JP3807152B2 - 発泡性導電性材料組成物 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は未硬化状態では液状であり、かつ硬化状態では耐熱、耐候、耐水、耐薬品性等の各種耐久性に優れたゴム弾性を有する発泡性導電性材料組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
導電性材料組成物の1つの用途として電子写真機やプリンターが有する各種ローラーや用紙給送用のローラー等があげられる。これらローラーの弾性体としては、EPDMやウレタン、NBR、シリコーンなどが多く用いられているが、これらそれぞれの弾性体のもつ特性の他に、低硬度化が必要とされるようになってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、発泡させることにより、導電性材料の低硬度化を可能にし、かつ、耐熱、耐候、耐水、耐薬品性等の各種耐久性や機械強度に優れる均一なゴム弾性体を得るための発泡性導電性材料組成物を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、ヒドロシリル化反応活性な炭素-炭素不飽和結合及び水酸基をともに有するイソブチレン系重合体を用いることにより、耐熱、耐候、耐水、耐薬品性等の各種耐久性や機械強度に優れる発泡性導電性材料が得られることを見出した。
すなわち、本発明は、
(A)平均して1分子中に1個を越えるヒドロシリル化反応可能なアルケニル基および水酸基を有するイソブチレン系重合体であり、
R 1 −[A−B−(CH 2 ) b −{−CH=CH−(CH 2 ) c } n −OH] a
(式中、R 1 は単環または複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基、aは1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単量体の重合体を表し、aが2以上の時は、複数のAは同じでも異なっていてもよい。Bはハロゲンを含む炭素数2から20の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、aが2以上の時は、複数のBは同じでも異なっていてもよい。bおよびcは同一であっても異なっていても良い、1から30の整数である。nは0から5の整数を表す。)で表される重合体
(B)平均して1分子中に3個を越えるケイ素原子結合水素原子を含有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与物質
からなる発泡性導電性材料組成物に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明は下記の成分(A)〜(D)
(A)平均して1分子中に1個を越えるヒドロシリル化反応可能なアルケニル基および水酸基を有するイソブチレン系重合体
(B)平均して1分子中に3個を越えるケイ素原子結合水素原子を含有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与物質
を必須成分としてなる発泡性導電性材料組成物に関するものであり、本発明に用いる(A)成分のイソブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレン単位から形成されていてもよく、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体中の好ましくは50%(重量%、以下同様)以下、更に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の範囲で含有してもよい。
【0006】
このような単量体成分としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられる。このような共重合体成分の具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。
【0007】
ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基とは、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではなく、分子末端に位置していてもよく内部に存在していても良い。
水酸基に関しては1〜3級のいずれの構造でも良いが、反応性の高さから、1級及びまたは2級の水酸基が好ましく、1級の水酸基が特に好ましい。
水酸基が分子末端に存在することで良好な反応性および得られる発泡体が良好な弾性特性を示すことから、水酸基は分子末端に存在することが好ましい。
また、アルケニル基は水酸基に対してメチレン鎖を1つ介して隣接する事により良好なヒドロシリル化反応活性を示すことから、-CH=CH-CH2-OHユニットが分子末端に存在することが好ましい。
本発明においては、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基および水酸基のそれぞれは、平均して1分子中に1個を超えて含まれ、好ましくは1.1〜5.0個であり、さらに好ましくは1.5〜3.0個である。
特に好ましいイソブチレン系重合体として(A)成分が
R1−[A−B−(CH2)b−{−CH=CH−(CH2)c}n−OH]a
(式中、R1は単環または複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基、aは1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単量体の重合体を表し、aが2以上の時は、複数のAは同じでも異なっていてもよい。Bはハロゲンを含む炭素数2から20の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、aが2以上の時は、複数のBは同じでも異なっていてもよい。bおよびcは同一であっても異なっていても良い、1から30の整数である。nは0から5の整数を表す。)で表される重合体からなり、官能基導入量が平均して1分子中に1個を超えるものがあげられる。
【0008】
イソブチレン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点から2000〜50000程度であるのが好ましい。
【0009】
本発明の(A)成分の重合体は、例えば、式(1)で表されるハロゲン末端イソブチレン系重合体
R1(A−X)a (1)
(式中、R1は単環または複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基を表し、Xは塩素基または臭素基を表す。aは1から4の整数である。Aはイソブチレン系重合体で、aが2以上の時は同じでも異なっていてもよい。)
と、式(2)で表される、保護された水酸基および炭素−炭素二重結合を有する化合物
CH2=C(R2)−(CH2)b―{−CH=CH−(CH2)c}n−OG (2)
(式中、R2は水素または炭素数1から18の飽和または不飽和の1価の炭化水素基を、bおよびc同一であっても異なっていても良い、1から30の整数を、nは0から5の整数を、Gは1価の置換基を表す。)
との付加反応を、例えば−70℃程度の低温条件で、触媒としてTiCl4、AlCl3、BCl3、SnCl4等を用いておこなうことにより得ることができる。
【0010】
得られた重合体の水酸基の保護基を加水分解等の反応にて脱保護することにより、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基及び水酸基を有するイソブチレン系重合体を得ることができる。
【0011】
本発明の(B)成分である硬化剤としては、分子内に3個を越えるケイ素原子結合水素原子を含有するものであれば、制限はない。ここで、同一ケイ素原子に水素原子が3個結合している場合はケイ素原子結合水素原子3個と計算する。
【0012】
(B)成分としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について具体的に示すと、
【0013】
【化1】
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0014】
【化2】
などで示されるものが挙げられる。
またこれら(B)成分の使用にあたっては、(A)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性を考慮する必要がある。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分として相溶性の低いものを使用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことがある。(B)成分の選定にあたっては(A)成分との相溶性が良好であること、あるいは分散性が安定であることが重要である。但し、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合した場合には、それが分散性助剤として作用し、均一な硬化物を得ることも可能である。
(A)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
【0015】
【化3】
などが挙げられる。
また、本発明における(B)成分の使用量としては、(A)成分のアルケニル基に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。(A)成分のアルケニル基量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8に満たない場合、架橋が不十分となる。また、5.0を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には1.0〜4.0当量、さらに好ましくは1.0〜3.0当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。
【0016】
本発明の(C)成分であるヒドロシリル化触媒については、特に制限はなく、任意のものが使用できる。
【0017】
具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、カ−ボンブラック等の担体に固体白金を担持させたもの;白金ービニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4〕m};白金ーホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh3)4、Pt(PBu3)4};白金ーホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)3〕4、Pt〔P(OBu)3〕4(式中、Meはメチル基、Buはブチル基、Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、また、Ashbyらの米国特許第3159601及び3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラ−ト触媒も挙げられる。
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh3)3、RhCl3、Rh/Al2O3、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4、等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。触媒量としては特に制限はないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10-2〜10-6molの範囲で用いるのがよい。
本発明の(D)成分は、イソブチレン系重合体を主成分とする組成物から得られる硬化物に導電性を付与するための成分である。本発明の(D)成分である導電性付与物質としては、カーボンブラックや金属酸化物、金属微粉末、さらには、第4級アンモニウム塩、カルボン酸基、スルホン酸基、硫酸エステル基、リン酸エステル基などを有する有機化合物もしくは重合体、エーテルエステルイミド、もしくはエーテルイミド重合体、エチレンオキサイド−エピハロヒドリン共重合体、メトキシポリエチレングリコールアクリレートなどで代表される導電性ユニットを有する化合物、または高分子化合物などの帯電防止剤といった化合物などがあげられる。上記カーボンブラックの例としては、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、チャンネルブラック、サーマルブラック、オイルブラックなどがあげられる。これらカーボンブラックの種類、粒径等に制限はないが、導電性の抵抗領域が105Ωcm〜1013Ωcmとなるように添加することが好ましい。(D)成分の添加量は,(A)成分の重合体100重量部に対し0.1〜200重量部、さらには1〜100重量部用いることが好ましい。添加量が少なすぎると、得られる導電性材料の導電性にバラツキが出やすくなり、また、添加量が多くなりすぎると組成物の流動性が損なわれ、加工性の低下を招くことになる。
また、用いる導電性付与物質の種類あるいは添加量によっては、ヒドロシリル化反応を阻害するものがあるため、導電性付与物質のヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
また、本発明の発泡性導電性材料組成物には保存安定性を改良する目的で、保存安定性改良剤を使用することができる。この保存安定性改良剤としては、本発明の(B)成分の保存安定剤として知られている通常の安定剤であり、初期の目的を達成するものであればよく、特に限定されるものではない。具体的には、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、スズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができる。さらに具体的には、2−ベンゾチアゾリルサルファイド、ベンゾチアゾ−ル、チアゾ−ル、ジメチルアセチレンダイカルボキシレ−ト、ジエチルアセチレンダイカルボキシレ−ト、BHT、ブチルヒドロキシアニソ−ル、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベンゾチアゾ−ル、3−メチル−1−ブテン−3−オ−ル、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、アセチレンアルコ−ル、3−メチル−1−ブチル−3−オ−ル、ジアリルフマレ−ト、ジアリルマレエ−ト、ジエチルフマレ−ト、ジエチルマレエ−ト、ジメチルマレエ−ト、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
さらに、本発明の発泡性導電性材料組成物には、目的に応じて各種無機フィラーを添加することができる。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、シリカといった一般的な無機フィラーが使用できる。しかし、本発明の発泡性導電性材料組成物はヒドロシリル化反応による架橋を利用するため、その使用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。フィラーに窒素原子、硫黄原子等ヒドロシリル化反応を阻害する成分が含有されている場合には、硬化性が極端に低下したり、硬化不良を引き起こすことがある。また、添加するフィラーによって発泡性導電性材料組成物の保存安定性も大きく影響を受けるのも確認されている。すなわち、これら無機フィラーの使用にあたっては、事前に硬化性や保存安定性に及ぼす影響を確認することが好ましい。
また、本発明の発泡性導電性材料組成物には、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤等を適宜添加することができる。これらの使用にあたっても、前記無機フィラーと同様に、ヒドロシリル化反応に対する影響を考慮しなければならない。
また、本発明の組成物には、接着性を付与する目的で各種シランカップリング剤を添加することもできる。特にエポキシ基、メタクリロイル基、ビニル基等の官能基を有するシランカップリング剤は、硬化性に及ぼす影響も小さく、接着性の発現にも効果が大きく使いやすい。但し、使用できるシランカップリング剤としてこれらに限定されるものではない。
本発明の発泡性導電性材料組成物を作製するにあたっては、通常使用される各種混合装置が使用できる。但し、無機フィラーをはじめとする組成物中に溶解しない成分を添加する場合には、2軸ミキサーやロール等のようにせん断をかけながら均一に分散できるような方法により混合することが必要となる。このようにして得られる組成物を使用するにあたっては、各種脱泡装置を用いて脱泡した後、注型、ディッピング、ポッティング、コーティングといった各種加工方法に適用すればよい。
【0018】
本発明においては、(A)成分として飽和炭化水素系重合体であるイソブチレン系重合体を用いていることから、得られるゴム弾性体は優れた耐熱性、耐候性、耐水性、耐薬品性を有し、さらにイソブチレン系重合体が有する、低透湿性、低吸湿性、低気体透過性、振動吸収性に優れるなどの特性も有していることから、その適用範囲は広く幅広い用途に応用でき得る。特に低硬度に設定することが可能であることから、電子写真機用等の機能性ロール用材料として好適である。
【0019】
【実施例】
次に実施例を挙げて、本発明をより一層明らかにするが、実施例により本発明は何ら限定されるものではない。
(実施例1)
500mlのセパラブルフラスコに三方コック、熱電対、および真空用シール付き撹拌機をつけて窒素置換を行った。これにモレキュラーシーブス3Aによって脱水したトルエン175ml、エチルシクロヘキサン21.7mlを加え、さらに1,4−ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン(1.63g,7.04mmol)、2−メチルピリジン(77.4mg,0.83mmol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブチレンモノマー(35.5ml,598mmol)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(0.98ml,8.93mmol)を添加し重合を開始した。この際に約15℃昇温した。約40分で重合は終了した(これに伴い反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終了後に酢酸オクタジエニル(9.45g,56.3mmol)及び四塩化チタン(10.9ml、106mmol)を添加した。4時間反応の後に、80℃に加熱したイオン交換水300mlに反応混合物を導入し、さらに、1Lの分液ロートに移液して振盪した。水層を除去した後、300mlのイオン交換水で3回水洗した後に、有機層を単離し、これに1 Lのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をさらにアセトン100mlで2回洗浄し、さらにヘキサン50mlに溶解した。溶液を300mlのなす型フラスコに移液し、オイルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(最終1Torr以下)によって溶媒留去を行い、目的とする保護した水酸基を末端に有するポリイソブチレンを得た。
【0020】
得られたポリイソブチレンの官能化率の分析はNMRを用いて行った。
(NMR)
Valian社製 Gemini−300、測定溶剤;四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、定量方法;開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基準に末端のアセチル基に隣接するメチレンのシグナル(4.20ppm)を比較して定量化した。Fn(CH2OCOCH3)は重合体末端への官能基導入量であり、定量的に導入した時には今回用いた開始剤では2.0となる。
【0021】
実施例1で得られたポリマーの水酸基導入量は以下の通り;Fn(CH2OCOCH3)=1.90
(実施例2)
実施例1で得られたポリイソブチレン11gをトルエン80ml及びエチルシクロヘキサン10mlの混合溶剤に溶解し、500mlのセパラブルフラスコに三方コック、熱電対、および真空用シール付き撹拌機をつけた装置に投入した。これに100mlの4N水酸化ナトリウム水溶液及び臭化テトラブチルアンモニウム1.5gを添加し、100℃にて8時間攪拌を行った。反応終了後、アルカリ水溶液を除去し、100mlのイオン交換水で3回水洗した後に、有機層を単離した。これに500mlのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物をさらにアセトン100mlで2回洗浄し、さらにヘキサン50mlに溶解した。溶液を200mlのなす型フラスコに移液し、オイルバスによる加熱条件下(180℃)、減圧(最終1Torr以下)によって溶媒留去を行い、目的とする水酸基を末端に有するポリイソブチレンを得た。
得られたポリイソブチレンの官能化率の分析はNMRを用いて行った。実施例2で得られたポリマーの水酸基導入量は以下の通り;Fn(CH2OH)=1.90(分析方法は実施例1と同様である。なお、末端水酸基に隣接するメチレンのシグナルは4.00ppmに観察される)。
(実施例3)
実施例2で得られた(A)成分である1級水酸基及びオレフィンを有するポリイソブチレン7.88g(1.58mmol)に(D)成分としてカーボンブラック(#35、旭カーボン製)を0.79g加え、ロールにて3回混錬した。ついで、この混合物に(B)成分として、1,10-ビス(3,5,7-トリヒドロ-1,3,5,7−テトラメチルシクロシロキシ)デカン1.29g(1.58mmol)、更に保存安定性改良剤としてジメチルマレート10μlを室温にて混合し、さらに(C)成分としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(17.9×10-5mmol/μl、キシレン溶液)を20μl秤量し、均一に混合した。得られた混合物をポリプロピレン製の100ml容器に投入し、減圧下で脱泡を行った。この混合物を100℃のオーブンに投入し、1時間での発泡・硬化を行った。所定時間の反応の後に室温に組成物を取り出し、室温にて放置し、発泡体を得た。この際の硬化収縮は観察されなかった。
【0022】
【発明の効果】
本発明の組成物は、ヒドロシリル化を利用することにより硬化可能なイソブチレン系重合体を主成分とする発泡性導電性材料組成物において、水酸基及びヒドロシリル化反応活性を有するアルケニル基を同一分子内に有することによって、良好な発泡性導電性材料が得られる。
Claims (4)
- 下記の成分(A)〜(D)を必須成分としてなる発泡性導電性材料組成物。
(A)平均して1分子中に1個を越えるヒドロシリル化反応可能なアルケニル基および水酸基を有するイソブチレン系重合体であり、
R 1 −[A−B−(CH 2 ) b −{−CH=CH−(CH 2 ) c } n −OH] a
(式中、R 1 は単環または複数の芳香環を含む1価から4価までの炭化水素基、aは1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単量体の重合体を表し、aが2以上の時は、複数のAは同じでも異なっていてもよい。Bはハロゲンを含む炭素数2から20の飽和または不飽和の2価の炭化水素基を表し、aが2以上の時は、複数のBは同じでも異なっていてもよい。bおよびcは同一であっても異なっていても良い、1から30の整数である。nは0から5の整数を表す。)で表される重合体
(B)平均して1分子中に3個を越えるケイ素原子結合水素原子を含有する化合物(C)ヒドロシリル化触媒
(D)導電性付与物質 - (A)成分が分子量2000〜50000のイソブチレン系重合体である請求項1記載の発泡性導電性材料組成物。
- (B)成分のケイ素原子結合水素原子を含有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも3個を越えるケイ素原子結合水素原子を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである請求項1又は2記載の発泡性導電性材料組成物。
- (B)成分の使用量が、(A)成分のアルケニル基に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となる量である請求項1〜3いずれか記載の発泡性導電性材料組成物。
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