JP2000319436A - 発泡性樹脂組成物 - Google Patents

発泡性樹脂組成物

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JP2000319436A
JP2000319436A JP11133018A JP13301899A JP2000319436A JP 2000319436 A JP2000319436 A JP 2000319436A JP 11133018 A JP11133018 A JP 11133018A JP 13301899 A JP13301899 A JP 13301899A JP 2000319436 A JP2000319436 A JP 2000319436A
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resin composition
component
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isobutylene
foamable resin
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JP11133018A
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English (en)
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Takeshi Chiba
健 千葉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 これまでに知られている高分子化合物が非極
性化合物を用いている場合には水酸基含有化合物との相
溶性が良好ではなく、貯蔵安定性、発泡時の気泡径の分
布が大きい等の問題が有ったので、耐熱、耐候、耐水、
耐薬品性等の各種耐久性や機械強度に優れる均一なゴム
弾性体を得るための発泡性樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 (A)ヒドロシリル化反応可能なアルケ
ニル基及び水酸基のそれぞれを平均して1分子中に1個
を超えて有するイソブチレン系重合体、(B)平均して
1分子中に3個を超えるケイ素原子結合水素原子を有す
る化合物、並びに、(C)ヒドロシリル化触媒、を必須
成分としてなる発泡性樹脂組成物を用いることで、相溶
性の問題が改善され、貯蔵安定性や発泡時の気泡径の分
布が狭い発泡体組成物が得られた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、未硬化状態では液状で
あり、かつ硬化状態ではゴム弾性を有し、耐熱、耐候、
耐水、耐薬品性等の各種耐久性に優れた発泡性樹脂組成
物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子化合物の発泡体としては、
ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩
化ビニルなどが、ビーズ発泡体あるいは発泡シート、ボ
ードとして、その耐熱性、軽量性、緩衝性などの特性を
活かし、土木建築分野、包装分野、家電分野、自動車分
野などに利用されている。しかし、これらはいずれも発
泡体成形のために多くのエネルギーを必要とするうえ、
機械強度等は必ずしも充分ではない。更に、残存するオ
リゴマーによる環境問題等も論議されている。
【0003】また他の発泡体として、ウレタンフォーム
が挙げられる。このウレタンフォームを製造する方法と
しては、フロンなどの発泡剤を用いる方法や、近年用い
られるようになってきた、水の添加により発生する二酸
化炭素を利用する方法などが知られている。しかしなが
ら、得られる発泡体は、耐候性に問題があり、さらに原
料として用いているイソシアネートに毒性が懸念される
ものがあり、作業性に問題があること、また、燃焼時の
発生ガスの問題が危惧される。しかも、発泡剤として用
いる特定フロンガスはオゾン層を破壊する可能性があ
り、より安全なガスへの転換が実施中であること、水を
代替発泡剤とした技術は未だ不十分であること、他の有
機系発泡剤を用いた場合には施工時の火災の危険性が考
えられることなどの問題があり、対応が検討されてい
る。
【0004】そこで、上記のウレタンフォームの耐候性
等の問題点を解決した発泡体としてポリシロキサン系化
合物からなるシリコーンフォームが開発されている。こ
れは、ヒドロシリル基含有ポリシロキサンのヒドロシリ
ル基とシラノール基含有ポリシロキサン系化合物のシラ
ノール基またはアルコール系化合物の水酸基との縮合反
応により発生する水素ガスなどを利用して発泡を行なう
と同時に、ヒドロシリル基とシラノール基との縮合反応
またはヒドロシリル基と不飽和基含有ポリシロキサンの
不飽和基とのヒドロシリル化反応により硬化を行ない発
泡体を得るものであり、断熱材、電気絶縁材やポッティ
ング材として利用されている。しかし、シリコーンは透
湿性が高い、接着性が劣る、コストが高い等の点が問題
として挙げられる。
【0005】一方、これらの材料と異なった特徴を有す
るものとして、アルケニル基を有する飽和炭化水素重合
体、ヒドロシリル基を有する硬化剤、ヒドロシリル化触
媒及びOH基含有化合物といった4成分を必須成分とし
てなる発泡性樹脂組成物が開発されており、その高耐
熱、高耐候、高耐水性や電気絶縁性などを生かして様々
な用途分野への展開が期待されている。しかしながら、
この発泡性樹脂組成物においてはアルケニル基を有する
飽和炭化水素重合体、ヒドロシリル基を有する硬化剤、
ヒドロシリル化触媒及びOH基含有化合物との相溶性を
確保することは困難である。特にアルケニル基を有する
飽和炭化水素重合体とOH基含有化合物の相溶性が悪い
ことにより、良好な発泡体が得られにくい、得られる発
泡体の気泡サイズ径の分布が大きいなどの問題があり、
改良が必要とされていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
現状に鑑み、耐熱、耐候、耐水、耐薬品性等の各種耐久
性や機械強度に優れる均一なゴム弾性体を得るための発
泡性樹脂組成物を提供することを目的とするものであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、これまで
のアルケニル基を有する飽和炭化水素系重合体およびO
H基含有化合物の代わりに、ヒドロシリル化反応活性な
炭素−炭素不飽和結合及び水酸基を同一分子内にともに
有するイソブチレン系重合体を用いることにより、耐
熱、耐候、耐水、耐薬品性等の各種耐久性や機械強度に
優れる均一なゴム弾性体が得られることを見出した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の成分(A)〜
(C)を必須成分としてなる発泡性樹脂組成物である。 (A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基及び水酸
基のそれぞれを平均して1分子中に1個を超えて有する
イソブチレン系重合体 (B)平均して1分子中に3個を超えるケイ素原子結合
水素原子を有する化合物 (C)ヒドロシリル化触媒
【0009】
【発明の実施の形態】本発明に用いる(A)成分のイソ
ブチレン系重合体は、単量体単位のすべてがイソブチレ
ン単位から形成されていてもよく、又は、イソブチレン
と共重合性を有する単量体単位をイソブチレン系重合体
中に、好ましくは50%(重量%、以下同様)以下、更
に好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の
範囲で含有してもよい。
【0010】このようなイソブチレンと共重合性を有す
る単量体成分としては特に限定されず、例えば、炭素数
4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳香族ビニル
化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類等が挙げられ
る。このような単量体成分の具体例としては、例えば、
1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3
−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペ
ンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニ
ルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチルビニル
エーテル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルス
チレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオ
キシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキ
シスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメ
トキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメ
トキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビ
ニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ト
リビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジ
メチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ン等が挙げられる。
【0011】ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基と
は、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素
2重結合を含む基であれば特に制限されるものではな
く、分子末端に位置していてもよく内部に存在していて
も良い。
【0012】水酸基に関しては1〜3級のいずれの構造
でも良いが、反応性の高さから、1級または2級の水酸
基が好ましく、1級の水酸基が特に好ましい。また、水
酸基が分子末端に存在することで良好な反応性及び得ら
れる発泡体が良好な弾性特性を示すことから、水酸基
は、分子末端に存在することが好ましい。
【0013】また、アルケニル基は水酸基に対してメチ
レン鎖を1つ介して隣接する事により良好なヒドロシリ
ル化反応活性を示すことから、─CH=CH−CH2
OHユニットが分子末端に存在することが好ましい。
【0014】本発明においては、上記ヒドロシリル化反
応可能なアルケニル基及び水酸基のそれぞれは、平均し
て1分子中に1個を超えて含まれ、好ましくは1.1〜
5.0個であり更に好ましくは1.5〜3.0個であ
る。
【0015】特に好ましいイソブチレン系重合体(A)
として、式(1): R1 −[A−B−(CH2b −{−CH=CH−(CH2cn −OH]a (1) (式中、R1 は単環または複数の芳香環を含む1価から
4価までの炭化水素基を表す。aは1から4の整数であ
る。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単量体から
なるイソブチレン系重合体を表し、aが2以上の時は、
複数のAは同じでも異なっていてもよい。Bはハロゲン
を含む炭素数2から20の飽和または不飽和の2価の炭
化水素基を表し、aが2以上の時は、複数のBは同じで
も異なっていてもよい。bおよびcは同一であっても異
なっていても良い、1から30の整数である。nは、0
から5の整数である。)で表される重合体からなり、官
能基導入量が、平均して1分子中に1個を超えるものが
あげられる。
【0016】イソブチレン系重合体(A)の数平均分子
量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いや
すさ、硬化後のゴム弾性の点から2000〜50000
程度であるのが好ましい。
【0017】上記式(1)で表される重合体の製造方法
としては、例えば、以下の方法が挙げられる。すなわ
ち、先ず、カチオン重合によって得られる下記式(2)
で表されるハロゲン末端イソブチレン系重合体: R1 (A−X)a (2) (式中、R1 は単環または複数の芳香環を含む1価から
4価までの炭化水素基を表し、Xは塩素基または臭素基
を表す。aは1から4の整数である。Aはイソブチレン
系重合体を表し、aが2以上の時は複数あるAは同じで
も異なっていてもよい。)に対して、保護された水酸基
および炭素−炭素二重結合を有する下記式(3)で表さ
れる化合物: CH2 =C(R2 )−(CH2b ―{−CH=CH−(CH2cn −OG (3) (式中、R2 は水素または炭素数1から18の飽和また
は不飽和の1価の炭化水素基を表す。bおよびc同一で
あっても異なっていても良い、1から30の整数であ
り、nは0から5の整数である。Gは1価の置換基を表
す。)で表される化合物を、−70℃程度の低温条件
で、触媒としてTiCl4 、AlCl3 、BCl3 、S
nCl4 等を添加し、付加反応を行う。次に、得られた
重合体の水酸基の保護基を加水分解等の反応にて脱保護
することにより、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル
基及び水酸基を有するイソブチレン系重合体を得ること
ができる。官能基導入量が平均して1分子中に1個を超
えるものであるか否かは、例えば、NMR分析等により
知ることができる。
【0018】本発明の(B)成分である硬化剤として
は、分子内に平均して3個を超えるケイ素原子結合水素
原子を有するものであれば制限はない。ここで、同一ケ
イ素原子に水素原子が3個結合している場合は、ケイ素
原子結合水素原子3個と計算するものとする。好ましく
は3〜100個である。
【0019】上記(B)成分としては、ポリオルガノハ
イドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙
げられる。ここで言うポリオルガノハイドロジェンシロ
キサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原
子を有するシロキサン化合物を指す。その構造について
具体的に示すと、
【0020】
【化1】
【0021】(式中、3<m+n≦50、3<m、0≦
nであり、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水
素で1個以上のフェニル基を含有していてもよい)、
【0022】
【化2】
【0023】(式中、1<m+n≦50、1<m、0≦
nであり、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水
素で1個以上のフェニル基を含有していてもよい)又は
【0024】
【化3】
【0025】(式中、3<m+n≦20、3<m≦2
0、0≦n≦17であり、Rとしては主鎖の炭素数が2
〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してい
てもよい)などで示される鎖状、環状のものや、これら
のユニットを2個以上有する
【0026】
【化4】
【0027】(式中、2≦m+n≦50、2≦m、0≦
nであり、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水
素で1個以上のフェニル基を含有していてもよい。2≦
l、R 2 は2〜4価の有機基であり、R1 は2価の有機
基である。ただし、R1 は、R 2 の構造によってはなく
てもよい)、
【0028】
【化5】
【0029】(式中、1≦m+n≦50、1≦m、0≦
nであり、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水
素で1個以上のフェニル基を含有していてもよい。2≦
l、R 2 は2〜4価の有機基であり、R1 は2価の有機
基である。ただし、R1 は、R 2 の構造によってはなく
てもよい)又は
【0030】
【化6】
【0031】(式中、2≦m+n≦50、2≦m、0≦
nであり、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水
素で1個以上のフェニル基を含有していてもよい。2≦
l、R 2 は2〜4価の有機基であり、R1 は2価の有機
基である。ただし、R1 は、R 2 の構造によってはなく
てもよい)などで示されるものが挙げられる。
【0032】またこれら(B)成分の使用にあたって
は、(A)成分との相溶性、あるいは系中における分散
安定性を考慮することが好ましい。特に系全体の粘度が
低い場合には、(B)成分として相溶性の低いものを使
用すると、相分離が起こり硬化不良を引き起こすことが
ある。従って、(B)成分の選定にあたっては(A)成
分との相溶性が良好であること、あるいは分散性が安定
であることが好ましい。但し、微粉末シリカ等の粒径の
小さいフィラーを配合した場合には、それが分散性助剤
として作用し、均一な硬化物を得ることも可能である。
【0033】(A)成分との相溶性、あるいは分散安定
性が比較的良好なものとして具体的に示すと、
【0034】
【化7】
【0035】(式中、nは6〜12の整数である)又は
【0036】
【化8】
【0037】(式中、3<k<10、0<l<5であ
り、Rは炭素数8以上の炭化水素基である)などが挙げ
られる。
【0038】また、本発明における(B)成分の使用量
としては、(A)成分のアルケニル基に対して、(B)
成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量と
なるように使用することが好ましい。(A)成分のアル
ケニル基量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原
子が0.8に満たない場合、架橋が不十分となるおそれ
がある。また、5.0を超える場合には、硬化後に残留
するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく
変化することが問題となるおそれがある。特にこの影響
を抑制したい場合には1.0〜4.0当量、さらに好ま
しくは1.0〜3.0当量となるように(B)成分を用
いることが好ましい。
【0039】本発明の(C)成分であるヒドロシリル化
触媒については特に制限はなく、任意のものが使用でき
る。具体的に例示すれば、例えば、塩化白金酸、白金の
単体、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に
固体白金を担持させたもの;白金−ビニルシロキサン錯
体(例えば、Ptn (ViMe2 SiOSiMe2
i)n 、Pt〔(MeViSiO)4m );白金−ホ
スフィン錯体(例えば、Pt(PPh34 、Pt(P
Bu34 );白金−ホスファイト錯体(例えば、Pt
〔P(OPh)34 、Pt〔P(OBu)34
(式中、それぞれ、Meはメチル基、Buはブチル基、
Viはビニル基、Phはフェニル基を表し、n、mは整
数である)、Pt(acac)2 、また、Ashbyら
の米国特許第3159601及び3159662号明細
書中に記載された白金−炭化水素複合体、並びにLam
oreauxらの米国特許第3220972号明細書中
に記載された白金アルコラート触媒も挙げられる。ま
た、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(P
Ph33 、RhCl3 、Rh/Al23 、RuCl
3 、IrCl3 、FeCl3 、AlCl3 、PdCl2
・2H2 O、NiCl2 、TiCl4 、等が挙げられ
る。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併
用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金
−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt
(acac)2 等が好ましい。
【0040】上記触媒の量としては特に制限はないが、
(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1
10-8molの範囲で用いるのがよい。好ましくは10
-2〜10-6molの範囲で用いるのがよい。
【0041】本発明の発泡性樹脂組成物には、保存安定
性を改良する目的で、保存安定性改良剤を使用すること
ができる。この保存安定性改良剤としては、本発明の
(B)成分に対する保存安定剤として作用することが知
られている通常の安定剤であって所期の目的を達成する
ものであればよく、特に限定されるものではない。具体
的には、例えば、脂肪族不飽和結合を含有する化合物、
有機リン化合物、有機硫黄化合物、窒素含有化合物、ス
ズ系化合物、有機過酸化物等を好適に用いることができ
る。具体的に例示すれば、2−ベンゾチアゾリルサルフ
ァイド、ベンゾチアゾール、チアゾール、ジメチルアセ
チレンダイカルボキシレート、ジエチルアセチレンダイ
カルボキシレート、BHT、ブチルヒドロキシアニソー
ル、ビタミンE、2−(4−モルフォジニルジチオ)ベ
ンゾチアゾール、3−メチル−1−ブテン−3−オー
ル、アセチレン性不飽和基含有オルガノシロキサン、ア
セチレンアルコール、3−メチル−1−ブチル−3−オ
ール、ジアリルフマレート、ジアリルマレエート、ジエ
チルフマレート、ジエチルマレエート、ジメチルマレエ
ート、2−ペンテンニトリル、2,3−ジクロロプロペ
ン等が挙げられるが、これらに限定されるわけではな
い。
【0042】さらに、本発明の発泡性樹脂組成物には、
目的に応じて各種無機フィラーを添加することができ
る。無機フィラーとしては、炭酸カルシウム、タルク、
シリカ、カーボンブラックといった一般的な無機フィラ
ーが使用できる。しかし、本発明の発泡性樹脂組成物は
ヒドロシリル化反応による架橋を利用するため、その使
用にあたっては、ヒドロシリル化反応に対する影響を考
慮しなければならない。フィラーに窒素原子、硫黄原子
等ヒドロシリル化反応を阻害する成分が含有されている
場合には、硬化性が極端に低下したり、硬化不良を引き
起こすことがある。また、添加するフィラーによって発
泡性樹脂組成物の保存安定性も大きく影響を受けるのも
確認されている。すなわち、これら無機フィラーの使用
にあたっては、事前に硬化性や保存安定性に及ぼす影響
を確認することが好ましい。
【0043】また、本発明の発泡性樹脂組成物には、酸
化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤等を適宜添
加することができる。これらの使用にあたっても、前記
無機フィラーと同様に、ヒドロシリル化反応に対する影
響を考慮しなければならない。また、本発明の組成物に
は、接着性を付与する目的で各種シランカップリング剤
を添加することもできる。特にエポキシ基、メタクリロ
イル基、ビニル基等の官能基を有するシランカップリン
グ剤は、硬化性に及ぼす影響も小さく、接着性の発現に
も効果が大きく使いやすい。但し、使用できるシランカ
ップリング剤としてこれらに限定されるものではない。
【0044】本発明の発泡性樹脂組成物を作製するにあ
たっては、通常使用される各種混合装置が使用できる。
但し、無機フィラーをはじめとする組成物中に溶解しな
い成分を添加する場合には、2軸ミキサーやロール等の
ようにせん断をかけながら均一に分散できるような方法
により混合することが望ましい。このようにして得られ
る組成物を使用するにあたっては、各種脱泡装置を用い
て脱泡した後、注型、ディッピング、ポッティング、コ
ーティングといった各種加工方法に適用すればよい。
【0045】本発明においては、(A)成分として飽和
炭化水素系重合体であるイソブチレン系重合体を用いて
いることから、得られるゴム弾性体は優れた耐熱性、耐
候性、耐水性、耐薬品性、電気絶縁性を有し、その適用
範囲は広く、幅広い用途に応用でき得る。さらにイソブ
チレン系重合体が有する、低透湿性、低吸湿性、低気体
透過性、振動吸収性に優れるなどの特性も有しているこ
とから、防音、断熱、止水、気密、制振、保護、クッシ
ョンなどの用途に好適に利用できる発泡性樹脂として有
用である。その用途の具体例としては、定型パッキン、
建築用ガスケット、複写機用ロール、防振材料、防水
材、ダッシュボード、冷凍車・保冷車・タンクローリー
車・冷凍コンテナー車などの断熱材、吸音断熱材の封止
材料、各種電池やコンデンサ用シール材、各種高周波対
応部品材料、各種コーティング材、ガスケット材料、シ
ーリング材、医療用ゴム製品等をはじめとする各種成形
材料、塗料、接着剤、型取り材等にも好適な材料とな
る。特に低硬度に設定することが可能であることから、
電子写真機用等の機能性ロール用材料として適してい
る。
【0046】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより一層明ら
かにするが、実施例により本発明は何ら限定されるもの
ではない。
【0047】実施例1 500mlのセパラブルフラスコに三方コック、熱電
対、および真空用シール付き撹拌機をつけて窒素置換を
行った。これにモレキュラーシーブス3Aによって脱水
したトルエン175ml、エチルシクロヘキサン21.
7mlを加え、さらに1,4−ビス(1−クロル−1−
メチルエチル)ベンゼン(1.63g、7.04mmo
l)、2−メチルピリジン(77.4mg、0.83m
mol)を加えて−70℃に冷却した。冷却後、イソブ
チレンモノマー(35.5ml、598mmol)を導
入し、さらに、この温度で四塩化チタン(0.98m
l、8.93mmol)を添加し重合を開始した。この
際に約15℃昇温した。約40分で重合は終了した(こ
れに伴い反応系の発熱は観察されなくなった)。重合終
了後に酢酸オクタジエニル(9.45g、56.3mm
ol)及び四塩化チタン(10.9ml、106mmo
l)を添加した。4時間反応の後に、80℃に加熱した
イオン交換水300mlに反応混合物を導入し、さら
に、1Lの分液ロートに移液して振盪した。水層を除去
した後、300mlのイオン交換水で3回水洗した後
に、有機層を単離し、これに1Lのアセトンを加えてポ
リマーを再沈殿させ、低分子化合物を除去した。沈殿物
をさらにアセトン100mlで2回洗浄し、さらにヘキ
サン50mlに溶解した。溶液を300mlのなす型フ
ラスコに移液し、オイルバスによる加熱条件下(180
℃)、減圧(最終1Torr以下)によって溶媒留去を
行い、目的とする保護した水酸基を末端に有するポリイ
ソブチレンを得た。
【0048】得られたポリイソブチレンの官能化率の分
析はNMRを用いて行った。 (NMR) 測定装置:Valian社製Gemini−300 測定溶剤:四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤 定量方法:開始剤残基のシグナル(7.2ppm)を基
準に末端のアセチル基に隣接するメチレンのシグナル
(4.20ppm)を比較して定量化した。Fn(CH
2 OCOCH3 )は重合体末端への官能基導入量であ
り、定量的に導入した時には今回用いた開始剤では2.
0となる。実施例1で得られたポリマーの水酸基導入量
は以下の通り:Fn(CH2 OCOCH3 )=1.90
【0049】実施例2 実施例1で得られたポリイソブチレン11gをトルエン
80ml及びエチルシクロヘキサン10mlの混合溶剤
に溶解し、500mlのセパラブルフラスコに三方コッ
ク、熱電対、および真空用シール付き撹拌機をつけた装
置に投入した。これに100mlの4N水酸化ナトリウ
ム水溶液及び臭化テトラブチルアンモニウム1.5gを
添加し、100℃にて8時間攪拌を行った。反応終了
後、アルカリ水溶液を除去し、100mlのイオン交換
水で3回水洗した後に、有機層を単離した。これに50
0mlのアセトンを加えてポリマーを再沈殿させ、低分
子化合物を除去した。沈殿物をさらにアセトン100m
lで2回洗浄し、さらにヘキサン50mlに溶解した。
溶液を200mlのなす型フラスコに移液し、オイルバ
スによる加熱条件下(180℃)、減圧(最終1Tor
r以下)によって溶媒留去を行い、目的とする水酸基を
末端に有するポリイソブチレンを得た。
【0050】得られたポリイソブチレンの官能化率の分
析はNMRを用いて行った。実施例2で得られたポリマ
ーの水酸基導入量は以下の通り:Fn(CH2 OH)=
1.90(分析方法は実施例1と同様である。なお、末
端水酸基に隣接するメチレンのシグナルは4.00pp
mに観察される)。
【0051】実施例3 実施例2で得られた1級水酸基及びオレフィンを有する
ポリイソブチレン7.88g(1.58mmol)、
1,10−ビス(3,5,7−トリヒドロ−1,3,
5,7−テトラメチルシクロシロキシ)デカン1.29
g(1.58mmol)、更に保存安定性改良剤として
ジメチルマレート10μlを室温にて混合し、さらに触
媒としてビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テ
トラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(17.9×1
-5mmol/μl、キシレン溶液)を20μl秤量
し、均一に混合した。得られた混合物をポリプロピレン
製の100ml容器に投入し、減圧下で脱泡を行い、投
入液量を計測した。このときの液量は8mlであった。
この混合物を100℃のオーブンに投入し、1時間での
発泡・硬化を行った。所定時間の反応の後に室温に組成
物を取り出し、室温にて冷却を行った。この際の硬化収
縮は観察されなかった。発泡・硬化反応の後の体積を測
定したところ、65mlであり、発泡倍率(=発砲後の
組成物体積/発泡前の液量)は8.2倍であった。
【0052】比較例1 実施例3で用いた1級水酸基及びオレフィンを有するポ
リイソブチレンの代わりに実施例1で得られた水酸基を
保護したポリイソブチレンを用いたこと以外は実施例3
と同様の方法で反応を行った。反応後に得られた組成物
においては発泡が全く観察されず、ゴム状組成物が得ら
れた。
【0053】
【発明の効果】本発明の組成物は、ヒドロシリル化を利
用することにより硬化可能なイソブチレン系重合体を主
成分とする発泡性樹脂組成物において、水酸基及びヒド
ロシリル化反応活性を有するアルケニル基を同一分子内
に有することによって、相溶性の問題が改善され、貯蔵
安定性や発泡時の気泡径の分布が狭く、良好な発泡体が
得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 83/05 C08L 83/05 Fターム(参考) 4F074 AA26E AA26G AA91 AA98 AB01 AC02 AC11 AD04 AD18 AG20 BB03 BB23 CA13 CC04Y CC06Y CC22X CC32Y DA17 DA32 DA33 DA39 DA40 DA53 DA57 DA59 4J002 BB201 CP042 DA116 DD076 EC076 EZ006 FD010 FD030 FD050 FD070 FD090 FD156 FD310 4J035 BA01 BA11 CA02U CA08M CA08U FB03 FB05 LA04 LB01 LB02 LB03 LB20

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の成分(A)〜(C)を必須成分と
    してなることを特徴とする発泡性樹脂組成物。 (A)ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基及び水酸
    基のそれぞれを平均して1分子中に1個を超えて有する
    イソブチレン系重合体 (B)平均して1分子中に3個を超えるケイ素原子結合
    水素原子を有する化合物(C)ヒドロシリル化触媒
  2. 【請求項2】 (A)成分が数平均分子量2000〜5
    0000のイソブチレン系重合体である請求項1記載の
    発泡性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分は、水酸基がイソブチレン系
    重合体の分子末端にあるものである請求項1又は2記載
    の発泡性樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分のケイ素原子結合水素原子を
    有する化合物が、平均して1分子中に少なくとも3個を
    超えるケイ素原子結合水素原子を有するポリオルガノハ
    イドロジェンシロキサンである請求項1、2又は3記載
    の発泡性樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 (A)成分が式(1): R1 −[A−B−(CH2b −{−CH=CH−(CH2cn −OH]a (1) (式中、R1 は単環または複数の芳香環を含む1価から
    4価までの炭化水素基を表す。aは1から4の整数であ
    る。Aは一種又は二種以上のカチオン重合性単量体から
    なるイソブチレン系重合体を表し、aが2以上の時は、
    複数のAは同じでも異なっていてもよい。Bはハロゲン
    を含む炭素数2から20の飽和または不飽和の2価の炭
    化水素基を表し、aが2以上の時は、複数のBは同じで
    も異なっていてもよい。bおよびcは同一であっても異
    なっていても良い、1から30の整数である。nは、0
    から5の整数である。)で表される重合体からなるもの
    である請求項1、2、3又は4記載の発泡性樹脂組成
    物。
  6. 【請求項6】 (B)成分の使用量は、(A)成分のア
    ルケニル基に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素
    原子が0.8〜5.0当量となる量である請求項1、
    2、3、4又は5記載の発泡性樹脂組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007002259A (ja) * 2006-08-17 2007-01-11 Tokai Rubber Ind Ltd Oa機器用ロールの製法およびそれにより得られたoa機器用ロール
KR100796478B1 (ko) * 2005-09-27 2008-01-21 에어 프로덕츠 앤드 케미칼스, 인코오포레이티드 폴리우레탄 폼의 제조를 위한 실라놀 작용성 화합물

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KR100796478B1 (ko) * 2005-09-27 2008-01-21 에어 프로덕츠 앤드 케미칼스, 인코오포레이티드 폴리우레탄 폼의 제조를 위한 실라놀 작용성 화합물
JP2007002259A (ja) * 2006-08-17 2007-01-11 Tokai Rubber Ind Ltd Oa機器用ロールの製法およびそれにより得られたoa機器用ロール
JP4497139B2 (ja) * 2006-08-17 2010-07-07 東海ゴム工業株式会社 Oa機器用ロールの製法およびそれにより得られたoa機器用ロール

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