬度、伸び率)
などがえられにくくなる。一方、数平均分子量があまり
大きくなり過ぎると、分子中に含まれるアルケニル基1
個当りの分子量が大きくなる傾向にあり、硬化が不充分
となる傾向にある。また、粘度が高くなりすぎて加工性
がわるくなる傾向にある。
【0104】前記オキシアルキレン系、好ましくはオキ
シプロピレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち
30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン
単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外
に含有される単位として、重合体製造時の出発物質とし
て使用される活性水素を2個以上有する化合物、たとえ
ばエチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリ
セリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトー
ルなどからの単位があげられる。なお、オキシプロピレ
ン系重合体というばあいには、前記出発物質以外にも、
重合させるプロピレンオキシドとともに混合して重合さ
せるまたは別に重合させるエチレンオキシド、ブチレン
オキシドなどからの単位もオキシプロピレン単位以外に
含有される単位に含まれうる。
【0105】前記ポリオキシアルキレン系重合体が有す
るアルケニル基にはとくに制限はないが、一般式
(3): H2 C=C(R5 )− (3) (式中、R5 は水素原子またはメチル基)で示されるア
ルケニル基が硬化性がよいなどの点から好ましい。
【0106】アルケニル基のポリオキシアルキレン系重
合体への結合様式にもとくに制限はないが、たとえばア
ルケニル基が直接結合、エーテル結合、エステル結合、
カーボネート結合、ウレタン結合またはウレア結合など
の様式で結合したものが具体例としてあげられる。
【0107】(A−2)成分である分子中に少なくとも
1個のアルケニル基を有するオキシアルキレン系重合体
(A−2)中に含まれるアルケニル基の数は、1分子中
に少なくとも1個、好ましくは10個以下、さらに好ま
しくは5個以下である。アルケニル基の数が少なすぎる
と、本発明の導電性組成物(2)の硬化性が不充分とな
り、多すぎると、オキシアルキレン系重合体を使用する
ことによる特徴の1つである低モジュラス高伸びのゴム
弾性が充分えられなくなる。
【0108】オキシアルキレン系重合体(A−2)の例
としては、たとえば一般式(4):
【0109】
【化14】
【0110】(式中、R5 は前記と同じ、R6 は炭素数
1〜20の2価の炭化水素基で1個以上のエーテル基が
含まれていてもよい、R7 はb価のオキシアルキレン系
重合体残基、bは正の整数)で表わされる重合体があげ
られる。
【0111】前記一般式(4)中のR6 の具体例として
は、たとえば−CH2 −、−CH2CH2 −、−CH2
CH2 CH2 −、−CH2 CH(CH3 )CH2 −、−
CH2 CH2 CH2 CH2 −、−CH2 CH2 OCH2
CH2 −、−CH2 CH2 OCH2 CH2 CH2 −など
があげられるが、合成の容易さの点から−CH2 −が好
ましい。
【0112】また、オキシアルキレン系重合体(A−
2)の他の例としては、一般式(5):
【0113】
【化15】
【0114】(式中、R5 、R6 、R7 およびbは前記
と同じ)で表わされるエステル結合を有する重合体や、
一般式(6):
【0115】
【化16】
【0116】(式中、R5 、R7 およびbは前記と同
じ)で表わされる重合体、さらには一般式(7):
【0117】
【化17】
【0118】(式中、R5 、R6 、R7 およびbは前記
と同じ)で表わされるカーボネート結合を有する重合体
などがあげられる。
【0119】(A−2)成分におけるアルケニル基は、
分子末端に存在するのが好ましい。
【0120】主鎖を構成する繰返し単位がオキシアルキ
レン単位のうちでもとくにオキシプロピレン単位にする
ばあいには、(A−2)成分、したがって本発明の導電
性組成物(2)が低粘度になるため、可塑剤なしでも液
状射出成形が可能であるうえ硬化後も柔軟になり、硬化
(柔軟な方がよい)と圧縮永久歪(小さい方がよい)と
の力学的バランスが優れたものになる。
【0121】前記オキシアルキレン系重合体(A−2)
を製造する方法としては、種々提案されている方法を用
いることができるが、たとえば末端、主鎖あるいは側鎖
に水酸基などの官能基を有するオキシアルキレン系重合
体に、前記の官能基に対して反応性を示す活性基および
アルケニル基を有する有機化合物を反応させることによ
って、アルケニル基を末端、主鎖あるいは側鎖に導入す
ることができる。
【0122】前記官能基に対して反応性を示す活性基お
よびアルケニル基を有する有機化合物の具体例として
は、アクリル酸、メタクリル酸、ビニル酢酸、アクリル
酸クロライド、アクリル酸ブロマイドなどのC3 〜C20
の不飽和脂肪酸、その酸ハライド、その酸無水物や、ア
リルクロロホルメート、アリルブロモホルメートなどの
3 〜C20の不飽和脂肪酸置換炭酸ハライド、アリルク
ロライド、アリルブロマイド、ビニル(クロロメチル)
ベンゼン、アリル(クロロメチル)ベンゼン、アリル
(ブロモメチル)ベンゼン、アリル(クロロメチル)エ
ーテル、アリル(クロロメトキシ)ベンゼン、1−ブテ
ニル(クロロメチル)エーテル、1−ヘキセニル(クロ
ロメトキシ)ベンゼン、アリルオキシ(クロロメチル)
ベンゼンなどがあげられる。
【0123】前記アルケニル基を導入する前のオキシア
ルキレン系重合体は、アルキレンオキシドの通常の重合
法(苛性アルカリを用いるアニオン重合法)や、この重
合体を原料とした鎖延長反応法などによってうることが
できる。また、高分子量で分子量分布が狭く官能基を有
するオキシアルキレン系重合体は、特開昭61−197
631号公報、特開昭61−215622号公報、特開
昭61−215623号公報、特開昭61−21863
2号公報、特公昭46−27250号公報および特公昭
59−15336号公報などに記載された方法などによ
ってうることができる。
【0124】本発明の導電性組成物(2)における
(B)成分としては、本発明の導電性組成物(1)にお
ける(B)成分と同じものを使用しうる。
【0125】前記(B)成分の分子量にはとくに制限は
なく、低分子量のものから重合体まで各種の分子量のも
とを使用しうるが、数平均分子量で500〜50,00
0、さらには500〜20,000のものが好適に使用
される。
【0126】また、(B)成分の具体例としては、本発
明の導電性組成物(1)において具体的に説明したもの
の他に、本発明の導電性組成物(1)における(B)成
分中のヒドロシリル基含有基が有機基に結合した、たと
えば一般式(8):
【0127】
【化18】
【0128】(式中、Xは前記ヒドロシリル基含有基、
5 、R6 およびR7 、bは前記と同じ)で表わされる
エーテル結合を有する化合物、一般式(9):
【0129】
【化19】
【0130】(式中、X、R5 、R6 およびR7 、bは
前記と同じ)で表わされるエステル結合を有する化合
物、一般式(10):
【0131】
【化20】
【0132】(式中、X、R5 、R7 、bは前記と同
じ)で表わされる化合物、一般式(11):
【0133】
【化21】
【0134】(式中、X、R5 、R6 、R7 、aは前記
と同じ)で表わされるカーボネート結合を有する化合物
なども使用しうる。
【0135】また、(B)成分として、一般式(1
2):
【0136】
【化22】
【0137】(式中、R8 、R9 は炭素数1〜6のアル
キル基またはフェニル基、R10は炭素数1〜18の有機
基より選ばれる基、nは0〜30、mは2〜30で表わ
される正の整数であり、m+n≦50を満足する正の整
数、また、m個のオルガノハイドロジエンシロキサン単
位およびn個のオルガノシロキサン単位はランダム結合
であってもよくブロック結合であってもよい)で表わさ
れるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(シロキサ
ン結合を有する化合物中にヒドロシリル基が含まれるタ
イプのもの)を用いることもできる。
【0138】前記R8 の具体例としては、たとえば−C
3 、−CH2 CH3 、−CH2 CH2 CH3 、−CH
(CH3 2 、−CH2 CH2 CH2 CH3 、−C(C
33 、−CH2 CH2 CH2 CH2 CH3 、−CH
2 CH2 CH2 CH2 CH2CH3 、−C6 5 などを
あげることができるが、製造の容易さから−CH3 が好
ましい。
【0139】また、前記R9 の具体例としては、たとえ
ば−CH3 、−CH2 CH3 、−CH2 CH2 CH3
−CH(CH3 2 、−CH2 CH2 CH2 CH3 、−
C(CH3 3 、−CH2 CH2 CH2 CH2 CH3
−CH2 CH2 CH2 CH2CH2 CH3 、−C6 5
などをあげることができるが、製造の容易さ、作業性の
よさから、−CH3 が好ましい。
【0140】さらに、前記R10の具体例としては、たと
えば−CH3 、−CH2 CH3 、−(CH2 l CH3
(l=3〜17)、−CH(CH3 2 、−C(C
3 3、−C6 5 、−CH2 −C6 5 、−CH2
CH2 −C6 5 、−CH2 CH(CH3 )C6 5
どをあげることができるが、ポリオキシプロピレン系重
合体との相溶性などの点から、−CH2 CH2 −C6
5 、−CH2 CH(CH3)−C6 5 が好ましい。
【0141】前記のごときシロキサン系硬化剤の具体例
としては、たとえば
【0142】
【化23】
【0143】などがあげられる。なお、前記5個のオル
ガノシロキサン単位および5個または20個のオルガノ
ハイドロジエンシロキサン単位はランダム結合であって
もよくブロック結合であってもよい。
【0144】前記のごとき(A−1)〜(D)成分また
は(A−2)〜(D)成分からなる本発明の導電性組成
物(1)または(2)、さらに要すれば使用される成分
を加えた組成物の代表例としては、(A)成分として数
平均分子量(Mn)2,000〜15,000の末端に
2個のアルケニル基を含有するポリイソブチレン、水添
ポリブタジエン、水添ポリイソプレン、ポリオキシプロ
ピレンまたはポリオキシエチレンのアルケニル基1モル
に対して、(B)成分である両末端に環状ハイドロジェ
ンポリシロキサンを有する炭化水素系硬化剤または鎖状
もしくは環状のポリオルガノハイドロジェンシロキサン
(一部スチレン類で変性されていてもよい)のSiH基
が0.7〜1.4モル (C)成分のヒドロシリル化触媒として、塩化白金酸
(H2PtCl2)または塩化白金酸のアルコール溶液を
(A)成分のアルケニル基1モルに対して10-3〜10
-6モル (D)成分としてケッチェン・ブラックまたはアセチレ
ン・ブラックを(A)成分100部(重量部、以下同
様)に対して0〜20部含有する導電性組成物などがあ
げられる。
【0145】前記のごとき(A−1)〜(D)成分また
は(A−2)〜(D)成分からなる本発明の導電性組成
物(1)または(2)を用いて現像ローラーを製造する
と、たとえばシリコーンゴムを使用するばあいの、残存
する低分子量のオリゴマーがブリードし、感光体表面が
汚染し、トナーが感光体表面に付着しやすくなる、ポリ
ウレタンゴムを使用するばあいの、硬度の調整に使用す
る可塑剤がブリードし、感光体表面が汚染し、トナーが
感光体表面に付着しやすくなるなどの問題の少ない現像
ローラーを製造することができる。
【0146】前記のごとき(A)〜(D)成分からなる
本発明の導電性組成物(1)または(2)は、たとえば
中心にSUS製のシャフトを設置した金型に注型、射
出、押出成形などし、30〜150℃、好ましくは80
〜140℃程度の温度で1時間〜10秒、好ましくは2
0〜1分程度加熱硬化させることによって、成形するこ
とができる。半硬化後、後硬化させてもよい。
【0147】本発明の導電性組成物(1)または(2)
は、前記(A)〜(D)成分からなり、ローラーに成形
したばあいの表面の粘着性がJIS Z 0237に準
ずる傾斜式ボールタック試験(傾斜角30°、23℃)
で1〜13、好ましくは2〜13さらに好ましくは2〜
7、さらには2〜5となる組成物である。
【0148】前記(A)〜(D)成分からなる本発明の
組成物に、要すれば貯蔵安定性を改良するために(E)
成分である貯蔵安定性改良剤を添加してもよい。
【0149】(E)成分は、(B)成分の貯蔵安定剤と
して知られている通常の安定剤で、所期の目的を達成す
るものであれば使用することができる。
【0150】このような(E)成分の好ましい例として
は、たとえば脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機
リン化合物、有機硫黄化合物、チッ素含有化合物、スズ
系化合物、有機過酸化物などがあげられる。具体例とし
ては、たとえばベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチ
ルマレート、ジメチルアセチレンジカルボキシレート、
2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン、キ
ノリンなどがあげられるが、これらに限定されるわけで
はない。これらのなかでは、ポットライフおよび速硬化
性の両立という点から、チアゾール、ベンゾチアゾー
ル、ジメチルマレートがとくに好ましい。
【0151】前記貯蔵安定性改良剤は単独で用いてもよ
く、また2種以上併合してもよい。
【0152】(E)成分の使用量は、(A)成分および
(B)成分に均一に分散するかぎりほぼ任意に選ぶこと
ができるが、(B)成分のSi−H基含有化合物1モル
に対し、10-6〜10-1モルの範囲で用いるのが好まし
い。前記使用量が10-6モル未満では(B)成分の貯蔵
安定性が充分に改良されず、また10-1モルを超えると
硬化を阻害することがある。
【0153】前記(A)成分〜(D)成分、要すれば使
用される(E)成分から調製される本発明の組成物に
は、さらに必要に応じて、製造される現像ローラー表面
の粘着性を付与するために、前述のごとき粘着性付与樹
脂や、その他の充填剤、酸化防止剤、可塑剤、紫外線吸
収剤、顔料、界面活性剤などを適宜添加してもよい。
【0154】なお、本発明の現像ローラーに必要な表面
の粘着性は、導電性組成物(1)、(2)のばあい、概
ね硬化剤の種類・量の変更でコントロール可能である。
【0155】また、前記その他の充填剤の具体例として
は、たとえば微粉シリカ、炭酸カルシウム、クレー、タ
ルク、酸化チタン、亜鉛華、珪藻土、硫酸バリウムなど
があげられる。
【0156】前記のごとき成分から調製される本発明の
組成物は、一成分非磁性方式を採用する現像装置の現像
ローラー(導電性ゴムローラー)の製造に好適に使用し
うる。
【0157】前記現像ローラーは、金属シャフトを硬化
性導電性組成物でおおい、所定の形状に硬化させたの
ち、その表面に一成分非磁性現像剤の薄層を形成するこ
とによって製造される。
【0158】前記金属シャフトにはとくに限定はなく、
通常現像ローラーの金属シャフトとして使用される、た
とえば鉄製やステンレス製のシャフト、さらには表面が
NiメッキやCrメッキされたシャフトなどであれば使
用しうる。
【0159】金属シャフトをおおう硬化性導電性組成物
の厚さ、硬さなどにも特別な限定はなく、通常使用され
るたとえば厚さが2〜8mm、さらには3〜5mm、硬
度がJIS A 硬度で5〜80°、さらには5〜50
°、ことには8〜30°のものであれば使用しうる。
【0160】なお、前記JIS A 硬度は、シャフト
なし、直径30mm、高さ12.7mmの円筒状試料を
製造し、23℃で測定した値である。
【0161】前記一成分非磁性現像剤は、ローラー表面
に付着することによりローラーの表面保護層として作用
する。また、ばあいによっては、ブリード防止層として
作用する。この一成分非磁性現像剤の種類などについて
は、とくに限定はなく、一般に使用されている一成分非
磁性現像剤、たとえば機械的粉砕法、スプレードライ
法、マイクロカプセル法、重合法などで製造された一成
分非磁性現像剤であれば使用しうるが、小粒径(約8〜
15μm程度の粒径)である重合法によるものが現像ロ
ーラーの抵抗を103 〜108 Ω、好ましくは105
107 Ωで均一にコントロールしやすいという点から好
ましい。
【0162】また、付着せしめられる一成分非磁性現像
剤の層の厚さとしては、100μm以下、さらには40
μm以下、ことには8〜32μm程度であるのが現像ロ
ーラーの抵抗を103 〜108 Ω、好ましくは105
107 Ωで均一にコントロールするという点から好まし
い。
【0163】前記一成分非磁性現像剤を付着させる方法
にはとくに限定はなく、たとえば一成分非磁性現像剤が
付着していないローラーを現像ローラー搭載部に取り付
け、1分間程度回転させることによって行なうことがで
きる。
【0164】本発明の導電性組成物(1)または
(2)、さらにはこれらの組成物に貯蔵安定性改良剤を
加えた組成物は、アルケニル基とヒドロシリル基との反
応により硬化するため、速硬化型で揮発分の少ない硬化
物となり、また、本発明の導電性組成物(2)の硬化物
はオキシプロピレン系重合体(A−2)を主要成分とし
て含む(硬化物に対して60〜98%、好ましくは90
〜97%)ため、(D)成分の少量の添加でも103
109 Ω・cm程度の導電性〜半導電性をうることがで
き、低温特性も含めたゴム弾性が良好という特性を有す
る硬化物となる。そのうえ、硬化物の表面の粘着性をJ
IS Z 0237に準ずる傾斜式ボールタック試験
(傾斜角30°、23℃)の測定で1〜13、さらには
2〜13、さらには2〜7、とくには2〜5にすること
により、一成分非磁性現像方式を採用する現像装置に用
いる高性能の現像ローラーを少ない工数で作製すること
が可能となる。
【0165】つぎに、前記反応性有機材料としてウレタ
ン系の反応性有機材料を使用するばあいについて説明す
る。
【0166】ウレタン系の反応性有機材料を使用した本
発明の導電性組成物(3)の好ましい例としては、たと
えば (F)分子中に少なくとも1個の活性水素基を有し、主
鎖を構成する繰り返し単位がオキシアルキレン系または
ポリエステル系からなる重合体 (G)分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有
する化合物 (H)ポリウレタン化触媒および (D)導電性付与物質を含有する導電性組成物があげら
れる。
【0167】前記導電性組成物には、必要に応じて可塑
剤などを加えてもよい。また、前述の添加剤を加えても
よい。
【0168】(F)成分は、(G)成分と反応して硬化
する成分であり、分子中に少なくとも1個の活性水素基
を有するため、ポリウレタン化反応がおこって高分子状
となり、硬化する。
【0169】(F)成分に含まれる活性水素基の数は
(G)成分とポリウレタン化反応するという点から少な
くとも1個必要であり、好ましくは2〜5個であるが、
ゴム弾性の点からは分子の両末端に活性水素基が存在す
るのが好ましい。
【0170】前記活性水素基は活性水素のみで基を形成
していてもよく、水酸基やアミノ基、カルボキシル基な
どとして存在する活性水素基であってもよく、とくに限
定はないが、入手のしやすさなどの点から水酸基である
のが好ましい。また、硬化物の粘着性を小さくしたいと
きには、アミノ基であるのが好ましい。
【0171】(F)成分の主鎖を構成する繰り返し単位
は、オキシアルキレン単位またはエステル単位から形成
されているのが、硬化物の低硬度化の点から好ましい
が、とくにオキシアルキレン単位、そのうちでもオキシ
プロピレン単位であるのが低硬度化の点から好ましい。
【0172】活性水素基が水酸基として含有され、主鎖
の繰り返し単位がオキシアルキレン単位であるばあいの
(F)成分の具体例としては、(A−2)成分を製造す
るのに使用する、活性水素を2個以上有する化合物(出
発物質)にC2 〜C4 のアルキレンオキシドを重合させ
ることによりえられるポリオキシアルキレンポリオール
があげられる。(A−2)成分を製造するのに好ましく
使用されるポリオキシアルキレンポリオールは、本発明
の導電性組成物(3)の(F)成分としても好ましく使
用される。
【0173】活性水素基を有する主鎖の繰り返し単位が
エステル単位であるばあいの(F)成分の具体例として
は、ε−カプロラクトンの開環重合物などのポリラクト
ン類、ポリオキシアルキレンポリオールとジカルボン酸
と低分子量ジオールとの重縮合物などがあげられる。
【0174】前記(F)成分とは異なるが、ポリブタジ
エン、水添ポリブタジエン、ポリイソプレンなどのポリ
オール類(ポリオレフィンポリオール類)も(F)成分
のかわりにまたは(F)成分とともに使用しうる。
【0175】(G)成分である分子中に少なくとも2個
のイソシアネート基を有する化合物の具体例としては、
トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタ
ンジイソシアネート(MDI)、クルードまたはポリメ
リックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HD
I)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、水添キ
シリレンジイソシアネート(H6 XDI)、イソホロン
ジイソシアネート(IPDI)、テトラメチルキシリレ
ンジイソシアネート(TMXDI)、水添ジフェニルメ
タンジイソシアネート(H12MDI)などや、前記化合
物をプレポリマー化した誘導体などがあげられる。これ
らのうちでは、ヘキサメチレンジイソシアネートなどの
脂肪族ジイソシアネート化合物が低硬度化の点から好ま
しい。これらは単独で用いてもよく、2種以上併用して
もよい。
【0176】前記硬化剤である(G)成分と(F)成分
との使用割合としては、(G)成分のイソシアネート基
/(F)成分の水酸基が当量比で0.7/1.0〜2.
0/1.0、さらには0.9/1.0〜1.5/1.0
であるのが、イソシアネート基の不安定さを考慮すると
好ましい。
【0177】(H)成分であるポリウレタン化触媒の具
体例としては、たとえば有機スズ化合物や第3級アミン
類など一般に使用されているものがあげられる。これら
は一般に(F)成分および(G)成分の合計量に対して
0.01〜1%程度の範囲で使用される。
【0178】(D)成分は、本発明の導電性組成物
(1)などで使用する(D)成分と同じであるので説明
は省略する。
【0179】前記本発明の導電性組成物(3)に添加さ
れうる可塑剤は硬化物の低硬度化のために使用される
が、可塑剤を加えたばあいには可塑剤を加えないばあい
よりもブリードがおこりやすくなる傾向にある。
【0180】前記可塑剤の添加量は低硬度化の点からは
多い方が好ましいが、ブリードを少なくするという点か
らは少ない方がよく、通常(F)〜(D)成分の合計量
に対して3〜10%程度である。
【0181】前記可塑剤の具体例としては、DOP、D
BPなどのフタル酸系可塑剤、PPG、PEGなどのポ
リエーテル系可塑剤などがあげられる。
【0182】ローラーの製造などは、本発明の導電性組
成物(1)、(2)のばあいに準じて行なえばよいの
で、説明は省略する。
【0183】つぎに、前記反応性有機材料としてシロキ
サン系の反応性有機材料を使用するばあいについて説明
する。
【0184】シロキサン系の反応性有機材料を使用した
本発明の導電性組成物(4)の好ましい例としては、 (I)2液型RTVシリコーンゴム (J)硬化剤 (K)硬化触媒および (D)導電性付与物質 を含有する導電性組成物や、 (L)1液型RTVシリコーンゴム (M)硬化剤 (N)硬化触媒および (D)導電性付与物質を含有する導電性組成物があげら
れる。
【0185】前記(I)〜(D)成分を含有する導電性
組成物は、表面と内部とが均一に硬化する深部加硫性お
よび離型性が良好であり、一方、(L)〜(D)成分を
含有する導電性組成物は接着性が良好である。したがっ
て、前記2種の導電性組成物をあわせた特徴を有するも
のが好ましく、これらの混合物なども使用しうる。
【0186】(I)成分である2液型RTVシリコーン
ゴムが付加型硬化性ゴムのばあい、分子中にビニル基な
どのアルケニル基が存在し、これと硬化剤中に存在する
ヒドロシリル基とが反応して、本発明の導電性組成物
(1)、(2)のばあいと同様に硬化する。
【0187】前記2液型RTVシリコーンゴムとして
は、一般に使用されているものが使用され、その硬化剤
としては、本発明の導電性組成物の硬化剤である(B)
成分のうち、シロキサン系のものなどが使用されうる。
このときの硬化触媒も、本発明の導電性組成物(1)、
(2)で使用するものと同じものが使用されうる。
【0188】(L)成分である1液型RTVシリコーン
ゴムは、分子内にシラノール基を有し、硬化剤(M)と
して加水分解性シリル基を2個以上含有する化合物を使
用し、硬化剤中の加水分解性シリル基が加水分解して生
成したシラノール基と、1液型RTVシリコーンゴム中
のシラノール基とが脱水縮合することにより硬化する。
【0189】前記1液型RTVシリコーンゴムおよびそ
の硬化剤としては、一般に使用されているものが使用さ
れ、その硬化触媒としては、ジブチルスズジラウレー
ト、ジブチルスズジマレート、ジオクチルスズジラウレ
ート、ジオクチルスズジマレート、オクチル酸スズなど
の有機スズ化合物;リン酸、モノメチルホスフェート、
モノエチルホスフェート、モノブチルホスフェート、モ
ノオクチルホスフェート、モノデシルホスフェート、ジ
メチルホスフェート、ジエチルホスフェート、ジブチル
ホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジデシルホス
フェートなどのリン酸またはリン酸エステル;有機チタ
ネート化合物;有機アルミニウム化合物;マレイン酸そ
の酸無水物などの飽和または不飽和多価カルボン酸また
はその酸無水物;ヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキ
シルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、ドデシ
ルアミンなどのアミン類;これらアミンと酸性リン酸エ
ステルとの反応物などがあげられる。また、これらの混
合物も活性が高く優れている。
【0190】本発明の導電性組成物(4)には、特性の
調整、コストの低下などのために、たとえばヒュームド
シリカ、沈降性シリカ、疎水性シリカ、カーボンブラッ
ク、二酸化チタン、酸化第二鉄、酸化アルミニウム、酸
化亜鉛、石英粉末、ケイソウ土、ケイ酸カルシウム、タ
ルク、ベントナイト、アスベスト、ガラス繊維、有機繊
維などの充填剤を添加してもよい。これらは単独で加え
てもよく、2種以上併用してもよい。また充填剤以外の
添加剤も、各種のものを単独でまたは2種以上併用して
もよい。
【0191】ローラーの製造などは、本発明の導電性組
成物(1)、(2)のばあいに準じて行なえばよいの
で、説明は省略する。
【0192】つぎに、本発明の導電性組成物(1)〜
(4)以外の組成物について説明する。
【0193】本発明の導電性組成物(1)〜(4)以外
の組成物としては、たとえばNBR(ニトリルゴム)、
SBR(スチレンブタジエンゴム)、CR(クロロプレ
ンゴム)、EPDMなどのエチレン−プロピレン系ゴム
や、ミラブル型シリコーンゴムなどに導電性付与物質
(ロ)、さらに必要に応じて用いられる添加剤を加えた
組成物があげられる。これらは、前記の液状樹脂(硬化
後ゴムになる)とは、熱可塑性である点で異なる。これ
らの中でもNBRやEPDMは、ローラーとして使用す
る際、硬度と圧縮永久歪のバランスがよく、好ましい。
【0194】前記ミラブル型シリコーンゴムとは、直鎖
状で高重合度(6000〜10000)のポリオルガノ
シロキサン(生ゴム)を主原料とし、それに強化用また
は増量用のシリカ系の充填剤の分散促進剤、さらにはそ
の他の耐熱性向上剤、内部離型剤、顔料などの各種添加
剤を配合したゴムコンパウンドに、2,4−ジクロロベ
ンゾイルパーオキサイドなどの有機過酸化物型硬化剤を
混練し、加熱硬化するタイプのゴムであり、通常、生ゴ
ムにはメチルビニルシロキサン単位が含まれている。
【0195】前記のごとき本発明の導電性組成物を用
い、表面の粘着性がJIS Z 0237に準ずるボー
ルタック試験(傾斜角30°、23℃)で1〜13、好
ましくは2〜13、さらには2〜7、とくには2〜5の
ローラーが製造され、この粘着性を積極的に用いた現像
ローラーが製造される。現像ローラーの特性などについ
ては、すでに記載したとおりである。
【0196】
【実施例】つぎに本発明を実施例に基づいて説明する。
【0197】実施例1 数平均分子量(Mn)8,000、分子量分布(Mw/
Mn)2.0(GPCで測定)、粘度130P(20
℃)のポリオキシプロピレン系重合体(ポリオキシプロ
ピレンの両末端のOHの90%をアリルエーテル化した
もの)(A−イ)100g、式:
【0198】
【化24】
【0199】で示されるポリシロキサン系硬化剤(Si
H価0.358モル/100gのもの)(B−イ)6.
9g、塩化白金酸(H2 PtCl6 )の10%イソプロ
ピルアルコール溶液0.06gおよびケッチェンブラッ
クEC0.5gを混合し、減圧(10mmHg下、12
0分間)脱泡した。
【0200】えられた組成物を12mmφのステンレス
製シャフトの周りに被覆し、金型内で120℃、30分
間硬化させて、ステンレス製シャフトの周りに厚さ3m
mのゴム弾性体を設けたローラーを製造した。
【0201】初期金型離型性は良好であった。また、硬
化物は、ステンレス製シャフトと充分接着していた。
【0202】つぎに、えられたローラーのゴム弾性体の
表面に、一成分非磁性現像剤としてポリエステル系粉砕
法トナーを用いて表面に薄層を形成し(ローラーの両端
をVブロック状支持体の上に置き、回転させながらトナ
ーをふりかけた、Vブロック式外径測定機(キーエンス
(株)製)で測定したトナー層の厚さ約30μm)、え
られた現像ローラーをレーザープリンター(沖電気
(株)製のOL−400E(国内名マイクロライン40
0)の所定の位置にセットし、画出し評価をしたとこ
ろ、非常に良好な画出しがえられた。この非常に良好な
画出しは1000枚現像後も維持された。
【0203】なお、前記組成物を用いて前記と同様の条
件でアプリケーターを使用し、厚さ約50μmのフィル
ムを作製し、表面の粘着性をJIS Z 0237に準
ずる傾斜式ボールタック試験(傾斜角30℃、23℃)
により測定したところ、5であった。ローラーに成形し
たときの粘着性とフィルムの粘着性とは硬化条件が同一
であれば同一の値になるからフィルムでの粘着性評価で
代用した。
【0204】また、前記組成物を用いて直径30mm、
高さ12.7mmの円筒状試料(シャフトなし)を製造
し、23℃でJIS A 硬度を測定したところ、13
であった。
【0205】実施例2 ゴム弾性体を設けたローラーの製造までは、実施例1と
同様に行なった。シャフトとの接着性は良好であった。
【0206】えられた現像ローラーをレーザープリンタ
ーの所定の位置にセットし、空回しを約1分間実施して
一成分非磁性現像剤(レーザープリンターで使用されて
いるもの、機種OL−400E(国内名マイクロライン
400))をローラー表面に付着させたのち使用したと
ころ、非常に良好な画出しがえられた。この非常に良好
な画出しは1000枚現像後も維持された。
【0207】実施例3 実施例1のポリシロキサン系硬化剤を式:
【0208】
【化25】
【0209】で示されるポリシロキサン系硬化剤(Si
H価0.97モル/100gのもの)(B−ロ)2.7
gに変更したほかは実施例1と同様にしてローラーを製
造し、評価したところ、非常に良好な画出しがえられ
た。また、ローラー非常に良好な画出しは1000枚現
像後も維持された。なお、初期金型離型性は良好で、表
面の粘着性は2、JIS A 硬度は21°であった。
【0210】実施例4 実施例1の配合物にYSポリスターS−145(安原油
脂(株)製、テルペン−フェノール樹脂)60gを加え
たほかは、実施例1と同様にしてローラーを製造し、評
価した。シャフトとの接着性は良好であり、画出しも初
期は非常に良好であったが、1000枚目ぐらいからや
や画像ムラが生じた。また、ローラー製造時の初期金型
離型性もやや劣った。なお、表面の粘着性は13、JI
S A硬度は11°、トナー層の厚さは約35μmであ
った。
【0211】実施例5 実施例3の配合物に酸化チタン20gを加えたほかは実
施例3と同様にしてローラーを製造し、評価した。シャ
フトとの接着性は良好であった。画出しではやや画像ム
ラがあったが、1000枚現像後も画出しの程度はかわ
らなかった。なお、初期金型離型性は良好で、表面の粘
着性は1、JIS A 硬度は23°、トナー層の厚さ
は約20μmであった。
【0212】実施例1〜5の結果を表1にまとめて示
す。
【0213】なお、表1に示した結果のうち、実施例2
は、沖電気(株)製OL−400E(国内名マイクロラ
イン400)に使用されているトナー、その他はポリエ
ステル系粉砕法トナーを前もって付着させたばあいの結
果である。
【0214】
【表1】
【0215】実施例6 実施例5と同様にしてローラーを作製し、付着させるト
ナーをLex Mark社製の重合法トナーにしたほか
は、実施例5と同様にして評価した。粘着性は1でも、
1000枚目までの現像は非常に良好であった。
【0216】実施例7 数平均分子量(Mn)10000で末端ビニル基を2個
有するポリイソブチレン重合体(A−ロ)100g、
式:
【0217】
【化26】
【0218】で示される硬化剤(SiH価 0.97モ
ル/100g、硬化剤100g中には貯蔵安定性改良剤
としてジメチルマレート1gが加えられている)(B−
ハ)2.5g、可塑剤PS−32(パラフィン系、出光
興産(株)製)75g、ケッチェンブラックEC 3
g、塩化白金酸(H2PtCl6)の10%イソプロピル
アルコール溶液0.06gよりなる組成物を用いてロー
ラーを製造し、実施例6と同様の評価を実施したとこ
ろ、1000枚目までの現像(画出し)は非常に良好で
あった。なお、初期金型離型性も良好で、表面の粘着性
は2で、JIS A硬度は15であった。
【0219】実施例8 実施例7で使用した数平均分子量(Mn)10000で
末端ビニル基を2個有するポリイソブチレン重合体(A
−ロ)のかわりに、数平均分子量6000で末端ビニル
基を2個有するポリイソブチレン重合体(A−ハ)を用
い、硬化剤(B−ハ)の量を4.2gにし、可塑剤PS
−32を用いなかった他は、実施例7と同様にしてロー
ラーを製造し、評価したところ、1000枚目までの現
像は非常に良好であった。なお、初期金型離型性も良好
で、表面の粘着性は1で、JISA 硬度は29°であ
った。
【0220】実施例9 日本ポリウレタン(株)製のC−4190(主鎖がポリ
エーテルでNCO含量4.5%、粘度700cs/75
℃)100g、4,4′−メチレン−ビス−2クロロア
ニリン 12.9g、ケッチェンブラックEC 0.8
gよりなる組成物(酸化チタンは使用しない)を用いて
100℃、10時間の硬化条件でローラーを製造したの
ち、実施例6と同様にトナーを付着させて評価したとこ
ろ、1枚目は良好な現像であったが、実施例6などと比
較すると、やや鮮明さが劣った。1000枚目はやや不
鮮明な現像であった。なお、初期金型離型性は良好で、
表面の粘着性は1、JIS A 硬度は78であった。
【0221】実施例10 数平均分子量(Mn)8000のPPGの両末端にイソ
ホロンジイソシアネート(IPDI)を反応させて(ジ
ブチルスズラウレート触媒、80℃×2時間)、イソシ
アネート末端にしたプレポリマー(23℃、4rpmで
350P)100部、数平均分子量(Mn)3000の
ポリオキシプロピレントリオール(PPT)25部およ
びスズ系触媒を含む組成物を80℃、4時間で硬化させ
た他は実施例9と同様にしてローラーを製造し、評価し
たところ、1枚目、1000枚目ともに良好な現像であ
ったが、実施例6などと比較すると、やや鮮明さに劣っ
た。なお、初期金型離型性は良好で、表面の粘着性は
2、JIS A 硬度は32であった。
【0222】実施例11 グッドイヤー社製のケミガムN683B(結合アクリロ
ニトリル量33%、ムーニー粘度28(ML−4−10
0℃)のNBR系ゴム)100gに対してケッチェンブ
ラックECを5g配合した組成物を用いて、インジュク
シェン法によりローラーを成形した。初期金型離型性は
良好であった。えられたローラーを用いて実施例6と同
様にして評価したところ、1枚目、1000枚目はとも
に実施例9と同様、良好な結果であったが、実施例6な
どと比較すると、やや鮮明さが劣った。表面の粘着性は
1〜2で、JIS A 硬度は45であった。
【0223】比較例1 実施例1で製造したローラーの表面にCM−8000
(東レ(株)製の共重合ナイロン)の20%メタノール
溶液を用いて厚さ約50μmの保護層を設けた。表面の
粘着性は0で、トナーは付着しなかった。ただし、この
ばあい、工程数が多く、コストがかかり、粘着性がなく
トナーが付着しなかっただけで、静電気力を利用した現
像ローラーとしては1000枚まで非常に良好な画出し
がえられた。
【0224】比較例2 実施例4におけるYSポリスターS−145の使用量を
80gに変更した他は、実施例4と同様にしてローラー
を製造したが、金型から抜けなかった。なお、表面の粘
着性は15、JIS A 硬度は9であった。
【0225】実施例6〜11および比較例1〜2の結果
を表2にまとめて示す。
【0226】
【表2】
【0227】表1、表2の結果から、ゴム弾性体層の表
面の粘着性が、ボールタック試験(傾斜角30°、23
℃)で1〜13、好ましくは2〜13のばあい、一成分
非磁性現像剤がうまく付着し、その上の一成分非磁性現
像剤の帯電や量規制を均一にさせることができ、良好な
画出しができることがわかる。
【0228】しかし、粘着性が13のばあい、寿命が短
くなり、また15以上では金型から離型しないことがわ
かる。
【0229】
【発明の効果】本発明の組成物を使用して一成分非磁性
現像方式を採用する現像装置のローラーを製造し、その
表面に一成分非磁性現像剤を付着させて本発明の現像ロ
ーラーを製造すると、一成分非磁性現像剤の帯電や量規
制を均一にできる現像ローラーを、容易に、コストのか
かる複層構造にすることなく製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 健二 滋賀県大津市比叡辻二丁目1番1号 鐘 淵化学工業株式会社内 (72)発明者 松成 靖典 滋賀県大津市比叡辻二丁目1番1号 鐘 淵化学工業株式会社内 (72)発明者 福田 丞 滋賀県大津市比叡辻二丁目1番1号 鐘 淵化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−294320(JP,A) 特開 平1−275684(JP,A) 特開 平6−173939(JP,A) 特開 平6−41434(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/08 501

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一成分非磁性方式を採用する現像装置に
    用いる現像ローラーの製造に使用する反応性有機材料お
    よび導電性付与物質を含む導電性組成物を用いて製造し
    現像ローラーの表面の粘着性がJIS Z 0237
    に準ずるボールタック試験(傾斜角30°、23℃)で
    1〜13となるローラーの表面の粘着性を積極的に利用
    して、一成分非磁性現像剤を付着せしめてなる現像ロー
    ラー
  2. 【請求項2】 現像ローラーの表面の粘着性が2〜13
    (傾斜角30°、23℃)である請求項1記載の現像ロ
    ーラー
  3. 【請求項3】 反応性有機材料および導電性付与物質を
    含む導電性組成物が、飽和炭化水素系、オキシアルキレ
    ン系、ウレタン系またはシロキサン系の硬化反応によっ
    て、液状から固体になる反応性有機材料および導電性付
    与物質を含む硬化性導電性組成物である請求項1または
    2記載の現像ローラー
  4. 【請求項4】 飽和炭化水素系またはオキシアルキレン
    系の反応性有機材料および導電性付与物質を含む硬化性
    導電性組成物が (A)分子中に少なくとも1個のアルケニル基を有し、
    主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素系またはオ
    キシアルキレン系からなる重合体 (B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有す
    る化合物(硬化剤) (C)ヒドロシリル化触媒および (D)導電性付与物質を含有する組成物である請求項3
    記載の現像ローラー
  5. 【請求項5】 (A)成分の主鎖を構成する繰り返し単
    位がオキシプロピレン単位である請求項4記載の現像ロ
    ーラー
  6. 【請求項6】 請求項4または5記載の導電性組成物
    に、さらに(E)貯蔵安定性改良剤を加えてなる現像ロ
    ーラー
  7. 【請求項7】 表面の硬度が8〜30°(JIS A)
    である請求項1、2、3、4、5または6記載の現像ロ
    ーラー。
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