JP3924653B2 - 硬化性組成物および硬化性組成物の製造方法 - Google Patents

硬化性組成物および硬化性組成物の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、硬化性組成物に関する。具体的には、本発明の硬化性組成物は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体、分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物、ヒドロシリル化触媒、炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物、炭素−炭素3重結合を有する有機化合物を含む。
【0002】
【従来の技術】
アルケニル基含有有機重合体、ヒドロシリル基を含有する化合物、ならびにヒドロシリル化触媒を含む付加型硬化性組成物は公知である。これら硬化性組成物においては、ヒドロシリル化の高い反応性のため、増粘やゲル化を招くことが知られており、可使時間を確保するために、種々の貯蔵安定性改良剤が検討され、用いられてきた。しかしながら、貯蔵安定性を確保するためには、硬化性の低下という犠牲が伴い、貯蔵安定性と硬化性のバランスに優れる硬化性組成物の提供が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状を鑑みてなされたものであり、組成物の貯蔵安定性に優れ、かつ、硬化性とのバランスにも優れる硬化性組成物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、上述したようなヒドロシリル化反応可能な硬化性組成物に、貯蔵安定性改良剤として、本発明における(D)成分である炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物、および(E)成分であるアセチレンアルコール類を併用して用いることで貯蔵安定性および硬化性に優れる硬化性組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0005】
本発明の硬化性組成物は、下記の成分(A)〜(E)を含む:
(A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体
(B)分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を有する化合物
(C)ヒドロシリル化触媒
(D)炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物
(E)アセチレンアルコール類
【0006】
1つの実施態様では、前記(A)成分の重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、該重合体の末端に存在する。
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体が、飽和炭化水素系重合体である。
【0007】
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体が、イソブチレン系重合体である。
【0008】
1つの実施態様では、前記(A)成分のイソブチレン系重合体の分子量が1000〜50000である。
【0009】
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体が、オキシアルキレン系重合体である。
【0010】
1つの実施態様では、前記(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量が500〜50000である。
【0011】
1つの実施態様では、前記(A)成分の有機重合体が、オキシプロピレン系重合体である。
【0012】
1つの実施態様では、前記(B)成分の化合物が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである。1つの実施態様では、前記(D)成分が、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル、クロチル酸エステル類、および、キノン類からなる群において選ばれる少なくとも1種の有機化合物である。1つの実施態様では、(C)と(D)の混合物を、(A)、(B)、(E)成分からなる混合物に添加して製造される。
【0013】
本発明の他の実施態様は、下記(I)、(II)の状態で保存された2つの組成物を混合して得られる、請求項1〜11のいずれか1項に記載の硬化性組成物である。
(I)(A)、(C)、および(D)からなるヒドロシリル化触媒組成物、
(II)(A)、(B)、および(E)成分からなる硬化剤含有組成物
1つの実施態様では、(C)および(D)成分を混合した後、(A)成分と混合し、ヒドロシリル化触媒組成物(I)を作成する。
【0014】
本発明の他の実施態様は、下記(I)、(II)の組成物が別々の容器中に存在することを特徴とする、本発明の硬化性組成物の原料である。
(I)(A)、(C)、および(D)からなるヒドロシリル化触媒組成物、
(II)(A)、(B)、および(E)成分からなる硬化剤含有組成物
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の硬化性組成物に用いる(A)成分は、分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体である。この有機重合体としては、飽和炭化水素系重合体やオキシアルキレン系重合体を用いることができる。
【0016】
前記アルケニル基は、ヒドロシリル化反応に対して活性のある炭素−炭素2重結合を含む基であれば特に制限されるものではない。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、メチルビニル基、プロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などの脂肪族不飽和炭化水素基、シクロプロペニル基、シクロブテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基などの環式不飽和炭化水素基、メタクリル基などが挙げられる。本発明の硬化性組成物の特徴の1つは、硬化後に得られるゴム状弾性体を低硬度に設定しやすいことであり、この特徴を発揮させるには、(A)成分は、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を分子中に2個以上有している重合体であることが好ましい。しかし、(A)成分の重合体の分子量に比して該重合体中のアルケニル基の数が多くなりすぎると硬化物は剛直になり、良好なゴム弾性が得られにくくなる。さらに、上記ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基は(A)成分の重合体の分子末端(重合体末端)に導入されていることが望ましい。アルケニル基が(A)成分の重合体末端にあるときは、熱硬化して最終的に形成される硬化物の有効網目鎖量が多くなり、高強度のゴム状弾性体が得られやすくなるなどの点から好ましい。
【0017】
前記飽和炭化水素系重合体とは、主鎖中に芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を有しない重合体を意味し、主鎖を構成する繰り返し単位が炭化水素基から構成される重合体を示す。なお、本発明で(A)成分の重合体における主鎖とは、重合体中の、ヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を除く部分をいう。
【0018】
(A)成分の飽和炭化水素系重合体の骨格をなす重合体は、例えば下記(1)、(2)などの方法により得ることができる。
(1)エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブチレンなどのような炭素数2〜6のオレフィン系化合物を主モノマーとして重合させる。
(2)ブタジエン、イソプレンなどのようなジエン系化合物を単独重合させたり、上記オレフィン系化合物とジエン系化合物とを共重合させたりした後、水素添加する。
【0019】
この飽和炭化水素系重合体としては、末端に官能基を導入しやすい、分子量を制御しやすい、末端官能基の数を多くすることができるなどの点から、イソブチレン系重合体や水添ポリブタジエン系重合体もしくは水添ポリイソプレン系重合体であるのが望ましい。
【0020】
前記イソブチレン系重合体とは、重合体の骨格をなす単量体単位が主としてイソブチレン単位からなるものを意味する。この場合、単量体のすべてがイソブチレン単位から形成されていても良く、イソブチレンと共重合性を有する単量体単位を重合体中に好ましくは50%(重量%、以下同様)以下、さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは20%以下の範囲で含有していても良い。但し、これら重合体骨格において、耐湿性、耐候性、耐熱性の観点から、芳香環以外の炭素−炭素不飽和結合を実質的に含有せず、前記アルケニル基を除く主鎖を構成する繰り返し単位が飽和炭化水素から構成されることが特に好ましい。なお、本発明の目的が達成される範囲であれば、硬化性組成物の(A)成分として用いるイソブチレン系重合体には、ブタジエン、イソプレン、1,13−テトラデカジエン、1,9−デカジエン、1,5−ヘキサジエンなどのポリエン化合物のような、重合後に2重結合が残る単量体単位を少量、好ましくは10%以下の範囲で含有させても良い。
【0021】
前記イソブチレンと共重合性を有する単量体単位としては、例えば炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエ−テル、芳香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類などが挙げられる。それらの具体例としては、例えば1−ブテン、2−ブテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキサン、メチルビニルエ−テル、エチルビニルエ−テル、イソブチルビニルエ−テル、スチレン、α−メチルスチレン、ジメチルスチレン、p−t−ブトキシスチレン、p−ヘキセニルオキシスチレン、p−アリロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、β−ピネン、インデン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチルシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルジメチルメトキシシラン、アリルトリメチルシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。
【0022】
前記水添ポリブタジエン系重合体や他の飽和炭化水素系重合体においても、上記イソブチレン系重合体の場合と同様に、主成分となる単量体単位の他に、他の単量体単位を含有させてもよい。
【0023】
前記飽和炭化水素系重合体、好ましくはイソブチレン系重合体、水添ポリイソプレンまたは水添ポリブタジエン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点から1000〜50000程度であるのが好ましい。(A)成分の飽和炭化水素系重合体の分子量が1000より小さいと架橋点が多すぎるため硬化物が脆くなり、また50000より大きいと粘度が高くなるため、加工時の作業性が悪くなるおそれがある。
【0024】
本発明で(A)成分として使用されるアルケニル基を有する飽和炭化水素系重合体の製造方法としては、例えば日本特許出願公開平成3年第152164号公報や日本特許出願公開平成7年第304909号公報などに開示されているような、水酸基などの官能基を有する重合体に不飽和基を有する化合物を反応させて前記重合体に不飽和基を導入する方法が挙げられる。また、他の方法としては、ハロゲン原子を有する重合体に不飽和基を導入する際に、アルケニルフェニルエーテルとフリーデルクラフツ反応を行う方法、ルイス酸存在下アリルトリメチルシランなどと置換反応を行う方法、種々のフェノール類とフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入した上でさらに前記のアルケニル基導入方法を併用する方法などが挙げられる。さらに、米国特許第4316973号、日本特許出願公開昭和63年第105005号公報、日本特許出願公開平成4年第288309号公報に開示されているような、単量体の重合時に不飽和基を導入する方法も可能である。
【0025】
アルケニル基含有イソブチレン系重合体の製造方法としては、例えば、共有結合性Cl基を有するイソブチレン系重合体にアルケニル基を導入する方法が挙げられる。共有結合性Cl基を有するイソブチレン系重合体にアルケニル基を導入する具体的方法に特に制限はないが、例えば、アルケニルフェニルエーテル類とイソブチレン系重合体のCl基との間でフリーデルクラフツ反応を行う方法、アリルトリメチルシランなどとイソブチレン系重合体のCl基とをルイス酸存在下で置換反応させる方法、および種々のフェノール類とイソブチレン系重合体のCl基とのフリーデルクラフツ反応を行い水酸基を導入した後にさらに前記のアルケニル基導入方法を行う方法などが挙げられる。
【0026】
また、(A)成分のアルケニル基含有イソブチレン系重合体を製造する他の方法としては、重合体の重合中にアルケニル基を導入する方法が挙げられる。重合体の重合中にアルケニル基を導入する方法としては、例えば、開始剤、連鎖移動剤、触媒の存在下で、イソブチレンを含むカチオン重合性単量体をカチオン重合させる反応系にアリルトリメチルシランを添加して、アリル末端を有するイソブチレン系重合体を製造する方法がある。ここで、例えば、開始剤兼連鎖移動剤として、ハロゲン原子および芳香環炭素に結合している炭素原子を有する化合物または第3級炭素原子に結合しているハロゲン原子を有する化合物を使用することができる。触媒としてはルイス酸を使用することができる。同様に、1,9−デカジエンのような非共役ジエン類もしくはp−ヘキセニルオキシスチレンのようなアルケニルオキシスチレン類を重合反応系に添加する方法も可能である。ここで、カチオン重合触媒として用いられ得るルイス酸としては、一般式MX’n(Mは金属原子、X’はハロゲン原子)で表される化合物(例えば、BCl3、Et2AlCl、EtAlCl2、AlCl3、SnCl4、TiCl4、VCl5、FeCl3、およびBF3など)が挙げられるが、これらに限定されない。これらのルイス酸のうち、BCl3、SnCl4、BF3などが好ましく、さらに好ましくは、TiCl4である。ルイス酸の使用量は開始剤兼連鎖移動剤のモル数に対し0.1〜10倍が好ましく、さらに好ましくは2〜5倍である。
【0027】
また、本発明の硬化性組成物の(A)成分として使用される前記オキシアルキレン系重合体とは、主鎖を構成する単位のうち30%以上、好ましくは50%以上がオキシアルキレン単位からなる重合体をいい、オキシアルキレン単位以外に含有される単位としては、重合体製造時の出発物質として使用される、活性水素を2個以上有する化合物、たとえば、エチレングリコール、ビスフェノール系化合物、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどからの単位が挙げられる。なお、オキシアルキレン単位は、一種類である必要はなく、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシドなどからなる共重合体(グラフト重合体も含む)であってもよい。また、電子写真用のローラやドラムの導電性弾性層を形成するための硬化性組成物として使用する場合、(A)成分のオキシアルキレン系重合体としては、電気特性の環境安定性において、主鎖骨格として比較的吸水性の低いオキシプロピレン、オキシブチレンなどを使用することが好ましく、特に、主鎖骨格がオキシプロピレンであるオキシプロピレン系重合体であることが好ましい。
【0028】
前記オキシアルキレン系重合体、好ましくはオキシプロピレン系重合体の数平均分子量(GPC法、ポリスチレン換算)は、その取り扱いやすさ、硬化後のゴム弾性の点から500〜50000程度であるのが好ましい。(A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量が500より小さいと架橋点が多すぎるため硬化物が脆くなり、また50000より大きいと粘度が高くなるため、加工時の作業性が悪くなるおそれがある。
【0029】
本発明に用いる(B)成分は、硬化剤として使用されるものであり、分子内に2個以上のヒドロシリル基(ケイ素原子結合水素原子)を含有するものであれば、制限はない。ここで、ヒドロシリル基とはSi−H結合を有する基であるが、本発明においては、同一ケイ素原子(Si)に水素原子(H)が2個結合している場合は、ヒドロシリル基2個と計算する。(B)成分としては、平均して1分子中に少なくとも2個のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンが好ましいものの一つとして挙げられる。(B)成分のポリオルガノハイドロジェンシロキサンの1分子中に含有されるヒドロシリル基が平均して2個に満たない場合は、硬化物が十分に架橋できないためゴム弾性が得られ難くなる。
【0030】
(B)成分の化合物の好ましい例としては、ポリオルガノハイドロジェンシロキサンが挙げられる。ポリオルガノハイドロジェンシロキサンとは、ケイ素原子上に炭化水素基あるいは水素原子を有するシロキサン化合物をいう。シロキサン化合物は、例えば、鎖状もしくは環状であり得、具体的には例えば、以下の式で示される:
【0031】
【化1】
Figure 0003924653
(2<m+n≦50、2<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0032】
【化2】
Figure 0003924653
(0<m+n≦50、0<m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
【0033】
【化3】
Figure 0003924653
(3≦m+n≦20、2<m≦19、0≦n<18、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。)
などで示される鎖状、環状のものや、これらのユニットを2個以上有する
【0034】
【化4】
Figure 0003924653
(1≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0035】
【化5】
Figure 0003924653
(0≦m+n≦50、0≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
【0036】
【化6】
Figure 0003924653
(3≦m+n≦50、1≦m、0≦n、Rとしては主鎖の炭素数が2〜20の炭化水素で1個以上のフェニル基を含有してもよい。2≦l、R2は2〜4価の有機基であり、R1は2価の有機基。ただし、R1はR2の構造によってはなくてもよい。)
などで示されるものが挙げられる。
【0037】
(B)成分は、(A)成分、(C)成分、(D)成分、および(E)成分との相溶性、あるいは系中における分散安定性がよいものが好ましい。特に系全体の粘度が低い場合には、(B)成分の上記各成分との相溶性が低いと、相分離が起こりやすく、硬化不良を引き起こしやすい。このために、相分離を防ぐために、分散助剤として、微粉末シリカ等の粒径の小さいフィラーを配合してもよい。
【0038】
(A)成分、(C)成分、(D)成分、または(E)成分との相溶性、あるいは分散安定性が比較的良好な(B)成分としては、具体的には例えば、以下の化合物が挙げられる。
【0039】
【化7】
Figure 0003924653
(nは6〜12)
【0040】
【化8】
Figure 0003924653
(2<k<30、0<l<10、Rは炭素数8以上の炭化水素基)
本発明の硬化性組成物中の(B)成分の使用量としては、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.5〜5.0当量となるように使用することが好ましい。さらに、(A)成分の有機重合体が飽和炭化水素系重合体である場合には、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8〜5.0当量となるように使用することが好ましい。上記(A)成分の飽和炭化水素系重合体のアルケニル基総量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.8当量に満たない場合、架橋が不十分となることがある。また、5.0当量を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には1.0〜2.0当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。また(A)成分の有機重合体がオキシアルキレン系重合体である場合には、(A)成分のアルケニル基の総量に対して、(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.5〜3.0当量となるように使用することが好ましい。上記(A)成分のオキシアルキレン系重合体のアルケニル基総量に対して(B)成分のケイ素原子結合水素原子が0.5当量に満たない場合、架橋が不十分となることがある。また、3.0当量を越える場合には、硬化後に残留するケイ素原子結合水素原子の影響により物性が大きく変化することが問題となる。特にこの影響を抑制したい場合には0.7〜1.5当量となるように(B)成分を用いることが好ましい。
【0041】
(C)成分のヒドロシリル化触媒としては、特に制限はなく、任意のヒドロシリル化触媒が使用できる。具体的に例示すれば、塩化白金酸、白金の単体、アルミナ、シリカ、またはカーボンブラック等の担体に固体白金を担持させた触媒;白金−ビニルシロキサン錯体{例えば、Ptn(ViMe2SiOSiMe2Vi)n、Pt〔(MeViSiO)4m};白金−ホスフィン錯体{例えば、Pt(PPh34、Pt(PBu34};白金−ホスファイト錯体{例えば、Pt〔P(OPh)34、Pt〔P(OBu)34}(式中、Meはメチル基を表し、Buはブチル基を表し、Viはビニル基を表し、Phはフェニル基を表し、n、mは整数を表す)、Pt(acac)2、Ashbyらの米国特許第3159601および3159662号明細書中に記載された白金−炭化水素複合体、ならびにLamoreauxらの米国特許第3220972号明細書中に記載された白金アルコラート触媒が挙げられる。
【0042】
また、白金化合物以外の触媒の例としては、RhCl(PPh33、RhCl3、Rh/Al23、RuCl3、IrCl3、FeCl3、AlCl3、PdCl2・2H2O、NiCl2、TiCl4等が挙げられる。これらの触媒は単独で使用してもよく、2種以上併用しても構わない。触媒活性の点から塩化白金酸、白金−オレフィン錯体、白金−ビニルシロキサン錯体、Pt(acac)2等が好ましい。
【0043】
(C)成分の触媒の量は、特に制限されないが、(A)成分中のアルケニル基1molに対して10-1〜10-8molの範囲が好ましい。好ましくは、10-2〜10-6molの範囲である。また、ヒドロシリル化触媒は、一般に高価で腐食性であり、また、水素ガスを大量に発生して硬化物が発泡してしまう場合があるので多すぎない方がよい。
【0044】
本発明における(D)成分は、後述の(E)成分との併用により、組成物に、安定的な硬化性と貯蔵安定性を付与するための成分である。本発明における(D)成分は、特に、ヒドロシリル化触媒に作用し、触媒の安定化、さらには、触媒の活性化をもたらす。
【0045】
本発明における(D)成分としては、炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物であれば、特に制限なく使用することができ、具体的には、炭素−炭素2重結合を形成する炭素原子にエステル基、ホルミル基、アシル基、アミド基などが直接結合した構造を持つ化合物や、ナフトキノン、ビタミンK類に代表されるキノン類が例示される。特に、ヒドロシリル化触媒の安定化、および、後述の(E)成分との併用における硬化性や貯蔵安定性のバランスの観点から、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル、クロチル酸エステル、および、キノン類を好適に用いることができる。これらの化合物については、保存期間中や製造中の真空脱泡などの操作により揮発してその作用を発現できなくなる恐れがあるため、その沸点が80℃以上、さらには、100℃以上のものを選択することが好ましい。本発明の(D)成分においては、特に、硬化性組成物を2液に分けて用いる場合、ヒドロシリル化触媒組成物に添加されることが好ましい。本発明における(D)成分は、ヒドロシリル化触媒の配位子として作用し、触媒の安定化、さらには、触媒の活性化をもたらす成分となる。
(D)成分の添加量としては、(C)成分のヒドロシリル化触媒1molに対して、0.1〜100mol、さらに、0.5〜50molの範囲で好適に使用することができる。(D)成分の添加量が100molより多いと、硬化時間が長くなる、あるいは、硬化しないこともある。また、0.1molより少ないとヒドロシリル化触媒活性の安定化が達成できない。
【0046】
本発明における(E)成分は、(D)成分と同様、(D)成分と併用して用いることで、安定的な硬化性と貯蔵安定性を硬化性組成物に付与するための成分である。本発明における(E)成分は、主に、(B)成分起因の増粘やゲル化を抑制し、組成物に貯蔵安定性を付与する。本発明における(E)成分としては、アセチレンアルコール類であれば、特に制限はない。本発明における(E)成分としては、具体的に、例えば、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3−メチル−1−ヘキシン−3−オール、3−エチル−1−ペンチン−3−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールなどが例示される。特に、組成物の貯蔵安定性、および、前述の(D)成分との併用における硬化性と貯蔵安定性のバランスという観点からアセチレンアルコールが好適に用いられる。本発明における(E)成分は、特に、硬化性組成物を2液に分けて用いる場合、硬化剤含有組成物に添加することが好ましい。硬化剤含有組成物に添加されることで、(B)成分起因による組成物の増粘、ゲル化を抑制し、組成物の貯蔵安定性を向上させることができる。また、(E)成分は、ヒドロシリル化触媒含有組成物に添加することは好ましくなく、(D)成分と異なり、触媒を安定化する効果が少なく、さらには、失活させるリスクさえある。(E)成分の添加量としては、(C)成分のヒドロシリル化触媒1molに対して、1〜500mol、さらには、2〜100molの範囲で好適に使用することができる。(E)成分の添加量が500molより多いと、硬化時間が長くなる、あるいは、硬化しないこともある。また、1molより少ないと増粘またはゲル化が進行する。
【0047】
本発明の硬化性組成物には、組成物の粘度または組成物から得られるゴムの硬度を調整する目的で可塑剤を添加してもよい。可塑剤の例としては、炭化水素または極性の低い炭化水素の置換体などが挙げられ、具体的には例えば、分子量300〜1000の飽和炭化水素系プロセスオイルなどが挙げられる。可塑剤の使用量は(A)成分100重量部に対して、150重量部以下が好ましい。それ以上の添加量になると、ブリード等の問題が生じやすい。
【0048】
本発明の硬化性組成物には、各種充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、界面活性剤、溶剤、シリコン化合物などを、目的とする硬化物の性能の必要に応じて適宜添加してもよい。前記充填剤の具体例としては、シリカ微粉末、カーボンブラック、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化チタン、亜鉛華、ケイソウ土、硫酸バリウムなどが挙げられる。これらの充填剤の中では、特にシリカ微粉末、とりわけ粒子径が50〜70nm(BET比表面積が50〜380m2/g)程度の微粉末シリカが好ましく、その中でも表面処理を施した疎水性シリカが、強度を好ましい方向に改善する働きが大きいので特に好ましい。
【0049】
本発明の組成物は、例えば、貴金属触媒を用いたアルケニル基に対するSi−H基の付加反応によって硬化する。従って、硬化速度が非常に速く、ライン生産を行う上で好都合である。本発明の組成物を熱硬化させる温度は、80〜200℃の範囲内が好ましい。80℃より低い温度では、組成物が貯蔵安定性に優れているため、硬化反応はほとんど進行しないが、80℃以上さらには100℃以上になると、急激にヒドロシリル化反応が進行し、短い時間で硬化させることができる。
さらに、本発明の好ましい実施の態様として、2液方式が挙げられる。本発明において、この2液方式を用いることは、後述のように、本発明における(B)成分と(C)成分を別の組成物として取り扱うことが可能となるため、1液方式に比べて、貯蔵安定性の面でより有利なものとなる。ここで本発明における硬化性組成物は、
(I)(A)、(C)、および(D)成分からなるヒドロシリル化触媒組成物、および、(II)(A)、(B)、および(E)成分からなる硬化剤含有組成物、の2液に分けて取り扱うことが好ましく、必要に応じて、2液組成物を計量、混合し、その後、加熱硬化させることができる。前述のように、ヒドロシリル化触媒組成物には(D)成分を、硬化剤含有組成物には(E)成分を添加することで、安定的な触媒活性を発現し、かつ、貯蔵安定性にも極めて優れる2液組成物を提供することが可能となる。
【0050】
次に、本発明における硬化性組成物の製造方法について説明する。本発明における硬化性組成物の製造方法については特に制限はないが、好ましい製造方法として、(C)成分であるヒドロシリル化触媒と(D)成分である炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物とを混ぜ合わせた後に、残りの成分と混ぜ合わせる方法が挙げられる。すなわち、ヒドロシリル化触媒を硬化性組成物を構成する他成分と混合させる前に、(D)成分と反応させることで安定的に本発明の効果が発現できるようになる。本発明においては、(C)成分と(D)成分とを混ぜ合わせる際に、必要に応じて加熱し、反応を促進させることができる。また、必要に応じて混合の際に溶剤を使用してもよい。
【0051】
【実施例】
以下の実施例に基づき本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1)
(A)成分として、ACX004−N(鐘淵化学工業製、オキシプロピレン系重合体)200gに対して、(B)成分としてACX004−C(鐘淵化学工業製)を13g、(D)成分として、ジメチルマレートを0.005g、および、(E)成分として2−メチル−3−ブチン−2−オールを0.05g混合した。この混合物に(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3重量%、キシレン溶液)を0.12g加え、よく混合し、硬化性組成物を作成した。このようにして得られた組成物について、100℃でのスナップアップタイムを計測した。ここで、スナップアップタイムとは、配合組成物が所定の温度において、目視で硬化状態に至ったと判断できるまでに要した時間をいう。スナップアップタイムは、少量の配合組成物を100℃に設定したホットプレート上で加熱したアルミ板にのせ、先端を丸めた細い木片の先で混ぜながら、目視により硬化状態に至るまでに要した時間を測定した。
さらに、前記組成物を真空脱泡撹拌装置で24時間脱泡を行ったあと、100℃でのスナップアップタイムを計測した。このようにして得られた硬化性組成物を20℃の試験室内に保管して硬化性組成物の貯蔵安定性をみた。各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。配合表および評価結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
Figure 0003924653
(実施例2)
実施例1記載の処方において、(D)成分としてクロチル酸ブチルを0.005g用いた以外は同様に配合し、各種評価を行った。評価結果を表1に示した。(実施例3)
実施例1記載の処方において、(E)成分として3−メチル−1−ペンチン−3−オールを0.05g用いた以外は同様に配合し、各種評価を行った。評価結果を表1に示した。
(実施例4)
(A)成分として、ACX004−N(鐘淵化学工業製、オキシプロピレン系重合体)200gに対して、(B)成分としてACX004−C(鐘淵化学工業製)を13g、および、(E)成分として2−メチル−3−ブチン−2−オールを0.05g混合した。
【0053】
(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3重量%、キシレン溶液)10gに(D)成分として、メチルナフトキノンを0.8g加え、80℃で1時間加熱し作成した触媒溶液を前記、配合物に0.12g加え、よく混合し、硬化性組成物を作成した。このようにして得られた組成物について、100℃でのスナップアップタイムを計測した。
さらに、前記組成物について、真空脱泡撹拌装置で24時間脱泡を行い、同様にスナップアップタイムを計測した。このようにして得られた硬化性組成物を20℃の試験室内に保管して硬化性組成物の貯蔵安定性をみた。各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例5)
(A)成分として、EP400A(鐘淵化学工業製、イソブチレン系重合体)200gに対して、可塑剤PAO5006(出光石油化学製)100g、および酸化防止剤としてMARK AO−50(旭電化製)2gを混合し、ロールにて3回混練した。次いで、この混合物に(B)成分としてCR100(鐘淵化学工業製)を10g、および、(E)成分として2−メチル−3−ブチン−2−オールを0.1g混合した。
【0054】
(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3重量%、キシレン溶液)を10g、そして、(D)成分として、メチルナフトキノンを0.8g加え、80℃で1時間加熱した触媒溶液を前記、配合物に0.11g加え、よく混合して硬化性組成物を作成した。このようにして得られた組成物について、100℃でのスナップアップタイムを計測した。
また、前記組成物について、真空脱泡撹拌装置で24時間脱泡を行い、再びスナップアップアタイムを計測した。このようにして得られた硬化性組成物を20℃の試験室内に保管して硬化性組成物の貯蔵安定性をみた。各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例6)
(A)成分として、ACX004−N(鐘淵化学工業製)を2つのPP製容器に各々100gずつ秤取し、一方の容器には、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3重量%、キシレン溶液)を0.12g、(D)成分としてジメチルマレート0.005gを添加し、均一混合した(組成物(I)とする)。もう一方の容器には、(B)成分としてACX004−C(鐘淵化学工業製)を13g、(E)成分として3−メチル−1−ブチン−3−オールを0.05gを秤取し、均一混合した(組成物(II)とする)。各々の容器内の組成物について、組成物(I)および(II)から5gずつ秤量した後、混合させ、100℃におけるスナップアップタイムを測定した。
また、これら組成物(I)および(II)をそれぞれ真空攪拌脱泡装置で24時間脱泡した後、組成物(I)および(II)から5gずつ秤量した後、混合させ、100℃におけるスナップアップタイムを測定した。さらに、前記の(I)と(II)を混合した組成物を20℃の試験室内に保管して組成物の貯蔵安定性をみた。各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
(実施例7)
(A)成分として、ACX004−N(鐘淵化学工業製)を2つのPP製容器に各々100gずつ秤取し、一方の容器には、(B)成分としてACX004−C(鐘淵化学工業製)を13g、(E)成分として3−メチル−1−ブチン−3−オールを0.05gを秤取し、均一混合した(組成物(II)とする)。また、(C)成分として、ビス(1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)白金錯体触媒(白金含有量3重量%、キシレン溶液)を10gに(D)成分として、メチルナフトキノンを0.8g加え、80℃で1時間加熱し作成した触媒溶液を前記、もう一方の容器に0.12g加え、均一混合した(組成物(I)とする)。各々の容器内の組成物について、組成物(I)および(II)から5gずつ秤量した後、混合させ、100℃におけるスナップアップタイムを測定した。
また、これら組成物(I)および(II)をそれぞれ真空攪拌脱泡装置で24時間脱泡した後、組成物(I)および(II)から5gずつ秤量した後、混合させ、100℃におけるスナップアップタイムを測定した。さらに、前記の(I)と(II)を混合した組成物を20℃の試験室内に保管して組成物の貯蔵安定性をみた。各経過時間において、組成物にゲル化が見られないものを○、一部でもゲル化が見られるものを×と評価した。評価結果を表1に示す。
(比較例)
実施例5において、(D)成分を添加せず、あとは同様の処方で、組成物(I)および(II)を配合し、各種評価を行った。結果を表1に示した。
上記に示した例の比較からも分かるように、本発明による硬化性組成物は、貯蔵安定性を確保した上に、真空脱泡のような操作を経ても硬化性は安定しており、さらには、同等あるいはより優れた硬化性を有することが明らかである。
【0055】
【発明の効果】
本発明により、硬化性と貯蔵安定性に優れる硬化性組成物および硬化性組成物の製造方法を提供することが可能となる。

Claims (14)

  1. 下記(A)〜(E)成分を必須成分として含有されてなる硬化性組成物。
    (A)分子中に少なくとも1個のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基を有する有機重合体、
    (B)分子中に少なくとも2個ヒドロシリル基を含有する化合物、
    (C)ヒドロシリル化触媒、
    (D)炭素−炭素2重結合を有し、該結合を形成する炭素原子にカルボニル基の炭素原子が結合した構造を有する有機化合物、
    (E)アセチレンアルコール類
  2. 前記(A)成分の有機重合体中のヒドロシリル化反応可能なアルケニル基が、該重合体の末端に存在する、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記(A)成分の有機重合体が、飽和炭化水素系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(A)成分の有機重合体が、イソブチレン系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  5. イソブチレン系重合体の分子量が1000〜50000であることを特徴とする請求項4記載の硬化性組成物。
  6. (A)成分の有機重合体がオキシアルキレン系重合体であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化性組成物。
  7. (A)成分のオキシアルキレン系重合体の分子量が500〜50000であることを特徴とする請求項6に記載の硬化性組成物。
  8. (A)成分のオキシアルキレン系重合体がオキシプロピレン系重合体であることを特徴とする請求項6または7に記載の硬化性組成物。
  9. (B)成分が、平均して1分子中に少なくとも2個以上のヒドロシリル基を含有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンである、請求項1〜8のいずれか1項に記載の組成物
  10. (D)成分が、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、クロチル酸エステル類、および、キノン類からなる群より選択される少なくとも1種の有機化合物である請求項1〜9のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物の製造方法であって、(C)と(D)の混合物を、(A)、(B)、(E)成分からなる混合物に添加することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
  12. 下記(I)、(II)の状態で保存された2つの組成物を混合して得られる、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
    (I)(A)、(C)、および(D)からなるヒドロシリル化触媒組成物、
    (II)(A)、(B)、および(E)成分からなる硬化剤含有組成物。
  13. 請求項12に記載の硬化性組成物についての製造方法であって、(C)および(D)成分を混合した後、(A)成分と混合し、ヒドロシリル化触媒組成物(I)を作成することを特徴とする硬化性組成物の製造方法。
  14. 下記(I)、(II)の組成物が別々の容器中に存在することを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の硬化性組成物の原料。
    (I)(A)、(C)、および(D)からなるヒドロシリル化触媒組成物、
    (II)(A)、(B)、および(E)成分からなる硬化剤含有組成物。
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